JP3606656B2 - レシチン含有粉末及びその製造方法 - Google Patents

レシチン含有粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はレシチン含有粉末及びその製造法に関するものである。さらに詳しくは賦形剤に吸着させてその外部に吸湿性を抑えた被膜を形成せしめ、レシチン含量を高くした粉末にして、取り扱い易く、保存性の良い飼料や食品に用いることのできるレシチン含有粉末及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、動植物より製造されるレシチン類は、常温では液状又はペースト状で、そのままでは粘着性が高くてハンドリングが難しい。このように常温で液体、又はペースト状のレシチン類、吸湿性の高いレシチン類を飼料等と混合し易くするために、賦形剤に吸着させて粉末化する試みがなされている。また、現在では液体、又はペースト状のレシチン類を飼料等に用いる場合には殻粉類に吸着させ使用しているが、その量はほぼフスマで25%、米糠で15%、大豆粕で10%を吸着させるのが限度であり、いずれも常温で粉体状を保ち得るが、フスマ、米糠の場合は高温になるとベタツキが生じ、大豆粕では常温で時間と共にベタツキが生じてくるので、これら以上の高濃度では、取り扱いが難しくなる。
【0003】
また食品に用いる例として、高融点の動植物油脂及び天然ワックス類を添加し、成形する方法(特開昭60−99333、特開昭62−258391)、リン酸塩、炭酸塩等の無機塩や乳化剤とともに混合する方法(特開昭57−39741)、卵黄レシチンをデキストリン、カゼインナトリウムと共に、ホモゲナイザー等で均質化後、噴霧乾燥する方法(特開昭62−163661)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、液体、又はペースト状レシチン類と賦形剤との単なる混合では、10〜15%が限度である。高融点の動植物油脂の使用は夏期時、溶解して融着し、ブロック化する恐れがある。塩類及び乳化剤に吸着させる方法は親和性が少なく、混合し難く、且つ湿気を吸い、経時的にべたつく可能性がある。さらに乳化液を調製し噴霧乾燥する方法は、製造方法が複雑で、噴霧乾燥時の加熱により品質が劣化する恐れがある。
【0005】
本発明は上記の点に着目し行なった物で、動植物から得られ常温では液体又はペースト状で、吸湿性の高いレシチン類を粉末にし、食品や飼料に用いるにおいて、取り扱いが容易で均一に配合することのできるレシチン含有粉末及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、動植物から得られる常温で液体又はペースト状のレシチン類を大きさが5〜800メッシュである賦形剤に混合により吸着させ、さらにその外部を水溶性高分子物質で被覆することにより、食品に添加したり、また飼料への配合が容易なレシチン含有粉末が簡単に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、大きさが5〜800メッシュであって、穀粉、種子粉、いも粉、デンプン、油粕、糠、製造粕、動物粕、鉱物の粉から選ばれた少なくとも1種の賦形剤に動植物から得られる常温で液体又はペースト状のレシチン類を混合により吸着させ、その外部を水溶性高分子物質の被膜で被覆してなるレシチン含有粉末、及び大きさが5〜800メッシュであって、穀粉、種子粉、いも粉、デンプン、油粕、糠、製造粕、動物粕、鉱物の粉から選ばれた少なくとも1種の賦形剤と動植物から得られる常温で液体又はペースト状のレシチン類を混合して賦形剤に吸着させ、ついでこれを水溶性高分子物質の水溶液又は水分散液と混合又は接触後、乾燥してその外部に水溶性高分子物質の被膜を形成せしめるレシチン含有粉末の製造方法である。
【0008】
本発明に用いる賦形剤は、穀粉、種子粉、いも粉、デンプン、油粕、糠、製造粕、動物粕、鉱物の粉等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を用いることができる。これらの賦形剤はその大きさが5〜800メッシュであり、飼料の場合は10〜150メッシュ程度の粗粒が、また食用の場合には、100〜600メッシュ程度の細粒が、各々一般的に用いられ、その形状は粉状、球状、粒状、棒状、繊維状、その他の不定形のいずれの形状であっても用いることができる。またその水分は15重量%以下であることが好ましい。
【0009】
上記殻粉としては例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、エンバク、グレインソルガム、米、アワ、キビ、ヒエ、ソバ等の殻粉を上記粒度に粉砕して得られる殻物の粉が挙げられる。
【0010】
また、種子粉としては、大豆、綿実、アマニ、ラッカセイ、インゲン、ソラマメ、エンドウ、カウピー、グラム、ガァール、ベルベットビーン、マメ科牧草種子、ヒマワリ種子、スクリーニング等の種子を上記粒度に粉砕して得られる種子の粉、きな粉等が挙げられる。
【0011】
イモ類の粉としては、ジャガイモ、サツマイモ等を乾燥して粉砕したイモ粉が挙げられ、デンプン類としては馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、小麦デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン等が挙げられる。
【0012】
油粕は飼料に主に用いられ、植物のマメ類及び油実類等を採油して得られた粕で、大豆粕、綿実粕、アマニ粕、ラッカセイ粕、ゴマ粕、ヒマワリ粕、ヤシ粕、パーム核粕、ナタネ粕、サフラワー粕、カラシ粕、ケシ実粕、麻実粕、カポック粕、エゴマ粕、ゴムの実粕、アーモンド粕、クルミ粕、ババス粕、シャーナット粕、ニガー粕等が挙げられるが、上記のうち、大豆粕、ラッカセイ粕、ゴマ粕等が食用にも用いられる。
【0013】
糠としては米糠、フスマ、麦糠、トウモロコシ糠、マイロ糠、エンバク糠、ライ麦糠、大豆皮等が挙げられ、飼料の主原料であるが、米糠、フスマ等は食用にも用いられる。
【0014】
製造粕は飼料に主に用いられ、食料品原料、飲料等を製造した後に得られた粕で、デンプン粕、コーングルテンフィード等のデンプン製造副産物、ビートパルプ、バガス等の製糖副産物、ビール粕、アルコール粕、酒類の粕、醤油粕、アミノ酸発酵副産物、クエン酸発酵副産物等の発酵工業副産物、トウフ粕、サイトラスパルス、パイナップル粕、リンゴ搾り粕、トマト搾り粕、コンニャクとび粉、菓子屑、パン屑、アメ粕、コーヒー残滓、ブドウ搾り滓、茶残滓、野菜粕等のその他製造副産物が挙げられる。これらの製造粕はそのまま又は必要により乾燥及び粉砕を行なって所望の粒度と水分に調製したものを用いることができる。上記の内、ビートパルプ、酒類の粕、醤油粕、トウフ粕、果実の搾り粕、パン屑等は食品にも用いることができる。
【0015】
動物粕、動物から肉等を除いて得られる粕で、飼料に主に用いられ、魚粉、カニミール、エビミール、サナギ粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー、ミートボーンミール、ミートミール、フェザーミール等が挙げられ、これらの製造粕はそのまま又は必要により乾燥及び粉砕を行なって所望の粒度と水分としたものが挙げられ、これらのうち、脱脂粉乳、乾燥ホエー等が食品用に用いられる。
【0016】
鉱物の粉その他としては、飼料として動物に悪影響を与えることのない鉱物質から得られる粉で、炭酸カルシュウム、方解石、石灰石粉、貝殻粉、沈降性炭酸カルシュウム、蒸製骨粉、骨灰、骨炭、リン酸二石灰、リン酸一石灰、シリカゲル等が挙げられ、食品用として、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、骨粉、シリカゲル、リン酸カルシウム等が挙げられ、食品用として炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、骨粉、シリカゲル、リン酸カルシウム等が挙げられる。その他として結晶セルロースが挙げられる。
【0017】
上記レシチン類としては魚卵、鶏卵、鳥類の卵、大豆、ナタネ、トウモロコシ、綿実等の動植物より得られる粗レシチン、精製レシチン、酵素処理レシチン、分画レシチン等が挙げられ、これらレシチン類を本発明により粉末化することにより、その油の浸出や吸湿性を改良することができる。
【0018】
本発明のレシチン含有粉末は、上記の賦形剤に動植物から得られるレシチン類を吸着させ、その外部を水溶性高分子物質の被膜で被覆してなるレシチン含有粉末である。賦形剤に吸着させるレシチン類の量は、レシチン含有粉末中、重量比で10%〜75%量が好ましい。10%以下では上記賦形剤のみでも十分粉末化が可能であるが、75%を越えると常温でもベトツいたり、粉末化後の流動性が低下することがあり、高温では、ベトツキが激しく粉末状を保てず、全く流動性が失われてしまう。
【0019】
レシチン類を吸着した賦形剤の外部を被覆する水溶性高分子物質として、動植物から得られ被膜形成能を有するもので、アルギン酸ナトリウム、寒天、カラーギナン、ファーセラン等の海藻抽出物、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンド等の植物性種子粘質物、ペクチン等の植物性果実粘質物、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム等の植物性樹脂様粘質物、デキストラン、キサンタンガム、プルラン、カードラン等の微生物産生粘質物、ゼラチン、カゼインナトリウム、水溶性卵白、コラーゲン等の水溶性もしくは水分散性蛋白質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられ、特に海藻抽出物、種子粘質物、樹脂様粘質物、微生物産生粘質物等が被膜形成に適し好ましい。
【0020】
水溶性高分子物質の含量は、重量比で0.1%〜20%量を用いることで、油の浸出や吸湿性の抑制に優れたレシチン含有粉末が得られて好ましい。
【0021】
本発明のレシチン含有粉末を製造するには、まず賦形剤にレシチン類を吸着させる。賦形剤にレシチン類を吸着させる方法としては、所定量の賦形剤とレシチン類とを用い、混合装置を使用し、賦形剤にレシチン類を添加し混合する方法、レシチン類に賦形剤を添加し混合する方法、賦形剤とレシチン類とを同時にあるいはその一部づつを交互に添加し混合する方法が挙げられるが、いずれの方法も用いることができる。ここに用いる混合装置としては、賦形剤とレシチン類とを均一に混合できるものであれば何でも用いることができ、例えばV型混合機、ダブルコーン混合機、球型混合機、パン型混合機等が挙げられる。また賦形剤とレシチン類を混合する時の温度は80℃から室温の間で行なうことが好ましく、賦形剤又はレシチンを50〜80℃に加熱しておいて混合したのち、温度を50℃以下にするのが、レシチンが均一に中まで吸着され、後のベタツキが少なくなるので好ましい。
【0022】
次に賦形剤にレシチン類を吸着させた後、これに水溶性高分子物質の水溶液又は水分散物と混合又は接触後、乾燥してその外部に水溶性高分子物質の被膜を形成せしめて、本発明のレシチン含有粉末が得られる。賦形剤にレシチン類を吸着させたものと水溶性高分子溶液とを混合するには、前記賦形剤にレシチン類を吸着させるのに用いた装置を用い、賦形剤にレシチン類を吸着させた後、さらにこれに水溶性高分子物質を添加し混合又は接触、あるいは水溶性高分子物質溶液中へ、賦形剤にレシチン類を吸着させたものを添加し混合又は接触させて行なうことができる。
【0023】
ここに用いる水溶性高分子物質は、重量比で多く使用すればするほど被膜形成能に優れるが、レシチン含有粉末中、重量比で0.1〜20重量%程度が好ましく、所定量の水溶性高分子物質を1〜10重量%濃度の水に溶液又は分散した溶液にして用いることが好ましい。水溶性高分子物質溶液の添加及び混合又は接触は、室温から水の沸点近くまでの温度で行うことができる。
【0024】
水溶性高分子物質溶液を添加し、混合又は接触させた後の乾燥は、水分量が5重量%以下となるよう行うことが好ましく、50〜100℃の温度で行うことが好ましい。乾燥温度が50℃未満では乾燥効率が低下し、100℃を越えるとレシチン類が劣化するおそれがあり好ましくない。
【0025】
本発明のレシチン含有粉末は、以上のようにして得られたものを、飼料素材又は直接飼料として添加してレシチン類の有用性を図ることができる。
【0026】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されない。
【0027】
実施例1
ブレンダー7011H型(第一理化株式会社製)に10〜90メッシュのフスマ40gを入れ70℃に加熱し、それに常温の粗レシチン50gを徐々に加えて混合した。ブレンダーはレギュレーターを用いて回転数をコントロールし、50rpmから3000rpmの間で、5分混合した。次にこれに2%アルギン酸ナトリウム水溶液500mlを徐々に加え、常温下、5分、上記と同様に回転をコントロールし混合した。そしてトレイに移し、60℃で6時間マット乾燥させてレシチン含有粉末を得た。尚、試料は100g調製し、常温でのベトツキ、40℃、60℃の流動性について次の評価基準により評価した。同様に実施例2、3についても表1に示すようにフスマ、粗レシチン、水溶性高分子物質を用い、レシチン含有粉末を得た。また比較例1〜3としてフスマと粗レシチンを混合しただけの粉末混合物を調製し、試験に供した。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003606656
【0029】
ベトツキ感の評価方法:製品化直後の試料を採取し、放冷後指先で触れた時のベトツキ、指への付着状況及び指でつまんだ時のベトツキから次の判定基準により判定した。
◎:ベトツキも指に付着もなく良好である。
○:ほとんどベトツキはないが、指に僅かに付着する。
△:ややベトツキ、指に少し付着する。
×:指でつまむとベトツキによる固まりが生じ、指先への付着が著しい。
【0030】
流動性の評価方法:200ccのトールビーカーに30gの試料を採取し、各温度に60分間保持したのち、ビーカーを傾けて、ビーカー内での流動性、内壁への付着状況から次の判定基準により評価した。
◎:サラサラで流動性が高い。容易に流動し、内壁にも付着しない。
○:大体流動するが、内壁に若干付着する。
△:一応流動するが、小さい固まりがあり流動が阻害される。内壁の付着も多い。
×:ダマや固まりが多く、均一に流動せず、内壁に付着する量が非常に多い。
【0031】
実施例4
実施例1と同様のブレンダーに5〜80メッシュの大豆粕80gを入れて40℃にし、それに60℃に加熱した粗レシチン15gを徐々に加えて混合した。ブレンダーは実施例1と同様にコントロールして、5分間混合し、次いでこれに2%ゼラチン水溶液250mlを徐々に加え、常温下にて5分間、上記と同様に回転をコントロールして混合した。混合物をトレイに移し、60℃で6時間マット乾燥させてレシチン含有粉末100gを得た。得られた試料について常温でのベトツキ、40℃、60℃での流動性を実施例1と同様の基準で測定した。実施例5〜7についても表2に示すように賦形剤、粗レシチン、水溶性高分子物質を用いて、上記と同様に処理してレシチン含有粉末を得た。また比較例4〜6として表2に示す賦形剤と粗レシチンを混合しただけの混合粉末を得て、実施例と同様に試験に供した。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
Figure 0003606656
【0033】
使用例1
実施例1で得られた試料を用いて、次の組成の配合飼料を調合した。
配合
トウモロコシ 63部 乾燥草 7部
大麦 8部 ふすま 8部
大豆油粕 11部 試料 3部
ビタミン・ミネラル 1部
以上の組成の配合飼料の調合の際してスムースに調合が行われると共に、成牛に給飼したが、成牛の全てが飼料を添加しないものと比べて、好悪なく食べた。実施例8
実施例1と同様のブレンダーに300〜700メッシュの小麦粉50gを入れて40℃に加熱し、それに50℃に加熱した精製レシチン40gを徐々に加えて混合した。ブレンダーは実施例1と同様にコントロールし、35℃で5分間混合し、次いでこれに2%ゼラチン水溶液500mlを徐々に加え、常温下に5分間上記と同様にブレンダーをコントロールして混合した。得られた混合物をトレイに移し、65℃で5時間マット乾燥させてレシチン含有粉末100gを得た。試料について常温でのベトツキと40℃、60℃での流動性について実施例1と同様の基準で評価した。同様に実施例9〜11について、表3に示すように小麦粉、精製レシチンと水溶性高分子物質を用い、上記と同様に処理してレシチン含有粉末を得た。また比較例7、8として表2に示す小麦粉に精製レシチンを加え混合してなる混合粉末を得て、実施例同様に試験に供した。
その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 0003606656
【0035】
使用例2
実施例8で得られた試料を用いて、以下の配合で食パン生地をストレート法により得て、焼成して食パンを得た。比較に下記配合より試料を除いた生地を焼成し食パンを得た。
配合
強力粉 100部 ショートニング 6部
砂糖 6部 イースト 3部
食塩 1.8部 イーストフード 0.1部
脱脂粉乳 2部 水 67部
試料 0.8部
試料を加えた食パンは、試料を加えない食パンに比べ、ソフト感、膨化等の点で優れ、レシチン臭もなく良好な食パンが得られた。
【0036】
使用例3
実施例10で得られた試料1部を小麦粉100部に加え、粉体で混合し、次いで食塩3部を含む食塩水41部を少しずつ加えて混合後、製麺機にかけて生うどんを得た。それを茹でて流水で冷却して茹でうどんを得た。比較する上で試料を入れないで、生うどんを製造し、茹でて茹でうどんを得た。
試料を加えたうどんは、入れないうどんに比べ、粉体での混合から製麺時まで及び茹でた後においても、容易に混合ができ、容器や機械への付着が防止されて、取扱の容易な、こしのある食感の優れたうどんが得られた。
【0037】
使用例4
実施例11で得られた試料13部を綿実油84部、密蝋2.2部、脂肪酸モノグリセリド0.8部と共に、細く均一になるまで混合して天板油を得た。得られた天板油は均一に分散し、機械的噴霧も支障なく行うことができ、さらに天板油として用いて、試料を加えないものと市販品に比べて焦げつきが少なく、食品の天板への付着がなく、離型性が優れていた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は常温で液状又はペースト状で、吸湿性の高いレシチン類を大きさが5〜800メッシュである賦形剤に混合により吸着させた後、それらの外部を水溶性高分子物質で被覆して得られるレシチン含有粉末及びその製造方法であり、本発明により得られるレシチン含有粉末は、食品や飼料に用いて、配合が容易に行え取扱い易いのみならず、レシチン臭が出難くなるため多量のレシチンの添加が可能となり、食品に用いて食感、焦げ付き、離型性が改善されるという利点があり、さらに保存性の優れた食品用、又は飼料用の素材として広く用いることが出来ると共に、簡単に製造することができるという効果を発揮する。

Claims (2)

  1. 大きさが5〜800メッシュであって、穀粉、種子粉、いも粉、デンプン、油粕、糠、製造粕、動物粕、鉱物の粉から選ばれた少なくとも1種の賦形剤に、動植物から得られる常温で液体又はペースト状のレシチン類を混合により吸着させ、その外部を水溶性高分子物質の被膜で被覆してなることを特徴とするレシチン含有粉末。
  2. 大きさが5〜800メッシュであって、穀粉、種子粉、いも粉、デンプン、油粕、糠、製造粕、動物粕、鉱物の粉から選ばれた少なくとも1種の賦形剤と、動植物から得られる常温で液体又はペースト状のレシチン類を混合して賦形剤に吸着させ、ついでこれを水溶性高分子物質の水溶液又は水分散液と混合又は接触後、乾燥してその外部に水溶性高分子物質の被膜を形成することを特徴とするレシチン含有粉末の製造方法。
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