JP3593886B2 - Active vibration control device for vehicles - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンから車体に伝達される振動を、エンジン及び車体間に介在する能動型エンジンマウントが発生する制御振動によって低減するようになっている車両用能動型振動制御装置に関し、特に、車体側に伝達された残留振動を検出するセンサの異常を、より高精度に且つ低コストで検出できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の技術としては、例えば特開平4−302729号公報に開示されたものがある。即ち、上記公報には、能動的な支持力を発生可能な液体封入式の能動型エンジンマウントが開示されており、かかる能動型エンジンマウントにあっては、エンジンシェイクのような比較的低周波の振動に対しては、受動的な液体封入式のエンジンマウントと同様に、二つの液体室間を往来する液体の共振を利用して振動体から支持体に伝達される振動を減衰する一方、アイドル振動以上の比較的高周波の振動に対しては、液体室の隔壁の一部を形成する可動部材を能動的に変位させ、液体室の圧力変化を支持弾性体の拡張ばねに作用させて積極的に支持力を発生させ振動を打ち消すようにしていた。
【0003】
そして、上記公報に開示された装置にあっては、車体側に伝達される残留振動を検出し、その残留振動を評価関数としてLMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマウントを駆動するための駆動信号を生成するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記のような能動型エンジンマウントであれば、その能動型エンジンマウントを通じてパワーユニットから車体に伝達される振動を、能動的な支持力によってある程度相殺して、車体側の振動低減に寄与することができる。
【0005】
一方、上記のような車両用能動型振動制御装置を実際に車両に搭載する場合には、車体側に伝達される残留振動を検出するセンサの異常、特に、センサとコントローラとの間を接続する配線の断線異常や短絡異常を検出する手段を備えていないと、そのような異常発生時に、能動型エンジンマウントが発生する制御振動によって却って車体振動が悪化してしまい乗員に不快感を与えてしまう可能性がある。このため、残留振動を検出するセンサの異常を高精度に且つ低コストで検出できる技術の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような解決すべき課題に着目してなされたものであって、残留振動を検出するセンサの異常を、高精度に且つ低コストで検出できる車両用能動型振動制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、エンジン及び車体間に介在し且つ前記エンジンで発生した振動と干渉する制御振動を発生可能な能動型エンジンマウントと、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する残留振動検出手段と、前記残留振動信号に基づいて前記車体の振動が低減するように前記能動型エンジンマウントを駆動制御する制御手段と、を備えた車両用能動型振動制御装置において、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号及び前記エンジン回転数に基づいて前記残留振動検出手段の異常を検出する異常検出手段と、を設け、前記異常検出手段は、前記エンジン回転数が、前記エンジンがクランキング状態にあると判断できる所定回転数未満であって、且つ、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に、前記残留振動検出手段に異常が発生していると判断するようにしたものである。
上記目的を達成するために、請求項2係る発明は、エンジン及び車体間に介在し且つ前記エンジンで発生した振動と干渉する制御振動を発生可能な能動型エンジンマウントと、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出力する残留振動検出手段と、前記残留振動信号に基づいて前記車体の振動が低減するように前記能動型エンジンマウントを駆動制御する制御手段と、を備えた車両用能動型振動制御装置において、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号及び前記エンジン回転数に基づいて前記残留振動検出手段の異常を検出する異常検出手段と、を設け、前記異常検出手段は、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に前記残留振動検出手段に異常が発生していると判断する判断手段と、前記エンジン回転数に基づいて前記しきい値を設定するしきい値設定手段と、を備えた。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る発明である車両用能動型振動制御装置において、前記しきい値設定手段は、前記エンジン回転数が高いときには低いときに比べて前記しきい値を小さく設定するようにした。
【0008】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3に係る発明である車両用能動型振動制御装置において、前記制御手段は、前記振動の発生状態を検出し基準信号として出力する基準信号生成手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記残留振動信号及び前記基準信号に基づき且つ適応アルゴリズムに従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、前記基準信号及び前記適応ディジタルフィルタに基づき前記能動型エンジンマウントを駆動する駆動信号を生成し出力する駆動信号生成手段と、を備えた。
【0013】
ここで、請求項1に係る発明において、制御手段に電源が投入された直後は、制御手段による振動低減制御が始まったばかりであるから、能動型エンジンマウントが駆動制御されて制御振動が発生しても、振動は低減されない若しくは振動の低減代は小さい。そして、制御手段は、残留振動信号に基づき適宜能動型エンジンマウントを駆動制御するから、しばらくすると、エンジン振動が制御振動によって相殺されるようになり、残留振動は小さくなる。
【0014】
特に、請求項4に係る発明のように、適応アルゴリズムに従って適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を逐次更新するような構成の場合には、その適応ディジタルフィルタのフィルタ係数が最適値に収束した状況で所望の振動低減効果が発揮されるから、制御手段に電源が投入された直後は残留振動のレベルは高く、しばらくして適応ディジタルフィルタのフィルタ係数がある程度更新されると、残留振動のレベルが低下するようになる。
【0015】
そこで、制御手段に電源が投入された直後の残留振動信号に基づき、例えばその残留振動信号がある程度のレベルになければ、一応は、残留振動検出手段に異常が発生している可能性が高いと判断できる。
【0016】
一方、制御手段は、実際にはマイクロコンピュータや電子回路によって実現されることになり、そのような制御手段に電源が投入されるタイミングは、主にイグニッションをオンにした直後である。しかし、瞬間的な接続不良等によってバッテリから供給される電源電圧が瞬間的に低くなるいわゆる電源瞬低時に、マイクロコンピュータがリセットされる場合があるから、これをイグニッション・オンにより電源が投入されたのと区別できない可能性がある。つまり、マイクロコンピュータから見れば、電源瞬低時直後も、電源が投入された直後と同じであるため、エンジンの始動直後でないにも関わらず、制御手段に電源が投入されたという判定が成立し、そのときの残留振動信号に基づいて、残留振動検出手段の異常判断処理が実行される可能性がある。
【0017】
すると、エンジン回転数が高い場合に、残留振動検出手段の異常判断処理が実行されるケースも生じ得るが、エンジンで発生する振動は、エンジン回転数が高いときにはそれが低いときに比べて低く、従って、エンジン回転数が高い時に電源瞬低によりマイクロコンピュータがリセットされてしまうと、残留振動信号のレベルが低いことを理由に、残留振動検出手段に異常が発生していると誤判断してしまう可能性があるのである。
【0018】
そこで、請求項1に係る発明のように、異常検出手段において、制御手段に電源が投入された直後の残留振動信号及びエンジン回転数の両方に基づいて異常検出処理を実行すれば、誤判断の可能性を、より低くできるのである。
【0019】
しかも、エンジン回転数を検出するセンサは通常の車両は有しているし、残留振動信号もマイクロコンピュータには既に読み込まれている信号であるから、新たなセンサ等を設ける必要がなく、従って、大幅なコストアップを招くようなこともない。
【0020】
そして、請求項1に係る発明では、異常検出手段を、基本的には、制御手段に電源が投入された直後の残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に、残留振動検出手段に異常が発生していると判断するのであるが、エンジン回転数が所定回転数以下にない場合には、仮に上記残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満であったとしても、残留振動検出手段に異常が発生しているという判断はされないから、それだけ誤検出の可能性が低減される。
【0021】
しかも、判断に用いるエンジン回転数の所定回転数を、エンジンがクランキング状態にあるかを判断できる回転数としているが、クランキング状態にあるときのエンジン回転数は、エンジンの始動が完了した後の回転数に比べて低いから、そのような回転数を堺に異常判断処理を実行するか否かを判断すれば、誤検出の可能性をより確実に低減できる。なお、上記所定回転数の具体的な数値は、車両諸元に基づいて適宜決定すればよいが、例えば1000rpm程度の値が適用可能である。
【0022】
一方、請求項2に係る発明の異常検出手段も、基本的には、制御手段に電源が投入された直後の残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に、残留振動検出手段に異常が発生していると判断するのであるが、その判断に用いる残留振動信号の大きさのしきい値を、エンジン回転数に応じて可変としている。つまり、エンジンで発生する振動の大きさは、エンジン回転数によって概ね決まるから、上記しきい値をエンジン回転数に応じて決定することにより、誤検出の可能性を低減できるのである。
【0023】
エンジンで発生する振動は、一般的にはエンジン回転数が高いときに低くなる傾向があるから、請求項3に係る発明のように上記しきい値を設定すれば、誤検出の可能性をより確実に低減できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、残留振動検出手段の異常検出を、制御手段に電源が投入された直後の残留振動信号及びエンジン回転数に基づいて行うようにしたため、その残留振動検出手段の異常を、高精度に且つ低コストで検出できるという効果を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図6は本発明の第1の実施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る車両用能動型振動制御装置を適用した車両の概略側面図である。
【0027】
先ず、構成を説明すると、横置きに搭載したエンジン17が、車体前後方向の後方に配置した能動型エンジンマウント20を介して、サスペンションメンバ等から構成される車体18に支持されている。なお、実際には、エンジン17及び車体18間には、能動型エンジンマウント20の他にエンジン17及び車体18間の相対変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジンマウントも介在している。受動的なエンジンマウントとしては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常のエンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウントインシュレータ等が適用できる。
【0028】
図2は、エンジン17に固定したブラケット(図示せず)を介して連結する能動型エンジンマウント20の上部構造を平面視で示すものであり、エンジン側連結部材30から上方に向けて突出している2本の連結ボルト30aを、上述したブラケットの挿通孔に下側から挿通し、ナットを螺合することによりエンジン17に上端部が固定される。また、符号60はリバウンド規制部材であり、このリバウンド規制部材60は、2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に対して直交し、エンジン側連結部材30の上方をアーチ状に延在しながら装置ケース43に固定されており、エンジン側連結部材30の上面に固定したゴム製の弾性体からなるリバウンドストッパ31の上方に位置している。
【0029】
図3は、図2の矢視断面図で示す能動型エンジンマウント20の内部構造を示すものであり、図2の2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に沿うA−A矢視断面を、図3の軸心(以下、マウント軸と称する)P1 を境界として右側に示し、図2の2本の連結ボルト30a間を結ぶ線に対して直交する方向のB−B矢視断面を、図3のマウント軸P1 を境界として右側に示している。
【0030】
この能動型エンジンマウント20は、装置ケース43に外筒34、中間筒36、オリフィス構成部材37、支持弾性体32等のマウント部品を内蔵し、これらマウント部品の下部に、流体室84の隔壁の一部を形成しながら弾性支持された可動部材78を流体室84の容積が変化する方向に変位させる電磁アクチュエータ52と、図示しない車体メンバの振動状況を検出する荷重センサ64とを内蔵した装置であり、より具体的に説明していくと、前述したエンジン側連結部材30は、下端周縁部30gが丸みを付けて形成されていると共に、マウント軸P1 に沿う位置に第1孔30cが形成されている。また、このエンジン連結部材30に下側から嵌入されて上方を向いている連結ボルト30aは、その頭部30dがエンジン側連結部材30の下面から突出している。ここで、その頭部30dの外周縁部は、丸みが付けられて形成されている。
【0031】
また、エンジン側連結部材30の下面には、断面逆台形状の中空筒体30bが固定されている。この中空筒体30bには、連結ボルト30aに近接する位置に第2孔30eが形成されていると共に、マウント軸P1 に沿う下面に第3孔30fが形成されている。なお、この中空筒体30bの連結ボルト30aから離間している位置には、孔を形成していない。
【0032】
そして、前記エンジン側連結部材30の下面側には、中空筒体30bの内部及びエンジン側連結部材30の下部側を覆うように、ゴム製の支持弾性体32が加硫接着により固定されている。
【0033】
すなわち、この支持弾性体32は、エンジン側連結部材30側から下方に向けて拡径した形状のゴム製の弾性体であって、内面に断面山形状の空洞部32aを形成しているが、連結ボルト30aから離れている部分の支持弾性体32の外周面は、図3の左側に示すように、エンジン側連結部材30の外周部を覆いながらリバウンドストッパ31に連続している。一方、連結ボルト30aに近接している支持弾性体32は、図3の右側に示すように、連結ボルト30aの頭部30dの全域を覆う被覆部32bが形成されていると共に、頭部30dの下方位置の外周を、内側に大きく凹んだ形状としている(以下、符号32cで示す凹み外周部と称する)。そして、前述した空洞部32aを形成しながら前記凹み外周部32cに対向している支持弾性体32の内面も、内側に大きく膨らんだ形状としている(以下、符号32dで示す膨らみ内周部と称する)。そして、連結ボルト30aに近接している部分の支持弾性体32の肉厚は、凹み外周部32cに対向して膨らみ内周部32dを設けたことにより、連結ボルト30aから離れている部分の肉厚と略同一に設定している。
【0034】
そして、薄肉形状とした支持弾性体32の下端部は、マウント軸P1 が中空筒体30bと同軸に振動体支持方向を向く中間筒体36の内周面に加硫接着により結合している。
【0035】
中間筒体36は、同一外周径とした上端筒部36a及び下端筒部36bの間に小径筒部36cを連続して形成した部材であり、外周に環状凹部を設けている。また、図示しないが、小径筒部36cには開口部が形成されており、この開口部を介して中間筒体36の内側及び外側が連通している。
【0036】
中間筒体36の外側には外筒34が嵌合しており、この外筒34は内周径を中間筒体36の上端筒部36a及び下端筒部36bの外周径と同一寸法とし、軸方向の長さを中間筒体36と同一寸法に設定した円筒部材である。また、この外筒34には開口部34aが形成されており、この開口部34aの開口縁部にゴム製の薄膜弾性体からなるダイアフラム42の外周が結合して開口部34aを閉塞しつつ、外筒34の内側に向けて膨出している。
【0037】
そして、上記構成の外筒34を、環状凹部を囲むように中間筒体36に外嵌すると、外筒34及び中間筒体36間の周方向に環状空間が画成され、その環状空間にダイアフラム42が膨出した状態で配設される。そして、中間筒体36の内側に、筒状のオリフィス構成部材37が嵌合している。
【0038】
このオリフィス構成部材37は、中間筒体36の小径筒部36cより小径に形成した最小径筒部37aを備え、その最小径筒部37aの上下端部に径方向外方に向けて上部環状部37b及び下部環状部37cが形成されており、これら最小径筒部37a、上部及び下部環状部37b、37cで囲んだ位置と中間筒体36との間に環状空間が設けられている。また、最小径筒部37aの一部に第2開口部37dが形成されている。ここで、上部環状部37bは、支持弾性体32の下方に位置しているが、図2の右側に示すように、連結ボルト30aに近接している支持弾性体32の下方に位置している上部環状部37b1 は肉厚を薄く形成して凹みを設けており、支持弾性体32の膨らみ内周部32dから離れた位置で対向している。
【0039】
また、装置ケース43は、その上端部に上端筒部36aの外周径より小径の円形開口部を有する上端かしめ部43aが形成されていると共に、この上端かしめ部43aと連続するケース本体の形状を、内周径が外筒34の外周径と同一寸法で下端開口部まで連続する円筒形状(下端開口部を図2の破線で示した形状)とした部材であり、全てのマウント部品の組み込みが完了した後に下端開口部を径方向内方に向けてかしめていくことにより、図2の実線で示すかしめ部が形成される。
【0040】
そして、支持弾性体32、中間筒体36、オリフィス構成部材37及びダイアフラム42を一体化した外筒34を装置ケース43の下端開口部から内部に嵌め込んでいき、上端かしめ部43aの下面に外筒34及び中間筒体36の上端部を当接させると、それらが装置ケース43内の上部に配設される。この際、装置ケース43の内周面とダイヤフラム42とで囲まれた部分に空気室42cが画成されるが、この空気室42cを臨む位置に空気孔43aが形成されており、この空気孔43aを介して空気室42cと大気が連通している。
【0041】
装置ケース43内の下部には円筒状のスペーサ70が嵌め込まれており、このスペーサ70内の上部に可動部材78が配置されていると共に、スペーサ70内の下部に電磁アクチュエータ52が配置されている。前記スペーサ70は、円筒状の上部筒体70aと、円筒状の下部筒体70bと、これら筒体の上下端部間に加硫接着したゴム製の薄膜弾性体からなる略円筒状のダイアフラム70cとで構成されている。
【0042】
前記電磁アクチュエータ52は、外観円筒形のヨーク52aと、ヨーク52aの上端面側に配設した円環状の励磁コイル52bと、ヨーク52aの上面中央部に磁極を上下方向に向けて固定した永久磁石52cとで構成されている。また、前記ヨーク52aは、円環状の第1ヨーク部材53aと、中央円筒部に永久磁石52cを固定した第2ヨーク部材53bとで構成されている。
【0043】
そして、上部及び下部筒体70a、70b間のダイアフラム70cは、ヨーク52aの外周に形成した凹部52dに向かって膨出している。
また、ヨーク52aの下面と、車体側連結ボルト60を備えた蓋部材62との間には、振動低減制御に必要な残留振動を検出するために、荷重センサ64が介装されている。荷重センサ64としては、圧電素子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能であり、このセンサの検出結果は、図1に示すように、残留振動信号eとしてコントローラ25に供給されるようになっている。
【0044】
一方、前記電磁アクチュエータ52の上方には、シール部材固定用のシールリング72と、後述する板ばね82の外周部を下側から自由端支持する支持リング74と、電磁アクチュエータ52の永久磁石52c及び可動部材78間のギャップHを設定するギャップ保持リング76とが配置されている。これらシールリング72、支持リング74及びギャップ保持リング76の外周径は、前述したスペーサ70の上部筒体70aの内周径と同一寸法に設定されており、ヨーク52aから上方に突出している上部筒体70a内にシールリング72、支持リング74及びギャップ保持リング76の全てが内嵌されている。そして、これらシールリング72、支持リング74及びギャップ保持リング76の内側には、上下方向に変位可能となるように可動部材78が配置されている。
【0045】
この可動部材78は、外観円盤状の隔壁形成部材78Aと、この隔壁形成部材78Aより大径円盤状に形成した磁路形成部材78Bとで構成した部材であって、電磁アクチュエータ52に対して遠い方に位置する隔壁形成部材78Aの軸心にボルト孔80aを形成し、電磁アクチュエータ52に近い磁路形成部材78Bを貫通した可動部材用ボルト80がボルト孔80aに螺合することにより、隔壁形成部材78A及び磁路形成部材78Bを一体に連結した構造となっている。
【0046】
隔壁形成部材78A及び磁路形成部材78B間には、リング状に連続したくびれ部79が画成されているが、このくびれ部79に可動部材78を弾性支持するための板ばね82が収容されている。つまり、板ばね82は、中央部に孔部を形成した円盤形状の部材であり、この板ばね82の内周部を隔壁形成部材78Aの裏面中央部の下側から自由端支持し、板ばね82の外周部を支持リング74のばね支持部74aが下側から自由端支持しており、これにより可動部材78が装置ケース43に板ばね82を介して弾性支持されている。
【0047】
前記隔壁形成部材78Aは、流体室84に面している隔壁部80cの肉厚を薄くし、隔壁部80cの外周から上方に突出する環状のリブ80bを形成した部材である。そして、隔壁形成部材78Aの上面と、支持弾性体32の下面と、オリフィス構成部材37の内周面とで流体室84が形成され、この流体室84内に流体が封入される。
【0048】
また、流体室84から板ばね82を収容しているくびれ部79側への流体の漏洩を防止するため、隔壁形成部材78Aの外周とシールリング72の内周との間には、ゴム状弾性体からなるリング形状のシール部材86が固定されており、このシール部材86の弾性変形によって、シールリング72や装置ケース43に対する可動部材78の上下方向への相対変位を許容している。
【0049】
次に、本実施形態の能動型エンジンマウント20の振動入力減衰作用について簡潔に説明する。本実施形態の能動型エンジンマウント20は、支持弾性体32の空洞部32aとオリフィス構成部材37の軸中央空間とが連通し、オリフィス構成部材37の軸中央空間及びオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環状空間が、第2開口部37dを介して連通し、前記環状空間及びダイアフラム42が膨出している空間が、中間筒体36に形成した開口部を介して連通しており、これら支持弾性体32の空洞部32aからダイアフラム42が膨出している空間までの連通路内に、エチレングリコール等の流体が封入されている。
【0050】
そして、支持弾性体32の空洞部32aからオリフィス構成部材37と中間筒体36との間の環状空間までの連通路を主流体室84とすると、中間筒体36に形成した開口部の近傍をオリフィスとし、この開口部に対向しながらダイアフラム42に囲まれている領域を副流体室とした流体共振系が形成されている。この流体共振系の特性、即ち、オリフィス内の流体の質量と、支持弾性体32の拡張方向ばね、ダイアフラム42の拡張方向ばねで決まる特性は、車両停止中のアイドル振動の発生時、つまり20〜30Hzでエンジンマウント20A、20Bが加振された場合に高動ばね定数、高減衰力を示すように調整されている。
【0051】
一方、電磁アクチュエータ52の励磁コイル52bは、コントローラ25から例えばハーネスを通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の電磁力を発生するようになっている。コントローラ25は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ、ROM,RAM等の記憶媒体等を含んで構成され、エンジン17で発生する振動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジンマウント20に発生するように、能動型エンジンマウント20に対する駆動信号yを生成し出力するようになっている。
【0052】
また、前述したように能動型エンジンマウント20には荷重センサ64が内蔵されており、車体18の振動状況を荷重の形で検出して残留振動信号eとして出力し、その残留振動信号eが干渉後における振動を表す信号として例えばハーネスを通じてコントローラ25に供給されている。
【0053】
ここで、エンジン17で発生するアイドル振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動が車体18に伝達されることが主な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出力すれば、車体側振動の低減が可能となる。そこで、本実施の形態では、エンジン17のクランク軸の回転に同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器19を設けていて、その基準信号xが、コントローラ25に供給されている。
【0054】
そして、コントローラ25は、供給される残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリズムの一つである同期式Filtered−X LMSアルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマウント20に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号yを能動型エンジンマウント20に出力するようになっている。
【0055】
具体的には、コントローラ25は、フィルタ係数Wi (i=0,1,2,……,I−1:Iはタップ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行するようになっている。
【0056】
ただし、この実施の形態では、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムにおける評価関数として、下記の(1)式を用いている。
Jm={e(n)}2 +β{y(n)}2 ……(1)
つまり、LMSアルゴリズムにあっては、評価関数Jmが小さくなる方向にフィルタ係数Wi が更新されるのであるから、上記(1)式の右辺の内容からも明らかなように、フィルタ係数Wi は、残留振動信号eの自乗値が小さくなると共に、駆動信号yの自乗値をβ倍した値が小さくなるように、逐次更新されることになる。そして、βは発散抑制係数と称される係数であって、この発散抑制係数βが大きくなる程、駆動信号yは小さくなる傾向となる。つまり、発散抑制係数βには制御の発散を抑制する作用がある。
【0057】
そして、収束係数をαとし、上記(1)式で表される評価関数Jmに基づいてフィルタ係数Wi の更新式を求めると、下記の(2)式のようになる。
Wi (n+1)=Wi (n)+2αRT e(n)−2βαy(n)……(2)
そこで、この(2)式中の「2α」を新たな収束係数αとし、「2βα」を新たな発散抑制係数βとすれば、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新式は下記の(3)式のようになる。
【0058】
Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n)−βy(n)……(3)
ここで、(n),(n+1)が付く項は、サンプリング時刻n,n+1,における値であることを表している。また、更新用基準信号RT は、理論的には、基準信号xを、能動型エンジンマウント20の電磁アクチュエータ52及び荷重センサ64間の伝達関数Cをモデル化した伝達関数フィルタC^でフィルタ処理をした値であるが、基準信号xの大きさは“1”であるから、伝達関数フィルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して次々と生成した場合のそれらインパルス応答波形のサンプリング時刻nにおける和に一致する。
【0059】
また、理論的には、基準信号xを適応ディジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるため、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ結果になる。
【0060】
さらに、コントローラ25は、上記のような適応ディジタルフィルタWを用いた振動低減処理を実行する一方で、電源が投入された直後に、残留振動信号eとエンジン回転数とに基づいて、荷重センサ64に断線異常や短絡異常等が発生していないかを検出する異常検出処理を実行するようになっている。
【0061】
即ち、コントローラ25には、エンジン回転数センサ28からエンジン回転数検出信号Nが供給されるようになっていて、電源投入直後のそのエンジン回転数検出信号Nに基づいて、エンジン回転数Nが所定回転数Nth以上であるか否かを判定し、エンジン回転数Nが所定回転数Nth未満であって、且つ、同じく電源投入直後の残留振動信号eの最大振幅Amax が所定のしきい値eth未満の場合に、荷重センサ64に異常が発生していると判断するようになっている。なお、ここでの電源投入直後とは、コントローラ25に電源が投入されてから所定時間経過するまでの間をいい、所定時間は、イグニッションをオンにしてからエンジンのクランキング状態が完了するまで(例えば、エンジン回転数Nが所定回転数Nthに達するまで)に要する時間と同程度の時間とする。
【0062】
そして、コントローラ25は、荷重センサ64の異常を検出した場合には、異常検出時処理として、振動低減制御を禁止するとともに、荷重センサ64に異常が発生した旨を例えば運転席前面のランプを点灯させることにより運転者に知らしめる処理を実行するようになっている。
【0063】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
即ち、能動型エンジンマウント20内の流体共振系の共振周波数を20Hzに調節している結果、5〜15Hzの振動であるエンジンシェイク発生時にもある程度の減衰力がこの能動型エンジンマウント20で発生するため、エンジン17側で発生したエンジンシェイクが能動型エンジンマウント20によってある程度減衰されるとともに、図示しない他の流体封入式エンジンマウント等によってもエンジンシェイクは減衰されるから、車体18側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシェイクに対しては、特に磁路形成部材78Bを積極的に変位させる必要はない。
【0064】
一方、アイドル振動周波数以上の周波数の振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ52に駆動信号yを出力し、能動型エンジンマウント20に振動を低減し得る能動的な支持力を発生させる。
【0065】
これを、アイドル振動,こもり音振動入力時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示すフローチャートである図4に従って具体的に説明する。
まず、そのステップ101において所定の初期設定が行われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィルタC^に基づいて、更新用基準信号RT が演算される。なお、ステップ102では、一周期分の更新用基準信号RT がまとめて演算される。
【0066】
次いで、ステップ103に移行し、カウンタiが零クリアされた後に、ステップ104に移行して、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi が駆動信号yとして出力される。
【0067】
ステップ104で駆動信号yを出力したら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込まれる。そして、ステップ106に移行して、カウンタjが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が上記(3)式に従って更新される。
【0068】
ステップ107における更新処理が完了したら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力されていないと判定された場合には、適応ディジタルフィルタWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処理を実行すべく、ステップ109に移行する。
【0069】
ステップ109では、カウンタjが出力回数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートするため、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか否かを判定する。この判定は、ステップ104で適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を、駆動信号yとして出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新したか否かを判断するためのものである。そこで、このステップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ110でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ107に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0070】
しかし、ステップ109の判定が「YES」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ111に移行してカウンタiをインクリメントした後に、所定時間待機する。この所定時間は、上記ステップ104の処理を実行してから所定のサンプリング・クロックの間隔に対応する時間が経過するまでの時間である。そして、サンプリング・クロックに対応する時間が経過したら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0071】
一方、ステップ108で基準信号xが入力されたと判断された場合には、ステップ112に移行し、カウンタi(正確には、カウンタiは0からスタートするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻って、上述した処理を繰り返し実行する。
【0072】
このような図4の処理を繰り返し実行する結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント20の電磁アクチュエータ52に対しては、基準信号xが入力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に駆動信号yとして供給される。
【0073】
この結果、励磁コイル52bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、磁路形成部材78Bには、すでに永久磁石52cによる一定の磁力が付与されているから、その励磁コイル52bによる磁力は永久磁石52cの磁力を強める又は弱めるように作用すると考えることができる。このように、永久磁石52cの磁力が強まったり弱まったりすると、可動部材78が正逆両方向に変位し、可動部材78が変位すれば、主流体室84の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体32の拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウント20に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。
【0074】
そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従った上記(3)式によって逐次更新されるため、ある程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エンジンマウント20に供給されることによって、エンジン17から能動型エンジンマウント20を介して車体18側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減されるようになるのである。
【0075】
以上は車両走行時等に実行される振動低減処理の動作である。その一方、コントローラ25に電源が投入された直後には、図4の処理と並列に、図5の処理が実行され、先ず、そのステップ201において、エンジン回転数検出信号Nが読み込まれ、これに基づいて演算されるエンジン回転数Nが記憶される。そして、ステップ202に移行し、エンジン回転数Nと所定回転数Nthとが比較され、N≧Nthの場合には、ステップ203以降の処理は実行せず、これで今回の異常検出処理を終了する。
【0076】
これに対し、ステップ202の判定が「NO」の場合には、ステップ203に移行し、残留振動信号eを読み込む。そして、ステップ204に移行し、この異常検出処理が開始されてから上述の所定時間が経過したか否かを判断し、経過していない場合にはステップ203に戻って残留振動信号eを読み込み、ステップ204の判定が「YES」となったら、ステップ205に移行する。ステップ205に移行した時点では、ステップ203で次々と読み込まれた多数の残留振動信号eが記憶されており、ステップ205では、その記憶されている残留振動信号eから、残留振動信号eの最大振幅Amax を検索する。最大振幅Amax は、ステップ203で記憶した残留振動信号eの最大値と最小値の差を1/2にすることにより求められる。
【0077】
そして、ステップ206に移行し、最大振幅Amax としきい値ethとを比較して、Amax ≧ethの場合には、荷重センサ64は正常であると判断し、今回の異常検出処理を終了する。
【0078】
しかし、ステップ206の判定が「NO」の場合には、荷重センサ64に異常が発生していると判断し、ステップ207に移行して、上述の異常検出時処理を実行し、それ以降の図4の処理は禁止される。
【0079】
ここで、図5に示す異常検出処理が実行されるタイミングとしては、イグニッションをオンにすることによりコントローラ25に電源が投入された直後と、電源瞬低によりコントローラ25がリセットされた直後とが考えられる。
【0080】
前者の場合、停止していたエンジン17が、クランキング状態を経てアイドリング状態に移行するものであるから、エンジン17で発生する振動は比較的大きな振幅である。また、コントローラ25に電源が投入された時点から徐々に適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が最適値に向かって更新されていくものであるから、クランキング状態にあるときには、エンジン振動は殆ど低減されることなく荷重センサ64に到達する。
【0081】
このため、図6(a)に示すように、イグニッションをオンにした時刻t1 においては、荷重センサ64には、エンジン17で発生している振動と略同じレベルの振動が到達しているはずであるから、その時刻t1 直後の残留振動信号eのレベルは大きく、そこから適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が更新されるに従って、残留振動信号eのレベルは徐々に小さくなっていく。
【0082】
そして、仮に荷重センサ64に断線異常や短絡異常が生じていると、そのような残留振動信号eは読み込まれず、せいぜい雑音レベルの信号が検出されるだけである。
【0083】
よって、しきい値ethを適宜設定しておくことにより、荷重センサ64に異常が発生しているか否かを検出することができるのである。
一方、後者の場合、エンジン17は稼働中であり、ある程度の回転数であればエンジン17で発生する振動は比較的小さな振幅である。このため、イグニッションをオンにした直後とは異なり、図6(b)に示すように、コントローラ25がリセットされた時刻t2 においても荷重センサ64にはさほど大きなエンジン振動は入力されない。そして、時刻t2 直後に再び適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が更新されるから、残留振動信号eは再び小さくなる。
【0084】
しかし、かかる場合には、ステップ202の判定が「YES」となるから、ステップ203以降の処理が実行されて、荷重センサ64に異常が発生していると誤判断することは防止されている。
【0085】
このように、本実施の形態にあっては、コントローラ25に電源が投入された直後の残留振動信号e及びエンジン回転数Nの両方に基づいて、荷重センサ64に異常が発生しているか否かを判断するようになっているから、その異常を誤判断する可能性を低減できているのである。
【0086】
しかも、エンジン回転数センサ28は通常の車両は有しているから、上記の異常検出処理を実行するために新たなセンサを設ける必要もなく、コスト的にも有利である。
【0087】
ここで、本実施の形態では、エンジン17が振動源に対応し、荷重センサ64が残留振動検出手段に対応し、コントローラ25が制御手段に対応し、エンジン回転数センサ28がエンジン回転数検出手段に対応し、図5の処理が異常検出処理に対応し、パルス信号生成器19が基準信号生成手段に対応し、図4の処理において、所定のサンプリング・クロックに同期してステップ104でフィルタ係数Wi を駆動信号yとして出力する処理が駆動信号生成手段に対応し、図4のステップ107の処理がフィルタ係数更新手段に対応する。
【0088】
図7は本発明の第2の実施の形態を示す図であって、上記第1の実施の形態における図5と同様の異常検出処理の概要を示すフローチャートである。なお、全体的な構成及び振動低減処理の内容は上記第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び説明は省略するとともに、図5と同じ処理には同じステップ番号を付し、その重複する説明も省略する。
【0089】
即ち、本実施の形態の異常検出処理が実行されると、ステップ201でエンジン回転数検出信号Nが読み込まれると、ステップ301に移行し、エンジン回転数Nに基づいて、しきい値ethが設定され、それからステップ203以降の処理が実行される。
【0090】
つまり、本実施の形態では、ステップ206の判定に用いられるしきい値ethが、コントローラ25に電源が投入された直後のエンジン回転数Nに基づいて設定されるようになっている。そして、ステップ301では、エンジン回転数Nが低いときには大きめのしきい値ethを設定し、エンジン回転数Nが高いときには小さめのしきい値ethを設定するようになっている。但し、しきい値ethとエンジン回転数Nとの関係は、各車種毎に適宜実験を行って決定する。
【0091】
このため、図6(a)、(b)にも示したように、コントローラ25への電源投入直後に発生しているはずのエンジン17の振動レベルに応じてしきい値ethが設定されるようになるから、荷重センサ64の異常を誤判断する可能性を低減できるのである。
【0092】
そして、本実施の形態であれば、エンジン回転数Nが高いとき、つまり電源瞬低等によりコントローラ25がリセットされた時点においても荷重センサ64の異常を判断することが可能になるから、より高精度の異常検出処理が行える。
【0093】
ここで、本実施の形態では、ステップ203〜206の処理によって判断手段が構成され、ステップ301の処理によってしきい値設定手段が構成される。
なお、上記各実施の形態では、エンジン回転数Nをエンジン回転数センサ28の出力に基づいて求めているが、これに限定されるものではなく、例えば基準信号xの入力間隔に基づいて求めてもよい。
【0094】
また、上記各実施の形態においては、残留振動を能動型エンジンマウント20に内蔵した荷重センサ64によって検出しているが、これに限定されるものではなく、例えば車室内の乗員足元位置にフロア振動を検出する加速度センサを配設し、その加速度センサの出力信号を残留振動信号eとしてもよい。
【0095】
そして、上記各実施の形態では、駆動信号yを生成するアルゴリズムとして同期式Filtered−X LMSアルゴリズムを適用しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズム等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す、車両の概略構成図である。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を平面視で示した図である。
【図3】図2のA−A矢視断面及びB−B矢視断面図である。
【図4】振動低減処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の異常検出処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】残留振動信号eの発生状態を説明する波形図である。
【図7】第2の実施の形態の異常検出処理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
17 エンジン(振動源)
18 車体
19 パルス信号生成器(基準信号生成手段)
20 能動型エンジンマウント(制御振動源)
25 コントローラ(制御手段)
28 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
52 電磁アクチュエータ
64 荷重センサ(残留振動検出手段)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an active vibration control device for a vehicle that reduces vibration transmitted from an engine to a vehicle body by control vibration generated by an active engine mount interposed between the engine and the vehicle body. An abnormality of the sensor for detecting the residual vibration transmitted to the side can be detected with higher accuracy and at lower cost.
[0002]
[Prior art]
As this kind of conventional technique, there is one disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-302729. That is, the above-mentioned publication discloses a liquid-filled active engine mount capable of generating an active supporting force. Such an active engine mount has a relatively low frequency such as an engine shake. As for the vibration, like the passive liquid-filled engine mount, the vibration transmitted from the vibrating body to the support is attenuated using the resonance of the liquid flowing between the two liquid chambers, while the idle For relatively high-frequency vibrations that are higher than vibration, the movable member that forms a part of the partition of the liquid chamber is actively displaced, and the pressure change in the liquid chamber is applied to the expansion spring of the support elastic body to actively To generate a supporting force to cancel the vibration.
[0003]
The apparatus disclosed in the above publication detects an active engine mount by detecting residual vibration transmitted to the vehicle body and executing an adaptive algorithm such as an LMS algorithm using the residual vibration as an evaluation function. A drive signal for driving was generated.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Indeed, with the active engine mount as described above, the vibration transmitted from the power unit to the vehicle body through the active engine mount is offset to some extent by the active support force, thereby contributing to the reduction of the vibration on the vehicle body side. be able to.
[0005]
On the other hand, when the above-described active vibration control device for a vehicle is actually mounted on a vehicle, an abnormality in a sensor that detects residual vibration transmitted to the vehicle body side, particularly, a connection between the sensor and the controller is established. If there is no means for detecting a disconnection abnormality or short circuit abnormality in the wiring, when such an abnormality occurs, the control vibration generated by the active engine mount will worsen the vehicle body vibration and give the occupant discomfort. there is a possibility. For this reason, there has been a demand for the development of a technique capable of detecting the abnormality of the sensor for detecting the residual vibration with high accuracy and at low cost.
[0006]
The present invention has been made in view of such problems to be solved, and provides an active vibration control device for a vehicle that can detect abnormality of a sensor for detecting residual vibration with high accuracy and at low cost. It is intended to be.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an invention according to
In order to achieve the above object, an invention according to
According to a third aspect of the present invention, in the active vibration control device for a vehicle according to the second aspect of the present invention, the threshold value setting means is configured to set the threshold value when the engine speed is high as compared with when the engine speed is low. Was set smaller.
[0008]
Claim4The invention according to
[0013]
Here, in the invention according to
[0014]
In particular, the claims4In the case where the filter coefficient of the adaptive digital filter is sequentially updated in accordance with the adaptive algorithm as in the invention according to the invention, a desired vibration reduction effect is exhibited in a situation where the filter coefficient of the adaptive digital filter has converged to an optimum value. Therefore, the level of the residual vibration is high immediately after the power is turned on to the control means, and when the filter coefficient of the adaptive digital filter is updated to some extent after a while, the level of the residual vibration decreases.
[0015]
Therefore, based on the residual vibration signal immediately after the control means is turned on, if the residual vibration signal is not at a certain level, for example, it is highly likely that an abnormality has occurred in the residual vibration detection means. I can judge.
[0016]
On the other hand, the control means is actually realized by a microcomputer or an electronic circuit, and the timing of turning on the power to such control means is mainly immediately after the ignition is turned on. However, the microcomputer may be reset when the power supply voltage supplied from the battery is momentarily lowered due to an instantaneous connection failure or the like, and the microcomputer may be reset. May not be distinguished from In other words, from the point of view of the microcomputer, immediately after the instantaneous drop of the power supply, it is the same as immediately after the power is turned on, and therefore, it is determined that the control means has been turned on, not immediately after the start of the engine. There is a possibility that the abnormality determination processing of the residual vibration detection means is executed based on the residual vibration signal at that time.
[0017]
Then, when the engine speed is high, there may be a case where the abnormality determination processing of the residual vibration detecting means is executed, but the vibration generated in the engine is lower when the engine speed is higher than when it is lower, Therefore, if the microcomputer is reset due to a momentary drop in power when the engine speed is high, it is erroneously determined that an abnormality has occurred in the residual vibration detecting means because the level of the residual vibration signal is low. There is a possibility.
[0018]
Therefore, as in the first aspect of the present invention, if the abnormality detection means executes the abnormality detection processing based on both the residual vibration signal immediately after the power is turned on to the control means and the engine speed, an erroneous determination is made. The possibilities are lower.
[0019]
In addition, a normal vehicle has a sensor for detecting the engine speed, and the residual vibration signal is a signal that has already been read into the microcomputer. Therefore, there is no need to provide a new sensor or the like, and therefore, There is no significant cost increase.
[0020]
And in the invention according to
[0021]
Moreover,Predetermined engine speed used for judgmentToThe number of revolutions that can determine whether the engine is crankingButSince the engine speed in the cranking state is lower than the engine speed after the start of the engine is completed, if it is determined whether or not such a speed is to be subjected to abnormality determination processing in Sakai, The possibility of erroneous detection can be reduced more reliably. The specific numerical value of the predetermined rotation speed may be appropriately determined based on the vehicle specifications, but a value of, for example, about 1000 rpm is applicable.
[0022]
Meanwhile, claims2The abnormality detecting means according to the invention according to the invention is also basically configured such that when the magnitude of the residual vibration signal immediately after the power is supplied to the control means is smaller than a predetermined threshold value, an abnormality occurs in the residual vibration detecting means. The threshold value of the magnitude of the residual vibration signal used for the determination is made variable according to the engine speed. That is, since the magnitude of the vibration generated in the engine is substantially determined by the engine speed, the possibility of erroneous detection can be reduced by determining the threshold value according to the engine speed.
[0023]
The vibrations generated by the engine generally tend to be low when the engine speed is high.3If the threshold value is set as in the invention according to the first aspect, the possibility of erroneous detection can be reduced more reliably.
[0024]
【The invention's effect】
According to the present invention, the abnormality detection of the residual vibration detecting means is performed based on the residual vibration signal and the engine speed immediately after the control means is turned on. There is an effect that detection can be performed accurately and at low cost.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1 to 6 show a first embodiment of the present invention. FIG. 1 is a schematic side view of a vehicle to which an active vibration control device for a vehicle according to the present invention is applied.
[0027]
First, the configuration will be described. An engine 17 mounted horizontally is supported by a
[0028]
FIG. 2 is a plan view showing an upper structure of an
[0029]
FIG. 3 shows the internal structure of the
[0030]
In the
[0031]
A hollow
[0032]
A rubber support
[0033]
That is, the support
[0034]
The lower end of the thin support
[0035]
The
[0036]
An
[0037]
Then, when the
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
Then, the
[0041]
A
[0042]
The
[0043]
The
In addition, a
[0044]
On the other hand, above the
[0045]
The
[0046]
A ring-shaped
[0047]
The partition
[0048]
Further, in order to prevent leakage of fluid from the
[0049]
Next, the vibration input damping action of the
[0050]
When the communication path from the hollow portion 32a of the support
[0051]
On the other hand, the
[0052]
Further, as described above, the
[0053]
Here, the idle vibration and the muffled sound vibration generated in the engine 17 are mainly caused by transmission of the engine vibration of the engine rotation secondary component to the
[0054]
Then, based on the supplied residual vibration signal e and the reference signal x, the controller 25 executes a synchronous Filtered-X LMS algorithm, which is one of adaptive algorithms, to generate a drive signal y for the
[0055]
Specifically, the controller 25 sets the filter coefficient Wi(I = 0, 1, 2,..., I-1: I is the number of taps) has a variable adaptive digital filter W and has a predetermined sampling clock from the time when the latest reference signal x is inputted. At intervals, the filter coefficient W of the adaptive digital filter WiAre sequentially output as the drive signal y, and the filter coefficient W of the adaptive digital filter W is determined based on the reference signal x and the residual vibration signal e.iIs appropriately updated.
[0056]
However, in this embodiment, the following expression (1) is used as an evaluation function in the synchronous filtered-X LMS algorithm.
Jm = {e (n)}2+ Β {y (n)}2 ...... (1)
That is, in the LMS algorithm, the filter coefficient W becomes smaller in the direction in which the evaluation function Jm becomes smaller.iIs updated, and as is clear from the content on the right side of the above equation (1), the filter coefficient WiAre successively updated such that the square value of the residual vibration signal e decreases and the value obtained by multiplying the square value of the drive signal y by β decreases. Β is a coefficient called a divergence suppression coefficient. As the divergence suppression coefficient β increases, the drive signal y tends to decrease. That is, the divergence suppression coefficient β has an effect of suppressing the divergence of the control.
[0057]
The convergence coefficient is α, and the filter coefficient W is calculated based on the evaluation function Jm expressed by the above equation (1).iEquation (2) below is obtained when the update equation is obtained.
Wi(N + 1) = Wi(N) + 2αRTe (n) -2βαy (n) ... (2)
Therefore, if “2α” in the equation (2) is a new convergence coefficient α and “2βα” is a new divergence suppression coefficient β, the filter coefficient W of the adaptive digital filter WiIs updated as shown in the following equation (3).
[0058]
Wi(N + 1) = Wi(N) + αRTe (n) -βy (n) (3)
Here, terms with (n) and (n + 1) represent values at sampling times n and n + 1. Further, the update reference signal RTIs a value obtained by filtering the reference signal x with a transfer function filter C ^ that models a transfer function C between the
[0059]
Theoretically, the reference signal x is filtered by the adaptive digital filter W to generate the drive signal y. However, since the magnitude of the reference signal x is "1", the filter coefficient WiAre sequentially output as the drive signal y, the result is the same as when the result of the filter processing is set as the drive signal y.
[0060]
Further, the controller 25 executes the vibration reduction process using the adaptive digital filter W as described above, and immediately after the power is turned on, the
[0061]
That is, the controller 25 is supplied with an engine speed detection signal N from the
[0062]
When the controller 25 detects an abnormality of the
[0063]
Next, the operation of the present embodiment will be described.
That is, as a result of adjusting the resonance frequency of the fluid resonance system in the
[0064]
On the other hand, when vibration having a frequency equal to or higher than the idle vibration frequency is input, the controller 25 executes a predetermined calculation process, outputs a drive signal y to the
[0065]
This will be specifically described with reference to FIG. 4 which is a flowchart showing the outline of the processing executed in the controller 25 when the idle vibration and the muffled sound vibration are input.
First, after a predetermined initial setting is performed in
[0066]
Next, the routine proceeds to step 103, where after the counter i is cleared to zero, the routine proceeds to step 104, where the i-th filter coefficient W of the adaptive digital filter W is obtained.iIs output as the drive signal y.
[0067]
When the drive signal y is output in
[0068]
When the update process in
[0069]
In
[0070]
However, if the determination in
[0071]
On the other hand, if it is determined in
[0072]
As a result of repeatedly executing the processing shown in FIG. 4, the adaptive digital filter is supplied from the controller 25 to the
[0073]
As a result, a magnetic force corresponding to the drive signal y is generated in the
[0074]
Then, each filter coefficient W of the adaptive digital filter W that becomes the drive signal yiIs successively updated by the above equation (3) according to the synchronous Filtered-X LMS algorithm, so that each filter coefficient W of the adaptive digital filter W elapses after a certain period of time.iIs converged to the optimum value, the drive signal y is supplied to the
[0075]
The above is the operation of the vibration reduction processing executed when the vehicle is running. On the other hand, immediately after the controller 25 is turned on, the process of FIG. 5 is executed in parallel with the process of FIG. 4. First, in step 201, the engine speed detection signal N is read. The engine speed N calculated based on the calculated engine speed N is stored. Then, the process proceeds to step 202, where the engine speed N and the predetermined speed NthAnd N ≧ NthIn this case, the processing after
[0076]
On the other hand, if the determination in
[0077]
Then, the process proceeds to step 206, where the maximum amplitude AmaxAnd threshold ethAnd Amax≧ ethIn this case, it is determined that the
[0078]
However, if the determination in
[0079]
Here, the timing at which the abnormality detection processing shown in FIG. 5 is executed is considered to be immediately after the power is turned on to the controller 25 by turning on the ignition and immediately after the controller 25 is reset by a momentary power drop. Can be
[0080]
In the former case, since the stopped engine 17 shifts to the idling state via the cranking state, the vibration generated in the engine 17 has a relatively large amplitude. Further, the filter coefficient W of the adaptive digital filter W is gradually increased from the time when the power is supplied to the controller 25.iAre updated toward the optimum value, so that in the cranking state, the engine vibration reaches the
[0081]
For this reason, as shown in FIG. 6A, the time t when the ignition is turned on is determined.1Since the vibration at the same level as the vibration generated in the engine 17 should have reached the
[0082]
If a disconnection abnormality or a short circuit abnormality has occurred in the
[0083]
Therefore, the threshold ethCan be set to determine whether or not the
On the other hand, in the latter case, the engine 17 is in operation, and the vibration generated by the engine 17 has a relatively small amplitude at a certain number of rotations. For this reason, unlike immediately after the ignition is turned on, as shown in FIG.2In this case, too large engine vibration is not input to the
[0084]
However, in such a case, since the determination in
[0085]
Thus, in the present embodiment, based on both the residual vibration signal e immediately after the power is supplied to the controller 25 and the engine speed N, it is determined whether the
[0086]
Moreover, since the
[0087]
Here, in the present embodiment, the engine 17 corresponds to the vibration source, the
[0088]
FIG. 7 is a diagram showing the second embodiment of the present invention, and is a flowchart showing an outline of the abnormality detection processing similar to FIG. 5 in the first embodiment. Since the overall configuration and the content of the vibration reduction processing are the same as those in the first embodiment, illustration and description thereof are omitted, and the same processing as in FIG. Duplicate descriptions are also omitted.
[0089]
That is, when the abnormality detection processing of this embodiment is executed, when the engine speed detection signal N is read in step 201, the process proceeds to step 301, and based on the engine speed N, the threshold value e is set.thIs set, and then the processing after
[0090]
That is, in the present embodiment, the threshold value e used for the determination in
[0091]
For this reason, as shown in FIGS. 6A and 6B, the threshold value e is set according to the vibration level of the engine 17 which should have occurred immediately after the power supply to the controller 25 is turned on.thIs set, the possibility of erroneously determining the abnormality of the
[0092]
In this embodiment, the abnormality of the
[0093]
Here, in the present embodiment, the processing of
In each of the above embodiments, the engine speed N is obtained based on the output of the
[0094]
Further, in each of the above embodiments, the residual vibration is detected by the
[0095]
In each of the above embodiments, the synchronous Filtered-X LMS algorithm is applied as an algorithm for generating the drive signal y. However, the applicable algorithm is not limited to this. -XLMS algorithm or the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a vehicle, showing a first embodiment.
FIG. 2 is a diagram showing an example of an active engine mount in plan view.
FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line AA and BB of FIG. 2;
FIG. 4 is a flowchart illustrating an outline of a vibration reduction process.
FIG. 5 is a flowchart illustrating an outline of an abnormality detection process according to the first embodiment.
FIG. 6 is a waveform diagram illustrating a state of generation of a residual vibration signal e.
FIG. 7 is a flowchart illustrating an outline of abnormality detection processing according to the second embodiment;
[Explanation of symbols]
17 Engine (vibration source)
18 Body
19 pulse signal generator (reference signal generating means)
20 Active engine mount (Control vibration source)
25 Controller (control means)
28 Engine speed sensor (engine speed detecting means)
52 electromagnetic actuator
64 Load sensor (residual vibration detection means)
Claims (4)
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号及び前記エンジン回転数に基づいて前記残留振動検出手段の異常を検出する異常検出手段と、を設け、前記異常検出手段は、前記エンジン回転数が、前記エンジンがクランキング状態にあると判断できる所定回転数未満であって、且つ、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に、前記残留振動検出手段に異常が発生していると判断するようになっていることを特徴とする車両用能動型振動制御装置。An active engine mount interposed between the engine and the vehicle body and capable of generating control vibration that interferes with vibration generated by the engine; residual vibration detection means for detecting vibration after the interference and outputting the vibration as a residual vibration signal; Control means for controlling the drive of the active engine mount so as to reduce the vibration of the vehicle body based on the residual vibration signal;
An engine speed detecting means for detecting an engine speed, and an abnormality detecting means for detecting an abnormality of the residual vibration detecting means based on the residual vibration signal and the engine speed immediately after power is supplied to the control means. , set only, the abnormality detecting means, the engine speed, the engine is less than a predetermined rotational speed can be determined to be in the cranking state and said immediately after the power is turned to the control means When the magnitude of the residual vibration signal is smaller than a predetermined threshold value, it is determined that the residual vibration detecting means is abnormal .
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号及び前記エンジン回転数に基づいて前記残留振動検出手段の異常を検出する異常検出手段と、を設け、前記異常検出手段は、前記制御手段に電源が投入された直後の前記残留振動信号の大きさが所定のしきい値未満の場合に前記残留振動検出手段に異常が発生していると判断する判断手段と、前記エンジン回転数に基づいて前記しきい値を設定するしきい値設定手段と、を備えていることを特徴とする車両用能動型振動制御装置。 An active engine mount interposed between the engine and the vehicle body and capable of generating control vibration that interferes with vibration generated by the engine; residual vibration detection means for detecting vibration after the interference and outputting the vibration as a residual vibration signal; Control means for controlling the drive of the active engine mount so as to reduce the vibration of the vehicle body based on the residual vibration signal;
An engine speed detecting means for detecting an engine speed, and an abnormality detecting means for detecting an abnormality of the residual vibration detecting means based on the residual vibration signal and the engine speed immediately after power is supplied to the control means. Wherein the abnormality detection means has an abnormality in the residual vibration detection means when the magnitude of the residual vibration signal immediately after the control means is turned on is smaller than a predetermined threshold value. and determining means for determining the engine speed vehicular active vibration control apparatus characterized by comprising a threshold setting means for setting the threshold based on.
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