JP3576075B2 - 干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法 - Google Patents
干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法に係り、特に、直接スペクトル拡散通信システムにおける受信信号の和差演算を利用した干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、従来のスペクトル拡散通信システムの構成図を示す。
このシステムは、送信機100と受信機200を備える。送信機100は、データ送信回路101、1次変調回路102、2次変調回路103、拡散符号発生回路104、アンテナ105を備える。また、受信機200は、データ受信回路201、1次復調回路202、2次復調回路203、同期回路204、アンテナ205を備える。
【0003】
ここで、d1(t)は自局が送信するデータ、a1(t)は1次変調された信号、s1(t)は2次変調された信号でスペクトル拡散信号、そしてc1(t)はスペクトルを拡散するための符号を表わす。他局からのスペクトル拡散信号をsi(t),i=2,3,〜,Kと表わしてある。
【0004】
スペクトル拡散通信システムでは、同じ周波数帯域を複数の信号が共存しあった状態で通信する。それぞれの信号には互いに直交する性質を持つ拡散符号で変調されているので、復調の際、希望する拡散符号と一致しない符号を含む信号は排除される。しかし、完全に直交していないので、相互相関値がわずかながら存在し、その総和が他局信号の数が増えると大きな値となり、同時通信局数を制限する。
【0005】
つぎに、図を参照しながらスペクトル拡散通信システムの動作を説明する。送信機100では、データ送信回路101から送信されるデータd1(t)は、+1と−1をランダムにとるデータとし、1次変調回路102による1次変調は、例えばPSK(位相シフトキーイング)とする。1次変調回路102の出力a1(t)は、次のように記述される。
a1(t) = d1(t) cos(2πfct +θ1)
ただし、fcは搬送周波数でθ1は搬送波の位相を表わす。
【0006】
ここで、c1(t)を+1と−1をとる拡散符号とする。2次変調回路103は、この拡散符号c1(t)と1次変調信号a1(t)との乗算により2次変調を行い、スペクトル拡散信号s1(t)を発生させる。スペクトル拡散信号s1(t)は、次のように記述される。
s1(t) = c1(t) d1(t) cos(2πfct +θ1)
【0007】
他局からのスペクトル拡散信号は次のように表わされる。
sk(t) = ck(t) dk(t) cos(2πfct +θk), k = 2,3,4,〜,K
一方、受信機200では、スペクトル拡散信号s1(t)を希望信号として復調する。受信信号r(t)は次のように記述される。
【0008】
【数1】
【0009】
ただし、n(t)は受信機雑音である。
以後の説明では便宜上、雑音を省略して説明する。
同期回路204では、受信信号r(t)に含まれる拡散符号c1(t)の同期を確立し、その符号を同期回路204から2次復調回路203に供給する。2次復調回路203では、受信信号r(t)と符号c1(t)との乗算を行い、次の計算によりa1(t)を得る。
【0010】
【数2】
【0011】
ただし、γk(t) = c1(t)×ck(t), ak(t) = dk(t) cos(2πfct +θk), k = 2,3,〜,Kで、c1(t)×c1(t) = 1の関係を使用している。
【0012】
第1項が希望信号の変調信号で、第2項が、他局信号による雑音成分として寄与する項である。γk(t)は希望信号を拡散する符号c1(t)と、他局信号を拡散する符号ck(t)との積で、直交していない為、1周期積分してもゼロにならならず広帯域信号のままである。
1次復調器202では、a1(t)を復調してデータd1(t)を出力する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現在、携帯電話等の通信局数を増やす方法として、スペクトル拡散による符号変調方式が主流となりつつある。しかしながら、スペクトル拡散方式では、複数の他局信号からの干渉を除去する必要があり、この干渉波が、通信局数を制限している。従来は、基地局で干渉波除去に対応しているため大規模のシステム構成になっている。
【0014】
本発明は、以上の点に鑑み、無線端末に組み込むことを可能とし、容易に他局信号からの干渉信号を除去することを目的とする。また、本発明は、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算する乗算回路と、
サンプルされた受信信号とその遅延信号とに基づいて、非希望信号のみを取り出すための非希望信号発生回路と、
タップ係数を出力するタップ係数制御回路と、
前記タップ係数制御回路により与えられたタップ係数と、前記非希望信号発生回路からの信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求めるアダプティブフィルタ部と、
前記乗算回路の出力から、前記アダプティブフィルタ部により求められた合成信号を減算し、希望受信信号を得る減算回路と
を備えた干渉除去装置を提供する。
【0016】
本発明の第2の解決手段によると、
スペクトル拡散信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した信号を入力する上述に記載の干渉除去装置と、
前記干渉除去装置からの出力を復調する復調回路
を備えた無線端末装置を提供する。
【0017】
本発明の第3の解決手段によると、
サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算し、
サンプルされた受信信号とそれを整数チップ数毎に遅延させた遅延信号とを、和平均及び差平均した信号を求め、希望信号が出力されないパターンにて切替えることにより非希望信号のみの出力を取り出し、
タップ係数と取り出された非希望信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求め、
前記乗算した出力から、前記合成信号を減算し、希望受信信号を得る
ようにした干渉除去方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る干渉波除去装置を備えた無線端末装置の構成図を示す。ただし、本発明は、次の条件を前提にしている。
▲1▼すべての拡散符号のチップ同期がとれていること、
【0019】
この無線端末装置(受信機)は、アンテナ1、同期回路2、乗算回路3、低域フィルタ(LPF)4、非希望信号発生回路5、タップ係数制御回路6、アダプティブフィルタ部7、減算回路8、標本化回路9、乗算回路10、リミタ11、比較器12を備える。
【0020】
同期回路2は、アンテナ1から受信されたスペクトル拡散信号の同期を検出する。乗算回路3は、アンテナ1から受信されたスペクトル拡散信号と、同期回路2から出力された希望信号の搬送波とを乗算する。低域フィルタ4は、乗算回路3の出力から、ベースバンド信号を取り出す。標本化回路9は、低域フィルタ4からのベースバンド信号をサンプルする。乗算回路10は、標本化回路9からの受信信号と、同期回路2により出力された希望信号の拡散符号とを乗算する。非希望信号発生回路5は、標本化回路9からの受信信号と、その遅延信号に基づいて、干渉となる非希望信号を取り出すための信号を発生する。アダプティブフィルタ部7は、タップ係数制御回路6により与えられたタップ係数と、非希望信号発生回路5からの信号とに基づいて、乗算及び合成することにより、非希望信号に関する合成信号を求める。減算回路8は、乗算回路10の出力から、アダプティブフィルタ部7の出力を減算し、希望受信信号を得る。リミタ11は、減算回路8により求められた受信信号を制限する。比較器12は、リミタ11の入力と出力と差分をとった誤差信号を出力する。タップ係数制御回路6は、タップ係数を出力し、また、比較器12の出力に基づき、タップ係数を制御する。
【0021】
つぎに、動作を詳細に説明する。
まず、アンテナ1から入力された受信信号r(t)を次のように記述する。
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、k=1を希望局の信号(希望信号)と定める。その他k=2,3,〜Kは非希望局の信号(非希望信号)とする。乗算回路3では、同期回路2で同期の確立した希望信号の搬送波 cos(2πfct+θ1)を受信信号と乗算する。つぎに、差成分を低域フィルタ4で取り出すと次のようになる。
【0024】
【数4】
【0025】
低域フィルタ4により、希望信号成分も非希望信号成分もベースバンド信号として変換される。次の標本化回路9ではチップ速度のm (m=1, 2, − − −) 倍で標本化する。以下の説明では、便宜上 m=1 とする。
【0026】
つぎに、非希望信号発生回路(GUS, Generator of Undesired Signal)5の動作を説明する。非希望信号発生回路5は、受信信号とその遅延信号から、干渉となる非希望信号のみを取り出す回路である。ここで、回路GUSkは k チップ遅延した信号を使用する。
【0027】
図2に、1チップ遅延した信号を使用するGUS1の動作の説明図を示す。図中、Tcは1チップ時間を表す。標本化は、信号の中心部で行われる。
図2(a)は希望信号の拡散符号のパターンである。図2(b)は任意の非希望信号を1個だけ取り出したパターンでck(t)dk(t)である。元の信号▲1▼は受信信号そのもので、1チップ遅延信号▲2▼に元の信号▲1▼を1チップだけ遅延させた信号の波形を示してある。和信号▲3▼に、信号▲1▼と▲2▼の信号を加算し、2で割った波形を示してある。差信号▲4▼には、信号▲1▼から▲2▼の信号を引き算し2で割った波形が示してある。
【0028】
ここで、図2(a)の希望信号を
0≦t<Tc のときは ▲3▼の出力
Tc≦t<2Tc のときは ▲4▼の出力
2Tc≦t<6Tc のときは ▲3▼の出力
6Tc≦t<8Tc のときは ▲4▼の出力
と切り替えると、回路GUS1の出力には、希望信号は現れない。一方、非希望信号を同様に切替えると、図2(b)に示すように、希望信号が現れない区間に、網印で示した信号が出力している。この切り替え動作でGUS1の出力には、非希望信号のみが現れる。
【0029】
図3に、2チップ遅延した信号を使用するGUS2の動作説明図を示す。ここでは、GUS1の動作を同じように、希望信号を出力させないように切り替え動作を行い、非希望信号のみを出力させることが出来る。すなわち、図3(a)の希望信号に基づき和信号▲3▼と差信号▲4▼を切り替えて出力することにより、GUS2の出力に希望信号が現れないようにすることができる。これと同じ切替え動作により、非希望信号のみがGUS2の出力に現れる。このようにして、kチップ遅延した信号を使用する各々のGUSkからそれぞれ非希望信号のみを出力させることができる。
【0030】
つぎに、図4に、非希望信号発生回路の構成図を示す。この非希望信号発生回路5は、1〜Lチップ遅延した信号を使用するGUS1 〜GUSL 51−1〜51−Lを有する。
受信信号rb(i)はN=Tb/Tcチップから構成されるベクトルで、次のように表される。
rb(i)=[rb.i(0), rb.i(1),−−−, rb.i(N−1)]T
ただし、Tは転置を表す。
非希望信号発生回路5から出力される信号x(i)=[xi (1), xi (2) ,−−−,xi (L)]T(ただし、L≦N)は次のように表される。右上の添字は回路の出力番号を表す。
【0031】
【数5】
【0032】
これらの各出力をアダプティブフィルタ部7に入力させる。アダプティブフィルタ部7の出力信号y(i)は、Nチップの要素で構成され、次のように記述される。
y(i)=[yi(0), yi(1),−−−,yi(N−1)]T
【0033】
また、タップ係数制御部6では、誤差信号 e(i) を入力して、1ステップ前のタップ係数 w(i−1) に修正の演算結果を補正し、w(i) として出力する。このタップ係数w(i) を使用して y(i) を計算し、再び誤差 e(i+1) を求める。この誤差が小さくなるように、再び、w(i) に補正を行い w(i+1) を求め、アダプティブフィルタ部7に供給する。タップ係数更新のアルゴリズムは、LMS (least mean square algorithm)等の各種のアルゴリズムを適用することができる。
【0034】
つぎに、アダプティブフィルタ部7の構成例a.及びb.について説明する。a.1チップごとの処理による方法
【0035】
図5に、1チップごとの演算をするアダプティブフィルタ部の構成図を示す。このアダプティブフィルタ部7は、乗算回路71−1〜71−Lと、和回路72を有する。
第1の方法では、干渉雑音信号の数がLより小さい場合で、各GUSkからの出力をチップ時間ごとに重み付けをして合成するものである。原理は、L−1の自由度があるとして、重み付けにより非希望信号を推定する方法である。この場合、データi ビット信号のnチップ目の非希望信号は、次の演算により発生される。
【0036】
【数6】
【0037】
ただし、 n=0,1,2,−−,N−1。
ここで、タップ係数w(i)は、次のようにL個のベクトルで構成され、それぞれがN個の要素を持つとしている。
w(i)=[wi (1), wi (2), −−−, wi (L)]T
wi (k)=[wi (k)(0), wi (k)(1), −−−, wi (k)(N−1)]
ただし、k=1,2,−−,Lである。
【0038】
減算回路8では、このようにして合成されたy(i)を、サンプルされた受信信号rb(i)から引き算して非希望信号成分を除去する。非希望信号成分は希望信号に対し干渉となるので、干渉波除去が行われる。しかし、最適なタップ係数を得るには適応処理が必要である。そのためには、減算回路8により、非希望信号を除去した信号z(i)を判定してデータd1^(i)を得、誤差信号e(i)(=z(i)−d1^(i))を最小にするようタップ係数制御部6で演算を行い、最適なw(i)を得るように制御する。
b.1ビットごとの処理による方法
【0039】
図6に、1ビットごとの処理による非希望信号発生回路の構成図を示す。この非希望信号発生回路5は、1〜Lビット遅延した信号を使用するGUS1〜GUSL51−1〜51−L及び和回路53を有する。
【0040】
第2の方法では、非希望信号発生回路5において、各回路GUS1〜GUSL51−1〜51−Lからの出力信号を和回路53で合成し、その信号に処理を施す方法で、次のような演算を行う。
タップ係数w(i)は、次のようにN個の要素で構成される。
w(i)=[wi(0), wi(1),−−−, wi(N−1)]T
同じように非希望信号発生回路からの出力信号x(i)も、次のようにN個の要素で構成される。
x(i)=[xi(0), xi(1),−−−, xi(N−1)]T
ただし、各要素は、各GUSk, k=1,2,−−,Lの出力の合成信号で、次の演算で求められる。
【0041】
【数7】
【0042】
タップ係数w(i)で重み付けされた信号x(i)は、次の演算によりy(i)として出力される。
【0043】
【数8】
【0044】
なお、最適なタップ係数は前項a.で述べた方法と同様なので、省略する。
【0045】
図7に、1ビットごとの処理によるアダプティブフィルタ部の構成図を示す。このアダプティブフィルタ部7は、遅延回路71−0〜71−(N−2)、乗算回路72−0〜72−(N−2)及び和回路73を有する。図6の非希望信号発生回路5から出力された信号x(i)は、このアダプティブフィルタ部7に入力される。信号x(i)は、遅延回路71−0〜71−(N−2)により、各成分に分解され、対応するタップ係数w(i)が乗算回路72−0〜72−(N−2)により乗算される。各成分はその後、和回路73により加算されy(i)が出力される。
【0046】
つぎに、本発明に係る干渉除去装置のシミュレーションについて説明する。
図8に、1ビットごとの処理による方法のシミュレーション結果の説明図を示す。グラフの横軸はEb/Noで、縦軸は BER(Bit Error Rate, ビット誤り率) である。このシミュレーションでは、一例として、31チップのGold 符号でスペクトル拡散を行い、同時通信局数を10と固定して、Eb/Noを変化させた。本シミュレーションでは、通常方式が、干渉除去を行わない場合の誤り率特性で、10ユーザの特性が非常に悪いことに注目されたい。一方、提案方式が本発明を使用した場合の特性で、干渉信号が除去された為に通常方式の1ユーザの特性に近付いている。本発明の干渉除去の原理は正しく動作していることが確認されている。
【0047】
本発明はBPSKの他、適宜の変調方式に適用することができる。例えば、QPSKへ適用する場合、同相成分と直交成分に本発明の回路を設けるようにすれば良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると、以上のように、移動端末に組み込むことができ、容易に他局信号からの干渉信号を除去することができる。また、本発明によると、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る干渉波除去装置を備えた無線端末装置の構成図。
【図2】1チップ遅延した信号を使用するGUS1の動作の説明図。
【図3】2チップ遅延した信号を使用するGUS2の動作説明図。
【図4】非希望信号発生回路の構成図。
【図5】1チップごとの演算をするアダプティブフィルタ部の構成図。
【図6】1ビットごとの処理による非希望信号発生回路の構成図。
【図7】1ビットごとの処理によるアダプティブフィルタ部の構成図。
【図8】1ビットごとの処理による方法のシミュレーション結果の説明図。
【図9】従来のスペクトル拡散通信システムの構成図。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 同期回路
3 乗算回路
4 低域フィルタ(LPF)
5 非希望信号発生回路
6 タップ係数制御回路
7 アダプティブフィルタ部
8 減算回路
9 標本化回路
10 乗算回路
11 リミタ
12 比較器
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法に係り、特に、直接スペクトル拡散通信システムにおける受信信号の和差演算を利用した干渉除去装置、無線端末装置及び干渉除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、従来のスペクトル拡散通信システムの構成図を示す。
このシステムは、送信機100と受信機200を備える。送信機100は、データ送信回路101、1次変調回路102、2次変調回路103、拡散符号発生回路104、アンテナ105を備える。また、受信機200は、データ受信回路201、1次復調回路202、2次復調回路203、同期回路204、アンテナ205を備える。
【0003】
ここで、d1(t)は自局が送信するデータ、a1(t)は1次変調された信号、s1(t)は2次変調された信号でスペクトル拡散信号、そしてc1(t)はスペクトルを拡散するための符号を表わす。他局からのスペクトル拡散信号をsi(t),i=2,3,〜,Kと表わしてある。
【0004】
スペクトル拡散通信システムでは、同じ周波数帯域を複数の信号が共存しあった状態で通信する。それぞれの信号には互いに直交する性質を持つ拡散符号で変調されているので、復調の際、希望する拡散符号と一致しない符号を含む信号は排除される。しかし、完全に直交していないので、相互相関値がわずかながら存在し、その総和が他局信号の数が増えると大きな値となり、同時通信局数を制限する。
【0005】
つぎに、図を参照しながらスペクトル拡散通信システムの動作を説明する。送信機100では、データ送信回路101から送信されるデータd1(t)は、+1と−1をランダムにとるデータとし、1次変調回路102による1次変調は、例えばPSK(位相シフトキーイング)とする。1次変調回路102の出力a1(t)は、次のように記述される。
a1(t) = d1(t) cos(2πfct +θ1)
ただし、fcは搬送周波数でθ1は搬送波の位相を表わす。
【0006】
ここで、c1(t)を+1と−1をとる拡散符号とする。2次変調回路103は、この拡散符号c1(t)と1次変調信号a1(t)との乗算により2次変調を行い、スペクトル拡散信号s1(t)を発生させる。スペクトル拡散信号s1(t)は、次のように記述される。
s1(t) = c1(t) d1(t) cos(2πfct +θ1)
【0007】
他局からのスペクトル拡散信号は次のように表わされる。
sk(t) = ck(t) dk(t) cos(2πfct +θk), k = 2,3,4,〜,K
一方、受信機200では、スペクトル拡散信号s1(t)を希望信号として復調する。受信信号r(t)は次のように記述される。
【0008】
【数1】
【0009】
ただし、n(t)は受信機雑音である。
以後の説明では便宜上、雑音を省略して説明する。
同期回路204では、受信信号r(t)に含まれる拡散符号c1(t)の同期を確立し、その符号を同期回路204から2次復調回路203に供給する。2次復調回路203では、受信信号r(t)と符号c1(t)との乗算を行い、次の計算によりa1(t)を得る。
【0010】
【数2】
【0011】
ただし、γk(t) = c1(t)×ck(t), ak(t) = dk(t) cos(2πfct +θk), k = 2,3,〜,Kで、c1(t)×c1(t) = 1の関係を使用している。
【0012】
第1項が希望信号の変調信号で、第2項が、他局信号による雑音成分として寄与する項である。γk(t)は希望信号を拡散する符号c1(t)と、他局信号を拡散する符号ck(t)との積で、直交していない為、1周期積分してもゼロにならならず広帯域信号のままである。
1次復調器202では、a1(t)を復調してデータd1(t)を出力する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現在、携帯電話等の通信局数を増やす方法として、スペクトル拡散による符号変調方式が主流となりつつある。しかしながら、スペクトル拡散方式では、複数の他局信号からの干渉を除去する必要があり、この干渉波が、通信局数を制限している。従来は、基地局で干渉波除去に対応しているため大規模のシステム構成になっている。
【0014】
本発明は、以上の点に鑑み、無線端末に組み込むことを可能とし、容易に他局信号からの干渉信号を除去することを目的とする。また、本発明は、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算する乗算回路と、
サンプルされた受信信号とその遅延信号とに基づいて、非希望信号のみを取り出すための非希望信号発生回路と、
タップ係数を出力するタップ係数制御回路と、
前記タップ係数制御回路により与えられたタップ係数と、前記非希望信号発生回路からの信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求めるアダプティブフィルタ部と、
前記乗算回路の出力から、前記アダプティブフィルタ部により求められた合成信号を減算し、希望受信信号を得る減算回路と
を備えた干渉除去装置を提供する。
【0016】
本発明の第2の解決手段によると、
スペクトル拡散信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した信号を入力する上述に記載の干渉除去装置と、
前記干渉除去装置からの出力を復調する復調回路
を備えた無線端末装置を提供する。
【0017】
本発明の第3の解決手段によると、
サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算し、
サンプルされた受信信号とそれを整数チップ数毎に遅延させた遅延信号とを、和平均及び差平均した信号を求め、希望信号が出力されないパターンにて切替えることにより非希望信号のみの出力を取り出し、
タップ係数と取り出された非希望信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求め、
前記乗算した出力から、前記合成信号を減算し、希望受信信号を得る
ようにした干渉除去方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る干渉波除去装置を備えた無線端末装置の構成図を示す。ただし、本発明は、次の条件を前提にしている。
▲1▼すべての拡散符号のチップ同期がとれていること、
【0019】
この無線端末装置(受信機)は、アンテナ1、同期回路2、乗算回路3、低域フィルタ(LPF)4、非希望信号発生回路5、タップ係数制御回路6、アダプティブフィルタ部7、減算回路8、標本化回路9、乗算回路10、リミタ11、比較器12を備える。
【0020】
同期回路2は、アンテナ1から受信されたスペクトル拡散信号の同期を検出する。乗算回路3は、アンテナ1から受信されたスペクトル拡散信号と、同期回路2から出力された希望信号の搬送波とを乗算する。低域フィルタ4は、乗算回路3の出力から、ベースバンド信号を取り出す。標本化回路9は、低域フィルタ4からのベースバンド信号をサンプルする。乗算回路10は、標本化回路9からの受信信号と、同期回路2により出力された希望信号の拡散符号とを乗算する。非希望信号発生回路5は、標本化回路9からの受信信号と、その遅延信号に基づいて、干渉となる非希望信号を取り出すための信号を発生する。アダプティブフィルタ部7は、タップ係数制御回路6により与えられたタップ係数と、非希望信号発生回路5からの信号とに基づいて、乗算及び合成することにより、非希望信号に関する合成信号を求める。減算回路8は、乗算回路10の出力から、アダプティブフィルタ部7の出力を減算し、希望受信信号を得る。リミタ11は、減算回路8により求められた受信信号を制限する。比較器12は、リミタ11の入力と出力と差分をとった誤差信号を出力する。タップ係数制御回路6は、タップ係数を出力し、また、比較器12の出力に基づき、タップ係数を制御する。
【0021】
つぎに、動作を詳細に説明する。
まず、アンテナ1から入力された受信信号r(t)を次のように記述する。
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、k=1を希望局の信号(希望信号)と定める。その他k=2,3,〜Kは非希望局の信号(非希望信号)とする。乗算回路3では、同期回路2で同期の確立した希望信号の搬送波 cos(2πfct+θ1)を受信信号と乗算する。つぎに、差成分を低域フィルタ4で取り出すと次のようになる。
【0024】
【数4】
【0025】
低域フィルタ4により、希望信号成分も非希望信号成分もベースバンド信号として変換される。次の標本化回路9ではチップ速度のm (m=1, 2, − − −) 倍で標本化する。以下の説明では、便宜上 m=1 とする。
【0026】
つぎに、非希望信号発生回路(GUS, Generator of Undesired Signal)5の動作を説明する。非希望信号発生回路5は、受信信号とその遅延信号から、干渉となる非希望信号のみを取り出す回路である。ここで、回路GUSkは k チップ遅延した信号を使用する。
【0027】
図2に、1チップ遅延した信号を使用するGUS1の動作の説明図を示す。図中、Tcは1チップ時間を表す。標本化は、信号の中心部で行われる。
図2(a)は希望信号の拡散符号のパターンである。図2(b)は任意の非希望信号を1個だけ取り出したパターンでck(t)dk(t)である。元の信号▲1▼は受信信号そのもので、1チップ遅延信号▲2▼に元の信号▲1▼を1チップだけ遅延させた信号の波形を示してある。和信号▲3▼に、信号▲1▼と▲2▼の信号を加算し、2で割った波形を示してある。差信号▲4▼には、信号▲1▼から▲2▼の信号を引き算し2で割った波形が示してある。
【0028】
ここで、図2(a)の希望信号を
0≦t<Tc のときは ▲3▼の出力
Tc≦t<2Tc のときは ▲4▼の出力
2Tc≦t<6Tc のときは ▲3▼の出力
6Tc≦t<8Tc のときは ▲4▼の出力
と切り替えると、回路GUS1の出力には、希望信号は現れない。一方、非希望信号を同様に切替えると、図2(b)に示すように、希望信号が現れない区間に、網印で示した信号が出力している。この切り替え動作でGUS1の出力には、非希望信号のみが現れる。
【0029】
図3に、2チップ遅延した信号を使用するGUS2の動作説明図を示す。ここでは、GUS1の動作を同じように、希望信号を出力させないように切り替え動作を行い、非希望信号のみを出力させることが出来る。すなわち、図3(a)の希望信号に基づき和信号▲3▼と差信号▲4▼を切り替えて出力することにより、GUS2の出力に希望信号が現れないようにすることができる。これと同じ切替え動作により、非希望信号のみがGUS2の出力に現れる。このようにして、kチップ遅延した信号を使用する各々のGUSkからそれぞれ非希望信号のみを出力させることができる。
【0030】
つぎに、図4に、非希望信号発生回路の構成図を示す。この非希望信号発生回路5は、1〜Lチップ遅延した信号を使用するGUS1 〜GUSL 51−1〜51−Lを有する。
受信信号rb(i)はN=Tb/Tcチップから構成されるベクトルで、次のように表される。
rb(i)=[rb.i(0), rb.i(1),−−−, rb.i(N−1)]T
ただし、Tは転置を表す。
非希望信号発生回路5から出力される信号x(i)=[xi (1), xi (2) ,−−−,xi (L)]T(ただし、L≦N)は次のように表される。右上の添字は回路の出力番号を表す。
【0031】
【数5】
【0032】
これらの各出力をアダプティブフィルタ部7に入力させる。アダプティブフィルタ部7の出力信号y(i)は、Nチップの要素で構成され、次のように記述される。
y(i)=[yi(0), yi(1),−−−,yi(N−1)]T
【0033】
また、タップ係数制御部6では、誤差信号 e(i) を入力して、1ステップ前のタップ係数 w(i−1) に修正の演算結果を補正し、w(i) として出力する。このタップ係数w(i) を使用して y(i) を計算し、再び誤差 e(i+1) を求める。この誤差が小さくなるように、再び、w(i) に補正を行い w(i+1) を求め、アダプティブフィルタ部7に供給する。タップ係数更新のアルゴリズムは、LMS (least mean square algorithm)等の各種のアルゴリズムを適用することができる。
【0034】
つぎに、アダプティブフィルタ部7の構成例a.及びb.について説明する。a.1チップごとの処理による方法
【0035】
図5に、1チップごとの演算をするアダプティブフィルタ部の構成図を示す。このアダプティブフィルタ部7は、乗算回路71−1〜71−Lと、和回路72を有する。
第1の方法では、干渉雑音信号の数がLより小さい場合で、各GUSkからの出力をチップ時間ごとに重み付けをして合成するものである。原理は、L−1の自由度があるとして、重み付けにより非希望信号を推定する方法である。この場合、データi ビット信号のnチップ目の非希望信号は、次の演算により発生される。
【0036】
【数6】
【0037】
ただし、 n=0,1,2,−−,N−1。
ここで、タップ係数w(i)は、次のようにL個のベクトルで構成され、それぞれがN個の要素を持つとしている。
w(i)=[wi (1), wi (2), −−−, wi (L)]T
wi (k)=[wi (k)(0), wi (k)(1), −−−, wi (k)(N−1)]
ただし、k=1,2,−−,Lである。
【0038】
減算回路8では、このようにして合成されたy(i)を、サンプルされた受信信号rb(i)から引き算して非希望信号成分を除去する。非希望信号成分は希望信号に対し干渉となるので、干渉波除去が行われる。しかし、最適なタップ係数を得るには適応処理が必要である。そのためには、減算回路8により、非希望信号を除去した信号z(i)を判定してデータd1^(i)を得、誤差信号e(i)(=z(i)−d1^(i))を最小にするようタップ係数制御部6で演算を行い、最適なw(i)を得るように制御する。
b.1ビットごとの処理による方法
【0039】
図6に、1ビットごとの処理による非希望信号発生回路の構成図を示す。この非希望信号発生回路5は、1〜Lビット遅延した信号を使用するGUS1〜GUSL51−1〜51−L及び和回路53を有する。
【0040】
第2の方法では、非希望信号発生回路5において、各回路GUS1〜GUSL51−1〜51−Lからの出力信号を和回路53で合成し、その信号に処理を施す方法で、次のような演算を行う。
タップ係数w(i)は、次のようにN個の要素で構成される。
w(i)=[wi(0), wi(1),−−−, wi(N−1)]T
同じように非希望信号発生回路からの出力信号x(i)も、次のようにN個の要素で構成される。
x(i)=[xi(0), xi(1),−−−, xi(N−1)]T
ただし、各要素は、各GUSk, k=1,2,−−,Lの出力の合成信号で、次の演算で求められる。
【0041】
【数7】
【0042】
タップ係数w(i)で重み付けされた信号x(i)は、次の演算によりy(i)として出力される。
【0043】
【数8】
【0044】
なお、最適なタップ係数は前項a.で述べた方法と同様なので、省略する。
【0045】
図7に、1ビットごとの処理によるアダプティブフィルタ部の構成図を示す。このアダプティブフィルタ部7は、遅延回路71−0〜71−(N−2)、乗算回路72−0〜72−(N−2)及び和回路73を有する。図6の非希望信号発生回路5から出力された信号x(i)は、このアダプティブフィルタ部7に入力される。信号x(i)は、遅延回路71−0〜71−(N−2)により、各成分に分解され、対応するタップ係数w(i)が乗算回路72−0〜72−(N−2)により乗算される。各成分はその後、和回路73により加算されy(i)が出力される。
【0046】
つぎに、本発明に係る干渉除去装置のシミュレーションについて説明する。
図8に、1ビットごとの処理による方法のシミュレーション結果の説明図を示す。グラフの横軸はEb/Noで、縦軸は BER(Bit Error Rate, ビット誤り率) である。このシミュレーションでは、一例として、31チップのGold 符号でスペクトル拡散を行い、同時通信局数を10と固定して、Eb/Noを変化させた。本シミュレーションでは、通常方式が、干渉除去を行わない場合の誤り率特性で、10ユーザの特性が非常に悪いことに注目されたい。一方、提案方式が本発明を使用した場合の特性で、干渉信号が除去された為に通常方式の1ユーザの特性に近付いている。本発明の干渉除去の原理は正しく動作していることが確認されている。
【0047】
本発明はBPSKの他、適宜の変調方式に適用することができる。例えば、QPSKへ適用する場合、同相成分と直交成分に本発明の回路を設けるようにすれば良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると、以上のように、移動端末に組み込むことができ、容易に他局信号からの干渉信号を除去することができる。また、本発明によると、スペクトル拡散通信方式において、雑音として作用する他局の信号成分を除去し、耐雑音特性を向上させ、同時通信局数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る干渉波除去装置を備えた無線端末装置の構成図。
【図2】1チップ遅延した信号を使用するGUS1の動作の説明図。
【図3】2チップ遅延した信号を使用するGUS2の動作説明図。
【図4】非希望信号発生回路の構成図。
【図5】1チップごとの演算をするアダプティブフィルタ部の構成図。
【図6】1ビットごとの処理による非希望信号発生回路の構成図。
【図7】1ビットごとの処理によるアダプティブフィルタ部の構成図。
【図8】1ビットごとの処理による方法のシミュレーション結果の説明図。
【図9】従来のスペクトル拡散通信システムの構成図。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 同期回路
3 乗算回路
4 低域フィルタ(LPF)
5 非希望信号発生回路
6 タップ係数制御回路
7 アダプティブフィルタ部
8 減算回路
9 標本化回路
10 乗算回路
11 リミタ
12 比較器
Claims (9)
- サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算する乗算回路と、
サンプルされた受信信号とその遅延信号とに基づいて、非希望信号のみを取り出すための非希望信号発生回路と、
タップ係数を出力するタップ係数制御回路と、
前記タップ係数制御回路により与えられたタップ係数と、前記非希望信号発生回路からの信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求めるアダプティブフィルタ部と、
前記乗算回路の出力から、前記アダプティブフィルタ部により求められた合成信号を減算し、希望受信信号を得る減算回路と
を備えた干渉除去装置。 - 受信されたスペクトル拡散信号の同期を検出する同期回路と、
受信されたスペクトル拡散信号と、前記同期回路から出力された希望信号の搬送波とを乗算する乗算回路と、
前記乗算回路からの出力から、ベースバンド信号を取り出す低域フィルタと、前記低域フィルタからのベースバンド信号をサンプルして、サンプルされた受信信号を出力する標本化回路と
をさらに備えた請求項1に記載の干渉除去装置。 - 前記非希望信号発生回路は、
希望信号とその遅延信号との和成分及び差成分のいずれかを選択することで出力が現れないように切替える動作に従って、非希望信号とその遅延信号との和成分又は差成分を切替えて出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の干渉除去装置。 - 前記非希望信号発生回路は、
希望信号及び非希望信号と、それらの1チップ乃至nチップ(nは、2以上の整数)遅延信号について、それぞれの和成分及び差成分を希望信号の各成分が出力されないように切替え、非希望信号の成分を出力する第1乃至第nの演算回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の干渉除去装置。 - 前記非希望信号発生回路は、前記1乃至nの演算回路の出力を加算する和回路をさらに備え、
前記アダプティブフィルタ部は、前記和回路の出力を各成分に応じて遅延させる遅延回路と、各前記遅延回路の出力にタップ係数を乗算する乗算回路と、各前記乗算回路の和をとる和回路を備えたことを特徴とする請求項4に記載の干渉除去装置。 - 前記減算回路により求められた受信信号を制限するリミタをさらに備え、
前記タップ係数制御回路は、前記リミタの入力と出力との誤差信号に基づき、前記タップ係数を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の干渉除去装置。 - スペクトル拡散信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した信号を入力する請求項1乃至6のいずれかに記載の干渉除去装置と、
前記干渉除去装置の出力からデータを判定する判定回路と、
を備えた無線端末装置。 - サンプルされた受信信号と希望信号の拡散符号とを乗算し、
サンプルされた受信信号とそれを整数チップ数毎に遅延させた遅延信号とを、和平均及び差平均した信号を求め、希望信号が出力されないパターンにて切替えることにより非希望信号のみの出力を取り出し、
タップ係数と取り出された非希望信号とに基づき、非希望信号に関する合成信号を求め、
前記乗算した出力から、前記合成信号を減算し、希望受信信号を得る
ようにした干渉除去方法。 - さらに、復調された信号の誤差成分が小さくなるようタップ係数の重みをつけフィードバック制御することを特徴とする請求項8に記載の干渉除去方法。
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