JP3573166B2 - テレビジョン受信装置およびテレビジョン受信システム - Google Patents

テレビジョン受信装置およびテレビジョン受信システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、複数画面の同時表示が可能なテレビジョン受信装置およびテレビジョン受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、現行のテレビジョン標準方式(NTSC方式)では、画面の横縦比(アスペクト比)が4:3に定められている。
また、新しく提案されている高品位テレビジョン(ハイビジョン)方式では、アスペクト比が16:9に定められて、NTSC方式よりも横長の画面となっている。
【0003】
近年、アスペクト比が16:9の受像管を採用し、かつ、NTSC方式に対応した、横長テレビないしはワイドテレビと通称される、横長画面のテレビジョン受信機が市販されるに至った。
そして、ワイドテレビには、いわゆるピクチャー・イン・ピクチャー(PinP)機能に加えて、ピクチャー・アウト・ピクチャー(PoP)機能も搭載されている。
【0004】
PinP機能は、現に視聴中の親画面に重ねて、子画面を表示する機能であって、子画面には、親画面とのサイズの比率に対応して、粗くサンプリングされた別の映像が、専用のメモリを介して、縮小表示される。
また、PoP機能は、アスペクト比が16:9の横長画面に、アスペクト変換された4:3の映像を片側に寄せて表示するときに生じる余白部分に、3つの小画面映像を表示するもので、テレビ画面上に4画面の動画表示が可能になると共に、PinPのように、子画面により親画面が隠されることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、テレビジョン放送で、例えば、テレビショッピングなどの番組の放送を行う場合においては、放送側で、受付電話番号や送金先の口座番号などを、適宜の時間だけ、スーパーインポーズで画面に表示するようにしたり、音声で説明したりすることがよくある。
【0006】
これらの表示情報や音声情報は、一定時間しか放送されないため、視聴者は、一般にはメモをとることによって、その電話番号などを手元にとどめようとする。
【0007】
テレビジョン受信機が、ピクチャー・イン・ピクチャー機能を備え、かつ、子画面の画像について静止画にすることができる機能(子画面スチル機能)を備えている場合には、上述のような番組のときに、視聴者がテレビジョン受信機で子画面に切り換えて子画面スチルすることにより、電話番号などの継続表示が可能である。
【0008】
ところが、テレビジョン受信機がピクチャー・イン・ピクチャー機能と子画面スチル機能とを備えていても、その操作に手間どれば、タイミングを逸してしまうという問題があった。
また、子画面では、当然ながら、表示情報が小さくなって、見づらいという問題もあった。
【0009】
一方、例えば、テレビショッピングなどの番組の放送を行う場合、商品の画像のように、放送局側では、視聴者側で静止画として記録して欲しい情報であっても、視聴者がスチル・キーを操作しない限り、受信側で静止画記録はできなかった。このため、テレビショッピングのカタログなどを、放送を通じて、視聴者に配信することは不可能であった。
【0010】
かかる点に鑑み、この発明の目的は、視聴者側からだけでなく、放送局側からも、受信機側での静止画記録を制御することができると共に、記録した静止画を見やすく表示することができる。テレビジョン受信装置およびテレビジョン受信システムを提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明によるテレビジョン受信装置は、
映像信号に静止画表示用指令信号が多重されたテレビジョン放送信号を受信するテレビジョン受信装置であって、
前記テレビジョン放送信号を受信し、当該受信したテレビジョン放送信号から映像信号を復調する復調手段と、
前記復調手段により復調された映像信号による画像を表示画面に表示する表示手段と、
前記表示画面の表示領域を分割したときの各分割領域に表示する複数の画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、
前記映像信号に多重されている前記静止画表示用指令信号を抽出する抽出手段と、
前記画像情報記憶手段に、前記復調手段により復調された映像信号を、前記分割されたそれぞれの表示領域に対応するサイズに変換して書き込み、前記画像情報記憶手段に書き込んだ前記複数の画像情報を読み出して、前記複数の画像情報の全てを一画面として前記表示画面に表示するようにするものであって、前記分割領域に表示する複数の画像情報の一つは、前記抽出手段により抽出した前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面を静止画として表示するために、前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面の後の、前記復調された映像信号の書き込みを禁止した画像情報とする複数画面表示処理手段
を備えることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
かかる構成によれば、放送局側から、所定の指令信号を送出することにより、放送局側からも、受信機側での静止画記録を制御することができると共に、複数の画面PL,PRを同一形状とすることにより、メモリ52に記録した静止画が見やすく表示される。
【0013】
【実施例】
以下、この発明によるテレビジョン受信装置の一実施例について説明する。この実施例では、静止画表示のための制御信号として、放送局側では、クローズド・キャプション方式の多重情報を用いる。
【0014】
即ち、放送局側では、クローズド・キャプション方式のエンコーダを活用して、その制御コードに静止画表示のための制御機能を割り付けることにより、受信機側では、視聴者が特に操作しなくても、放送局側からの制御コードの受信ごとに、テレビジョン受信機の画面に静止画が表示される。
【0015】
まず、図4を参照しながら、クローズド・キャプション(Closed Caption)方式について説明する。
【0016】
[クローズド・キャプション方式]
クローズド・キャプション方式は、テレビジョンの映像と同時に、音声に同期した文字を画面上に表示する文字多重放送であって、米国において、1980年から実施されている。これにより、難聴者が、健常者と同様に、テレビジョン放送を理解し、楽しむことができる。
そして、米国では、1993年7月以降、13型以上のテレビジョン受信機にクローズド・キャプション方式のデコーダを搭載することが法制化された。
【0017】
クローズド・キャプション放送番組は、開始以来徐々に増加して、現在では、3大ネットワーク(CBS,ABC,NBC)が提供する、夜の高視聴率時間帯の全番組がクローズド・キャプション方式の放送となっている。
上述のようなクローズド・キャプション付き番組は、ケーブル・テレビジョン放送にまで拡大すると共に、テープやディスクをパッケージ・メディアとする、ビデオ・ソフトにも、クローズド・キャプション方式の字幕を付けたものが増えている。
【0018】
クローズド・キャプション方式では、テレビジョン信号の垂直ブランキング期間中、奇数フィールドの第21Hに、情報交換用米国標準コードによる文字情報が重畳され、偶数フィールドの第284Hには、フィールド判別のための情報が重畳される。
【0019】
クローズド・キャプションにおいて、符号化複合映像信号は、図4Aに示すように、7サイクルの正弦波形のクロック・ラン・イン・バーストと、2値NRZの文字信号から構成され、また、文字信号の「1」および「0」のレベルは、それぞれ50 IRE(50%白)および0 IRE(ペデスタルレベル)とされる。なお、クロック周波数は、水平走査周波数fHの32倍(=503.4965kHz)とされ、クロック・ラン・イン・バーストの周期はクロック周期と等しくされる。
クロック・ラン・イン・バーストの後には、論理レベル“0”が2ビット分あり、後に続く論理レベルが“1”の1ビットのスタート・ビットSと共に、スタートコードScdを形成する。
【0020】
文字信号のデータ構成は、図4Bに示すように、16ビット(2文字分)の“1”および“0”の2値信号で、NRZ(Non Return to Zero)形式とされ、それぞれ7ビットの符号1(B1)および符号2(B2)と、各符号の後に付加される1ビットの誤り検出符号Cからなる。
従って、クローズド・キャプション方式の伝送レートは、2文字/フレーム、即ち、60文字/秒となる。
【0021】
また、クローズド・キャプション方式の表示形態には、キャプション・モードとテキスト・モードとがあって、キャプション・モードでは、映画のスーパーインポーズのように、例えば、画面の下部に、台詞などが、最大で32文字×4行が表示される。
一方、テキスト・モードでは、画面の全体にわたって、最大で32文字×15行が表示され、天気予報や番組情報などに利用される。
【0022】
[受信装置の構成]
次に、図1〜図3を参照しながら、この発明によるテレビジョン受信装置を、クローズド・キャプション方式対応のテレビジョン受信機に適用した場合の一実施例について説明する。
【0023】
この発明の一実施例の全体の構成を図1に示し、その要部の構成を図2に示す。
図1において、10はテレビジョン受信機の映像系であって、アンテナ1で受信された放送電波がチューナ11に供給されて、所望のチャンネルの放送信号が選択される。このチューナ11には、映像IF(中間周波数)・復調回路12が接続されており、復調された映像信号は映像信号処理回路13に供給されて、所定の信号処理が施される。
【0024】
映像信号処理回路13の出力は、加算回路14と、切換えスイッチ15のs側接点および可動接点とを通じて、映像出力回路16に供給され、この回路16の出力が、16:9のアスペクト比の広角受像管17Wに供給される。
【0025】
また、IF・復調回路12からの映像信号が同期分離回路18に供給されて、この分離回路18で得られた水平・垂直の同期信号Hsy,Vsyが、水平・垂直の偏向回路19に供給され、偏向回路19の出力が偏向コイル17yに供給される。なお、音声系は、この発明には関係ないので、図示と説明を省略する。
【0026】
21はシステム制御回路(CPU)であって、図1に破線で示すように、この制御回路21からチューナ11ないし映像出力回路16に所定の制御信号がそれぞれ供給される。
【0027】
30は前述のクローズド・キャプション方式の文字多重情報処理系であって、文字情報抜取り回路31、デコード回路32および文字情報表示制御回路33を含んで構成される。IF・復調回路12からの映像信号が抜取り回路31に供給され、抜取り回路31の出力がデコード回路32に供給されると共に、デコード回路32の出力が表示制御回路33に供給される。
また、抜取り回路31と表示制御回路33とに共通に、同期分離回路18からの同期信号Hsy,Vsyが供給される。そして、表示制御回路33から、抜き取られた文字情報に対応する映像信号が加算回路14に供給される。
【0028】
制御系40はマイクロコンピュータ(CPU)41,ROM42,RAM43,VRAM44を含み、それぞれシステムバス45を通じて接続される。
ROM42には、文字情報の取り込み処理プログラムのほか、各種の制御プログラムが格納されると共に、表示に用いるフォントなどのデータも格納される。RAM43は主に演算のための作業領域として利用される。そして、VRAM44は表示に用いられる。
【0029】
バス45には、図示を省略したインターフェイスを介して、上述の抜取り回路31,デコード回路32および表示制御回路33がそれぞれ接続される。また、システム制御回路21もバス45に接続される。
【0030】
そして、例えば、赤外線伝送型のリモコン受信機46が、図示を省略したインターフェイスを介して、バス45に接続され、対応するリモコン送信機47による、テレビジョン受信機の遠隔制御が可能とされる。
上述のような構成は、従来のクローズド・キャプション方式対応のテレビジョン受信機と同様である。
【0031】
この実施例では、前述のような、ピクチャー・イン・ピクチャー機能や、ピクチャー・アウト・ピクチャー機能のような、大小の画面による表示とは異なり、左右の2つの画面が同一形状で表示されて、16:9のアスペクト比の受像管を用いるワイドテレビに好適な、ピクチャー・アンド・ピクチャー(P&P)機能を実現するため、左右の画面にそれぞれ対応するメモリ51,52を含む2画面表示処理回路50が設けられる。
【0032】
この表示処理回路50には、加算回路14からの映像信号と、同期分離回路18からの水平・垂直の同期信号Hsy,Vsyとが供給されると共に、システム制御回路21からの制御信号が供給される。
表示処理回路50のメモリ52には、切換えスイッチ53のc側接点と可動接点とを通じて、デコード回路32から、放送局側の制御コードがデコードされたストローブ信号STRBが供給されると共に、m側接点と可動接点とを通じては、リモコン送信機47のスチル・コマンドに基づく、制御系40からのストローブ信号STRBが供給されて、静止画が記録される。
【0033】
スイッチ53の可動接点は、リモコン送信機47における、マニュアル・スチルと自動スチルとの選択操作に基づく、制御系40からの選択制御信号に応じて、c側接点もしくはm側接点に切り換えられる。
【0034】
そして、表示処理回路50の出力が、スイッチ15のd側接点と可動接点とを通じて、映像出力回路16に供給される。
【0035】
また、表示処理回路50の一方のメモリ52上の画像情報が、例えば光磁気ディスク装置のような、外部の記録再生装置2に対して転送され記録される。この装置2により再生された映像信号は、スイッチ15のp側接点と可動接点とを通じて、映像出力回路16に供給される。
なお、外部の記録再生装置としては、ハードディスク、VTR(齣撮り)、フラッシュメモリなどを用いることもできる。
【0036】
図2に示すように、左右の画面に対応するメモリ51,52には、アナログの入力映像信号が、A−D変換器55を通じて、それぞれ供給され、書き込まれる。
そして、この実施例では、右画面に対応するメモリ52にストローブ信号STRBが供給される。
【0037】
両メモリ51,52から読み出された映像信号データが、左右の画面にそれぞれ対応する圧縮・同期回路56,57に供給されると共に、同期分離回路18からの水平・垂直の同期信号Hsy,Vsyが圧縮・同期回路56,57に共通に供給される。この圧縮・同期回路56,57の出力は、オアゲート58を通じて、D−A変換器59に供給され、アナログ映像信号に変換されて、スイッチ15のd側接点に導出される。
【0038】
[受信装置の動作]
次に、図3をも参照しながら、この発明の一実施例の静止画の記録および表示について説明する。
【0039】
切換えスイッチ15が図1に示すような接続状態にあるとき、2画面表示処理回路50により、受像管17Wの管面には、任意の放送局からの同一のテレビジョン放送番組が、例えば、4:3のアスペクト比で、同一形状の左右の画面が表示される。
【0040】
図1の実施例は、右画面に対応するメモリ52にストローブ信号STRBが供給されるように構成されているが、実際にストローブ信号が供給されるまでは、受像管17Wの管面上の左右の画面には、同一のテレビジョン放送番組が、いずれも動画で表示される。
【0041】
この放送番組中の特定の画面を静止画とするため、視聴者が、リモコン送信機47において、マニュアル・スチルを選択すると、この選択操作に応じて、制御系40からの制御信号がスイッチ53に供給されて、図示のように、その可動接点がm側接点に切り換えられる。
【0042】
そして、視聴者が、リモコン送信機47のスチル・キー(図示は省略)を随時操作すると、この操作に応じて、ストローブ信号STRBがメモリ52に供給されることにより、スチル・キーの操作で指定された、放送番組中の特定の画面に対応する映像データがメモリ52に書き込まれると共に、このメモリ52に対し、以後の映像データの書き込みが禁止される。
これにより、図3に示すように、受像管17Wの管面SCw上の左画面PLには、動画mvがリアルタイムで表示されると共に、右画面PRには、所望の静止画stが継続して表示される。
【0043】
例えば、テレビショッピング番組が放送されている場合には、受付電話番号や商品の価格などが静止画として表示され、料理番組が放送されている場合には、レシピなどが静止画として表示される。また、旅番組が放送される場合には、観光ガイドなどが静止画として表示される。
メモリ52上の静止画情報は、前述のように、外部の記録再生装置2に転送されて記録されるので、随時、再生して利用することができる。
【0044】
一方、放送局側で、視聴者に静止画として記録して欲しい画面には、前述のようなクローズド・キャプション方式の制御コードに、静止画表示のための制御機能が割り付けられ、映像信号に多重して放送される。
また、受信機側では、文字多重情報処理系30の文字情報抜取り回路31により、復調映像信号から文字情報が抜き取られ、デコード回路32により、抜き取られた文字情報がデコードされて、ストローブ信号STRBが再生される。
【0045】
視聴者が、リモコン送信機47において、自動スチルを選択した場合には、
前述のような選択制御信号がスイッチ53に供給されて、図示とは逆に、その可動接点がc側接点に切り換えられ、再生ストローブ信号STRBがメモリ52に供給されて、放送番組中の静止画コードが付与された画面に対応する映像データがメモリ52に書き込まれると共に、このメモリ52に対し、以後の映像データの書き込みが禁止される。
これにより、視聴者が特に操作しなくても、図3に示すように、受像管17Wの管面SCw上の左画面PLに、動画mvがリアルタイムで表示されると共に、右画面PRには、所定の静止画stが継続して表示される。
【0046】
例えば、テレビショッピング番組が放送される場合、受付電話番号や商品の価格などに加えて、商品自体の画像も放送されるが、商品自体の画像も受信側で静止画記録されれば、カタログとして有効に利用されることになるので、放送局側では、番組中の複数の画面に対して、静止画コードを付与することがある。
【0047】
従って、メモリ52の容量は、複数の静止画に対応できる大きさであることが望ましい。
あるいは、静止画コードの受信ごとに、メモリ52に書き込まれている旧画面の映像データを外部の記録再生装置2に転送してから、新規の画面の映像データをメモリ52に書き込むようにしてもよい。
【0048】
上述の実施例では、視聴者の静止画キーの操作、ないしは、放送局側での静止画コードの付与に基づいて指定された特定の画面を、静止画として、動画と同一形状で、見やすく表示するすることができる。
【0049】
また、放送局側で付与される静止画コードの伝送には、米国では必須の、クローズド・キャプション方式のデコーダを利用しており、また、ピクチャー・アンド・ピクチャー機能を実現するための2画面表示処理回路も、従来のテレビジョン受信機に搭載されている、ピクチャー・イン・ピクチャー機能やピクチャー・アウト・ピクチャー機能のための回路と比べて、特別にコスト高ではないので、従来のテレビジョン受信機と余り変わらないコストで実現することができる。
【0050】
[他の実施例]
前述の実施例では、放送番組の一連の映像の中から、特定の映像を静止画として記録するようにしたが、放送番組の一連の映像の中に、1フレームのみ独立した映像を、識別コードを付けて挿入し、受信機側でこの識別コードをデコードすることにより、ピクチャー・アンド・ピクチャー機能を搭載したテレビジョン受信機だけが、一方の画面で、放送番組を動画として表示すると共に、他方の画面では、1フレームのみ独立した映像を静止画として表示することができる。
なお、従来のテレビジョン受信機では、1フレームのみ独立した映像を挿入しても、視聴者に認識されることはない。
【0051】
一方、クローズド・キャプション方式のテキスト・モードでは、前述のように、画面の全体にわたって、最大で32文字×15行が表示される。
放送局側からは、このテキスト・モードで、画面ごとに静止画コードを付与して、例えば、電子新聞の情報を深夜に送出し、受信側では、前述のように、例えば、光磁気ディスク装置に電子新聞の情報を順次記録しておくことにより、翌朝に、光磁気ディスク装置に記録された電子新聞を再生して、最新の情報をいち早く知ることができる。
なお、電子新聞の情報を記録する場合、テレビジョン受信機の映像出力回路や偏向・高圧回路と音声系とは非動作状態とされる。
【0052】
前述の各実施例では、ピクチャー・アンド・ピクチャー機能を搭載したテレビジョン受信機で、静止画記録を行う場合について説明したが、ピクチャー・イン・ピクチャー機能やピクチャー・アウト・ピクチャー機能を搭載したテレビジョン受信機の場合にも、同様に適用することができる。この場合、外部の記録再生装置を用いて、記録された静止画を再生することにより、小画面での見づらさは解消される。
【0053】
また、前述の各実施例では、この発明をクローズド・キャプション方式対応のテレビジョン受信機に適用した場合について説明したが、別の方式の文字多重放送に対応するテレビジョン受信機にも、同様に適用することができる。
【0054】
そして、前述の各実施例では、放送番組が静止画記録の信号源とされるが、例えば、VTRを信号源とすることにより、視聴者が所有するビデオテープのインデックスを制作することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、単一の画像表示素子上に複数の画面を同時に表示するための、複数のメモリを含む、複数画面表示手段を備えたテレビジョン受信装置であって、同一の信号源からの映像情報を複数のメモリに順次に書き込み、順次に読み出して、複数の画面に動画像を表示すると共に、視聴者の所定の操作に基づいて、ないしは、放送局側から映像信号に多重して送出される所定の信号に基づいて生成される、所定の指令信号により、複数のメモリの1つに対する特定の映像情報の書き込みを指定した後の書き込みを禁止して、複数の画面の1つに特定の静止画像を表示するようにしたので、放送局側からも、テレビジョン受信機側での静止画記録の制御が可能となり、例えば、放送番組中の文字表示情報や特定の画像情報などの保存が容易に行われ、放送による電子カタログなどの配信が可能となる。
【0056】
また、放送局側から送出される所定の信号は、米国のテレビジョン受信機では必須の文字多重放送デコーダによって検出されるので、放送局側・受信側ともに経済的負担が軽くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるテレビジョン受信装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の要部の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例の動作を説明するための概念図である。
【図4】この発明を説明するための概念図である。
【符号の説明】
10 映像系
21 システム制御回路(CPU)
30 文字多重情報処理系
31 文字情報抜取り回路
32 デコード回路
33 文字情報表示制御回路
40 制御系
41 CPU
46 リモコン受信機
47 リモコン送信機
50 2画面表示処理回路
51 左画面メモリ(動画用)
52 右画面メモリ(静止画用)
53 切換えスイッチ

Claims (3)

  1. 映像信号に静止画表示用指令信号が多重されたテレビジョン放送信号を受信するテレビジョン受信装置であって、
    前記テレビジョン放送信号を受信し、当該受信したテレビジョン放送信号から映像信号を復調する復調手段と、
    前記復調手段により復調された映像信号による画像を表示画面に表示する表示手段と、
    前記表示画面の表示領域を分割したときの各分割領域に表示する複数の画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、
    前記映像信号に多重されている前記静止画表示用指令信号を抽出する抽出手段と、
    前記画像情報記憶手段に、前記復調手段により復調された映像信号を、前記分割されたそれぞれの表示領域に対応するサイズに変換して書き込み、前記画像情報記憶手段に書き込んだ前記複数の画像情報を読み出して、前記複数の画像情報の全てを一画面として前記表示画面に表示するようにするものであって、前記分割領域に表示する複数の画像情報の一つは、前記抽出手段により抽出した前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面を静止画として表示するために、前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面の後の、前記復調された映像信号の書き込みを禁止した画像情報とする複数画面表示処理手段
    を備えることを特徴とするテレビジョン受信装置。
  2. 前記映像信号に多重されている前記静止画表示用指令信号とは別の静止画表示用指令信号を、ユーザの操作入力に応じて発生する手段と、
    前記抽出手段からの前記静止画表示用指令信号と前記別の静止画表示用指令信号のいずれか一方の信号を出力する切り換え手段と、
    前記切り換え手段を、前記抽出手段から前記静止画表示用指令信号が得られるときには、当該抽出手段からの前記静止画表示用信号を出力するように制御し、前記別の静止画表示用指令信号が発生したときは当該別の静止画表示用指令信号を出力するように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信装置。
  3. テレビジョン放送信号を送出する放送局装置と、前記テレビジョン放送信号を受信するテレビジョン受信装置とからなるテレビジョン受信システムにおいて、
    前記放送局装置は、
    前記テレビジョン放送信号の映像信号に静止画表示用指令信号を多重させる多重手段
    を備え、
    前記テレビジョン受信装置は、
    前記放送局装置からのテレビジョン放送信号を受信し、当該受信したテレビジョン放送信号から映像信号を復調する復調手段と、
    前記復調手段により復調された映像信号による画像を表示画面に表示する表示手段と、
    前記表示画面の表示領域を分割したときの各分割領域に表示する複数の画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、
    前記映像信号に多重されている前記静止画表示用指令信号を抽出する抽出手段と、
    前記画像情報記憶手段に、前記復調手段により復調された映像信号を、前記分割されたそれぞれの表示領域に対応するサイズに変換して書き込み、前記画像情報記憶手段に書き込んだ前記複数の画像情報を読み出して、前記複数の画像情報の全てを一画面として前記表示画面に表示するようにするものであって、前記分割領域に表示する複数の画像情報の一つは、前記抽出手段により抽出した前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面を静止画として表示するために、前記静止画表示用指令信号により指定される映像信号中の特定の画面の後の、前記復調された映像信号の書き込みを禁止した画像情報とする複数画面表示処理手段
    を備える
    ことを特徴とするテレビジョン受信システム。
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