JP3566904B2 - Steel continuous casting method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造における鋳型内の溶鋼流動を適正化することによって、表面および内部品質の優れた鋳片を得るための連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属の連続鋳造、特に溶鋼の連続鋳造においては、鋳型内における凝固過程の安定性と、製品の欠陥の原因となる鋳片内非金属介在物(以下介在物と略称する)の低減が求められている。溶鋼の連続鋳造においては、鋳型内に溶鋼を注入する手段として耐火物性の浸漬ノズルが一般的に用いられる。
【0003】
これを図示すると、図1に示すように鋳型短辺方向に向いた2個の吐出孔3を側面に有する浸漬ノズル2を、鋳型1中央部に配置して溶鋼を鋳型1内へ注入しており、この吐出流6は、鋳型短辺面に衝突して上部方面に反転し上昇流13となり、他方は下部方向に向かう下降流14に分岐する。
これら吐出流6によって鋳型溶鋼内へ持たらされた介在物は、一部は溶鋼表面に浮上して除去されるが、残りは下降流14によって溶鋼の深部まで運ばれ、浮上過程で凝固シェル9に捕捉され、鋳片内部に残留する。そして表層の凝固シェル内に捕捉された介在物は、製品においてスリバーと呼ばれる欠陥となり、内部の凝固シェルに捕捉された介在物は、加工時に割れなどの起点となる。
【0004】
一方、上昇流13は、メニスカス8の近傍で鋳型両側の短辺側から浸漬ノズル側へ向かう反転流15が生成される。このようなメニスカス8近傍の流れがあることによって、流れによる介在物の洗浄効果が得られており、表層での介在物の捕捉による鋳片における表面疵の発生を抑制している。
他方、このメニスカス8の流れが強すぎると、連鋳パウダーを巻き込んで鋳片での表面欠陥を増加する。
また、幅中央部では、メニスカス8近傍の反転流の流速が遅くなり、洗浄効果が得られず介在物の捕捉が起こり、鋳片に表面疵が発生する。
【0005】
近年、鋳造速度のアップに伴いこれらの溶鋼の流れも増大してきており、鋳片の表面欠陥および内部欠陥の増大をきたしている。そこで、浸漬ノズルにおいては、鋳型内に注入される溶鋼を鋳型内溶鋼プールの下方に向かい均一に分散し、上昇流の低減と下降流の均一化ならびに低減が図られることが望まれていた。
上記の問題を解決するために、浸漬ノズルの吐出孔形状やその個数に関し検討が成されており、例えば特開昭50−36317号公報他多数の発明が開示されている。
【0006】
これらの浸漬ノズルを使用すると、溶鋼は複数設けられた吐出孔から鋳型内下方向に注入されるので、鋳型内溶鋼面の表面流速が低減され、溶鋼表面の鋳型パウダー巻き込みを防止し、また、鋳型下方に対しても溶鋼流が鋳型の幅方向に広がり注入されるため溶鋼の侵入深さが低減し、介在物の侵入を抑えることができることを狙いとしたものである。
【0007】
鋳型内下方流の均一分散性向上の取り組みとして、前述のように浸漬ノズルの吐出孔形状やその個数に関し様々な検討が成されているが、中でも特にスリット形状が注目されており、溶鋼流を鋳型長辺方向に均一に広げ、かつ、下方にも注入されるため溶鋼表面における溶鋼流の速度は確かに低減できるが、従来の浸漬ノズル吐出孔のみの改良では、鋳型長辺方向への注入流の広がりは依然として小さく、介在物の鋳片内部への侵入を完全に防止することはできなかった。
【0008】
また、吐出孔をスリット形状としても注入された溶鋼流は鋳型短辺方向中心部に分布しており、鋳型全域に均一に広がっている状態にはなっていなかった。一方で3孔や4孔といった複数の吐出孔を設けた浸漬ノズルにおいても、鋳型内下方への溶鋼流の均一性は不十分であった。このように浸漬ノズルのみでは鋳型下方へ向かう流れを完全に均一化することは困難であり、注入量の増大に伴って益々その傾向は強くなっている。
【0009】
このような従来技術のもつ欠点の解決を図った発明として、特開平9−285854号公報が提案されている。該公報の概要は連続鋳造鋳型内溶鋼プール内の浸漬ノズルから吐出する溶鋼流を分散化ならびに均一化することにより、内部欠陥の極めて少ない連続鋳造鋳片を製造する方法にあり、鋳型下方に連続的に分散する流れを得るために、例えば浸漬ノズル底部の吐出孔がスリット状であり、かつ、浸漬ノズル内にオリフィスを設けて下降する溶鋼流を絞り込むことのできる浸漬ノズルで、両特殊形状の組み合わせで構成されている。
【0010】
すなわち、浸漬ノズルよりも下方に直流磁界を鋳片厚み方向に印加して注入流を制動させる連続鋳造方法において、浸漬ノズルから鋳型内へ吐出させる吐出流が扇形に広がる流動となり、下記式を満たすような流速となることを特徴としたものである。
Vm<30×Va
ただし、Vm:浸漬ノズル直下の電磁コイルのコア上端位置での最大下降流速(m/sec)
Va:電磁コイルのコア上端位置での鋳型水平面内の平均下降流速(m/sec)
【0011】
このことは言い換えれば、電磁制動力をかける直前の幅方向の下降流速において、最大流速が平均流速の30倍よりも小さくするという条件を表したものである。
このような流動条件が得られれば、溶鋼下降流の浸透を抑制でき、その結果として凝固全面で捕捉される介在物の量が大幅に低減するため、内部欠陥の極めて少ない連続鋳造鋳片を製造することが可能であると述べている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、溶鋼下降流を制動して下方への侵入を防止し、介在物を低減させることを目的としているが、溶鋼の下降流を制動しただけでは、十分な介在物の低減にはならない。
これは、溶鋼の下降流を完全に制動した場合でも、連続鋳造を続行しているため、溶鋼中に浮遊している介在物は、鋳造の進行と共に下部方向に引き込まれているので、介在物は溶鋼中を浮上することが難しく、介在物は完全に除去されずに鋳片中に残存することとなり、このような状態は避けることができない実状下にある。このため、介在物が溶鋼内部深く侵入するのを防止すると共に、介在物の浮上を促進させるための方策が必要となっていた。
【0013】
本発明はこのような従来の溶鋼注入方法の問題点を解決し、鋳片表面欠陥ならびに内部欠陥共に極めて少ない、高品質な鋳片を得ることができる鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決のための手段】
本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは、下記手段にある。
(1) 溶鋼を固定鋳型内へ注入する浸漬ノズルにおいて、該浸漬ノズル下端近傍の側面に設けた円筒状の断面を有する左右の吐出孔部と、該浸漬ノズルの平面底部をスリット状に開孔して前記側面に設けた左右の吐出孔部とを連結せしめ、該底部のスリット開孔部のスリット幅を前記側面に設けた左右の吐出孔径に対して0.3〜0.6倍となし、該浸漬ノズルを用いて鋳型内への溶鋼の供給を行う鋼の連続鋳造方法。
(2) 前記(1)において、前記浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率を5〜15%の範囲とする鋼の連続鋳造方法。
(3) 前記(1)または(2)において、溶鋼が注入される鋳型の下部直下に電磁制動装置を設置し、鋳型から引き抜かれる鋳片内部の溶鋼への電磁制動力を作用させる鋼の連続鋳造方法。
(4) 前記(3)において、溶鋼が注入される鋳型の上部に電磁撹拌装置を設置し、鋳型内上部の溶鋼へ電磁撹拌力を作用させる鋼の連続鋳造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記問題点の解決を図るべく種々の検討を行い、前述したように、通常使用されている側面に2つの吐出孔を持った浸漬ノズルについて、該2孔の吐出孔を平面底部において、スリット状に開孔して繋ぐ形状となした構造を持たし、該ノズルについて多くの実験を繰り返して行い、その効果の確認を行った。
【0016】
すなわち、図2に示すようなスリット10形状の浸漬ノズル2につき、溶鋼の吐出流6の状況を調査したところ、スリット幅dが狭いと側面の吐出孔3から吐出する流速が大きいために全体的に下降流が増大し、鋳片内部にまで侵入すると同時に介在物もその流れに乗って運び込まれてしまい、続いて侵入する溶鋼流により浮上する機会を失い、鋳片下部の凝固シェルに付着するため内部欠陥の原因となることが判った。
【0017】
同図の浸漬ノズル2においてスリット幅を増してみたところ、側面からの吐出流の勢いが減少し、スリット10を介して流出した溶鋼流が鋳片内部深くまで達せずに反転し、上昇流に転ずる割合が増大し、その結果、介在物の鋳片内部への侵入が防止されることが認められた。
これら溶鋼の流れおよび介在物の軌跡状況を図示したのが図3および図4であり、浸漬ノズル底部のスリット幅の大小によって、鋳型内における溶鋼の流れが変化することが明らかである。しかして、本発明者らの実験結果によれば、浸漬ノズル側面の吐出孔3の径Dに対するスリット幅dは0.3〜0.6倍が最適であることが把握できた(このことは後述する実施例で検証できている)。
【0018】
このように、図2に示すスリット形状のノズルは、スリット幅を前述の範囲内とすることで、鋳型内に最適な溶鋼の流れを形成できる。
一方、連続鋳造方法においては、溶鋼を供給する浸漬ノズル内にアルミナなどが付着して閉塞することを防止する目的でArガスの吹き込みが行われている。溶鋼中に吹き込まれたArガスは、溶鋼との比重差から浮力が生じるため、溶鋼の下向きの流れに対してはブレーキとして働く。そのため、図2に示すスリット形状のノズルにおいては、スリット10を介して下向きに吐出する溶鋼流の侵入深さを、浸漬ノズルに吹き込んでいるArガスの流量を最適な範囲に制限することで、更に低減することができる。
【0019】
図5は浸漬ノズル内に吹き込むArガス量と溶鋼の浸入深さとの関係を示している。同図より浸漬ノズルに吹き込むArガス量によって、溶鋼の侵入深さは変化し、Arガス量が少量であると、下降流に対するブレーキ作用が減少し、また逆に多量であると、生成する気泡のサイズが大きくなるため、ノズル側面の吐出孔から抜けるArガス量が増加し、下降流に対するブレーキ作用が減少し、溶鋼の浸入深さは深くなることが判った。なお、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体は浸漬ノズル内に吹き込む気体量としたが、鋳造条件によっては浸漬ノズル内に吹き込むガスが浸漬ノズル内を浮上する場合もあるため、好ましくは浸漬ノズルの吐出孔から吐出するArガス量を基に本願発明の体積率とした方がより望ましい。
以上より、浸漬ノズル内に吹き込むArガス量は溶鋼の浸入深さを低減するために、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率を5〜15%の範囲と制限することが最適であることが把握できた。これにより、溶鋼と共に持ち越される介在物が鋳片内部深くまで侵入するのを抑制することができる。
【0020】
前記実験において、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率は以下の式で定義する。

Figure 0003566904
【0021】
前述の特開平9−285854号公報で推奨しているように、単純に最大流速が平均の30倍以下ではなく、鋳型短辺側に上昇流を形成するためには、横方向への広がりを適切に規制する必要があるということである。
具体的には、浸漬ノズルの側面吐出孔からの溶鋼流は、スリット部から流出した溶鋼下降流が反転して、鋳型短辺近傍で上昇流となるのを阻止しないような横方向の広がり(流速)でなくてはならないことが判明した。
【0022】
図6に溶鋼が注入される鋳型1の下部直下に電磁制動装置5を設置した状態を示したが、鋳型1から引き抜かれる鋳片内部の溶鋼へ電磁制動力を作用させて減衰させることにより、前述したように浸漬ノズル2から流出した溶鋼の下降流14は、電磁制動装置5によって制動され、溶鋼と共に持ち越される介在物が鋳片内部深くまで侵入するのを抑制することができる。
【0023】
また、溶鋼が注入される鋳型1の上部に電磁攪拌装置4を設置した状態を同時に示したが、鋳型上部の電磁攪拌装置4によって、メニスカス8の反転流15へ電磁撹拌力を作用させることにより、強制的な撹拌流7によってメニスカス8の溶鋼の流れを促進させ、鋳型表面上のパウダー巻き込みを防止しつつ、鋳片表面凝固シェルの介在物の付着を防止することができる。これの作用が相俟って介在物の少ない表面性状、内部品質共に優れた鋳片が得られる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の作用効果について実施例によって説明する。
(実施例1)
図2に示した浸漬ノズルは、外径170mm、内径90mm、側面の吐出孔を下向き35°、直径D90mmφに設定し、浸漬ノズルにおけるスリット幅dおよび浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率を種々変えて、実機の連続鋳造機で鋳片を鋳造した。このときの鋳造条件は鋳片幅1500mm、鋳片厚み280mm、鋳造速度1.3m/minであった。
表1に鋳片中の介在物がスリット幅および吹き込みAr流量の設定値の変更により、どのように変化するかを介在物指数で示したものである。
なお、ここで介在物指数とは、過去数年に亘ってユーザーからの要望を満たす値として、本発明者らが解析して経験的に求めた値であり、介在物指数が小さい程、高品位である。
表1および図7から明かなように、本発明範囲内にあるものはいずれも良好な鋳片が得られていた。
【0025】
【表1】
Figure 0003566904
【0026】
(実施例2)
鋳型下部直下に電磁制動装置を設置した場合と、それに加えて鋳型上部に電磁撹拌装置を設置した場合について実施例によって説明する。
図2に示した浸漬ノズルは、外径170mm、内径90mm、側面の吐出孔を下向き35°、直径D90mmφに設定し、浸漬ノズルにおけるスリット幅dを種々変えて、実機の連続鋳造機で鋳片を鋳造した。このときの鋳造条件は鋳片幅1500mm、鋳片厚み280mm、鋳造速度1.3m/min、浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率は10%であった。
表2に鋳片中の介在物がスリット幅の設定値の変更により、どのように変化するかを介在物指数で示したものである。なお、ここで介在物指数とは、過去数年に亘ってユーザーからの要望を満たす値として、本発明者らが解析して経験的に求めた値であり、介在物指数が小さい程、高品位である。
表2および図8から明かなように、本発明範囲内にあるものはいずれも良好な鋳片が得られていた。
【0027】
【表2】
Figure 0003566904
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋳型内における溶鋼流の侵入深さが、先行技術の浸漬ノズルに比べて浅くなるので、介在物は鋳片の凝固シェルに捕捉されにくく、かつ、溶鋼は浸漬ノズルから均一に流出し、鋳型上面にまで及ぶので、パウダーの円滑な溶融が図れる。従って、内部欠陥が少なく、表面性状が優れた鋳片を得ることができる。
【0029】
また、従来技術では、鋳型下方への侵入を防止できる介在物の大きさは、約100μm以上であったが、本発明では介在物の大きさによらず鋳型短辺の溶鋼の上昇流により浮上除去できるため、100μm以下の微小な介在物の低減にも非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の連続鋳造鋳型内における溶鋼の流動状況を示す概略側面図
【図2】本発明浸漬ノズルを各方向から見た概要図
【図3】図2に示した浸漬ノズルからの溶鋼吐出流と介在物の流動状況の1例を示したものでスリット幅が狭い場合を表した図
【図4】図2に示した浸漬ノズルからの溶鋼吐出流と介在物の流動状況の1例を示したものでスリット幅が広い場合を表した図
【図5】図2に示した浸漬ノズルにおいて吹き込みAr流量と溶鋼浸透深さの関係を表した図
【図6】本発明で連続鋳造機に電磁制動装置と電磁撹拌装置を設置して鋳型への溶鋼注入を行った場合の概略を示す図
【図7】本発明における浸漬ノズルの底面スリット幅と介在物指数の関係について浸漬ノズル内の気体体積率の影響を示す図
【図8】本発明における浸漬ノズルの底面スリット幅と介在物指数の関係について電磁力の影響を示す図
【符号の説明】
1 鋳型
2 浸漬ノズル
3 吐出孔
4 電磁撹拌装置
5 電磁制動装置
6 吐出流
7 撹拌流
8 メニスカス
9 凝固シェル
10 スリット
13 上昇流
14 下降流
15 反転流[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a continuous casting method for obtaining a slab having excellent surface and internal quality by optimizing the flow of molten steel in a mold in continuous casting of steel.
[0002]
[Prior art]
In the continuous casting of molten metal, especially in the continuous casting of molten steel, the stability of the solidification process in the mold and the reduction of non-metallic inclusions (hereinafter abbreviated as inclusions) in the slab that cause product defects are required. Has been. In continuous casting of molten steel, a refractory immersion nozzle is generally used as a means for injecting molten steel into a mold.
[0003]
When this is illustrated, as shown in FIG. 1, a dipping nozzle 2 having two discharge holes 3 directed in the short side direction of the mold on the side face is arranged at the center of the mold 1 and molten steel is injected into the mold 1. The discharge flow 6 collides with the short side surface of the mold and reverses to the upper direction to become an ascending flow 13, and the other branches into a downward flow 14 going downward.
Part of the inclusions brought into the mold molten steel by the discharge flow 6 is removed by floating on the surface of the molten steel, while the rest is carried to the deep part of the molten steel by the downward flow 14, and during the floating process, the solidified shell 9 is removed. And remain in the slab. The inclusions trapped in the solidified shell on the surface layer become defects called slivers in the product, and the inclusions trapped in the solidified shell inside serve as starting points such as cracks during processing.
[0004]
On the other hand, in the upward flow 13, a reverse flow 15 is generated near the meniscus 8 from the short sides on both sides of the mold toward the immersion nozzle. The presence of such a flow in the vicinity of the meniscus 8 provides a cleaning effect of inclusions by the flow, and suppresses the generation of surface flaws in the slab due to the inclusion of inclusions on the surface layer.
On the other hand, if the flow of the meniscus 8 is too strong, the continuous casting powder is involved and surface defects in the slab increase.
Further, at the center of the width, the flow velocity of the reverse flow near the meniscus 8 becomes slow, the cleaning effect cannot be obtained, inclusions are trapped, and surface defects occur on the slab.
[0005]
In recent years, as the casting speed has increased, the flow of the molten steel has also increased, and the surface defects and internal defects of the slab have increased. Therefore, in the immersion nozzle, it has been desired that the molten steel injected into the mold is uniformly dispersed toward the lower part of the molten steel pool in the mold, so that the ascending flow and the descending flow are made uniform and reduced.
In order to solve the above problems, studies have been made on the shape and number of discharge holes of the immersion nozzle. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 50-36317 and many other inventions have been disclosed.
[0006]
When these immersion nozzles are used, molten steel is injected downward from the discharge holes provided in the mold, so that the surface flow velocity of the molten steel surface in the mold is reduced, preventing the mold powder from being caught on the molten steel surface, The molten steel flow spreads in the width direction of the mold and is injected into the lower part of the mold, so that the penetration depth of the molten steel is reduced, and the penetration of inclusions can be suppressed.
[0007]
As described above, various studies have been made on the shape and the number of discharge holes of the immersion nozzle as an attempt to improve the uniform dispersion of the downward flow in the mold. The speed of the molten steel flow on the molten steel surface can be certainly reduced because it is uniformly spread in the long side direction of the mold and is also injected downward. The spread of the flow was still small, and the penetration of inclusions into the slab could not be completely prevented.
[0008]
Further, even when the discharge hole was formed in a slit shape, the injected molten steel flow was distributed at the center in the short side direction of the mold, and was not in a state of being uniformly spread over the entire region of the mold. On the other hand, even in an immersion nozzle provided with a plurality of discharge holes such as three or four holes, the uniformity of molten steel flow downward in the mold was insufficient. As described above, it is difficult to completely homogenize the flow toward the lower part of the mold only by using the immersion nozzle, and the tendency becomes stronger as the injection amount increases.
[0009]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-285854 has been proposed as an invention for solving such a drawback of the prior art. The gist of the publication is a method of manufacturing a continuous cast slab having extremely few internal defects by dispersing and homogenizing a molten steel flow discharged from an immersion nozzle in a molten steel pool in a continuous casting mold. In order to obtain a flow that is uniformly dispersed, for example, the discharge hole at the bottom of the immersion nozzle is slit-shaped, and an orifice is provided in the immersion nozzle to narrow down the flowing molten steel flow. It is composed of a combination.
[0010]
That is, in a continuous casting method in which a direct current magnetic field is applied below the immersion nozzle in the direction of the slab thickness to brake the injection flow, the discharge flow discharged from the immersion nozzle into the mold becomes a flow that spreads in a fan shape, and satisfies the following expression. It is characterized by having such a flow velocity.
Vm <30 × Va
Where Vm is the maximum descending flow velocity (m / sec) at the upper end of the core of the electromagnetic coil immediately below the immersion nozzle.
Va: average descending flow velocity (m / sec) in the mold horizontal plane at the upper end position of the core of the electromagnetic coil
[0011]
In other words, this expresses the condition that the maximum flow velocity is smaller than 30 times the average flow velocity at the descending flow velocity in the width direction immediately before the application of the electromagnetic braking force.
If such flow conditions are obtained, the penetration of the downward flow of molten steel can be suppressed, and as a result, the amount of inclusions captured on the entire solidification surface is greatly reduced, so that a continuous cast slab with extremely few internal defects is manufactured. States that it is possible to
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
In the prior art, the aim is to brake the downward flow of molten steel to prevent downward intrusion and reduce inclusions, but merely braking the downward flow of molten steel does not sufficiently reduce the inclusions. .
This is because even if the descending flow of the molten steel is completely braked, continuous casting is continued, and the inclusions floating in the molten steel are drawn downwards as the casting progresses. It is difficult to float in molten steel, and inclusions are not completely removed and remain in the slab, and such a state is inevitable. For this reason, measures have been required to prevent inclusions from penetrating deep into the molten steel and to promote the floating of the inclusions.
[0013]
An object of the present invention is to solve the problems of the conventional molten steel pouring method and to provide a continuous casting method of steel capable of obtaining a high-quality slab with extremely few slab surface defects and internal defects. And
[0014]
[Means for solving the problem]
The present invention has been made to solve the problems in the conventional method described above, and its gist lies in the following means.
(1) In an immersion nozzle for injecting molten steel into a fixed mold, left and right discharge holes having a cylindrical cross section provided on a side surface near a lower end of the immersion nozzle, and a flat bottom portion of the immersion nozzle are opened in a slit shape. Then, the left and right discharge holes provided on the side surface are connected to each other, and the slit width of the slit opening at the bottom is set to 0.3 to 0.6 times the diameter of the left and right discharge holes provided on the side surface. A continuous casting method of steel in which molten steel is supplied into a mold using the immersion nozzle.
(2) The continuous casting method for steel according to (1), wherein the volume ratio of gas in the molten steel passing through the immersion nozzle is in a range of 5 to 15%.
(3) In the above (1) or (2), an electromagnetic braking device is installed immediately below a lower portion of a mold into which molten steel is poured, and a continuous steel is applied to apply electromagnetic braking force to molten steel inside a slab to be drawn from the mold. Casting method.
(4) In the above (3), a continuous casting method of steel in which an electromagnetic stirrer is installed on an upper part of a mold into which molten steel is injected, and an electromagnetic stirring force is applied to the molten steel on the upper part in the mold.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present inventors have conducted various studies in order to solve the above-mentioned problems, and as described above, for a commonly used immersion nozzle having two discharge holes on the side surface, the two discharge holes At the bottom of the flat surface, a structure was formed in which the holes were opened in a slit shape and connected, and many experiments were repeated for the nozzle to confirm its effect.
[0016]
That is, when the condition of the molten steel discharge flow 6 was examined with respect to the immersion nozzle 2 having the slit 10 shape as shown in FIG. 2, the flow rate discharged from the side discharge hole 3 was large when the slit width d was small, so that the overall As the descending flow increases, it enters the slab at the same time as the inclusions are carried along with the flow and loses the opportunity to float by the intruding molten steel flow and adheres to the solidified shell under the slab Therefore, it was found that internal defects were caused.
[0017]
When the slit width was increased in the immersion nozzle 2 of FIG. 2, the momentum of the discharge flow from the side surface decreased, and the molten steel flow flowing out through the slit 10 was reversed without reaching deep inside the slab, and turned into an upward flow. It was found that the rate of rolling increased, and as a result, penetration of inclusions into the slab was prevented.
FIGS. 3 and 4 show the flow of the molten steel and the trajectory of the inclusions, and it is clear that the flow of the molten steel in the mold changes depending on the size of the slit width at the bottom of the immersion nozzle. According to the experimental results of the present inventors, it has been found that the slit width d is optimally 0.3 to 0.6 times the diameter D of the discharge hole 3 on the side surface of the immersion nozzle (this is apparent from FIG. It can be verified in an example described later).
[0018]
As described above, the slit-shaped nozzle shown in FIG. 2 can form an optimal flow of molten steel in the mold by setting the slit width in the above-described range.
On the other hand, in the continuous casting method, Ar gas is blown for the purpose of preventing alumina or the like from adhering and blocking the inside of the immersion nozzle for supplying molten steel. Ar gas blown into the molten steel generates buoyancy due to a difference in specific gravity from the molten steel, and thus acts as a brake against the downward flow of the molten steel. Therefore, in the slit-shaped nozzle shown in FIG. 2, the penetration depth of the molten steel flow discharged downward through the slit 10 is limited to an optimal range by controlling the flow rate of Ar gas blown into the immersion nozzle. It can be further reduced.
[0019]
FIG. 5 shows the relationship between the amount of Ar gas blown into the immersion nozzle and the penetration depth of the molten steel. According to the figure, the penetration depth of the molten steel changes depending on the amount of Ar gas blown into the immersion nozzle. If the amount of Ar gas is small, the braking action against the descending flow decreases. , The amount of Ar gas flowing out from the discharge hole on the side surface of the nozzle increases, the braking action against the downward flow decreases, and the penetration depth of molten steel increases. Although the gas in the molten steel passing through the immersion nozzle was the amount of gas blown into the immersion nozzle, the gas blown into the immersion nozzle may float inside the immersion nozzle depending on casting conditions. It is more preferable to set the volume ratio of the present invention on the basis of the amount of Ar gas discharged from the discharge hole.
From the above, the amount of Ar gas blown into the immersion nozzle is optimally limited to a range of 5 to 15% by volume of the gas in the molten steel passing through the immersion nozzle in order to reduce the penetration depth of the molten steel. I was able to grasp something. Thereby, it is possible to suppress the inclusion carried over together with the molten steel from penetrating deep inside the slab.
[0020]
In the above experiment, the volume ratio of the gas in the molten steel passing through the immersion nozzle is defined by the following equation.
Figure 0003566904
[0021]
As recommended in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-285854, the maximum flow velocity is not simply 30 times or less than the average. That is, it needs to be regulated appropriately.
Specifically, the molten steel flow from the side discharge hole of the immersion nozzle is expanded in the lateral direction so as not to prevent the downward flow of the molten steel flowing out of the slit portion from being reversed and becoming an upward flow near the short side of the mold ( Flow rate).
[0022]
FIG. 6 shows a state in which the electromagnetic braking device 5 is installed directly below the lower part of the mold 1 into which the molten steel is poured. By applying the electromagnetic braking force to the molten steel inside the slab that is drawn from the mold 1 to attenuate the molten steel, As described above, the downflow 14 of the molten steel flowing out of the immersion nozzle 2 is braked by the electromagnetic braking device 5, and it is possible to suppress inclusions carried along with the molten steel from penetrating deep into the slab.
[0023]
In addition, the state where the electromagnetic stirrer 4 is installed on the upper part of the mold 1 into which the molten steel is injected is shown at the same time, but the electromagnetic stirrer 4 on the upper part of the mold applies electromagnetic stirring force to the reverse flow 15 of the meniscus 8. The forced stirring flow 7 promotes the flow of the molten steel in the meniscus 8, and prevents the inclusion of inclusions of the solidified shell on the slab surface while preventing the powder from being entrained on the mold surface. Together with this action, it is possible to obtain a slab excellent in both surface properties and internal quality with few inclusions.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the operation and effect of the present invention will be described with reference to examples.
(Example 1)
The immersion nozzle shown in FIG. 2 has an outer diameter of 170 mm, an inner diameter of 90 mm, a discharge hole on the side face set at 35 ° downward and a diameter of D90 mmφ, a slit width d in the immersion nozzle, and a volume of gas in molten steel passing through the immersion nozzle. The slab was cast with an actual continuous casting machine at various rates. The casting conditions at this time were a slab width of 1500 mm, a slab thickness of 280 mm, and a casting speed of 1.3 m / min.
Table 1 shows how the inclusions in the slab are changed by changing the set values of the slit width and the flow rate of the blown Ar by inclusion index.
Here, the inclusion index is a value that satisfies the needs of the user over the past several years and is a value empirically obtained by analyzing the present inventors. The smaller the inclusion index, the higher the inclusion index. It is dignity.
As is clear from Table 1 and FIG. 7, good cast slabs were obtained in all cases within the scope of the present invention.
[0025]
[Table 1]
Figure 0003566904
[0026]
(Example 2)
An example will be described with reference to an example in which an electromagnetic braking device is installed immediately below a lower part of a mold and a case where an electromagnetic stirrer is installed in an upper part of a mold in addition thereto.
The immersion nozzle shown in FIG. 2 has an outer diameter of 170 mm, an inner diameter of 90 mm, a discharge hole on the side face set at 35 ° downward, a diameter of D90 mmφ, and various slit widths d in the immersion nozzle. Was cast. The casting conditions at this time were a slab width of 1500 mm, a slab thickness of 280 mm, a casting speed of 1.3 m / min, and a volume fraction of gas in the molten steel passing through the immersion nozzle of 10%.
Table 2 shows how inclusions in the slab change by changing the set value of the slit width by inclusion index. Here, the inclusion index is a value that satisfies the needs of the user over the past several years and is a value empirically obtained by analyzing the present inventors. The smaller the inclusion index, the higher the inclusion index. It is dignity.
As is clear from Table 2 and FIG. 8, good cast slabs were obtained in all cases within the scope of the present invention.
[0027]
[Table 2]
Figure 0003566904
[0028]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the penetration depth of the molten steel flow in the mold is smaller than that of the prior art immersion nozzle, so that inclusions are less likely to be captured by the solidified shell of the slab, and Since the molten steel flows uniformly from the immersion nozzle and reaches the upper surface of the mold, the powder can be smoothly melted. Therefore, it is possible to obtain a slab having few internal defects and excellent surface properties.
[0029]
Also, in the prior art, the size of the inclusion that can be prevented from entering below the mold was about 100 μm or more, but in the present invention, it rises due to the rising flow of molten steel on the short side of the mold regardless of the size of the inclusion. Since it can be removed, it is very effective in reducing minute inclusions of 100 μm or less.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side view showing a flow state of molten steel in a conventional continuous casting mold. FIG. 2 is a schematic view of the immersion nozzle of the present invention viewed from various directions. FIG. 3 is a molten steel from an immersion nozzle shown in FIG. FIG. 4 shows an example of a discharge flow and a flow state of inclusions, and illustrates a case where a slit width is narrow. FIG. 4 shows an example of a flow state of a molten steel discharge flow from an immersion nozzle and a flow state of inclusions shown in FIG. FIG. 5 shows the relationship between the flow rate of blown Ar and the penetration depth of molten steel in the immersion nozzle shown in FIG. 2. FIG. 6 shows a continuous casting machine according to the present invention. FIG. 7 is a view schematically showing a case where molten steel is injected into a mold by installing an electromagnetic braking device and an electromagnetic stirring device in FIG. 7. FIG. 7 shows the relationship between the bottom slit width of the immersion nozzle and the inclusion index in the present invention. FIG. 8 shows the effect of gas volume ratio. Shows the effect of electromagnetic force relationship of the bottom slit width inclusions index nozzle EXPLANATION OF REFERENCE NUMERALS
REFERENCE SIGNS LIST 1 mold 2 immersion nozzle 3 discharge hole 4 electromagnetic stirring device 5 electromagnetic braking device 6 discharge flow 7 stirring flow 8 meniscus 9 solidification shell 10 slit 13 ascending flow 14 descending flow 15 reverse flow

Claims (4)

溶鋼を固定鋳型内へ注入する浸漬ノズルにおいて、該浸漬ノズル下端近傍の側面に設けた円筒状の断面を有する左右の吐出孔部と、該浸漬ノズルの平面底部をスリット状に開孔して前記側面に設けた左右の吐出孔部とを連結せしめ、該底部のスリット開孔部のスリット幅を前記側面に設けた左右の吐出孔部径に対して0.3〜0.6倍となし、該浸漬ノズルを用いて鋳型内への溶鋼の供給を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。In an immersion nozzle for injecting molten steel into a fixed mold, left and right discharge holes having a cylindrical cross section provided on the side surface near the lower end of the immersion nozzle, and a flat bottom portion of the immersion nozzle are opened in a slit shape to form a slit. The left and right discharge holes provided on the side are connected to each other, and the slit width of the slit opening on the bottom is 0.3 to 0.6 times the diameter of the left and right discharge holes provided on the side. A continuous casting method for steel, comprising supplying molten steel into a mold using the immersion nozzle. 前記請求項1において、前記浸漬ノズル内を通過する溶鋼中の気体の体積率を、5%〜15%の範囲とすることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。2. The method for continuously casting steel according to claim 1, wherein the volume ratio of gas in the molten steel passing through the immersion nozzle is in a range of 5% to 15%. 前記請求項1または2において、溶鋼が注入される鋳型の下部直下に電磁制動装置を設置し、鋳型から引き抜かれる鋳片内部の溶鋼へ電磁制動力を作用させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。3. The continuous casting of steel according to claim 1, wherein an electromagnetic braking device is installed immediately below a lower part of the mold into which the molten steel is poured, and an electromagnetic braking force is applied to the molten steel inside the slab to be drawn from the mold. Method. 前記請求項3において、溶鋼が注入される鋳型の上部に電磁撹拌装置を設置し、鋳型内上部の溶鋼へ電磁撹拌力を作用させることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。4. The continuous casting method for steel according to claim 3, wherein an electromagnetic stirrer is installed on an upper part of the mold into which the molten steel is poured, and an electromagnetic stirring force is applied to the molten steel in the upper part of the mold.
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