JP3566425B2 - 変位情報検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変位情報検出装置に関し、特に相対的に移動するスケール(第1基板)と基板(第2基板)に取り付けられた格子に光束を照射して、そこから得られる位相又は強度変調された信号光を検出することにより該スケールと基板に関する位置,位置ずれ量,位置ずれ方向,速度,加速度,原点位置等の変位情報を検出するエンコーダ(リニアエンコーダ,ロータリーエンコーダ)等に好適なものである。
【0002】
この他、これらの変位情報に基づいてACモータ等の駆動装置の電流量や方向を制御して、物体の回転移動をさせる装置(エンコーダ付モータ等)等に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来より、物体の相対的な変位情報(変位量,速度,加速度等)を高精度に測定する為の装置としてインクリメンタル型のエンコーダが多く利用されている。又このエンコーダにはその内部に絶対位置情報を計算する為に原点情報を検出する為の装置が付加されている。
【0004】
一般にエンコーダにおけるインクリメンタル信号の検出機構は相対移動するスケール(第1基板)上に透過,非透過(又は反射,非反射)の繰り返し格子パターンを記録しておき、固定のスリット基板(第2基板)にも全く等しいピッチのスリットパターン(格子パターン)を記録しておき、両者を間隔(ギャップ)Gを隔てて重ね合わせておいてから双方に平行光束を照明している。このときスケールの移動によって両者のパターンの一致の具合に応じて透過光量が周期的に変化する。このときの変化量を受光素子にて検出し、正弦波状の電気的なインクリメンタル信号を得ている。又は更に2値化回路によって矩形波状に変換されて電気的なインクリメンタル信号を得ている。
【0005】
又原点信号の検出機構は相対移動するスケール上に複数の透過,非透過(又は反射,非反射)のランダム格子パターンを記録しておき、固定のスリット基板にも全く等しいランダム格子パターンを記録しておき、両者を間隔(ギャップ)Gを隔てて重ね合わせておいてから双方に平行光束を照明している。このときスケールの移動によって両者のパターンが完全に一致した瞬間に最大の透過光量となるようなパルス状信号光を得ている。このパルス状信号光を受光素子にて検出して原点信号を得ている。更に2値化回路によって矩形波状に変換した電気的な原点信号を得ている。
【0006】
相対的な変位情報を検出する為のスケールとスリット基板には、それぞれ格子パターン,原点パターンが併設されている。そして多くの場合、両者を同時にかつ同一の光学系によって並列的に検出している。この場合は、インクリメンタル信号の検出原理も原点信号の検出原理もスケールとスリット基板の重なり具合の変化による透過光量の変調効果を利用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
最近のエンコーダには変位情報の検出に高分解能化が求められている。インクリメンタル信号の検出をより高精度,高分解能に行うにはインクリメンタル信号検出用の格子パターンをより高密度に記録する必要がある。しかしながらそうすると光束がスケール上のスリット列を透過してスリット基板上のスリット列に到達する前に、光の回折現象によって明暗のコントラストが低下しやすくなる。
【0008】
これに対してスケール板とスリット基板(検出ヘッド)を数10μmまで近接させる方法がある。しかしながら近接しすぎるとスケールガイド機構の誤差等によって接触して破損する場合があり、近接させることができないという問題点があった。
【0009】
高分解能を有する原点信号の検出方法としては、例えばインクリメンタル信号検出用の光学要素と別途に設けたレンズ又はシリンダーレンズによりスケール上に併設された原点パターントラック(理想的には透過,非透過パターン)上に光束を線状に集光して、該スケール上に設けた1本のスリット開口パターンより成る原点パターンを照明している。そしてスケールの移動に伴う原点パターンからの透過光量の変化を検出して、これによりインクリメンタル信号の検出分解能と同程度の分解能で原点信号を得ている。
【0010】
しかし、原点信号検出の為に集光光束が必要となる。例えばコリメータレンズとスケール間のスリット開口パターン近傍にシリンダーレンズ等を挿入する必要が生じ、この結果、装置の小型化や組み立てが難しくなるという問題点があった。
【0011】
更にシリンダーレンズの挿入により原点信号の検出がシリンダーレンズの取り付け方によってずれるのでインクリメンタル信号との同期を良好に行うのが難しくなってくるという問題点があった。
【0012】
本発明は、装置全体の小型化を図りつつ、インクリメンタル信号及び原点信号を高分解能で検出し、第1基板と第2基板又は第1基板と第3基板との相対的な変位情報を高精度に求めることのできる変位情報検出装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の変倍情報検出装置は、光源手段と、
位相格子と複数のレンズ手段を配列したレンズアレイを有する第1基板と、
格子列と、複数のマーク手段を配列したマークアレイと、を有し第1基板と対向して配置された第2基板と、
第1の受光素子と、
第2の受光素子と、を有し
前記光源手段からの光束を前記第1基板上の前記位相格子と前記レンズアレイに入射させ、前記位相格子と前記レンズアレイで変調された変調光を、前記第2基板上の格子列とマークアレイに各々入射させ、該格子列とマークアレイからの変調光を各々第1、第2の受光素子で受光することにより前記第1基板と該第2基板との相対的な変位情報を得ることを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1基板と第2基板との間隔は前記レンズアレイの少なくとも1つのレンズの焦点距離に略等しいことを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記レンズアレイは所定の格子ピッチより成る位相格子、又は断面形状が凹凸の該凹凸の比率に規則性のある回折格子レンズより成り、入射光束を複数の点状集光光束又は複数の線状集光光束として射出していることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1、2又は3の発明において、前記レンズアレイから発生した複数の集光光束による前記第2基板上に投影されるパターンは前記第2基板上のマークアレイの透過部又は遮光部のパターンと略等しいことを特徴している。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1又は3の発明において、前記レンズアレイからの集光光束の前記第2基板上における光束幅をa、前記原点用マークアレイの透過部幅又は遮光部幅をbとしたとき
a≦b
となるように各要素を設定していることを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項の発明において、前記第1基板上のレンズアレイはラメラ位相格子より成り、その断面凹凸の段差によって凹部透過光と凸部透過光が互いにλ/2の光路差となるようにしていることを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記マークアレイの受光素子による検出信号はパルス状信号であり、該パルス状信号を2値化回路を介して矩形状信号としていることを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1又は7の発明において、前記位相格子で回折された回折光同士は互いに干渉して前記第2基板上で前記格子列のピッチと同ピッチの干渉パターンを形成し、前記受光素子は該格子列を介した光束を受光しており、該受光素子で得られたインクリメンタル信号を2値化回路を介して矩形波状信号としていることを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項の発明において、前記レンズアレイを構成する複数のレンズ手段は該レンズアレイにより集光した光束が指向性を有する光束となるように偏心配置されており、該指向性を有する光束が前記第2基板上のマークアレイを通過後、前記受光素子に入射するようにしていることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1のインクリメンタル信号検出光学系の要部断面図、図2は本発明の実施形態1の原点アナログ信号検出光学系の要部断面図である。図3,図4,図5は図2の一部分を変更したときの要部断面図である。図6は図1のインクリメンタル信号の検出光学系と図2の原点アナログ信号検出光学系を一体的にまとめた要部斜視図、図7は実施形態1の受光手段で得られる信号の説明図である。
【0029】
図中、SCLは第1基板としての矢印方向に移動可能なスケールであり、移動物体(不図示)に取着されている。スケールSCL上にはインクリメンタル信号用の2つの位相格子(格子パターン)GT(A),GT(B)と原点信号用の複数のレンズを配列した原点レンズアレイ(リニアパターンの回折レンズのアレイより構成される,リニア回折レンズアレイ,リニアフレネルゾーンプレートアレイとも言う)LA(Z)が互いに異なるトラック上に形成されている。
【0030】
SLITは第2基板としてのスリット基板であり、スケールSCLと50〜数100μm程度の間隔(ギャップ)Gを隔てて対向配置している。スリット基板SLITは点POを境界にして4つの領域に分割し、各領域には格子の配列の位置を1/4ピッチ分ずらしたスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)が形成されている。又スリット基板SLITには原点信号用の複数のスリットを配列した原点スリット格子アレイ(原点スリットアレイ)SLIT(Z)がスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)と異なるトラック上に形成されている。
【0031】
LGTはLED等の低コヒーレンシーの光源手段である。LNSはコリメーターレンズであり、光源手段LGTからの光束を平行光束としている。光源手段LGTとコリメーターレンズLNSは投光手段の一要素を構成している。PDは受光手段であり、スリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)で回折された回折光を受光する為の4つの受光素子PD(A),PD(B),PD(A−),PD(B−)と原点信号用の受光素子PD(Z)を有している。
【0032】
本実施形態では光源手段LGT,コリメーターレンズLNS,スリット基板SLIT,そして受光手段PDは検出ヘッド内に収納し、固定されている。
【0033】
次に本実施形態において図1によりインクリメンタル信号の検出方法について説明する。光源手段LGTより射出された光束をコリメーターレンズLNSによって平行光束にし、相対移動するスケールSCL上に照明している。平行光束はスケールSCL上のインクリメンタル用の位相格子トラックと原点信号用の原点回折レンズトラックに同時に一括して照明している。
【0034】
図1に示すようにインクリメンタル用の位相格子トラックでは凹凸形状より成る位相格子GT(A),GT(B)より回折光束を発生して50〜数100μm離れた空間にもとの格子ピッチの半分の明暗パターンを投影する。ここで位相格子GT(A),GT(B)としてラメラ格子で0次回折光が発生しないような微細構造のものを用いている。又凹凸部でそれぞれ光を透過するものを用いている。
【0035】
スケールSCL上の位相格子GT(A),GT(B)によってスリット基板SLIT上に投影された明暗パターンは該明暗パターンと等ピッチのスリット基板SLIT上のスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)によって該明暗パターンとスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)との位置関係に応じて選択的に透過,遮光している。
【0036】
4つのスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)は点POを境界に領域を4分割していて、互いの格子の配列の位相を1/4ピッチ分ずらして形成してある。これにより、それぞれの領域を透過した信号光の明暗の変化のタイミングが1/4周期ずつずれるようにして、所謂A,B相信号を発生させている。その際にスケールSCLの移動によって位相格子GT(A),GT(B)が1ピッチ分移動すると明暗パターンは2ピッチ分移動するのでスリット格子SLITを透過した光束は明暗が正弦波状に2回変化する。
【0037】
図7(A)は、このときの4つの受光素子のうちの2つの受光素子PD(A),PD(B)に到達する光量がスケールSCLの相対移動によって変化する明暗信号の様子を示している。この明暗信号光を受光素子PD(A),PD(B)で受光しており、このとき受光素子PD(A),PD(B)からスケールSCLの位相格子1ピッチ分の移動で2周期の正弦波状のアナログ信号電流を得ている。例えば、スケールSCLの位相格子ピッチがP=20μmであれば、10μm周期の正弦波状アナログ信号電流が得られる。
【0038】
本実施形態では以上のようにしてスケールSCLの移動に伴うインクリメンタル信号を受光手段PDで得ている。
【0039】
尚、本実施形態においてスリット基板SLITの4つのスリット格子の代わりに1/4ピッチずらした2つのスリット格子SLIT(A),SLIT(B)を設け、又受光手段PDの4つの受光素子の代わりに2つの受光素子PD(A),PD(B)を設けて、該2つの受光素子によりA,B相信号を得るようにしても良い。
【0040】
次に本実施形態において図2により原点アナログ信号の検出方法について説明する。図2に示すようにスケールSCL上の原点レンズアレイLA(Z)に照明された光束は原点レンズアレイLA(Z)のうちの1つのレンズの焦点距離fの位置にあたる空間に線状集光パターンを投影して、その投影空間に配置したスリット基板SLITの複数のスリットを配列した原点スリットアレイSLIT(Z)に入射している。そしてスリット基板SLITの原点スリットアレイSLIT(Z)を透過した光束は受光素子PD(Z)に入射している。尚、集光光束の幅a(強度が1/2以上の領域幅)は、原点スリットアレイSLIT(Z)の幅bに比べて等しいか小さく設定している。即ちa≦bとなるように各要素を設定している。
【0041】
また、本実施形態では、原点検出用の受光素子PD(Z)がスリット基板SLITより離れて設定されかつ小さいために、原点レンズアレイLA(Z)の各レンズ要素は、それぞれが集光する光束が原点スリット格子アレイSLIT(Z)を透過して受光素子PD(Z)に効率良く入射するように適切な指向性を与えるべく適切な偏心を与えてある。
【0042】
ここで、原点レンズアレイLA(Z)全体に光束が照明された場合は、原点レンズアレイLA(Z)によって生じた線状集光パターンと、スリット基板SLIT上の原点スリット格子アレイSLIT(Z)とが等しくなり、また唯一、スケールSCLの相対移動によって両者が合致した瞬間にすべてのスリットより光束が透過するのでその総和は最大になり、受光素子PD(Z)に最大量の透過光量が入射し、パルス状のするどい波形が出力される。
【0043】
図7(B)に受光素子PD(Z)に到達する光量のスケールSCLの相対移動に伴う変化の様子を示す。なお、複数のパルス状の波形のボトムの位置がV字状に変わり両側で少量の透過光量が検出されているのは、原点レンズアレイLA(Z)以外の部分に照明された光束が原点スリット格子アレイSLIT(Z)を透過して受光素子PD(Z)に入射するためである。原点レンズアレイトラックのうち原点レンズアレイLA(Z)以外の部分を遮光減光処理(遮光塗料による光の吸収やラメラ回折格子による0次透過光の減光)をすればこうした変化をなくすことができるが、少量であれば問題ない。
【0044】
図3は図2の原点スリット格子アレイSLIT(Z)の透過,不透過を反転させたときの要部概略図である。図3に示すようにスリット基板SLIT上の透過スリットパターンを反転させて、原点レンズアレイLA(Z)全体に光束が照明された場合の、原点レンズアレイLA(Z)によって生じる線状集光パターンと、スリット基板SLIT上の非透過スリットパターンSLIT(Z−)とを等しくしておけば、唯一、スケールSCLの相対移動によって両者が合致した瞬間にすべての非透過スリットにより光束が遮断されるのでその総和は最小になり、受光素子PD(Z)に最小量の透過光量が入射し、図7(C)のように図7(B)とは反転したパルス状のするどい波形が出力される。
【0045】
図7(B)または図7(C)のように、原点スリット格子アレイSLIT(Z)と各集光光束の両者が合致した場合に最大または最小の透過光量が入射しパルス状のするどい波形を得るとともに、原点スリット格子アレイSLIT(Z)またはSLIT(Z−)の各スリットの平均間隔に近い間隔毎にもパルス状の波形が出力されるが、原点スリット格子アレイSLIT(Z)またはSLIT(Z−)の各スリット要素の間隔および原点スリット格子アレイSLIT(Z)またはSLIT(Z−)上に集光される各集光光束の間隔に、適切なばらつきを与えておくことで抑圧され、実質的に1つのパルス状のするどい波形が出力される。
【0046】
図4は図2の原点スリット格子アレイSLIT(Z)の各スリット要素の間隔および原点スリット格子アレイSLIT(Z)上の各集光光束間隔をすべて等しくして構成したときの概略図である。このときは図7(D)に示すように両者が合致した場合に最大の透過光量が入射しパルス状のするどい波形を得るが、その前後に原点スリット格子アレイSLIT(Z)の各スリット間隔毎にパルス状の波形が出力される。
【0047】
図5は図4において原点スリット格子アレイSLIT(Z)を反転させて非透過スリット格子アレイSLIT(Z−)とした構成の概略図である。このときは図7(E)に示すように、唯一、スケールSCL の相対移動によって両者が合致した瞬間にすべての非透過スリットにより光束が遮断されるのでその総和は最小になり、受光素子PD(Z)に最小量の透過光量が入射し、図7(D)とは反転したパルス状のするどい波形が出力される。
【0048】
本実施形態では以上のようにして原点アナログ信号を得ている。次に本実施形態において原点デジタル信号の抽出及びその信号処理系について説明する。
【0049】
図6は図1のインクリメンタル信号の検出光学系及び図2の原点信号の検出光学系を一体的にまとめた光学系の全体構成の斜視図である。図8(A)は受光素子PD(Z)の出力から原点デジタル信号を得る回路の説明図であり、図8(B)は図8(A)の回路中において信号レベルがスケールSCLの相対移動に伴って変化する様子を示す説明図である。図8(B)のように、適切に設定された基準電圧Vrefと受光素子PD(Z)の出力からアンプAMPを介して得られた原点アナログ信号V(PD(Z))をコンパレータCOMPにて比較して2値化し、原点デジタル信号として出力している。
【0050】
図6においてはインクリメンタル用のスリット基板SLITをスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)のように4分割し、互いに90°の位相差でずらして形成している。そして、それらに対応する受光素子をPD(A),PD(B),PD(A−),PD(B−)の4つでそれぞれ受光することで互いに90°の位相差のある4相インクリメンタル信号が得られるように構成している。インクリメンタル信号の検出方法は図1で示したのと同様である。又原点信号の検出方法は図2で示したのと同様である。
【0051】
以上のように本実施形態ではインクリメンタル信号検出光学系と原点検出光学系を共通化している。特にインクリメンタル信号検出光学系と原点検出光学系を各々図1,図2に示すように構成して、又図6に示すように一体的に構成している。そしてスケールSCLからインクリメンタル信号用の位相格子により1/2ピッチの明暗パターンの発生する位置までの距離Gと原点レンズアレイのうちの1つのレンズの焦点距離fとを略等しくし、これによりインクリメンタル信号用のスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)と原点検出用の原点スリット格子アレイSLIT(Z)を同一の基板に形成できるようにしてスリット基板SLITを共通化している。又インクリメンタル信号用の受光手段PDと原点信号用の受光素子PD(Z)及びその他の受光素子を同一基板上に受光素子アレイとして一体化して装置の簡素化を図っている。又、本実施形態においては次のような効果も同様に得られる。
【0052】
(A1)生産性が良い。
例えば、スケールSCL上に設けた原点レンズアレイLA(Z)もインクリメンタル信号用の位相格子GT(A),GT(B)もどちらも透明な凹凸状の光学素子であり、どちらのパターンもレプリカ,射出成形等の同一の製法で製造できるので非常にローコスト化できる。特に、原点レンズアレイを回折レンズとしてパターニングする場合には、どちらもラメラ位相格子状のパターンであり、又その凹凸の段差も0次回折光の発生しない段差にするという点で同じであり、ガラスエッチングによる製法及びそれを用いたレプリカ,射出成形も可能となり非常に生産性の優れた光学素子になる。
【0053】
(A2)高分解能な原点信号とインクリメンタル信号が容易に得られる。
スケールSCL上の原点レンズアレイLA(Z)による集光光束幅と原点スリット格子アレイSLIT(Z)の各スリット幅を狭くすれば必要な高分解能の原点信号が容易に得られる。
【0054】
(A3)小型化が容易となる。
スケールSCL上にインクリメンタル信号用の位相格子及び原点レンズアレイを併置し、スリット基板SLIT上にインクリメンタル信号用のスリット格子SLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)及び原点スリット格子アレイSLIT(Z)を併置し、更に受光素子基板上にインクリメンタル信号用の4つの受光素子PD(A),PD(B),PD(A−),PD(B−)、原点用の受光素子PD(Z)を併置して受光素子アレイとして一体化しているので、各信号検出光学系部品が共通化され、原点検出用専用部品が不要になり小型化できる。
【0055】
(A4)原点信号とインクリメンタル信号が同期できる。
検出の基準をインクリメンタル信号,原点信号ともにスケール及びスリット基板としているので、インクリメンタル信号と原点信号の関係が機械的に安定し、同期信号が得られる。
【0056】
(A5)S/Nの良い原点信号がえられる。
スケール上のレンズがアレイ状に複数あり、かつスリット基板上の原点信号用スリットも複数あり、さらに各レンズ要素に受光素子PD(Z)への指向性を与えてあるので、スケール〜スリット基板間のギャップGが50〜数100μmと狭くても、原点レンズアレイLA(Z)によって受光素子PD(Z)へ向けて集められる光束量が多くなり、それが原点スリットアレイSLIT(Z)を透過するので、原点アナログ信号の光量が多くなり、S/Nの良い原点アナログ信号が得られる。
【0057】
尚、本実施形態においてインクリメンタル信号検出用のスリット格子を原点スリット格子アレイが設けられている第2基板としてのスリット基板SLITとは別の第3基板上に設けて、第1基板と第3基板との相対的な位置関係が前述したのと同様になるように設定しても良い。
【0058】
そして受光素子PDから得られるインクリメンタル信号を用いて第1基板と第3基板との相対的な変位情報を得るようにしても良い。
【0059】
図9は本発明の実施形態2の要部概略図である。本実施形態では図6の実施形態1に比べてスケールSCL上の原点レンズアレイトラック及びインクリメンタル用位相格子トラックに併置して光量モニタ用トラック(トラック全体が透過部)を新たに設け、スケールSCL上の原点レンズアレイトラック及びインクリメンタル用位相格子トラックを照射した光束と同一の平行光束を照明している。そして光量モニタ用トラックを透過させてスリット基板SLIT上の開口部WND(ref)を透過させて、光量モニタ用の受光素子PD(ref)にて、受光するように構成した点が異なっており、その他の構成は同じである。
【0060】
図10(A)は本実施形態における受光素子PD(Z),PD(ref)からの出力信号から原点デジタル信号を得る回路の説明図である。同図では受光素子PD(ref)にて検出された光量レベルに適切な倍率をかけて基準電圧信号Vrefを作り、原点アナログ信号V(PD(Z))との比較をコンパレータにて行い、2値化して出力している。図10(B)は図10(A)の回路中において信号レベルがスケールSCLの相対移動に伴って変化する様子を示す説明図である。
【0061】
本実施形態では光源手段からの光量変動の影響を受けないで原点信号の検出が行えるという特長がある。
【0062】
図11は本発明の実施形態3の要部概略図である。図11は、図6に追加して、スケール上の原点用レンズアレイトラックおよびインクリメンタル用位相回折格子トラックに併置して原点近傍検出用トラックGT(Zref)を設け、原点用レンズアレイ全体に光束が照明されているときに、原点近傍検出用トラック上に半透過部パターンが来るようにした実施例の斜視図である。
【0063】
図12(A)は受光素子PD(Z)およびPD(Zref)の出力信号から原点デジタル信号を得る回路の実施例であり、受光素子PD(Zref)にて検出された光量レベルに適切な倍率をかけて基準電圧信号Vrefを作り、原点アナログ信号V(PD(Z))との比較をコンパレータにて行い、2値化して出力する。
【0064】
図12(B)は、図12(A)の回路中において信号レベルがスケールの相対移動に伴って変化する様子を示す説明図である。この実施例は、光源の光量変動の影響を受けないで原点検出が行えるという特長に加えて、図2,図3の実施形態での原点アナログ信号レベルが小さかったり図4,図5の実施形態のように最大ピーク信号の近傍にそれよりは小さいが無視できないレベルのピーク信号がある場合に、図12(B)のような三角波状または台形状の原点近傍検出信号によって不要なピーク信号がコンパレータにかかることを防ぐ効果がある。
【0065】
尚、本実施形態ではスケール上の原点近傍検出用半透過部パターンは凹凸の位相回折格子を原点近傍のみに形成し、直進光を抑制することで半透過の効果を与えている。
【0066】
図13は本発明の実施形態4の要部概略図である。本実施形態では図6の実施形態1に比べてスケールSCL上の原点レンズアレイトラックLA(Z1)及びインクリメンタル用の位相格子トラックに併置して原点用レンズアレイトラックLA(Z2)をもう一つ設け、スケールSCL上の原点レンズアレイトラック及びインクリメンタル用の位相格子アレイトラックと共に同一の平行光束を照明し、原点スリット格子アレイSLIT(Z1)を透過させて原点検出用の受光素子PD(Z1)にて受光すると同時に原点検出用の反転スリットアレイSLIT(Z2)を透過させて受光素子PD(Z2)にて受光している点が異なっており、その他の構成は同じである。
【0067】
図14(A)は受光素子PD(Z1)及びPD(Z2)の出力信号から原点デジタル信号を得る回路の説明図である。同図では検出された2つの互いに反転した原点アナログ信号V(PD(Z1)),V(PD(Z2))をコンパレータにて比較して2値化を行い出力している。図14(B)は図14(A)の回路中において信号レベルがスケールSCLの相対移動に伴って変化する様子を示す説明図である。
【0068】
この実施形態は光源手段からの光量変動の影響を受けないで原点検出が行えるという特長に加えて図2,図3の原点アナログ信号が小さい場合や、図4,図5に示すように最大ピーク信号の近傍にそれよりは小さいが無視できないレベルのピーク信号がある場合にピーク信号間の振幅差を大きくしてコンパレータによる2値化がより安定して行えるようにする効果がある。
【0069】
本発明に係る変位情報検出装置においてはインクリメンタル信号と原点信号とを同期させており、このときの方法について説明する。図15(A),(B)は本発明においてインクリメンタル信号と原点信号を同期させるときの実施形態5の説明図である。図15(A)に示すようにインクリメンタル信号用のスリット格子SLIT(A),SLIT(B)の各スリット幅をW(A,B)とし、原点スリット格子アレイSLIT(Z)のスリット幅をW(Z)としたとき
W(A,B)=W(Z)
を満たすようにしている。そして図15(B)の2値化回路で得られるインクリメンタル信号Aoutと原点信号Zoutの検出分解能は略等しくなる(但し原点アナログ信号のピーク信号を1/2電圧にて2値化して得られた原点デジタル信号の場合。)。
【0070】
この実施形態ではインクリメンタル信号発生も、原点信号発生も同一のスケールSCLにより空間に投影された明暗パターン及び集光光を同一のスリット板によって検出しているので、両者の検出のタイミングの相互ずれは生じにくい。即ち原点信号とインクリメンタル信号の関係は光学的,機械的に固定されるので、両者の信号が略同期する。
【0071】
図16は図15(B)の回路中において原点信号レベル及びインクリメンタル信号レベルがスケールの移動に伴って変化する様子を示す説明図である。同図に示すように原点信号Zoutとインクリメンタル信号Aoutとが略同期している。尚図中PD(A)とPD(A−)は互いに位相が180°ずれたA相インクリメンタル信号用の受光素子である。
【0072】
図17(A),(B)は本発明においてインクリメンタル信号と原点信号を同期させるときの実施形態6の説明図である。本実施形態では図15の実施形態5に比べて
W(A,B)=W(Z)/2
を略満たすようにしてインクリメンタル信号の検出分解能に対して原点信号の検出分解能をわざと1/2にしている。
【0073】
そして図17(B)の2値化回路を経て得られた原点信号Z0とインクリメンタル信号Aoutとを論理回路LCによってANDをとることでインクリメンタル信号Aoutと位相も含めて完全に同期した原点信号Zoutを得ている。
【0074】
図18は図17(B)の回路中において原点信号レベル及びインクリメンタル信号レベルがスケールの相対移動に伴って変化する様子を示す説明図である。同図に示すように原点信号Zoutとインクリメンタル信号Aoutとが完全に同期して出力されている。尚図中PD(A)とPD(A−)は互いに位相が180°ずれたA相インクリメンタル信号用の受光素子である。
【0075】
図19は本発明の変位情報検出装置を8極ACモータ制御用信号層(Cs相)付きのロータリーエンコーダに適用したときの光学構成の要部斜視図である。同図においてスケールSCLはディスクスケールとして円形に構成している。スケールSCLに形成されるインクリメンタル用のリニア位相格子は放射状の位相格子GT(A),GT(B)として円形の帯状のトラック上に形成している。又スリット基板SLITに形成されるスリットはディスクスケールSCL上の放射状の位相格子GT(A),GT(B)の放射中心軸を同じにする放射状のスリット格子SLIT(A),SLIT(B)として形成している。
【0076】
尚インクリメンタル信号は互いに90°位相差のある4相信号A,B,A−,B−が検出されるように図9に示すようにスリット基板SLIT上のスリット格子をSLIT(A),SLIT(B),SLIT(A−),SLIT(B−)として4分割し、互いに1/4ピッチずつずらして形成している。
【0077】
又、受光手段PDは4つのスリット格子に対応して4つの受光素子PD(A),PD(B),PD(A−),PD(B−)でそれぞれの信号光を受光している。8極ACモータ制御用信号相(Cs相)の6つのパターンCs−1,Cs−2,Cs−3,Cs−1−,Cs−2−,Cs−3−はスケール基板SCL上に放射状の位相回折格子の有無によって形成され、それらを透過する光束のうち位相回折格子によって直進光の光量が低減されるので、6つのトラック上に互いに120°の位相差のある4周期/回転の実質的な明暗パターンとして形成している。そしてスリット基板SLIT上の窓部を透過して、夫々の受光素子PD(Cs−1)〜PD(Cs−3−)にて検出している。これらはすべてインクリメンタル信号と原点信号とともに並列的に検出している。
【0078】
尚、以上の各実施形態では次のような構成の変更が可能である。
【0079】
(B1)原点レンズアレイを屈折を利用した球面レンズアレイで構成すること。その場合は、微小レンズをレプリカ等の手法で透明基板表面に形成することができる。
【0080】
(B2)原点レンズアレイを前述の実施形態ではすべてリニア回折レンズアレイで構成しているが、円形ゾーンプレートを位相格子にしたサーキュラー回折レンズアレイに変えてもよい。この場合はスリット基板上には点状集光光束があらわれる。同様に楕円回折レンズでもよい。
【0081】
(B3)原点レンズアレイトラックにおいて原点レンズアレイ以外の部分を単なる透過部ではなく、回折格子等による非透過部、半透過部として処理してもよい。この場合原点アナログ信号のS/Nが多少向上する。
【0082】
(B4)原点用パルス状信号を2値化しないでそのまま原点アナログ信号として出力すること。又は不要なピーク信号を適切な回路によって除去してから原点アナログ信号として出力すること。
【0083】
(B5)リニアスケールをディスクスケールとして円形に変換し、そこに形成されるインクリメンタル信号用のリニア位相回折格子を放射状位相回折格子として円形の帯状のトラック上に形成し、スリット基板上のリニアスリットもディスクスケール上の放射状位相回折格子の放射中心軸を同じにする放射状スリットに変換して、回転変位情報を検出するロータリーエンコーダにすること。
【0084】
(B6)スケール上に原点レンズアレイトラック、インクリメンタル信号用の位相回折格子トラックとともに、ACモータ制御用信号用トラック等を並列配置し、かつ同受光素子アレイにて一括して受光して、インクリメンタル信号,原点信号,ACモータ制御用信号(Cs相)を出力できるエンコーダにすること。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、集光光学系の別設を要さずに装置全体の小型化を図りつつ、インクリメンタル信号及び原点信号を高分解能で検出し、第1基板と第2基板又は第1基板と第3基板との相対的な変位情報を高精度に求めることのできる変位情報検出装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1におけるインクリメンタル信号検出光学系の説明図
【図2】本発明の実施形態1における原点アナログ信号検出の説明図
【図3】本発明の実施形態1における原点アナログ信号検出の他の実施形態の説明図
【図4】本発明の実施形態1における原点アナログ信号検出の他の実施形態の説明図
【図5】本発明の実施形態1における原点アナログ信号検出の他の実施形態の説明図
【図6】本発明の実施形態1における要部概略図
【図7】本発明の実施形態1における受光手段からの信号の説明図
【図8】本発明の実施形態1における原点デジタル信号への変換の説明図
【図9】本発明の実施形態2の要部概略図
【図10】本発明の実施形態2における原点デジタル信号への変換の説明図
【図11】本発明の実施形態3の要部概略図
【図12】本発明の実施形態3における原点デジタル信号への変換の説明図
【図13】本発明の実施形態4の要部概略図
【図14】本発明の実施形態4における原点デジタル信号への変換の説明図
【図15】本発明の実施形態5における原点信号とインクリメンタル信号の同期方法の説明図
【図16】本発明の実施形態5における原点信号とインクリメンタル信号の同期方法の説明図
【図17】本発明の実施形態6における原点信号とインクリメンタル信号の同期方法の説明図
【図18】本発明の実施形態6における原点信号とインクリメンタル信号の同期方法の説明図
【図19】本発明をACモータ用制御信号検出を兼ね備えたロータリーエンコーダに適用したときの要部概略図
【符号の説明】
SCL スケール(第1基板)
GT(A),GT(B) 位相格子
LA(Z) 原点レンズアレイ
SLIT スリット基板(第2基板)
SLIT(A),SLIT(B),
SLIT(A−),SLIT(B−) スリット格子
SLIT(Z) 原点スリット格子アレイ
LGT 光源手段
LNS コリメーターレンズ
PD 受光手段
PD(A),PD(B),
PD(A−),PD(B−) 受光素子
PD(Z) 原点受光素子

Claims (9)

  1. 光源手段と、
    位相格子と複数のレンズ手段を配列したレンズアレイを有する第1基板と、
    格子列と、複数のマーク手段を配列したマークアレイと、を有し第1基板と対向して配置された第2基板と、
    第1の受光素子と、
    第2の受光素子と、を有し
    前記光源手段からの光束を前記第1基板上の前記位相格子と前記レンズアレイに入射させ、前記位相格子と前記レンズアレイで変調された変調光を、前記第2基板上の格子列とマークアレイに各々入射させ、該格子列とマークアレイからの変調光を各々第1、第2の受光素子で受光することにより前記第1基板と該第2基板との相対的な変位情報を得ることを特徴とする変位情報検出装置。
  2. 前記第1基板と第2基板との間隔は前記レンズアレイの少なくとも1つのレンズの焦点距離に略等しいことを特徴とする請求項1の変位情報検出装置。
  3. 前記レンズアレイは所定の格子ピッチより成る位相格子、又は断面形状が凹凸の該凹凸の比率に規則性のある回折格子レンズより成り、入射光束を複数の点状集光光束又は複数の線状集光光束として射出していることを特徴とする請求項1の変位情報検出装置。
  4. 前記レンズアレイから発生した複数の集光光束による前記第2基板上に投影されるパターンは前記第2基板上のマークアレイの透過部又は遮光部のパターンと略等しいことを特徴とする請求項1,2又は3の変位情報検出装置。
  5. 前記レンズアレイからの集光光束の前記第2基板上における光束幅をa、前記原点用マークアレイの透過部幅又は遮光部幅をbとしたとき
    a≦b
    となるように各要素を設定していることを特徴とする請求項1又は3の変位情報検出装置。
  6. 前記第1基板上のレンズアレイはラメラ位相格子より成り、その断面凹凸の段差によって凹部透過光と凸部透過光が互いにλ/2の光路差となるようにしていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の変位情報検出装置。
  7. 前記マークアレイの受光素子による検出信号はパルス状信号であり、該パルス状信号を2値化回路を介して矩形状信号としていることを特徴とする請求項1の変位情報検出装置。
  8. 前記位相格子で回折された回折光同士は互いに干渉して前記第2基板上で前記格子列のピッチと同ピッチの干渉パターンを形成し、前記受光素子は該格子列を介した光束を受光しており、該受光素子で得られたインクリメンタル信号を2値化回路を介して矩形波状信号としていることを特徴とする請求項1又は7の変位情報検出装置。
  9. 前記レンズアレイを構成する複数のレンズ手段は該レンズアレイにより集光した光束が指向性を有する光束となるように偏心配置されており、該指向性を有する光束が前記第2基板上のマークアレイを通過後、前記受光素子に入射するようにしていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項の変位情報検出装置。
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