JP3554172B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、X線透視画像を観察しながら静止X線撮影を行うシステムのセンサとしては、X線イメージインテンシファイヤとスポットカメラやラピッドシーケンスカメラ等の間接撮影ユニットとの組合わせか、又はX線イメージインテンシファイヤと直接撮影用カセットが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例においては、X線イメージインテンシファイヤは高感度であるが、センサ本体がX線透過方向に対して長くなるために大画面化が難しく、更に大型化すると大重量となる等の欠点がある。近年の半導体技術の進歩によって、高感度かつ大画面軽量薄型のセンサの製造が可能となっている一方で、例えば次に挙げるようなX線イメージインテンシファイヤを用いることによる制限的事項が存在する。
【0004】
(1)撮影画面が小さいとX線源のxy方向の動きに合わせて、X線イメージインテンシファイヤも移動する必要がある。一方、撮影画面を大きくすると、フレーム毎の画像読込に時間が必要で、動画のような速やかな画像を得ることは困難である。
【0005】
(2) 透視撮影中に、撮影操作者は撮影室内と透視モニタの両方に注意を払う必要がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、表示手段上で透視動画像観察を効率良く行うことができる放射線撮影装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る放射線撮影装置は、被写体に放射線絞り手段を介して放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した放射線画像を受けて画像データに変換するための二次元センサと、該二次元センサから前記画像データを読み出す読出手段と、前記画像データに基づいて前記二次元センサが前記絞り手段を介して前記放射線画像を受像している放射線照射領域を抽出する照射領域抽出手段と、前記放射線領域の画像データを画像化して表示する表示手段と、前記二次元センサの全領域から前記画像データを前記読出手段により読み出し前記照射領域抽出手段により前記放射線照射領域を抽出する第1のモードと該第1のモードにより抽出した前記放射線照射領域の画像データを前記読出手段により読み出す第2のモードとを所定のタイミングで切換え、前記放射線照射領域の画像を前記表示手段に表示する制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施例の構成図、図2はA−A線に沿った断面図を示し、X線を発射するX線管球1の前面に矩形状開口を有する二次元絞り2とが配置され、その前方に人体等の被写体S、被写体Sを載置する透視寝台3、X線照射位置に移動可能なグリッド4、グリッド4により散乱光を除去したX線を受光するパネルセンサ5が配列されている。X線管球1の近傍には可視光テレビカメラ6が配置され、可視光テレビカメラ6にはカメラアングルを可変するカメラアングル駆動手段7の出力が接続されており、X線管球1には三次元移動を可能とするX線管球xyz方向駆動手段8の出力が接続されている。
【0013】
グリッド4の背面には3個のフォトタイマ9が貼り付けられており、またグリッド4は二次元的に移動可能なグリッドxy方向駆動手段10に連結され、パネルセンサ5は一次元的移動が可能なパネルセンサy方向駆動手段11に連結されている。X線管球1にはX線発生手段12の出力が接続され、可視光テレビカメラ6にはテレビカメラ制御手段13の出力が接続されており、カメラアングル駆動手段7、グリッドxy方向駆動手段10、パネルセンサy方向駆動手段11には、駆動手段制御部14の出力が接続されている。
【0014】
パネルセンサ5の出力は、増幅器15を内蔵したデータ読出回路16、前処理回路17及び画像変倍回路18を内蔵したデータ収集手段19に順次に接続されており、データ収集手段19の出力はX線発生手段12、バスライン20に接続されている。また、ルックアップテーブル21とスーパインポーズ回路22等を有する透視画像表示手段23と、ルックアップテーブル24を有する静止画像表示手段25はバスライン20に接続されており、データ収集手段19の画像変倍回路18の出力は、直接透視画像表示手段23のルックアップテーブル21に接続され、テレビカメラ制御手段13の出力は透視画像表示手段23、バスライン20に接続されている。
【0015】
そして、駆動手段制御部14、データ収集手段19、CPU26、主記憶部27、磁気ディスク28、制御テーブル(OPU)29の出力は、バスライン20を介して互いに接続されている。
【0016】
上述の構成により、透視画像を撮影する場合には、X線管球1から発射したX線ビームBxは、二次元絞り2で矩形状に整形されて、被写体Sの撮影に必要な領域に照射される。被写体Sを透過したX線ビームBxは、X線照射位置に移動したグリッド4を透過し、散乱X線が除去されてパネルセンサ5に到達する。
【0017】
パネルセンサ5において、X線ビームBxは電荷量に変換され、データ読出回路16において必要なデータ量及び分解能で読み出される。読み出されたデータは、前処理回路17でオフセット処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理等の前処理が行われた後に、画像変倍回路18において表示画像寸法に切り出し変倍される。
【0018】
データ読出回路16では、画像の上下y方向は正確に切り出せるが、左右x方向は大まかにしか切り出せないために、最終的に画像変倍回路18でX線照射領域を上下左右方向共に精度良く切り出して、変倍画像を出力する。この画像はシステムバス29を経由せずに、直接透視画像表示手段23に転送され、透視画像ルックアップテーブル21を介して濃度階調変換され、スーパインポーズ回路22を介して可視光画像のX線照射部相当位置にスーパインポーズ表示される。
【0019】
可視光画像の収集は可視光テレビカメラ6で行われ、可視光テレビカメラ6の制御はテレビカメラ制御手段13が行う。そして、収集した可視光画像はアナログ信号のまま透視画像表示手段23に表示される。このときのスーパインポーズの様子を図3に示し、可視光画像領域Avの内側で、X線が照射されている領域AxだけがX線透視動画像として透視画像表示手段23に表示される。
【0020】
透視動画撮影時の画像追跡に関し、パネルセンサ5上のX線の照射領域Axは、X線管球xyz方向駆動手段8のx、y、z位置情報とX線ビームBxの二次元絞り2による絞り量とを基に計算することもできるが、本実施例では画像処理によって照射領域Axの追跡を行う。データ読出回路16においては、1秒当りの表示フレーム数であるフレームレイトを上げるために、パネルセンサ5の一部分のデータしか読み込まない切出モードと、パネルセンサ5全体に対して4×4画素の平均画素を出力する平均化モードとがあるが、透視時においては図4に示すように切出モードと平均化モードを切換えながらデータ収集を行う。上向きの矢印↑は切出しモードを示し、X線照射部分に対する切り出し読み込みを25フレーム/秒で行う。下向きの矢印↓は平均化モードを示し、パネルセンサ5全体に対して画像の平均化取り込みを5フレーム/秒で行う。
【0021】
図5は可視光テレビカメラ6とX線照射領域Axの関係を示し、FoはX線焦点から被写体Sの体軸までの距離、FdはX線焦点からパネルセンサ5までの距離である。また、図6〜図8はパネルセンサ5中のX線照射領域Axの抽出処理工程を示し、図6はグレー画像であり、濃いドット部はX線の照射されない領域、薄いドット部は吸収の大きいX線照射領域Axを示している。図7は2値化画像で、ドット部は2値化後の照射領域Axである。図8はxy方向での照射領域Axの抽出工程で、照射領域Axの左上(Xu、Yu)と右下(Xb、Yb)の座標、及びx方向の照射領域抽出の開始点白丸と終了点黒丸を示している。
【0022】
本実施例では、パネルセンサ5全体の画素数は2688×2688画素なので、4×4画素平均化モード時の出力画素は672×672画素となる。また、A/D変換のクロックパルスは33MHzなので、A/D変換器が1系統の場合はデータ読出時間は13.5m秒となる。この平均化出力画像の672×672画素から画像処理により照射領域Axを抽出することもできるが、本実施例では照射領域抽出処理をCPU14で行うために、平均化画像を画像変倍回路18を通して、更に各辺で1/2にして336画素×336画素にする。
【0023】
また、画像変倍回路18も収集クロックパルスと同様に33MHzで駆動し、前処理回路17からはデータがパイプラインで流れてくるので、約13.5m秒の収集時間と同時に変倍も完了する。この縮小平均化された336×336の画像は、システムバス29を介して主記憶部27に転送され、このときの転送時間は、バーストレイトで40MB/秒のシステムバス29を使用しているために約3m秒である。
【0024】
照射領域抽出処理は2値化処理と座標抽出処理により構成されており、前処理回路17により画素値は入射線量換算値になっているために、図7に示すように予め決められた値Vrで2値化される。この2値化処理の後に、画像に形態学フィルタ処理であるオープニング処理を行ってノイズを除去する。その後に、図8に示すように照射領域Axが矩形であることを利用して各x、y方向のラインを走査し、走査を開始する点と終了する点のリストをとり、その平均値で照射領域Axを設定する。
【0025】
この照射領域抽出処理の出力は、図8の矩形照射領域の左上(Xu、Yu)と右下(Xb、Yb)の座標で示され、処理は収集から約33m秒以下で完了する。そして、結果はシステムバス29を介してデータ読出回路16、前処理回路17、画像変倍回路18に順次に設定され、この設定により画像切出しモードが実行される。
【0026】
データ読出回路16では設定された(Xu,Yu)、(Xb,Yb)で囲まれる。照射野矩形を含むようにデータをパネルから読み出す。具体的には、本実施例の制限により、(1,Yu)、(2688,Yb)を読み出すが、この制限は本実施例の回路構成が画素の水平方向に対してのマルチプレックスがシーケンス的に行われるためであり、回路構成の改造によりなるべく無駄なく(Xu,Yu)、(Xb,Yb)を包含するように読み出すことができる。前処理回路17では、読出回路16での読出領域に対してのみ画素データがくることを考慮して、オフセット、ゲイン、欠陥の各補正のデータを準備し前処理に使用する。変倍回路18で行われる画像切出処理では、前処理回路17から出力される照射矩形から正確に照射矩形(Xu,Yu)、(Xb,Yb)を切り出して変倍する。
【0027】
本実施例では、平均化モードを6フレームに1回実行し、残り5フレームは同じ位置の画像切出モードとなる。この平均化モードの割合いはプログラム可能であり、一般にはパネルセンサ5上での照射領域Axの動きは非常に遅いので、5フレーム/秒以上必要となることは殆どない。このように、平均化モードの画像は透視画像表示手段23上には表示されずに、照射領域抽出のために利用される。
【0028】
次に、画像切出しモードについては、矩形照射領域(Xu,Yu)、(Xb ,Yb)が設定されても、本実施例ではパネルセンサ5の設計上、x方向に対してXu、Xb区間だけを読み出すことはできないので、x方向は1〜2688画素まで読み出す。また、透視画像表示手段23の表示画素数には、例えば1280×1024画素と限界があるので、透視画像表示手段23のxy方向の表示画素数をMd×Ndとすると、透視画像のxy方向の画素数は、可視光照射領域Avとx線照射領域Axの比率によって異なるが、Ms≦Md、Ns≦Ndとなる画素数Ms×Nsに制限される。
【0029】
また、スーパインポーズされる画像の寸法は、図5中の破線で示すようにほぼ体軸上となるので、パネルセンサ5上の画像よりはFo/Fd倍の縮小表示となり、入力画像の画素数(Xb−Xu)×(Yb−Yu)の関係から最終的な変倍率が決定され、比率Ms/Ns=(Xb−Xu)/(Yb−Yu)が概略同じになるように表示される。このときの変倍率Rは次式となる。
R=(Ms・Fo/Fd)/(Xb−Xu)=(Ns・Fo/Fd)/(Yb−Yu)
【0030】
ここで、FdはX線管球xyz方向駆動手段8のz方向のエンコーダの値から算出され、Foは予め決められたパネルセンサ5から体軸までの概略距離をFdから減算することにより計算される。
【0031】
次に、切出モード時のパネルセンサ5のy方向の移動については、Yb−Yu=1024画素の場合には、データ読出回路16が読み出す画素数は2688×1024となり、A/D変換は33MHzなので、1系統では約80m秒を要し、この時間では12.5フレーム/秒となるので間欠動画像となる。このために、A/D変換の多重化、つまりパネルセンサ5を上下方向に2分割して、縦1344×横2688画素に対して1系統の読み出しのためのA/D変換器を設ける。このとき、例えばYb−Yu=1024画素の照射領域Axが、均等に上下に分割されたパネルセンサ5上に載っているとすると、読出時間は2688×512ライン/33MHz=40m秒となり、25フレーム/秒となって動画の動きが更に改善される。ただし、照射領域Axが上下何れかにのみ存在する場合には、A/D変換器が1系統の時と同様なので、1系統で行う際に対してのフレームレートの改善はない。
【0032】
このように、パネルセンサ5を2分割したときに照射領域Axが上下に均等に分割されるためには、上下に分割するラインを1344.5として、Δu=1344.5−YuとΔb=Yb−1344.5を計算し、パネルセンサy方向駆動手段11を用いて、Δu=Δbとなるようにパネルセンサ5を動かせばよい。具体的には図9に示すように、上方向をプラスとしてセンサピッチを160μmとしたときに、パネルセンサ5をΔd=(Δb+Δu)×160μm=(Yb−Yu)×160μmだけ移動する。ただし、この計算は平均化画像読込み時にのみ行い、次の切出画像読込モード時までには移動を完了する。移動が完了しない場合には、切出画像に動きアーチファクトが発生する。
【0033】
透視画像撮影時におけるグリッド4は、散乱X線を除去する目的で使用されており、グリッド4が光学的焦点を持つ構造の場合には、グリッド4の焦点とX線ビームBxの焦点が一致するようにグリッド4を移動する。ただし、光学的焦点を持つ構造のグリッド4は、X線管球1のz方向の動きは許されないので、グリッド4の焦点距離の位置にX線焦点がある場合にのみ、グリッド4を使用した撮影が可能となる。本実施例はグリッド4が光学的焦点を持たない場合を示しているが、グリッド4が光学的焦点を持つ場合でも、X線管球1のz方向の位置が制限されるだけなので、グリッド4のxy方向の動きに対しては同様の技術を使用することができる。
【0034】
グリッド4はグリッドxy方向駆動手段10により、照射領域(Xb,Yb)×(Xu,Yu)を追従するようにxy方向に駆動されるが、読出用のA/D変換器が上下2系統に分割され、パネルセンサy方向駆動手段11によりパネルセンサ5がy方向に移動する場合には、パネルセンサ5上に載っているグリッド4はx方向のみ制御すればよい。x方向の制御については、x方向のエンコーダの値を基にグリッド4のx方向の中心点をパネルセンサ換算で求め、これをGxとすると、160μm×{Gx−(Xb+Xu)/2}が移動量となる。この計算及びグリッド4の移動も平均画像モードの入力時にのみ行われ、次の切出モード画像取り込み時までには完了する。
【0035】
グリッド4に貼り付けたフォトタイマ9は、対象とする部位を予め決められた線量で撮影するためのものである。透視画像観察から静止画像モードに切換えたときに、良好なSN比を有する画像を得るためには、X線線量を増加して撮影する必要があるので、操作者は通常は経験的に適当な線量を予測して撮影するが、フォトタイマ9を使用すればより正確な線量で撮影することができる。
【0036】
透視動画像はX線量が少ないので、データ読出回路16中でA/D変換前の増幅器15のゲインを上げて撮影するが、静止画像の場合は増幅器15のゲインを普通モードにして、多量のX線を受けてもA/D変換がオーバフローしないように配慮する。通常では、フォトタイマ9の位置はX線の吸収が微量であるために、透視画像中でX線像として見ることはできないが、本実施例ではフォトタイマ9を図2に示すようにグリッド4の所定位置に貼り付けているので、フォトタイマ形状形成部における計算から、スーパインポーズ回路22を使用して、図3に示すようにフォトタイマ9の影Qとして表示することができる。このとき、複数に分割されているフォトタイマ9は、個々に有効/無効の切換えが設定可能である。また、フォトタイマ9の影Qの表示は、OPU29からオン/オフが可能で、オフ時においてもフォトタイマ9の有効/無効の切換えは可能である。
【0037】
次に、可視光画像領域Avに関しては、可視光テレビカメラ6の光学系にズーム機能があるので、X線管球xyz方向駆動手段8の移動位置に拘らず、照射中心が可視光画像の中心にくるように、カメラアングル駆動手段7を用いて可視光テレビカメラ6の視界の制御を行う。この場合に、x方向についてはX線管球1への可視光テレビカメラ6の取付上、常に保証されているので、可視光テレビ画像中への透視画像のスーパインポーズに関してy方向の制御を行う。
【0038】
y方向の制御においては、X線照射領域Axが可視光照射領域Avの略中央に位置するためには、可視光テレビカメラ6の角度θの制御が必要となり、図10に示すように、X線焦点Oxから被写体Sの体軸までの距離をFo、可視光テレビカメラ6の焦点をOv、X線焦点Oxと可視光テレビカメラ6の焦点の二次元方向のずれをΔz、Δyとすると、可視光テレビカメラ6の角度θは次式から求められる。
θ= tan−1{Δy/(Fo−Δz)}
【0039】
透視画像表示手段23に表示される可視光画像サイズMd×Ndと透視画像サイズMs×Nsの関係を求める。MdとNdは透視画像表示手段23の表示画素数以内で設計されている。可視光テレビカメラ6はオートフォーカスなので、フォーカスしたときのレンズ系の焦点距離fとフォーカス距離d、可視光テレビカメラ6のセンササイズHx、Hyから、MdとNdの物理サイズは、それぞれHx(d/f−1)、Hy(d/f−1)となる。
【0040】
ここで、X線焦点Oxから体軸までの距離の予測値Foとフォーカス距離dには若干の誤差が発生するが、一般的にFo>(d+Δz)となるので、透視画像が稍々大き目に表示されることになる。また、逆にこのフォーカス距離dを使用して、パネルセンサ5までの距離Fdを推測することも可能である。
【0041】
透視画像表示手段23上での透視画像サイズMs×Nsは、照射領域抽出の結果が(Xu,Yu)、(Xb,Yb)の範囲である場合には、物理サイズHx(d/f−1)、Hy(d/f−1)と、(Fo/Fd)×(Xb−Xu)、(Fo/Fd)×(Yb−Yu)から、透視画像x方向の画素数Msと透視画像y方向の画素数Nsは次のように決定される。
【0042】
Ms={Md・(Fd /Fd) ・(Xb −Xu)}/{Hx(d/f)/f}
Ns={Nd・(Fd /Fo) ・(Yb −Yu)}/{Hy(d/f)/f}
【0043】
OPU29からの操作により、二次元絞り2を広げずに可視光テレビカメラ6のズーム操作を行うと、上述の式から画素数Ms、Nsが増大するので、透視像も連動して大きくなる。これは画素数Ms、Nsの変動に伴って、画像変倍回路18の変倍率が大きく制御されることを意味する。
【0044】
最後に静止画モードに関し、静止画像は透視モードのときの静止画像と、透視モードを使用しないときの静止画像とがあるが、透視モードからの静止画像の場合は、照射領域Axが分っているので、その部分の画像だけがデータ読出回路16で取り込まれ、前処理回路17、1倍の画像変倍回路18を通り、バスライン20を経由して静止画像表示手段25に転送され、静止画ルックアップテーブル24を介して表示される。このルックアップテーブル24は別に主記憶部27に転送された画像を基に画像解析プログラムにより決定される。一方、透視モードからでない静止画像は照射領域Axが分らないので、パネルセンサ5の全領域を取り込み、前処理回路17、1倍の画像変倍回路18を通って主記憶手段26に転送され、336×336の縮小画像から領域抽出が行われた後に、照射部分のみが静止画像表示手段25に転送されて表示される。
【0045】
透視画像表示手段23のルックアップテーブル21は、平均画像モードの336×336画像を基に画像解析により算出される。この画像解析の一般的手法はヒストグラム平滑化であり、これは変換後のヒストグラムが濃度に対して平坦化するようなルックアップテーブル21を作成することである。また、その他の解剖学的分割を利用して興味領域を抽出し、その領域に対してヒストグラム平坦化処理を行うこともできる。更に、画像変倍回路18としては、縮小時には間引き処理や双線形縮小処理や、拡大時には線形補間処理やスプライン補間処理が使用可能である。
【0046】
図11は第2の実施例を示し、可視光テレビカメラ6からの光束を、X線ビームBxと同様にX線用の二次元絞り2を通して被写体Sに照射して、可視画像を撮影するようになっている。
【0047】
この場合には、可視光テレビカメラ6の角度θ=0となるので、カメラアングル駆動手段7は必要としない。可視光テレビカメラ6の焦点位置は、X線焦点位置よりも共役上z方向で被検体Sに近い方に設置し、X線よりも広い視野角となるようにする。その他の構成は、第1の実施例と殆ど同様である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る放射線撮影装置によれば、表示手段上で透視動画像を効率良く観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成図である。
【図2】図1の直線Aに沿った断面図である。
【図3】透視画像表示の表示の説明図である。
【図4】透視画像収集のタイミングチャート図である。
【図5】可視光テレビカメラの視界とX線照射領域の関係の説明図である。
【図6】照射領域抽出の説明図である。
【図7】照射領域抽出の説明図である。
【図8】照射領域抽出の説明図である。
【図9】可視光テレビカメラの角度設定の説明図である。
【図10】パネルセンサの追従の説明図である。
【図11】第2の実施例の光源部の断面図である。
【符号の説明】
1 X線管球
2 二次元絞り
3 透視用寝台
4 グリッド
5 二次元パネルセンサ
6 可視光テレビカメラ
7 カメラアングル駆動手段
8 X線管球xyz方向駆動手段
9 フォトタイマ
10 グリッドxy方向駆動手段
11 パネルセンサy方向駆動手段
12 X線発生手段
13 テレビカメラ制御手段
16 データ読出回路
17 前処理回路
18 画像変倍回路
22 スーパインポーズ回路
23 透視画像表示手段
25 静止画像表示手段

Claims (15)

  1. 被写体に放射線絞り手段を介して放射線を照射する放射線源と、被写体を透過した放射線画像を受けて画像データに変換するための二次元センサと、該二次元センサから前記画像データを読み出す読出手段と、前記画像データに基づいて前記二次元センサが前記絞り手段を介して前記放射線画像を受像している放射線照射領域を抽出する照射領域抽出手段と、前記放射線領域の画像データを画像化して表示する表示手段と、前記二次元センサの全領域から前記画像データを前記読出手段により読み出し前記照射領域抽出手段により前記放射線照射領域を抽出する第1のモードと該第1のモードにより抽出した前記放射線照射領域の画像データを前記読出手段により読み出す第2のモードとを所定のタイミングで切換え、前記放射線照射領域の画像を前記表示手段に表示する制御手段とを有することを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 前記制御手段は前記第1のモード及び前記第2のモードを周期的に実行すると共に、前記第2のモードの実行頻度を前記第1のモードの実行頻度よりも高く設定したことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記二次元センサから得られた前記画像データを縮小する変倍手段を有し、前記照射領域抽出手段は前記変倍手段による縮小画像に基づいて前記放射線照射領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記読出手段による前記放射線照射領域の画像データを表示画素数に応じて変倍する変倍手段を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記変倍手段は前記放射線照射領域の画像データから前記特定画像データを切り出す画像切出処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記放射線源を移動する放射線源移動手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記放射線源と前記二次元センサとの間に配置され被写体からの散乱線を除去するためのグリッドと、前記放射線源の移動に追従するように前記グリッドを移動するグリッド移動手段とを有することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影装置。
  8. 放射線量を検出するためのフォトタイマ手段と、前記放射線源の移動に追従するように前記フォトタイマ手段を移動するフォトタイマ移動手段とを有することを特徴とする請求項6に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記放射線照射領域を含む領域の可視光画像を収集するカメラ手段と、前記放射線照射領域の画像と前記カメラ手段による前記可視光画像とを並列に前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記放射線照射領域を含む領域の可視光画像を収集するカメラ手段と、前記放射線照射領域の画像を前記カメラ手段による前記可視光画像に、前記表示手段上でスーパインポーズするスーパインポーズ手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記カメラ手段は前記放射線源に取り付けると共に、前記カメラ手段の仰角を前記放射線源と前記二次元センサとの間の距離に基づいて制御する仰角制御手段を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の放射線撮影装置。
  12. 前記二次元センサの複数の領域から前記電気画像信号を並列に読み出す並列読出手段と、前記放射線照射領域に基づいて前記二次元センサを移動するセンサ移動手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  13. 前記センサ移動手段は、前記放射線照射領域を前記二次元センサの前記複数の領域に均等に配置するように前記二次元センサを移動することを特徴とする請求項12に記載の放射線撮影装置。
  14. 前記二次元センサの前記複数の領域は、所定方向において第1の分割線により分割された2つの領域であり、前記センサ移動手段は、前記放射線照射領域を前記所定方向において分割する第2の分割線を得て、前記第1及び第2の分割線が重なるように、前記二次元センサを前記所定方向に移動することを特徴とする請求項13に記載の放射線撮影装置。
  15. 前記放射線領域抽出手段及び前記読出手段を周期的に作動すると共に、前記読出手段の実行周波数を前記放射線領域抽出手段の実行周波数よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
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