JP3545680B2 - 染料の固体微粒子分散物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料の固体微粒子分散物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料において、特定の波長の光を吸収させる目的で、写真乳剤層その他の親水性コロイド層を着色することがしばしば行われる。
写真乳剤層に入射すべき光の分光組成を制御することが必要なとき、通常写真乳剤層よりも支持体から遠い側に着色層が設けられる。このような着色層はフィルター層と呼ばれる。写真乳剤層が複雑である場合には、フィルター層がそれらの中間に位置することもなる。
【0003】
写真乳剤層を通過する際あるいは透過後に散乱された光が、乳剤層と支持体の界面あるいは乳剤層と反対側の感光材料の表面で反射されて再び写真乳剤層中に入射することにもとづく画像のボケすなわちハレーションを防止することを目的として、ハレーション防止層と呼ばれる着色層を設けることが行われる。写真乳剤層が複数ある場合には、それらの層の中間にハレーション防止層が置かれることもある。
写真乳剤層中での光の散乱にもとづく画像鮮鋭度の低下(この現象は一般にイラジエーションと呼ばれている)を防止するために、写真乳剤層を着色することも行われている。
また露光機や処理機中での感光材料の位置検出をするために、光センサーの発光波長に吸収を有する染料でバック層等を着色することも行われている。
【0004】
これらの着色すべき親水性コロイド層には通常、染料を含有させる。この染料は、下記のような条件を満足することが必要である。
(1)使用目的に応じた適正な分光吸収を有すること。
(2)写真化学的に不活性であること。すなわちハロゲン化銀写真乳剤層の性能に化学的な意味での悪影響、たとえば感度の低下、潜像退行、またはカブリ等を与えないこと。
(3)写真処理過程において脱色されるか、または処理液中もしくは水洗中に溶出して、処理後の写真感光材料上に有害な着色を残さないこと。
(4)染着された層からの他の層へ拡散しないこと。
(5)溶液中あるいは写真材料中での経時安定性に優れ変退色しないこと。
【0005】
特に、着色層がフィルター層である場合、あるいは支持体の写真乳剤層と同じ側におかれたハレーション防止層である場合には、それらの層が選択的に着色され、それ以外の層に着色が実質的に及ばないようにすることを必要とすることが多い。なぜなら、そうでないと、他の層に対して有害な分光的効果を及ぼすだけでなく、フィルター層あるいはハレーション防止層としての効果も減殺されるからである。また、イラジエーションを防止する場合でも、目的とする乳剤層のみを選択的に染色することは他層に対して同様な悪影響を及ぼすことなく、しかも望みとする機能を十分に発揮させるために必要となる。しかし、染料を加えた層と他の親水性コロイド層とが湿潤状態で接触すると、染料の一部が前者から後者へ拡散することがしばしば生ずる。このような染料の拡散を防止するために従来より多くの努力がなされてきた。
【0006】
たとえば、解離したアニオン性染料と反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤として層に共存させ、染料分子との相互作用によって染料を特定層に局在化させる方法が、米国特許2548564号、同4124386号、同3625694号の各明細書に開示されている。
また、染料が吸着した金属塩微粒子を用いて特定層を染色する方法が米国特許2719088号、同2496841号、同2496843号の各明細書、特開昭60−45237号公報に開示されている。
また水に不溶性の染色固体を用いて特定層を染色する方法が、特開昭55−120030号、同56−12639号、同55−155350号、同55−155351号、同63−27838号、同63−197943号、同52−92716号、特開平3−223747号、同4−352151号の各公報、欧州特許15601号、同323729号、同274723号、同276566号、同299435号、国際特許88/04794号の各明細書に開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの改良された方法を用いてもなお、染料固定層中での染料の拡散の問題、また現象処理時の脱色速度が遅く、処理の迅速化や処理液組成の改良、あるいは写真乳剤組成の改良などの諸要因の変更があった場合には、その脱色機能を必ずしも十分に発揮できないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、写真感光材料中の特定の親水性コロイド層を染色し、保存中に染料が他の層に拡散することなく、しかも現像処理中に迅速に脱色するように設計された、染料の固体微粒子分散物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記一般式(I)で表わされる染料の固体微粒子分散物によって達成される。
一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】
式中、R2およびR4は各々水素原子、脂肪族基、芳香族基、または、複素環基を表わす。L1、L2、L3は各々メチン基を表わし、nは0、1または2を表わす。n=2の場合、L1、L2、L3のうち少なくとも1つは、置換基を有する。
【0012】
次に一般式(I)の染料について詳細に説明する。
R2およびR4で表わされる脂肪族基としては、炭素数1〜10の直鎖、分岐、または環状アルキル基、アラルキル基、アルケニル基が好ましく、例えば、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−へプチル、n−オクチル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、3−メチルブチル、シクロペンチル、2−エチルブチル、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基等の基が挙げられ、置換基〔ニトロ基、炭素数0〜6のアミノ基(例えば、無置換のアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、2−クロロフェニル基)、炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、炭素数2〜8のカルボンアミド基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)、炭素数2〜8のオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基)、炭素数2〜8のカルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基)、炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)〕を有していてもよい。
【0013】
R2およびR4で表わされる芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が好ましく、より好ましくは、フェニル基であり、置換基〔例えば、前記のR2およびR4で表わされるアルキル基が有していてもよい置換基として挙げた其の他、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル、n−プロピル)、ハロゲン原子(例えば、F、C1、Br)、シアノ基、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、フェノキシ基)、炭素数2〜8のエステル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基)〕を有していてもよい。
【0014】
R2およびR4で表わされる複素環基としては、酸素、窒素、硫黄をヘテロ原子として含む5員または6員の複素環が好ましく、ピリジル基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロール基、インドリル基、モルホリノ基、ピロリジル基などが挙げられる。また、この複素環基は前記のR2およびR4で表わされる芳香族基が有していてもよい置換基を有していてもよい。
【0015】
n=0または1の場合、L1、L2、L3で表わされるメチン基は無置換でも、置換基(例えば、メチル、エチル、ベンジル、フェニル、クロル、アミノ、ピペリジノ、モルホリノなど)を有していてもよい。n=2の場合、L1、L2、L3で表わされるメチン基のうち少なくとも1つは、置換基(例えば、メチル、エチル、ベンジル、フェニル、クロル、アミノ、ピペリジノ、モルホリノ、ヒドロキシなど)を有しており、メチン基どうしで連結して5または6員環(例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−モルホリノシクロペンテン環など)を形成していてもよい。n=2の場合、複数個あるL2またはL3は、互いに異なっていてもよい。
なお、R2、R4、L1、L2およびL3は、イオン化しうるプロトンを有する基(例えば、カルボキシル基、スルファモイル基、スルホンアミド基)またはその塩(例えば、銀塩)をもたないことが好ましい。
以下に、一般式(I)で表わされる染料の例を示す。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
一般式(I)で示される染料で、かつ、親水性コロイド中において、その吸収波長が下記式(II)の範囲に属する化合物は、写真感光材料の特定の親水性コロイド層を染色し、保存中に染料が他の層に拡散することなく、しかも、現像処理中に迅速に脱色するといった点で、格段にすぐれた特性を有する。
【0023】
【数2】
λmax >〔λmax (DMF)+20×(n+1)〕nm
【0024】
式中、λmax (DMF)は、ジメチルホルムアミド溶液中における染料の最大級波長を示し、nは一般式(I)で定義したnと同義である。
【0025】
本発明における一般式(I)で表わされるオキソノール染料は、当業者によって知られた方法(例えば、該当する適切に置換されたバルビツール酸類化合物と、メチン染料にメチン基またはポリメチン鎖を導入するためのメチン源との縮合反応)によって合成することができる。この種の化合物についての詳細は、英国特許1133986号、米国特許3247127号、同4042397号の各明細書を参照することができる。
具体的には、モノメチン基の導入には、オルトギ酸エチル、オルト酢酸エチルまたはN,N−ジフェニルホルムアミジン塩酸等を使用でき、トリメチン鎖の導入には、トリメトキシプロペン、テトラメトキシプロパンまたは、マロンアルデヒドジアニル塩酸塩等を使用でき、ペンタメチン鎖の導入には、3−メチルグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩または、1−(2,4−ジニトロフェニル)−4−メチルピリジニウムクロリド等を使用できる。
【0026】
合成例1(染料1の合成)
N−フェニルバルビツール酸5.0g、3−メチルグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩3.5g、ジメチルホルムアミド25mlの混合懸濁液を氷冷後、これにトリエチルアミン5.0mlを滴下した。同温度で1時間攪拌後、さらに室温で1時間攪拌した。この反応液に、2規定の塩酸水溶液25mlとメタノール25mlの混合液を徐々に添加し、析出した結晶を濾取し、MeOHで洗浄し、乾燥することにより染料1を7.0g得た。
λmax (DMF)=618nm、εmax =1.57×105
【0027】
合成例2(染料22の合成)
1−p−メトキシフェニルバルビツール酸5.0g、マロンアルデヒドジアニル塩酸塩2.7g、ジメチルホルムアミド25mlの混合懸濁液に室温にてトリエチルアミン4.4mlを滴下し溶解した。同温度で2時間攪拌した後、この反応液に2規定の塩酸水溶液25mlとメタノール25mlの混合液を徐々に添加し、析出している結晶を濾取した。MeHOで洗浄後、乾燥することにより、染料22を6.0g得た。
λmax (DMF)=492nm、εmax =1.12×105
【0028】
本発明に用いられる染料の原料である一般式(IV)で表わされるバルビツール酸類は、常法に従い一般式(III)で表わされる尿素誘導体を無水酢酸の存在下にマロン酸と、あるいは塩基性条件下、マロン酸エステルと反応させることにより合成できる。これら化合物の合成法の詳細については、「新実験化学講座」(14巻)(丸善)、J.Am.Chem.Soc.78、6185頁(1956)等を参照することができる。
一般式(III)
【0029】
【化9】
【0030】
一般式(IV)
【化10】
【0031】
本発明において、染料の分散は特開昭52−92716号、国際公開88/04794号に記載のごとくボールミル、サンドミル、コロイドミルなどの分散機や振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、ロールミル、マントンガウリン、マイクロフルイダイザー、ディスクインペラーミルのごとき分散機等を任意に選ぶことができるが、縦型あるいは横型の媒体分散機が好ましい。
いずれの場合も触媒(例えば水)を用いることが好ましく、更に分散用界面活性剤を用いることがより好ましい。分散用界面活性剤としては、特開昭52−92716号、国際公開88/04794号などに記載のごとくアニオン性界面活性剤を使用したり、特願平3−121749号のごとくアニオン性ポリマーを使用することもでき、必要に応じてノニオン性あるいはカチオン性界面活性剤を使用することができるが、アニオン性ポリマーか、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0032】
また、本発明の色素を適当な溶媒中で溶解させた後、本発明の色素の貧溶媒を添加して微結晶を析出させてもよく、この場合にも前記の分散用界面活性剤を用いてもよい。或いは、溶媒中でpHをコントロールさせることによってまず溶解させ、その後、pHを変化させて微結晶化させてもよい。
分散物中の本発明の染料は、平均粒径が0.005μmから10μm、好ましくは0.01μmから1μm、更に好ましくは0.01μmから0.5μmであり、場合によっては0.01μmから0.1μmであることが好ましい。また、該染料の微粒子は単分散されていることが好ましい。
【0033】
一般式(I)の染料の分散の際には、染料固体に何の前処理も施さず、そのまま分散しても良い。このとき好ましくは、該染料の合成過程において得られる湿潤状態にある染料固体を分散に用いるのが良い。
また、必要に応じて、分散前及び/又は分散後に加熱処理を行ってもよく、より有効に加熱処理を行うには、少なくとも分散後に加熱処理を行うことが好ましい。
加熱方法は、染料固体に熱が加われば特に制限はなく、温度は40℃以上が好ましく上限は染料が分解しない範囲であれば何度でもよく、好ましくは250℃以下である。さらに好ましくは50℃〜150℃である。
加熱時間は染料が分解しない範囲であれば特に制限はなく、15分〜1週間、好ましくは1時間〜4日である。
有効に加熱処理を行うために、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒の種類としては、一般式(I)の染料を実質的に溶解しないものであれば制限はなく、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロビルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン類)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン)等を挙げることができる。
【0034】
加熱処理時に有機カルボン酸類を共存させると、本発明の課題をより有効に解決することができる。有機カルボン酸としては、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、カルボキシメチルセルロース類(CMC)、アリールカルボン酸類(例えば、安息香酸、サリチル酸)等を挙げることができる。
有機カルボン酸類の量は、溶媒として用いる場合には一般式(I)の色素の重量の0.5〜100倍量を用いることができる。有機カルボン酸類以外の溶媒を用いて有機カルボン酸を添加して用いる場合には、一般式(I)の色素に対して0.05〜100%の重量比で用いることができる。
【0035】
一般式(I)で表される染料は、効果のある任意の量を使用できるが、光学濃度が0.05乃至3.0の範囲になるように使用するのが好ましい。添加量としては0.5mg/m2〜1000mg/m2が好ましく、より好ましくは1mg/m2〜500mg/m2である。添加時期は塗布される前のいかなる工程でもよい。
一般式(I)で表される染料は、乳剤層やその他の親水性コロイド層(中間層、保護層、アンチハレーション層、フィルター層、バック層等)の何れにも用いることが出来、単一の層に用いても複数の層に用いてもよい。
【0036】
親水性コロイドとしては、ゼラチンが代表的なものであるが、その他写真用に使用しうるものとして従来知られているものはいずれも使用できる。
本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀が好ましい。
本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体のような規則的(regular)な結晶形を有するもの、球状、板状などのような変則的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複合形をもつものである。また種々の結晶形の粒子の混合から成るものも使用できるが、規則的な結晶形を使用するのが好ましい。
ハロゲン化銀粒子、写真乳剤、その製法、結合剤または保護コロイド、硬膜剤、増感色素、安定化剤またはカブリ防止剤等については特開平3−238447号公報(18)頁左下欄18行目〜同公報(20)頁左下欄17行目に記載の内容をそのまま本願発明に適用できる。
【0037】
感光材料は塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性改良(たとえば現像促進、硬調化、増感)などの種々の目的で一種以上の界面活性剤を含んでもよい。
感光材料は、フィルター染料として、またはイラジエーションもしくはハレーション防止その他種々の目的のために親水性コロイド層の中に本発明以外の染料を含有してもよい。このような染料として、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、アントラキノン染料、アゾ染料が好ましく使用され、この他にシアニン染料、アゾメチン染料、トリアリールメタン染料、フタロシアニン染料も有用である。これらの染料は水溶性の場合には水に溶解して添加することができ、水に溶けにくい場合には固体微粒子分散体として添加することができる。油溶性染料を水中油滴分散法により乳化して親水性コロイド層に添加することもできる。
【0038】
多層多色写真感光材料、支持体、写真乳剤層の塗布方法、感光材料の露光手段、感光材料の写真処理等については特開平3−238447号公報(20)頁右下欄14行目〜同公報(27)頁右上欄2行目までの記載の内容を適用することができる。
【0039】
【実施例】
[実施例1]
平板状粒子の調製
水1リットル中に臭化カリウム6g、ゼラチン7gを添加し55℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4.00g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。次にゼラチン18.6gを添加した後70℃に昇温して硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7ccを添加、そのままの温度で10分間物理熟成したのち100%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸銀153gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分かけて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶液15ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成したのち35℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.10μm、厚み0.165μm、直径の変動計数18.5%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。
【0040】
この後、沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調製した。
この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。
まず二酸化チオ尿素0.043mgを添加し22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン20mgと下記の増感色素を400mg添加した。さらに塩化カルシウム0.83gを添加した。引き続きチオ硫酸ナトリウム1.3mgと下記のセレン化合物2.7mgと塩化金酸2.6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加し40分後に35℃に冷却した。
こうして平板状粒子T−1を調製完了した。
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
塗布試料の調製
T−1のハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液とした塗布試料を作製した。
【0044】
【0045】
【化13】
【0046】
表面保護層は各成分が下記の塗布量となるように調製準備した。
【0047】
【0048】
【化14】
【0049】
支持体の調製
(1)下塗装用染料D−1の調製
本発明の染料(21)を下記記載の方法でボールミル処理した。
水434mlおよびTritonX−200界面活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを2リットルのボールミルに入れた。染料(21)20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ400ml(2mm径)を添加し内容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は直径0.05〜1.20μmにかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.39μmであった。
さらに、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。
こうして染料分散物D−1を得た。
【0050】
(2)支持体の調製
二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(下記構造の染料を0.04wt%含有)上にコロナ放電処理をおこない、下記の組成により成る第1下塗液を塗布量が5.1cc/m2となるようにワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃にて1分間乾燥した。
【0051】
【化15】
【0052】
【0053】
【化16】
【0054】
次に反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。
【0055】
上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により150℃で塗布・乾燥した。
【0056】
【0057】
【化17】
【0058】
写真材料の調製
準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し出し法により両面に塗布、写真材料1−1とした。また、写真材料1−1において第2の下塗層中の固体微粒子分散物を第1表に記載の各染料に変えたものを調製し、写真材料1−2〜1−9とした。
片面当りの塗布銀量は1.75g/m2とした。
第1表には、塗布膜及びDMF中における染料の吸収を示す。
【0059】
【表1】
比較染料1〜3を以下に示す。比較染料1は特開昭64−40827号公報に記載の化合物であり、比較染料3は特開平3−223747号公報に記載の化合物である。
【0060】
【化18】
【0061】
<写真性能の評価>
写真材料に、富士写真フィルム(株)GRENEX オルソスクリーンHR−4をカセッテを使用して片側に密着させ、X線センシトメトリーをおこなった。露光量の調整は、X線管球とカセットとの距離を変化させることによりおこなった。露光後、下記の現像液と定着液にて自動現像機処理をおこなった。感度は写真材料1−9を100とした相対感度で示した。
<鮮鋭度(MTF)の測定>
前記(但し両側にHR−4スクリーンを貼った)のカセッテと自動現像機処理の組み合わせでのMTFを測定した。30μm×500μmのアパーチュアで測定し、空間周波数が1.0サイクル/mmのMTF値を用いて光学濃度が1.0の部分にて評価した。
【0062】
<残色の測定>
未露光フィルムを前記の自動現像処理をおこなったのちマクベス・ステータスAフィルターを通して緑色透過濃度を測定した。一方未下塗の青色染色ポリエチレンテレフタレート支持体の緑色透過濃度を測定し、この値を引いた正味の値を残色濃度値として評価した。
【0063】
この実験に用いた自現機は、富士写真フィルム社製自現機FPM−9000型を改造して乾燥部に赤外乾燥を用いたものであり、その処理工程は下記第2表の通りである。1日の感材平均処理量は四切サイズ換算で約200枚である。
【0064】
【表2】
【0065】
処理液およびその補充については次の通りである。
【0066】
<現像処理>
濃縮液の調製
【0067】
【0068】
パーツ剤B
ジエチレングリコール 525g
3−3’−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g
氷酢酸 102.6g
5−ニトロインダゾール 3.75g
1−フェニルー3−ピラゾリドン 65g
水を加えて 750ml
【0069】
パーツ剤C
グルタールアルデヒド(50wt/wt%) 150g
臭化カリウム 15g
メタ重亜硫酸カリウム 105g
水を加えて 750ml
【0070】
【0071】
処理液の調製
上記現像液濃縮液を下記の容器に各パーツ剤毎に充填した。この容器はパーツ剤A、B、Cの各部分容器が容器自身によって一つに連結されているものである。
【0072】
また、上記定着液濃縮液も同種の容器に充填した。
【0073】
まず、現像槽内にスターターとして、酢酸54gと臭化カリウム55.5gを含む水溶液300mlを添加した。
【0074】
上記処理剤入容器を逆さにして自現機の側面に装着されている処理液ストックタンクの穿孔刃にさしこんで、キャップの封止膜を破り、容器内の各処理剤をストックタンクに充填した。
【0075】
これらの各処理剤を下記の割合で自現機の現像槽、定着槽に、それぞれ自現機に設置されているポンプを作動して満たした。
【0076】
また、感材が四切サイズ換算で8枚処理される毎にも、この割合で、処理剤現役と水とを混合して自現機の処理槽に補充した。
【0077】
現像液
パーツ剤A 55ml
パーツ剤B 10ml
パーツ剤C 10ml
水 125ml
pH 10.50
【0078】
定着液
濃縮液 80ml
水 120ml
pH 4.62
【0079】
水洗槽には水道水を満たした。
結果を第3表に示した。
【0080】
【表3】
【0081】
比較染料に比べ、本発明の染料を用いることにより、感度の低下が少なく、鮮鋭度がすぐれしかも残色の少ない写真材料が得られることがわかる。
【0082】
実施例2
(乳剤Aの調製)
0.13Mの硝酸銀水溶液と、0.04Mの臭化カリウムと0.1Mの塩化ナトリウムを含むハロゲン塩水溶液に、(NH4)3RhCl6とK3IrCl6を加え、塩化ナトリウムと1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオンを含有するゼラチン水溶液に、攪拌しながら43℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均粒子サイズ0.15μm、塩化銀含有率70モル%の塩臭化銀粒子を得ることにより核形成を行った。続いて同様に、0.87%の硝酸銀水溶液と0.26Mの臭化カリウムと0.65Mの塩化ナトリウムを含むハロゲン塩水溶液をダブルジェット法により20分間かけて添加した。その後常法に従ってフロキュレーション法により水洗し、ゼラチン40gを加え、pH6.5、pAg7.5に調製し、さらに銀1モルあたりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム20mg、チオ硫酸ナトリウム5mgおよび塩化金酸8mgを加え、60℃で75分間加熱し、化学増感処理を施し、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a−7−テトラアザインデン150mgを加えた。得られた粒子は、平均サイズ0.26μm、塩化銀含量70モル%、銀1モルあたりRh化合物を1×10−7モル、Ir化合物を5×10−7モル含有する塩臭化銀立方体粒子を得た。(変動係数10%)
【0083】
染料分散物の調製
染料2.5g、界面活性剤(商品名:トリトンX−200、Rohm&Hass社製)の4.3%水溶液10.3gおよび水50.5gをあらかじめ攪拌混合し、直径0.8mm〜1.2mmのジルコニアビーズ40ccの入ったアイガーモーターミル(M−50、アイガージャパン社製)に入れて、回転数5000r.p.mにて分散し、粒子サイズ1μm以下の染料の微結晶分散物を得た。得られた染料の微結晶分散物50g、ゼラチン1.8gおよび水13.3gを、40℃にて攪拌混合し、本発明の写真感光材料の調製に供した。
【0084】
(写真感光材料2−1〜2−10の作成)
乳化層塗布液
乳剤Aに下記の増感色素−1の0.05%メタノール溶液を銀1モルあたり30mg加えた。さらに強色増感および安定化のために、4,4−ビス(4,6−ジナフトキシピリミジン−2−イルアミノ)−スチルベンジスルホン酸ジナトリウム塩と2,5−ジメチル−3−アリルベンゾチアゾールヨード塩を銀1モルに対し、それぞれ300mgと450mg加えた。
【0085】
【化19】
【0086】
乳剤層
ゼラチン 1.6g/m2
塗布銀量 3.4g/m2
ハイドロキノン 0.1g/m2
ポリエチレンアクリレートラテックス 0.4g/m2
2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 86mg/m2
【0087】
染料層−1
ゼラチン 0.5g/m2
染料 種類および量は第4表に記載
粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート 60mg/m2
粒径10μmのコロイダルシリカ 70mg/m2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 38mg/m2
染料層−2
ゼラチン 0.5g/m2
染料 種類および量は第4表に記載
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 17mg/m2
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 44mg/m2
2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 33mg/m2
【0088】
【化20】
【0089】
以上の塗布量にて支持体上に染料層−2、乳剤層、染料層−の順(支持体側から)なるように多層同時塗布して写真感光材料2−1〜2−10を作成した。
【0090】
なお本実施例で使用したベースは下記組成のバック層およびバック保護層を有する。
〔バック層〕
ゼラチン 2.0g/m2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2
1,3−ジビニルスルホン−2−プロパノール 60mg/m2
〔バック保護層〕
ゼラチン 0.5g/m2
粒径4.7μmポリメチルメタクリレート 30mg/m2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2
含フッ素界面活性剤 2mg/m2
シリコーンオイル 100mg/m2
【0091】
写真性能の評価
得られた試料を、40℃、80%RHの条件で3日間保存した後、780nmに発光ピークを持つ半導体レーザーを用いて、スキャンニング露光をおこなった。露光時間は、10−7sec/spotに相当する。続いて、富士写真フィルム(株)製自動現像機FG−710NHを用いて、下記に示した温度および時間でセンシトメトリーを行なった。
【0092】
現 像 38℃ 14秒
定 着 37℃ 9.7秒
水 洗 26℃ 9秒
スクイズ 2.4秒
乾 燥 55℃ 8.3秒
合 計 43.3秒
用いた現像液及び定着液の組成は下記の如し。
〔定着液処方〕
チオ硫酸アンモニウム 210g
亜硫酸ナトリウム(無水) 20g
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 0.1g
氷酢酸 15g
水を加えて 1リットル
(アンモニア水でpH=4.8に合わせる)
【0093】
濃度3.0を与える露光量の対数を感度とし、保存前の試料を同様の処理を行ったものとの感度差を減感度として求め、第4表に示した。
【0094】
残色の評価
未露光フィルムについて、前記の自動現像処理をおこなった。得られたサンプルの残色を支持体と比較し、その残色が実用上問題がなければ、第4表には「○」で示した。残色にやや問題がある、あるいは問題がある場合には、第4表にそれぞれ「△」、「×」で示した。
【0095】
【表4】
【0096】
第4表から、本発明の染料を添加した試料(2−1、2−4)は公知の染料を添加した比較試料(2−6〜2−7,2−9)に比べ、保存試料においても減感が少なく、優れた染料であることがわかる。また、公知の染料を添加した比較染料(2−6,2−8〜2−9)が青みの残色を有していたのに対して、本発明の染料を添加した試料は、実用上問題のないレベルであり、脱色性の点でも本発明の染料が優れていることがわかる。また、染料を添加した試料は、染料を添加していない試料(2−10)に比べいずれも鮮鋭度が優れていた。
【0097】
実施例3
両面に下引き層を塗布した厚さ180μのポリエチレンテレフタレート支持体の一方の面に、次のバック層と表面保護層を塗布した。
(バック層)
ゼラチン 2.7 g/m2
染料の固体微粒子分散体(表5に示す) (塗布量は表5に記載)
ポリスチレンスルホン酸ソーダ 0.1 g/m2
N,N’−エチレンビス−(ビニルスルホンアセトアミド) 0.06g/m2
比較のため、下記の染料の固体微粒子分散体A,Bを用いた。なお、染料Aは特願平4−220424号明細書記載のNo.6であり、染料Bは同明細書記載のNo.12である。
【0098】
【化21】
【0099】
(バック層の表面保護層)
ゼラチン 0.5g/m2
ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3μ) 20mg/m2
t−オチクルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ 50mg/m2
C8F17SO2N(C3H7)CH2COOK 5mg/m2
C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15−H 2mg/m2
支持体の他方の面に、以下の乳剤層と保護層を塗布した。
【0100】
(乳剤層)
次のようにハロゲン化銀乳剤を調製した。
H2O 1リットルにゼラチン40gを溶解し、53℃に加温された容器に塩化ナトリウム6g、臭化カリウム0.4g、及び下記の化合物(I)を60mg入れた後、100gの硝酸銀を含む水溶液600mlと、臭化カリウム56g及び塩化ナトリウム7gを含む水溶液600mlとをダブルジェット法により添加して、塩化銀20モル%のコア部を作り、その後100gの硝酸銀を含む水溶液500mlと、臭化カリウム13g、塩化ナトリウム27g、およびヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(10.7モル/モル銀)を含む水溶液500mlとをダブルジェット法により添加して、塩化銀80モル%のシェル部を形成させ、平均粒子サイズ0.20μmのいわゆるコア/シェル型の立方体単分散塩臭化銀粒子を調製した。
【0101】
【化22】
【0102】
この乳剤を脱塩処理後、ゼラチン40gを加え、pH6.0、pAg8.5に合わせてトリエチルチオ尿素2mgと塩化金酸4mgおよび4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.2gを加えて60℃で化学増感を施した(乳剤A)。
【0103】
乳剤塗布液の調製と塗布を次のように行った。
乳剤Aを850g秤取した容器を40℃に加温し、以下に示す方法で添加剤を加え乳剤塗布液とした。
(乳剤塗布液処方A)
イ.乳剤A 850g
ロ.下記の分光増感色素(II) 1.2×10−4モル
ハ.強色増感剤(III) 0.8×10−3モル
ニ.保存性改良剤(IV) 1×10−3モル
ホ.ポリアクリルアミド(分子量4万) 7.5g
ヘ.トリメチロールプロパン 1.6g
ト.ポリスチレンスルホン酸Na 2.4g
チ.ポリ(エチルアクリレート/メタクリル酸)のラテックス 16g
リ.N,N’−エチレンビス−(ビニルスルフォンアセトアミド) 1.2g
この塗布液を塗布銀量が2.5g/m2およびゼラチン塗布量が1.2g/m2となる様塗設した。
【0104】
【化23】
【0105】
【0106】
この様にして得られた試料を25℃60%RHの雰囲気下で10日間保存した後、以下の評価の実施した。
【0107】
(残色の評価)
4つ切りサイズの試料をNRN自動現像機(富士写真フィルム(株)製)で次の条件で現像処理した。なお、サンプルは、連続して50枚通した。50枚目を使用した。
現 像 RD−10(富士写真フィルム(株)製) 35℃
定 着 RF−10( 〃 ) 35℃
ドライヤー 55℃
処理時間 Dry ro Dry 30秒
得られた処理済みフィルムを、処理直後および、50℃80%RHの湿熱条件下に3日保存した後、それぞれ目視観察し、残色の程度を評価した。
ランク1:残色が認められない。
ランク2:残色が認められるが実用上問題にならないレベル。
ランク3:実用上問題になるレベル。
結果を表5に示した。
本発明のサンプルは、残色がなく、処理後の保存性も良好で、あった。
【0108】
(センサー検知性の評価)
試料を各10枚自動現像機のフィルム挿入口より挿入し検出されたかどうかをテストした。
この自動現像機はフィルム挿入口に一対の赤外線発光素子(第1図参照)と受光素子(第2図参照)を持ち、挿入された試料が赤外線を十分に遮断することによって試料の挿入を認識し、それによって搬送ローラーが始動してフィルムを現像槽へと搬送する機構になっている。
10枚中検知された枚数でセンサー検知性を評価した。数値が大きいほど好ましい。結果を表5に示した。比較サンプルI−6は全く検知されないのに対して本発明のサンプルは検知能が高い。
【0109】
【表5】
【0110】
なお、いずれのサンプルの場合も、現像液の汚れは、問題にならないレベルであったが、特に本発明のサンプルの場合汚れが少なかった。
【0111】
実施例4
両面に下引き層を塗布した厚さ180μのポリエチレンテレフタレート支持体の一方の面に、次のバック層と表面保護層を塗布した。
【0112】
支持体の他方の面に、次の乳剤層と保護層を塗布した。
(1)ハロゲン化銀乳剤の調製
ゼラチンと臭化カリウムと水が入った55℃に加温された容器に液当量のアンモニアを入れた後、反応容器中のpAg値を7.60に保ちつつ硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液とをダブルジェット法により添加して平均粒子サイズが0.55μの単分散臭化銀乳剤粒子を調製した。この乳剤粒子は、平均粒子サイズの±40%以内に全粒子数の98%が存在していた。この乳剤を脱塩処理後、pHを6.2,pAgを8.6に合わせてからチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸とにより金属・硫酸増感を行ない所望の写真を得た。
この乳剤の(100)面/(111)面比率をクベルカムンク法で測定したところ98/2であった。これを乳剤Bと命名した。
(3)乳剤塗布液の調製
乳剤Aを1g秤取し、40℃に加温溶解後、近赤外域増感色素構造式S−1のメタノール溶液(9×10−4モル/リットル)を70ml、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン水溶液、塗布助剤ドデシルベンゼンスルフォン酸塩の水溶液、増粘剤ポリポタシウム−p−ビニルベンゼンスルフォネート化合物の水溶液を添加して乳剤塗布液とした。
【0113】
【化24】
【0114】
(4)感材層の表面保護層様塗布液の調製
40℃に加温された10wt%ゼラチン水溶液に、増粘剤ポリエチレンスルフォン酸ソーダ水溶液、マット剤ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ3.0μm)、硬膜剤N,N’−エチレンビス−(ビニルスルフォニルアセトアミド)、塗布助剤t−オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸ナトリウム水溶液、帯電防止剤としてポリエチレン系界面活性剤水溶液および下記構造の含フッ素化合物の水溶液とを添加して塗布液とした。
C8F17SO2N(C3H7)CH2COOK および C8F17SO2N(C3H7) (CH2CH2O)15−H
乳化塗布液と表面保護塗布液を同時重層塗布を行った。乳剤層は塗布銀量が2.9g/m2、表面保護層は、ゼラチン量で1.3g/m2であった。
【0115】
これらの試料をそれぞれ、画像露光/自動現像装置で使用して、下記露光、現像、定着、水洗、乾燥の処理を行った。
露光は780nmの波長の半導体レーザーを用いて10−7秒のスキャンニング露光を行った。
露光後の現像および定着は、下記の現像液と定着液にて用いた。そして標準現像温度35℃で定着、水洗、乾燥を含めて70秒の処理を行った。
その結果、いずれのサンプルも、高い鮮鋭度の画像が得られた。また、残色の評価でも、いずれも良好であった。センサー検知性も、いずれも10枚と良好であった。
【0116】
【表6】
【0117】
【0118】
定着液
チオ硫酸アンモニウム 140g
亜硫酸ナトリウム(無水) 15g
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩 0.025g
氷酢酸でpH5.1に調製する。
水を加えて全量を1リットルにする。
【0119】
【発明の効果】
一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を用いることにより、感度低下が小さく、かつ鮮鋭度のすぐれ、しかも残色の小さいハロゲン化銀写真感光材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で用いた自現機のフィルム挿入口における赤外線発光素子の分光感度特性を表わす。横軸は波長域を表わし、縦軸はセンサー相対輝度を表わす。
【図2】実施例3で用いた自現機のフィルム挿入口における赤外線受光素子の分光感度特性を表す。
Claims (4)
- 一般式(I)において、R2およびR4がアルキル基又はフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の固体微粒子分散物。
- 平均粒径が0.005乃至10μmであることを特徴とする請求項1に記載の固体微粒子分散物。
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