【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホール素子等の位置検知素子を用いることなく、センサレスで駆動可能とした永久磁石モータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の永久磁石モータ、例えば、ブラシレスモータをホール素子などの位置検知素子を用いることなく駆動する場合は、回転駆動中のモータの電機子巻線に生じる速度起電力と界磁の位置との相関に着目して、前記速度起電力によりモータの転流タイミングを決定していた。特公平7−63232号公報には、この速度起電力に基づいて、特に、単相のブラシレスモータをセンサレスで駆動する技術が記載されている。
【0003】
しかしながら、転流タイミングを決定するための速度起電力は、モータの電機子巻線電圧を利用して検出せざるを得ないので、特に、単相モータでは180度通電を行うことができなかった。このため、単相モータでは、始動時に回転子に対して大きなトルクを与えることができず、始動後短時間のうちに該モータを高速回転させることができなかった。また、単相モータに限らず、高負荷トルク時には、通電切替に伴う電機子電流の還流作用による転流スパイク電圧が増大するので、検出される速度起電力情報に大きな誤差が生じてしまい、その結果、界磁磁極位置の推定に大きなズレが生じて、転流タイミングを適切に決定することができなかった。
【0004】
そこで、本願出願人は、特開平9−37586号に記載するブラシレスモータのセンサレス駆動回路を発明した。かかるモータ駆動回路は、モータ各相の電機子電流波形に着目して、各相の通電領域にあらわれる2つの顕著な電流増加領域のうち第2の電流増加領域を検出して、これを転流タイミングと決定し、転流制御を行うものである。よって、このモータ駆動回路では、速度起電力によらず、電機子電流に基づいて転流タイミングを決定しているので、単相モータであっても180度通電を行うことができ、また、高負荷トルク時でも適切に転流タイミングを決定することができるという優れた点を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるモータ駆動回路では、上記第2の電流増加領域を、モータの電機子電流の瞬時値が電機子電流の平均値の所定倍(例えば1.2倍)になったことを目安として検出している。よって、第2の電流増加領域の検出のためには、電機子電流を平均化する回路と、その平均化された電機子電流を所定倍に増幅する回路とが必要になり、回路コストが上昇してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、前述の問題点を解決するようにしたもので、永久磁石モータの起動に際してその回転子の起動時回転方向を特定させることを可能とし、かつ、電機子電流に基づいて転流タイミングを迅速・確実に決定することができる簡素な制御回路を備えた、小形軽量で経済的な永久磁石モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の永久磁石モータは、永久磁石からなる回転子と、上部側に一対の切込部を設けて前記回転子を回転自在に挿入する回転子挿入孔を備え、下部側には分離可能な鉄心部材に電機子巻線を巻回したスケルトン形の単相ブラシレスモータを構成し、この単相ブラシレスモータの電機子巻線にインバータ回路から交番電圧を通電して該インバータ回路により転流を行わせて単相ブラシレスモータを回転させる制御回路を備えた永久磁石モータにおいて、前記制御回路は、単相ブラシレスモータの始動時に必要な始動トルクを発生させる電機子電流を電機子巻線に流して単相ブラシレスモータを始動させる始動補償回路と、この始動補償回路と前記インバータ回路との間に介挿されて単相ブラシレスモータの電機子巻線に流れる通電電流を検出する一対のシャント抵抗からなる電流検出回路と、前記電流検出回路により検出した検出電流をインバータ回路に負帰還させる帰還回路と、一対の電界効果トランジスタを具備して構成したインバータ回路とからなり、前記インバータ回路を構成する一対の電界効果トランジスタには、該電界効果トランジスタのドレイン電流を検出する前記電流検出回路の一方を接続するとともに、電流検出回路の他方を始動補償回路と接続して単相ブラシレスモータを始動させる通電電流の検出手段を構成し、この検出手段にて検出したインバータ回路の一方の電界効果トランジスタのドレイン電流により単相ブラシレスモータを始動するようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明の永久磁石モータは、電機子巻線に流れる電機子電流の急増領域を検出し、インバータ回路に転流を行わせる制御回路を備え、即ち、前記電機子電流の急増領域の現出を転流タイミングとして設定し、永久磁石モータの転流を行わせて、永久磁石モータの始動(起動)→回転(駆動)を円滑に行わせるようにしたもので、これは、前記制御回路に、転流周期を、特定方向に流れる起動電流を検出して永久磁石モータの始動時には、始動トルクを発生させるために充分に長くし、始動後は逆に短くするための始動補償回路を具備させたことにより、始動時のトルクを十分に得ることができる。
【0014】
又、永久磁石モータの固定子鉄心は、回転子との間で空隙に差異をつけることにより、停止時、特定位置に停止させるべくコギングトルクの誘発を容易となし、かつ、磁束の通電時と非通電においては、回転子に傾きを付与させることにより、特定方向(事前に設定した回転方向)にのみ回転しやすいように構成されているので、始動時、少しばかり逆方向に回転したとしても、容易に正常な回転方向に駆動させることができる。これは、前記固定子鉄心に形成した空隙の差異と、インバータ回路を構成する一対の電界効果トランジスタのドレイン電流を、個々にシャント抵抗を備えた電流検出回路にて検出するものの、前記電界効果トランジスタの一方のドレイン電流のみによって作動するように構成した始動補償回路とによる相乗効果によって、始動時は電機子巻線の特定コイルからのみ通電されることにより、回転子を起動させるようにしたので、前記回転子は常に一定の通電極性での起動が可能となり、これによって、永久磁石モータを単相モータでありながら、特定の方向にのみ回転させることができ、利便である。
【0015】
しかも、前記永久磁石モータを起動させる制御回路は、前記のように、起動時において、回転子の位置決め制御を行うための回路が不要となるため、回路構成が簡素化できるとともに、その製作コストの低減が図れ、ローコストの永久磁石モータの提供が可能となる。しかも、インバータ回路に電界効果トランジスタを使用することにより、電流の負帰還が可能となることで過電流時の保護作用が働きインバータ回路を良好に保護することができる。その上、前記インバータ回路には転流を行わせるとき、電界効果トランジスタのゲート電圧条件の安定化が図れることによってインバータ回路の動作のバラツキが少なくなり、これにより、制御回路の製造上の歩留りが改善でき、その生産性を著しく向上させることができるという利点もある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の永久磁石モータを単相ブラシレスモータ(以下、単相モータと称する)に実施した例を図1ないし図3によって説明する。図1において、単相モータ1は図の上部側に回転子2を回転自在に挿入するための回転子挿入孔3を有し、図の下部側には、分離可能な鉄心部材4を介して電機子巻線5を巻装した固定子鉄心6と、永久磁石からなる前記回転子2からなり、固定子鉄心6は電磁鋼板を打抜き、所定の積厚に積層して形成し、又、回転子2は、例えば、磁性粉末を合成樹脂粉末と混合し、これを射出成型手段等により射出成形して形成した、プラスチックマグネットロータ(以下、単に回転子と称する)であり、この回転子2と前記固定子鉄心6とを組合せて、スケルトン形の単相モータ1を構成している。
【0017】
そして、前記固定子鉄心6には、図1に示すように、回転子挿入孔3の外側において、回転子挿入孔3の周縁に例えば、約180°の角度間隔を保って、一対の平面形状がU字状をなす切欠部7a,7bが、前記回転子挿入孔3と連通することなく狭隘な狭幅部(磁路)A,Bを有して形成されている。前記狭幅部A,Bを形成するのは、電機子巻線5が磁化されていないときに固定子鉄心6に流れる磁束(回転子2により生じる)を前記隘路A,Bに集中させ、回転子2に所要の磁極を形成させるためのものであり、固定子鉄心6に流れる磁束は、隘路A,Bにおいて集中するものの、均等に割り振りされて前記回転子2に流れることにより、回転子2の起動時における例えば、位置決め動作に貢献するものである。
【0018】
又、前記固定子鉄心6の回転子挿入孔3の周縁には、図1で示すように、前記切欠部7a,7bとは例えば、約90°の角度間隔を保って回転子挿入孔3と連通可能となした一対の切込部8a,8bが、互いに相対向して約60°の角度範囲を保って弧状に形成されている。この切込部8a,8bが存在する回転子挿入孔3の部位は、前記狭幅部A,Bが存在する回転子挿入孔3の部位より広く形成されているので、固定子鉄心6に流れる磁束は、前記切込部8a,8bの存在による磁気抵抗の増加により流れが抑制され、回転子2はその磁化が最も弱体化している永久磁石のN極とS極との境界部分aが、前記切込部8a,8b間のほぼ中央の位置で停止させることができる。
【0019】
前記固定子鉄心6にU字状の切欠部7a,7bと弧状の切込部8a,8bをそれぞれ設けることは、回転子2を始動位置に導いたり、所定位置に停止させるためのもので、この点は、公知の有限要素法の磁場解析によるコギングトルク解析によって確認することができた。特に、切欠部7a,7bの存在は、この切欠部7a,7bと回転子挿入孔3との間に形成される狭幅部A,Bに磁束が集中する結果、回転子2をその停止位置から始動位置近くまで良好に微動させることが可能となり、これが回転子2の回転方向を特定する上で大いに貢献しているものと思われる。
【0020】
前記の点を更に詳述すると、固定子鉄心6は電機子巻線5への通電により鉄心部材4が直流磁化されると、固定子鉄心6に、例えば図1において右方向(時計方向)に沿って磁束が流れる。この結果、回転子2の磁極は固定子鉄心6に流れる磁束に対して整列しやすい方向に位置を変え(回転す)ることになるが、これを、即ち、回転子2の回転を始動時において急激に行うと、回転子2自体がいづれの方向に回転するのか不明となる。このため、固定子鉄心6の鉄心部材4を、比較的高い周波数で交流磁化させ、かつ、直流成分を上乗せすることにより、固定子鉄心6を少しだけ直流磁化させて回転子2の回転方向を特定させるものである。
【0021】
又、前記固定子鉄心6に形成した切欠部7a,7bにより、この切欠部7a,7bと回転子挿入孔3との間に形成される狭幅部A,B及び狭幅部A,Bと90°離れた位置に設けた切込部8a,8bの存在によって前記回転子2が、電機子巻線5への非通電時においては、図1で示す回転子2の境界部分aが切込部8a,8bを結ぶ線と一致する地点(図1に示すX−Xから偏角θ傾いた図6(a),(c)に示す状態、なお、図6(c)に示す回転子2は図6(a)に示す回転子2に対して永久磁石のN極とS極とが逆になっている)で停止することができるように、固定子鉄心6は構成されている。なお、この現象は有限要素法の磁場解析によるコギングトルク解析により確認することができた。
【0022】
又、電機子巻線5は、例えば、固定子鉄心6の鉄心部材4のみに巻装された一組の中間子付巻線(センタタップ巻線)より構成され、2つの端子e,fと中間端子gとの計3つの端子を備えている。また、その巻線仕上げは、2本の導線を束ねて同時に巻く、いわゆる「パイファイラ巻き」により行われている。なお、界磁を固定子に電機子巻線を回転子としたスリップリング付きモータや、埋め込み磁石形のモータに、この駆動回路を用いても良い。また、単相モータの場合には、中間タップがあれば良く、必ずしもパイファイラ巻きである必要は無い。
【0023】
次に、本発明の単相モータ1を駆動制御するセンサレス方式の制御回路11について説明する。図2,3において、前記制御回路(以下モータ駆動回路という)11は、大別すると、インバータ回路12と、電流検出回路13と、帰還回路14と、始動補償回路15とを備えて概略構成されている。このモータ駆動回路11には、10〜30ボルトの直流電圧を出力可能な直流電源50が接続され、そのプラス側入力端Pは、ダイオードD1 のアノードに接続されている。このダイオードD1 は、単相モータ1の転流動作時に発生する逆起電力による還流電流が直流電源50に流れ込むのを防止する。
【0024】
又、ダイオードD1 のカソードは、前記還流電流を充電するコンデンサC1 (50V、100μF)のプラス側端子に接続され、そのコンデンサC1 のマイナス側端子は、直流電源50のマイナス側入力端Nに接続されている。なお、還流電流をコンデンサC1 に充電することは、モータ駆動回路11から外部に発振される電磁ノイズ(ElectroMagnetic Interference)の量の減少を図るとともに、直流電源50と端子PN間の配線抵抗での電力損失の低減及び還流電流の再利用による電力利用率の向上(効率)を図るためのものである。
【0025】
前記ダイオードD1 のカソードは、単相モータ1の中間端子gに接続され、単相モータ1の端子e,fは、インバータ回路12に接続されている。インバータ回路12は、無安定マルチバイブレータ動作(自励発振動作)を行って、単相モータ1の各コイルL1 (g−e巻線),L2 (g−f巻繰)に、交互に直流電圧を印加するための回路である。このインバータ回路12は、電界効果トランジスタ(以下、FETという)Q1 ,Q2 と、10kΩの抵抗R1 ,R2 ,R3 ,R4 とを備えて構成されている。
【0026】
前記インバータ回路12の両FETQ1 ,Q2 のドレイン端子は、単相モータ1の両端子e,fにそれぞれ接続されるとともに、抵抗R1 ,R2 を介して、それぞれ他方のFETQ2 ,Q1 のゲート端子に交叉接続されている。又、FETQ1 ,Q2 のゲート端子とソース端子との間には抵抗R3 ,R4 が接続されている。この接続により、一方のFETのオンにより他方のFETがオフするという、即ち、オン・オフ動作が順次繰り返される、所謂、無安定マルチバイブレータ動作(自励発振動作)が行われる。
【0027】
次に、前記インバータ回路12の無安定マルチバイブレータ動作について説明する。図4は負荷時における各電流・電圧波形を示すもので、その電圧基準はFETQ1 ,Q2 のソース端子の点Eとしている。
【0028】
直流電源50の投入により、例えば、FETQ1 がオンし、FETQ2 がオフしたとすると、図4に示すように、コイルL1 を介して電流が流れ(31)、FETQ1 のドレイン電流が増加する(32)。やがて前記ドレイン電流がFETQ1 のゲート電圧とコンダクタンスとで定まる飽和電流値に達すると(33)、FETQ1 のドレイン電流の増加率が低下し、FETQ1 のドレイン・ソース間電圧が上昇し始める。FETQ1 のドレイン電圧がソース端子を基準にして5ボルト付近に達すると、抵抗R1 を介して、FETQ2 にゲート電圧が加わりFETQ2 がオンを開始する(35)。このFETQ2 のオンに伴って、FETQ2 のドレイン電圧が低下し、抵抗R2 とR3 の分圧によってFETQ1 に供給されるゲート電圧も減少する。
【0029】
このゲート電圧の減少とともに、FETQ1 の飽和電流値も減少するので、FETQ1 のドレイン電流が更に減少する(37)。これにより、FETQ1 のドレイン電圧が更に上昇し(38)、FETQ2 のゲート電圧を増加させて、FETQ2 のオンを加速する(39)。一方、FETQ2 のオンにより、FETQ2 のドレイン電圧が低下し(39)、FETQ1 のゲート電圧が更に減少して、FETQ1 のオフが加速される。このように、急速に、FETQ1 がオフ、FETQ2 がオンの状態に変化する。
【0030】
FETQ2 がオン、FETQ1 がオフとなった後は、FETQ2 のドレイン電流が飽和電流値に達するまでその状態を維持する。そして、FETQ2 のドレイン電流が飽和電流値に達すると、前記とは逆に、FETQ1 のオン、FETQ2 のオフが急速に行われ、その状態(Q1 とQ2 のオン・オフ状態)が変化する。このように、FETQ1 ,Q2 のオン・オフ動作が繰り返され、その結果、インバータ回路12は「無安定マルチバイブレータ動作」(自励発振動作)を行うのである。
【0031】
次に、13はインバータ回路12の両FETQ1 ,Q2 のソース端子と、直流電源50のマイナス側入力端Nとの間に挿設した、電流検出回路13で、この電流検出回路13は、2Ω(4W)のシャント抵抗R5 ,R6 により構成され、インバータ回路12を介して単相モータ1の電機子巻線L1 ,L2 に流れる電流(以下「電機子電流」という)を、シャント抵抗R5 ,R6 に流れるシャント電流として検出し(31)、これを電圧(31a)に変換するための回路である。この電圧変換されたシャント電流は、後述する帰還回路14によってインバータ回路12へフィードバック(帰還)され、前記した無安定マルチバイブレータ動作の発振周期を決定するものである。なお、前記シャント抵抗R5 ,R6 は、インバータ回路12のFETQ1 ,Q2 に流れる電流のバランスをとるために2個設置されている。
【0032】
前記帰還回路14は、シャント抵抗R5 ,R6 からなる電流検出回路13によって検出され電圧に変換されたシャント電流(電機子電流)を、インバータ回路12へフィードバックする回路であり、2つのダイオードD2 ,D3 と、2.2kΩの抵抗R7 と10kΩの抵抗R8 とからなり、前記抵抗R7 ,R8 は直列に接続され、抵抗R8 側の一端はシャント抵抗R5 ,R6 の電圧を増幅した電流検出回路13の出力端に接続され、抵抗R7 側の他端はダイオードD2 ,D3 のカソードに接続されている。又、ダイオードD2 ,D3 のアノードは、インバータ回路12の各FETQ1 ,Q2 のゲート端子にそれぞれ接続されている。
【0033】
この帰還回路14は、電流検出回路13、及び、ゲート抵抗R1 ,R2 と分圧抵抗R3 ,R4 とFETQ1 ,Q2 とのコンダクタンスの相互作用を利用して、電機子電流の急増領域を検出し、その急増領域でインバータ回路12による転流が行われるようにしている。又、前記電機子電流は、回転子2が固定子鉄心6に最も吸着される位置、即ち、回転子2の磁場ベクトルと、電機子巻線5への通電により生じる磁場ベクトルとが整列する位置(モータの発生トルクがゼロとなる位置)で急増する。これは、回転子2が前記位置に達することにより、発電電圧がほぼ「0」となるからである。従って、前記急増領域の現出を転流タイミングとして決定することにより、単相モータ1を適確に同期駆動(回転)することが可能となる。
【0034】
具体的には、電流検出回路13のシャント抵抗R5 ,R6 の電圧降下を、インバータ回路12の各FETQ1 ,Q2 のゲート端子へフィードバック(帰還)させることである。すると、電機子電流の急増領域では、シャント抵抗R5 ,R6 の電圧降下が大きくなる結果、その分、ゲート部分の電流が帰還回路14側へ流れることでゲート電圧が少なくなり、ドレイン電流の飽和電流値が小さくなるものの、その際、流れているドレイン電流が飽和電流値と一致すると、両FETQ1 ,Q2 のオン・オフ状態が切替えられ、転流動作が円滑に行われるためである。
【0035】
なお、かかる転流周期(タイミング)、即ち、上記したインバータ回路12の発振周期は、この帰還回路14の抵抗値により変化させることができる。具体的には、帰還回路14の抵抗値を小さくすると、インバータ回路12の発振周期が短くなり(発振周波数が大きくなり)、逆に抵抗値を大きくすれば発振周期が長くなる(発振周波数が小さくなる)。帰還回路14の抵抗値を小さくすることにより、FETQ1 ,Q2 のゲート端子への帰還量が多くなるので、電機子電流の急増を僅かに検出した場合でも、転流動作を確実に行わせることが可能となる。
【0036】
なお、単相モータ1の回転子2は、固定子鉄心6の回転子挿入孔3周縁に設けた切込部8a,8bの存在により、境界部分aが切欠部7a,7bを結ぶ線上と一致した地点でコギングトルクの作用により停止(〔段落番号18,21〕の記載参照)される。この際、回転子2のN極とS極は、図6(a)と図6(c)で示すように、互いに正反対の位置に存在しているが、これは、回転子2の磁界が弱いために生ずるもので、本発明においては、回転子2の停止時における磁石の極性は不明であるものの、回転子2は前記図6(a)と図6(c)に示すいづれかの位置で停止するように構成されている。
【0037】
つづいて、始動補償回路15について説明する。この回路15は、単相モータ1の始動時に、充分な始動トルクを発生させる上で必要な電機子電流を流して、単相モータ1の始動動作を確実に行うための回路である。従って、この始動補償回路15は、単相モータ1の始動時と始動後において帰還回路14の抵抗値を大小させ、始動時には転流周期を長くして、単相モータ1へ充分な電機子電流を流し、始動後は前記転流周期を短くして単相モータ1を高速回転させるようにしている。
【0038】
始動補償回路15は、FETQ2 のソース端子およびシャント抵抗R6 の入力端にアノードが接続されたダイオードD4 を備え、そのダイオードD4 のカソードは27kΩの抵抗R9 の一端に接続されている。一方、抵抗R9 の他端は、トランジスタQ3 のベース端子と、コンデンサC2 (220μF,10V)のプラス側端子と、47kΩのブリーダ抵抗R10の一端とに接続されている。前記トランジスタQ3 のコレクタ端子は帰還回路14の2つの抵抗R7 ,R8 間に接続され、エミッタ端子は、コンデンサC2 のマイナス側端子およびブリーダ抵抗R10の他端とともに、シャント抵抗R5 の出力端と直流電源50のマイナス側入力端Nとにそれぞれ接続されている。
【0039】
この始動補償回路15は、コンデンサC2 に所定量の電荷が蓄積されて、その端子間電圧が約0.6ボルトに達するまで、トランジスタQ3 のオフを維持し、帰還回路14の抵抗値を12.2kΩ(抵抗R7 ,R8 )という大きな値に保ち、単相モータ1の始動時における転流周期を長くしている。これにより、単相モータ1の始動後、コンデンサC2 の端子間電圧が約0.6ボルトに達するまでの間、単相モータ1の各コイルL1 ,L2 へ、始動トルクを発生させるために充分な電機子電流を流すことが可能となる。
【0040】
前記始動補償回路15は、図5において、コンデンサC2 の端子間電圧は0.6ボルト未満となっており(62),トランジスタQ3 はオフしている(63)。然るに、モータ駆動回路11の運転スイッチSを投入すると(64)、シャント抵抗R6 に通電されるタイミングで帰還回路14の抵抗値が1kΩ弱から12.2kΩと急激に大きくなる。この結果、インバータ回路12の発振周期が長くなり、単相モータ1の転流周期が長くなって、各コイルL1 ,L2 には始動トルクを発生させるために充分な電機子電流が流される。各コイルL1 ,L2 に流れる電機子電流は、そのままシャント抵抗R5 ,R6 (図5にはR5 のみ記入)を流れるシャント電流となり(65)、このシャント電流により抵抗R6 の両端電圧が、マイナス側入力端Nを基準として、約0.6ボルト以上になると(ダイオードD4 の電圧降下分以上になると)、コンデンサC2 への充電が開始され、その端子間電圧が徐々に上昇(66)して約0.6ボルトに達すると(67)、トランジスタQ3 がオン(68)して、帰還回路14の抵抗値が、12.2kΩ(抵抗R7 ,R8 )から2.2kΩ(抵抗R7 )に減少する。前記帰還回路14の抵抗値が減少すると、インバータ回路12の発振周期が前記とは逆に短くなり(69)、単相モータ1の転流周期が短くなって単相モータ1が徐々に高速回転を始める。
【0041】
このように、始動補償回路15は、コンデンサC2 の端子間電圧が約0.6ボルトに達するまでの間、単相モータ1の転流周期を長くして、各コイルL1 ,L2 へ始動トルクを発生させるために充分な電機子電流を流し、単相モータ1を確実に始動するようにしている。しかも、コンデンサC2 への充電は、シャント電流(電機子電流)に基づいて行われるので、その端子間電圧が約0.6ボルトに達するまでの時間は、固定された時間とはならず、モータの種類や直流電源50の電圧に応じて変化する時間となる。よって、モータの始動に適切な時間だけ、転流周期を長くした始動モードを維持することができる。
【0042】
次に、本発明の永久磁石モータの動作について説明する。なお、本発明において、電流検出回路13は前述したように、シャント抵抗R5 ,R6 を2個備えて構成されているが、これは、インバータ回路12の2つのFETQ1 ,Q2 に流れる電流のバランスを考慮して前記FETQ1 ,Q2 のオン・オフ制御を効率的に行うために設置したもので、本発明では、始動補償回路15のタイミング(FETQ1 ,Q2 のオン・オフの切換時期の設定)は、シャント抵抗R6 から得られる電流を利用している。従って、単相モータ1の起動は、1つのコイル,即ち、特定のコイルから起動できるように構成されている。
【0043】
単相モータ1の運転に際してモータ駆動回路11に設けた運転スイッチSを投入すると、インバータ回路12がオンするとともに、帰還回路14の抵抗値は12.2kΩと(抵抗R7 ,R8 )大きくされ、その分、インバータ回路12の転流周期が長くなって、単相モータ1の電機子巻線5の各コイルL1 ,L2 に、単相モータ1の始動トルクを発生させるために充分な電機子電流が流れる(図5の始動補償回路の動作説明図参照)。この結果、単相モータ1は徐々に始動を開始する。
【0044】
この際、単相モータ1の回転子2は、始動開始時において図6(a),(c)で示す永久磁石の極性位置に設定されている。即ち、図6(a)においては、回転子2の磁極境界部分aを固定子鉄心6の一対の切込部8a,8bを結ぶ線上に一致させた状態で、N極を下側にS極は上側にして停止しており、一方、図6(c)においては、同じく回転子2の磁極境界部分aを一対の切込部8a,8bを結ぶ線上と一致させた状態で、S極を下にN極を上側にして停止している。
【0045】
従って、単相モータ1の始動時は、その回転子2が初期状態(スタート時)において常に所定の位置(前記図6(a)又は図6(c)に示すいづれかの位置)に保持されている関係上、前記単相モータ1は、インバータ回路12のFETQ1 ,Q2 のいづれからオン動作しても、FETQ2 に流れる電流が電流検出回路13のシャント抵抗R6 により検出することにより、始めて始動を開始することになる。即ち、インバータ回路12のFETQ2 がオン動作したとき、回転子2は回転を始めるものでその起動タイミングは常に固定されている結果、常に一定の通電方向に回転する。
【0046】
前記の点を更に具体的に説明すると、例えば、回転子2が図6(a)の位置に保持されているときは、必ず左方向へ回転する。これは、回転子2の停止位置が正常なスタート位置に停止しているためのものであり、運転スイッチSの投入により特定のコイル(FETQ2 のオン動作にて通電されるコイル)に通電が行われると、固定子鉄心6は図6(a)に示す矢印L方向(左方向)に磁化されることによって、回転子2を同図に示す矢印方向(反時計方向)に回転させる。回転子2は回転を始めれば、図6(b),(e)〜(h)の順で左方向への回転を続行する。
【0047】
一方、回転子2の極性が図6(c)で示すように、図6(a)に対して極性が180°逆転して回転子2が停止していた場合は、図6(c)で示すように、回転子2は右方向に一瞬回転するものの、スタート地点から約130°くらい回動した位置で回転方向を修正し、その反動を利用して図6(d)で示すように、左方向(正常方向)に回転方向を変更して始動を開始するものである。この場合は、回転子2の永久磁石の磁性が反転しているため、回転子2は固定子鉄心6の磁化方向(図6(a)に示すL矢視方向)と同一方向に回転しようとするが、本発明では最初に通電される電機子巻線5が事前に設定(シャント抵抗R6 によって電流検出されるコイルを指す)されているので、図6(c)に示す如く、回転子2は一瞬逆方向に回動するものの、図6(e)〜(h)のように、直ちに正常方向に転回して回転運動を続行するように構成されているので、逆回転を継続することはない。
【0048】
このように、回転子2は、停止時においては常に所定の位置に保持されているので、インバータ回路12のFETQ1 ,Q2 のいずれからオン動作が始まっても、必ず一定の方向に回転する。具体的には、停止時において、回転子2が図6(a)の位置に保持されている場合には必ず左方向へ回転する。単相モータ1は、通電第1波または第2波のうち、回転子2の磁場ベクトルと反発する方向の磁場が与えられる通電(図6(a)において、磁場ベクトルが右から左方向へ向かう通電)により、回転を開始するからである。なお、回転子2が図6(c)に示す位置に保持されている場合は、前記のように一瞬逆回転するものの、直ちに正方向に回転するが、この場合も磁場ベクトルを反発する方向の磁場が与えられているからに他ならない。
【0049】
回転子2の回転継続に伴って、コンデンサC2 が徐々に充電される。この充電により、コンデンサC2 の端子間電圧が約0.6ボルトに達すると、トランジスタQ3 がオンして、始動時から定常運転へと移行する。定常運転では、始動補償回路15のトランジスタQ3 のオンにより帰還回路14の抵抗値が2.2kΩ(抵抗R7 )と小さくなるので、インバータ回路12の発振周期が短くなり、これに伴い、単相モータ1の転流周期も短くなる。よって、単相モータ1は徐々に高速回転を始め、やがて略定速回転となる。
【0050】
この状態で直流電源50の投入が続けられることにより、単相モータ1は略定速回転を継続する。なお、略定速時の回転速度は、コイルL1 ,L2 に印加される直流電源50の電圧に比例する。即ち、直流電源50の電圧が高いほど高速で回転し、低いほど低速で回転する。よって、直流電源50の電圧値により、略定速時の回転速度を制御することができる。
【0051】
定速運転(または始動時)での運転中に、運転スイッチSを開放すると、始動補償回路15のコンデンサC2 はダイオードD4 により急速に放電され、トランジスタQ3 がオフされるとともに、回転子2は電機子巻線5への通電停止に伴い、惰性で回転するものの、単相モータ1は徐々に回転を緩め、最終的にはコギングトルクの作用により、回転子2は図6(a),(c)で示すように、極性は不明だが必ず磁極の境界部分aを固定子鉄心6の切込部8a,8bを結ぶ線上と一致する地点で停止し、次の始動に備える。この結果、本発明は、単相モータ1をいつでも始動することができるので、次回単相モータ1を始動するまでの時間を短縮することができる。
【0052】
前記のように、本実施例のモータ駆動回路11によれば、電流検出回路13と帰還回路14とにより、電機子電流の急増領域を検出して、その検出を転流タイミングとして転流動作を行わせている。よって、速度起電力によらず、電機子電流に基づいて転流タイミングを決定することができるので、例え単相モータ1であっても180度通電を行うことができ、その始動を円滑に行うことができる。即ち、始動から短時間のうちに高速回転することができるのである。また、電機子電流に基づいて転流タイミングを決定することにより、重負荷時でも、転流に伴う過大なスパイク電圧の影響を受けることなく、的確にモータを駆動(回転)することができるのである。
【0053】
更に、転流タイミングの決定に電機子電流の急増領域を用いているので、電機子電流を平均化する回路や、その平均化された電機子電流を所定倍に増幅する回路が不要となり、更には、回転子2を停止位置から始動位置に移動させ、かつ、始動位置に始動を開始するときまで保持させる回路等が全く不要であるので、モータ駆動回路11を簡素な回路構成で経済的に製造することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の永久磁石モータは、電機子電流の急増領域の現出を転流タイミングとして設定し、永久磁石モータの転流を行わせてその始動(起動)→回動(駆動)を円滑に行わせるようにしたもので、これは、永久磁石モータの制御回路に、転流周期を、特定方向に流れる起動電流を検出して永久磁石モータの始動トルクを発生させるために充分に長くし、始動後の定常運転時は逆に短くするための始動補償回路を具備させたことにより、永久磁石モータは始動時のトルクを十分に得ることができ利便である。
【0055】
又、永久磁石モータの固定子鉄心は、回転子と回転子挿入孔との間で空隙に差異をつけて形成した鉄心の使用によって、永久磁石モータの停止時、回転子を特定位置に停止させるべくコギングトルクの誘発が容易になり、しかも、磁束の通電時と非通電時においては、回転子に傾きを付与させることにより、回転子を特定方向にのみ回転させることが可能となり、始動時に少々回転方向が逆転したとしても、容易に正常な回転方向に駆動させるようにした。これは、前記固定子鉄心に形成されている回転子と固定子鉄心との間に生じる空隙の差異と、インバータ回路の一対の電界効果トランジスタのドレイン電流を、個々にシャント抵抗を備えた電流検出回路にて検出するものの、前記電界効果トランジスタの一方のドレイン電流のみによって作動する始動補償回路を具備することによる相乗効果によって、回転子の始動時電機子巻線の特定コイルに通電を行って回転子を起動させるように構成されているので、回転子は常に一定の通電極性での起動が可能となり利便である。
【0056】
更に、永久磁石モータを起動する制御回路は、回転子の起動時における位置決めの制御を行うための回路が不要となるため、回路構成が簡素化できその製作コストの低減化を図ることができる。しかも、インバータ回路には電界効果トランジスタを使用することにより、電流の負帰還が容易に可能となり、過電流時の保護作用が働きインバータ回路を良好に保護することができる。その上、インバータ回路に転流作用を行わせるとき、電界効果トランジスタのゲート電圧条件の安定化が図れる結果、インバータ回路の動作のバラツキが少なくなるため、制御回路の製造上の歩留りが改善できその生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の永久磁石モータの実施例としてスケルトン形の単相ブラシレスモータを示す概略的な構成図である。
【図2】本発明の永久磁石モータに使用する制御回路のブロック図である。
【図3】本発明の永久磁石モータに使用する制御回路図である。
【図4】負荷時における各部位の電流電圧波形図である。
【図5】始動補償回路の動作説明図である。
【図6】本発明の永久磁石モータにおける回転子の起動状況を順次説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 単相ブラシレスモータ
2 回転子
3 回転子挿入孔
5 電機子巻線
6 固定子鉄心
7a,7b 切欠部
8a,8b 切込部
11 制御回路
12 インバータ回路
13 電流検出回路
14 帰還回路
15 始動補償回路
50 直流電源[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement of a permanent magnet motor that can be driven without a sensor without using a position detecting element such as a Hall element.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when this type of permanent magnet motor, for example, a brushless motor is driven without using a position detecting element such as a Hall element, the speed electromotive force and the position of the field generated in the armature winding of the rotating motor are known. The commutation timing of the motor is determined by the speed electromotive force, focusing on the correlation with Japanese Patent Publication No. 7-63232 describes a technique for driving a single-phase brushless motor without a sensor based on the speed electromotive force.
[0003]
However, since the speed electromotive force for determining the commutation timing must be detected by using the armature winding voltage of the motor, in particular, the single-phase motor cannot be energized by 180 degrees. . For this reason, a single-phase motor cannot apply a large torque to the rotor at the time of starting, and cannot rotate the motor at high speed within a short time after starting. In addition to the single-phase motor, at high load torque, the commutation spike voltage due to the recirculation of the armature current accompanying the energization switching increases, so that a large error occurs in the detected speed electromotive force information. As a result, a large deviation occurred in the estimation of the field pole position, and the commutation timing could not be properly determined.
[0004]
Then, the present applicant has invented a sensorless drive circuit of a brushless motor described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-37586. Such a motor drive circuit pays attention to the armature current waveform of each phase of the motor, detects a second current increase area of two remarkable current increase areas appearing in the energization area of each phase, and commutates the second current increase area. The timing is determined and commutation control is performed. Therefore, in this motor drive circuit, the commutation timing is determined based on the armature current regardless of the speed electromotive force, so that even a single-phase motor can be energized by 180 degrees. It has an excellent point that commutation timing can be appropriately determined even at the time of load torque.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a motor drive circuit detects the second current increase region on the basis of the fact that the instantaneous value of the armature current of the motor has become a predetermined multiple (for example, 1.2 times) of the average value of the armature current. are doing. Therefore, in order to detect the second current increase region, a circuit for averaging the armature current and a circuit for amplifying the averaged armature current by a predetermined factor are required, which increases the circuit cost. There was a problem of doing it.
[0006]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made to solve the above-described problem, and it is possible to specify a rotation direction at the time of starting a rotor when starting a permanent magnet motor, and to perform commutation timing based on an armature current. It is an object of the present invention to provide a small, lightweight, and economical permanent magnet motor having a simple control circuit capable of quickly and reliably determining the motor speed.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A permanent magnet motor according to claim 1, wherein the rotor comprises a permanent magnet; A skeleton-type single phase in which a pair of cutouts are provided on the upper side and a rotor insertion hole for rotatably inserting the rotor, and an armature winding is wound on a separable core member on the lower side. A single-phase brushless motor is provided with a control circuit for supplying an alternating voltage from an inverter circuit to an armature winding of the single-phase brushless motor, causing the inverter circuit to perform commutation, and rotating the single-phase brushless motor. In a permanent magnet motor, The control circuit is a start compensation circuit that starts the single-phase brushless motor by flowing an armature current that generates a necessary starting torque at the time of starting the single-phase brushless motor to the armature winding, Between the starting compensation circuit and the inverter circuit A current detection circuit including a pair of shunt resistors for detecting a current flowing through the armature winding of the single-phase brushless motor interposed therebetween, and a feedback for negatively feeding back the detection current detected by the current detection circuit to the inverter circuit; And a pair of field effect transistors comprising a pair of field effect transistors. The pair of field effect transistors forming the inverter circuit include one of the current detection circuits for detecting a drain current of the field effect transistor. And the other of the current detection circuits is connected to a start compensation circuit to constitute a means for detecting a conduction current for starting the single-phase brushless motor, and one of the field effect transistors of the inverter circuit detected by the detection means is connected to the other. Start single-phase brushless motor with drain current It is characterized by having done.
[0013]
The permanent magnet motor according to the present invention includes a control circuit that detects a region where the armature current flowing in the armature winding is rapidly increased and causes the inverter circuit to perform commutation. The commutation timing is set, and the commutation of the permanent magnet motor is performed, so that the start (startup) → rotation (drive) of the permanent magnet motor is performed smoothly. A starting compensation circuit is provided to make the commutation period long enough to generate a starting torque when starting the permanent magnet motor by detecting a starting current flowing in a specific direction, and to shorten it after starting. Thus, a sufficient starting torque can be obtained.
[0014]
In addition, the stator core of the permanent magnet motor makes the cogging torque easy to stop at a specific position at the time of stop by making a difference in the air gap between the rotor and the rotor, and at the time of magnetic flux conduction. In the non-energized state, the rotor is inclined so that the rotor is easily rotated only in a specific direction (rotation direction set in advance). , And can be easily driven in a normal rotation direction. This is because the difference between the air gap formed in the stator core and the drain current of a pair of field effect transistors constituting the inverter circuit are detected by a current detection circuit individually provided with a shunt resistor. Due to the synergistic effect of the starting compensation circuit configured to operate only with one of the drain currents, the rotor is started by being energized only from the specific coil of the armature winding at the time of starting, The rotor can always be started with a constant energization polarity, which allows the permanent magnet motor to rotate only in a specific direction while being a single-phase motor, which is convenient.
[0015]
In addition, since the control circuit for starting the permanent magnet motor does not require a circuit for controlling the positioning of the rotor at the time of start as described above, the circuit configuration can be simplified and the manufacturing cost can be reduced. Reduction can be achieved, and a low-cost permanent magnet motor can be provided. In addition, by using a field-effect transistor for the inverter circuit, negative feedback of the current becomes possible, so that a protective action at the time of overcurrent works and the inverter circuit can be protected well. In addition, when commutation is performed in the inverter circuit, the variation in the operation of the inverter circuit is reduced by stabilizing the gate voltage condition of the field effect transistor, thereby reducing the production yield of the control circuit. There is also an advantage that the productivity can be improved and the productivity can be significantly improved.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an example in which the permanent magnet motor of the present invention is implemented as a single-phase brushless motor (hereinafter, referred to as a single-phase motor) will be described with reference to FIGS. In FIG. 1, a single-phase motor 1 has a rotor insertion hole 3 for rotatably inserting a rotor 2 on an upper side of the figure, and a separable iron core member 4 on a lower side of the figure. The stator 2 comprises a stator core 6 on which an armature winding 5 is wound, and the rotor 2 comprising a permanent magnet. The stator core 6 is formed by stamping out electromagnetic steel sheets and laminating them to a predetermined thickness. The rotor 2 is, for example, a plastic magnet rotor (hereinafter simply referred to as a rotor) formed by mixing a magnetic powder with a synthetic resin powder and injection-molding the mixture by injection molding means or the like. The skeleton type single-phase motor 1 is constituted by combining the stator core 6.
[0017]
As shown in FIG. 1, the stator core 6 has a pair of planar shapes on the outer periphery of the rotor insertion hole 3 around the periphery of the rotor insertion hole 3 at an angular interval of, for example, about 180 °. The U-shaped notches 7a and 7b are formed to have narrow narrow portions (magnetic paths) A and B without communicating with the rotor insertion hole 3. The reason why the narrow portions A and B are formed is that the magnetic flux (generated by the rotor 2) flowing through the stator core 6 when the armature winding 5 is not magnetized is concentrated on the bottleneck paths A and B, and the rotation is performed. The magnetic flux flowing through the stator core 6 is concentrated in the narrow paths A and B, but is equally distributed and flows through the rotor 2 so that the rotor 2 has the required magnetic pole. At the time of startup, for example, contributes to the positioning operation.
[0018]
As shown in FIG. 1, the rotor insertion hole 3 of the stator core 6 is spaced from the notch portions 7 a and 7 b by, for example, approximately 90 ° with the rotor insertion hole 3. A pair of cut portions 8a and 8b which can communicate with each other are formed in an arc shape facing each other and maintaining an angle range of about 60 °. Since the portion of the rotor insertion hole 3 where the cut portions 8a and 8b are present is formed wider than the portion of the rotor insertion hole 3 where the narrow portions A and B are present, it flows into the stator core 6. The flow of the magnetic flux is suppressed by the increase of the magnetic resistance due to the presence of the cut portions 8a and 8b, and the rotor 2 has a boundary portion a between the N pole and the S pole of the permanent magnet whose magnetization is weakest. It can be stopped at a substantially central position between the cuts 8a and 8b.
[0019]
Providing the stator core 6 with the U-shaped notches 7a and 7b and the arc-shaped notches 8a and 8b, respectively, is for guiding the rotor 2 to a starting position or stopping the rotor 2 at a predetermined position. This point could be confirmed by a cogging torque analysis by a magnetic field analysis of a known finite element method. In particular, the presence of the notches 7a and 7b indicates that the magnetic flux concentrates on the narrow portions A and B formed between the notches 7a and 7b and the rotor insertion hole 3, so that the rotor 2 stops at the stop position. To the vicinity of the starting position can be finely moved, which seems to have greatly contributed to specifying the rotation direction of the rotor 2.
[0020]
More specifically, when the core member 4 is DC-magnetized by energizing the armature winding 5, the stator core 6 moves to the stator core 6, for example, rightward (clockwise) in FIG. 1. Magnetic flux flows along. As a result, the position of the magnetic pole of the rotor 2 is changed (rotated) in a direction that is easy to align with the magnetic flux flowing through the stator core 6, that is, the rotation of the rotor 2 is started at the start. It is not clear in which direction the rotor 2 will rotate if it is performed abruptly. Therefore, the core member 4 of the stator core 6 is AC-magnetized at a relatively high frequency and a DC component is added, so that the stator core 6 is slightly DC-magnetized to change the rotation direction of the rotor 2. Let it be specified.
[0021]
The notches 7a, 7b formed in the stator core 6 allow the narrow portions A, B and the narrow portions A, B formed between the notches 7a, 7b and the rotor insertion hole 3 to be reduced. When the rotor 2 is not energized to the armature winding 5 due to the presence of the cut portions 8a and 8b provided at positions separated by 90 °, the boundary portion a of the rotor 2 shown in FIG. 6 (a) and (c) inclined from XX shown in FIG. 1 by a declination θ, and the rotor 2 shown in FIG. 6 (c). The stator core 6 is configured so that it can be stopped at the N pole and the S pole of the permanent magnet are reversed with respect to the rotor 2 shown in FIG. This phenomenon could be confirmed by the cogging torque analysis by the magnetic field analysis of the finite element method.
[0022]
The armature winding 5 is composed of, for example, a set of intermediate windings (center tap windings) wound around only the iron core member 4 of the stator iron core 6, and includes two terminals e and f and an intermediate winding. The terminal g is provided with a total of three terminals. Further, the winding finish is performed by so-called "Pyfiler winding" in which two conductive wires are bundled and wound simultaneously. This drive circuit may be used for a motor with a slip ring using a field as a stator and an armature winding as a rotor, or an embedded magnet type motor. Also, in the case of a single-phase motor, it is sufficient that there is an intermediate tap, and it is not always necessary to use a pipe-filar winding.
[0023]
Next, a sensorless control circuit 11 for controlling the drive of the single-phase motor 1 of the present invention will be described. 2 and 3, the control circuit (hereinafter, referred to as a motor drive circuit) 11 is roughly configured to include an inverter circuit 12, a current detection circuit 13, a feedback circuit 14, and a start compensation circuit 15. ing. The motor drive circuit 11 is connected to a DC power supply 50 capable of outputting a DC voltage of 10 to 30 volts, and has a positive input terminal P connected to a diode D. 1 Connected to the anode. This diode D 1 Prevents the return current due to the back electromotive force generated during the commutation operation of the single-phase motor 1 from flowing into the DC power supply 50.
[0024]
Also, diode D 1 Is connected to a capacitor C for charging the return current. 1 (50V, 100μF) connected to the positive terminal and its capacitor C 1 Is connected to the negative input terminal N of the DC power supply 50. Note that the return current is 1 Charging reduces the amount of electromagnetic noise (ElectroMagnetic Interference) oscillated from the motor drive circuit 11 to the outside, reduces power loss at the wiring resistance between the DC power supply 50 and the terminal PN, and reduces the return current. This is to improve the power utilization rate (efficiency) by reusing.
[0025]
The diode D 1 Are connected to an intermediate terminal g of the single-phase motor 1, and terminals e and f of the single-phase motor 1 are connected to the inverter circuit 12. The inverter circuit 12 performs an astable multivibrator operation (self-excited oscillation operation), and controls each coil L of the single-phase motor 1. 1 (Ge winding), L 2 (G-f winding) is a circuit for alternately applying a DC voltage. The inverter circuit 12 includes a field effect transistor (hereinafter referred to as FET) Q 1 , Q 2 And the resistance R of 10 kΩ 1 , R 2 , R 3 , R 4 It is comprised including.
[0026]
Both FETs Q of the inverter circuit 12 1 , Q 2 Are connected to both terminals e and f of the single-phase motor 1 and a resistor R 1 , R 2 Through the other FET Q 2 , Q 1 Are cross-connected to the gate terminals. Also, FETQ 1 , Q 2 A resistor R is connected between the gate terminal and the source terminal of 3 , R 4 Is connected. With this connection, a so-called astable multivibrator operation (self-excited oscillation operation) in which one FET is turned on when the other FET is turned off, that is, the on / off operation is sequentially repeated.
[0027]
Next, the operation of the astable multivibrator of the inverter circuit 12 will be described. FIG. 4 shows current / voltage waveforms at the time of load. 1 , Q 2 At the source terminal point E.
[0028]
When the DC power supply 50 is turned on, for example, the FET Q 1 Turns on and FET Q 2 Is turned off, as shown in FIG. 1 Current flows through the FET (31) and the FET Q 1 Drain current increases (32). Eventually, the drain current becomes FET Q 1 When the current reaches the saturation current determined by the gate voltage and conductance of the FET (33), the FET Q 1 Increase rate of the drain current of the FET Q 1 The drain-source voltage of the transistor starts to rise. FETQ 1 When the drain voltage reaches about 5 volts with respect to the source terminal, the resistance R 1 Through the FET Q 2 Gate voltage is applied to the FET Q 2 Starts on (35). This FET Q 2 With the turning on of the FET Q 2 Of the resistor R 2 And R 3 FETQ by the partial pressure of 1 The gate voltage supplied to the gate is also reduced.
[0029]
As the gate voltage decreases, the FET Q 1 Of the FET Q 1 Drain current further decreases (37). Thereby, the FET Q 1 (38), the drain voltage of the FET Q 2 The gate voltage of the FET Q 2 Is accelerated (39). On the other hand, FETQ 2 Is turned on, FET Q 2 (39), the drain voltage of the FET Q 1 Further reduces the gate voltage of the FET Q 1 Off is accelerated. Thus, rapidly, FET Q 1 Is off, FET Q 2 Changes to the ON state.
[0030]
FETQ 2 Is on, FET Q 1 Is turned off, FET Q 2 This state is maintained until the drain current reaches the saturation current value. And FETQ 2 When the drain current of the FET Q reaches the saturation current value, on the contrary, the FET Q 1 ON, FETQ 2 Is rapidly turned off, and the state (Q 1 And Q 2 On / off state). Thus, FET Q 1 , Q 2 Are repeated, and as a result, the inverter circuit 12 performs an “astable multivibrator operation” (self-excited oscillation operation).
[0031]
Next, 13 indicates both FETs Q of the inverter circuit 12. 1 , Q 2 Current detection circuit 13 inserted between the source terminal of the DC power supply 50 and the negative input terminal N of the DC power supply 50, the current detection circuit 13 has a shunt resistance R of 2Ω (4W). 5 , R 6 And the armature winding L of the single-phase motor 1 via the inverter circuit 12. 1 , L 2 Current (hereinafter referred to as “armature current”) through the shunt resistor R 5 , R 6 This is a circuit for detecting as a shunt current flowing through (31) and converting this into a voltage (31a). The voltage-converted shunt current is fed back (feedback) to the inverter circuit 12 by a feedback circuit 14 described later, and determines the oscillation cycle of the above-described operation of the astable multivibrator. The shunt resistor R 5 , R 6 Is the FET Q of the inverter circuit 12. 1 , Q 2 Are installed in order to balance the current flowing through the device.
[0032]
The feedback circuit 14 includes a shunt resistor R 5 , R 6 A shunt current (armature current) detected and converted into a voltage by the current detection circuit 13 is fed back to the inverter circuit 12 and includes two diodes D 2 , D 3 And a 2.2 kΩ resistor R 7 And the resistance R of 10 kΩ 8 And the resistance R 7 , R 8 Are connected in series and a resistor R 8 One end on the side is a shunt resistor R 5 , R 6 Is connected to the output terminal of the current detection circuit 13 which amplifies the 7 The other end on the side is a diode D 2 , D 3 Connected to the cathode. Also, diode D 2 , D 3 Are connected to each FET Q of the inverter circuit 12. 1 , Q 2 Are connected to the respective gate terminals.
[0033]
The feedback circuit 14 includes a current detection circuit 13 and a gate resistance R 1 , R 2 And voltage divider R 3 , R 4 And FETQ 1 , Q 2 By utilizing the interaction of the conductance with the above, a region where the armature current is rapidly increased is detected, and commutation by the inverter circuit 12 is performed in the region where the armature current is rapidly increased. Further, the armature current is determined as a position where the rotor 2 is most attracted to the stator core 6, that is, a position where the magnetic field vector of the rotor 2 and the magnetic field vector generated by energizing the armature winding 5 are aligned. (The position where the generated torque of the motor becomes zero). This is because the generated voltage becomes substantially “0” when the rotor 2 reaches the position. Therefore, by determining the appearance of the sudden increase region as the commutation timing, the single-phase motor 1 can be appropriately synchronously driven (rotated).
[0034]
Specifically, the shunt resistor R of the current detection circuit 13 5 , R 6 Of each FET Q of the inverter circuit 12 1 , Q 2 Is fed back to the gate terminal. Then, in the region where the armature current rapidly increases, the shunt resistor R 5 , R 6 As a result, the current in the gate portion flows to the feedback circuit 14 side, thereby decreasing the gate voltage and decreasing the saturation current value of the drain current. When the current matches the saturation current value, both FETs Q 1 , Q 2 Is switched between ON and OFF states, and the commutation operation is performed smoothly.
[0035]
The commutation cycle (timing), that is, the oscillation cycle of the inverter circuit 12 can be changed by the resistance value of the feedback circuit 14. Specifically, when the resistance value of the feedback circuit 14 is reduced, the oscillation cycle of the inverter circuit 12 is shortened (oscillation frequency is increased). Conversely, when the resistance value is increased, the oscillation cycle is increased (oscillation frequency is reduced). Become). By reducing the resistance of the feedback circuit 14, the FET Q 1 , Q 2 Therefore, the commutation operation can be reliably performed even when a sudden increase in the armature current is slightly detected.
[0036]
In the rotor 2 of the single-phase motor 1, the boundary a coincides with the line connecting the notches 7a and 7b due to the presence of the cuts 8a and 8b provided on the periphery of the rotor insertion hole 3 of the stator core 6. At the point where it has been stopped, it is stopped by the action of the cogging torque (see the description in [Paragraph Nos. 18, 21]). At this time, as shown in FIGS. 6A and 6C, the north pole and the south pole of the rotor 2 are located at diametrically opposite positions. In the present invention, the polarity of the magnet when the rotor 2 is stopped is unknown, but the rotor 2 is in one of the positions shown in FIGS. 6 (a) and 6 (c). It is configured to stop.
[0037]
Next, the starting compensation circuit 15 will be described. This circuit 15 is a circuit for reliably starting the single-phase motor 1 by supplying an armature current necessary for generating a sufficient starting torque when the single-phase motor 1 is started. Accordingly, the start compensation circuit 15 increases or decreases the resistance value of the feedback circuit 14 at the time of starting the single-phase motor 1 and after the start, and increases the commutation period at the time of starting, so that a sufficient armature current After starting, the commutation cycle is shortened to rotate the single-phase motor 1 at high speed.
[0038]
The starting compensation circuit 15 is connected to the FET Q 2 Source terminal and shunt resistor R 6 Diode D whose anode is connected to the input terminal of 4 And the diode D 4 Has a resistance R of 27 kΩ. 9 Is connected to one end. On the other hand, the resistance R 9 The other end of the transistor Q 3 And the capacitor C 2 (220 μF, 10 V) plus terminal and 47 kΩ bleeder resistor R 10 Is connected to one end. The transistor Q 3 Is connected to two resistors R of the feedback circuit 14. 7 , R 8 And the emitter terminal is connected to the capacitor C 2 Negative terminal and bleeder resistance R 10 With the other end of the shunt resistor R 5 And the negative input terminal N of the DC power supply 50.
[0039]
This starting compensation circuit 15 is provided with a capacitor C 2 Until a predetermined amount of charge is accumulated and the voltage across its terminals reaches about 0.6 volts. 3 Is kept off, and the resistance of the feedback circuit 14 is set to 12.2 kΩ (resistance R 7 , R 8 ), The commutation period at the start of the single-phase motor 1 is lengthened. Thus, after starting the single-phase motor 1, the capacitor C 2 Until the voltage between the terminals reaches approximately 0.6 volts. 1 , L 2 Thus, a sufficient armature current can be supplied to generate a starting torque.
[0040]
The start compensating circuit 15 includes a capacitor C in FIG. 2 Is less than 0.6 V (62), and the transistor Q 3 Is off (63). However, when the operation switch S of the motor drive circuit 11 is turned on (64), the shunt resistance R 6 , The resistance of the feedback circuit 14 rapidly increases from slightly less than 1 kΩ to 12.2 kΩ. As a result, the oscillation cycle of the inverter circuit 12 becomes longer, the commutation cycle of the single-phase motor 1 becomes longer, and each coil L 1 , L 2 Is supplied with a sufficient armature current to generate a starting torque. Each coil L 1 , L 2 The armature current flowing through the shunt resistor R 5 , R 6 (R in FIG. 5 5 Only) (65), and this shunt current causes the resistance R 6 Is more than about 0.6 volts with respect to the negative input terminal N (diode D 4 Above the voltage drop), the capacitor C 2 When the voltage between the terminals of the transistor Q gradually increases (66) and reaches about 0.6 volt (67), the transistor Q 3 Is turned on (68), and the resistance value of the feedback circuit 14 becomes 12.2 kΩ (resistance R 7 , R 8 ) To 2.2 kΩ (resistance R 7 ). When the resistance value of the feedback circuit 14 decreases, the oscillation cycle of the inverter circuit 12 becomes shorter in the opposite manner (69), the commutation cycle of the single-phase motor 1 becomes shorter, and the single-phase motor 1 gradually rotates at high speed. Start.
[0041]
As described above, the starting compensation circuit 15 includes the capacitor C 2 The commutation cycle of the single-phase motor 1 is increased until the terminal voltage of 1 , L 2 A sufficient armature current is supplied to generate a starting torque to ensure that the single-phase motor 1 is started. Moreover, the capacitor C 2 Charging is performed based on the shunt current (armature current), so the time required for the voltage between terminals to reach approximately 0.6 volts is not a fixed time, and the type of motor and DC The time changes according to the voltage of the power supply 50. Therefore, it is possible to maintain the start mode in which the commutation period is lengthened for an appropriate time for starting the motor.
[0042]
Next, the operation of the permanent magnet motor of the present invention will be described. In the present invention, the current detection circuit 13 is connected to the shunt resistor R as described above. 5 , R 6 , Which is composed of two FETs Q of the inverter circuit 12. 1 , Q 2 Considering the balance of the current flowing through the FET Q 1 , Q 2 In the present invention, the timing of the start compensation circuit 15 (FET Q 1 , Q 2 The setting of the on / off switching timing of the shunt resistor R 6 Utilizing the current obtained from Therefore, the single-phase motor 1 is configured to be started from one coil, that is, a specific coil.
[0043]
When the operation switch S provided in the motor drive circuit 11 is turned on when the single-phase motor 1 is operated, the inverter circuit 12 is turned on, and the resistance value of the feedback circuit 14 is 12.2 kΩ (resistance R 7 , R 8 ), The commutation period of the inverter circuit 12 becomes longer, and each coil L of the armature winding 5 of the single-phase motor 1 becomes larger. 1 , L 2 Then, an armature current sufficient to generate the starting torque of the single-phase motor 1 flows (see the operation explanatory diagram of the starting compensation circuit in FIG. 5). As a result, the single-phase motor 1 starts to start gradually.
[0044]
At this time, the rotor 2 of the single-phase motor 1 is set at the polarity position of the permanent magnet shown in FIGS. That is, in FIG. 6 (a), the N pole is shifted downward and the S pole is aligned with the magnetic pole boundary portion a of the rotor 2 being aligned with the line connecting the pair of cuts 8a and 8b of the stator core 6. Is stopped on the upper side. On the other hand, in FIG. 6C, the magnetic pole boundary portion a of the rotor 2 is also aligned with the line connecting the pair of cuts 8a and 8b, and the S pole is It is stopped with the N pole on the upper side.
[0045]
Therefore, when the single-phase motor 1 is started, its rotor 2 is always held at a predetermined position (either the position shown in FIG. 6A or FIG. 6C) in the initial state (at the start). Because of this, the single-phase motor 1 is connected to the FET Q 1 , Q 2 FET Q 2 Current flowing through the shunt resistor R of the current detection circuit 13 6 , The start is started for the first time. That is, the FET Q of the inverter circuit 12 2 Is turned on, the rotor 2 starts to rotate, and the start timing thereof is always fixed. As a result, the rotor 2 always rotates in a constant energizing direction.
[0046]
Explaining the above point more specifically, for example, when the rotor 2 is held at the position shown in FIG. This is because the stop position of the rotor 2 is stopped at the normal start position, and the specific coil (FET Q 2 6A, the stator core 6 is magnetized in the direction of the arrow L (left direction) shown in FIG. Rotate in the direction indicated by the arrow (counterclockwise). When the rotor 2 starts rotating, it continues to rotate leftward in the order of FIGS. 6B, 6E to 6H.
[0047]
On the other hand, as shown in FIG. 6C, when the polarity of the rotor 2 is reversed by 180 ° with respect to FIG. As shown, although the rotor 2 rotates rightward for a moment, the rotation direction is corrected at a position rotated by about 130 ° from the start point, and the reaction is used as shown in FIG. The start is started by changing the rotation direction to the left (normal direction). In this case, since the magnetism of the permanent magnet of the rotor 2 is reversed, the rotor 2 tries to rotate in the same direction as the magnetization direction of the stator core 6 (the direction of the arrow L shown in FIG. 6A). However, in the present invention, the armature winding 5 to be energized first is set in advance (shunt resistor R 6 6 (c), the rotor 2 momentarily rotates in the reverse direction as shown in FIG. 6 (c), but immediately as shown in FIGS. 6 (e) to 6 (h). Since it is configured to rotate in the normal direction and continue the rotational movement, the reverse rotation does not continue.
[0048]
As described above, since the rotor 2 is always held at a predetermined position when the rotor is stopped, the FET Q of the inverter circuit 12 1 , Q 2 Regardless of which of the on operations is started, it always rotates in a certain direction. More specifically, when the rotor 2 is stopped, if the rotor 2 is held at the position shown in FIG. The single-phase motor 1 is energized by applying a magnetic field in a direction repelling the magnetic field vector of the rotor 2 in the energized first wave or the second wave (in FIG. 6A, the magnetic field vector goes from right to left) This is because rotation is started by the power supply. When the rotor 2 is held at the position shown in FIG. 6C, the rotor 2 rotates in the reverse direction for a moment, but immediately rotates in the forward direction, but also in the direction in which the magnetic field vector is repelled. It is nothing but a magnetic field.
[0049]
As the rotor 2 continues to rotate, the capacitor C 2 Is gradually charged. By this charging, the capacitor C 2 When the terminal-to-terminal voltage reaches approximately 0.6 volts, the transistor Q 3 Turns on, and the operation shifts from the start to the steady operation. In the steady operation, the transistor Q of the starting compensation circuit 15 3 Is turned on, the resistance of the feedback circuit 14 becomes 2.2 kΩ (resistance R 7 ), The oscillation cycle of the inverter circuit 12 is shortened, and accordingly, the commutation cycle of the single-phase motor 1 is also shortened. Therefore, the single-phase motor 1 gradually starts rotating at a high speed, and eventually rotates at a substantially constant speed.
[0050]
In this state, by continuing to turn on the DC power supply 50, the single-phase motor 1 continues to rotate at a substantially constant speed. The rotation speed at a substantially constant speed is determined by the coil L 1 , L 2 Is proportional to the voltage of the DC power supply 50 applied to. That is, the higher the voltage of the DC power supply 50 is, the higher the rotation speed is, and the lower the voltage is, the lower the rotation speed is. Therefore, the rotation speed at the substantially constant speed can be controlled by the voltage value of the DC power supply 50.
[0051]
When the operation switch S is opened during the operation at the constant speed operation (or at the time of starting), the capacitor C of the starting compensation circuit 15 2 Is the diode D 4 Is rapidly discharged by the transistor Q 3 Is turned off, and the rotor 2 rotates by inertia due to the stop of energization to the armature winding 5, but the single-phase motor 1 gradually loosens its rotation, and finally rotates by the action of cogging torque. As shown in FIGS. 6 (a) and 6 (c), the child 2 always stops at a point where the polarity a is unknown but the boundary part a of the magnetic pole coincides with the line connecting the cuts 8a and 8b of the stator core 6, Prepare for the next start. As a result, according to the present invention, since the single-phase motor 1 can be started at any time, the time until the single-phase motor 1 is started next time can be reduced.
[0052]
As described above, according to the motor drive circuit 11 of the present embodiment, the current detection circuit 13 and the feedback circuit 14 detect a region where the armature current is rapidly increased, and perform the commutation operation using the detection as a commutation timing. Have done it. Therefore, the commutation timing can be determined based on the armature current without depending on the speed electromotive force, so that even if the single-phase motor 1 is used, 180-degree energization can be performed and the start thereof can be smoothly performed. be able to. That is, high-speed rotation can be performed within a short time after starting. Further, by determining the commutation timing based on the armature current, the motor can be accurately driven (rotated) without being affected by an excessive spike voltage due to the commutation even under a heavy load. is there.
[0053]
Further, since the armature current abrupt increase region is used for determining the commutation timing, a circuit for averaging the armature current and a circuit for amplifying the averaged armature current by a predetermined factor become unnecessary. Does not require any circuit for moving the rotor 2 from the stop position to the start position and holding the rotor 2 at the start position until the start is started. Therefore, the motor drive circuit 11 can be economically constructed with a simple circuit configuration. Can be manufactured.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, in the permanent magnet motor of the present invention, the appearance of the region where the armature current sharply increases is set as the commutation timing, the permanent magnet motor is commutated, and its start (start) → rotation ( This is to make the control circuit of the permanent magnet motor determine the commutation period, detect the starting current flowing in a specific direction, and generate the starting torque of the permanent magnet motor. By providing a start compensating circuit for making the length sufficiently long and conversely short during steady operation after the start, the permanent magnet motor can obtain sufficient torque at the time of start, which is convenient.
[0055]
Also, the stator core of the permanent magnet motor differs in the air gap between the rotor and the rotor insertion hole. By using the formed iron core, When the permanent magnet motor is stopped, it is easy to induce cogging torque to stop the rotor at a specific position.Furthermore, the rotor is inclined by applying a magnetic flux when the magnetic flux is supplied and when the magnetic flux is not supplied. Can be rotated only in a specific direction, and even if the rotation direction is slightly reversed at the time of starting, it can be easily driven in a normal rotation direction. It is formed on the stator core Between the rotor and stator core A difference in air gap and a drain current of a pair of field effect transistors of an inverter circuit are detected by a current detection circuit individually provided with a shunt resistor, but a start compensation circuit that operates only by one drain current of the field effect transistor. Due to the synergistic effect of the provision of the above, the configuration is such that when the rotor is started, the specific coil of the armature winding is energized to start the rotor, so that the rotor always has a constant energization polarity. It can be started and is convenient.
[0056]
Furthermore, since the control circuit for starting the permanent magnet motor does not require a circuit for controlling the positioning at the time of starting the rotor, the circuit configuration can be simplified and the manufacturing cost can be reduced. In addition, by using a field effect transistor for the inverter circuit, negative feedback of current is easily possible, and a protective action at the time of overcurrent is activated, so that the inverter circuit can be well protected. In addition, when the commutation action is performed in the inverter circuit, the gate voltage condition of the field-effect transistor can be stabilized. As a result, the variation in the operation of the inverter circuit can be reduced, and the production yield of the control circuit can be improved. Productivity can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a skeleton type single-phase brushless motor as an embodiment of a permanent magnet motor of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram of a control circuit used for the permanent magnet motor of the present invention.
FIG. 3 is a control circuit diagram used for the permanent magnet motor of the present invention.
FIG. 4 is a current-voltage waveform diagram of each part at the time of load.
FIG. 5 is an explanatory diagram of an operation of a start compensation circuit.
FIG. 6 is an explanatory diagram for sequentially explaining a starting state of a rotor in the permanent magnet motor of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Single-phase brushless motor
2 rotor
3 Rotor insertion hole
5 Armature winding
6 Stator core
7a, 7b Notch
8a, 8b notch
11 Control circuit
12 Inverter circuit
13 Current detection circuit
14 Feedback circuit
15 Start compensation circuit
50 DC power supply