JP3517449B2 - 位置検出方法及びその装置 - Google Patents

位置検出方法及びその装置

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JP3517449B2 JP17579494A JP17579494A JP3517449B2 JP 3517449 B2 JP3517449 B2 JP 3517449B2 JP 17579494 A JP17579494 A JP 17579494A JP 17579494 A JP17579494 A JP 17579494A JP 3517449 B2 JP3517449 B2 JP 3517449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導または電磁結
合を利用した位置指示器による指示位置の検出方法及び
その装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この出願に先立ち、出願人は特願昭61
−213970号(特開昭63−70326号公報参
照)(以下、先願と称す。)において、多数のループコ
イルを位置検出方向に並設してなるセンス部と位置指示
器との間で電波をやりとりすることにより、該位置指示
器による指示位置の座標値を求める位置検出装置を提案
した。
【0003】前記先願の内容を簡単に説明すると、多数
のループコイルより一のループコイルを選択し、これに
所定の周波数の交流信号を供給して電波を送信させ、該
電波を位置指示器に設けた共振回路に受信させる。この
際、該電波によるエネルギーを受けた共振回路から発生
される電波を前記一のループコイルに受信させ、誘導電
圧を発生させる。これを多数のループコイルについて順
次、走査・選択して繰返し、各ループコイルに発生した
誘導電圧の大きさに基づいて共振回路の位置、即ち指示
位置の座標値を求める如くなしたものである。
【0004】ところで、この種の位置検出装置では指示
位置の座標値の外、実際に入力すべき指示位置を特定し
た状態(ペンダウン状態)を表す情報や、ソフトウェア
に応じて座標値以外のパラメータ、例えば線の太さ、指
示位置あるいは指示領域の色相や濃度(明度)等を変化
させるための情報を、前記指示位置の座標値とともに入
力したいという要求がある。
【0005】そこで、前述した先願では、共振回路を構
成するコイル及びコンデンサに手動のスイッチを介して
他のコンデンサを接続することにより、該スイッチに対
する操作に応じて共振周波数がわずかに変化するように
なし、この共振周波数のわずかな変化量を位相角の変化
量として検出し、前述した各種の情報(以下、これらを
操作情報と称す。)となしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図2は前記先願の位置
検出装置における動作波形の一例を示すもので、図中、
1 ,T2 ,……T6 は電波の送信期間、R1 ,R2
……R6 は電波の受信期間、(イ) はセンス部側の送信電
波、(ロ) ,(ロ)'は共振回路内の誘導電圧、(ハ) ,(ハ)'は
センス部側の受信信号、(ニ) ,(ニ)'は前記受信信号を整
流し高周波成分を取り除いた信号(以下、受信誘導電圧
と称す。)である。
【0007】ここでは、送信期間T1 及び受信期間R1
に一のループコイルを選択し、送信期間T2 及び受信期
間R2 に該一のループコイルに隣接するループコイルを
選択し、以下、同様に隣接するループコイルを一方向に
順次走査・選択した場合であって、特に送信期間T3
び受信期間R3 に選択したループコイルの真上に位置指
示器、即ち共振回路が存在する場合の例を示している。
【0008】ところで、一の送信期間中に一のループコ
イルから送信される電波によって共振回路内に発生した
誘導電圧は、送信電波が停止する受信期間中に徐々に減
少するが、次の送信期間に次のループコイルから電波が
送信されるまでに全てが消滅するわけではなく、該次の
ループコイルによる電波の送受信に影響を及ぼす。
【0009】即ち、送信電波の周波数と共振回路の共振
周波数とが一致している場合、図2中の(ロ) ,(ハ) に示
すように、共振回路内の残留誘導電圧と次の送信期間に
おける送信電波との位相がほぼ一致し、これらは互いに
相加されることになるため、各受信期間R1 ,R2 ,…
…R6 に対応して得られる受信誘導電圧(ニ) のレベルV
1 ,V2 ,……V6 は、全体的にループコイルの走査・
選択の進行方向寄り(図2では右側)のレベルが前記影
響がない場合に比べて大きくなる。
【0010】一方、前述したスイッチ等の操作により共
振回路における共振周波数を変化させた場合、図2中の
(ロ)',(ハ)'に示すように、受信期間中の共振回路内の誘
導電圧の位相がずれる(ここでは遅れる)ため、共振回
路内の残留誘導電圧と次の送信期間における送信電波と
の位相は必ずしも一致せず、これらは互いに相殺し合う
こともある。その結果、各受信期間R1 ,R2 ,……R
6 に対応して得られる受信誘導電圧(ニ)'のレベルV1',
2',……V6'は、前記位相のずれの量(位相角の変化
量)に応じて様々な変化を示すことになる。
【0011】位置指示器による指示位置の座標値は、通
常、最もレベルの大きな受信誘導電圧を含む2〜4個の
受信誘導電圧のレベルを所定の式に代入して演算処理す
ることにより求められるため、前述した共振回路内の残
留誘導電圧による受信誘導電圧のレベルの変化は指示位
置の座標値に誤差をもたらすことになる。
【0012】そこで、従来は予め各位相角に応じた補正
値を求めてメモリ等に記憶しておき、各位相角に応じて
該メモリ等より対応する補正値を読出して補正する如く
なしていたが、補正値の記憶にメモリをかなり消費する
という問題があった。
【0013】なお、前述した残留誘導電圧による座標値
のずれの問題は、共振回路内の残留誘導電圧に限らず、
受信信号の検出回路内における残留誘導電圧、例えば受
信信号より高周波成分を除去するフィルタにおける残留
誘導電圧によっても引き起こされる問題であるから、先
願のような共振回路を有する位置指示器を用いた位置検
出装置に限らず、多数のループコイルを走査・選択し、
その時に検出される誘導電圧から指示位置の座標値を求
めるタイプの全ての位置検出装置において共通に生じ得
る問題である。
【0014】また、前述した位置検出は、通常、互いに
直交する2つの位置検出方向、即ちX軸方向及びY軸方
向に並設された多数のループコイルについて交互に行わ
れ、この際、得られた一組のX軸方向の座標値とY軸方
向の座標値とによって、ある時点における位置指示器の
指示位置が表されるが、両者の検出タイミングには時間
的なずれが存在するため、特に位置指示器を素早く移動
させた場合、X軸方向及びY軸方向の個々の検出座標値
が正確であっても、これらの組み合わせによって表され
る指示位置が実際の指示位置とは異なるものとなってし
まう、いわゆるボーイング現象を生じてしまうという問
題があった。
【0015】図3は前述したボーイング現象の発生のよ
うすを示すもので、ここでは位置指示器を原点Oから点
Mまで、実線100 上を矢印の方向に素早く移動させた場
合のようすを示している。
【0016】位置指示器が実線100 上の位置P1 にある
時点でX軸方向の位置検出がなされると座標値x1 が得
られるが、該座標値x1 と対になるY軸方向の座標値の
検出タイミングには位置指示器が実線100 上を位置P1 '
まで移動してしまうため、得られる座標値はy1 とな
る。この結果、位置指示器の指示位置は座標値x1 及び
1 で表される位置、即ち実線100 からかなり離れた位
置P1 *となってしまう。
【0017】同様に、位置指示器の指示位置は座標値x
2 及びy2 ,x3 及びy3 ,……で表される位置P2 *
3 *,……となり、位置指示器は実線100 ではなく波線
101上を移動した如く認識されてしまうことになる(な
お、波線101 が円弧状なのは、原点Oまたは点M付近に
おける位置指示器の移動速度より中央付近における位置
指示器の移動速度の方が早く、X軸方向及びY軸方向の
各検出タイミングにおける位置指示器の指示位置がより
離れたものとなるためである。)。
【0018】また、位置指示器を点Mから原点Oまで実
線100 上を逆方向に素早く移動させた場合も、前記同様
な理由により波線102 を移動した如く認識されてしまう
ことになる。
【0019】なお、前述したボーイング現象は、X軸方
向及びY軸方向の座標検出タイミングのずれに伴うもの
であるから、先願のような共振回路を有する位置指示器
を用いた位置検出装置に限られないことはもとより、電
磁誘導や静電誘導を利用した位置検出装置にも限られ
ず、X軸方向の座標値とY軸方向の座標値とを別々に検
出するタイプの全ての位置検出装置において共通に生じ
得る問題である。
【0020】本発明の第1の目的は、回路中に残留する
誘導電圧による座標値のずれを生じない位置検出方法及
びその装置を提供することにある。
【0021】本発明の第2の目的は、X軸方向及びY軸
方向の座標検出タイミングのずれに伴うボーイング現象
のない位置検出方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明では、位置検出方向に並設してなる多数
のループコイルのうちの一のループコイルと少なくとも
コイルを有する位置指示器との間で電磁作用を及ぼし合
わせて誘導電圧を検出し、これを前記多数のループコイ
ルについて一のループコイルを走査・選択して繰り返
し、この際、得られた少なくとも2つの誘導電圧に基づ
いて前記位置指示器による指示位置の座標値を検出する
位置検出方法において、ループコイルの走査・選択方向
を交互に入れ替え、該走査・選択方向を入れ替えた際の
それぞれの誘導電圧に基づく指示位置の座標値を平均化
する位置検出方法及びその装置を提案する。
【0023】また、前記第2の目的を達成するため、本
発明では、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ並設してな
る多数のループコイルのうちの一のループコイルと少な
くともコイルを有する位置指示器との間で電磁作用を及
ぼし合わせて誘導電圧を検出し、これを前記X軸方向及
びY軸方向の多数のループコイルについて一のループコ
イルを走査・選択して繰り返し、この際、得られたX軸
方向及びY軸方向の少なくとも2つの誘導電圧に基づい
て前記位置指示器によるX軸方向及びY軸方向の指示位
置の座標値を検出する位置検出方法において、X軸方向
のループコイルを走査・選択する期間と、Y軸方向のル
ープコイルを走査・選択する期間とを併せて一の座標検
出期間とする場合、座標検出期間毎にX軸方向のループ
コイルの走査・選択期間とY軸方向のループコイルの走
査・選択期間とを交互に入れ替えるとともに、ループコ
イルの走査・選択方向を交互に入れ替え、該走査・選択
期間並びに走査・選択方向を入れ替えた際の誘導電圧に
基づくX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を時系
列的に偶数個平均化する位置検出方法及びその装置を提
案する。
【0024】
【作用】本発明によれば、ループコイルを走査・選択し
た時の誘導電圧に基づいて検出される指示位置の座標値
における残留誘導電圧の影響によるずれは、該多数のル
ープコイルの走査・選択方向が一の方向の場合と該一の
方向の反対方向の場合とでその方向が逆となる。この点
は、例えば共振回路の共振周波数と送信電波の周波数と
が一致していても不一致であっても同様であるから、こ
れらの座標値を平均化することにより前記ずれを相殺す
ることができる。
【0025】また、本発明によれば、X軸方向及びY軸
方向の検出タイミングの時間的なずれに伴う実際の指示
位置からのずれは、X軸方向のループコイルの走査・選
択を行った後にY軸方向のループコイルの走査・選択を
行った場合と、Y軸方向のループコイルの走査・選択を
行った後にX軸方向のループコイルの走査・選択を行っ
た場合とで、X軸方向の座標値のずれをもたらすか、ま
たはY軸方向の座標値のずれをもたらすかという点で異
なる。従って、X軸方向及びY軸方向の指示位置の座標
値を時系列的に偶数個平均化すると、それぞれの方向の
座標値のずれが相殺されることになり、これによってボ
ーイング現象をなくすことができる。
【0026】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例のハードウェア
構成を示すもので、基本的に前述した先願のものと同一
であるが、これを簡略化した形で示す。図中、1は位置
指示器、2はセンス部、3は選択回路、4は送受切替回
路、5は発振器、6はレベル検出回路、7は位相検出回
路、8は処理装置である。
【0027】位置指示器1は、コイル、コンデンサ及び
スイッチを含み、スイッチをオフとした状態では所定の
周波数f0 を共振周波数とし、また、スイッチをオンと
した状態では該周波数f0 よりわずかに低い周波数、例
えばf1 を共振周波数とする共振回路を内蔵してなるも
のである。
【0028】センス部2は、位置検出方向(ここではX
軸方向)に並設された多数、例えば48本のループコイ
ルC0,C1,C2,……C47からなっている。選択
回路3はセンス部2の48本のループコイルより一のル
ープコイルを選択するものであり、処理装置8からの選
択情報に基づいて動作する。送受切替回路4は前記選択
された一のループコイルを発振器5とレベル検出回路6
及び位相検出回路7とに交互に接続するものであり、処
理装置8からの切替信号に基づいて動作する。
【0029】発振器5は前記所定の周波数f0 の基準ク
ロックを発生し、これを位相検出回路7、処理装置8並
びに図示しない低域フィルタ及び電流ドライバを介して
送受切替回路4へ供給する。レベル検出回路6は検波器
及び前記周波数f0 より十分遮断周波数の低い低域フィ
ルタよりなり、図示しない増幅器により増幅された受信
信号中の周波数f0 成分のエネルギーに応じたレベルを
有する直流信号を出力する。位相検出回路7は位相検波
器及び前記周波数f0 より十分遮断周波数の低い低域フ
ィルタよりなり、図示しない増幅器により増幅された受
信信号と前記基準クロックとの位相差に応じたレベルを
有する直流信号を出力する。
【0030】処理装置8は周知のマイクロプロセッサ等
より構成され、前記周波数f0 の基準クロックより送受
切替信号を作成して送受切替回路4に供給するととも
に、選択回路3を制御してセンス部2のループコイルを
切替え、また、レベル検出回路6の出力レベルをアナロ
グ/ディジタル(A/D)変換し、所定の演算処理を実
行して位置指示器1による指示位置の座標値を求め、こ
れを後述する如く平均化し、さらにまた、位相検出回路
7の出力レベルをアナログ/ディジタル(A/D)変換
し、位置指示器1におけるスイッチの状態を検出する。
【0031】図4は本実施例における処理の流れ図であ
り、以下、これに従って動作を説明する。
【0032】まず、処理装置8は選択回路3にセンス部
2のうちのループコイルC0を選択する情報を送出する
とともに、送受切替回路4に送信側を選択する信号を送
出し、前記ループコイルC0に発振器5の基準クロック
に基づく周波数f0 の正弦波信号を供給して周波数f0
の電波を発生させる。この時、センス部2上に位置指示
器1が載置されていると前記電波はその共振回路を励振
し、これに周波数f0の誘導電圧を発生させる。
【0033】処理装置8は送受切替回路4に送信側を選
択する信号を一定時間送出すると、受信側を選択する信
号を送出し、ループコイルC0より発生する電波を消滅
させる。この際、位置指示器1の共振回路に発生した誘
導電圧はその損失に応じて徐々に減衰するとともに周波
数f0 の電波を発信するが、該電波は前述したループコ
イルC0を逆に励振し、誘導電圧を発生させる。
【0034】処理装置8は送受切替回路4に受信側を選
択する信号を一定時間送出すると、再び送信側を選択す
る信号を送出し、以下、前記同様な電波の送受信をルー
プコイルC0について複数回、例えば合計4回繰返させ
る。次に、処理装置8は選択回路3に送出する情報を変
更して選択するループコイルをC1に切替え、前記同様
の電波の送受信を行い、以下、センス部2のループコイ
ルC2〜C47を順次走査・選択して前記同様の電波の
送受信を行う(ステップS1)。
【0035】なお、この際、センス部2のループコイル
C0〜C47の全てを選択することなく、1つ置き、2
つ置き、というように適当に間引いて選択しても良い。
【0036】前述した4回の受信期間中にセンス部2の
ループコイルに発生した誘導電圧はレベル検出回路6の
帯域フィルタで平均化され、さらに検波されて直流信号
に変換され処理装置8に送出される。前記直流信号のレ
ベルは位置指示器1とループコイルとの間の距離に依存
した値となるから、処理装置8はその最大値が予め設定
した所定の閾値以上か否かを判別することにより位置指
示器1がセンス部2の有効読取り高さ内にあるか否かを
判定する(ステップS2)。
【0037】処理装置8は前記高さ内に位置指示器1が
あると判定した場合、前記得られた各ループコイル毎の
信号より最大値が得られたループコイル(以下、ピーク
コイルと称す。)を抽出し(ステップS3)、位置指示
器1が有効エリア内にあるか否か、ここではピークコイ
ルが端のループコイルC0又はC47に該当しないかど
うかを調べる(ステップS4)。ここで、位置指示器1
が有効エリア外であれば検出中止や特別な方法による位
置検出等の別処理へ送る。なお、前記高さ内に位置指示
器1がないと判定された場合には前記ステップS1,S
2の処理を繰返す。
【0038】一方、位置指示器1が有効エリア内であれ
ば、処理装置6は前記求めたピークコイル(PC)を中
心とする所定の数、例えば7つのループコイルについて
番号の小さい方から大きい方(順方向)へ順次走査・選
択して前記同様の電波の送受信を行い(ステップS
5)、さらに前記7つのループコイルについて番号の大
きい方から小さい方(逆方向)へ順次走査・選択して前
記同様の電波の送受信を行う(ステップS6)。図5は
ピークコイルがC3の場合にステップS5,6の処理に
よって得られる誘導電圧の一例を示すものである。
【0039】前述したピークコイルを中心としたループ
コイルの順方向及び逆方向の部分選択(セクタスキャ
ン)が終了すると、処理装置8はこの際、レベル検出回
路6より得られた誘導電圧より、順方向及び逆方向のセ
クタスキャン毎にレベルの大きい順に複数、例えば3つ
の誘導電圧(図5の例ではe2,e3,e4)をそれぞ
れ抽出し(ステップS7)、これらの信号に基づいて先
願で述べているような周知の座標計算を実行し、位置指
示器1による指示位置の座標値をループコイルの走査・
選択方向別に求め、さらにこれらを平均化する(ステッ
プS8)。
【0040】ここで、従来技術の項で述べたように、一
のループコイルより送信される電波によって共振回路内
に発生した誘導電圧は、次のループコイルより電波が送
信されるまでに全て消滅せず残留し、次のループコイル
による電波の送受信に影響を及ぼすが、その影響は、ル
ープコイルを順方向にスキャンした時と逆方向にスキャ
ンした時とで反対方向に働くことになる。
【0041】前記共振回路内の残留誘導電圧は各ループ
コイルに対応する各誘導電圧値を変化させるが、その変
化の方向も反対方向となるから、順方向セクタスキャン
時の各誘導電圧と逆方向セクタスキャン時の各誘導電圧
とは、図5に示すように、ちょうど対称的な形となる。
【0042】また、位置指示器1の共振回路におけるス
イッチがオンとなり、その共振周波数がf0からf1へ変
化し、共振回路内の残留誘導電圧の位相と次の送信電波
の位相とが一致せず、これによって各ループコイルに対
応する各誘導電圧値を変化させる場合も、順方向セクタ
スキャン時の各誘導電圧と逆方向セクタスキャン時の各
誘導電圧とは、ちょうど対称的な形となる。
【0043】前述した各誘導電圧値の変化は指示位置の
座標値の演算結果に影響をもたらし、座標値にずれを発
生させるが、順方向セクタスキャン時の各誘導電圧に基
づく座標値のずれと、逆方向セクタスキャン時の各誘導
電圧に基づく座標値のずれとは反対方向となる。
【0044】本実施例では、前述したようにセクタスキ
ャンを順方向及び逆方向の両方について行い、それぞれ
について座標値を算出して平均化しているため、前述し
た座標値のずれがキャンセルされることになり、座標値
を補正することなく、また、位置指示器の共振回路にお
ける共振周波数の変化に拘らず、常に正確な指示位置の
座標値が検出可能となる。
【0045】なお、前述した共振回路における共振周波
数の変化は位相検出回路7により位相の変化を表す直流
信号として出力され、これより処理装置8によって位置
指示器1におけるスイッチの状態が識別される(ステッ
プS9)。
【0046】図6は本発明の第2の実施例のハードウェ
ア構成を示すもので、ここではX軸方向及びY軸方向の
互いに直交する2方向の位置検出を行うようになした例
を示す。図中、第1の実施例と同一構成部分は同一符号
をもって表す。即ち、5は発振器、6はレベル検出回
路、7は位相検出回路、11はセンス部、12,13は
選択回路、14,15は送受切替回路、16,17はX
Y切替回路、18は処理装置である。なお、図面を簡略
化するため、制御ラインについては省略した。
【0047】センス部11はX軸方向に並設された多
数、例えば48本のループコイルと、Y軸方向に並設さ
れた多数、同じく48本のループコイル(但し、いずれ
も図面では省略)とからなっている。選択回路12はセ
ンス部11のX軸方向の48本のループコイルより一の
ループコイルを選択するものであり、また、選択回路1
3はセンス部11のY軸方向の48本のループコイルよ
り一のループコイルを選択するものであり、いずれも処
理装置18からの選択情報に基づいて動作する。
【0048】送受切替回路14は前記選択されたX軸方
向の一のループコイルをXY切替回路16,17を介し
て発振器5とレベル検出回路6及び位相検出回路7とに
交互に接続するものであり、また、送受切替回路15は
前記選択されたY軸方向の一のループコイルをXY切替
回路16,17を介して発振器5とレベル検出回路6及
び位相検出回路7とに交互に接続するものであり、処理
装置18からの切替信号に基づいて動作する。
【0049】XY切替回路16は発振器5で発生する周
波数f0 の基準クロックを図示しない低域フィルタ及び
電流ドライバを介して送受切替回路14及び15に交互
に切り替えて供給するもので、処理装置18からのXY
切替信号に基づいて動作する。XY切替回路17は選択
回路12及び13でそれぞれ選択されたX軸方向及びY
軸方向の一のループコイルを送受切替回路14及び15
を介して交互にレベル検出回路6並びに位相検出回路7
に切り替えて接続するもので、処理装置18からのXY
切替信号に基づいて動作する。
【0050】処理装置18は周知のマイクロプロセッサ
等より構成され、前記周波数f0 の基準クロックより送
受切替信号を作成して送受切替回路14,15に供給す
るとともに、選択回路12,13及びXY切替回路1
6,17を制御してセンス部11のループコイルを切替
え、また、レベル検出回路6の出力レベルをアナログ/
ディジタル(A/D)変換し、所定の演算処理を実行し
て位置指示器(図示せず)による指示位置の座標値を求
め、これを後述する如く平均化し、さらにまた、位相検
出回路7の出力レベルをアナログ/ディジタル(A/
D)変換し、位置指示器におけるスイッチの状態を検出
する。
【0051】図7は本実施例における処理の流れ図であ
り、その動作はX軸方向のループコイルに対する動作と
Y軸方向のループコイルに対する動作とが交互に行われ
る点及びX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標値を時
系列的に偶数個平均化する、即ち移動平均を求める点を
除いて基本的に第1の実施例の場合と同様である。従っ
て、この実施例によれば、座標値を補正することなく、
位置指示器の共振回路における共振周波数の変化に拘ら
ず、常に正確なX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標
値が検出可能となる。
【0052】図8は前記第2の実施例における別の処理
の流れ図を示すもので、セクタスキャンの順番をX軸方
向、Y軸方向、Y軸方向、X軸方向、X軸方向、……と
し、セクタスキャンの方向は考慮していない点で、図7
の流れ図と異なっている。このような順番でセクタスキ
ャンを行い、得られたX軸方向及びY軸方向の2つの座
標値をそれぞれ平均化すると、それぞれの方向の座標値
のずれが相殺されることになり、これによってボーイン
グ現象をなくすことが可能となる。
【0053】図9は図8の処理によってボーイング現象
が解消されるようすを示すものである。即ち、図8中の
ステップS11,12により求められる座標値x11,y
11で表される位置P11は図3中のP1 *と同様にx座標値
に誤差を有するものであるが、図8中のステップS1
3,14により求められる座標値y12,x12で表される
位置P12は図3中のP2 *とは異なり、y座標値に誤差を
有するものとなる。従って、これらを平均化すると、そ
の位置PM1は実線100 に近接したものとなる。以下同様
に、座標値y12,x12で表される位置P12及び座標値x
13,y13で表される位置P13より位置PM2が求められ、
また、座標値x13,y13で表される位置P13及び座標値
14,x14で表される位置P14より位置PM3が求められ
る。
【0054】図10は前記第2の実施例におけるさらに
別の処理の流れ図を示すもので、セクタスキャンの順番
をX軸順方向、Y軸順方向、Y軸逆方向、X軸逆方向、
X軸順方向、……としている点で、図7の流れ図と異な
っている。このような順番及び方向でセクタスキャンを
行い、得られたX軸方向及びY軸方向の2つの座標値を
それぞれ平均化すると、それぞれの方向の座標値のずれ
が相殺されることになり、これによってボーイング現象
をなくすとともに、共振回路中の残留誘導電圧による座
標値のずれをなくすことが可能となる。
【0055】図11は図10の処理によってボーイング
現象が解消されるとともに共振回路中の残留誘導電圧に
よる座標値のずれがなくなるようすを説明するためのも
のである。即ち、図10中のステップS21,22によ
り求められる位置P11のx及びy座標値は順方向セクタ
スキャンによるものであり、また、図10中のステップ
S23,24により求められる位置P12のx及びy座標
値は逆方向セクタスキャンによるものであるから、これ
らを平均化して得られる位置、例えばPM1のx及びy座
標値は、それぞれの方向の座標値のずれとともに、共振
回路中の残留誘導電圧による座標値のずれが相殺される
ものになる。
【0056】なお、これまでの説明では、電波の送信及
び受信時とも、多数のループコイルを切り替えていくも
のとしたが、電波の送信時には常に位置指示器に最も近
いループコイルより電波を送信するようになしても良
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1及
び2によれば、ループコイルを走査・選択した時の誘導
電圧に基づいて検出される指示位置の座標値における残
留誘導電圧の影響によるずれは、該多数のループコイル
の走査・選択方向が一の方向の場合と該一の方向の反対
方向の場合とでその方向が逆となり、この点は、例えば
共振回路の共振周波数と送信電波の周波数とが一致して
いても不一致であっても同様であることを利用して、こ
れらの座標値を平均化することにより座標値のずれを相
殺し、補正を必要とすることなく、しかも位置指示器の
共振回路における共振周波数の変化等にも拘らず、常に
正確な指示位置の座標値を求めることができる。
【0058】また、本発明の請求項3及び4によれば、
所定の数のループコイルについて一のループコイルを順
次走査・選択して繰り返し、この際、得られた少なくと
も2つの誘導電圧に基づいて位置指示器による指示位置
の座標値を検出するに際して、補正を必要とすることな
く、しかも位置指示器の共振回路における共振周波数の
変化等にも拘らず、常に正確な指示位置の座標値を求め
ることができる。
【0059】また、本発明の請求項5及び6によれば、
ボーイング現象をなくすことができるとともに、補正を
必要とすることなく、しかも位置指示器の共振回路にお
ける共振周波数の変化等にも拘らず、常に正確なX軸方
向及びY軸方向の指示位置の座標値を求めることができ
る。
【0060】また、本発明の請求項7及び8によれば、
X軸方向及びY軸方向の所定の数のループコイルについ
て一のループコイルを順次走査・選択して繰り返し、こ
の際、得られた少なくとも2つの誘導電圧に基づいて位
置指示器によるX軸方向及びY軸方向の指示位置の座標
値を検出するに際して、ボーイング現象をなくすことが
できるとともに、補正を必要とすることなく、しかも位
置指示器の共振回路における共振周波数の変化等にも拘
らず、常に正確なX軸方向及びY軸方向の指示位置の座
標値を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のハードウェア構成図
【図2】従来の位置検出装置における動作波形の一例を
示す波形図
【図3】ボーイング現象の発生のようすを示す説明図
【図4】第1の実施例のソフトウェア構成を示すフロー
チャート
【図5】順方向及び逆方向セクタスキャンにより得られ
た信号の一例を示す図
【図6】本発明の第2の実施例のハードウェア構成図
【図7】第2の実施例のソフトウェア構成を示すフロー
チャート
【図8】第2の実施例のソフトウェア構成を示す他のフ
ローチャート
【図9】図8の処理フローを用いた場合にボーイング現
象が解消されるようすを示す説明図
【図10】第2の実施例のソフトウェア構成を示すさら
に他のフローチャート
【図11】図10の処理フローを用いた場合にボーイン
グ現象及び残留誘導電圧の影響が解消されるようすを示
す説明図
【符号の説明】
1…位置指示器、2,11…センス部、3,12,13
…選択回路、4,14,15…送受切替回路、5…発振
器、6…レベル検出回路、7…位相検出回路、8,18
…処理装置、16,17…XY切替回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03 - 3/037

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検出方向に並設してなる多数のルー
    プコイルのうちの一のループコイルと少なくともコイル
    を有する位置指示器との間で電磁作用を及ぼし合わせて
    誘導電圧を検出し、これを前記多数のループコイルにつ
    いて一のループコイルを走査・選択して繰り返し、この
    際、得られた少なくとも2つの誘導電圧に基づいて前記
    位置指示器による指示位置の座標値を検出する位置検出
    方法において、 ループコイルの走査・選択方向を交互に入れ替え、 該走査・選択方向を入れ替えた際のそれぞれの誘導電圧
    に基づく指示位置の座標値を平均化することを特徴とす
    る位置検出方法。
  2. 【請求項2】 位置検出方向に並設してなる多数のルー
    プコイルのうちの一のループコイルと少なくともコイル
    を有する位置指示器との間で電磁作用を及ぼし合わせて
    誘導電圧を検出し、これを前記多数のループコイルにつ
    いて一のループコイルを走査・選択して繰り返し、この
    際、得られた少なくとも2つの誘導電圧に基づいて前記
    位置指示器による指示位置の座標値を検出する位置検出
    装置において、 ループコイルを走査・選択する際、その方向を交互に入
    れ替えて選択する選択手段と、 該走査・選択方向を入れ替えた際のそれぞれの誘導電圧
    に基づく指示位置の座標値を平均化する平均化手段とを
    備えたことを特徴とする位置検出装置。
  3. 【請求項3】 位置検出方向に並設してなる多数のルー
    プコイルのうちの一のループコイルと少なくともコイル
    を有する位置指示器との間で電磁作用を及ぼし合わせて
    誘導電圧を検出するに際し、位置指示器の位置が不明の
    時は前記多数のループコイルについて一のループコイル
    を走査・選択して繰り返し、また、位置指示器の位置が
    既知の時は前記多数のループコイルのうち最大の誘導電
    圧を検出した時のループコイルを中心とする所定の数の
    ループコイルについて一のループコイルを順次走査・選
    択して繰り返し、この際、得られた少なくとも2つの誘
    導電圧に基づいて前記位置指示器による指示位置の座標
    値を検出する位置検出方法において、 前記所定の数のループコイルの走査・選択方向を交互に
    入れ替え、 該走査・選択方向を入れ替えた際のそれぞれの誘導電圧
    に基づく指示位置の座標値を平均化することを特徴とす
    る位置検出方法。
  4. 【請求項4】 位置検出方向に並設してなる多数のルー
    プコイルのうちの一のループコイルと少なくともコイル
    を有する位置指示器との間で電磁作用を及ぼし合わせて
    誘導電圧を検出するに際し、位置指示器の位置が不明の
    時は前記多数のループコイルについて一のループコイル
    を走査・選択して繰り返し、また、位置指示器の位置が
    既知の時は前記多数のループコイルのうち最大の誘導電
    圧を検出した時のループコイルを中心とする所定の数の
    ループコイルについて一のループコイルを順次走査・選
    択して繰り返し、この際、得られた少なくとも2つの誘
    導電圧に基づいて前記位置指示器による指示位置の座標
    値を検出する位置検出装置において、 前記所定の数のループコイルを順次走査・選択する際、
    その方向を交互に入れ替えて選択する選択手段と、 該走査・選択方向を入れ替えた際のそれぞれの誘導電圧
    に基づく指示位置の座標値を平均化する平均化手段とを
    備えたことを特徴とする位置検出装置。
  5. 【請求項5】 X軸方向及びY軸方向にそれぞれ並設し
    てなる多数のループコイルのうちの一のループコイルと
    少なくともコイルを有する位置指示器との間で電磁作用
    を及ぼし合わせて誘導電圧を検出し、これを前記X軸方
    向及びY軸方向の多数のループコイルについて一のルー
    プコイルを走査・選択して繰り返し、この際、得られた
    X軸方向及びY軸方向の少なくとも2つの誘導電圧に基
    づいて前記位置指示器によるX軸方向及びY軸方向の指
    示位置の座標値を検出する位置検出方法において、 X軸方向のループコイルを走査・選択する期間と、Y軸
    方向のループコイルを走査・選択する期間とを併せて一
    の座標検出期間とする場合、座標検出期間毎にX軸方向
    のループコイルの走査・選択期間とY軸方向のループコ
    イルの走査・選択期間とを交互に入れ替えるとともに、
    ループコイルの走査・選択方向を交互に入れ替え、 該走査・選択期間並びに走査・選択方向を入れ替えた際
    の誘導電圧に基づくX軸方向及びY軸方向の指示位置の
    座標値を時系列的に偶数個平均化することを特徴とする
    位置検出方法。
  6. 【請求項6】 X軸方向及びY軸方向にそれぞれ並設し
    てなる多数のループコイルのうちの一のループコイルと
    少なくともコイルを有する位置指示器との間で電磁作用
    を及ぼし合わせて誘導電圧を検出し、これを前記X軸方
    向及びY軸方向の多数のループコイルについて一のルー
    プコイルを走査・選択して繰り返し、この際、得られた
    X軸方向及びY軸方向の少なくとも2つの誘導電圧に基
    づいて前記位置指示器によるX軸方向及びY軸方向の指
    示位置の座標値を検出する位置検出装置において、 X軸方向のループコイルを走査・選択する期間と、Y軸
    方向のループコイルを走査・選択する期間とを併せて一
    の座標検出期間とする場合、座標検出期間毎にX軸方向
    のループコイルの走査・選択期間とY軸方向のループコ
    イルの走査・選択期間とを交互に入れ替えるとともに、
    ループコイルの走査・選択方向を交互に入れ替えて選択
    する選択手段と、 該走査・選択期間並びに走査・選択方向を入れ替えた際
    の誘導電圧に基づくX軸方向及びY軸方向の指示位置の
    座標値を時系列的に偶数個平均化する平均化手段とを備
    えたことを特徴とする位置検出装置。
  7. 【請求項7】 X軸方向及びY軸方向にそれぞれ並設し
    てなる多数のループコイルのうちの一のループコイルと
    少なくともコイルを有する位置指示器との間で電磁作用
    を及ぼし合わせて誘導電圧を検出するに際し、位置指示
    器の位置が不明の時は前記X軸方向及びY軸方向の多数
    のループコイルについて一のループコイルを走査・選択
    して繰り返し、また、位置指示器の位置が既知の時は前
    記X軸方向の多数のループコイルのうち最大の誘導電圧
    を検出した時のループコイルを中心とする所定の数のル
    ープコイルについて一のループコイルを順次走査・選択
    して繰り返し、また、前記Y軸方向の多数のループコイ
    ルのうち最大の誘導電圧を検出した時のループコイルを
    中心とする所定の数のループコイルについて一のループ
    コイルを順次走査・選択して繰り返し、この際、得られ
    たX軸方向及びY軸方向の少なくとも2つの誘導電圧に
    基づいて前記位置指示器によるX軸方向及びY軸方向の
    指示位置の座標値を検出する位置検出方法において、 X軸方向の所定の数のループコイルを順次走査・選択す
    る期間と、Y軸方向の所定の数のループコイルを順次走
    査・選択する期間とを併せて一の座標検出期間とする場
    合、座標検出期間毎にX軸方向のループコイルの走査・
    選択期間とY軸方向のループコイルの走査・選択期間と
    を交互に入れ替えるとともに、ループコイルの走査・選
    択方向を交互に入れ替え、 該走査・選択期間並びに走査・選択方向を入れ替えた際
    の誘導電圧に基づくX軸方向及びY軸方向の指示位置の
    座標値を時系列的に偶数個平均化することを特徴とする
    位置検出方法。
  8. 【請求項8】 X軸方向及びY軸方向にそれぞれ並設し
    てなる多数のループコイルのうちの一のループコイルと
    少なくともコイルを有する位置指示器との間で電磁作用
    を及ぼし合わせて誘導電圧を検出するに際し、位置指示
    器の位置が不明の時は前記X軸方向及びY軸方向の多数
    のループコイルについて一のループコイルを走査・選択
    して繰り返し、また、位置指示器の位置が既知の時は前
    記X軸方向の多数のループコイルのうち最大の誘導電圧
    を検出した時のループコイルを中心とする所定の数のル
    ープコイルについて一のループコイルを順次走査・選択
    して繰り返し、また、前記Y軸方向の多数のループコイ
    ルのうち最大の誘導電圧を検出した時のループコイルを
    中心とする所定の数のループコイルについて一のループ
    コイルを順次走査・選択して繰り返し、この際、得られ
    たX軸方向及びY軸方向の少なくとも2つの誘導電圧に
    基づいて前記位置指示器によるX軸方向及びY軸方向の
    指示位置の座標値を検出する位置検出装置において、 X軸方向の所定の数のループコイルを順次走査・選択す
    る期間と、Y軸方向の所定の数のループコイルを順次走
    査・選択する期間とを併せて一の座標検出期間とする場
    合、座標検出期間毎にX軸方向のループコイルの走査・
    選択期間とY軸方向のループコイルの走査・選択期間と
    を交互に入れ替えるとともに、ループコイルの走査・選
    択方向を交互に入れ替えて選択する選択手段と、 該走査・選択期間並びに走査・選択方向を入れ替えた際
    の誘導電圧に基づくX軸方向及びY軸方向の指示位置の
    座標値を時系列的に偶数個平均化する平均化手段とを備
    えたことを特徴とする位置検出装置。
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