JP3513985B2 - 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液 - Google Patents
硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液Info
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Description
に関するものである。さらに詳しくはカルボキシル基含
有重合体の存在下、水性媒体中でエチレン性不飽和単量
体を重合せしめて得られる塗料、接着剤、繊維加工等に
有用な硬化性重合体水性分散液に関するものである。
重合して得られる重合体水性分散液はエマルジョンバイ
ンダーとして塗料、接着剤、繊維加工等の広範囲の用途
に利用されており、これらのポリマーエマルジョンは通
常の界面活性剤(乳化剤)の存在下にエチレン性不飽和
単量体及びラジカル生成触媒を加えて乳化重合すること
により製造されている。ここに於いて乳化剤は重合中の
系の安定性を保持すること及び生成ポリマーエマルジョ
ンの安定性を保持するために用いられているものである
が、乳化剤は皮膜形成後においても、ポリマーエマルジ
ョンに残留するため、エマルジョン皮膜の耐水性、耐溶
剤性、力学的強度、耐熱性、接着性等を低下せしめると
いうことが一般に認められている。
エマルジョンの製造に於いて、乳化剤を用いないで乳化
重合する方法が種々提案されており、例えば、水溶性ア
クリル樹脂を分散安定剤として用いて重合を行なう方法
において、該水溶性アクリル樹脂の側鎖に反応基を導入
して生成重合体と架橋させて諸物性を向上させる方法と
して、特開昭63−258913号公報にはカルボキシ
ル基を含有する重合体を分散安定剤として用い、この分
散安定剤の存在下、分散安定剤のカルボキシル基と反応
し得る反応基を含有するエチレン性不飽和単量体を乳化
重合して得られる硬化性重合体水性分散液が開示されて
いる。
63−258913号公報に記載された硬化性重合体
は、乳化重合の安定性の面から、酸価を高くし、且つ分
子量を低くした親水性の強い重合体を分散安定剤として
用いなければならず、そのため重合体を硬化性樹脂の反
応基として用いた場合でも親水性の強い成分がエマルジ
ョン皮膜中に残留するため、エマルジョン皮膜の耐水性
が劣るという課題を有する。
の耐水性が極めて良好な硬化性重合体水性分散液を提供
することにある。
を進めた結果、カルボキシル基を含有する比較的分子量
の高い重合体の存在下、特定成分の重合性単量体を乳化
重合して得られる硬化性重合体水性分散液が、前記目的
を達成し得るものであることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
〜300、重量平均分子量が100,000以上で、且
つ、ゲル分率(アセトン不溶解分)が95重量%以下で
あるカルボキシル基含有重合体[A]の存在下、前記カ
ルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチレン性
不飽和単量体(b−1)を必須の成分とする単量体成分
(b)を乳化重合することを特徴とする硬化性重合体水
性分散液の製造方法、及び、重合体水性分散液の分散粒
子が少なくともA相及びB相の2種の相からなり、A相
が酸価30〜300、重量平均分子量が100,000
以上で、且つゲル分率(アセトン不溶解分)が95重量
%以下のカルボキシル基含有重合体[A]から構成さ
れ、B相が前記カルボキシル基と反応性を有する基を含
有するエチレン性重合体[B]から構成されることを特
徴とする硬化性重合体水性分散液に関する。
の分散安定剤を全く使用しない場合、或いは使用量を極
少量に減じた場合でも安定にポリマーエマルジョンが製
造でき、エマルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的
強度等の諸物性、とりわけ耐水性に優れた硬化性重合体
水性分散液が得られる。
重合体[A]は、水性媒体中に分散しており、酸価が3
0〜300、重量平均分子量が100,000以上で、
且つ、ゲル分率(アセトン不溶解分)が95重量%以下
のものであるが、該重合体[A]中のカルボキシル基
は、重合体に親水性を付与するとともに、得られる硬化
性重合体を硬化する際の反応基として使用するためのも
のである。
るカルボキシル基の含有量は、カルボキシル基含有重合
体[A]及び後重合用単量体成分の乳化重合時の安定性
の面から酸価で30以上含まれる必要がある。
酸価が30未満の場合、後重合用単量体成分の乳化重合
の安定性及び貯蔵安定性が著しく悪化し良好な硬化性重
合体水性分散液が得られなくなる。一方、得られる皮膜
の耐水性の面からカルボキシル基含有重合体[A]に親
水性を付与しているカルボキシル基をできるだけ少量に
抑制することが好ましく、カルボキシル基含有重合体
[A]のカルボキシル基の含有量を酸価で300以下と
する必要がある。
酸価が300を越えると、得られるエマルジョン皮膜の
耐水性が著しく低下してしまう。
は、得られるエマルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤性等の
面から、重量平均分子量で100,000以上でなけれ
ばならなず、重量平均分子量が100,000未満の場
合、耐水性、耐溶剤性が著しく低下する。
基含有重合体[A]を構成するポリマーを溶媒(テトラ
ヒドロフラン)に溶解してゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフ(GPC法)で測定することにより行われ
るポリスチレン換算での重量平均分子量を示し、測定は
後記の実施例にて示される条件で実施される。
均分子量は、100,000以上であれば特に限定され
ず、例えば分子量を高くするためにカルボキシル基含有
重合体[A]を三次元に架橋せしめて製造することも可
能であるが、但しカルボキシル基含有重合体[A]のア
セトン不溶解分で表されるゲル分率が95重量%以下で
ある必要がある。
ゲル分率が95重量%を越えると、単量体成分(b)の
乳化重合の安定性が悪化するとともに得られるエマルジ
ョン皮膜の造膜性が低下し諸物性が悪くなるため好まし
くない。
[A]のゲル分率とは、カルボキシル基含有重合体
[A]を構成するポリマーがどの程度架橋結合に関与し
ているかということを示す指標となるものであり、これ
は上記ポリマーの溶剤不溶分(重量%)を測定すること
により表される。
[A]またはカルボキシル基含有重合体[A]を含むエ
マルジョンからポリマーの皮膜を形成し、これをアセト
ンに浸漬して架橋結合に関与しないポリマーを溶出さ
せ、残存するアセトン不溶解分を測定することにより行
われ、測定方法は後記の実施例にて示される条件で実施
する方法が挙げられる。
転移温度(Tg)は、特に制限を受けるものではない
が、後重合用単量体成分の乳化重合の際の重合安定性及
び得られるエマルジョン皮膜の造膜性の面から、カルボ
キシル基含有重合体[A]のガラス転移温度(Tg)を
−60〜30℃の範囲とすることが好ましい。
の製造方法は、特に限定されず、例えば、エチレン性不
飽和単量体のフリーラジカル重合により製造する方法
や、非フリーラジカル付加重合または重縮合によっても
製造できる。かかるカルボキシル基含有重合体[A]
は、例えば、エチレン性不飽和単量体の付加重合体(ア
クリル系重合体、ブタジエン系重合体)、尿素並びにウ
レタン結合を有する重合体を含むウレタン重合体及びポ
リエステル重合体等が挙げられ、これら種々の重合体の
混合物、例えばアクリル重合体/ウレタン重合体の混合
物も使用できる。
の製造方法として、特に、エチレン性不飽和単量体を原
料とするフリーラジカル重合により製造する方法を用い
た場合、得られるカルボキシル基含有重合体[A]の酸
価、分子量、ゲル分率の調整が容易であり、また、カル
ボキシル基含有重合体[A]と単量体成分(b)及びカ
ルボキシル基含有重合体[A]の存在下に水性媒体中で
行う単量体成分(b)の重合により生成するポリマーと
の相溶性が良く、水性媒体中で行う単量体成分(b)重
合時の安定性が向上する面から好ましい。さらに、エチ
レン性不飽和単量体を原料とする製造方法の場合、カル
ボキシル基含有重合体[A]に後述するカルボキシル基
以外の種々の反応性官能基を導入することが容易である
点からも好ましい。
ラジカル重合で製造する方法としては、特に特定される
ものではないが、カルボキシル基含有エチレン性不飽和
単量体成分(a−1)を必須の成分とする単量体成分
(a)を、その性状に応じて懸濁重合、乳化重合、塊状
重合、溶液重合いずれの方法でも製造することができる
が、特に、カルボキシル基含有重合体[A]の重量平均
分子量を100,000以上に容易にすることができる
点から、水性媒体中で行う懸濁重合または乳化重合で実
施することが好ましい。また、カルボキシル基含有重合
体[A]を水性媒体中で製造した場合、カルボキシル基
含有重合体[A]を水性媒体中に分散させる工程が省略
でき、カルボキシル基含有重合体[A]の製造工程と単
量体成分(b)の重合工程を連続して行えるので製造工
程を簡素化できる点からも好ましい。
ラジカル重合で製造する際に用いる単量体成分(a)
は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−
1)を必須の成分とするが、カルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体(a−1)としては、分子内にカルボ
キシル基とエチレン性不飽和基を有するものであれば特
に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはこれら
の半エステルまたはこれらの塩等が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
シル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)の他、そ
の他のエチレン性不飽和単量体を併用し重合させること
により上述した酸価30〜300のカルボキシル基含有
重合体[A]を得ることができる。
しては、エチレン性不飽和単量体(a−1)と共重合性
のあるものであれば特に限定されず、例えばメチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレ
ート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト等のアクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオ
ロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペン
タフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオ
ロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,
3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、
β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレ
ート等のフッ素含有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニ
ル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビ
ニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニト
リル等の不飽和カルボン酸のニトリル類;スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソー
ル、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルス
チレン等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレ
ン、クロロプレン、ブタジエン、N−ビニルピロリドン
等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
使用することができる。
して、乳化重合時の安定性、エマルジョンの貯蔵安定性
を向上させることを目的として、得られるエマルジョン
皮膜の耐水性を低下しない範囲で、スルホン酸基及び/
またはサルフェート基(及び/またはその塩)を含有す
るエチレン性不飽和単量体を併用することができる。
チレンスルホン酸等のビニルスルホン酸類またはその
塩、アリルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等
のアリル基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)ア
クリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−ス
ルホプロピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン
酸類またはその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチ
ルスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホ
ン酸類またはその塩等が挙げられ、これらの1種または
2種以上の混合物を使用することができる。
不飽和単量体として、カルボキシル基含有重合体[A]
を架橋せしめて分子量を高くすることを目的に、ゲル分
率が95重量%越えない範囲で、エチレン性不飽和基を
2つ以上持つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用す
ることも可能であり、この多官能性エチレン性不飽和単
量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上述した単量体の1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
(a)中のその他のエチレン性不飽和単量体として、上
述した単量体と共に、カルボキシル基以外の反応性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体(a−2)を併用し
て重合することにより、後述するB相を形成するエチレ
ン性重合体[B]との架橋密度を更に高めることができ
好ましい。
より、該単量体中の反応性官能基が、後述するエチレン
性重合体[B]中のカルボキシル基と反応性を有する官
能基、更にエチレン性不飽和単量体(b−2)に起因す
るその他の官能基と架橋反応することにより硬化物の架
橋密度が高まり、硬化物の耐水性等の諸物性が一層向上
する。また、単量体(a−2)の反応性官能基がカルボ
キシル基と反応性を有するものである場合や、単量体
(a−2)の反応性官能基が自己反応する場合は、カル
ボキシル基含有重合体[A]の分子量を増大させ、耐水
性等の諸物性を向上させる効果があるが、前述の如くカ
ルボキシル基含有重合体[A]のゲル分率が95重量%
以下となる条件(反応性官能基の種類、量の選択、カル
ボキシル基含有重合体[A]重合時の反応温度、重合時
の系のpH等を調節する)で使用する必要がある。
2)としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル等のエポキシ基含有重合性単量体;2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)
アクリレート等の水酸基含有重合性単量体;アミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性
単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−
イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド
基及びそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基若しくはシ
ラノール基含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル
(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単
量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)
アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール付加物
等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシア
ナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキ
サゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有
重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アクロレ
イン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニ
ル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メ
タ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量
体等が挙げられる。
は上述した単量体の1種または2種以上の混合物として
使用することができる。
[B]中のカルボキシル基と反応性を有する官能基との
反応性、並びに、エチレン性不飽和単量体(b−2)に
起因するその他の官能基が存在している場合には該官能
基との反応性に著しく優れ、硬化物の耐久性及び耐水性
がより向上する点から、特にエポキシ基含有重合性単量
体、水酸基含有重合性単量体、メチロールアミド基含有
重合性単量体、加水分解性シリル基若しくはシラノール
基含有重合性単量体、アセトアセチル基含有重合性単量
体を使用することが好ましい。
性シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体を使
用すると、加水分解性シリル基若しくはシラノール基の
自己反応によりカルボキシル基含有重合体[A]の分子
量を増大させるとともに、後述するエチレン性重合体
[B]中のカルボキシル基と反応性を有する官能基、更
にエチレン性不飽和単量体(b−2)に起因するその他
の官能基と架橋反応することにより硬化物の架橋密度が
高まり、硬化物の耐水性等の諸物性が一層向上するため
好ましい。
シラノール基含有重合性単量体としては、特にその構造
が特定されるものではないが、一分子中に重合性エチレ
ン性不飽和基と、一般式(I):
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
1 はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基及びアミノ基から選ばれた1価の基、aは0、1ま
たは2を表す)で表される加水分解性シリル基若しくは
シラノール基を含む化合物が挙げられ、更に具体的に
は、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及び
その塩酸塩等を挙げることができる。これらの加水分解
性シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体は、
単独で使用してもよいし、また、2種以上を併用しても
よい。
シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体を含む
単量体成分(a)を水性媒体中で重合してカルボキシル
基含有重合体[A]を製造する場合、カルボキシル基含
有重合体[A]に組み込まれた加水分解性シリル基若し
くはシラノール基が加水分解を受け、続いて起こる自己
縮合反応によりカルボキシル基含有重合体[A]の架橋
密度が向上し耐水性等の諸物性が向上するが、架橋密度
が高くなりゲル分率が95重量%を越えると、前述の如
く単量体成分(b)重合時の安定性が悪くなるため好ま
しくない。
性シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体の使
用量は、カルボキシル基含有重合体[A]のゲル分率を
95重量%以下とすることから、単量体成分(a)10
0重量部中に0.2〜20重量部の範囲で使用すること
が好ましい。
シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体を含む
単量体成分(a)を水性媒体中で重合する際に、シロキ
サン結合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性
シラン(d)の存在下に重合を行うことにより、後述す
る単量体成分(b)重合時の安定性が向上し、また、最
終的に得られる硬化性重合体水性分散液のエマルジョン
皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性が一層
向上し、さらに硬化性重合体水性分散液の貯蔵安定性を
向上させるため好ましい。
る非ラジカル重合性シラン(d)としては、例えば、ト
リメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン等のアルコキシシラン類、メチルクロロシラ
ン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、
トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、
ジフェニルクロロシラン等のクロロシラン類オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロ
キサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン等の環状シラン類等が挙げら
れ、さらにカリウムメチルシリコネート等のアルカリシ
リコネート類や、メチルシリケート51(三菱化成社
製:ポリメトキシシロキサン)、エチルシリケート40
(コルコート社製:ポリエトキシシロキサン)等のアル
コキシシランの縮合物や、下記一般式(IV)または
(V):
ルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R5 はヒドロ
キシ基、アルコキシ基、アセトキシ基、アシロキシ基か
ら選ばれた一価の基、mは2〜1000の整数、Si原
子に結合するR4、及びR5 はすべて同一の基であって
も異なる基であってもよい)で表される線状シロキサン
等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
使用することができる。
る非ラジカル重合性シラン(d)として、下記一般式
(II):
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
2 はヒドロキシ基、アルコキシ基から選ばれた1価の
基、bは0、1、2または3の整数、Si原子に結合す
るR1 及びX1 がそれぞれ2個以上の場合、それらは同
一の基であっても異なる基であってもよい)で表される
加水分解性アルコキシシランを使用すると、後述する単
量体成分(b)重合時の安定性が著しく向上し、さらに
硬化性重合体水性分散液の貯蔵安定性を向上させるため
好ましい。
を有する非ラジカル重合性シラン(d)として、加水分
解性アルコキシシランを用いる場合、下記一般式(II
I):
た1価の基、Si原子に結合するX3 はそれぞれ同一の
基であっても異なる基であってもよい)で表される四官
能性加水分解性アルコキシシランを使用した場合、エマ
ルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物
性の向上効果が大きいため好ましい。
ては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
る非ラジカル重合性シラン(d)の使用割合は、加水分
解性シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体1
モルに対して、シロキサン結合を形成し得る官能基を有
する非ラジカル重合性シラン(d)を0.5〜5.0モ
ルの範囲で使用することが好ましく、0.5モル以上の
場合、エマルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強
度等の諸物性、及び硬化性重合体水性分散液の貯蔵安定
性の向上効果が良好となり、一方、5.0モル以下の場
合、単量体成分(a)重合時の安定性、及び後述する単
量体成分(b)重合時の安定性が改善され好ましい。
る非ラジカル重合性シラン(d)は、水性媒体中で単量
体成分(a)を重合する際に使用するが、シロキサン結
合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性シラン
(d)の縮合反応によるシロキサン結合の形成、高分子
量化が同時に進行していてもよい。
和単量体(a−1)と、その他のエチレン性不飽和単量
体との使用割合は、前記の如くカルボキシル基含有重合
体[A]の酸価が30〜300となるような割合でカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)を使
用する必要があり、且つ、後述する単量体成分(b)及
びその生成ポリマー成分との相溶性を考慮して、その種
類と量を選択することが好ましい。
性不飽和単量体(a−1)とその他のエチレン性不飽和
単量体との使用割合は、重量基準で前者/後者=3/9
7〜50/50であり、より好ましくは前者/後者=5
/95〜30/70であり、この範囲で用いると、単量
体成分(b)重合時の安定性と、得られるエマルジョン
皮膜の耐水性の点から好ましい。
してエチレン性不飽和単量体(a−2)を使用する場合
において、該単量体(a−2)が、カルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体(a−1)中のカルボキシル基
と反応性を有する場合には、単量体成分(b)重合時の
安定性と貯蔵安定性の点から、その使用量はカルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)1モルに対
してエチレン性不飽和単量体(a−2)が0.1〜0.
5モルの範囲であることが好ましく、カルボキシル基含
有重合体[A]のゲル分率を95重量%以下に調製し易
くなる点からも好ましい。
ル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)中のカルボ
キシル基と反応性を有しない場合には、カルボキシル基
含有エチレン性不飽和単量体(a−1)1モルに対して
エチレン性不飽和単量体(a−2)が0.1〜2.0モ
ルの範囲で使用することが好ましく、この範囲で用いる
と、単量体成分(b)重合時の安定性が良好となるため
好ましい。
体中で製造する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を
全く使用せずに重合することができる。また、得られる
エマルジョン皮膜の耐水性等を低下させない範囲で必要
に応じて、乳化剤及びその他の分散安定剤を使用するこ
とも可能である。
オン性乳化剤の公知のものほとんどが使用できるが、陽
イオン性乳化剤はカルボキシル基含有エチレン性不飽和
単量(a−1)を含む単量体成分(a)の重合には好ま
しくない。
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸
塩等が挙げられ、非イオン性乳化剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することもでき、
例えばスルホン酸基及びその塩を有する「ラテムルS−
180」(花王(株)製)、「エレミノールJS−
2」、「エレミノールRS−30」(三洋化成工業
(株)製)、硫酸基及びその塩を有する「アクアロンH
S−10」(第一工業製薬(株)製)、「アデカリアソ
ープSE−10N」(旭電化工業(株)製)、リン酸基
を有する「ニューフロンティアA−229E」(第一工
業製薬(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2
種以上の混合物が使用できる。
しては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテ
ル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アル
キッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミ
ド、水溶性アクリル樹脂等の合成或いは天然の水溶性高
分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
定性及び貯蔵安定性を向上させる目的で使用されるが、
エマルジョン皮膜の耐水性等の面からその使用量を極力
少なくする必要があり、その使用量はカルボキシル基含
有重合体[A]の固形分に対して2重量%以下とするこ
とが好ましい。
る際の水性媒体としては、特に限定されるものではない
が、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶
剤の混合溶液として使用してもよい。ここで用いる水溶
性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトー
ル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコー
ル類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、
これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。水
と水溶性溶剤の混合物を使用する場合の水溶性溶剤の使
用量は、重合時の安定性の点から任意に選択することが
できるが、得られる重合体水性分散液の引火の危険性、
安全衛生性等の面から水溶性溶剤の使用量は極力少なく
することが好ましい。これらの理由から、なかでも水単
独で使用することが好ましい。
体中で製造する方法としては、水、カルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体(a−1)を必須の成分とする
単量体成分(a)、重合触媒、(必要に応じて乳化剤及
び分散安定剤)を一括混合して重合する方法や、単量体
成分(a)を滴下するモノマー滴下法や、水、単量体成
分(a)、乳化剤を予め混合したものを滴下するいわゆ
るプレエマルジョン法等の方法により製造することがで
きる。
ジョン法で製造することが、重合時の安定性の点から好
ましい。また、重合の際、親水性溶剤、疎水性溶剤を加
えること及び公知の添加剤を加えることも可能である
が、使用量はエマルジョン皮膜に悪影響を及ぼさない範
囲に抑えることが好ましい。
る重合性単量体(a−2)として、加水分解性シリル基
若しくはシラノール基含有重合性単量体を使用する際に
は、前述の如く、その重合時において、シロキサン結合
を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性シラン
(d)を使用することが好ましい。
(a)、シロキサン結合を形成し得る官能基を有する非
ラジカル重合性シラン(d)、重合触媒、(必要に応じ
て乳化剤)を一括混合して重合する方法、単量体成分
(a)とシロキサン結合を形成し得る官能基を有する非
ラジカル重合性シラン(d)とを混合して滴下する方法
や、水、単量体成分(a)、シロキサン結合を形成し
得る官能基を有する非ラジカル重合性シラン(d)、乳
化剤を予め混合したものを滴下する方法等により製造す
ることができる。
合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性シラン
(d)とを混合して滴下する方法が、重合時の安定性の
点から好ましい。
際に用いる重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が用
いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過酸化水素等が
あり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合する
か、或いは前記過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムのような還元剤とを併用したレドックス
重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を
使用することも可能である。
分子量を調整する必要がある場合は、重量平均分子量が
100,000未満にならない範囲で、カルボキシル基
含有重合体[A]を合成する際に分子量調整剤として連
鎖移動能を有する化合物、例えばメルカプタン類等を添
加してもよい。
る際の重合温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤
の種類等によって異なるが、水性媒体中で重合する場合
は通常30〜90℃の温度範囲が好ましい。
キシル基は、中和せずにそのまま単量体成分(b)の重
合に用いてもよいが、重合時の安定性の面からカルボキ
シル基の一部を塩基性物質で中和して使用する方法が好
ましい。
ないが、重合時の安定性の点から塩基性物質の使用量を
重合体[A]中の全カルボキシル基に対して10〜50
モル%とすることが好ましい。
は、通常のものが使用でき、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;ア
ンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
たい場合は、常温或いは加熱により飛散する、例えばア
ンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン等の低沸点アミン類を使用することが好まし
い。
重合体[A]は、本発明の硬化性重合体水性分散液の樹
脂相におけるA相を形成する。
合体[A]の存在下、カルボキシル基と反応性を有する
基を含有するエチレン性不飽和単量体(b−1)を必須
の成分とする単量体成分(b)を水性媒体中で重合す
る。
基と反応性を有する基を含有するエチレン性不飽和単量
体(b−1)を必須とし、カルボキシル基含有重合体
[A]のカルボキシル基と、単量体成分(b)から構成
されるエチレン性重合体[B]中の該カルボキシル基と
反応性を有する基とが架橋構造を形成することにより、
耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性が非常に優れ
た硬化皮膜が得られる。
いられるカルボキシル基と反応性を有する基を含有する
エチレン性不飽和単量体(b−1)としては、特に限定
されるものではないが、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合
性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリ
セロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合
性単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モ
ノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,
N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等
のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
等のメチロールアミド基及びそのアルコキシ化物含有重
合性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレ
ート等のアジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)ア
クリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソ
シアナートエチルのフェノール付加物等のイソシアナー
ト基及び/またはブロック化イソシアナート基含有重合
性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2
−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重
合性単量体等を挙げることができ、これらの1種または
2種以上の混合物を使用することができる。
[A]中のカルボキシル基との反応性、並びに、カルボ
キシル基含有重合体[A]中にカルボキシル基以外の官
能基が存在している場合には、該官能基との反応性に著
しく優れ、硬化物の耐久性及び耐水性がより向上する点
から、特にエポキシ基含有重合性単量体、メチロールア
ミド基及びそのアルコキシ化物含有重合性単量体を使用
することが好ましい。
したカルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチ
レン性不飽和単量体(b−1)の他、更に該単量体(b
−1)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体を併用す
ることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニ
ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エス
テル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビ
ニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエス
テル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和
カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチ
レン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族
環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、
ブタジエン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
性、エマルジョンの貯蔵安定性を向上させることを目的
として、得られるエマルジョン皮膜の耐水性等を低下し
ない範囲で、スルホン酸基及び/またはサルフェート基
(及び/またはその塩)を含有するエチレン性不飽和単
量体を併用することができる。
ホン酸等のビニルスルホン酸類またはその塩、アリルス
ルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等のアリル基含
有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリル酸2−
スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル
等の(メタ)アクリレート基含有スルホン酸類またはそ
の塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸
等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホン酸類または
その塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用してもよい。
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ア
リル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビ
ニルベンゼン等が挙げられ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。
重合体[A]にカルボキシル基以外の官能基を有してい
る場合には、単量体成分(b)中のその他のエチレン性
不飽和単量体として、上述した単量体と共に、エチレン
性不飽和単量体(b−1)以外の反応性官能基を有する
エチレン性不飽和単量体(b−2)を併用して重合する
ことにより、カルボキシル基含有重合体[A]とエチレ
ン性重合体[B]との架橋密度を更に高めることができ
好ましい。
より、カルボキシル基含有重合体[A]中に存在するカ
ルボキシル基以外の官能基との架橋性を高めることがで
き、硬化物の耐久性及び耐水性が一層向上する。
1)以外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和単量
体(b−2)としては、特に限定されないが、例えば、
(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルア
ミド等のアミド基含有重合性単量体;ビニルトリクロロ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン等の加水分解性シリル基若しくはシラノール
基含有重合性単量体;アクロレイン、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量
体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の
アセトアセチル基含有重合性単量体;ジシクロペンテニ
ル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有重
合性単量体等を挙げることができ、これらの1種または
2種以上の混合物を使用することができる。
基を含有するエチレン性不飽和単量体(b−1)と、該
単量体(b−1)と共重合可能なエチレン性不飽和単量
体は、カルボキシル基含有重合体[A]との相溶性を考
慮して、その種類と量を選択することが好ましい。
用しない場合は、単量体(b−1)と、該単量体と共重
合可能なエチレン性不飽和単量体との使用割合は、重量
基準で前者/後者=0.5/99.5〜30/70であ
ること、また、単量体(b−2)を使用する場合は、単
量体(b−1)と単量体(b−2)の合計量と、該単量
体(b−1)及び(b−2)と共重合可能なその他のエ
チレン性不飽和単量体との使用割合が、重量基準で前者
/後者=0.5/99.5〜30/70であることが、
単量体成分(b)重合時の安定性、及び得られるエマル
ジョン皮膜の耐水性等の諸物性の点から好ましい。
体水性分散液の安定性、並びにカルボキシル基含有重合
体[A]とエチレン性重合体[B]との架橋密度の点か
らカルボキシル基含有重合体[A]中のカルボキシル基
1モルに対して、単量体(b−1)が0.05〜20モ
ルであることが適当であり、より好ましくは0.2〜1
0モルである。
合体[A]中にカルボキシル基以外の反応性官能基を有
する場合であり、且つ、単量体(b−1)中のカルボキ
シル基と反応性を有する基が、このカルボキシル基以外
の反応性官能基と反応性を有する場合には、カルボキシ
ル基含有重合体[A]中のカルボキシル基及びそれ以外
の反応性官能基と、単量体(b−1)中の反応性官能基
との反応によって架橋させてもよいことは勿論である。
構成する単量体成分(a)中のカルボキシル基以外の反
応性官能基を含有する単量体(a−2)と、単量体成分
(b)中の、単量体(a−2)中の官能基と反応性官能
基を含有する単量体(b−1)及び単量体(b−2)と
の組み合わせとしては、上掲した例示化合物の中から適
宜選択し得るものであるが、具体的には以下の組み合わ
せのものが挙げられる。
含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてアミノ基
含有重合性単量体、またはメチロールアミド基含有重合
性単量体、単量体(b−2)としてアミド基含有重合性
単量体、アセトアセチル基含有重合性単量体、または加
水分解性シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量
体との組み合わせ;
単量体と、単量体(b−1)としてメチロールアミド基
含有重合性単量体、単量体(b−2)として加水分解性
シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体との組
み合わせ;
性単量体と、単量体(b−1)としてエポキシ基含有重
合性単量体、単量体(b−2)としてアセトアセチル基
含有重合性単量体、または加水分解性シリル基若しくは
シラノール基含有重合性単量体との組み合わせ;
基含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてメチロ
ールアミド基含有重合性単量体、水酸基含有重合性単量
体、エポキシ基含有重合性単量体、またはイソシアナー
ト基含有重合性単量体、単量体(b−2)として、アミ
ド基含有重合性単量体、アセトアセチル基含有重合性単
量体、または加水分解性シリル基若しくはシラノール基
含有重合性単量体との組み合わせ;
基若しくはシラノール基含有重合性単量体と、単量体
(b−1)として水酸基含有重合性単量体、メチロール
アミド基含有重合性単量体、エポキシ基含有重合性単量
体、またはアミノ基含有重合性単量体、単量体(b−
2)として加水分解性シリル基若しくはシラノール基含
有重合性単量体との組み合わせ;
含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてエポキシ
基含有重合性単量体、水酸基含有重合性単量体、または
メチロールアミド基含有重合性単量体、単量体(b−
2)としてアセトアセチル基含有重合性単量体との組み
合わせ;
性単量体と、単量体(b−1)としてエポキシ基含有重
合性単量体、またはメチロールアミド基含有重合性単量
体との組み合わせ;
含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてアミノ基
含有重合性単量体、メチロールアミド基含有重合性単量
体、エポキシ基含有重合性単量体、またはイソシアナー
ト基含有重合性単量体との組み合わせ;
基含有重合性単量体と、単量体(b−2)としてシクロ
ペンテニル基含有重合性単量体との組み合わせ等が挙げ
られる。
重合体水性分散液の安定性、並びにカルボキシル基含有
重合体[A]とエチレン性重合体[B]との架橋密度の
点から単量体(a−2)としてエポキシ基含有重合性単
量体と、単量体(b−1)としてアミノ基含有重合性単
量体、メチロールアミド基含有重合性単量体、単量体
(b−2)として加水分解性シリル基若しくはシラノー
ル基含有重合性単量体との組み合わせ;
単量体と、単量体(b−1)としてメチロールアミド基
含有重合性単量体、単量体(b−2)として加水分解性
シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体との組
み合わせ;
基含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてメチロ
ールアミド基含有重合性単量体、エポキシ基含有重合性
単量体、単量体(b−2)としてアセトアセチル基含有
重合性単量体、加水分解性シリル基若しくはシラノール
基含有重合性単量体との組み合わせ;
含有重合性単量体と、単量体(b−1)としてアミノ基
含有重合性単量体、メチロールアミド基含有重合性単量
体、エポキシ基含有重合性単量体との組み合わせ;
基若しくはシラノール基含有重合性単量体と、単量体
(b−1)として水酸基含有重合性単量体、メチロール
アミド基含有重合性単量体、エポキシ基含有重合性単量
体、またはアミノ基含有重合性単量体、単量体(b−
2)として加水分解性シリル基若しくはシラノール基含
有重合性単量体との組み合わせ等が好ましい。
シリル基若しくはシラノール基含有重合性単量体を使用
して、単量体(b−1)として水酸基含有重合性単量
体、エポキシ基含有重合性単量体、単量体(b−2)と
して加水分解性シリル基若しくはシラノール基含有重合
性単量体を用いる組み合わせが、エマルジョン皮膜の耐
水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性に優れるため好
ましい。
に、単量体成分(b)を重合する方法としては、水性媒
体中、通常の乳化重合で行うことができる。その際のカ
ルボキシル基含有重合体[A]と単量体成分(b)との
比率は乳化重合時の安定性と、得られるエマルジョン皮
膜の耐水性の観点から、カルボキシル基含有重合体
[A]/単量体成分(b)との重量割合で、1/0.5
〜1/100とすることが好ましい。
重量部に対する単量体成分(b)の重量割合が0.5重
量部以上とすることにより、得られるエマルジョン皮膜
の耐水性が良好となり、また、カルボキシル基含有重合
体[A]1重量部に対する単量体成分(b)の重量割合
が100重量部以下とすることにより、単量体成分
(b)の乳化重合時の安定性、及び貯蔵安定性が良好と
なる。
を向上させる目的で乳化剤及び分散安定剤を使用するこ
とも可能であるが、エマルジョン皮膜の耐水性等の面か
らその使用量を極力少なくすることが好ましく、当該乳
化重合において、新たに乳化剤等を加えることなく単量
体成分(b)を乳化重合することが好ましい。
化剤またはその他の分散安定剤を使用せずに実施する場
合、単量体成分(b)の重合によって得られるエチレン
性重合体[B]が、カルボキシル基含有重合体[A]中
に取り込まれ易くなり、重合体[A]とエチレン性重合
体[B]の架橋密度を高めることができる点からも好ま
しい。
方法としては、特に制限されるものではないが、例えば
カルボキシル基含有重合体[A]の存在する水性媒体
中に、単量体成分(b)及び重合触媒を一括混合して重
合する方法、水性媒体中に、水、単量体成分(b)、
カルボキシル基含有重合体[A](必要に応じて少量の
乳化剤)を予め混合したものを滴下するいわゆるプレエ
マルジョン法、カルボキシル基含有重合体[A]の水
性分散体中に単量体成分(b)を滴下するモノマー滴下
法等が挙げられる。
体[A]の存在下、単量体成分(b)を添加してカルボ
キシル基含有重合体[A]を単量体成分(b)で膨潤さ
せた後に重合開始剤を添加して重合する方法も挙げられ
る。
体成分(c)の乳化重合を、該単量体成分(b)の乳化
重合の前に行なう場合には、上記したカルボキシル基含
有重合体[A]がエチレン性重合体[C]と共に存在す
る下で、該単量体成分(b)を重合することができる。
(b)の乳化重合を、乳化剤またはその他の分散安定剤
を使用せずに実施する場合は、のモノマー滴下法で行
うことが単量体成分(b)の重合の安定性の点から好ま
しい。
を重合する具体的な方法としては、例えば、滴下漏斗の
付いた攪拌式反応器に、水性媒体、重合開始剤及びカル
ボキシル基含有重合体[A](又はカルボキシル基含有
重合体[A]とエチレン性重合体[C]が共存する重合
体複合物)を入れ、次いで、重合温度まで反応器を昇温
させ、滴下漏斗より単量体成分(b)を滴下する方法が
挙げられる。
いが、窒素等の不活性ガスで置換されていることが好ま
しい。
類、重合開始剤の種類等によって異なるが、通常は30
〜90℃の温度範囲が適当であり、より好ましくは40
℃〜80℃の範囲が挙げられる。
シル基含有重合体[A]と単量体成分(b)との比率、
及び得られる重合体水性分散液の固型分濃度により適宜
調節することが好ましい。
量体成分(b)の乳化重合の際、親水性溶剤、疎水性溶
剤を加えること及び公知の添加剤を加えることも可能で
ある。
定されるものではなく、通常のラジカル重合開始剤が用
いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過酸化水素等が
あり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合する
か、或いは前記過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムのような還元剤とを併用したレドックス
重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を
使用することも可能である。
得られるエチレン性重合体[B]の分子量を調整する必
要がある場合は、単量体成分(b)を重合する際に分子
量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例えばメル
カプタン類等を添加してもよい。
[B]は、本発明の硬化性重合体水性分散液の樹脂相に
おけるB相を形成する。B相のエチレン性重合体[B]
の分子量は特に限定されるものではないが、重量平均分
子量50,000以上で、且つ、ゲル分率(アセトン不
溶分)が95重量%以下であることが、硬化物の耐水
性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性の点から好まし
い。
(a)から構成されるカルボキシル基含有重合体
[A]、単量体成分(b)から構成されるエチレン性重
合体[B]の他、これらと非架橋性の単量体成分(c)
を乳化重合して得られるエチレン性重合体[C]を形成
させることにより、最終的に得られる硬化性重合体水性
分散液のエマルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的
強度等の諸物性を一層向上させ、さらに硬化性重合体水
性分散液の貯蔵安定性を向上させることができる。
基含有重合体[A]及びエチレン性重合体[B]と非架
橋性のエチレン性不飽和単量体であればよく、特に限定
されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の
アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−
テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−
(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート
等のフッ素含有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等
のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル
等の不飽和カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α
−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン
等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレン、クロ
ロプレン、ブタジエン、N−ビニルピロリドン等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上の混合物を使用する
ことができる。
つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用することも可
能である。
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ア
リル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビ
ニルベンゼン等が挙げられ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。
びエチレン性重合体[B](単量体成分(b))との組
み合わせにおいて、それらと反応しない官能基を有する
ものを適宜選択するならば、上記単量体(a−2)、及
び単量体(b−2)として挙げたものも使用できる。
特に限定されるものではないが、カルボキシル基含有重
合体[A]の存在下、単量体成分(c)を重合し、次い
で単量体成分(b)を重合してもよいし、また、カルボ
キシル基含有重合体[A]の存在下、単量体成分(b)
を重合し、次いで単量体成分(c)を重合させてもよい
が、前者の方法が得られる硬化性重合体水性分散液の貯
蔵安定性が良好となる点から好ましい。
下、単量体成分(c)と単量体成分(b)とを交互に乳
化重合する、いわゆる多段重合を行ってもよい。
されるものでなく、単量体成分(b)の重合の場合と同
様に、カルボキシル基含有重合体[A]の存在する水
性媒体中に、単量体成分(c)及び重合触媒を一括混合
して重合する方法、水性媒体中に、水、単量体成分
(c)、カルボキシル基含有重合体[A](必要に応じ
て少量の乳化剤)を予め混合したものを滴下するいわゆ
るプレエマルジョン法、カルボキシル基含有重合体
[A]の水性分散体中に単量体成分(c)を滴下するモ
ノマー滴下法等が挙げられる。
該単量体成分(c)の重合を行なう場合には、上記の重
合方法におけるカルボキシル基含有重合体[A]は、エ
チレン性重合体[B]と共に存在させておいてもよい。
化剤またはその他の分散安定剤を使用せずに実施する場
合は、単量体成分(c)の重合によって得られるエチレ
ン性重合体[C]が、カルボキシル基含有重合体[A]
中に取り込まれ易くなり、耐水性等の諸物性が向上し、
さらに硬化性重合体水性分散液の貯蔵安定性が良好とな
る点から好ましい。
たはその他の分散安定剤を使用せずに実施する場合は、
のモノマー滴下法で行うことが単量体成分(c)の重
合の安定性の点から好ましい。
を重合する具体的な方法としては、上述した単量体成分
(b)と全く同様の方法によって行なうことができ、具
体的には、滴下漏斗の付いた攪拌式反応器に、水性媒
体、重合開始剤及びカルボキシル基含有重合体[A]
(又はカルボキシル基含有重合体[A]とエチレン性重
合体[B]が共存する重合体複合物)を入れ、次いで、
重合温度まで反応器を昇温させ、滴下漏斗より単量体成
分(c)を滴下する方法が挙げられる。
合温度等の重合条件、並びに使用する重合開始剤等は単
量体成分(b)の重合の場合と全く同様に選択すること
ができる。
[C]は、本発明の硬化性重合体水性分散液の樹脂相に
おけるC相を形成する。C相のエチレン性重合体[C]
の分子量は特に限定されるものではないが、重量平均分
子量50,000以上で、且つ、ゲル分率(アセトン不
溶分)が95重量%以下であることが、硬化物の耐水
性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性の点から好まし
い。
体水性分散液は、水性媒体中に、上記したA相、B相、
好ましくは更にC相を有する重合体粒子が分散している
ものである。
カルボキシル基を有しており、且つ、酸価30〜30
0、重量平均分子量100,000以上で、且つ、ゲル
分率(アセトン不溶解分)が95重量%以下であるカル
ボキシル基含有重合体[A]から構成され、B相が前記
カルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチレン
性重合体[B]から構成されるものである。
等の諸物性の面から、A相を構成するカルボキシル基含
有重合体[A]とB相を構成するエチレン性重合体
[B]の重量割合が、固形分比で1/0.5〜1/10
0であることが好ましい。
分野によっては、用途上エマルジョン皮膜の造膜性が要
求される場合が多く、その際にはA相を構成するカルボ
キシル基含有重合体[A]のガラス転移温度(Tg)が
−60〜30℃の範囲であることが好ましい。
れぞれ相互に架橋し得る官能基を有しており、具体的に
は、A相を構成する重合体は、カルボキシル基を必須と
して有しており、B相を構成する重合体には、該カルボ
キシル基と反応し得る反応性官能基を有している。ま
た、A相を構成する重合体には、更にB相中の反応性官
能基と反応し得る、カルボキシル基以外の反応性官能基
を有していてもよく、更に、B相を構成する重合体には
該カルボキシル基以外の反応性官能基と反応性を有し、
かつ、カルボキシル基と反応性を有しない、その他の反
応性官能基を有していてもよい。
外の官能基、B相中のカルボキシル基と反応性を有する
官能基、及びB相中のその他の官能基は、特に制限され
るものではないが、上述した単量体成分(a)中に含ま
れる単量体(a−2)、単量体成分(b)中に含まれる
単量体(b−1)および単量体(b−2)によって導入
される官能基であることが好ましい。
ル基以外の反応性官能基としては、エポキシ基、水酸
基、アミノ基、メチロールアミド基、加水分解性シリル
基若しくはシラノール基、アジリジニル基、イソシアナ
ート基、ブロックイソシアナート基、オキサゾリン基、
アミド基、カルボニル基、アセトアセチル基、シクロペ
ンテニル基等が挙げられるが、特に加水分解性シリル基
若しくはシラノール基を導入した場合、エマルジョン皮
膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性が著しく
向上するため好ましい。
ノール基として具体的には、上掲した一般式(I)で表
わされる構造のものが特に好ましい。
シラノール基を含有する場合、さらに、A相にシロキサ
ン結合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性シ
ランを含ませることにより、前述の如く、硬化性重合体
水性分散液製造時の安定性が向上し、さらにエマルジョ
ン皮膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性が著
しく向上し、硬化性重合体水性分散液貯蔵時の安定性が
向上するため好ましい。
基を有する非ラジカル重合性シランとして具体的には、
上掲した一般式(II)で表される構造の加水分解性アル
コキシシランが好ましく、その中でも特に、一般式(II
I)で表される構造のものが好ましい。
を有する非ラジカル重合性シランは、A相中にシラン単
体で存在していてもよいし、官能基同士の縮合反応によ
ってシロキサン結合を形成した高分子量の縮合体として
存在していてもよい。
を有する非ラジカル重合性シランが、A相を構成する重
合体に導入された加水分解性シリル基若しくはシラノー
ル基と縮合反応して、シロキサン結合を形成していても
よい。
加水分解性シリル基若しくはシラノール基、或いはシロ
キサン結合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合
性シランに起因する加水分解性シリル基若しくはシラノ
ール基が、粒子中で加水分解性シリル基若しくはシラノ
ール基のまま存在していることが、エマルジョン皮膜形
成時(或いは皮膜形成後)に起こる架橋反応により皮膜
の架橋密度を向上させ、耐水性、耐溶剤性、力学的強度
等の諸物性を向上させるため好ましい。
有する基としては、エポキシ基、水酸基、アミノ基、メ
チロールアミド基、アジリジニル基、イソシアナート
基、ブロックイソシアナート基、オキサゾリン基等が挙
げられるが、特にエポキシ基、メチロールアミド基をB
相に導入した場合、エマルジョン皮膜の耐水性、耐溶剤
性、力学的強度等の諸物性が著しく向上するため好まし
い。
る重合体中のカルボキシル基以外の反応性官能基と反応
性を有していて、カルボキシル基とは反応性を持たない
反応性官能基(以下、「カルボキシ基と非反応性の官能
基」と略記)を導入してもよく、具体的には、アミド
基、カルボニル基、加水分解性シリル基若しくはシラノ
ール基、アセトアセチル基、シクロペンテニル基等が挙
げられる。
を構成する重合体に存在する反応性官能基の組み合わせ
(但し、A相中のカルボキシル基とB相中の官能基との
組み合わせは除く)としては、以下に挙げる組み合わせ
がそれら相互の反応性に優れる点から好ましい。
ルボキシル基と反応性を有する官能基として、アミノ
基、またはメチロールアミド基、カルボキシル基と非反
応性の官能基としてアミド基、アセトアセチル基、加水
分解性シリル基若しくはシラノール基との組み合わせ;
基と反応性を有する官能基としてメチロールアミド基、
カルボキシル基と非反応性の官能基として加水分解性シ
リル基若しくはシラノール基またはカルボニル基との組
み合わせ;
ル基と反応性を有する官能基としてエポキシ基、カルボ
キシ基と非反応性の官能基としてアセトアセチル基、ま
たは加水分解性シリル基若しくはシラノール基との組み
合わせ;
カルボキシル基と反応性を有する官能基としてメチロー
ルアミド基、水酸基、エポキシ基、またはイソシアナー
ト基、カルボキシル基と非反応性の官能基として、アミ
ド基、アセトアセチル基、または加水分解性シリル基若
しくはシラノール基との組み合わせ;
ノール基と、B相中のカルボキシル基と反応性を有する
官能基として水酸基、メチロールアミド基、エポキシ基
またはアミノ基、カルボキシル基と非反応性の官能基と
して、加水分解性シリル基若しくはシラノール基との組
み合わせ;
ルボキシル基と反応性を有する官能基としてエポキシ
基、水酸基、メチロールアミド基またはアセトアセチル
基との組み合わせ;
ル基と反応性を有する官能基としてエポキシ基、または
メチロールアミド基との組み合わせ;
ルボキシル基と反応性を有する官能基としてアミノ基、
メチロールアミド基、エポキシ基またはイソシアナート
基との組み合わせ;
カルボキシル基と非反応性の官能基としてシクロペンテ
ニル基との組み合わせ等が挙げられる。
重合体水性分散液の安定性、並びにカルボキシル基含有
重合体[A]とエチレン性重合体[B]との架橋密度の
点からA相中のエポキシ基と、B相中のカルボキシル基
と反応性を有する官能基としてアミノ基またはメチロー
ルアミド基、カルボキシル基と非反応性の官能基として
加水分解性シリル基若しくはシラノール基との組み合わ
せ;
基と反応性を有する官能基としてメチロールアミド基、
カルボキシル基と非反応性の官能基として加水分解性シ
リル基若しくはシラノール基との組み合わせ;
カルボキシル基と反応性を有する官能基としてメチロー
ルアミド基、またはエポキシ基、カルボキシル基と非反
応性の官能基としてアセトアセチル基、または加水分解
性シリル基若しくはシラノール基との組み合わせ;
ルボキシル基と反応性を有する官能基としてアミノ基、
メチロールアミド基またはエポキシ基との組み合わせ;
ノール基と、B相中のカルボキシル基と反応性を有する
官能基として水酸基、メチロールアミド基、エポキシ基
またはアミノ基、カルボキシル基と非反応性の官能基と
して加水分解性シリル基若しくはシラノール基との組み
合わせ等が好ましい。
はシラノール基と、B相中のカルボキシル基と反応性を
有する官能基として水酸基またはエポキシ基、カルボキ
シル基と非反応性の官能基として加水分解性シリル基若
しくはシラノール基との組み合わせが、エマルジョン皮
膜の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性に優れる
ため好ましい。
反応性官能基は、硬化性重合体水性分散液製造時に反応
し重合体粒子内で架橋していてもよいが、エマルジョン
皮膜の造膜性、耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物
性の点から、重合体粒子中に反応性官能基として残存し
ていることが好ましく、エマルジョン皮膜形成時或いは
皮膜形成後に反応性官能基を反応させることにより、架
橋皮膜を形成し諸物性を著しく向上させることができ
る。
粒子は、A相及びB相の他、更にA相及びB相と非架橋
性のエチレン性重合体[C]から構成されるC相を有す
ることが、硬化性重合体水性分散液のエマルジョン皮膜
の耐水性、耐溶剤性、力学的強度等の諸物性を一層向上
させ、硬化性重合体水性分散液の貯蔵安定性を向上させ
ることができ好ましい。
度は、20〜70重量%、なかでも20〜60重量%で
あることが好ましい。即ち、固型分濃度を70重量%以
下とすることにより、重合中の系の粘度の異常な上昇が
抑制でき、単量体の重合時における発熱の除熱も容易で
あり安定に重合体水性分散液が製造し易くなる。また、
固型分濃度を60重量%以下とすると、硬化性重合体水
性分散液の粘度が各種用途で実用上要求される範囲で得
られるため好ましい。
用途上コーティング加工で利用(塗料、接着剤、紙加工
剤等)する場合、塗膜の膜厚の点から重合体水性分散液
の固型分濃度は20重量%以上であることが好ましく、
また、生産性の点から、固型分濃度を20重量%以上と
することが好ましい。
水性分散液は、乳化剤及び分散安定剤の使用量を極めて
少なくして、或いは全く用いなくとも製造できるため、
当該分散液中の乳化剤及び分散安定剤の存在量は極めて
少なくでき、具体的には、硬化性重合体水性分散液の固
型分に対して1重量%以下であることが好ましい。
体粒子は、特にその相構造が特定されるものではない
が、通常、A相をマトリックスとして、B相、更にC相
が該マトリックスのA相内に一つの塊状となって、或い
は多数に分散して存在し、マトリックスとなるA相のカ
ルボキシル基が重合体粒子を分散安定化して水性媒体中
に分散しているものである。また、カルボキシル基によ
る分散安定化が阻害されなければ、B相、及びC相が分
散粒子の最外殻に存在していてもよい。
とB相とC相は、それぞれ同芯のいわゆるコア−シェル
構造を形成してもよい。この場合の相構成は、粒子外側
からA相/B相、 B相/A相、A相/C相/B相、A
相/B相/C相、B相/A相/C相、B相/C相/A
相、C相/B相/A相、C相/A相/B相等の種々のも
のが挙げられるが、A相が粒子外側に位置する構成が、
粒子の分散安定性が良好となることから好ましい。
A相中にB相が単独で、或いはA相中にB相とC相とが
それぞれ独立的に存在してもよいし、B相を芯部にC相
を外殻に有するコア−シェル構造の複合粒子がA相中に
分散したものであってもよい。
殻にC相を有し、B相とA相とがC相を介して存在する
様な構造であることが硬化性重合体水性分散液の貯蔵安
定性の点から好ましく、また、相構造としてはコア−シ
ェル構造が塗膜強度並びに耐水性の点から好ましい。従
って、粒子外側からA相/C相/B相となるコア−シェ
ル構造が、これらの特性を兼備する点から最も好まし
い。
体粒子の粒子径は、特に制限されるものではないが、数
平均粒子径が30〜500nmであることが、エマルジ
ョン皮膜の造膜性の点から好ましい。
自体常温もしくは加熱により自己架橋して、耐水性、耐
溶剤性の良好な硬化皮膜を形成するものであるが、必要
に応じて、水溶性、或いは水分散性の架橋剤を添加して
使用することができ、架橋剤としては、例えば、多官能
性エポキシ化合物、多官能性メラミン化合物、多官能性
ポリアミン化合物、多官能性ポリエチレンイミン化合
物、多官能性(ブロック)イソシアネート化合物、ジヒ
ドラジン化合物、金属塩化合物等が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物として使用することができ
る。
水分散性の熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を
混和して使用することもできる。
阻害しない範囲で、充填剤、顔料、pH調整剤、皮膜形
成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等公知
のものを適宜添加して使用することができる。
性、耐溶剤性、力学的強度に優れた硬化物を与えるもの
であり、その用途は多技に渡るが、特に、耐水性、耐溶
剤性の要求される分野において有用なものであり、塗
料、接着剤、繊維工業用樹脂(不織布用バインダー、植
毛加工用バインダー等)、紙加工用樹脂、ガラス繊維加
工用樹脂(ガラス繊維集束剤、ガラスペーパー用バイン
ダー等)、モルタル改質用樹脂等として利用できる。特
に、塗料、接着、繊維工業用樹脂、紙加工用樹脂等の応
用分野におけるコーティング加工で利用される用途にお
いて、既述の通り極めて優れた効果を発現する。
るが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下、例中特に断らない限り、「%」は重量
%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備え
た反応容器に脱イオン水250部を入れ、窒素を吹き込
みながら80℃まで昇温した。攪拌下、過硫酸アンモニ
ウム0.5部を添加し、続いてn−ブチルアクリレート
50部、スチレン25部、メタクリル酸25部からなる
単量体混合物を反応容器内温を80±2℃に保ちながら
60分間かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後同温度
にて60分間攪拌した。その後、内容物を冷却し、固型
分濃度が20.0%になるように脱イオン水で調整し、
100メッシュ金網で濾過した。
20.0%、pH2.3、粘度10cps(BM型粘度
計にて25℃で測定)であり、100メッシュ金網不通
過の凝集物は、0.1%(対生成分散液比)以下であっ
た。このカルボキシル基含有重合体の水性分散液を[A
−1]とする。この[A−1]に含まれる重合体は、酸
価163、ゲル分率43.0%であった。[A−1]の
重量平均分子量は、重合体がGPCの溶離液及び試料溶
解液として使用するテトラヒドロフランに完全に溶解せ
ず、ゲル分が多いため全体としての分子量が測定できな
かった。
混合物として下記第1表の1に示されるものを用いた以
外は、参考例1と全く同様にしてカルボキシル基含有重
合体の水性分散液[A−2]を得た。この[A−2]に
含まれる重合体の酸価、重量平均分子量、ゲル分率は第
1表の1に併記されるとおりであった。
1と同様の反応容器に、脱イオン水250部を入れ、乳
化剤としてレベノールWZ(花王(株)製;ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウ
ム、固型分25%)2部(固型分0.5部)を添加し、
攪拌下窒素を吹き込みながら80℃まで昇温して乳化剤
を溶解した。
った。上記乳化剤を添加し、単量体混合物として下記第
1表の1に示されるものを用いた以外は、参考例1と同
様にしてカルボキシル基含有重合体の水性分散液[A−
3]を得た。
重量平均分子量、ゲル分率は第1表の1に併記されると
おりであった。
製造>単量体混合物として下記第1表の2に示されるも
のを用いた以外は、参考例3と全く同様にしてカルボキ
シル基含有重合体の水性分散液[A−4]〜[A−7]
を得た。この[A−4]〜[A−7]に含まれる重合体
の酸価、重量平均分子量、ゲル分率は第1表の2に併記
されるとおりであった。
1と同様の反応容器に、脱イオン水250部を入れ、乳
化剤としてレベノールWZ(花王(株)製;ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウ
ム、固型分25%)2部(固型分0.5部)を添加し、
攪拌下窒素を吹き込みながら80℃まで昇温して乳化剤
を溶解した。攪拌下、過硫酸アンモニウム0.5部を添
加し、続いてn−ブチルアクリレート50部、スチレン
30部、メタクリル酸15部、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(加水分解性シリル基若しくは
シラノール基含有重合性単量体として)5部、テトラエ
トキシシラン(シロキサン結合を形成し得る官能基を有
する非ラジカル重合性シランとして)10部からなる単
量体混合物を反応容器内温を80±2℃に保ちながら6
0分間かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後同温度に
て60分間攪拌した。
0.0%になるように脱イオン水で調整し、100メッ
シュ金網で濾過した。得られたカルボキシル基含有重合
体の水性分散液を[A−8]とする。
重量平均分子量、ゲル分率は第1表の3に併記されると
おりであった。
混合物中のシロキサン結合を形成し得る非ラジカル重合
性シランとして下記第1表の3に示されるものを用いた
以外は、参考例8と全く同様にしてカルボキシル基含有
重合体の水性分散液[A−9]を得た。
重量平均分子量、ゲル分率は第1表の3に併記されると
おりであった。
例1と同様の反応容器に、脱イオン水250部を入れ、
乳化剤としてレベノールWZ(花王(株)製;ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸ナトリ
ウム、固型分25%)2部(固型分0.5部)を添加
し、攪拌下窒素を吹き込みながら80℃まで昇温して乳
化剤を溶解した。攪拌下、過硫酸アンモニウム0.5
部、テトラエトキシシラン(シロキサン結合を形成し得
る官能基を有する非ラジカル重合性シランとして)5部
を添加し、20分間保持した。
チレン30部、メタクリル酸15部、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン(加水分解性シリル基若
しくはシラノール基含有重合性単量体として)5部から
なる単量体混合物を反応容器内温を80±2℃に保ちな
がら60分間かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後同
温度にて60分間攪拌した。その後、内容物を冷却し、
固型分濃度が20.0%になるように脱イオン水で調整
し、100メッシュ金網で濾過した。
分散液を[A−10]とする。この[A−10]に含ま
れる重合体の酸価、重量平均分子量、ゲル分率は第1表
の3に併記されるとおりであった。
n−ブチルアクリレート40部、メタクリル酸60部を
用いた以外は参考例3と全く同様にしてカルボキシル基
含有重合体の水性分散液[C−1]を得た。この[C−
1]に含まれる重合体の酸価、重量平均分子量、ゲル分
率は第1表の4に併記されるとおりであった。
n−ブチルアクリレート45部、スチレン25部、メタ
クリル酸25部、n−ドデシルメルカプタン5部を用い
た以外は参考例1と全く同様にしてカルボキシル基含有
重合体の水性分散液[C−2]を得た。この[C−2]
に含まれる重合体の酸価、重量平均分子量、ゲル分率は
第1表の4に併記されるとおりであった。
管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に
イソプロピルアルコール100部を入れ、窒素を吹き込
みながら80℃まで昇温した。攪拌下、アクリル酸90
部、n−ドデシルメルカプタン10部、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル1部からなる単量体混合物を反
応容器内温を80±2℃に保ちながら120分間かけて
滴下し重合せしめた。滴下終了後同温度にて120分間
攪拌した。その後、内容物を冷却し、固型分濃度が5
0.2%の重合体の溶液を得た。得られた重合体溶液に
28%アンモニア水75部、脱イオン水100部を添加
して中和し、重合体水溶液を得た。固型濃度が20.0
%になるように脱イオン水で調整し、100メッシュ金
網で濾過した。
0.0%、pH8.5、粘度150cps(BM型粘度
計にて25℃で測定)であった。この重合体水溶液を
[C−3]とする。この[C−3]に含まれる重合体の
酸価、重量平均分子量、ゲル分率は第1表の4に併記さ
れるとおりであった。
管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に
イソプロピルアルコール100部を入れ、窒素を吹き込
みながら80℃まで昇温した。n−ブチルアクリレート
50部、スチレン20部、メチルメタクリレート20
部、メタクリル酸10部、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート2部からなる単量体混合物を反応容器内温を80
±2℃を保ちながら攪拌下180分間かけて滴下し重合
せしめた。
た。その後、内容物を冷却し、固型分濃度が50.5%
の重合体の溶液を得た。次に、得られた重合体溶液に2
8%アンモニア水7部を加えて中和し、続いて脱イオン
水370部を60分間かけて添加して重合体の水性分散
液を得た。固型分濃度が20.0%になるように脱イオ
ン水で調整し、100メッシュ金網で濾過した。
20.0%、pH8.5、粘度100cps(BM型粘
度計にて25℃で測定)であり、100メッシュ金網不
通過の凝集物は、1.0%(対生成分散液比)であっ
た。この重合体の水性分散液を[C−4]とする。この
[C−4]に含まれる重合体の酸価、重量平均分子量、
ゲル分率は第1表の4に併記されるとおりであった。
分率の測定は、下記の方法にて行った。 <重量平均分子量>重量平均分子量はゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフ(GPC法)により測定した。
測定装置として日本分析工業(株)製高速液体クロマト
グラフLC−08型を用いた。カラムは、昭和電工
(株)製パックドカラムA−800P、A−806、A
−805、A−803、A−802を組み合わせて使用
した。標準試料として昭和電工(株)製及び東洋曹達
(株)製の標準ポリスチレン(分子量:448万、42
5万、288万、275万、185万、86万、45
万、41.1万、35.5万、19万、16万、9.6
4万、5万、3.79万、1.98万、1.96万、5
570、4000、2980、2030、500)を用
いて検量線を作成した。溶離液、及び試料溶解液として
テトラヒドロフランを用い、流量1mL/min、試料
注入量500μL、試料濃度0.4%としてRI検出器
を用いて重量平均分子量を測定した。
として測定した。ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5m
mとなるように試料を塗工し、常温で7日間乾燥した後
フィルムをガラス板から剥し、得られたフィルムを50
mm角に切り取り試験片とした。
(G0)を測定しておき、アセトン溶液中に常温で24
時間浸漬した後の試験片のアセトン不溶解分を分離し
て、110℃で1時間乾燥した後の重量(G1)を測定
し、下記の方法に従ってゲル分率を求めた。
乳化剤の使用量は固型分の重量部で表示した。第1表の
1〜4中の凝集物とは、水性媒体中でカルボキシル基含
有重合体[A]を重合した際の重合終了後の100メッ
シュ金網不通過の凝集物の量であり、対生成分散液比の
重量%で表示した。
に示す。 BA;n−ブチルアクリレート St;スチレン MAA;メタクリル酸 D−SH;n−ドデシルメルカプタン EA;エチルアクリレート MMA;メチルメタクリレート N−BuMAM;N−ブトキシメチルアクリルアミド TMPTA;トリメチロールプロパントリアクリレート MAPTMS;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン TES;テトラエトキシシラン MTES;メチルトリエトキシシラン THF;テトラヒドロフラン
]
却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器
に、脱イオン水70部、参考例1で得られたカルボキシ
ル基含有重合体水性分散液[A−1]125部(固型分
25部)を入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温
した。
加し、続いて、n−ブチルアクリレート50部、メチル
メタクリレート45部、グリシジルメタクリレート(カ
ルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチレン性
不飽和単量体(b−1)として)5部からなる単量体混
合物(単量体成分(b))を反応容器内温を80±2℃
に保ちながら120分間かけて滴下し重合せしめた。
その後、内容物を冷却し、固型分濃度が40.0%にな
るように脱イオン水で調整し、100メッシュ金網で濾
過した。
40.0%、pH6.0、粘度30cps(BM型粘度
計にて25℃で測定)であり、100メッシュ金網不通
過の凝集物は、5.0%(対生成分散液比)であった。
この重合体水性分散液を[B−1]とする。
の反応容器に脱イオン水50部、参考例1で得られた重
合体水性分散液[A−1]125部(固型分25部)を
入れ、28%アンモニア水1.5部と脱イオン水20部
の混合物を1時間かけて添加して系のpHを6に調整
し、続いて、n−ブチルアクリレート50部、メチルメ
タクリレート45部、グリシジルメタクリレート(カル
ボキシル基と反応性を有する基を含有するエチレン性不
飽和単量体(b−1)として)5部からなる単量体混合
物(単量体成分(b))を反応容器内温を80±2℃に
保ちながら120分間かけて滴下し重合せしめ、実施例
1と全く同様にして重合体水性分散液を得た。
40.0%、pH5.9、粘度40cps(BM型粘度
計にて25℃で測定)であり、100メッシュ金網不通
過の凝集物は、0.1%(対生成分散液比)であった。
この重合体水性分散液を[B−2]とする。
実施例2においてカルボキシル基含有重合体水性分散液
の量及び種類、単量体成分(b)として用いた単量体混
合物の種類を下記第2表の1〜4に示したとおりとする
以外は実施例2と全く同様にして重合体水性分散液[B
−3]〜[B−14]を得た。
00メッシュ金網不通過の凝集物量は第2表の1〜4に
併記されるとおりであった。
施例2においてカルボキシル基含有重合体水性分散液の
量及び種類、後重合用単量体混合物の種類を下記第2表
の5〜6に示したとおりとする以外は実施例2と全く同
様にしてカルボキシル基含有重合体の水性分散液[D−
1]〜[D−5]を得た。
0メッシュ金網不通過の凝集物量は第2表の5〜6に併
記されるとおりであった。
プレエマルジョンを作成するために、プレエマルジョン
混合用容器に脱イオン水30部を入れ、乳化剤レベノー
ルWZ12部(固型分3部)を添加し攪拌して溶解し
た。
部、メチルメタクリレート42部、グリシジルメタクリ
レート5部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン5部、メタクリル酸3部の単量体成分を順次添加
し、攪拌して単量体混合物のプレエマルジョンを作成し
た。
計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水100部を
入れ、窒素を吹き込みながら80℃まで昇温した。攪拌
下、過硫酸アンモニウム0.3部を添加し、続いて単量
体混合物のプレエマルジョンを80±2℃に保ちながら
120分間かけて滴下し重合せしめた。滴下終了後同温
度にて60分間攪拌した。その後、実施例1と同様の操
作で重合体水性分散液[D−6]を得た。この[D−
6]のpH、100メッシュ金網不通過の凝集物量は第
2表の6に併記されるとおりであった。
有重合体[A]及び単量体成分(b)の使用量は固型分
の重量部で表示した。第2表中の凝集物とは、単量体成
分(b)を重合した際の重合終了後の100メッシュ金
網不通過の凝集物の量であり、対生成分散液比の重量%
で表示した。
じ。第2表の1〜6中のN−MAMはN−メチロールア
クリルアミド、HEMAはヒドロキシエチルメタクリレ
ートを表わす。 ]
様の反応容器に脱イオン水50部、参考例3で得られた
重合体水性分散液[A−3]125部(固型分25部)
を入れ、28%アンモニア水1.5部と脱イオン水20
部の混合物を1時間かけて添加して系のpHを6に調整
した。
添加し、続いて、n−ブチルアクリレート25部、メチ
ルメタクリレート20部、グリシジルメタクリレート
(カルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチレ
ン性不飽和単量体(b−1)として)5部からなる単量
体混合物(単量体成分(b))を反応容器内温を80±
2℃に保ちながら60分間かけて滴下し重合せしめた。
その後、過硫酸アンモニウム0.15部を追加し、引き
続いてn−ブチルアクリレート25部、メチルメタクリ
レート25部からなる単量体混合物(単量体成分
(c))を60分間かけて滴下し重合せしめた。
その後、内容物を冷却し、固型分濃度が40.0%にな
るように脱イオン水で調整し、100メッシュ金網で濾
過した。得られた重合体水性分散液は、固型分濃度4
0.0%、pH5.9、粘度70cps(BM型粘度計
にて25℃で測定)であり、100メッシュ金網不通過
の凝集物は、0.1%(対生成分散液比)であった。こ
の重合体水性分散液を[B−15]とする。
同様にして単量体成分の混合物を、カルボキシル基と反
応性を有する基を含有するエチレン性不飽和単量体(b
−1)を必須の成分とする単量体混合物(単量体成分
(b))と、該エチレン性不飽和単量体(b−1)を含
まない単量体混合物(単量体成分(c))とを順次重合
して重合体水性分散液[B−16]を得た。
成、重合順序は第3表に従って実施した。この[B−1
6]のpH、100メッシュ金網不通過の凝集物量は第
3表に併記されるとおりであった。
>実施例15において、カルボキシル基以外の反応性を
有する基を含有するエチレン性不飽和単量体(a−2)
として、N−ブトキシメチルアクリルアミドを用いて重
合した参考例5の重合体[A−5]または、同じく単量
体(a−2)としてγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを用いて重合した参考例7の重合体[A−
7]を用い、単量体混合物として、単量体(a−1)及
び単量体(a−2)と反応性を有するモノマーを含む単
量体混合物(単量体成分(b))と、単量体(a−
1)、単量体(a−2)及び単量体成分(b)と反応性
を有していない単量体混合物(単量体成分(c))と
を、第3表の単量体組成に従い、実施例15と同様にし
て順次重合して重合体水性分散液[B−17]、[B−
18]を得た。
順序を第3表に示した。この[B−17]、[B−1
8]のpH、100メッシュ金網不通過の凝集物量は第
3表に併記されるとおりであった。
重合用単量体の使用量は固型分の重量部で表示した。
合物を重合した際の重合終了後の100メッシュ金網不
通過の凝集物の量であり、対生成分散液比の重量%で表
示した。
じ。 ]
られた重合体水性分散液[B−1]〜[B−18]及び
[D−1]〜[D−6]を、ガラス板上に3milアプ
リケーターで塗工し、常温で3日間乾燥して皮膜を形成
した。その後120℃で5分間加熱処理を行って、残存
する水分を蒸発させて試験片とした。試験片を常温水中
に7日間浸漬し、水浸漬前と水浸漬後の試験片の濁度を
濁度計で測定し、その濁度の変化度合いをW値として求
め、皮膜の水浸漬による劣化(白化)を評価した。 濁度計 ;日本電色工業(株)製濁度計NDH−300
A 測定光源;ハロゲンランプ 受光素子;JIS K7105に準拠するシリコンフォ
トセル 測定面積;透過 12φ 濁度及び水浸漬前後の濁度の変化度合いは、下記の式に
従って求めた。
15、比較例1〜6により得られた重合体水性分散液
[B−1]〜[B−15]及び[D−1]〜[D−6]
を、ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるよう
に塗工し、常温で7日間乾燥した後フィルムをガラス板
から剥し、得られたフィルムを120℃で5分間加熱処
理して残存する水分を蒸発させた。そのフィルムを20
mm角に切り取り重量を測定(W0)し試験フィルムと
した。試験フィルムを常温水中に7日間浸漬し、引き上
げてフィルム表面の水分を軽く拭き取った後、重量を測
定(W1)した。さらにそのフィルムを110℃で1時
間乾燥し、放冷後重量を測定(W2)した。下記計算式
によりフィルム吸水率及び溶出率を求めた。
1〜6により得られた重合体水性分散液[B−1]〜
[B−15]及び[D−1]〜[D−6]を、ガラス板
上に3milアプリケーターで塗工し、常温で3日間乾
燥して皮膜を形成した。その後120℃で5分間加熱処
理を行って、残存する水分を蒸発させて試験片とした。
たはトルエン溶液を染み込ませた綿棒で100回ラビン
グし、塗工面の劣化の有無を観察した。 ○;皮膜に全く異常無し。
ス板上からの脱離がやや有る。 ×;皮膜の内部まで劣化し、脱離が著しい。
1〜6により得られた重合体水性分散液[B−1]〜
[B−15]及び[D−1]〜[D−6]を、ガラス板
上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるように塗工し、常
温で7日間乾燥した後フィルムをガラス板から剥し、得
られたフィルムを120℃で5分間加熱処理して残存す
る水分を蒸発させた。これらフィルムをJIS3号ダン
ベルの型に打ち抜き試験片とし、引張試験での破断強度
を下記の条件で測定した。 引張試験機;島津(株)製オートグラフAG−5000
C 引張速度(クロスヘッドスピード);200mm/分 チャック間距離;50mm
〜6により得られた重合体水性分散液[B−1]〜[B
−15]及び[D−1]〜[D−6]を40℃、30日
間放置した前後でのフィルム強度を前記と同様の条件で
測定し、その変化の度合いを調べた。
った。 △;フィルム強度の変化が10〜50%の範囲であっ
た。 ×;フィルム強度の変化が50%以上である、或いは4
0℃、30日間保存後にフィルムの形成が困難になり、
フィルム強度が測定できなかった。
皮膜耐溶剤性、フィルム強度の測定結果及び重合体水性
分散液の貯蔵安定性を下記の第4表の1及び第4表の2
に示す。
他の分散安定剤を全く使用しない場合、或いは使用量を
極少量に減じた場合でも安定にポリマーエマルジョンが
製造でき、且つ、得られるエマルジョン皮膜の耐水性、
耐溶剤性、力学的強度等の諸物性が非常に優れた硬化性
重合体水性分散液が得られる。
合体水性分散液は、耐水性、耐溶剤性、力学的強度に優
れたエマルジョン皮膜を与えるものである。
Claims (25)
- 【請求項1】 水性媒体中に分散する、酸価が30〜3
00、重量平均分子量が100,000以上で、且つ、
ゲル分率(アセトン不溶解分)が95重量%以下である
カルボキシル基含有重合体[A]の存在下、前記カルボ
キシル基と反応性を有する基を含有するエチレン性不飽
和単量体(b−1)を必須の成分とする単量体成分
(b)を乳化重合することを特徴とする硬化性重合体水
性分散液の製造方法。 - 【請求項2】 カルボキシル基含有重合体[A]が、カ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)を
必須の成分とする単量体成分(a)を水性媒体中で重合
させて得られるものである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 カルボキシル基含有重合体[A]と単量
体成分(b)との重量割合が、固形分比で1/0.5〜
1/100である請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 カルボキシル基含有重合体[A]が、該
重合体中の全カルボキシル基の10〜50モル%が塩基
性物質で中和されたものである請求項3記載の製造方
法。 - 【請求項5】 カルボキシル基含有重合体[A]が、ガ
ラス転移温度(Tg)が−60〜30℃のものである請
求項1、2、3または4記載の製造方法。 - 【請求項6】 単量体成分(a)が、単量体(a−1)
の他、カルボキシル基以外の反応性官能基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a−2)を有するものである請求
項2〜5の何れか1つに記載の製造方法。 - 【請求項7】 単量体成分(a)が、カルボキシル基以
外の反応性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(a
−2)を有するものであって、且つ、単量体成分(b)
が、単量体(b−1)以外の、反応性官能基を有するエ
チレン性不飽和単量体(b−2)を有するものである請
求項6記載の製造方法。 - 【請求項8】 単量体(a−2)が、加水分解性シリル
基若しくはシラノール基を反応性官能基として有するも
のである請求項6または7記載の製造方法。 - 【請求項9】 加水分解性シリル基若しくはシラノール
基が、下記一般式(I)で表わされるものである請求項
8記載の製造方法。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
1 はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基及びアミノ基から選ばれた1価の基、aは0、1ま
たは2を表す) - 【請求項10】 単量体成分(a)の重合を、シロキサ
ン結合を形成し得る官能基を有する非ラジカル重合性シ
ラン(d)の存在下に行う請求項8または9記載の製造
方法。 - 【請求項11】 シロキサン結合を形成し得る官能基を
有する非ラジカル重合性シラン(d)が、下記一般式
(II)で表わされるものである請求項10記載の製造方
法。 【化2】 (R2)b −Si−(X2)4-b (II) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
2 はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基及びアミノ基から選ばれた1価の基、bは0、1、
2または3の整数、Si原子に結合するR 1 及びX1 が
それぞれ2個以上の場合、それらは同一の基であっても
異なる基であってもよい) - 【請求項12】 シロキサン結合を形成し得る官能基を
有する非ラジカル重合性シラン(d)が、下記一般式
(III)で表わされるものである請求項10記載の製造
方法。 【化3】Si−(X3)4 (III) (式中、X3 はヒドロキシ基、アルコキシ基から選ばれ
た1価の基、Si原子に結合するX3 はそれぞれ同一の
基であっても異なる基であってもよい) - 【請求項13】 カルボキシル基含有重合体[A]の存
在下に、該重合体[A]と非架橋性であり、且つ単量体
成分(b)の反応性官能基と非反応性のエチレン性単量
体成分(c)を重合し、次いで、単量体成分(b)を重
合するか、或いは、カルボキシル基含有重合体[A]の
存在下に単量体成分(b)を重合し、次いで、前記エチ
レン性単量体成分(c)を重合する請求項1〜12の何
れか1つに記載の製造方法。 - 【請求項14】 重合体水性分散液の分散粒子が、少な
くともA相及びB相の2種の相からなり、A相が酸価3
0〜300、重量平均分子量が100,000以上で、
且つゲル分率(アセトン不溶解分)が95重量%以下の
カルボキシル基含有重合体[A]から構成され、B相が
前記カルボキシル基と反応性を有する基を含有するエチ
レン性重合体[B]から構成されることを特徴とする硬
化性重合体水性分散液。 - 【請求項15】 A相を構成するカルボキシル基含有重
合体[A]とB相を構成するエチレン性重合体[B]の
重量割合が、固形分比で1/0.5〜1/100である
請求項14記載の硬化性重合体水性分散液。 - 【請求項16】 A相を構成するカルボキシル基含有重
合体[A]のガラス転移温度(Tg)が−60〜30℃
である請求項15記載の硬化性重合体水性分散液。 - 【請求項17】 A相を構成するカルボキシル基含有重
合体[A]が、カルボキシル基以外の反応性官能基を含
有している請求項14、15または16記載の硬化性重
合体水性分散液。 - 【請求項18】 A相を構成するカルボキシル基含有重
合体[A]が、カルボキシル基以外の反応性官能基を含
有しており、且つ、B相を構成するエチレン性重合体
[B]が、カルボキシル基と反応性を有する基以外の反
応性官能基を含有するものである請求項17記載の硬化
性重合体水性分散液。 - 【請求項19】 A相中のカルボキシル基以外の反応性
官能基が、加水分解性シリル基若しくはシラノール基で
ある請求項17または18記載の硬化性重合体水性分散
液。 - 【請求項20】 加水分解性シリル基若しくはシラノー
ル基が、下記一般式(I)で表わされるものである請求
項19記載の硬化性重合体水性分散液。 【化4】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
1 はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシ
ロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基及びアミノ基から選ばれた1価の基、aは0、1ま
たは2を表す) - 【請求項21】 A相中のカルボキシル基以外の反応性
官能基が、加水分解性シリル基若しくはシラノール基で
あり、且つ、A相中にシロキサン結合を形成し得る官能
基を有する非ラジカル重合性シランを含有するものであ
る請求項19または20記載の硬化性重合体水性分散
液。 - 【請求項22】 シロキサン結合を形成し得る官能基を
有する非ラジカル重合性シランが、下記一般式(II)で
表わされるものである請求項21記載の硬化性重合体水
性分散液。 【化5】 (R2)b −Si−(X2)4-b (II) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
基及びアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、X
2 はヒドロキシ基、アルコキシ基から選ばれた1価の
基、bは0、1、2または3の整数、Si原子に結合す
るR1 及びX1 がそれぞれ2個以上の場合、それらは同
一の基であっても異なる基であってもよい) - 【請求項23】 シロキサン結合を形成し得る官能基を
有する非ラジカル重合性シランが、下記一般式(III)
で表わされるものである請求項21記載の硬化性重合体
水性分散液。 【化6】Si−(X3)4 (III) (式中、X3 はヒドロキシ基、アルコキシ基から選ばれ
た1価の基、Si原子に結合するX3 はそれぞれ同一の
基であっても異なる基であってもよい) - 【請求項24】 A相及びB相の他、更にA相及びB相
と非架橋性のエチレン性重合体[C]から構成されるC
相を有する請求項14〜23の何れか1つに記載の硬化
性重合体水性分散液。 - 【請求項25】 重合体水性分散液の固型分が、20〜
70重量%である請求項14〜24の何れか1つに記載
の硬化性重合体水性分散液組成物。
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