JP3483745B2 - 長繊維束を用いたろ過塔 - Google Patents
長繊維束を用いたろ過塔Info
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Description
水、河川水、湖沼水、凝集沈殿上澄水、各種工程中間
水、製紙工程における回収水のような各種回収水、各種
廃水、生物処理装置の処理水、有価物含有液、酒又は油
等の原液中の懸濁物を高流速で除去するための長繊維束
を用いたろ過塔に関する。
−315110号公報等において開示されているが、そ
こで用いられる長繊維束は、塔本体内に横設された多孔
板の孔部に、その下端部が束ねられ、リングを介して固
定されている。かかるろ過塔は、通常、太さが約10μ
m〜約80μmのアクリル繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維等の非燃単繊維の集合体である長さ約0.
4m〜約3.0mの長繊維束を塔本体内に密に配設して
直立させているので、他のろ過材と比較して圧力損失を
それほど大きくさせずに高流速でろ過できるという利点
がある。また、逆洗の際には、多孔板の孔部と長繊維束
の下端部との隙間から流入する逆洗流体によって、上端
部が自由端となっている長繊維束が吹き流しのようにな
って振動するため、懸濁物が効果的に除去されるという
利点も有している。しかしながら、従来のろ過塔では、
長繊維束の下端部が束ねられてかなり密集しているた
め、当該下端部に限っては十分な振動を確保することが
できず、当該下端部付近では、逆洗効果が十分に得られ
ないという問題を有していた。
ため、特開平2−149305号公報において次のよう
な構造のろ過塔を提案した。すなわち、図6に示すよう
に、側胴部周囲に多数の穴101aを有する上部蓋状体
101と、側胴部にスリット102aを有する上下端が
開口した下部筒状体102とが連通してなる支持体10
0を、塔本体内に横設した多孔板103の各孔部103
aに、上部蓋状体101を多孔板103の上方に臨ま
せ、下部筒状体102を多孔板103の下方に臨ませる
ように取り付け、さらに前記上部蓋状体101の側胴部
周囲に長繊維束104の下端部104aを固定したこと
を特徴とするものである。
ば、逆洗の際の圧縮空気(逆洗空気)又は逆洗水は、支
持体100を構成する下部筒状体102の下端開口部1
02b又は側胴部に形成したスリット102aから該下
部筒状体102内に流入し、長繊維束104の下端部1
04aが固定されている上部蓋状体101の穴101a
から噴出する。従って、密集している長繊維束104の
下端部104aに対し、直接的ないしは優先的に逆洗流
体が供給されるため、このような支持体100を用いず
に長繊維束104をリングだけで保持する構造のものと
比較すれば、はるかに当該下端部104aを効果的に逆
洗することができる。
るものであっても、逆洗流体は、長繊維束104の内側
に配置された上部蓋状体101から噴出するため、長繊
維束104の下端部104aの内側においては比較的良
好に懸濁物が除去されるものの、密集している繊維10
4の抵抗により特に下端部104a外側では洗浄が不十
分となり易いという問題がある。
り、逆洗時の懸濁物の除去、特に長繊維束下端部の懸濁
物の除去を、従来のものよりもさらに効果的に行うこと
ができる長繊維束を用いたろ過塔を提供することを課題
とする。
め、本発明の長繊維束を用いたろ過塔は、塔本体内に配
設された多孔板の孔部に挿通されて支持され、該多孔板
を境として、上方位置にろ過水流入部及び逆洗流体流出
部として機能する上部流出入口を有し、下方位置にろ過
水流出部及び逆洗流体流入部として機能する下部流出入
口を有する中空の支持ノズルと、下端部が該支持ノズル
における多孔板よりも上方位置で連結され、上端部が自
由端となるように配設された長繊維束と、を備え、該長
繊維束に下向流で原液を通して懸濁物を捕捉するろ過塔
において、前記多孔板における適宜の孔部に、前記支持
ノズルに代え、多孔板を境として、上方位置に逆洗流体
流出部としてのみ機能する上部開口を有し、下方位置に
逆洗流体流入部としてのみ機能する下部開口を有し、か
つ上端が閉塞された中空の逆洗専用ノズルを配設したこ
とを特徴とする。
ズルに連結される長繊維束の下端部の多孔板からの高さ
とほぼ同じか又はそれ以下の高さの位置に形成されてい
ることが好ましい。また、前記支持ノズルが配設される
多孔板の孔部に隣接する複数の孔部のうち、いずれか少
なくとも1つの孔部に前記逆洗専用ノズルが配設されて
いることが好ましい。さらには、前記支持ノズルの上方
位置に、前記上部流出入口に加えて、ろ過水流入部とし
てのみ機能する集水専用口を更に有することが好まし
い。また、前記支持ノズルが、上部流出入口のみを有す
る場合は、上部流出入口の総開口面積が、多孔板の面積
に対して3〜8%の割合となるよう、逆洗専用ノズルの
配設数が調整されていることが好ましい。一方、前記支
持ノズルが、上部流出入口に加えて、ろ過水流入部とし
てのみ機能する集水専用口を有する場合は、上部流出入
口の総開口面積と集水専用口の総開口面積とを合計した
合計総開口面積が、多孔板の面積に対して3〜8%の割
合となるよう、逆洗専用ノズルの配設数が調整されてい
ることが好ましい。なお、前記長繊維束は、前記逆洗専
用ノズルにも連結させることができる。
ろ過塔を図面に示した実施の形態に基づき説明する。図
1、図2及び図4に示したように、本実施の形態にかか
るろ過塔1は、塔本体2、多孔板3、支持ノズル4、長
繊維束5及び逆洗専用ノズル6等を有して構成されてい
る。
2aに原液供給管10が接続され、底壁部2bにろ過水
流出管11と逆洗空気供給管12が接続される。原液供
給管10は、図4に示すように、原液供給源に接続され
ていることはもとより、その中途には、必要に応じて凝
集剤を供給するための凝集剤供給管13が接続されてい
る。なお、凝集剤供給管13は凝集剤貯槽14に対し凝
集剤供給ポンプ15を介して接続されている。また、ろ
過水流出管11には逆洗水供給管16が接続され、この
逆洗水供給管16には逆洗水供給ポンプ17が介在配設
されている。また、逆洗空気供給管12にはブロワ18
が接続されている。なお、図4に示した塔本体2に対す
る配管は、あくまで一例であり、これに限定されるもの
ではないことはもちろんである。
2内において、中央部よりも底壁部2b寄りの所定位置
に略水平に固定されている(図4参照)。多孔板3に
は、図1及び図2に示すように、複数の孔部3aが形成
されており、この孔部3aに後述の支持ノズル4と逆洗
専用ノズル6が挿入配設される。
に、本実施の形態では、中空の下部筒状体41と上部筒
状体42の2つの部材から構成される。下部筒状体41
は、上端41a及び下端41bが開口されていると共
に、上端41a寄りの外周面にフランジ部41cが突設
されている。下部筒状体41は、フランジ部41cの下
面が多孔板3の表面に当接するまで、多孔板3の孔部3
aに対して上方から挿入されて配設されるが、このと
き、多孔板3よりも下方に位置することになる周壁の適
宜部位に、ろ過水流出部としても及び逆洗流体流入部と
しても機能する下部流出入口41dが開口形成されてい
る。なお、符号43は、下部筒状体41を多孔板3に固
定するため、該下部筒状体41の周面に螺合されるナッ
トである。
bを有すると共に、下端42cが開口されており、下部
筒状体41のフランジ部41cよりも上方位置の周面に
螺合又は嵌合によって連結されて配設される。また、端
壁42bの略中央部には、集水専用口としての所定径の
孔42dが形成されていると共に、上部筒状体42内に
この孔42dを開閉する弁機構が設けられている。この
弁機構により、孔42dはろ過水流入部としてのみ機能
し、逆洗流体流出部としては機能しないようになってい
る。弁機構は、孔42dをろ過時に開放し、逆洗時に閉
塞できるものであれば、どのような構造であってもよい
が、本実施の形態では、該孔42dの径よりも大きな径
を有するボール弁42fとこのボール弁42fの落下防
止のため、上部筒状体42の長さ方向略中央部におい
て、内方に突設した突起42gとから構成されるものを
用いている。
の周壁、すなわち、多孔板3を境として、その上方位置
にろ過水流入部及び逆洗流体流出部として機能する上部
流出入口42hが開口形成されている。なお、この上部
流出入口42hと上記した下部筒状体41の下部流出入
口41dは、いずれも形状が限定されるものではなく、
円形や長孔状等、種々の形状で形成することができる。
また、口径も限定されるものではないが、上部流出入口
42hからの逆洗流体の流出速度をできるだけ速くする
ため、小さいほど好ましい。
は、長繊維束5の下端部5aが固定配設される。固定方
法は任意であるが、本実施の形態では、長繊維束5の下
端部5aの外周囲にバンド部材44をはめて締め付け固
定している。長繊維束5としては、比較的高流速の原液
を下向流で通液しても、その初期においては下方部がや
や屈曲して高さが若干縮み、通液の続行により下方部の
屈曲部が増加し、次第に高さが減少していくが、それで
も、水平状に折れ曲がらず、ほぼ直立しているような腰
の強さと充填量が必要である。このような条件を満たす
長繊維束5としては、太さ80μm以下、通常35μm
前後のアクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維等の合成繊維、あるいは、綿、羊毛等の天然繊維等の
非撚単繊維の集合体を用いることが好ましい。但し、通
液中、水平状に折れ曲がらず、塔本体2内でほぼ直立す
るようなものであれば、撚糸の集合体であってもよい。
いより微細な懸濁物を除去でき、ろ過水の水質も向上す
るが、集合密度が大きいほど圧力損失が大きくなる。従
って、原液の懸濁物の質あるいは量を考慮して集合密度
を決定するとよい。例えば、長さが1,000〜3,0
00mmの非撚単繊維からなる集合体を用いた場合には
ろ過断面積1m2 当たり50〜200kg(乾燥重量)
の集合体となるような充填密度とすると好ましい。
4と同様、本実施の形態では下部筒状体61と上部筒状
体62の2つの部材から構成される。下部筒状体61
は、支持ノズル4の下部筒状体41とほぼ同じ形状を有
し、上端61a及び下端61bが開口されていると共
に、上端61a寄りの周面にフランジ部61cが突設さ
れている。但し、多孔板3の孔部3aに対して上方から
挿入してナット63を用いて固定配設した際に、該多孔
板3よりも上方に位置することになるフランジ部61c
には、厚み方向に貫通する上部開口61eが形成されて
いる。この上部開口61eは、上記した支持ノズル4を
構成する上部筒状体42の上部流出入口42hと異な
り、逆洗流体流出部としてのみ機能する。また、多孔板
3よりも下方に位置することになる周壁の適宜部位に
は、下部開口61dが形成されている。この下部開口6
1dは、支持ノズル4の下部流出入口41dと異なり、
逆洗流体流入部としてのみ機能する。上部開口61eと
下部開口61dとにかかる機能のみを発揮させるため、
弁機構が設けられている。弁機構の構造は限定されるも
のではないが、本実施の形態では、上部開口61eと下
部開口61dとの間の適宜部位に設けられた逆洗流体通
過孔61gが開口されている隔壁61hと、該逆洗流体
通過孔61gを開閉するボール弁61iとから構成して
いる。
端が閉塞されて形成され、開口形成されている下端62
b側から、下部筒状体61のフランジ部61cより上方
の周面に螺合又は嵌合により連結される。なお、上記し
た上部開口61eは、本実施の形態では、下部筒状体6
1のフランジ部61cに形成しているが、上部筒状体6
2の周壁に貫通形成してもよい。但し、洗浄効果を高め
るためには、隣接する支持ノズル4に取り付けられた長
繊維束5の下端部5aの外側に上部開口61eから噴出
される逆洗流体を直接衝突させる必要があるため、長繊
維束5の下端部5aのうちでも最も下端の部位と多孔板
3の表面からの高さがほぼ同じか又はそれ以下の高さの
部位に設けることが好ましい。また、逆洗流体の噴出速
度をできるだけ上げるため、上部開口61eの口径はで
きるだけ小さくすることが好ましい。
下端部5aの逆洗性能を向上させるために配設されるも
のであるため、全ての支持ノズル4の長繊維束5に上部
開口61eから噴出される逆洗流体が供給されるように
配置する必要がある。従って、支持ノズル4が配設され
る多孔板3の孔部3aに隣接する複数の孔部3aのう
ち、いずれか少なくとも1つの孔部3aに必ず逆洗専用
ノズル6が配設されるようにすることが好ましい。
専用ノズル6の配設数が多すぎては、初期損失水頭が上
昇しろ過処理能力が低下することになる。このことを考
慮すると、図3に示したように、いずれの支持ノズル4
を基準としても、いずれかの方向に隣接する孔部3aに
必ず逆洗専用ノズル6が配設されていると共に、逆洗専
用ノズル6同士が隣同士とならないよう配設することが
より好ましい。すなわち、1本の逆洗専用ノズル6が支
持ノズル4によって取り囲まれるような位置関係であ
る。
は、このように両者の位置関係で大凡決定できるが、ろ
過処理能力は各ノズル4,6の径によっても異なるた
め、その低下を防ぐためには、さらに、支持ノズル4の
上部流出入口42hの総開口面積と集水専用口としての
孔42dの総開口面積とを合計した合計総開口面積が、
多孔板3の全体面積に対して3〜8%の割合となるよう
調整することが好ましい。なお、本実施の形態と異な
り、上部流出入口42hのみを備え、集水専用口として
の孔42dを備えていない構成とした場合には、当該上
部流出入口42hの総開口面積の割合が、多孔板3の全
体面積に対して3〜8%となるよう調整する。
本実施の形態にかかるろ過塔1の作用を説明する。ま
ず、ろ過時は、原液供給管10に介在配設された弁20
とろ過水流出管11に介在配設された弁21を開放し、
原液供給管10から塔本体2内へ原液を供給する(図4
参照)。下向流で供給される原液により、長繊維束5
は、通液時に収縮動作するため、効果的に懸濁物を捕捉
する。懸濁物が除去された原液(ろ過水)は、図1にお
いて矢印で示したように、支持ノズル4の上部流出入口
42h及び端壁42bの孔42dから支持ノズル4内に
流入し、ボール弁42fを下方に位置する突起42gに
対して押しつけると共に、突起42g間の隙間を通り、
下部流出入口41d及び開口している下端41bから流
出し、さらに、ろ過塔2の底部からろ過水排出管11へ
排出される。このとき、逆洗専用ノズル6に形成された
上部開口61eからもろ過水が流入するが、逆洗専用ノ
ズル6内に流入したろ過水はボール弁61iを隔壁61
hに押しつけるため、逆洗流体通過孔61gは閉塞され
る。従って、ろ過水は、逆洗専用ノズル6内を通過でき
ず、上記のように支持ノズル4内のみを通過して排出さ
れる。
ンプ15を起動し、凝集剤貯槽14から凝集剤を供給し
たり、これと共に、あるいはこれに代えてpH調整剤を
供給したりすることもできる(図4参照)。
て圧力損失が増加してきた場合には、逆洗を行う。逆洗
工程では、上記弁20及び弁21を閉じ、逆洗水供給管
16に介在配設された弁22及び逆洗水流出管19に介
在配設された弁23を開放し、逆洗ポンプ17を起動す
る(図4参照)。逆洗水は、逆洗水供給管16を経て塔
本体2の下部から流入し、上向流となって、図2におい
て矢印で示したように、支持ノズル4内へは、下部流出
入口41d及び開口している下端41bから流入し、逆
洗専用ノズル6内へは下部開口61dと開口している下
端61bから流入する。
に示すように、ボール弁42fを押し上げ、端壁42b
の孔42dを閉塞するため、上部流出入口42hのみか
ら噴出する。上部流出入口42hは、長繊維束5の下端
部5a付近の内側に位置しているため、特に当該下端部
5aを内側から効果的に洗浄すると共に、長繊維束5を
振動させて懸濁物を除去する。一方、逆洗専用ノズル6
内を通過する逆洗水は、図2において矢印で示したよう
に、ボール弁61iを押し上げて、隔壁61hから離間
させるため、逆洗水通過孔61gを経由し、上部開口6
1eから噴出する。上部開口61eから噴出した逆洗水
は、隣接の支持ノズル4に支持されている長繊維束5の
下端部5aに対してその外側から勢いよく衝突して内側
へ浸入しようとするため、下端部5aからの懸濁物の剥
離を促進する。また、このとき同時に、多孔板3上に堆
積した懸濁物も噴出した逆洗水によって除去される。そ
して、除去された懸濁物を含んだ逆洗水は、逆洗水流出
管19を通じて排出される(図4参照)。
気供給管12に介在配設された弁24を開放すると共に
ブロワ18を起動し、逆洗空気を供給するようにしても
よいことはもちろんである(図4参照)。また、長繊維
束5に強固に付着したスライムを溶解させて除去するた
め、逆洗水中に、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、
オゾン等の酸化剤を混合して供給することもできる。
自動弁が用いられるが、もちろん手動弁であってもよ
く、両者を併用することもできる。また、弁として各管
に個別に配設しているが、いくつかの弁をまとめて5方
弁等の単一操作弁(多方弁)を用いることもできる。
した実施の形態に何ら限定されるものではない。例え
ば、支持ノズル4又は逆洗専用ノズル6をそれぞれ構成
する下部筒状体41又は下部筒状体61としては、下端
が開放しているものであって、周壁に下部流出入口41
d又は下部開口61dが形成されたものを用いている
が、下端が閉塞したものを用いてもよい。逆に、下部流
出入口41d又は下部開口61dを周壁に形成せずに、
開口している下端を当該下部流出入口又は下部開口とし
て利用する構成とすることもできる。また、上記した実
施の形態では、支持ノズル4及び逆洗専用ノズル6をそ
れぞれ上部と下部の2つの筒状体を組み合わせて構成し
ているが、一体形成された1つの部材から構成してもよ
い。
したように、長繊維束5を支持ノズル4だけでなく、逆
洗専用ノズル6にも取り付けてもよい。すなわち、上部
開口61eよりも上方部位の周面に長繊維束5の下端部
を位置させてバンド部材で固定してもよい。支持ノズル
4だけに長繊維束5を配設する場合よりも、長繊維束5
の塔本体2内の密度を上げることができ、その結果、ろ
過能力を向上させることができる。この場合、逆洗専用
ノズル6に取り付けられた長繊維束5の下端部に対して
逆洗流体を直接供給することは困難であるが、逆洗専用
ノズル6はそもそもろ過水が通過しない構造であるた
め、取り付けられた長繊維束5の下端部に懸濁物が溜ま
ることはほとんどなく、問題はない。
0mmの塩化ビニル製の塔本体の下方部に直径300m
m多孔板を横設し、当該多孔板に太さ43μm、長さ
1,000mmのアクリル製非撚単繊維の集合体からな
る長繊維束の下端部を支持ノズルに固定し、上端部を自
由端とした。図5(a)に示したように支持ノズル4は
6個配設し、当該支持ノズル4に取り囲まれるように逆
洗専用ノズル6を1個配設した。なお、このときの支持
ノズル4の上部流出入口及び集水専用口(孔42d)の
合計総開口面積は、多孔板3の面積の5.1%であっ
た。
流で原水として下水二次処理水(懸濁物濃度10mg/
l〜20mg/l)を、LV20m/Hで通水し、ろ過
を開始した。初期損失水頭は5cmであり、得られたろ
過水の懸濁物濃度は5mg/lであった。
停止し、塔本体の下部からLV400m/Hの圧縮空気
とLV100m/Hの逆洗水を上向流で4分間流入さ
せ、さらに、LV100m/Hの逆洗水を上向流で2分
間流入させる逆洗を行った。以降、前記ろ過工程と逆洗
工程を繰り返した。
間実施したが、支持ノズルの長繊維束には、懸濁物がい
ずれの箇所でも殆ど確認されず、逆洗を行った直後の初
期損失水頭も5〜10cm程度であった。
施例で用いたろ過塔の逆洗専用ノズルを取り外し、当該
逆洗専用ノズルを配設していた多孔板3の孔部は目隠
し、支持ノズル4の上部流出入口及び集水専用口の合計
総開口面積を多孔板3の面積の5.1%と、上記実施例
と同様に保ったまま、同様の条件でろ過工程と逆洗工程
を同じ期間繰り返した。その結果、長繊維束表面、特に
長繊維束の下端部付近に洗浄不足で残った懸濁物が確認
され、最後に逆洗した直後の初期損失水頭は20cm程
度まで上昇していた。
ば、多孔板に逆洗専用ノズルが配設されているため、逆
洗時の懸濁物の除去、特に長繊維束下端部の懸濁物の除
去を、従来のものよりもさらに効果的に行うことができ
る。
時の状態を示す一部断面図である。
時の状態を示す一部断面図である。
ノズルの配置例を模式的に示す図である。
す構成図である。
における配置を模式的に示す図であり、(b)は支持ノ
ズルの比較例における配置を模式的に示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 塔本体内に配設された多孔板の孔部に挿
通されて支持され、該多孔板を境として、上方位置にろ
過水流入部及び逆洗流体流出部として機能する上部流出
入口を有し、下方位置にろ過水流出部及び逆洗流体流入
部として機能する下部流出入口を有する中空の支持ノズ
ルと、 下端部が該支持ノズルにおける多孔板よりも上方位置で
連結され、上端部が自由端となるように配設された長繊
維束と、を備え、 該長繊維束に下向流で原液を通して懸濁物を捕捉するろ
過塔において、 前記多孔板における適宜の孔部に、前記支持ノズルに代
え、多孔板を境として、上方位置に逆洗流体流出部とし
てのみ機能する上部開口を有し、下方位置に逆洗流体流
入部としてのみ機能する下部開口を有し、かつ上端が閉
塞された中空の逆洗専用ノズルを配設したことを特徴と
する長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項2】 前記逆洗専用ノズルの上部開口が、支持
ノズルに連結される長繊維束の下端部の多孔板からの高
さとほぼ同じか又はそれ以下の高さの位置に形成されて
いる請求項1記載の長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項3】 前記支持ノズルが配設される多孔板の孔
部に隣接する複数の孔部のうち、いずれか少なくとも1
つの孔部に前記逆洗専用ノズルが配設されている請求項
1又は2記載の長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項4】 前記支持ノズルの上方位置に、前記上部
流出入口に加えて、ろ過水流入部としてのみ機能する集
水専用口を更に有する請求項1〜3のいずれか1に記載
の長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項5】 前記支持ノズルの上部流出入口の総開口
面積が、多孔板の面積に対して3〜8%の割合となるよ
う、逆洗専用ノズルの配設数が調整されている請求項1
〜3のいずれか1に記載の長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項6】 前記支持ノズルの上部流出入口の総開口
面積と集水専用口の総開口面積とを合計した合計総開口
面積が、多孔板の面積に対して3〜8%の割合となるよ
う、逆洗専用ノズルの配設数が調整されている請求項4
に記載の長繊維束を用いたろ過塔。 - 【請求項7】 前記長繊維束が、前記逆洗専用ノズルに
も連結されている請求項1〜6のいずれか1に記載の長
繊維束を用いたろ過塔。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32382097A JP3483745B2 (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 長繊維束を用いたろ過塔 |
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1997
- 1997-11-10 JP JP32382097A patent/JP3483745B2/ja not_active Expired - Lifetime
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