JP3404546B2 - 金型内被覆方法 - Google Patents
金型内被覆方法Info
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Description
より詳しくは金型キャビティ内に熱可塑性樹脂成形材料
の溶融物を射出し、成形せしめ、次いで得られた成形物
と金型内壁との間に被覆組成物を注入し、該被覆組成物
が硬化した後、被覆された成形物を金型から取り出す諸
工程を含む金型内被覆方法に関する。
て、熱可塑性樹脂成形品に対して意匠性や、耐候性等に
ついての耐久性を目的とした塗装が要求されており、熱
可塑性樹脂成形品を成形した後、該成形品を金型から取
り出し、その成形品表面に表面処理、プライマー塗装、
上塗塗装等の塗装工程を施している。
工程を必要とし、塗装設備、人員等に莫大な経費を必要
とする。このような問題の解決法として、SMC(シー
トモルディングコンパウンド)、BMC(バルクモール
ディングコンパウンド)等の熱硬化性樹脂系成形材料を
用いた圧縮成形法、射出成形法において主としてプライ
マー塗装に金型内被覆法が多数実施されている。
熱可塑性樹脂成形材料と金型内被覆組成物との組み合わ
せで用いて金型内被覆法を実施した場合には成形材料と
被覆組成物との付着力が弱く、従って、所望程度の付着
力を得るために金型内被覆組成物中に体質顔料や熱可塑
性ポリマーを添加したり、耐候性を有さないエポキシア
クリレートオリゴマーをビヒクル成分として使用するな
どの方法がとられていた。しかし、これらの方法では光
沢等の塗膜外観や、耐候性等についての耐久性が悪くな
るという問題があり、又付着力も必ずしも十分ではなか
った。
についての耐久性を有し、且つ自動車外板、外装部材な
どの屋外用途にも適用可能な上塗塗料としての機能も有
する1コート金型内被覆皮膜を形成することのできる金
型内被覆方法を提供することにある。
を達成するために鋭意検討の結果、ポリイソシアネート
化合物を金型内被覆組成物に含有させることにより熱可
塑性樹脂成形材料との付着性を高めることができること
を見出し、本発明を完成した。
ャビティ内に熱可塑性樹脂成形材料の溶融物を射出し、
成形せしめ、次いで得られた成形物と金型内壁との間に
被覆組成物を注入し、該被覆組成物が硬化した後、被覆
された成形物を金型から取り出す諸工程を含む金型内被
覆方法において、該被覆組成物が (A)(i)(a)有機ポリイソシアネート、(b)有
機ポリオール及び(c)ヒドロキシアルキルアクリレー
ト又はヒドロキシアルキルメタクリレートとの、未反応
のイソシアネート基を実質的に含まない反応生成物であ
るウレタンアクリレートオリゴマー又はウレタンメタク
リレートオリゴマーと(ii)重合性不飽和モノマーとか
らなるビヒクル成分、 (B)ポリイソシアネート化合物、及び (C)重合開始剤を含有することを特徴とする。
明の実施において、固定金型と移動金型とからなる金型
に設けられた金型キャビティ内に熱可塑性樹脂成形材料
の溶融物を射出し、成形せしめ、次いで得られた成形物
が被覆組成物を注入した際にも形状を損わない程度に固
化した後、被覆組成物を該成形物と金型内壁との間に注
入し、該被覆組成物が硬化した後、被覆された成形物を
金型から取り出す諸工程は従来公知の方法で実施でき、
被覆組成物の注入直前、直後の型挙動、成形物の金型内
圧、被覆組成物の注入圧は特に限定されるものではな
い。例えば特公昭55−9292号公報に記載されてい
るように固定金型と移動金型との間を密閉状態に維持し
たまま離間させ、成形物被覆面と金型内壁との間に空間
を形成させた後に被覆組成物を注入する方法、特公平4
−33252号公報に記載されているように金型と成形
物との間に発生している金型内圧を大きく越える圧力で
被覆組成物を注入する方法、特開平5−301251号
公報に記載されているように成形物の収縮に起因して成
形物被覆面と金型内壁との間に空間が形成された後に被
覆組成物を注入する方法等の全てに適用可能である。
材料の種類に依存するが、以下に説明する方法を用いる
と、被覆組成物を注入した際に均一皮膜が形成でき、ま
た光沢性や付着性に優れた皮膜を形成することができる
ので、以下に説明する方法は特に好ましい。
アミド樹脂、ポリアミド樹脂と結晶性熱可塑性樹脂とか
らなるポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステル樹脂又
はポリエステル樹脂と結晶性熱可塑性樹脂とからなるポ
リエステル樹脂系アロイ材を使用する場合:金型キャビ
ティ内に熱可塑性樹脂成形材料の溶融物を射出した後の
保圧時間を3秒以上とし、保圧圧力を300kgf/c
m2 (本明細書において圧力は、特にことわらない限り
ゲージ圧である)以上とし、被覆組成物を注入する直前
の型内圧Pが0<P≦500kgf/cm2 、好ましく
は0<P≦300kgf/cm2 である状態で、空間が
生じていない成形物と金型内壁との間に被覆組成物を注
入する方法。
アミド樹脂と非晶性熱可塑性樹脂とからなるポリアミド
樹脂系アロイ材及び/又はポリエステル樹脂と非晶性熱
可塑性樹脂とからなるポリエステル樹脂系アロイ材を使
用する場合:金型キャビティ内に熱可塑性樹脂成形材料
の溶融物を射出し、成形せしめ、得られた成形物と金型
内壁との間に空間を形成させ、該空間内に被覆組成物を
注入する方法。
は、金型を所定の型締力(F0 )、例えば10〜500
トンfにて保持した状態で金型キャビティ内に熱可塑性
樹脂成形材料の溶融物を射出し、所定時間(溶融物を射
出してから、これ以上保圧しても成形物の重量が増加し
なくなるまでの時間)保圧し、成形せしめ、次いで金型
の型締力を低減させ、例えば低減させた時の型締力(F
1 )と(F0 )とが、0≦(F1)/(F0)≦0.3、特に好
ましくは0≦(F1)/(F0)≦0.1の条件を満足するよう
に低減させることにより空間を形成させる方法;成形さ
せた後、型締力を開放し、固定金型と移動金型とを離間
させて空間を形成させる方法;上記型締力(F0 )を保
持した状態で、得られた成形物を冷却させることにより
成形物を収縮させ、空間を形成させる方法等が代表的な
方法として挙げられるが、これらの方法に限定されるも
のではない。
るウレタンアクリレートオリゴマー又はウレタンメタク
リレートオリゴマー(以下、ウレタン(メタ)アクリレ
ートと称する)は(a)ポリイソシアネート化合物、好
ましくはジイソシアネート化合物、(b)有機ポリオー
ル化合物、好ましくは有機ジオール化合物及び(c)ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得
られる反応生成物であって、未反応のイソシアネート基
を実質的に含まない反応生成物であり、一般式(I) R3O-(CONHR1NHCO-OR2O)mCONHR1NHCO-OR3 ……(I) (式中mは整数であり、R1 はジイソシアネート化合物
のイソシアネート基を除いた部分であり、R2 はジオー
ル化合物のヒドロキシル基を除いた部分であり、R3 は
ヒドロキシル基含有アクリレート又はメタクリレートの
ヒドロキシル基を除いた部分である。)で示される化合
物である。
各種公知のポリイソシアネート化合物、好ましくはジイ
ソシアネート化合物を使用することができる。例えば
1,2−ジイソシアナトエタン、1,2−ジイソシアナト
プロパン、1,3−ジイソシアナトプロパン、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、
ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、メチ
ルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチル
シクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビ
ス(イソシアナトエチル)シクロヘキサン、3−イソシ
アナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイ
ソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(イソシアナト−1−メチルエチ
ル)ベンゼン等を使用することができる。これらジイソ
シアネート化合物は単独で用いても、それらの2種以上
を併用しても良い。
いられる有機ポリオール化合物、好ましくは有機ジオー
ル化合物としてはアルキルジオール、ポリエーテルジオ
ール、ポリエステルジオール等を挙げることができる。
アルキルジオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコー
ル、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
2−エチルブタン−1,4−ジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタン
ジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,9−デカンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチ
ロールシクロヘキサン、4,8−ジヒドロキシトリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デカン、4,8−ビス(ヒドロキ
シメチル)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、
2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−
ジメチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペン
タン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルブタン−1,
3−ジオール、4,5−ノナンジオール、2−ブテン−
1,4−ジオール等を用いることができる。
によりアルデヒド、アルキレンオキサイド、又はグリコ
ールの重合により合成されるものを用いることができ
る。例えば、ホルムアルデヒド、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、エ
ピクロルヒドリンなどを適当な条件下でアルキルジオー
ルに付加重合させて得られるポリエーテルジオールを用
いることができる。
不飽和のジカルボン酸および/又はそれらの酸無水物と
過剰のアルキルジオールとを反応させて得られるエステ
ル化反応生成物、およびアルキルジオールにヒドロキシ
カルボン酸および/またはその内部エステルであるラク
トン及び/又は分子間エステルであるラクチドを重合さ
せて得られるエステル化反応生成物を用いることができ
る。飽和又は不飽和のジカルボン酸としては、例えば、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,
3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル
酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグル
タル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、
マレイン酸、フマル酸、アコニチン酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、ムコン酸、ジヒドロムコン酸
及びこれらの酸のハロゲン誘導体及びアルキル誘導体を
用いることができる。ヒドロキシカルボン酸としては、
乳酸、グルコール酸、α−ヒドロキシラク酸、β−ヒド
ロキシラク酸、α−ヒドロキシイソラク酸、ヒドロキシ
ステアリン酸、レシノレン酸、γ−ヒドロキシ吉草酸等
を用いることができる。
用いても、それらの2種以上を併用しても良い。ウレタ
ン(メタ)アクリレートの合成に用いられるヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−クロロ−1−(ヒ
ドロキシメチル)エチル(メタ)アクリレート、2−ブ
ロモ−1−(ヒドロキシメチル)エチル(メタ)アクリ
レート等を挙げることができる。
リレートは、以上に説明したポリイソシアネート化合
物、有機ポリオール化合物及びヒドロキシルアルキル
(メタ)アクリレートを反応させて得られる前記一般式
(I)で示される構造を有するものである。
候性を改善する観点から、前述のジイソシアネート化合
物と有機ジオール化合物の少なくとも一方に脂肪族の環
構造を持つ化合物を使用して、前記一般式(I)中のR
1 及びR2 の少なくとも一方に脂肪族の環構造を持たせ
ることが好ましい。また、前記一般式(I)中のmが1
〜10の整数であることが、得られる皮膜の硬化性や強
靱性が優れているので好ましい。
性不飽和モノマーとして、例えばメチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アク
リレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エト
キシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)ア
クリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレ
ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシピロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリレ
ートモノマー及びスチレン、ビニルトルエン、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビ
ニルカプロラクタム、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルモノマー、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリア
リルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ
アリルホルマール、1,3,5−トリアクリロイルヘキサ
ヒドロ−S−トリアジン、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等が
代表的なものとして挙げられる。
合物は塗料用途に通常用いられているポリイソシアネー
トである。例えばトルエンジイソシアネート(TD
I)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)、リジンジ
イソシアネート(LDI)、2−イソシアネートエチル
−2,6−ジイソシアネートカプロエート(LTI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、水素化
キシレンジイソシアネート(H6XDI)、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)等
のイソシアネート単体あるいは、プレポリマーとしての
ビュレット型、アダクター型、イソシアヌレート型を使
用することができる。耐候性の観点から、脂肪族系ポリ
イソシアネートを使用する事が好ましい。
従来熱硬化性樹脂成形材料、熱硬化性金型内被覆組成
物、樹脂合成で使用されている公知の過酸化物が用いら
れる。金型内被覆用組成物に多々使用されているターシ
ャルブチルパーオキシベンゾエート、ターシャルブチル
2−エチルヘキサノエート、ターシャルブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート等が代表的なものとして挙
げられる。その他ケトンパーオキサイド類、ジアシルパ
ーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキ
ルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パーカ
ーボネート類、パーオキシケタール類等の各種過酸化物
も重合開始剤として使用できる。
含有することができる。そのような充填材として、ウレ
タン(メタ)アクリレート樹脂と重合性モノマーとの共
重合を阻害して良好な被覆皮膜が得られないようにする
体質顔料や着色顔料以外の、塗料用に一般に使用されて
いる有機、無機顔料の全てが使用できる。例えば着色顔
料として酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、グ
ラファイト、酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン、キナクリドンレッド、体質顔料として
硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイ
カ、また意匠性を目的としたアルミニウム粉等の金属粉
などが挙げられる。
剤を含有することができる。そのような内部離型剤とし
てはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石鹸、脂肪族燐酸塩等が挙げられる。本発明で使用さ
れる被覆組成物はその他必要に応じて重合促進剤、重合
禁止剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、顔料分散剤等を含
有することができる。
うな成分によって構成される。被覆組成物の各成分の量
比は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート20〜8
0重量%、重合性不飽和モノマー80〜20重量%から
なるビヒクル成分100重量部に対して、ポリイソシア
ネート化合物1〜10重量部、重合開始剤0.1〜5重
量部、充填材0〜200重量部、重合促進剤0〜2重量
部、内部離型剤0〜3重量部であることが好ましく、各
成分をこのような量比で含有する被覆組成物を用いるこ
とにより皮膜性能、取扱性が良好になる。特にポリイソ
シアネート化合物の添加量については、少な過ぎると良
好な付着が得られず、一方、10重量部を超えると未反
応ポリイソシアネートが残存しやすくなりその結果とし
て耐久性や塗膜外観上に不都合が発生することがある。
組成物成分と混合した状態で長期間保管すると、被覆組
成物中の不純物である水、遊離酸あるいは空気中の水な
どとの反応により活性を失い本来の性能が得られなくな
るので、通常は塗装直前にその他の被覆組成物成分と公
知の方法で混合することが好ましい。しかし、重合開始
剤以外の成分を含む被覆組成物の可使時間(保管可能時
間)は、十分な品質管理が行われる場合には、特に限定
されるものではない。
合した状態で長期間保管すると、重合開始剤から発生す
るラジカルによってビヒクル成分の架橋が進み、被覆組
成物のゲル化、流動性の変化、皮膜性能の低下が発生す
るので、通常は塗装直前にその他の被覆組成物成分と公
知の方法で混合する。そのようなビヒクル成分の架橋
は、使用環境、皮膜の硬化時間の設定に依存して変動す
るが、一般的には混合の1〜5日後に発生する傾向があ
るので、混合後の使用可能時間は、使用環境、皮膜の硬
化時間の設定に依存して変動するが通常は1〜5日であ
る。
して各種公知の熱可塑性樹脂を使用することができる
が、ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ材、ポリ
エステル樹脂又はポリエステル樹脂系アロイ材が好まし
い。熱可塑性ポリアミド樹脂としては特には限定されな
いが、例えばε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム
などのラクタム類の開環重合によって得られる熱可塑性
ポリアミド;6−アミノカプロン酸、11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から
得られる熱可塑性ポリアミド;エチレンジアミン、テト
ラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデ
カンメチレンジアミン、ドデカンメチレンジアミン、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタ−キシレ
ンジアミン、パラ−キシレンジアミン、1,4−ジアミ
ノブタン、3,4−ジアミノジフェニルアミン、パラフ
ェニレンジアミンなどのジアミンとアジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ダイマー酸、無水ト
リメリット酸、テレフタル酸ジクロライドなどのジカル
ボン酸から得られる熱可塑性ポリアミドあるいはこれら
ポリアミドの変性物等の公知の熱可塑性ポリアミド樹脂
を単独で使用しても、それらの2種以上を併用しても良
い。
は特には限定されないが、上記のポリアミド樹脂5〜9
5重量%と次の樹脂の1種又は2種以上95〜5重量%
とからなるポリマーアロイが挙げられる:そのような樹
脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ
ー等の結晶性ポリオレフィン樹脂;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等の
結晶性汎用樹脂;ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリアセタ
ール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエー
テルケトン等の結晶性エンジニアリングプラスチック
ス;その他フッ素樹脂、アセチルセルロース等の結晶性
樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸
ビニル、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹
脂、ACS樹脂、メタクリル樹脂等の非晶性汎用樹脂;
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド等の非
晶性エンジニアリングプラスチックス;その他ポリスチ
レン、アイオノマー、熱可塑性エラストマー等の非晶性
樹脂;あるいはその他ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂などが代表的なのもとして挙げられる。これらの
樹脂は相溶化、分散化を図るために一部変性したり、相
溶化剤と併用したりして使用することもある。
限定されないが、例えば多価アルコールと多塩基酸とに
よって得られる公知のものが使用できる。多価アルコー
ル成分として、例えば、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,
2′−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス
またはシス−2,2′,4,4′−テトラメチル−1,3−
シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、p−キ
シレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,3−シクロヘキサンジメタノールなどを単独で使用
しても、それらの2種類以上を併用しても良い。
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテ
レフタル酸、4,4′−スチルベンジルジカルボン酸、
4,4′−ビスフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、ビス安息香酸ビス(パラ−カルボキシ
フェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジ
フェノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを単独で
使用しても、それらの2種類以上を併用しても良い。
反応によって得られる熱可塑性ポリエステルが代表的な
ものとして挙げられるが、その他ヒドロキシ酸又はこの
誘導体の重縮合あるいは環状エステルの開環重合によっ
て得られるポリエステル樹脂あるいは該樹脂と前記ポリ
エステル樹脂との混合物、あるいはこれらポリエステル
樹脂の変性樹脂等が挙げられる。
ては特には限定されないが、上記のポリエステル樹脂5
〜95重量%と次の樹脂の1種又は2種以上95〜5重
量%とからなるポリマーアロイが挙げられる:そのよう
な樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオ
ノマー等の結晶性ポリオレフィン樹脂;ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール
等の結晶性汎用樹脂;ポリアミド、ポリアセタール、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケト
ン等の結晶性エンジニアリングプラスチックス;その他
フッ素樹脂、アセチルセルロース等の結晶性樹脂;ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、A
S樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ACS
樹脂、メタクリル樹脂等の非晶性汎用樹脂;ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリアクリレート、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホン、ポリエーテルイミド等の非晶性エンジ
ニアリングプラスチックス;その他ポリスチレン、アイ
オノマー、熱可塑性エラストマー等の非晶性樹脂;ある
いはその他ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂な
どが代表的なのもとして挙げられる。これらの樹脂は相
溶化、分散化を図るために一部変性したり、相溶化剤と
併用したりして使用することもある。
例えばポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ、ポリ
エステル樹脂又はポリエステル樹脂系アロイは、用途に
応じた特性を満足するように紫外線吸収剤、酸化防止
剤、核剤、核助剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、難燃
剤、安定剤、可塑剤、発泡剤、強化用ガラス繊維などの
繊維充填材、無機充填材等を含有することができる。
合物のイソシアネート基と反応することのできる官能
基、好ましくはカルボキシル基又はヒドロキシル基を持
つ樹脂が熱可塑性樹脂成形材料に含まれていることが好
ましい。熱可塑性樹脂成形材料がこのような官能基含有
樹脂を含むことによりポリイソシアネート化合物と該官
能基とが反応して熱可塑性樹脂成形材料と金型内被覆組
成物との被覆界面での付着力が更に強力になる。官能基
含有樹脂のこのような官能基は最初から該樹脂中に存在
していたものであっても、即ち、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基等を含有する熱可塑性樹脂の官能基であって
も、あるいは熱可塑性樹脂成形材料の溶融混練の際の反
応によって生じたものであっても、即ち、熱可塑性樹脂
成形材料中の官能基と反応して発生する官能基、例えば
ポリアミド樹脂末端のアミノ基がグリシジル基と反応し
て発生するヒドロキシル基であってもよい。
物のイソシアネート基と反応することのできる官能基
は、熱可塑性樹脂成形材料の主成分、例えばポリアミド
樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ、ポリエステル樹脂又は
ポリエステル樹脂系アロイ中に含まれる官能基、例えば
樹脂骨格中のアミド基、末端部のアミノ基、カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基などであってもよい。
ト基と反応することのできる官能基を持つ樹脂、あるい
は、熱可塑性樹脂成形材料の溶融混練の際の反応によっ
てそのような官能基を生じる樹脂として、例えばスチレ
ン/無水マレイン酸共重合体であって無水マレイン酸の
一部がエステル化して生じたカルボキシル基を含有して
おり、スチレンと無水マレイン酸との共重合比が当量比
で1:1〜3:1であり、分子量が1000〜2000
であるスチレン/無水マレイン酸共重合体をアルキルア
ルコールで35%〜75%の比率でエステル化して得た
熱可塑性樹脂、メタアクリル酸含有量が1〜30重量%
であるエチレン/メタクリル酸共重合体、ヒドロキシル
基を含有するビスフェノールA型のビニルエステル樹脂
であって分子量が1000〜2000である熱可塑性樹
脂、ヒドロキシル基を含有するエチレン・ビニルアルコ
ール共重合体、ヒドロキシル基を含有し、ブチラール化
度が10〜81.6mol%であるブチラール樹脂、カ
ルボキシル基を含有し、分子量が25000〜6500
0であり、酸価が10〜20mgKOH/gである熱可
塑性アクリル樹脂、くし型構造を持つグラフトポリマー
である酸変性アクリル/ポリスチレン重合体、くし型構
造を持つグラフトポリマーであるエポキシ変性ポリスチ
レン/ポリスチレン重合体、無水マレイン酸のグラフト
付加量が0.01〜10重量%であるエチレン/アクリ
ル酸エステル共重合体、ポリエチレンテレフタレートの
エチレングリコール組成の一部をポリエチレングリコー
ルなどのポリグリコールに変性した非晶質構造を持ち、
分子量が15000〜25000である熱可塑性変性エ
ーテル型ポリエステル樹脂、ポリスチレンをグラフト化
したエチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、な
どが挙げられる。
する樹脂がポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ
材、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂系アロイ材以
外であり、そのような官能基含有樹脂(以下改質樹脂と
称する)をポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ
材、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂系アロイ材に
添加する場合には、改質樹脂の添加量を、ポリアミド樹
脂、ポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステル樹脂、ポ
リエステル樹脂系アロイ材100重量部に対して好まし
くは0.5〜15重量部、更に好ましくは1〜5重量部
とすることにより熱可塑性樹脂成形材料と金型内被覆組
成物との良好な付着が得られた。添加量が0.5重量部
よりも少ない場合には、ポリイソシアネート含有量が少
量であると良好な付着が得られない。また添加量が15
重量部よりも多くなってもそれ以上の付着性の改良効果
が得られないばかりか、他の物性に悪影響を及ぼすこと
がある。
ポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステル樹脂、ポリエ
ステル樹脂系アロイ材に添加する場合には、それらの両
樹脂及び熱可塑性樹脂成形材料に要求される特性に応じ
て添加される強化材、その他添加剤を公知の方法で溶融
混練する。例えば2軸押出機等の公知の溶融混練装置を
用いて混練樹脂に応じた溶融混練温度で混練する。この
溶融混練により改質樹脂は、それぞれの特性に応じてポ
リアミド樹脂、ポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステ
ル樹脂あるいはポリエステル樹脂系アロイ材と単に混合
されるか、あるいは反応し、混合される。
成物と熱可塑性樹脂成形材料との界面での付着力が向上
するので、従来の金型内被覆組成物において用いられて
いたような、外観、耐久性の点で問題がありながら、成
形材料との付着力向上を目的としていた熱可塑ポリマー
や充填材の添加を抑制するか又は排除することができ、
また十分な耐候性を有さないエポキシアクリレートオリ
ゴマーや不飽和ポリエステルオリゴマーをビヒクル成分
として用いないことが可能となる。また、特に脂肪族の
環構造を持つウレタン(メタ)アクリレートの使用によ
り、良好な耐候性を有し、熱可塑性樹脂成形材料に適用
可能な上塗塗料としての機能も有する1コート金型内皮
膜が形成可能となった。
多官能性オリゴマー、例えばトリメチロールプロパン
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトルテトラ(メ
タ)アクリレートが添加されていたが、これらのオリゴ
マーは皮膜の硬化に伴う硬化収縮が大きく、付着力を低
下させるとともに成形材料のソリを発生させていた。し
かし、本発明においては金型内被覆組成物にポリイソシ
アネート化合物を添加することにより、硬化収縮の問題
が発生せず、付着力が向上するとともに耐候性、耐溶剤
性の向上も確認された。
明する。脂肪族の環構造を持たないウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーを使用した以下の実施例1〜4及
び比較例1〜7で用いた金型内被覆組成物の組成(重量
部)は表1に示す通りであった。
ゴマーUA1はビス(4−イソシアナトフェニル)メタ
ン500重量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)のエチレンオキサイド付加物(平均分子量100
0)1000重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート273重量部(モル数比2:1:2.1)から合成
したウレタンメタクリレートオリゴマーであり、ウレタ
ンアクリレートオリゴマーUA2は2,4−および2,6
−トルエンジイソシアネート349重量部、ポリプロピ
レングリコール(平均分子量1000)1000重量
部、2−ヒドロキシエチルアクリレート233重量部
(モル数比2:1:2.1)から合成したウレタンメタ
クリレートオリゴマーであり、脂肪族ポリイソシアネー
トはビュレット型のヘキサメチレンジイソシアネートで
ある。
ジニアリングプラスチック株式会社製のポリアミド樹脂
NOVAMID 1013C、ポリエステル樹脂(P
BT) NOVADUR 5010R5、ポリエステル
系アロイ材であるPC/PETアロイ ユーピロンMB
2112であった。
100重量部に対して3重量部の量で用い、溶融混練装
置を用いて混合し、熱可塑性樹脂成形材料とした。 1.スチレン/マレイン酸共重合体樹脂の一部をエステ
ル化したSMA2625(アーコケミカル株式会社製、
以後SMA2625と称する)、 2.エチレン/メタクリル酸共重合体 ニュクレルN2
060(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、以後
N2060と称する)、 3.ビニルエステル樹脂 リポキシVR60(昭和高分
子株式会社製、以後VR60と称する)、 4.ポリエチレン/ビニルアルコール共重合体 エバー
ルEP−F101A(クラレ株式会社製、以後EP−F
101Aと称する)、 5.ブチラール樹脂 エスレックB BL−S(積水化
学工業株式会社製、以後BL−Sと称する)、 6.熱可塑性アクリル樹脂 ダイヤナールBRレジン
BR−77(三菱レーヨン株式会社製、以後 BR−7
7と称する)、 7.櫛形構造を持つグラフトポリマーであり酸変性アク
リル/ポリスチレン重合体 レゼダ GP−400(東
亜合成化学株式会社製、以後GP−400と称する)、 8.櫛形構造を持つグラフトポリマーでありエポキシ変
性ポリスチレン/ポリスチレン重合体 レゼタGP−5
00(東亜合成化学株式会社製、以後GP−500と称
する)、 9.無水マレイン酸がグラフト化したエチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体HPR AR201(三井・デュ
ポンケミカル株式会社製、以後AR201と称する)、 10.変性エーテル型ポリエステル樹脂 スタフィクス
P−LC(富士写真フィルム株式会社製、以後P−LC
と称する)、 11.ポリスチレンがグラフト化したエチレン・グリシ
ジルメタクリレート共重合体 モディパーA4100
(日本油脂株式会社製、以後A4100と称する)。
100射出成形装置を用いた。キャビティ形状は、縦約
100mm×横約30mm×深さ約10mm、肉厚2m
mの箱型であった。金型を閉じ、金型の型締め力を10
0トンfとして金型の型締めを行い、型締め力を保持し
た状態で金型キャビティ内に上記の熱可塑性樹脂成形材
料又はそれと改質樹脂を溶融混練した熱可塑性樹脂成形
材料を射出成形機で溶融、射出した。射出成形条件は次
の通りであった。
10R5を用いた場合は、保圧工程の終了直後に、成形
物と金型内壁との間に空間を形成することなしで、金型
内圧以上の注入圧で被覆組成物を注入した。一方、ユー
ピロンMB2112を用いた場合は、保圧工程の終了か
ら50秒後に型締力を約5トンfに低減させ、成形物と
金型内壁との間に空間を形成し、該空間に被覆組成物を
注入した。なお、被覆組成物を注入した条件は、いずれ
の場合も次の通りとした。
物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの被覆成形品を
得た。
方法で評価した。 付着性:JIS K5400に準じて2mmゴバン目セ
ロテープ剥離試験を行った(100マスによる残存剥離
面積にて表示)、 60度境面光沢値:デジタル変角光沢計UGV−5D
(スガ試験機株式会社製)にて測定、 光沢保持率:初期の光沢に対するSWOM1000時間
後の光沢値の比率〔光沢保持率(%)=(SWOM10
00時間後の光沢値/初期光沢値)×100〕、 色差:SWOM1000時間後の色差ΔE、 耐候性:サンシャインスーパーロングライフウエザオメ
ーター(スガ試験機株式会社製SWOM)、 耐溶剤性:MEKラビング試験(メチルエチルケトンを
ガーゼに適量つけ、皮膜表面を約500gfの力で10
回払拭後の皮膜状態を確認)。これらの結果を表2〜表
8に示す。
100射出成形装置を用いた。キャビティ形状は、縦約
100mm×横約30mm×深さ約10mm、肉厚2m
mの箱型であった。金型を閉じ、金型の型締め力を10
0トンfとして金型の型締めを行い、型締め力を保持し
た状態で金型温度120℃の金型キャビティ内に表9に
示した熱可塑性樹脂成形材料(改質樹脂を含まない)を
射出成形機で溶融し、実施例3及び比較例3〜5は射出
圧力800kgf/cm2 で射出し、実施例4及び比較
例6〜7は射出圧力1000kgf/cm2 で射出し
た。射出成形条件は表9に示す通りであった。
いては熱可塑性樹脂成形物の被覆面と金型内壁との間に
空間を形成することなしで、金型内圧以上の注入圧で被
覆組成物を注入した。その条件は次の通りであった。 金型温度: 移動型:120℃ 固定型:120℃ 注入時間:1.5秒 硬化時間:70秒 被覆組成物の注入70秒後に金型から熱可塑性樹脂成形
物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの被覆成形品を
得た。
前の型内圧を0kgf/cm2 とするために、 1.保圧圧力、保圧時間、被覆組成物を注入するタイミ
ングの変更によって成形物の被覆面と金型内壁との間に
空間を形成した後に被覆組成物を注入するか、又は 2.移動金型を離間させて成形物の被覆面と金型内壁と
の間に空間を形成した後に被覆組成物を注入して皮膜を
形成した。
塑性樹脂成形物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの
被覆成形品を得た。これらの被覆成形品の皮膜外観、耐
水後の付着性、SWOM1000時間後の付着性は表9
に示す通りであった。尚、成形品外観については保圧圧
力が低い場合にヒケが発生する傾向があった。
クリレートオリゴマーを使用した以下の実施例5〜8及
び比較例8〜13で用いた金型内被覆組成物の組成(重
量部)は表10に示す通りであった。
クリレートUA3は3−イソシアナトメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート666重量
部、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン240重量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリ
レート244重量部(モル数比3:1:4.1)から合
成したウレタンアクリレートオリゴマーであり、環構造
を持つウレタンアクリレートUA4はビス(4−イソシ
アナトシクロヘキシル)メタン524重量部、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのエチ
レンオキサイド付加物(平均分子量1000)1000
重量部、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート27
3重量部(モル数比2:1:2.1)から合成したウレ
タンメタクリレートオリゴマーであり、脂肪族ポリイソ
シアネートはビュレット型のヘキサメチレンジイソシア
ネートであり、用いた熱可塑性樹脂成形材料は、前記の
実施例1〜4及び比較例1〜7で使用したものと同じも
のであった。
100射出成形装置を用いた。キャビティ形状は、縦約
100mm×横約30mm×深さ約10mm、肉厚2m
mの箱型であった。金型を閉じ、金型の型締め力を10
0トンfとして金型の型締めを行い、型締め力を保持し
た状態で金型キャビティ内に上記の熱可塑性樹脂成形材
料又はそれと改質樹脂を溶融混練した熱可塑性樹脂成形
材料を射出成形機で溶融、射出した。射出成形条件は次
の通りであった。
10R5を用いた場合は、保圧工程の終了直後に、成形
物と金型内壁との間に空間を形成することなしで、金型
内圧以上の注入圧で被覆組成物を注入した。一方、ユー
ピロンMB2112を用いた場合は、保圧工程の終了か
ら50秒後に型締力を約5トンfに低減させ、成形物と
金型内壁との間に空間を形成し、該空間に被覆組成物を
注入した。なお、被覆組成物を注入した条件は、いずれ
の場合も次の通りとした。
物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの被覆成形品を
得た。これらの被覆成形品の特性は表11〜表17に示
す通りであった。なお、特性の評価方法は実施例1〜4
及び比較例1〜7の場合と同様である。
100射出成形装置を用いた。キャビティ形状は、縦約
100mm×横約30mm×深さ約10mm、肉厚2m
mの箱型であった。金型を閉じ、金型の型締め力を10
0トンfとして金型の型締めを行い、型締め力を保持し
た状態で金型温度120℃の金型キャビティ内に表18
に示した熱可塑性樹脂成形材料(改質樹脂を含まない)
を射出成形機で溶融し、実施例7及び比較例9〜11は
射出圧力800kgf/cm2 で射出し、実施例8及び
比較例12〜13は射出圧力1000kgf/cm2 で
射出した。射出成形条件は表18に示す通りであった。
いては熱可塑性樹脂成形物の被覆面と金型内壁との間に
空間を形成することなしで、金型内圧以上の注入圧で被
覆組成物を注入した。その条件は次の通りであった。 金型温度: 移動型:120℃ 固定型:120℃ 注入時間:1.5秒 硬化時間:70秒 被覆組成物の注入70秒後に金型から熱可塑性樹脂成形
物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの被覆成形品を
得た。
直前の型内圧を0kgf/cm2 とするために、 1.保圧圧力、保圧時間、被覆組成物を注入するタイミ
ングの変更によって成形物の被覆面と金型内壁との間に
空間を形成した後に被覆組成物を注入するか、又は 2.移動金型を離間させて成形物の被覆面と金型内壁と
の間に空間を形成した後に被覆組成物を注入して皮膜を
形成した。
塑性樹脂成形物を取り出し、被覆膜厚が平均50μmの
被覆成形品を得た。これらの被覆成形品の皮膜外観、耐
水後の付着性、SWOM1000時間後の付着性は表1
8に示す通りであった。尚、成形品外観については保圧
圧力が低い場合にヒケが発生する傾向があった。
物に塗装工程を施す必要なしで、付着性、外観、耐候
性、耐溶剤性に優れ、且つ自動車外板、外装部材などの
屋外用途にも適用可能な上塗塗料としての機能も有する
1コート金型内被覆皮膜を形成することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 金型キャビティ内に熱可塑性樹脂成形材
料の溶融物を射出し、成形せしめ、次いで得られた成形
物と金型内壁との間に被覆組成物を注入し、該被覆組成
物が硬化した後、被覆された成形物を金型から取り出す
諸工程を含む金型内被覆方法において、該被覆組成物が (A)(i)(a)有機ポリイソシアネート、(b)有
機ポリオール及び(c)ヒドロキシアルキルアクリレー
ト又はヒドロキシアルキルメタクリレートとの、未反応
のイソシアネート基を実質的に含まない反応生成物であ
るウレタンアクリレートオリゴマー又はウレタンメタク
リレートオリゴマーと(ii)重合性不飽和モノマーとか
らなるビヒクル成分、 (B)ポリイソシアネート化合物、及び (C)重合開始剤を含有することを特徴とする金型内被
覆方法。 - 【請求項2】 金型キャビティ内に熱可塑性樹脂成形材
料の溶融物を射出し、成形せしめ、次いで得られた成形
物と金型内壁との間に被覆組成物を注入し、該被覆組成
物が硬化した後、被覆された成形物を金型から取り出す
諸工程を含む金型内被覆方法において、該被覆組成物が (A)(i)一般式(I) R3O-(CONHR1NHCO-OR2O)mCONHR1NHCO-OR3 ……(I) (式中mは1〜10の整数であり、R1 はジイソシアネ
ート化合物のイソシアネート基を除いた部分であり、R
2 はジオール化合物のヒドロキシル基を除いた部分であ
り、且つR1 及びR2 の少なくとも一方が脂肪族の環構
造を持っているものであり、R3 はヒドロキシル基含有
アクリレート又はメタクリレートのヒドロキシル基を除
いた部分である。)で示されるウレタンアクリレートオ
リゴマー又はウレタンメタクリレートオリゴマーと(i
i)重合性不飽和モノマーとからなるビヒクル成分、 (B)ポリイソシアネート化合物、及び (C)重合開始剤を含有することを特徴とする金型内被
覆方法。 - 【請求項3】 被覆組成物が (A)(i)ウレタンアクリレートオリゴマー又はウレ
タンメタクリレートオリゴマー20〜80重量%と(i
i)重合性不飽和モノマー80〜20重量%とからなる
ビヒクル成分100重量部、 (B)ポリイソシアネート化合物1〜10重量部、及び (C)重合開始剤0.1〜5重量部を含有することを特
徴とする、請求項1又は2記載の金型内被覆方法。 - 【請求項4】 熱可塑性樹脂成形材料がポリアミド樹
脂、ポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステル樹脂及び
ポリエステル樹脂系アロイ材の1種又は2種以上の混合
物であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに
記載の金型内被覆方法。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂成形材料が、ポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基と反応することのでき
る官能基を持つ樹脂を含有することを特徴とする、請求
項1乃至4の何れかに記載の金型内被覆方法。 - 【請求項6】 ポリイソシアネート化合物のイソシアネ
ート基と反応することのできる官能基がカルボキシル基
又はヒドロキシル基であることを特徴とする、請求項5
記載の金型内被覆方法。 - 【請求項7】 金型キャビティ内に射出されたポリアミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂と結晶性熱可塑性樹脂とからな
るポリアミド樹脂系アロイ材、ポリエステル樹脂及びポ
リエステル樹脂と結晶性熱可塑性樹脂とからなるポリエ
ステル樹脂系アロイ材の1種又は2種以上の混合物を含
有する熱可塑性樹脂成形材料によって生成された型内圧
Pが0<P≦500kgf/cm2 (ゲージ圧)の状態
で被覆組成物を注入することを特徴とする、請求項1乃
至6の何れかに記載の金型内被覆方法。 - 【請求項8】 金型キャビティ内に、ポリアミド樹脂と
非晶性熱可塑性樹脂とからなるポリアミド樹脂系アロイ
材及びポリエステル樹脂と非晶性熱可塑性樹脂とからな
るポリエステル樹脂系アロイ材の1種又は2種以上の混
合物を含有する熱可塑性樹脂成形材料の溶融物を射出
し、成形せしめ、得られた成形物と金型内壁との間に空
間を形成させ、該空間内に被覆組成物を注入することを
特徴とする、請求項1乃至6の何れかに記載の金型内被
覆方法。 - 【請求項9】 固定金型と移動金型とからなる金型を所
定の型締力にて保持した状態で金型キャビティ内に、ポ
リアミド樹脂と非晶性熱可塑性樹脂とからなるポリアミ
ド樹脂系アロイ材及び/又はポリエステル樹脂と非晶性
熱可塑性樹脂とからなるポリエステル樹脂系アロイ材を
含有する熱可塑性樹脂成形材料の溶融物を射出し、所定
時間保圧し、成形せしめ、次いで金型の型締力を低減さ
せて、得られた成形物と金型内壁との間に空間を形成さ
せ、該空間内に被覆組成物を注入することを特徴とす
る、請求項1乃至6及び8の何れかに記載の金型内被覆
方法。 - 【請求項10】 ポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基と反応することのできる官能基を持つ樹脂が、
分子量1000〜2000の水酸基を有するビスフェノ
ールA型ビニルエステルであることを特徴とする、請求
項5乃至9の何れかに記載の金型内被覆方法。 - 【請求項11】 ポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基と反応することのできる官能基を持つ樹脂が、
分子量1000〜2000のカルボキシル基を有するス
チレン/無水マレイン酸共重合体の部分エステル化物で
あることを特徴とする、請求項5乃至9の何れかに記載
の金型内被覆方法。
Priority Applications (4)
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