JP3384218B2 - 記録液 - Google Patents

記録液

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JP3384218B2
JP3384218B2 JP32029095A JP32029095A JP3384218B2 JP 3384218 B2 JP3384218 B2 JP 3384218B2 JP 32029095 A JP32029095 A JP 32029095A JP 32029095 A JP32029095 A JP 32029095A JP 3384218 B2 JP3384218 B2 JP 3384218B2
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秀雄 佐野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録液およびそれに
用いる色素に関するものである。詳しくはインクジェッ
ト記録に適した記録液およびそれに用いる色素に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】直接染料や酸性染料等の水溶性染料を含
む記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから飛翔させて
記録を行う、いわゆるインクジェット記録方法が実用化
されている。この記録液に関しては、電子写真用紙のP
PC(プレイン ペーパー コピア)用紙、ファンホー
ルド紙(コンピューター等の連続用紙)等の一般事務用
に汎用される記録紙に対する定着が速く、しかも印字物
の印字品位が良好であること、即ち印字ににじみがなく
輪郭がはっきりしていることが要求されると共に、記録
液としての保存時の安定性も優れていることが必要であ
り、従って使用できる溶剤が著しく制限される。
【0003】一方、記録液用の染料に関しては、上記の
ような限られた溶剤に対して充分な溶解性を有すると共
に、記録液として長期間保存した場合にも安定であり、
また印字された画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光
性に優れていること等が要求されるが、これ等の多くの
要求を同時に満足させることは困難であった。このため
種々の方法(例えば特開昭61−101574号、特開
昭61−101576号、特開昭61−195176
号、特開昭61−62562号、特開昭61−2477
71号、特開昭62−156168号、特開昭62−2
46974号、特開昭63−63765号、特開昭63
−295685号、特開平1−123866号、特開平
1−240584号、特開平2−16171号、特開平
3−122171号、特開平3−203970号、特開
平4−153272号各号公報等)が提案されている
が、市場の要求を充分に満足するには至っていない。
【0004】また特開平4−279671号公報及びP
CT国際公開WO 94/16021明細書には、本願
発明と類似した、トリアジニル基を有するモノアゾ系色
素2分子を二価の有機結合基を介して連結した構造の色
素がインクジェット記録に使用できることが記載されて
いる。しかし、前者では、連結基としての二価の有機結
合基は、重要ではないとしており、(置換)フェニレン
ジアミン等の本願とは異なる連結基が例示されているの
みである。このような連結基は、構造的に見て平面的で
あるので、このような連結基を有する色素を用いた場
合、記録画像の発色性が劣り、色濃度の面で不充分であ
る。
【0005】また、これらの基は共役系であり、このよ
うな基を有すると、色調が深色化して、青味の強い色調
になってしまう。さらにトリアジニル基に連結する基
(Zで示されている、本願ではX1又はX2で示される
基)としては、NHC24OHやモルホリノ基等、トリ
アジニル基に直接結合するのがN原子であるものが好ま
しいとされ、実施例もそのような構造の色素に限定され
ている。このような色素は、画像の色調の彩度が低くな
る傾向もある。
【0006】更に、後者には、連結基としての二価の有
機結合基は本願とは異なる(置換)フェニレンジアミ
ン、置換ピペラジンの基であり、このうち(置換)フェ
ニレンジアミンの二価の有機結合基は上述したとおりの
理由で好ましくない。また、置換ピペラジン類を二価の
有機結合基として用いた場合には、後述した比較例2に
も具体的に示したように、耐光性や耐水性の点で不十分
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録用、筆記用具用等として、普通紙に記録した場
合にも印字品位が良好であると共に、記録画像の濃度が
高く、耐光性やとりわけ耐水性及び記録画像の色調に優
れており、長期間保存した場合の安定性が良好であるマ
ゼンタ色の記録液を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】特に、従来より記録液に使用しているマゼ
ンタ色素においては、耐水性が良好であり、かつ被記録
材が主に紙であるので、セルロースに対する親和力が高
い、すなわち直接性の高い市販の染料(例えば硫化染
料、アゾイック染料等)が用いられたが、これらは色調
が不鮮明であり、逆に色調の鮮明な酸性染料は、耐水性
が劣り、色調と耐水性の両者を満足するマゼンタ色素の
開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、記録液成
分として特定の色素を使用した場合に、特に色調と耐水
性の両者を満足し、上記の目的が達成されることを確認
し、本発明を達成したものである。即ち本発明の要旨
は、水性媒体と、遊離酸の型が下記一般式(I)で表さ
れる色素の少なくとも1種を含有する記録液に存する。
【0010】
【化7】
【0011】〔式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及び
6 は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数
1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは
非置換のカルバモイル基、置換もしくは非置換のスルフ
ァモイル基、置換もしくは非置換のアミノ基、ニトロ
基、スルホン酸エステルの基、スルホニル基、カルボキ
シル基、又はカルボン酸エステルの基を表わし、m,n
はそれぞれ0,1,または2の数をあらわし、X1 ,X
2 は−OR7 の基を表わし、R7 は、水素原子、炭素数
1〜8のアルキル基、炭素数2又は3のアルケニル基、
アリール基、アラルキル基、シクロヘキシル基、または
含窒素ヘテロサイクリック基を表わし、これらのうち水
素原子以外は置換基を有していてもよく、Yは下記一般
式(II)〜(V)のいずれか1つで示される二価の結合
基を示す。
【0012】
【化8】
【0013】(一般式(II)中、a,bはそれぞれ0〜
6の数を表わし、cは0,又は1の数を表わす。)
【0014】
【化9】
【0015】(一般式(V)中、Zは水素原子、又は、
炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される色素は、遊離酸の型が前記請求項1
において一般式(I)で表されるものである。詳しくは
前記一般式(I)において、R1 ,R2 ,R3 ,R4
5 及びR6で表わされる置換基としてはそれぞれ独立
に置換もしくは非置換の炭素数1〜9のアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、トリフロロメチル基、ジメチル
アミノメチル基等)、炭素数1〜9のアルコキシ基(例
えば、メトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基
等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子等)、水素原子、ヒドロキシル基、置換もしく
は非置換のカルバモイル基(例えば、カルバモイル基、
N,N−ジメチルカルバモイル基、フェニルカルバモイ
ル基等)、置換もしくは非置換のスルファモイル基(例
えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル
基、N−エチルスルファモイル基、N−エチル−N−フ
ェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモ
イル基、p−カルボキシフェニルスルファモイル基
等)、置換もしくは非置換のアミノ基(例えば、N−メ
チルアミノ基、カルバモイルアミノ基、N,N−ジエチ
ルアミノ基、アセチルアミノ基、N−メチル−N−アセ
チルアミノ基等)、ニトロ基、スルホン酸エステルの基
(例えば、フェノキシスルホニル基等)、スルホニル基
(例えば、ヒドロキシエチルスルホニル基、ベンジルス
ルホニル基等)及びカルボンエステルの基(例えば、メ
トキシカルボニル基等)が挙げられる。
【0017】m,nはそれぞれ0,1または2を表す。
1及びX2はそれぞれ−OR7 の基を表わし、R7 で表
される置換基としては、それぞれ独立に、水素原子、置
換もしくは非置換の炭素数1〜8のアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル
基、エチルヘキシル基、イソプロピル基、tert−ブ
チル基等のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数
2又は3のアルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基
等)、アリール基(例えば、フェニル基、4−ニトロフ
ェニル基、4−ブチルフェニル基、4−カルボキシフェ
ニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェ
ネチル基等)、シクロヘキシル基、含窒素ヘテロサイク
リック基(例えば、ピリジル基等)等が挙げられる。
【0018】また、Yは下記一般式(II)〜(V)のい
ずれかで示される二価の結合基をあらわす。
【0019】
【化10】
【0020】(一般式(II)中、a,bはそれぞれ0〜
6の数を表わし、cは0,又は1の数を表わす。)
【0021】
【化11】
【0022】(一般式(V)中、Zは水素原子、又は、
炭素数1〜4のアルキル基を表わす。) 本発明において、一般式(I)中、カルボキシル基の数
が3個以下である構造の色素は、一般に耐水性の面から
は好ましい。本発明において好ましくは、m及びnはそ
れぞれ0又は1である。
【0023】m及びnが0又は1の場合、R1 ,R2
びR3 の少なくとも1つ並びにR4,R5 及びR6 の少
なくとも1つは水素原子以外の基であるのが良い。さら
に好ましくは、前記一般式(I)中のm,nが1の場
合、SO3H基のフェニル基への結合位置が、アゾ基の
結合位置に対してオルト位に置換している構造の色素を
使用するのが良い。
【0024】また、前記一般式(I)中、m,nが0の
場合、R1〜R3の少なくとも1つ及びR4〜R6の少なく
とも1つが水素原子であり、かつR1〜R3の少なくとも
1つ及びR4〜R6の少なくとも1つが、それぞれトリフ
ルオロメチル基、置換もしくは非置換のスルファモイル
基、スルホン酸の低級アルキル(以後、「低級アルキ
ル」とは「炭素数1〜4のアルキル基」を指す)エステ
ルの基、スルホン酸の炭素数6〜12のアリールエステ
ルの基、COOH基、又はカルボン酸の低級アルキルエ
ステル基から選ばれる基であり、かつその基がそれぞれ
のフェニル基に結合する位置は、アゾ基の結合位置に対
してオルト位である構造の色素を使用するのが良い。
【0025】一方、前記一般式(I)中、
【0026】
【化12】
【0027】構造の色素が好ましい。また、前記一般式
(I)中のX1,X2はOH基が好ましく、
【0028】
【化13】
【0029】構造の色素も好ましい。また、前記一般式
(I)で示される色素の中でも、遊離酸の型が以下の一
般式(VI)で示されるような連結基Yを介して左右対
象の構造の色素が好ましく使用される。この色素は、色
調、耐水性、実用性の面で好ましい。
【0030】
【化14】
【0031】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R7 ,m,Y
は前記一般式(I)と同じ定義である) 本発明で使用される前記一般式(I)で示される色素
は、遊離酸型(一般式(I)の構造)のまま使用しても
よいが、塩型で使用してもよい。また該遊離酸基の一部
が塩型の構造の色素でもよく、塩型の色素と遊離酸型の
色素を併用してもよい。このような塩型の例としてはN
a,Li,K等のアルカリ金属の塩、アルキル基、ヒド
ロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム
の塩、有機アミンの塩があげられる。有機アミンの例と
しては、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アル
キルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭
素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有する
ポリアミン等があげられる。これらの塩型の場合、その
種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
【0032】これ等の色素の具体例としては、例えば以
下のNo.(1)〜(24)に示す構造の色素が挙げら
れる。
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】一般式(I)で示される色素は、それ自体
周知の方法に従って製造することができる。例えば前記
No.(1)で示される色素は(A)〜(B)の工程で
製造できる。 (A)2−アミノ安息香酸と1−アミノ−8−ヒドロキ
シ−3,6−ナフタレンジスルホン酸(H酸)とから常
法〔例えば細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月
21日技報堂発行)第396〜409頁参照〕に従っ
て、ジアゾ化カップリング工程を経てモノアゾ化合物を
製造する。
【0040】(B)得られたモノアゾ化合物を塩化シア
ヌル懸濁液にpH4〜6、温度0〜5℃を保持しながら
加えて数時間反応を行う。次いで室温にて弱アルカリ性
で1,4−ビスアミノプロピルピペラジンをモノアゾ化
合物に対して0.5モル比加えて数時間縮合反応を行
う。 次いで25%水酸化ナトリウム水溶液を50〜60℃に
加え、加水分解反応を行った後、冷却して、塩化ナトリ
ウムで塩析することにより、目的の染料を得る。
【0041】本発明の記録液においては、着色剤とし
て、前記一般式(I)で示される色素から選ばれる少な
くとも1種の色素を含む全色素を、記録液全重量に対し
て合計0.5〜5重量%、特に2〜4重量%の割合で含
有するのが好ましい。また、本発明に用いられる溶剤と
しては、水及び水溶性有機溶剤として、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール(重量分子量約190〜40
0)、グリセリン、N−メチルピロリドン、N−エチル
ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、チオ
ジエタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、2−ピロリドン、スルホラン、エチルアルコール、
イソプロパノール等を含有しているのが好ましい。これ
等の水溶性有機溶剤は、通常記録液の全量に対して1〜
50重量%の範囲で使用される。一方、水は記録液の全
量に対して45〜95重量%の範囲で使用される。
【0042】本発明の記録液に、その全量に対して0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の尿素、
チオ尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ばれる化
合物を添加したり、又0.001〜5.0重量%の界面
活性剤を添加することによって、印字後の速乾性及び印
字品位をより一層改良することができる。
【0043】
【実施例】以下本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。 〔実施例1〕ジエチレングリコール10重量部、イソプ
ロピルアルコール3重量部、前記No.(1)の色素3
重量部に水を加え、5重量%アンモニア水でpHを9に
調整して全量を100重量部とした。この組成物を充分
に混合して溶解し、孔径1μmのテフロン(登録商標)
フィルターで加圧濾過した後、真空ポンプ及び超音波洗
浄機で脱気処理して記録液を調製した。
【0044】得られた記録液を使用し、インクジェット
プリンター(商品名HG−3000、エプソン社製品)
を用いて電子写真用紙(ゼロックス社製品)にインクジ
ェット記録を行い、鮮明な色調(彩度)のマゼンタ色印
字物を得た。また下記に(a),(b)及び(c)の方
法による諸評価を行った結果を示す。 (a)記録画像の耐光性:キセノンフェードメーター
(スガ試験機社製品)を用い、記録紙に100時間照射
したが、照射後の変退色は小さかった。 (b)記録画像の耐水性: (1)試験方法 水道水中に記録画像を5分間浸漬したのち、 目視にて画像の滲みを調べた。 浸漬前後のベタ印字部分のOD値をマクベス濃度計
(商品名:TR927、マクベス社製品)にて測定し
た。
【0045】(2)試験結果 上記の結果画像のにじみはわずかであった。また上記
の浸漬前後のベタ印字部分の濃度変化を下記式による
OD残存率で示すと、93.1%であった。 (c)記録液の保存安定性:記録液をテフロン(登録商
標)製容器に密閉し、5℃及び60℃で1ケ月間保存し
た後の変化を調べたところ、不溶物の析出は認められな
かった。
【0046】
【数1】 〔実施例2〕グリセリン5重量部、エチレングリコール
10重量部、前記No.(2)の色素2.5重量部に水
を加え、水酸化リチウム水溶液でpHを9に調整して全
量を100重量部とし、この組成物を実施例1に記載の
方法により処理して記録液を調製した。この記録液を用
いて、実施例1と同様に印字を行った結果、鮮明な色調
(彩度)のマゼンタ色記録物を得た。またこの記録物に
対し、実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行っ
た。その結果、実施例1と同様に何れも良好な結果が得
られた。またOD残存率は82.1%であった。
【0047】〔実施例3,4〕実施例1において用いた
前記No.(1)の色素3重量部の代わりに、前記N
o.(20)とNo.(24)の色素をそれぞれ使用し
た以外は、実施例1の方法により記録液を調製し、印字
を行い、この記録物に対して実施例1の(a)〜(c)
による諸評価を行った。その結果、実施例1と同様に何
れも良好な結果を得た。またOD残存率はそれぞれ9
0.1%、92.2%であった。
【0048】〔実施例5〕実施例1において用いた前記
No.(1)の色素3重量部の代わりに、前記No.
(1)の色素とNo.(20)の色素をそれぞれ1.5
重量部ずつ混合して使用した以外は、実施例1の方法に
より記録液を調製し、印字を行い、この記録物に対して
実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行った。その
結果、実施例1と同様に何れも良好な結果を得た。また
OD残存率はそれぞれ91.9%であった。
【0049】〔実施例6〜24〕実施例1において用い
た前記No.(1)の色素の代わりに、前記No.
(3)〜No.(19)、No.(21)〜No.(2
3)の色素をそれぞれ使用した以外は、実施例1の方法
により記録液を調製し、印字を行い、この記録物に対し
て実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行った。そ
の結果、実施例1と同様に何れも良好な結果を得た。ま
たNo.(3)の色素を用いた場合(実施例6)のOD
残存率は92.1%であった。
【0050】〔比較例1〕実施例1において用いた前記
No.(1)の色素の代わりに、下記(A)の構造の色
素を使用した以外は、実施例1の方法により記録液を調
製し、印字を行い、この記録物に対して実施例1の
(a)〜(c)による諸評価を行った。
【0051】
【化21】
【0052】〔比較例2〕実施例1において用いた前記
No.(1)の色素の代わりに、国際公開WO94/1
6021のExample2に使用されている下記
(B)の構造の色素を使用した以外は、実施例1の方法
により記録液を調製し、印字を行い、この記録物に対し
て実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行った。
【0053】
【化22】
【0054】〔比較例3〕実施例1において用いた前記
No.(1)の色素の代わりに、特開平4−27067
1号公報の例5に記載されている化合物のZがOH基で
ある下記(C)の構造の色素を使用した以外は、実施例
1の方法により記録液を調製し、印字を行い、この記録
物に対して実施例1の(a)〜(c)による諸評価を行
った。
【0055】
【化23】
【0056】以上の実施例1〜6及び比較例1〜3の結
果を纏めて下記第1表に示した。
【0057】
【表1】 上記第1表中、色調の評価は、画像の色の彩度で表し、
詳しくはCIE1976(L***)表色系を用いた
色差計(商品名:SZ−Σ80、日本電色工業社製品)
により、記録画像の色調を測色してL*、a*、b*の値
を求め、そのa*、b*から求めた
【0058】
【数2】
【0059】の値が、60以上のものを○、55以上6
0未満のものを△、55以下のものを×とした。耐光性
においては、○は目視では変退色は殆ど認められない、
△は目視で変退色がやや認められる、×は変退色が著し
く、実用レベルでない状態を示す。耐水性の滲みにおい
ては、○は目視で滲みが殆ど認められない状態から、僅
かに認められるが画像の輪郭がややぼやけているだけ
で、画像の濃度の低下は殆ど認められない、△は滲みが
認められるが、滲みの範囲は小さく、画像の濃度の低下
は小さい、×は滲みが著しく、滲みの範囲も大きく、元
の画像部分の識別が困難であり、実用レベルでない状態
を示す。
【0060】保存安定性においては、記録液を試験管に
とり観察して、○は不溶分が全く認められない状態を表
し、△は不溶分が少量認められる状態を表し、×は不溶
分が目立ち、実用レベルでない状態を表す。
【0061】
【発明の効果】本発明の記録液は、インクジェット記録
用、筆記用具用として用いられ、普通紙に記録した場
合、鮮明なマゼンタ色系の記録物を得ることができ、そ
の印字濃度及び耐光性、耐水性が優れている他、記録液
としての保存安定性も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体と、遊離酸の型が下記一般式
    (I)で示される色素から選ばれる少なくとも1種の色
    素を含有することを特徴とする記録液。 【化1】 〔式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6 は、それ
    ぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数1〜9のアル
    キル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ハロゲン原子、
    水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは非置換のカル
    バモイル基、置換もしくは非置換のスルファモイル基、
    置換もしくは非置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸
    エステルの基、スルホニル基、カルボキシル基、又はカ
    ルボン酸エステルの基を表わし、 m,nはそれぞれ0,1,または2の数をあらわし、X
    1 ,X2 は−OR7 の基を表わし、 R7 は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数
    2又は3のアルケニル基、アリール基、アラルキル基、
    シクロヘキシル基、または含窒素ヘテロサイクリック基
    を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有して
    いてもよく、 Yは下記一般式(II)〜(V)のいずれか1つで示され
    る二価の結合基を示す。 【化2】 (一般式(II)中、a,bはそれぞれ0〜6の数を表わ
    し、cは0,又は1の数を表わす。) 【化3】 (一般式(V)中、Zは水素原子、又は、炭素数1〜4
    のアルキル基を表わす。)]
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)中、カルボキシル基
    (COOH基)の数が3個以下である構造の色素から選
    ばれるすくなくとも一種の色素を含有することを特徴と
    する請求項1に記載の記録液。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)中、m,nが1であ
    り、かつSO3 H基のフェニル基への結合位置が、アゾ
    基の結合位置に対してオルト位に置換している構造の色
    素から選ばれる少なくとも一種の色素を含有することを
    特徴とする前記請求項1又は2に記載の記録液。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)中、m,nが0で、R
    1 〜R3 の少なくとも1つ及びR4 〜R6 の少なくとも
    1つが水素原子であり、かつR1 〜R3 の少なくとも1
    つ及びR4 〜R6 の少なくとも1つが、それぞれトリフ
    ルオロメチル基、置換もしくは非置換のスルファモイル
    基、スルホン酸の炭素数1〜4のアルキルエステルの
    基、COOH基、又はカルボン酸の炭素数1〜4のアル
    キルエステル基から選ばれる基であり、かつその基がそ
    れぞれのフェニル基に結合する位置は、アゾ基の結合位
    置に対してオルト位である構造の色素から選ばれる少な
    くとも1種の色素を含有することを特徴とする前記請求
    項1ないし3のいずれかに記載の記録液。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)中、 【化4】 構造の色素から選ばれる少なくとも1種の色素を含有す
    ることを特徴とする前記請求項1ないし4のいずれかに
    記載の記録液。
  6. 【請求項6】 前記一般式(I)中、X1 ,X2 で示さ
    れる基がOH基である構造の色素の少なくとも1種の色
    素を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の記録液。
  7. 【請求項7】 前記一般式(I)中、 【化5】 構造の色素から選ばれる少なくとも1種の色素を含有す
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の記録液。
  8. 【請求項8】 前記一般式(I)中、 【化6】 構造の色素から選ばれる少なくとも1種の色素を含有す
    ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
    の記録液。
  9. 【請求項9】 前記一般式(I)で示される色素から選
    ばれる少なくとも1種の色素を、記録液全重量に対して
    合計0.5〜5重量%の割合で含有することを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の記録液。
  10. 【請求項10】 遊離酸の型が下記一般式(I)で示さ
    れることを特徴とするインクジェット記録用色素。 【化7】 〔式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 及びR6 は、それ
    ぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数1〜9のアル
    キル基、炭素数1〜9のアルコキシ基、ハロゲン原子、
    水素原子、ヒドロキシル基、置換もしくは非置換のカル
    バモイル基、置換もしくは非置換のスルファモイル基、
    置換もしくは非置換のアミノ基、ニトロ基、スルホン酸
    エステルの基、スルホニル基、カルボキシル基、又はカ
    ルボン酸エステルの基を表わし、 m,nはそれぞれ0,1,または2の数をあらわし、X
    1 ,X2 は−OR7 の基を表わし、 R7 は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数
    2又は3のアルケニル基、アリール基、アラルキル基、
    シクロヘキシル基、または含窒素ヘテロサイクリック基
    を表わし、これらのうち水素原子以外は置換基を有して
    いてもよく、 Yは下記一般式(II)〜(V)のいずれか1つで示され
    る二価の結合基を示す。 【化8】 (一般式(II)中、a,bはそれぞれ0〜6の数を表わ
    し、cは0,又は1の数を表わす。) 【化9】 (一般式(V)中、Zは水素原子、又は、炭素数1〜4
    のアルキル基を表わす。)]
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