JP3345476B2 - 有機非線形光学材料 - Google Patents
有機非線形光学材料Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な有機非線形光学材
料に関する。
料に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果は、高調波発生、光スイ
ッチ、光混合などにおけるレーザ光の波長、位相および
振幅の変調に利用され、光を用いた情報処理において重
要な役割を果たしている。
ッチ、光混合などにおけるレーザ光の波長、位相および
振幅の変調に利用され、光を用いた情報処理において重
要な役割を果たしている。
【0003】従来、非線形光学効果を発揮する非線形光
学材料としては、主に無機化合物結晶が用いられてき
た。しかし、これら無機化合物結晶の非線形光学効果は
充分ではなかった。これに対して、近年、無機化合物結
晶に比べてはるかに大きな非線形光学定数を有し、光損
傷に対する耐久性にも優れた有機化合物が数多く見出さ
れている。
学材料としては、主に無機化合物結晶が用いられてき
た。しかし、これら無機化合物結晶の非線形光学効果は
充分ではなかった。これに対して、近年、無機化合物結
晶に比べてはるかに大きな非線形光学定数を有し、光損
傷に対する耐久性にも優れた有機化合物が数多く見出さ
れている。
【0004】これらの有機非線形光学材料に関しては、
例えばD.J.Williamsらの「“Nonlinear Op
tical Properties of Organic and Polymeric Material
s ”(American Chemical Society, 1983 )や、D.
S.Chemlaらの「“Nonlinear Optical Properti
es of Organic Molecules and Crystals”(Academic P
ress, inc.1987) 」に総説されている。ここに挙げられ
た有機非線形光学材料の分子構造上の特徴は、ベンゼン
環などのπ電子系の両端に電子供与性の官能基および電
子吸引性の官能基を結合させた点にある。
例えばD.J.Williamsらの「“Nonlinear Op
tical Properties of Organic and Polymeric Material
s ”(American Chemical Society, 1983 )や、D.
S.Chemlaらの「“Nonlinear Optical Properti
es of Organic Molecules and Crystals”(Academic P
ress, inc.1987) 」に総説されている。ここに挙げられ
た有機非線形光学材料の分子構造上の特徴は、ベンゼン
環などのπ電子系の両端に電子供与性の官能基および電
子吸引性の官能基を結合させた点にある。
【0005】しかし、前述した分子構造を有する有機非
線形光学材料は、基底状態での電気双極子の存在によ
り、結晶化に際して中心対称の構造を取りやすく、分子
1個が示す大きな非線形性が結晶全体としては相殺され
やすいという問題があった。また、空間的広がりの大き
いπ電子系を用いれば、非線形性は増大するが、分子自
身の吸収波長域(吸収帯)が深色側(長波長側)にシフ
トする。これによって、青色波長域での光透過性が低下
して、倍波の効率的な発生を妨げたり、分子自身の劣化
を促進するという問題があった。このようなことから、
優れた非線形性を有するとともに、分子自身の吸収帯が
短波長側に存在する有機非線形光学材料が強く望まれて
いる。
線形光学材料は、基底状態での電気双極子の存在によ
り、結晶化に際して中心対称の構造を取りやすく、分子
1個が示す大きな非線形性が結晶全体としては相殺され
やすいという問題があった。また、空間的広がりの大き
いπ電子系を用いれば、非線形性は増大するが、分子自
身の吸収波長域(吸収帯)が深色側(長波長側)にシフ
トする。これによって、青色波長域での光透過性が低下
して、倍波の効率的な発生を妨げたり、分子自身の劣化
を促進するという問題があった。このようなことから、
優れた非線形性を有するとともに、分子自身の吸収帯が
短波長側に存在する有機非線形光学材料が強く望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た非線形性を示し、かつ倍波を効率的に発生し得る有機
非線形光学材料を提供することにある。
た非線形性を示し、かつ倍波を効率的に発生し得る有機
非線形光学材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の有機非線形光学
材料は、下記一般式(1)で示されるα,β−不飽和ケ
トン誘導体または下記一般式(2)で示されるアミド誘
導体からなることを特徴とするものである。
材料は、下記一般式(1)で示されるα,β−不飽和ケ
トン誘導体または下記一般式(2)で示されるアミド誘
導体からなることを特徴とするものである。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】前記一般式(1)におけるR1 、R2 およ
び前記一般式(2)におけるR3 〜R6 は、置換もしく
は非置換の芳香族炭化水素基、複素環基、脂肪族炭化水
素基、脂環式炭化水素基または水素原子である。ここ
で、R1 〜R6 として導入される非置換の芳香族炭化水
素基、複素環基、脂肪族炭化水素基および脂環式炭化水
素基を以下に例示する。
び前記一般式(2)におけるR3 〜R6 は、置換もしく
は非置換の芳香族炭化水素基、複素環基、脂肪族炭化水
素基、脂環式炭化水素基または水素原子である。ここ
で、R1 〜R6 として導入される非置換の芳香族炭化水
素基、複素環基、脂肪族炭化水素基および脂環式炭化水
素基を以下に例示する。
【0011】芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼ
ン環基、ナフタリン環基、アントラセン環基、フェナン
トレン環基、テトラリン環基、アズレン環基、ビフェニ
レン環基、アセナフチレン環基、アセナフテン環基、フ
ルオレン環基、トリフェニレン環基、ピレン環基、クリ
セン環基、ピセン環基、ペリレン環基、ベンゾピレン環
基、ルビセン環基、コロネン環基、オバレン環基、イン
デン環基、ペンタレン環基、ヘプタレン環基、インダセ
ン環基、フェナレン環基、フルオランテン環基、アセフ
ェナントリレン環基、アセアントリレン環基、ナフタセ
ン環基、プレイアデン環基、ペンタフェン環基、ペンタ
セン環基、テトラフェニレン環基、ヘキサフェン環基、
ヘキサセン環基、トリナフチレン環基、ヘプタフェン環
基、ヘプタセン環基、ピラントレン環基などが挙げられ
る。
ン環基、ナフタリン環基、アントラセン環基、フェナン
トレン環基、テトラリン環基、アズレン環基、ビフェニ
レン環基、アセナフチレン環基、アセナフテン環基、フ
ルオレン環基、トリフェニレン環基、ピレン環基、クリ
セン環基、ピセン環基、ペリレン環基、ベンゾピレン環
基、ルビセン環基、コロネン環基、オバレン環基、イン
デン環基、ペンタレン環基、ヘプタレン環基、インダセ
ン環基、フェナレン環基、フルオランテン環基、アセフ
ェナントリレン環基、アセアントリレン環基、ナフタセ
ン環基、プレイアデン環基、ペンタフェン環基、ペンタ
セン環基、テトラフェニレン環基、ヘキサフェン環基、
ヘキサセン環基、トリナフチレン環基、ヘプタフェン環
基、ヘプタセン環基、ピラントレン環基などが挙げられ
る。
【0012】復素環基としては、例えばピロール環基、
ピロリン環基、ピロリジン環基、インドール環基、イソ
インドール環基、インドリン環基、イソインドリン環
基、インドリジン環基、カルバゾール環基、カルボリン
環基、フラン環基、オキソラン環基、クマロン環基、ク
ラマン環基、イソベンゾフラン環基、フタラン環基、ジ
ベンゾフラン環基、チオフェン環基、チオラン環基、ベ
ンゾチオフェン環基、ジベンゾチオフェン環基、ピラゾ
ール環基、ピラゾリン環基、インダゾール環基、イミダ
ゾール環基、イミダゾリン環基、イミダゾリジン環基、
ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ナ
フトイミダゾール環基、オキサゾール環基、 オキサゾ
リン環基、オキサゾリジン環基、ベンゾオキサゾール環
基、ベンゾオキサゾリン環基、ナフトオキサゾール環
基、イソオキサゾール環基、ベンゾイソオキサゾール環
基、チアゾール環基、チアゾリン環基、チアゾリジン環
基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾチアゾリン環基、ナ
フトチアゾール環基、イソチアゾール環基、ベンゾイソ
チアゾール環基、トリアゾール環基、ベンゾトリアゾー
ル環基、オキサジアゾール環基、チアジアゾール環基、
ベンゾオキサジアゾール環基、ベンゾチアジアゾール環
基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、ピ
ペリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、アク
リジン環基、フェナントリジン環基、ベンゾキノリン環
基、ナフトキノリン環基、ナフチリジン環基、フェナン
トロリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラ
ジン環基、ピペラジン環基、フタラジン環基、キノキサ
リン環基、キナゾリン環基、シンノリン環基、フェナジ
ン環基、ペリミジン環基、トリアジン環基、テトラジン
環基、プリテリジン環基、オキサジン環基、ベンゾオキ
サジン環基、フェノキサジン環基、チアジン環基、ベン
ゾチアジン環基、フェノチアジン環基、オキサジアジン
環基、チアジアジン環基、ジオキソラン環基、ベンゾジ
オキソール環基、ジオキサン環基、ベンゾジオキサン環
基、ジチオラン環基、ベンゾジチオール環基、ジチアン
環基、ベンゾジチアン環基、ピラン環基、クロメン環
基、キサンテン環基、オキサン環基、クロマン環基、イ
ソクロマン環基、トリオキサン環基、チアン環基、トリ
チアン環基、モルホリン環基、キヌクリジン環基、セレ
ナゾール環基、ベンゾセレナゾール環基、ナフトセレナ
ゾール環基、テルラゾール環基、ベンゾテルラゾール環
基などが挙げられる。
ピロリン環基、ピロリジン環基、インドール環基、イソ
インドール環基、インドリン環基、イソインドリン環
基、インドリジン環基、カルバゾール環基、カルボリン
環基、フラン環基、オキソラン環基、クマロン環基、ク
ラマン環基、イソベンゾフラン環基、フタラン環基、ジ
ベンゾフラン環基、チオフェン環基、チオラン環基、ベ
ンゾチオフェン環基、ジベンゾチオフェン環基、ピラゾ
ール環基、ピラゾリン環基、インダゾール環基、イミダ
ゾール環基、イミダゾリン環基、イミダゾリジン環基、
ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ナ
フトイミダゾール環基、オキサゾール環基、 オキサゾ
リン環基、オキサゾリジン環基、ベンゾオキサゾール環
基、ベンゾオキサゾリン環基、ナフトオキサゾール環
基、イソオキサゾール環基、ベンゾイソオキサゾール環
基、チアゾール環基、チアゾリン環基、チアゾリジン環
基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾチアゾリン環基、ナ
フトチアゾール環基、イソチアゾール環基、ベンゾイソ
チアゾール環基、トリアゾール環基、ベンゾトリアゾー
ル環基、オキサジアゾール環基、チアジアゾール環基、
ベンゾオキサジアゾール環基、ベンゾチアジアゾール環
基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、ピ
ペリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、アク
リジン環基、フェナントリジン環基、ベンゾキノリン環
基、ナフトキノリン環基、ナフチリジン環基、フェナン
トロリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラ
ジン環基、ピペラジン環基、フタラジン環基、キノキサ
リン環基、キナゾリン環基、シンノリン環基、フェナジ
ン環基、ペリミジン環基、トリアジン環基、テトラジン
環基、プリテリジン環基、オキサジン環基、ベンゾオキ
サジン環基、フェノキサジン環基、チアジン環基、ベン
ゾチアジン環基、フェノチアジン環基、オキサジアジン
環基、チアジアジン環基、ジオキソラン環基、ベンゾジ
オキソール環基、ジオキサン環基、ベンゾジオキサン環
基、ジチオラン環基、ベンゾジチオール環基、ジチアン
環基、ベンゾジチアン環基、ピラン環基、クロメン環
基、キサンテン環基、オキサン環基、クロマン環基、イ
ソクロマン環基、トリオキサン環基、チアン環基、トリ
チアン環基、モルホリン環基、キヌクリジン環基、セレ
ナゾール環基、ベンゾセレナゾール環基、ナフトセレナ
ゾール環基、テルラゾール環基、ベンゾテルラゾール環
基などが挙げられる。
【0013】脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、プロペニル基、メタ
リル基、クロチル基、ブテニル基、ペンテニル基、ブタ
ジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、
ペンチニル基などが挙げられる。
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、プロペニル基、メタ
リル基、クロチル基、ブテニル基、ペンテニル基、ブタ
ジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、
ペンチニル基などが挙げられる。
【0014】脂環式炭化水素基としては、例えばシクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプ
テニル基、シクロオクテニル基、シクロペンタジエニル
基、シクロヘキサジエニル基などが挙げられる。
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプ
テニル基、シクロオクテニル基、シクロペンタジエニル
基、シクロヘキサジエニル基などが挙げられる。
【0015】なお、前記一般式(1)および一般式
(2)におけるR1 〜R6 としては、立体障害が少ない
ものが好ましく、水素原子または低級アルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基など)が特に好まし
い。
(2)におけるR1 〜R6 としては、立体障害が少ない
ものが好ましく、水素原子または低級アルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基など)が特に好まし
い。
【0016】また前記一般式(1)および一般式(2)
において、R1 〜R6 として導入される芳香族炭化水素
基、複素環基、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素
基は、以下に例示する置換基で置換されていてもよい。
例えば、ジ置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、
ブチルメチルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジル
アミノ基、ジフェネチルアミノ共、ジフェニルアミノ
基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフ
ェニルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基など)、モノ
置換アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、アニリノ
基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ基、キ
シリジノ基、ピリジルアミノ基、チアゾリルアミノ基、
ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミノ基など)、複素
環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジ
ノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1−イミダゾリ
ル基、1−トリアゾリル基など)、アシルアミノ基(ホ
ルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ
基、シンナモイルアミノ基、ピリジンカルボニルアミノ
基、トリフルオロアセチルアミノ基など)、スルホニル
アミノ基(メシルアミノ基、エチルスルホニルアミノ
基、フェニルスルホニルアミノ基、ピリジルスルホニル
アミノ基、トシルアミノ基、タウリルアミノ基、トリフ
ルオロメチルスルホニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、メチルスルファモイルアミノ共、スルファニルア
ミノ基、アセチルスルファニルアミノ基など)、アンモ
ニオ基(トリメチルアンモニオ基、エチルジメチルアン
モニオ基、ジメチルフェニルアンモニオ基、ピリジニオ
基、キノリニオ基など)、アミノ基、オキシアミノ基、
(メトキシアミノ基、エトキシアミノ基、フェノキシア
ミノ基、ピリジルオキシアミノ基など)、ヒドロキシア
ミノ基、ウレイド基、セミカルバジド基、カルバジド
基、ジ置換ヒドラジノ基(ジメチルヒドラジノ基、ジフ
ェニルヒドラジノ基、メチルフェニルヒドラジノ基な
ど)、モノ置換ヒドラジノ基(メチルヒドラジノ基、フ
ェニルヒドラジノ基、ピリジルヒドラジノ基、ベンジリ
デンヒドラジノ基など)、ヒドラジノ基、アゾ基(フェ
ニルアゾ基、ピリジアルアゾ基、チアゾリルアゾ基な
ど)、アゾキシ基、アミジノ基、シアノ基、シアナト
基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、オキシ基
(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ
基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、アセトキ
シ基など)、ヒドロキシ基、チオ基(メチルチオ基、エ
チルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、チアゾ
リルチオ基など)、メルカプト基、ハロゲン基(フルオ
ロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル
基およびその塩、オキシカルボニル基(メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボ
ニル基(カルバモイル基、メチルカルボモイル基、フェ
ニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カルバ
ゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スクシ
ンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその
塩、ジチオカルボキシル基およびその塩、チオカルボニ
ル基(メトキシチオカルボニル基、メチルチオカルボニ
ル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル基
(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロ
イル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリジンカル
ボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフルオロアセ
チル基など)、チオアシル基(チオホルミル基、チオア
セチル基、チオベンゾイル基、ピリジンチオカルボニル
基など)、スルフィン酸基およびその塩、スルホン酸基
およびその塩、スルフィニル基(メチルスルフィニル
基、エチルスルフェニル基、フェニルスルフィニル基な
ど)、スルホニル基(メシル基、エチルスルホニル基、
フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、トシル
基、タウリル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ス
ルファニリル基、アセチルスルファニリル基など)、オ
キシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エトキシス
ルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセトアミノフ
ェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホニル基な
ど)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニル基、エ
チルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニル基、ア
セトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジルチオス
ルホニル基など)、アミノスルホニル基(スルファモイ
ル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイ
ル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイ
ル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミノフェニ
ルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル基な
ど)、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブロモ
メチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブ
ロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピ
ル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有機ケイ
素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリル基、
トリフェニルシリル基など)などが挙げられる。
において、R1 〜R6 として導入される芳香族炭化水素
基、複素環基、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素
基は、以下に例示する置換基で置換されていてもよい。
例えば、ジ置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、
ブチルメチルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジル
アミノ基、ジフェネチルアミノ共、ジフェニルアミノ
基、ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフ
ェニルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基など)、モノ
置換アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、アニリノ
基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ基、キ
シリジノ基、ピリジルアミノ基、チアゾリルアミノ基、
ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミノ基など)、複素
環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジ
ノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1−イミダゾリ
ル基、1−トリアゾリル基など)、アシルアミノ基(ホ
ルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ
基、シンナモイルアミノ基、ピリジンカルボニルアミノ
基、トリフルオロアセチルアミノ基など)、スルホニル
アミノ基(メシルアミノ基、エチルスルホニルアミノ
基、フェニルスルホニルアミノ基、ピリジルスルホニル
アミノ基、トシルアミノ基、タウリルアミノ基、トリフ
ルオロメチルスルホニルアミノ基、スルファモイルアミ
ノ基、メチルスルファモイルアミノ共、スルファニルア
ミノ基、アセチルスルファニルアミノ基など)、アンモ
ニオ基(トリメチルアンモニオ基、エチルジメチルアン
モニオ基、ジメチルフェニルアンモニオ基、ピリジニオ
基、キノリニオ基など)、アミノ基、オキシアミノ基、
(メトキシアミノ基、エトキシアミノ基、フェノキシア
ミノ基、ピリジルオキシアミノ基など)、ヒドロキシア
ミノ基、ウレイド基、セミカルバジド基、カルバジド
基、ジ置換ヒドラジノ基(ジメチルヒドラジノ基、ジフ
ェニルヒドラジノ基、メチルフェニルヒドラジノ基な
ど)、モノ置換ヒドラジノ基(メチルヒドラジノ基、フ
ェニルヒドラジノ基、ピリジルヒドラジノ基、ベンジリ
デンヒドラジノ基など)、ヒドラジノ基、アゾ基(フェ
ニルアゾ基、ピリジアルアゾ基、チアゾリルアゾ基な
ど)、アゾキシ基、アミジノ基、シアノ基、シアナト
基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ基、オキシ基
(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ
基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、アセトキ
シ基など)、ヒドロキシ基、チオ基(メチルチオ基、エ
チルチオ基、フェニルチオ基、ピリジルチオ基、チアゾ
リルチオ基など)、メルカプト基、ハロゲン基(フルオ
ロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル
基およびその塩、オキシカルボニル基(メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボ
ニル基(カルバモイル基、メチルカルボモイル基、フェ
ニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カルバ
ゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スクシ
ンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその
塩、ジチオカルボキシル基およびその塩、チオカルボニ
ル基(メトキシチオカルボニル基、メチルチオカルボニ
ル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル基
(ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロ
イル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリジンカル
ボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフルオロアセ
チル基など)、チオアシル基(チオホルミル基、チオア
セチル基、チオベンゾイル基、ピリジンチオカルボニル
基など)、スルフィン酸基およびその塩、スルホン酸基
およびその塩、スルフィニル基(メチルスルフィニル
基、エチルスルフェニル基、フェニルスルフィニル基な
ど)、スルホニル基(メシル基、エチルスルホニル基、
フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニル基、トシル
基、タウリル基、トリフルオロメチルスルホニル基、ス
ルファニリル基、アセチルスルファニリル基など)、オ
キシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エトキシス
ルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセトアミノフ
ェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホニル基な
ど)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニル基、エ
チルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニル基、ア
セトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジルチオス
ルホニル基など)、アミノスルホニル基(スルファモイ
ル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイ
ル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイ
ル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミノフェニ
ルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル基な
ど)、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブロモ
メチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブ
ロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピ
ル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有機ケイ
素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリル基、
トリフェニルシリル基など)などが挙げられる。
【0017】前記一般式(1)におけるAzは、水素原
子と結合したピロール型の核窒素原子(−NH−)を有
する置換または非置換の電子供与性含窒素芳香族複素環
基である。すなわちAzにおいては、芳香族複素環構造
を構成する骨格内に特に非置換のイミノ基を有してい
る。
子と結合したピロール型の核窒素原子(−NH−)を有
する置換または非置換の電子供与性含窒素芳香族複素環
基である。すなわちAzにおいては、芳香族複素環構造
を構成する骨格内に特に非置換のイミノ基を有してい
る。
【0018】Azとして導入される非置換の電子供与性
含窒素芳香族複素環基としては、例えばピロール環基、
インドール環基、ピラゾール環基、インダゾール環基、
イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、1,2,
3−トリアゾール環基、1,2,4−トリアゾール環
基、テトラゾール環基などが挙げられる。またこれらの
電子供与性含窒素芳香族複素環基には、前述したように
置換基が導入されていてもよく、このような置換基とし
ては、前記一般式(1)および一般式(2)におけるR
1 〜R6 の置換基として例示のものが挙げられる。なお
前記一般式(1)におけるAzとしては、ピロール環
基、インドール環基、ピラゾール環基、イミダゾール環
基、ベンゾイミダゾール環基が特に好ましい。
含窒素芳香族複素環基としては、例えばピロール環基、
インドール環基、ピラゾール環基、インダゾール環基、
イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、1,2,
3−トリアゾール環基、1,2,4−トリアゾール環
基、テトラゾール環基などが挙げられる。またこれらの
電子供与性含窒素芳香族複素環基には、前述したように
置換基が導入されていてもよく、このような置換基とし
ては、前記一般式(1)および一般式(2)におけるR
1 〜R6 の置換基として例示のものが挙げられる。なお
前記一般式(1)におけるAzとしては、ピロール環
基、インドール環基、ピラゾール環基、イミダゾール環
基、ベンゾイミダゾール環基が特に好ましい。
【0019】前記一般式(1)および一般式(2)にお
けるφは、ピリジン型の核窒素原子(−N=)を有し、
かつ前記核窒素原子に隣接する核炭素原子に結合手を有
する置換または非置換の含窒素芳香族複素環基である。
このようなφの構造式を以下に示す。
けるφは、ピリジン型の核窒素原子(−N=)を有し、
かつ前記核窒素原子に隣接する核炭素原子に結合手を有
する置換または非置換の含窒素芳香族複素環基である。
このようなφの構造式を以下に示す。
【0020】
【化5】
【0021】φとして導入される非置換の含窒素芳香族
複素環基としては、例えば2−ピリジル基、2−キノリ
ル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、6−
フェナントリジル基、1,10−フェナントリロン−2
−イル基、3−ピリダジニル基、1−フタラジニル基、
3−シンノリニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミ
ジニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、
2−ピラジニル基、2−キノキサリニル基、1,3,5
−トリアジン−2−イル基、1,2,4,5−テトラジ
ン−3−イル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリ
ル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ナフトイミダゾ
リル基、3−ピラゾリル基、3−インダゾリル基、2−
オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、2−ベンゾオキ
サゾリル基、2−ナフトオキサゾリル基、3−イソオキ
サゾリル基、3−ベンゾイソオキサゾリル基、2−チア
ゾリル基、4−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル
基、2−ナフトチアゾリル基、2−セレナゾリル基、2
−ベンゾセレナゾリル基、2−テルラゾリル基、2−ベ
ンゾテルラゾリル基、1,2,3−トリアゾール−4−
イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,
2,4−トリアゾール−5−イル基、1,2,3,5−
テトラゾール−4−イル基などが挙げられる。また、こ
れらの含窒素芳香族複素環基はR1 〜R6 の説明におい
て例示された置換基で置換されていてもよい。
複素環基としては、例えば2−ピリジル基、2−キノリ
ル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、6−
フェナントリジル基、1,10−フェナントリロン−2
−イル基、3−ピリダジニル基、1−フタラジニル基、
3−シンノリニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミ
ジニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、
2−ピラジニル基、2−キノキサリニル基、1,3,5
−トリアジン−2−イル基、1,2,4,5−テトラジ
ン−3−イル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリ
ル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ナフトイミダゾ
リル基、3−ピラゾリル基、3−インダゾリル基、2−
オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、2−ベンゾオキ
サゾリル基、2−ナフトオキサゾリル基、3−イソオキ
サゾリル基、3−ベンゾイソオキサゾリル基、2−チア
ゾリル基、4−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル
基、2−ナフトチアゾリル基、2−セレナゾリル基、2
−ベンゾセレナゾリル基、2−テルラゾリル基、2−ベ
ンゾテルラゾリル基、1,2,3−トリアゾール−4−
イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,
2,4−トリアゾール−5−イル基、1,2,3,5−
テトラゾール−4−イル基などが挙げられる。また、こ
れらの含窒素芳香族複素環基はR1 〜R6 の説明におい
て例示された置換基で置換されていてもよい。
【0022】なお、前記一般式(1)および一般式
(2)におけるφとしては、ピリジン型の核窒素原子
(−N=)にプロトネーションした化学種の酸解離定数
pKaが1〜10の間にあるものが好ましい。より具体
的には、2−ピリジル基、2−キノリル基、1−イソキ
ノリル基、3−イソキノリル基、6−フェナトリジル
基、3−ピリダジニル基、1−フタラジニル基、3−シ
ンノリニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル
基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、2−ピ
ラジニル基、2−キノキサリニル基、2−イミダゾリル
基、4−イミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、
3−ピラゾリル基、3−インダゾリル基、2−チアゾリ
ル基、4−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基など
が特に好ましい。
(2)におけるφとしては、ピリジン型の核窒素原子
(−N=)にプロトネーションした化学種の酸解離定数
pKaが1〜10の間にあるものが好ましい。より具体
的には、2−ピリジル基、2−キノリル基、1−イソキ
ノリル基、3−イソキノリル基、6−フェナトリジル
基、3−ピリダジニル基、1−フタラジニル基、3−シ
ンノリニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル
基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、2−ピ
ラジニル基、2−キノキサリニル基、2−イミダゾリル
基、4−イミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、
3−ピラゾリル基、3−インダゾリル基、2−チアゾリ
ル基、4−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基など
が特に好ましい。
【0023】前記一般式(2)におけるArは、電子吸
引性特性基により置換された芳香族炭化水素基、芳香族
複素環基またはこれらが単結合、−CR3 =CR4 −,
−CR5 =N−,−N=N−,−O−もしくは−S−の
ようなπ電子共役系を切断することのない結合を介して
結合されてなる多環芳香族基である。ここでの芳香族炭
化水素基、芳香族複素環基としては、R1 〜R6 の説明
で例示したものが挙げられる。また、これらの芳香族炭
化水素基、芳香族複素環基および多環芳香族基は、さら
にR1 〜R6 の説明において例示された置換基で置換さ
れていてもよい。
引性特性基により置換された芳香族炭化水素基、芳香族
複素環基またはこれらが単結合、−CR3 =CR4 −,
−CR5 =N−,−N=N−,−O−もしくは−S−の
ようなπ電子共役系を切断することのない結合を介して
結合されてなる多環芳香族基である。ここでの芳香族炭
化水素基、芳香族複素環基としては、R1 〜R6 の説明
で例示したものが挙げられる。また、これらの芳香族炭
化水素基、芳香族複素環基および多環芳香族基は、さら
にR1 〜R6 の説明において例示された置換基で置換さ
れていてもよい。
【0024】これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環
基または多環芳香族基に導入される電子吸引性特性基と
しては、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、シアナト
基、チオシアナト基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ
基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル基及びその
塩、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、
ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボニル
基(例えばカルバモイル基、メチルカルボモイル基、フ
ェニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カル
バゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スク
シンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその
塩、ジチオカルボキシル基及びその塩、チオカルボニル
基(例えばメトキシチオカルボニル基、メチルチオカル
ボニル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル
基(例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、
アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリ
ジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフル
オロアセチル基など)、チオアシル基(例えばチオホル
ミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジン
チオカルボニル基など)、スルフィン酸基およびその
塩、スルホン酸基およびその塩、スルフィニル基(例え
ばメチルスルフィニル基、エチルスルフェニル基、フェ
ニルスルフィニル基など)、スルホニル基(例えばメシ
ル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ピ
リジルスルホニル基、トシル基、タウリル基、トリフル
オロメチルスルホニル基、スルファモイル基、メチルス
ルファモイル基、スルファニリル基、アセチルスルファ
ニリル基など)、オキシスルホニル基(例えばメトキシ
スルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスル
ホニル基、アセトアミノフェノキシスルホニル基、ピリ
ジルオキシスルホニル基など)、チオスルホニル基(例
えばメチルチオスルホニル基、エチルチオスルホニル
基、フェニルチオスルホニル基、アセトアミノフェニル
チオスルホニル基、ピリジルチオスルホニル基など)、
アミノスルホニル基(例えばスルファモイル基、メチル
スルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチル
スルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、フェニ
ルスルファモイル基、アセトアミノフェニルスルファモ
イル基、ピリジルスルファモイル基など)、ハロゲン化
アルキル基(例えばクロロメチル基、ブロモメチル基、
フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル
基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基など)
などが挙げられる。
基または多環芳香族基に導入される電子吸引性特性基と
しては、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、シアナト
基、チオシアナト基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ
基、ブロモ基、ヨード基)、カルボキシル基及びその
塩、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、
ピリジルオキシカルボニル基など)、アミノカルボニル
基(例えばカルバモイル基、メチルカルボモイル基、フ
ェニルカルバモイル基、ピリジルカルバモイル基、カル
バゾイル基、アロファノイル基、オキサモイル基、スク
シンアモイル基など)、チオカルボキシル基およびその
塩、ジチオカルボキシル基及びその塩、チオカルボニル
基(例えばメトキシチオカルボニル基、メチルチオカル
ボニル基、メチルチオチオカルボニル基など)、アシル
基(例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、
アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル基、ピリ
ジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、トリフル
オロアセチル基など)、チオアシル基(例えばチオホル
ミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジン
チオカルボニル基など)、スルフィン酸基およびその
塩、スルホン酸基およびその塩、スルフィニル基(例え
ばメチルスルフィニル基、エチルスルフェニル基、フェ
ニルスルフィニル基など)、スルホニル基(例えばメシ
ル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ピ
リジルスルホニル基、トシル基、タウリル基、トリフル
オロメチルスルホニル基、スルファモイル基、メチルス
ルファモイル基、スルファニリル基、アセチルスルファ
ニリル基など)、オキシスルホニル基(例えばメトキシ
スルホニル基、エトキシスルホニル基、フェノキシスル
ホニル基、アセトアミノフェノキシスルホニル基、ピリ
ジルオキシスルホニル基など)、チオスルホニル基(例
えばメチルチオスルホニル基、エチルチオスルホニル
基、フェニルチオスルホニル基、アセトアミノフェニル
チオスルホニル基、ピリジルチオスルホニル基など)、
アミノスルホニル基(例えばスルファモイル基、メチル
スルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチル
スルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、フェニ
ルスルファモイル基、アセトアミノフェニルスルファモ
イル基、ピリジルスルファモイル基など)、ハロゲン化
アルキル基(例えばクロロメチル基、ブロモメチル基、
フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル
基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基など)
などが挙げられる。
【0025】本発明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体
は、水酸化ナトリウムなどの塩基触媒存在下、アルデヒ
ドなどのカルボニル化合物をアシルヘテロアリール化合
物に脱水縮合させることにより、容易に合成される。
は、水酸化ナトリウムなどの塩基触媒存在下、アルデヒ
ドなどのカルボニル化合物をアシルヘテロアリール化合
物に脱水縮合させることにより、容易に合成される。
【0026】本発明に係るアミド誘導体は、例えば塩化
メチレン溶媒中ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの
縮合剤存在下、芳香族アミン化合物をカルボン酸化合物
に脱水縮合させることにより、容易に合成される。
メチレン溶媒中ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの
縮合剤存在下、芳香族アミン化合物をカルボン酸化合物
に脱水縮合させることにより、容易に合成される。
【0027】
【作用】本発明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体は、
前記一般式(1)中のカルボニル基(>C=0)および
Az基がそれぞれ電子吸引性、電子供与性を有すること
に起因して、共鳴効果による分極(メゾメリック分極)
が増大し、分子レベルでの非線形性が向上する。また、
Az基中のピロール型の核窒素原子(−NH−)に結合
した水素原子と前記カルボニル基(>C=0)の酸素原
子およびφ基中のピリジン型の核窒素原子(−N=)と
の間に安定な分子間水素結合が形成されるので、非中心
対称の結晶構造をとりやすく優れた非線形光学特性が確
保される。
前記一般式(1)中のカルボニル基(>C=0)および
Az基がそれぞれ電子吸引性、電子供与性を有すること
に起因して、共鳴効果による分極(メゾメリック分極)
が増大し、分子レベルでの非線形性が向上する。また、
Az基中のピロール型の核窒素原子(−NH−)に結合
した水素原子と前記カルボニル基(>C=0)の酸素原
子およびφ基中のピリジン型の核窒素原子(−N=)と
の間に安定な分子間水素結合が形成されるので、非中心
対称の結晶構造をとりやすく優れた非線形光学特性が確
保される。
【0028】さらに、前記α,β−不飽和ケトン誘導体
の光吸収帯は短波長側に存在し、このα,β−不飽和ケ
トン誘導体からなる有機非線形光学材料は、優れた非線
形性を示す。しかも、安定な分子間水素結合に起因して
融点が高く、従来の有機非線形光学材料の欠点とされて
いた耐熱性の問題点を克服できる。
の光吸収帯は短波長側に存在し、このα,β−不飽和ケ
トン誘導体からなる有機非線形光学材料は、優れた非線
形性を示す。しかも、安定な分子間水素結合に起因して
融点が高く、従来の有機非線形光学材料の欠点とされて
いた耐熱性の問題点を克服できる。
【0029】同様に、本発明に係るアミド誘導体は、前
記一般式(2)中のAr基およびアシルアミノ基(−N
H−CO−)がそれぞれ電子吸引性、電子供与性を有す
ることに起因して、共鳴効果による分極(メゾメリック
分極)が増大し、分子レベルでの非線形性が向上する。
また、前記アシルアミノ基(−NH−CO−)の水素原
子と酸素原子およびφ基中のピリジン型の核窒素原子
(−N=)との間に安定な分子間水素結合が形成される
ので、非中心対称の結晶構造をとりやすく優れた非線形
光学特性が確保される。
記一般式(2)中のAr基およびアシルアミノ基(−N
H−CO−)がそれぞれ電子吸引性、電子供与性を有す
ることに起因して、共鳴効果による分極(メゾメリック
分極)が増大し、分子レベルでの非線形性が向上する。
また、前記アシルアミノ基(−NH−CO−)の水素原
子と酸素原子およびφ基中のピリジン型の核窒素原子
(−N=)との間に安定な分子間水素結合が形成される
ので、非中心対称の結晶構造をとりやすく優れた非線形
光学特性が確保される。
【0030】さらに、前記アミド誘導体の光吸収帯は短
波長側に存在する。その結果、このアミド誘導体からな
る有機非線形光学材料は優れた非線形性を示し、かつ青
色波長域での光透過性も良好で倍波を効率的に発生する
ことができる。
波長側に存在する。その結果、このアミド誘導体からな
る有機非線形光学材料は優れた非線形性を示し、かつ青
色波長域での光透過性も良好で倍波を効率的に発生する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (A)α,β−不飽和ケトン誘導体の合成 まず、表1に化合物1として示した3−(3−インドリ
ル)−1−(2−ピリジル)プロペノンを以下に示すよ
うにして合成した。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (A)α,β−不飽和ケトン誘導体の合成 まず、表1に化合物1として示した3−(3−インドリ
ル)−1−(2−ピリジル)プロペノンを以下に示すよ
うにして合成した。
【0032】すなわち、3−インドールカルバルデヒド
4.3g(29.6mmol)および2−アセチルピリ
ジン3.5ml(3.78g、31.2mmol)をエ
タノール60mlに溶解し、50%(13.5N)水酸
化カリウム水溶液6ml(81.0mmol)を少しず
つ加え、室温下一日撹拌する。反応液に、酢酸(17.
5N)10mlを含む水500nlを撹拌しながら少し
ずつ加え、一晩放置する。析出した粗結晶を吸引瀘過に
より瀘取し、エタノール、アセトンなどの溶媒から再結
晶することにより、目的の化合物1を得た。なお表1で
は、導入されたR1 ,R2 ,Azおよびφの構造式を表
示することにより化合物を特定し、化合物の化学組成式
および分子量を併記した。また得られた化合物の収率お
よび元素分析結果を表2に示す。
4.3g(29.6mmol)および2−アセチルピリ
ジン3.5ml(3.78g、31.2mmol)をエ
タノール60mlに溶解し、50%(13.5N)水酸
化カリウム水溶液6ml(81.0mmol)を少しず
つ加え、室温下一日撹拌する。反応液に、酢酸(17.
5N)10mlを含む水500nlを撹拌しながら少し
ずつ加え、一晩放置する。析出した粗結晶を吸引瀘過に
より瀘取し、エタノール、アセトンなどの溶媒から再結
晶することにより、目的の化合物1を得た。なお表1で
は、導入されたR1 ,R2 ,Azおよびφの構造式を表
示することにより化合物を特定し、化合物の化学組成式
および分子量を併記した。また得られた化合物の収率お
よび元素分析結果を表2に示す。
【0033】さらに表1に示した化合物2〜11につい
ても、対応するアルデヒド化合物およびアシルヘテロア
リール化合物またはアシルアリール化合物を用い、化合
物1と同様な方法により合成し、目的とする化合物を得
た。なお表1中の化合物9〜11(比較例1〜3)は、
本発明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体に類似する
が、前述した含窒素芳香族複素環基φが導入されておら
ず、本発明の範囲外の化合物である。これらの化合物に
ついて、収率および元素分析結果を同様に表2に示す。
ても、対応するアルデヒド化合物およびアシルヘテロア
リール化合物またはアシルアリール化合物を用い、化合
物1と同様な方法により合成し、目的とする化合物を得
た。なお表1中の化合物9〜11(比較例1〜3)は、
本発明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体に類似する
が、前述した含窒素芳香族複素環基φが導入されておら
ず、本発明の範囲外の化合物である。これらの化合物に
ついて、収率および元素分析結果を同様に表2に示す。
【0034】(B)アミド誘導体の合成 まず、表3に化合物12として示した4−ニトロ−N−
(2−ピリジンカルボニル)アニリンを以下に示すよう
にして合成した。
(2−ピリジンカルボニル)アニリンを以下に示すよう
にして合成した。
【0035】すなわち、4−ニトロアニリン4.50g
(32.6mmol)を塩化メチレン100mlに溶解
し、0℃以下に冷却した後、トリエチルアミン4.6m
l(3.36g)を撹拌しながら加える。この溶液に2
−ピリジンカルボン酸3.70g(30.1mmol)
を加え、さらに0℃に冷却したジシクロヘキシルカルボ
ジイミド6.80g(33.0mmol)の塩化メチレ
ン溶液100mlを加えて0℃で1時間、続いて室温で
5時間反応させる。反応後、吸引瀘過により不溶物であ
るN,N´−ジシクロヘキシル尿素を除去して塩化メチ
レンで充分に洗浄し、瀘液を活性炭処理する。次いで、
セライト床吸引瀘過により活性炭を除去した後瀘液を減
圧濃縮し、析出した粗結晶を熱エタノール溶媒から再結
晶することにより、目的の化合物12を得た。なお得ら
れた化合物の化学組成式および分子量を表3に併記し、
収率および元素分析結果を表4に示す。
(32.6mmol)を塩化メチレン100mlに溶解
し、0℃以下に冷却した後、トリエチルアミン4.6m
l(3.36g)を撹拌しながら加える。この溶液に2
−ピリジンカルボン酸3.70g(30.1mmol)
を加え、さらに0℃に冷却したジシクロヘキシルカルボ
ジイミド6.80g(33.0mmol)の塩化メチレ
ン溶液100mlを加えて0℃で1時間、続いて室温で
5時間反応させる。反応後、吸引瀘過により不溶物であ
るN,N´−ジシクロヘキシル尿素を除去して塩化メチ
レンで充分に洗浄し、瀘液を活性炭処理する。次いで、
セライト床吸引瀘過により活性炭を除去した後瀘液を減
圧濃縮し、析出した粗結晶を熱エタノール溶媒から再結
晶することにより、目的の化合物12を得た。なお得ら
れた化合物の化学組成式および分子量を表3に併記し、
収率および元素分析結果を表4に示す。
【0036】さらに表3に示した化合物13〜21につ
いても、対応する芳香族アミン化合物およびカルボン酸
化合物を用い、化合物12と同様な方法により合成し、
目的とする化合物を得た。なお表3中の化合物19〜2
1(比較例5〜7)は、本発明に係るアミド誘導体に類
似するが、前述した含窒素芳香族複素環基φが導入され
ておらず、本発明の範囲外の化合物である。これらの化
合物について、収率および元素分析結果を同様に表4に
示す。
いても、対応する芳香族アミン化合物およびカルボン酸
化合物を用い、化合物12と同様な方法により合成し、
目的とする化合物を得た。なお表3中の化合物19〜2
1(比較例5〜7)は、本発明に係るアミド誘導体に類
似するが、前述した含窒素芳香族複素環基φが導入され
ておらず、本発明の範囲外の化合物である。これらの化
合物について、収率および元素分析結果を同様に表4に
示す。
【0037】(C)非線形光学特性の測定 実施例1〜8として本発明に係るα,β−不飽和ケトン
誘導体である化合物1〜8、並びに比較例1〜3として
これらの類似化合物である化合物9〜11および比較例
4として尿素について、各分子の電子状態を汎用の分子
軌道計算法であるMOPACにより計算し(計算法とし
てMNDO−PM3法を使用)、二次分子超分極率βを
算出した。表2に、βの最大成分であるβXXX の値を示
す。なおここで、MOPACプログラムとしては、
(株)東レシステムセンター製の「パソコンMOPAC
/386 Ver.6」を使用し、βは、MOPACに
内蔵されているKurtz−Stewart−Diet
er法により、分子の生成熱、双熱子モーメントをそれ
ぞれ電場で数値微分して求めた。またこの際、計算座標
としてはMNDO−PM3法による最適配座の計算値
を、分子の重心が原点に、慣性主軸がx軸に一致するよ
うに座標変換したものを使用した。但し、このMOPA
C内蔵の計算法により求められる超分極率は、入射電場
の周波数=0の場合の超分極率に相当する。
誘導体である化合物1〜8、並びに比較例1〜3として
これらの類似化合物である化合物9〜11および比較例
4として尿素について、各分子の電子状態を汎用の分子
軌道計算法であるMOPACにより計算し(計算法とし
てMNDO−PM3法を使用)、二次分子超分極率βを
算出した。表2に、βの最大成分であるβXXX の値を示
す。なおここで、MOPACプログラムとしては、
(株)東レシステムセンター製の「パソコンMOPAC
/386 Ver.6」を使用し、βは、MOPACに
内蔵されているKurtz−Stewart−Diet
er法により、分子の生成熱、双熱子モーメントをそれ
ぞれ電場で数値微分して求めた。またこの際、計算座標
としてはMNDO−PM3法による最適配座の計算値
を、分子の重心が原点に、慣性主軸がx軸に一致するよ
うに座標変換したものを使用した。但し、このMOPA
C内蔵の計算法により求められる超分極率は、入射電場
の周波数=0の場合の超分極率に相当する。
【0038】表2より明らかなように、実施例1〜8の
α,β−不飽和ケトン誘導体は、比較例4の尿素に対し
て70〜140倍程度の二次分子超分極率βを有してい
た。このβは、分子レベルでの二次の非線形性の指標と
なるもので、より大きなβを有する化合物が分子レベル
で大きな二次の非線形性を示す。従って、本発明に係る
α,β−不飽和ケトン誘導体は、分子レベルで大きな二
次の非線形性を有していることがわかる。
α,β−不飽和ケトン誘導体は、比較例4の尿素に対し
て70〜140倍程度の二次分子超分極率βを有してい
た。このβは、分子レベルでの二次の非線形性の指標と
なるもので、より大きなβを有する化合物が分子レベル
で大きな二次の非線形性を示す。従って、本発明に係る
α,β−不飽和ケトン誘導体は、分子レベルで大きな二
次の非線形性を有していることがわかる。
【0039】次に、実施例1〜8のα,β−不飽和ケト
ン誘導体および比較例1〜3のα,β−不飽和ケトン誘
導体、さらには実施例9〜15として化合物12〜18
のアミド誘導体および比較例5〜7として化合物19〜
21のアミド誘導体並びに比較例4の尿素、比較例8と
して4−ニトロアニリンおよび比較例9としてMNA
(2−メチル−4−ニトロアニリン)について、二次の
非線形光学特性をいわゆる粉末法により調べた。すなわ
ち、各化合物の結晶粉末をメノウ乳鉢で粉砕し、ふるい
により粒径を100〜150μmの間に揃えた粉末を生
成し、これをスライドガラスに挟んだものを測定用試料
とした。これら測定用試料に対し、Nd−YAGレーザ
ーの基本波(波長=1.064μm)を照射し、反射光
中の二次高調波強度を尿素(比較例4)粉末の二次高調
波強度で規格化した結果を表2および表4に併記する。
ン誘導体および比較例1〜3のα,β−不飽和ケトン誘
導体、さらには実施例9〜15として化合物12〜18
のアミド誘導体および比較例5〜7として化合物19〜
21のアミド誘導体並びに比較例4の尿素、比較例8と
して4−ニトロアニリンおよび比較例9としてMNA
(2−メチル−4−ニトロアニリン)について、二次の
非線形光学特性をいわゆる粉末法により調べた。すなわ
ち、各化合物の結晶粉末をメノウ乳鉢で粉砕し、ふるい
により粒径を100〜150μmの間に揃えた粉末を生
成し、これをスライドガラスに挟んだものを測定用試料
とした。これら測定用試料に対し、Nd−YAGレーザ
ーの基本波(波長=1.064μm)を照射し、反射光
中の二次高調波強度を尿素(比較例4)粉末の二次高調
波強度で規格化した結果を表2および表4に併記する。
【0040】表2より明らかなように、実施例1〜8の
α,β−不飽和ケトン誘導体は、比較例1〜3のα,β
−不飽和ケトン誘導体および比較例4の尿素に対して、
数倍〜数十倍程度のSHGを発生しており、結晶状態で
も優れた二次の非線形光学特性を有していることが確認
できた。
α,β−不飽和ケトン誘導体は、比較例1〜3のα,β
−不飽和ケトン誘導体および比較例4の尿素に対して、
数倍〜数十倍程度のSHGを発生しており、結晶状態で
も優れた二次の非線形光学特性を有していることが確認
できた。
【0041】また表4より明らかなように実施例9〜1
5のアミド誘導体は、比較例5〜7のアミド誘導体並び
に比較例4の尿素および比較例8の4−ニトロアニリン
に対して十数倍〜数十倍程度のSHGを発生しており、
結晶状態で優れた二次の非線形光学特性を有しているこ
とが確認できた。
5のアミド誘導体は、比較例5〜7のアミド誘導体並び
に比較例4の尿素および比較例8の4−ニトロアニリン
に対して十数倍〜数十倍程度のSHGを発生しており、
結晶状態で優れた二次の非線形光学特性を有しているこ
とが確認できた。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】さらに、実施例1および6のα,β−不飽
和ケトン誘導体、実施例11,13および15のアミド
誘導体、並びに比較例9のMNAについて、0.001
Mエタノール溶液の可視−紫外透過スペクトルを測定し
た結果を図1に示す。図1より明らかなように、実施例
1および6のα,β−不飽和ケトン誘導体、並びに実施
例11,13および15のアミド誘導体は、有機非線形
光学材料として広く知られた比較例9のMNAに比べ、
光吸収帯が短波長側に存在し、青色波長域でも光の透過
率が高いことが確認できる。さらに、これら以外の本実
施例のα,β−不飽和ケトン誘導体およびアミド誘導体
についても、0.001Mエタノール溶液の可視−紫外
透過スペクトルを測定したところ、同様に光吸収帯がM
NAより短波長側に存在していた。このことより、本発
明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体およびアミド誘導
体は、可視領域での光透過性が良好であることがわか
る。
和ケトン誘導体、実施例11,13および15のアミド
誘導体、並びに比較例9のMNAについて、0.001
Mエタノール溶液の可視−紫外透過スペクトルを測定し
た結果を図1に示す。図1より明らかなように、実施例
1および6のα,β−不飽和ケトン誘導体、並びに実施
例11,13および15のアミド誘導体は、有機非線形
光学材料として広く知られた比較例9のMNAに比べ、
光吸収帯が短波長側に存在し、青色波長域でも光の透過
率が高いことが確認できる。さらに、これら以外の本実
施例のα,β−不飽和ケトン誘導体およびアミド誘導体
についても、0.001Mエタノール溶液の可視−紫外
透過スペクトルを測定したところ、同様に光吸収帯がM
NAより短波長側に存在していた。このことより、本発
明に係るα,β−不飽和ケトン誘導体およびアミド誘導
体は、可視領域での光透過性が良好であることがわか
る。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の有機非線形
光学材料は、極めて容易に合成でき、光吸収が短波長側
で青色光の透過率が高く、かつ優れた非線形性を有し、
倍波を効率的に発生できる。したがって、本発明の有機
非線形光学材料は、高調波発生をはじめとする高速光シ
ャッター、光双安定素子などの非線形現象を利用したオ
プトエレクトロニスクの分野に応用できるなどの顕著な
効果を有する。
光学材料は、極めて容易に合成でき、光吸収が短波長側
で青色光の透過率が高く、かつ優れた非線形性を有し、
倍波を効率的に発生できる。したがって、本発明の有機
非線形光学材料は、高調波発生をはじめとする高速光シ
ャッター、光双安定素子などの非線形現象を利用したオ
プトエレクトロニスクの分野に応用できるなどの顕著な
効果を有する。
【図1】 本発明の実施例1および6のα,β−不飽和
ケトン誘導体、実施例11,13および15のアミド誘
導体、並びに比較例9のMNAについて、0.001M
エタノール溶液の可視−紫外透過スペクトル図である。
ケトン誘導体、実施例11,13および15のアミド誘
導体、並びに比較例9のMNAについて、0.001M
エタノール溶液の可視−紫外透過スペクトル図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるα,β−不
飽和ケトン誘導体 【化1】 または下記一般式(2)で示されるアミド誘導体 【化2】 からなることを特徴とする有機非線形光学材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22528993A JP3345476B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-09-10 | 有機非線形光学材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-115700 | 1993-05-18 | ||
JP11570093 | 1993-05-18 | ||
JP22528993A JP3345476B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-09-10 | 有機非線形光学材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0736069A JPH0736069A (ja) | 1995-02-07 |
JP3345476B2 true JP3345476B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=26454171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22528993A Expired - Fee Related JP3345476B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-09-10 | 有機非線形光学材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3345476B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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NO2482815T3 (ja) | 2009-10-02 | 2018-09-29 | ||
WO2012009698A1 (en) | 2010-07-16 | 2012-01-19 | Abbott Laboratories | Phosphine ligands for catalytic reactions |
US8975443B2 (en) | 2010-07-16 | 2015-03-10 | Abbvie Inc. | Phosphine ligands for catalytic reactions |
BR112013001132A2 (pt) | 2010-07-16 | 2016-05-17 | Abbvie Inc | processo para preparação de compostos antivirais |
US9255074B2 (en) | 2010-07-16 | 2016-02-09 | Abbvie Inc. | Process for preparing antiviral compounds |
AU2014211489A1 (en) | 2013-01-29 | 2015-08-13 | Avexxin As | Antiinflammatory and antitumor 2-oxothiazoles and 2-oxothiophenes compounds |
GB201413695D0 (en) | 2014-08-01 | 2014-09-17 | Avexxin As | Compound |
GB201604318D0 (en) | 2016-03-14 | 2016-04-27 | Avexxin As | Combination therapy |
-
1993
- 1993-09-10 JP JP22528993A patent/JP3345476B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0736069A (ja) | 1995-02-07 |
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