JP3282269B2 - 回転検出装置 - Google Patents

回転検出装置

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JP3282269B2
JP3282269B2 JP04411693A JP4411693A JP3282269B2 JP 3282269 B2 JP3282269 B2 JP 3282269B2 JP 04411693 A JP04411693 A JP 04411693A JP 4411693 A JP4411693 A JP 4411693A JP 3282269 B2 JP3282269 B2 JP 3282269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTRやテープレコ
ーダなどのキャプスタンモータなどに適用して好適な回
転検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】VTR(ビデオテープレコーダ)やテー
プレコーダにおいては、図4に示すようなキャプスタン
モータ1が磁気テープの搬送用として用いられている。
このキャプスタンモータ1は面対向形モータで、ロータ
部10と、ステータ部20と、回転検出部30とで構成
されている。
【0003】ロータ部10においては図5にも示すよう
に、円板状のロータマグネット11にその外周側及び上
側を被包するカバー12が取り付けられ、更にその外周
側に回転検出用のFG(Frequency Generator)マグネ
ット13が取り付けられている。ロータマグネット11
の中心には回転軸14が取り付けられ、ロータ部10の
底板21に固定されている軸受け部22で回転軸14が
回転自在に支持されている。これによって、ロータ部1
0ががた付くことなく滑らかに回転するようになる。ロ
ータマグネット11及びFGマグネット13は図6に示
すように、全周に亘って複数の磁極が着磁されている。
【0004】ステータ部20においては、図4及び図5
に示すようにロータマグネット11の下面に対向配置さ
れた複数の励磁コイル23が底板21に固定されてい
る。この励磁コイル23に励磁電流を順次供給すること
によって磁界が発生し、この磁界によってロータマグネ
ット11が回転するようになる。
【0005】回転検出部30においては、ロータ部10
のFGマグネット13の外周面に対峙させて感磁性素子
31が配置されている。この感磁性素子31はFGマグ
ネット13の回転によって生じる磁界の変化を検出する
もので、例えばガラス板やセラミック板などの絶縁材料
で形成された基板32に、図7に示すように導電材料を
細長いコ字状に印刷することによって形成される。
【0006】本例では、FGマグネット13の磁極幅λ
の1/2の間隔で感磁性素子31が4個設けられ、これ
が直列接続されて回転検出回路38が形成されている。
この回転検出回路38の等価回路は、図8に示すような
ブリッジ回路となる。そして、このブリッジ回路の一方
の対角線における2つの端子34,35に電源VCCと
グランドGNDが接続され、もう一方の対角線の2つの
端子に位相の異なる2つの信号P1,P2を出力するた
めの出力端子36,37が接続されている。
【0007】感磁性素子31は磁界の変化に伴って抵抗
値が変化するようになっている。したがって、FGマグ
ネット13が回転するとブリッジ回路の抵抗値が変化
し、これによって出力端子36,37から図9に示すよ
うに位相が180度ずれた正弦波の信号P1,P2が出
力される。この信号P1,P2もしくはこれらの差分信
号のゼロクロス点をカウントすることによって、FGマ
グネット13、すなわちロータ部10の回転数を検出す
ることが可能になる。信号P1,P2の差分信号を使用
すればS/N比が向上する。
【0008】さて、図5において感磁性素子31を保持
している基板32は支持部33で底板21の所定の位置
に取り付けられている。これによって、感磁性素子31
とFGマグネット13との間隔が所定の寸法となり、F
Gマグネット13の磁界の変化を感磁性素子31で確実
に検出することが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のキャ
プスタンモータ1においては、回転検出部30の支持部
33がPBTや亜鉛ダイキャストなどの非磁性材料で形
成されているのが普通であった。そのため、図10に示
すように磁性のある感磁性素子31が磁路となり、ここ
をロータマグネット11の漏洩磁束が通過するようにな
る。この影響で感磁性素子31がFGマグネット13の
磁界を正確に検出することができなくなり、信号P1,
P2の出力が低下したり、或いはノイズが発生すること
があった。場合によっては回転数を正確に検出すること
が不可能なこともあった。
【0010】また、キャプスタンモータ1を小型化及び
高トルク化するため、ロータマグネット11の材質とし
て残留磁束密度の高いサマリウムコバルトやネオジウム
などを使用した場合には、ロータマグネット11の漏洩
磁束が増加し、回転検出に対して更に悪影響を及ぼすと
いう問題があった。
【0011】そこで本発明は上述のような課題を解決し
たものであって、ロータマグネットの漏洩磁束の影響を
防止してモータの回転数を正確に検出することが可能な
回転検出装置を提案するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、面対向モータのロータマグネッ
トの外周側に取り付けられ、外周面に沿って複数の磁極
を有する回転検出用のFGマグネットと、上記FGマグ
ネットの回転によって発生する磁界の変化を検出するた
めの感磁性素子と、上記感磁性素子を保持する基板と、
上記基板を上記面対向モータのステータに取り付けるた
めの支持部とを有する回転検出装置において、上記ロー
タマグネットの漏洩磁束の磁路を形成するための、上記
感磁性素子より透磁率の高い軟磁性体からなる磁性板が
上記基板の背後に配置されていることを特徴とするもの
である。
【0013】
【作用】図1において、FGマグネット13の磁界の変
化を検出するための感磁性素子31が絶縁材料で形成さ
れた基板32に印刷され、この基板32が磁性材料で形
成された支持部33で底板21に取り付けられている。
支持部33は感磁性素子31より透磁率の高い材料で形
成されている。
【0014】これによって、図2に示すようにロータマ
グネット11の漏洩磁束はその殆どが支持部33を磁路
として通過するようになり、感磁性素子31は漏洩磁束
の影響を殆ど受けなくなる。したがって本発明の回転検
出装置では、キャプスタンモータ1の回転数を正確に検
出することが可能になる。
【0015】
【実施例】続いて、本発明に係わる回転検出装置をキャ
プスタンモータに適用した場合の一実施例について、図
面を参照して詳細に説明する。なお、上述と同一の部分
には同一の符号を付けて詳細な説明を省略した。
【0016】図1は本発明による回転検出装置を適用し
たキャプスタンモータ1の構成を示す。このキャプスタ
ンモータ1は面対向形モータであり、その構成は従来の
キャプスタンモータ1(図4,図5)と殆ど同一であ
る。但し、ここでは感磁性素子31が印刷された基板3
2を底板21に固定するための支持部33が磁性材料で
形成されている。支持部33は、感磁性素子31より透
磁率の高い材料で形成されている。
【0017】したがって、図2に示すようにロータマグ
ネット11の漏洩磁束は、その殆どが支持部33を磁路
として通過するようになる。これによって、感磁性素子
31を通過する漏洩磁束が殆ど無くなるので、FGマグ
ネット13が回転することによって発生する磁界の変化
を感磁性素子31が正確に検出することが可能になる。
【0018】支持部33を形成する磁性材料としては、
通常の軟磁性材料の他にソフトフェライトやパーマロイ
などの磁性粉を混入した樹脂を用いることができる。こ
のような樹脂を使用すれば、支持部33を任意の形状に
することが容易になる。
【0019】図3は回転検出部30の別の実施例を示
す。同図(a)は磁性材料で形成された支持部33を基
板32より突出させた場合を示す。これによってロータ
マグネット11の漏洩磁束が支持部33の突出部から内
部に流れ易くなるので、感磁性素子31が漏洩磁束から
受ける影響を防止して回転検出の精度を更に向上させる
ことが可能になる。
【0020】同図(b)は、基板32の背面側に磁性材
料で形成された磁路形成部39を取着もしくは蒸着した
場合を示す。この場合支持部33は非磁性材料で形成さ
れている。これによって、ロータマグネット11の漏洩
磁束が殆ど磁路形成部39を通過するようになるので、
感磁性素子31が漏洩磁束から受ける影響が殆どなくな
ってFGマグネット13の回転数を正確に検出すること
が可能になる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、面対向モ
ータの回転数を検出するための回転検出装置において、
FGマグネットの磁界の変化を検出する感磁性素子の背
面側にロータマグネットからの漏洩磁束の磁路を形成す
るための感磁性素子より透磁率の高い軟磁性体からなる
磁性板を配置したものである。
【0022】したがって、本発明によればロータマグネ
ットの漏洩磁束が殆ど磁性板を通過するようになるの
で、感磁性素子が漏洩磁束から受ける影響を防止するこ
とが可能になる。これによって、感磁性素子がFGマグ
ネットの磁界の変化を正確に検出することが可能になる
ので、モータの回転数を正確に検出することが可能にな
る。また回転検出装置を簡単に構成することが可能にな
るなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる回転検出装置を適用したキャプ
スタンモータの構成図である。
【図2】ロータマグネット11の漏洩磁束の流れを説明
する図である。
【図3】本発明にかかわる回転検出装置の別の実施例を
説明する図である。
【図4】一般的なキャプスタンモータ1の構成図であ
る。
【図5】従来のキャプスタンモータ1の断面図である。
【図6】ロータマグネット11及びFGマグネット13
の磁極を説明する図である。
【図7】感磁性素子の一例を説明する図である。
【図8】回転検出回路38の等価回路を説明する図であ
る。
【図9】回転検出回路38の出力信号P1,P2の波形
図である。
【図10】従来のキャプスタンモータ1におけるロータ
マグネット11の漏洩磁束の流れを説明する図である。
【符号の説明】
1 キャプスタンモータ 11 ロータマグネット 13 FGマグネット 14 回転軸 21 底板 22 軸受け部 23 励磁コイル 31 感磁性素子 32 基板 33 支持部 38 回転検出回路 39 磁路形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 G01D 5/245 G01P 3/487 H02K 11/00 H02K 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面対向モータのロータマグネットの外周
    側に取り付けられ、外周面に沿って複数の磁極を有する
    回転検出用のFGマグネットと、 上記FGマグネットの回転によって発生する磁界の変化
    を検出するための感磁性素子と、 上記感磁性素子を保持する基板と、 上記基板を上記面対向モータのステータに取り付けるた
    めの支持部とを有する回転検出装置において、 上記ロータマグネットの漏洩磁束の磁路を形成するため
    、上記感磁性素子より透磁率の高い軟磁性体からなる
    磁性板が上記基板の背後に配置されていることを特徴と
    する回転検出装置。
  2. 【請求項2】 上記磁性板は上記支持部であることを特
    徴とする請求項1記載の回転検出装置。
  3. 【請求項3】 上記磁性板は上記基板の背面側に取着も
    しくは蒸着されていることを特徴とする請求項1記載の
    回転検出装置。
  4. 【請求項4】 上記磁性板は上記基板より突出している
    ことを特徴とする請求項1記載の回転検出装置。
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