JP3281187B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP3281187B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、資源的に豊富な原材
料を使用して安価な高エネルギー密度の非水電解液二次
電池を得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の排ガスが地球環境破壊の大きな
原因の一つに考えられ、1998年から米カリフォルニ
ア州で新しい排ガス規制法案が始まる予定である。この
規制では自動車メーカーごとに総販売台数の2%を排ガ
スを全く出さない電気自動車等にすることを義務ずけて
いる。電気自動車を構成する主要な技術の一つは二次電
池であり、二次電池の性能が自動車の基本性能、すなわ
ち加速性能や1回の充電での走行距離を決めてしまうの
で、大型の高性能な二次電池の早急な開発が求められて
いる。一方非水電解液二次電池は軽いことが特徴で、高
性能二次電池の実現を目指して古くからその実用化が試
みられてきたが、なかなか実現しなかった。しかしよう
やく最近になって、カーボンへのリチウムイオンの出入
りを利用するカーボン電極を負極とする非水電解液二次
電池が開発され、一挙に非水電解液二次電池も実用化の
段階に入った。この電池は本発明者等によってリチウム
イオン二次電池と名付けて、1990年(雑誌Prog
ress in Batteries & Solar
Cells,Vol.9、P.209)に初めて世の
中に紹介されたもので、代表的には正極活物質材料にL
iCoOを用い、負極にはリチウムをドープ/脱ドー
プ可能な炭素材料が使用され、充電状態では4V以上の
高い電池電圧を示すことが大きな特徴である。現在では
電池業界や学会でもリチウムイオン二次電池の呼び名で
認知され次世代の二次電池と言われて注目を集めてい
る。実際、240Wh/l程のエネルギー密度を持つリ
チウムイオン二次電池は既にビデオカメラや携帯電話等
の電源として実用され始めている。既存のニッケルカド
ミウム電池のエネルギー密度は100〜150Wh/l
であり、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度は既
存の電池のそれをはるかに上回るものである。しかし、
電気自動車用の電池としてはまず候補から外さざるを得
ない。現在のリチウムイオン二次電池は正極材料に高価
なコバルトを使用し、負極材料には特殊な乱造構造を有
した擬黒鉛材料を使用しているため原材料費が非常に高
く、特にコバルトは到底電気自動車などの大型電池を賄
うには資源的にも無理である。これまではリチウムイオ
ン二次電池のカーボン負極に適した炭素質材料として
は、種々の有機化合物の熱分解、又は焼成炭化により得
られる炭素材料であって、その炭素材料の調整には熱履
歴温度条件が重要と言われ、あまり熱履歴温度が低いと
炭化が充分でなく、少なくとも800℃以上であると言
われ、又熱履歴温度の上限が更に重要で、2400℃以
上の温度では結晶成長が進み過ぎ、電池特性が著しく損
なわれると言われていた。つまり、性能の良い炭素材料
はある程度の乱造構造を有した擬黒鉛材料であると考え
られ、高結晶性の黒鉛材料は黒鉛表面で電解液が分解
し、リチウムイオンのインターカレーション反応は進み
にくいと報告されていた。ところが極最近の研究成果
は、適切な電解液を選べば、むしろ2400℃以上で熱
処理された、より黒鉛化の進んだ炭素材料、もしくは黒
鉛そのものを負極炭素材料として用いる方が、より平坦
で、高い放電電圧を持つリチウムイオン二次電池と成る
ことが判ってきた(公開特平4−115457)。した
がつて負極の炭素材料については安価な黒鉛が利用でき
る見通しである。一方正極では資源的に豊富な材料とし
て、クラーク数0.46(第10位)チタンやクラーク
数0.09(第12番目)のマンガンが注目される。特
にチタンはその利用できる資源量においてはマンガン、
クロム、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、水銀、スズの総資源
量の約4倍とも言われ、電気自動車用電池の電池材料と
してもっともふさわしい材料である。従って、負極材料
として安価な黒鉛を使用し、正極材料としても資源的に
豊富なチタンを主たる電極材料として高エネルギー密度
の非水電解液二次電が実現できれば、電気自動車の実現
性も大きく前進することになる。しかし、これまで種々
のチタン化合物(TiO、TiS,TiSe等)
が電池材料として多くの人達によって研究されてきた
が、まだチタン含有化合物の中からは実用できそうな正
極材料は見いだされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は資源的に豊富
なチタンを主成分とする化合物を電極材料とする安価な
非水電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題解決の手段は、正極
の活物質材料にリチウム含有チタンマンガン複合酸物を
使用する。
【0005】
【作用】LiM(但しMはTiまたはMn)で示
されるスピネル系リチウム含有複合酸化物はリチウムイ
オンを含む有機電解液中で下記(1)式のようにリチウ
ムイオンの脱ドープ/ドープを伴った電気化学的酸化還
元が可逆的に可能である。 本発明で使用する正極活物質材料はリチウム化合物、チ
タン酸化物およびマンガン酸化物の所定量混合物を50
0℃以上の温度で焼成して合成されるものであって、組
成式LiTiMnO(但し、0.25<A≦0.
28、0.25<Y≦0.31、0.16≦Z<0.2
5)で示されるリチウム含有チタンマンガン複合酸化物
であり、Li1+α2−α(但し0≦α≦0.3
3、MはTiとMnの混合元素)で示されるスピネル系
リチウム含有金属酸化物の一種と考えられる。Li
MnOを正極活物質とし、黒鉛質炭素材料を負極
活物質として非水電解液二次電池を構成すると、充電で
は正極活物質はリチウムイオンが脱ドープされLi
A−XTiMnO(0<x<0.28)となり、負
極では活物質炭素中にリチウムイオンがドープされて蓄
電され、充分充電されれば3V以上の電圧で放電するこ
とができる。放電では負極活物質からリチウムイオンが
脱ドープされて正極活物質へ戻る。上記正極および負極
におけるリチウムイオンの脱ドープ(正極)、ドープ
(負極)およびドープ(正極)、脱ドープ(負極)は可
逆的に何回も繰り返して行われるので、安価な材料で長
寿命の非水電解液二次電池が実現する。
【0006】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0007】まず正極活物質とするリチウム含有チタン
マンガン複合酸化物LiTiMnOを次のように
して合成した。酸化チタン(IV)を水素と塩化チタン
(IV)の混合気で還元してTiを得た。次に得
られたTiに市販のMnCOとLiCO
表1にしたがって混合モル比を変えて混合し、その混合
物を空気中950℃で約16時間焼成し、正極活物質と
するリチウム含有チタンマンガン複合酸化物(B)〜
(I)を用意した。リチウム含有チタンマンガン複合酸
化物(B)〜(I)は組成式LiTiMnOで示
される複合酸化物であって、組成式におけるA、Y、Z
はそれぞれTiとMnCOとLiCOの混
合比によって異なり、焼成物の組成式は表2に示した通
りである。
【0008】電池の作成 図1を参照しながら本発明の具体的な電池について説明
する。合成した上記リチウム含有マンガンチタン複合酸
化物(B)〜(I)はそれ ぞれその91重量部をカーボンブラックの5重量部およ
び結合剤としてポリフッ化ビニリデン4重量部とともに
溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合して
スラリー(ペースト状)にする。次に、このスラリーを
集電体となる厚さ0.02mmのアルミニウム箔の片面
に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加圧成型し
て、シート状の電極を得た。このシート状電極は直径1
5.0mmの円板に打ち抜いて、コイン型電池のための
正極(2)を作り、真空乾燥器中で、温度100℃で1
2時間乾燥した。リチウム含有チタンマンガン複合酸化
物(B)を活物質として正極(2b)を作成し、同様に
して各複合酸化物から対応する各正極を作成し、正極
(2b)〜(2i)まで8種類の正極を用意した。
【0009】続いて負極を次のようにして用意した。2
800℃で熱処理を施したメソカーボンマイクロビーズ
(d002=3.37Å)の88重量部にアセチレンブ
ラック2重量部と結着剤としてポリフッ化ビニリデン
(PVDF)10重量部を加え、溶剤であるN−メチル
−2−ピロリドンと湿式混合してスラリー(ペ−スト
状)にした。そしてこの負極合剤スラリーを厚さ0.0
2mmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後ローラープ
レス機で加圧成型して、シート状のカーボン電極を得
た。このシート状カーボン電極を直径15.5mmの円
板に打ち抜き、コイン型電池のための負極(1)を作
り、真空乾燥器中で、温度100℃で12時間乾燥し
た。
【0010】図1に示すように、電池缶(4)の底にア
ルミニウム箔(10)を敷き、ガスケット(6)を設置
し、用意した8種類の正極(2b)〜(2i)のそれぞ
れとは,何れも同じ仕様で作成した負極(1)とを間に
多孔質ホリプロピレン製セパレータ(3)を挟んで活物
質層を対向して重ね合わせ、電池缶(4)の中央に収容
し、電池缶の中にはエチレンカーボネイト(EC)とジ
エチルカーボネート(DEC)の体積比2:8の混合溶
媒に1.5モル/lのLiPFを溶解した電解液を注
入する。その後電極押さえ板(7)を設置し、電池蓋体
(5)を重ね、電池缶と電池蓋体はガスケットを介して
かしめることによって、封口密閉して電池(B)〜
(I)を作成した。電池(B)〜(I)はそれぞれ使用
した正極活物質がリチウム含有チタンマンガン複合酸化
物(B)〜(I)に対応するものである。
【0011】テスト結果 こうして作成した電池(B)〜(I)は、いずれも電池
内部の安定化を目的に12時間のエージング期間を経過
させた後、第1回目の充放電を行った。充電上限電圧は
4.2Vに設定し、いずれも8時間の充電を行い、放電
は全ての電池について0.5mAの定電流放電にて終止
電圧2.0Vまで行った。各電池の放電カーブを図2に
示す。図2に示されるように、何れの電池も3.5V以
上の電圧で放電することが可能である。正極活物質であ
るリチウム含有チタンマンガン複合酸化物がその組成式
LiTiMnOのAおよびYが増えるにつれ、ま
たZが減少するにつれ放電容量は減少する。したがって
実用的な電池作成にはLiTiMnOの合成にお
いて、A≦0.28、Y≦0.31、0.16≦Zとす
ることが望ましいことが判った。
【0012】その後電池は常温で充放電サイクル試験を
行った。充電電流は2mAで、充電上限電圧は4.2V
に設定して4時間の充電を行い、放電は2mAの定電流
放電にて終止電圧2.0Vまで行って充放電を繰り返し
た。各電池の充放電サイクル特性は図3に示した通りで
ある。実施例の電池のように負極活物質として黒鉛質炭
素材料を使用し、リチウム含有チタンマンガン複合酸化
物(LiTiMnO)を正極活物質とする電池
は、充電では正極活物質からリチウムイオンが脱ドープ
され、LiTiMnOはLiA−XTiMn
Oとなり、負極活物質中にはリチウムイオンがドープさ
れて蓄電され、充分充電されれば3.5V以上の電圧で
放電することができる。放電では負極活物質からリチウ
ムイオンが脱ドープされて正極活物質へ戻る。この充放
電における正極と負極でのリチウムイオンの脱ドープ
(正極)、ドープ(負極)およびドープ(正極)、脱ド
ープ(負極)は可逆的に何回も繰り返して行われるの
で、図3に示したように、本発明の実施例の電池(C)
〜(H)は何れも100回以上の充放電サイクル経過後
も初期の容量の80%以上を維持する優秀な非水電解液
二次電池である。
【0013】しかし実施例で正極材料としてリチウム含
有チタンマンガン酸化物(B)を使用して作成した電池
(B)では、初期の容量としては試作電池中最高の容量
を示していたが30サイクル以降急激に容量が減り始
め、50サイクルでは初期容量の半分以下になってしま
った。したがって充分なサイクル特性が要求される用途
には不適切であり、正極活物質とするリチウム含有チタ
ンマンガン複合酸化物(LiTiMnO)の合成
において、0.25<A、0.25<Y、Z<0.25
とすることが望ましいことが判った。したがって結局正
極活物質とするリチウム含有チタンマンガン複合酸化物
は組成式LiTiMnOにおいて0.25<A≦
0.28、0.25<Y≦0.31、0.16≦Z<
0.25であることが望ましい。
【0014】しかし本発明は基本的な組成式としてLi
TiMnO(但し、0.25<A≦0.28、
0.25<Y≦0.31、0.16≦Z<0.25)で
示されるリチウム含有チタンマンガン複合酸化物を正極
活物質とするものであるが、LiTiMnOはL
1+α2−α(但し0≦α≦0.33、MはT
iとMnの混合元素)で示されるスピネル系リチウム含
有金属酸化物の一種と考えられ、非水電解液二次電池の
正極活物質として既に検討されているスピネル系リチウ
ムマンガン酸化物(LiMn)と類似するもので
ある。LiMnのこれまでの検討では、LiMn
のMnイオンの一部を他の元素(Co、Ni、F
e、Cr等)で置換することでサイクル特性が改善され
ることが公知であり、本発明におけるリチウム含有チタ
ンマンガン複合酸化物もTiおよびMnイオンの一部を
他の元素(Co、Ni、Fe、Cr等)で置換すること
は可能であり、他の元素(M)で置換したLiTi
Y−αMnZ−βα+βOも本発明と変わるものでは
ない。
【0015】実施例においては正極活物質とするLi
TiMnOの合成において、金属チタン粉末と炭酸
リチウムとMnを出発原料として使用したが、他
のチタン化合物やリチウム化合物およびマンガン化合物
を出発原料として合成することも可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明はリチウム含有マンガンチタン複
合酸化物(LiTiMnO)を正極活物質とする
二次電池を提供するものであって、例えば黒鉛質炭素材
料を負極活物質として非水電解液二次電池を構成するこ
とができる。この場合充電では正極活物質はリチウムイ
オンが脱ドープされLiA−XTiMnO(0<
X)となり、負極活物質中にリチウムイオンがドープさ
れて蓄電され、充分充電されれば3V以上の電圧で放電
することができる。放電では負極活物質からリチウムイ
オンが脱ドープされて正極活物質へ戻る。正極および負
極における上記リチウムイオンの脱ドープ/ドープは可
逆的に何回も繰り返して行われるので、安価な材料で長
寿命の非水電解液二次電池が実現する。その結果、資源
的に豊富な材料で安価な二次電池が提供できるようにな
り、電気自動車や電力貯蔵用の二次電池の実現も可能と
するものであり、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるコイン型電池の構造を示した模
式的断面図
【図2】試作電池の放電カーブ
【図3】試作電池の充放電サイクル特性
【符号の説明】 1は負極、2は正極、3はセパレータ、4は電池缶、5
は電池蓋体、6はガスケット、7は電極押さえ板、8は
負極集電体、9は正極集電体、10はアルミニウム箔で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/36 - 4/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極とリチウムイオンを含む非水電
    解液を有する二次電池において、前記正極の活物質材料
    が、組成式LiO(但し、Tはチタンを主と
    する元素であり、Mはマンガンを主とする元素であって
    0.25<A≦0.28、0.25<Y≦0.31、
    0.16≦Z<0.25)で示されるリチウム含有チタ
    ンマンガン複合酸化物であることを特徴とする非水電解
    液二次電池。
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