JP3166804B2 - ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体 - Google Patents
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体Info
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Description
オルガノシロキサン共重合体に関する。詳しくは、難燃
性,耐衝撃性,透明性および離型性に優れたポリカーボ
ネート−ポリオルガノシロキサン共重合体に関するもの
である。
来、難燃性を有するハロゲン含有共重合ポリカーボネー
トとしては、様々なものが提案されている。例えば、特
公昭46−40715号公報、特公昭47−24660
号公報〔テトラブロモビスフェノールA(TBA)とビ
スフェノールA(BPA)との共重合体〕、特開昭51
−123294号公報〔テトラブロモビスフェノールス
ルホン(TBS)とBPAとの共重合体〕、特開昭51
−136796号公報〔ハロゲン化ビスフェノールの統
計的混合物とBPAとの共重合体〕、特開昭52−14
0597号公報、特開昭54−50065号公報〔チオ
ジフェノール(TDP)とBPAとの共重合体とテトラ
ブロモビスフェノールA(TBA)とビスフェノールA
(BPA)との共重合体とのブレンド〕、特開昭56−
99226号公報〔テトラブロモチオジフェノール(T
BTDP)とBPAとの共重合体〕などが知られてい
る。これらの共重合体は、難燃性を付与するのに必要な
ハロゲン量を含有させるために、ビスフェノール類のベ
ンゼン核にハロゲンを置換したハロゲン化ビスフェノー
ル類を共重合させたものである。しかし、いずれも、こ
れらのハロゲン化ビスフェノール類を比較的多量に用い
なければならず、それに伴って、該ポリカーボネートの
機械的強度(特に耐衝撃強度)を犠牲にしなければなら
ないという問題がある。その他のハロゲン含有ポリカー
ボネートとしては、特公昭46−40715号公報〔末
端停止剤としてハロゲン化フェノールを用いたもの〕も
知られている。しかしながら、この場合も難燃性と機械
的強度の両者を付与することはできない。以上のような
欠点を改良する方法として、末端停止剤としてポリハロ
ゲノフェノールを用い、BPAとハロゲン化ビスフェノ
ールとを共重合させる方法〔例えば、特開昭64−79
227号公報、特開昭64−79228号公報、特開平
3−200833号公報等〕が知られており、これらの
方法では、難燃性と耐衝撃強度を同時に付与することは
できる。本発明者らは、さらに研究を進めた結果、末端
停止剤として、実質的にハロゲンを含まない非ハロゲノ
フェノールを用い、BPA,ハロゲン化ビスフェノール
及びポリオルガノシロキサンを共重合させることによっ
て、優れた難燃性及び耐衝撃性を発現させることに成功
した。
して、非ハロゲノフェノールを用い、特定のポリカーボ
ネート重合体および特定のポリオルガノシロキサン重合
体からなるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン
共重合体が、目的とする特性を有するものであることを
見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したもので
ある。
式(I)
1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基
を示し、それぞれ同じであっても異なるものであっても
よく、m及びnは、それぞれ0〜4の整数である。Z
は、単結合,炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキル
デン基,炭素数5〜20のシクロアルキレン基,シクロ
アルキリデン基,フルオレニリデン基,又は−O−,−
S−,−SO−,−SO2−もしくは−CO−結合を示
す。〕で表される繰返し単位(A)、(b)一般式(II)
原子を示す。Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレン
基又はアルキルデン基,炭素数5〜20のシクロアルキ
レン基,シクロアルキリデン基,フルオレニリデン基,
又は−O−,−S−,−SO−,−SO2 −又は−CO
−結合を示す。〕で表される繰返し単位(B)及び
(c)一般式(III)
子,炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示
し、それぞれ同じであっても異なるものであってもよ
い。また、R 7 及びR8 は、それぞれ脂肪族または芳香
族を含む有機残基を示し、Aは−O−,−NH−または
単結合を示す。jは1〜100の整数である。〕で表さ
れる構造単位(C)を有するとともに、一般式(IV)
基,炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20
のアリールアルキル基を示し、kは0〜5の整数であ
る。なお、kが複数のとき、複数のR9 はそれぞれ同じ
であっても異なるものであってもよい。〕で表される非
ハロゲノフェノキシ基の末端基(D)からなる共重合体
であり、かつ、主鎖中の繰返し単位(B)の含有量が、
繰返し単位(A)及び繰返し単位(B)の合計量に対し
て、1〜10モル%であるとともに、構造単位(C)の
含有量が、繰返し単位(A),繰返し単位(B)および
構造単位(C)の合計量に対して、0.01〜10重量%
であって、その粘度平均分子量が10,000〜50,00
0であることを特徴とするポリカーボネート−ポリオル
ガノシロキサン共重合体を提供するものである。
シロキサン共重合体(以下、PC−PDMS共重合体と
略す。)は、主鎖が、(a)成分である一般式(I)で
表される繰返し単位(A),(b)成分である一般式(I
I)で表される繰返し単位(B)および(c)成分である
一般式(III) で表される構造単位(C)を有するととも
に、一般式(IV)で表される非ハロゲノフェノキシ基の末
端基(D)からなるものである。ここで、一般式(I)
で表される繰返し単位(A)中のR1 及びR2 は、それ
ぞれ炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基,エ
チル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,ア
ミル基,イソアミル基,ヘキシル基など)または炭素数
6〜12のアリール基(例えば、フェニル基,トリル
基,キシリル基,ナフチル基など)を示し、それぞれ同
じであっても異なるものであってもよく、m及びnは、
それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは、単結合,
炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキリデン基(例え
ば、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン
基,ペンテリレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基など),炭素数5〜20のシクロアル
キレン基又はシクロアルキリデン基(例えば、シクロペ
ンチレン基,シクロヘキシレン基,シクロペンチリデン
基,シクロヘキシリデン基など),フルオレニリデン
基,又は−O−,−S−,−SO−,−SO2 −もしく
は−CO−結合を示す。ここで、上記フルオレニリデン
基は、式
繰返し単位(B)中のX1 〜X4 は、それぞれ臭素原
子,塩素原子,フッ素原子,ヨウ素原子等のハロゲン原
子を示す。このX1〜X4 は、それぞれ同じものであっ
ても異なるものであってもよいが、通常は同じものであ
る場合が多い。Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレ
ン基又はアルキリデン基(例えば、メチレン基,エチレ
ン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘ
キシレン基,エチリデン基,イソプロピリデン基な
ど),炭素数5〜20のシクロアルキレン基又はシクロ
アルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロ
ヘキシレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリ
デン基など),フルオレニリデン基,又は−O−,−S
−,−SO−,−SO2 −もしくは−CO−結合を示
す。更に、一般式(III) で表される構造単位(C)中の
R3 〜R6 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜6のアル
キル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソアミル基,
ヘキシル基など)またはフェニル基を示す。このR3 〜
R6 は、それぞれ同じであっても異なるものであっても
よい。また、R7 及びR8 は、それぞれ脂肪族または芳
香族を含む有機残基を示し、Aは−O−,−NH−また
は単結合を示し、jは1〜100、好ましくは5〜50
の整数である。jが100を超えると、得られるPC−
PDMS共重合耐の透明性が低下し好ましくない。そし
て、このPC−PDMS共重合体は、分子の末端位、特
に、両末端位に一般式(IV)で表される末端基(D)、す
なわち非ハロゲノフェノキシ基(つまり、置換基として
ハロゲン原子を含まないフェノキシ基)が結合してい
る。この一般式(IV)で表される末端基(D)中のR
9 は、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,ヘキシル基,オクチル
基,ノニル基,tert−ブチル基,tert−アミル基,tert
−オクチル基など),炭素数6〜20のアリール基(例
えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基
など)または炭素数7〜20のアリールアルキル基(例
えば、ベンジル基,フェネチル基,9−アントリルメチ
ル基,α,α−ジメチルベンジル基など)を示し、kは
0〜5の整数である。なお、kが複数のとき、複数のR
9 はそれぞれ同じであっても異なるものであってもよ
い。このPC−PDMS共重合体は、上記繰返し単位
(A),(B)及び構造単位(C)を有し、かつ末端位
置(好ましくは両末端位置)に末端基(D)の非ハロゲ
ノフェノキシ基が結合した構成であり、これら繰返し単
位(A),(B)及び構造単位(C)のランダム共重合
体,ブロック共重合体,交互共重合体など様々なものが
ある。
(b)成分である一般式(II)で表される繰返し単位
(B)の割合は、繰返し単位(A)と繰返し単位(B)
の合計量に対して、1〜10モル%で、好ましくは4〜
9モル%である。繰返し単位(B)の割合が、1モル%
未満では、難燃性の向上効果がみられない。また、10
モル%を超えると、耐衝撃性などの機械的強度が低下す
る。それとともに、(c)成分である一般式(III) で表
される構造単位(C)の割合が、繰返し単位(A),繰
返し単位(B)および構造単位(C)の合計量に対し
て、0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜8重量%
である。構造単位(C)の割合が、0.01重量%未満で
は、耐衝撃性などの機械的強度が低下すると共に、優れ
た難燃性が発現しない。また、10重量%を超えると、
耐熱性が低下し好ましくない。そして、その粘度平均分
子量は10,000〜50,000、好ましくは12,000
〜40,000である。粘度平均分子量が10,000未満
では、耐衝撃性などの機械的強度が低下する。また、5
0,000を超えると、流動性が低下し、成形性が悪くな
り好ましくない。また、このPC−PDMS共重合体中
のハロゲン原子の含有率は、通常は4重量%以上、好ま
しくは4.5重量%以上であることが望ましい。
的な好ましい製造方法としては、例えば、以下の方法が
挙げられるが、これに制限されるものではない。(図1
のPC−PDMS共重合体の製造フローを参照) 初めに、塩化メチレンなどの溶剤中で、必要に応じて公
知の酸受容体、分子量調節剤の存在下、下記一般式
(V)
と同じである。〕で表されるビスフェノール類とホスゲ
ンとを反応させて、反応系内のホスゲンを実質的にすべ
て反応させてポリカーボネートオリゴマー(以下、PC
オリゴマーと略す。)を製造する。このPCオリゴマー
は、上記重縮合反応において、ビスフェノール類とホス
ゲンとの反応によって構成される一般式(I)で表され
る繰返し単位(A)を有する。すなわち、この一般式
(I)で表される繰返し単位(A)を有するPCオリゴ
マーは、ビスフェノール類100に対して、ホスゲン1
10〜150のモル比で反応させる。通常、この反応
は、ビスフェノール類はアルカリ水溶液で添加し、塩化
メチレン,クロロベンゼン,クロロホルム,四塩化炭素
などの溶剤ならびに必要に応じてトリエチルアミンやト
リメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの触媒と
を所定量比で混合撹拌し、これにホスゲンを吹込んで1
〜3時間、反応温度30〜70℃で界面重縮合反応を進
めることによって製造することができる。このときに反
応系は発熱するので水冷もしくは氷冷することが好まし
い。また、反応の進行に伴なって反応系は酸性側に移行
するので、pH計で測定しながらアルカリ化合物を添加
して、pHを10以上に保持することが好ましい。この
ようにして得られるPCオリゴマーは、平均分子量が2
000以下で、1〜10量体のものである。
べて反応させた後、一般式(I)で表される繰返し単位
(A)を有するPCオリゴマーに、下記一般式(VI)
ある。〕で表されるテトラハロゲノビスフェノール類の
アルカリ水溶液および下記一般式(VII)
る。〕で表される非ハロゲノフェノールのアルカリ水溶
液ならびにトリエチルアミンやトリメチルベンジルアン
モニウムクロライドなどの触媒とを所定量比で混合撹拌
して重合を行い、ポリカーボネート共重合オリゴマー
(以下、PC共重合オリゴマーと略す。)を製造する。
ここで、一般式(VII)で表される非ハロゲノフェノール
は、置換基として、ハロゲン原子を含まないものであ
る。このPC共重合オリゴマーは、PCオリゴマー中の
ビスフェノール単位100に対して、テトラハロゲノビ
スフェノール類1.2〜14及び非ハロゲノフェノール0.
3〜6.0のモル比で反応させることによって得られる。
得られるPC共重合オリゴマーは、上記反応において、
テトラハロゲノビスフェノール類との反応によって構成
される一般式(II)で表される繰返し単位(B)および前
記一般式(I)で表される繰返し単位(A)を有する。
ここで、前記一般式(V)で表されるビスフェノール類
としては、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカンとして、例えば、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン〔ビスフェノールF〕;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メ
タン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノール
A〕;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル−1−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,
2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン〔ビスフェノールB〕;1,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン;3,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;3,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;4,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)デカン等が挙げられる。
クロアルカンとしては、例えば、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロデカンなどが挙げられる。そして、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキ
シジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエ
ーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキ
シドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどのジヒドロキシ
ジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンなどのビスフェノールフルオレン、その
他チオビスフェノール、ビスフェノールZ、テトラブロ
モビスフェノールAなどが挙げられる。これらの中で
は、特に、ビスフェノールAが好適に用いられる。そし
て、これらのビスフェノール類は、それぞれ単独で用い
てもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ロゲノビスフェノール類としては、例えば、テトラブロ
モビスフェノールA,テトラクロロビスフェノールA,
テトラフルオロビスフェノールA,テトラヨードビスフ
ェノールA,テトラブロモビスフェノールF,テトラク
ロロビスフェノールF,テトラクロロビスフェノールB
等が挙げられ、特に、テトラブロモビスフェノールAが
好ましく用いられる。そして、前記一般式(VII)で表さ
れる非ハロゲノフェノールとしては、例えば、フェノー
ル,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチル
フェノール,p−クミルフェノール,p−ノニルフェノ
ール,p−tert−アミルフェノール等があげられる。さ
らに、上記触媒の他の例としては、トリブチルアミン,
テトラメチルアンモニウムクロライド,テトラエチルア
ンモニウムクロライド,テトラブチルアンモニウムクロ
ライド,トリメチルフェニルアンモニウムクロライド,
トリエチルフェニルアンモニウムクロライド,テトラブ
チルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、特に、前記
トリエチルアミンが好ましい。なお、アルカリ水溶液と
しては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナト
リウム等のアルカリ性化合物の水溶液を用いることがで
きる。
応終了後、静置分離または遠心分離によって水相と前記
PC共重合オリゴマーを含む有機相とに相分離させ、前
記PC共重合オリゴマーを含む有機相を取り出すか、ま
たは相分離させずに次工程に進めてもよい。上記反応混
合物またはこの分離された有機相に含まれるPC共重合
オリゴマーは、次いで、一般式(III) で表される構造単
位(C)に対応するポリオルガノシロキサン(PDM
S)とを実質的にアルカリ性化合物が存在しない条件下
で混合し、さらに、アルカリ性化合物の存在下、ビスフ
ェノール類を反応させることによってPC−PDMS共
重合体を製造することができる。ここで、構造単位
(C)に対応するポリオルガノシロキサンは、様々なも
のがあるが、好ましくは一般式(VIII)
ここで、R3 〜R6 は、それぞれ水素、炭素数1〜6の
アルキル基またはフェニル基を示し、それぞれ同じであ
っても異なるものであってもよい。また、1分子中にお
いて、j個のR3 及びj個のR4 は、それぞれ同じであ
っても異なるものであってもよい。そして、R7 及びR
8 は脂肪族または芳香族を含む有機残基を示し、Zは水
酸基,アミノ基,カルボキシル基,酸クロライドあるい
はフェノール性水酸基を示す。jは1〜100、好まし
くは5〜50の整数である。ここで、jが100を超え
ると、得られるPC−PDMS共重合体の透明性が低下
し好ましくない。PC−PDMS共重合体の製造にあた
り、上記のPDMSは、前記PC共重合オリゴマー(固
体量)100に対して、0.01〜14の重量比で、好ま
しくは0.02〜12の割合で反応させる。また、ビスフ
ェノール類は、PCオリゴマー中のビスフェノール単位
100に対して、ビスフェノール類10〜30モル比で
反応させる。なお、テトラハロゲノビスフェノール類,
非ハロゲノフェノール及びビスフェノール類は、アルカ
リの水溶液で添加され、また、PDMSはそのまま又は
塩化メチレン溶液で添加されるが、添加順序について
は、特に制限はない。但し、ビスフェノール類は、最後
に加えるのが望ましい。反応時間は、30分〜2時間、
反応温度は、20〜40℃である。
の繰り返し単位(A)及び(B)を有するPC共重合オ
リゴマーと前記の構造単位(C)に対応する上記のPD
MSとを実質的にアルカリ性化合物が存在しない条件下
で混合し、アルカリ性化合物及び触媒の存在下で反応さ
せ、その後ビスフェノール類と反応させることによって
製造される。すなわち、本発明のPC−PDMS共重合
体を製造するには、はじめに、PC共重合オリゴマーと
PDMSとを有機溶媒(例えば、塩化メチレン)を用
い、混合器において、実質的にアルカリ性化合物が存在
しない条件下で混合する。ここで、混合器としては、流
体を混合できるものであれば、特に制限はなく、縦型で
も横型でもよく、動的ミキサーでも静的ミキサーでもよ
い。また、オリフィスや遠心ポンプのようなものであっ
てもよい。動的ミキサーとしては、具体的には、例え
ば、マルチラインミキサー〔佐竹化学工業(株)製〕,
コマツスルーザディスインテグレーター〔小松ゼノア
(株)製〕,パイプラインホモミキサー〔特殊機化工業
(株)製〕などが挙げられる。また、静的ミキサーとし
ては、具体的には、例えば、ケニックス式スタティック
ミキサー,スルザー式スタティックミキサー,東レ式ス
タティックミキサーなどが挙げられる。
マーとPDMSとの混合物は、次いで、反応器におい
て、アルカリ性化合物及び触媒の存在下、ビスフェノー
ル類と反応させることによってPC−PDMS共重合体
の反応生成物を得ることができる。あるいは、この混合
器で混合されたPC共重合オリゴマーとPDMSとの混
合物は、次いで、反応器において、アルカリ性化合物及
び触媒の存在下で反応させ、PC−PDMS共重合体オ
リゴマーを生成させる。さらに、このPC−PDMS共
重合体オリゴマーをアルカリ性化合物及び触媒の存在
下、ビスフェノール類と反応させることによってPC−
PDMS共重合体の反応生成物を得ることもできる。こ
こで、ビスフェノール類には、その一部として、一般式
(VI)で表されるテトラハロゲノビスフェノール類を用い
ることができる。このPC共重合オリゴマーとPDMS
との反応によって得られるPC−PDMS共重合体の反
応生成物は、モル量ではPC共重合オリゴマーが過剰で
あるので、PDMSの両末端にPC共重合オリゴマーが
反応したPC−PDMS共重合オリゴマーとPC共重合
オリゴマーの混合物となっている。ここで、反応器とし
ては、流体を攪拌できるものであれば、特に制限はな
く、縦型でも横型でもよい。例えば、パイプラインホモ
ミキサー〔特殊機化工業(株)製〕がある。そして、こ
の反応器での反応温度は、0〜60℃、好ましくは10
〜50℃である。また、反応滞留時間は、1秒以上あれ
ばよい。
C−PDMS共重合オリゴマーを得るのに用いられるア
ルカリ性化合物としては、例えば、NaOH,KOHな
どがあげられる。このアルカリ性化合物は、PDMSの
末端基に対して、モル比で1〜20、好ましくは1.1〜
10添加される。アルカリ性化合物が1未満では、PC
共重合体オリゴマーとPDMSとの反応が完全に進行し
ないので好ましくない。また、アルカリ性化合物が20
を超えると、PC共重合オリゴマーのクロロホーメート
基の分解が多くなり、得られるPC−PDMS共重合体
の分子量が向上しないので好ましくない。
は第四級アンモニウム塩を用いることができる。具体的
には、例えば、第三級アミンとしては、トリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン等が挙げら
れる。また、第四級アンモニウム塩としては、例えば、
トリメチルベンジルアンモニウムクロライド,トリエチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。こ
の触媒の添加量は、PC共重合体オリゴマーのクロロホ
ーメート基に対して、モル比で1.0×10-4〜5.0×1
0-2、好ましくは5.0×10-4〜1.0×10 -2である。
添加量が1.0×10-4未満では、反応の進行が遅く、ま
た、5.0×10-2を超えると、添加量の割りにはその効
果は見られず、これを超えてまで添加する必要はない。
用いた成形物としては、PC−PDMS共重合体を単独
で、通常の成形方法でもって成形することによって得る
ことができる。また、例えば、PC−PDMS共重合
体,ガラス繊維及びボリカーボネート樹脂を主成分とす
るPC−PDMS共重合体組成物を調製し、成形するこ
とによっても得ることができる。すなわち、この場合、
PC−PDMS共重合体組成物は、通常、PC−PDM
S共重合体5〜95重量%、好ましくは10〜90重量
%、ガラス5〜60重量%、好ましくは10〜55重量
%及びポリカーボネート樹脂0〜90重量%、好ましく
は0〜85重量%の配合で調製される。ここで、このP
C−PDMS共重合体組成物の調製にあたって用いられ
るガラスとしては、様々な種類あるいは形態のものを充
当することができる。例えば、ガラス繊維,ガラスビー
ズ,ガラスフレーク,ガラスパウダー等を用いることが
でき、これらは単独でも二種以上を組み合わせて用いて
もよい。これらの中で、樹脂強化用に広く用いられてい
るガラス繊維は、含アルカリガラス,低アルカリガラ
ス,無アルカリガラスのいずれであってもよい。また、
その繊維長は0.1〜8mm、好ましくは0.3〜6mmであっ
て、繊維径は0.3〜30μm 、好ましくは0.5〜25μ
m である。そして、ガラス繊維の形態は、特に制限はな
く、例えばロービング,ミルドファイバー,チョップド
ストランド等各種のものが挙げられる。これらのガラス
繊維は単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、これらのガラス材は、樹脂との親和性を高める
ために、アミノシラン系,エポキシシラン系,ビニルシ
ラン系,メタクリルシラン系等のシラン系カップリング
剤、クロム錯化合物、ホウ素化合物等で表面処理された
ものであってもよい。
記の各成分及び必要に応じて用いられる各種添加成分を
配合し、混練する。該配合,混練は通常用いられている
方法、例えば、リボンブレンダー,ヘンシェルミキサ
ー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単軸スク
リュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸
スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができ
る。そして、混練に際しての加熱温度は、通常250〜
300℃の範囲で選ばれる。かくして得られたPC−P
DMS共重合体組成物は、既知の種々の成形方法、例え
ば、射出成形,中空成形,押出成形,圧縮成形,カレン
ダー成形,回転成形等を適用して自動車用ガラス,サン
ルーフなど自動車分野の成形品や家電分野の成形品を製
造することができる。なお、この組成物には、必要に応
じて、各種の添加剤,他の合成樹脂,エラストマー等を
配合することができる。また、無機充填剤などと混合し
て使用してもよい。例えば、各種の添加剤としては、ヒ
ンダードフェノール系,亜リン酸エステル系,リン酸エ
ステル系,アミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾー
ル系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系などの光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系
やパラフィン系等の外部滑剤、難燃剤、難燃助剤、離型
剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
ラハロゲノビスフェノール類によって充分な難燃性を有
する成形品を得ることができるが、さらに一層難燃性を
付与するのに用いられる難燃剤としては、適当な有機酸
または無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩、及びハロゲン含有化合物が挙げられる。ここで、好
ましい無機アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩,カ
リウム塩,リチウム塩などが挙げられる。また、無機ア
ルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩,マグネシウム
塩などが挙げられる。また、無機アルカリ金属塩または
無機アルカリ土類金属塩を得る際に用いられる無機酸と
しては、H3 AlF6 ,H3BF6 ,H3 SbF6 ,H
2 TiF6 ,H2 SiF6 ,H3 PO4 ,H2 Zr
F 6 ,H2 WF6 ,HBF4 等が挙げられる。好ましい
無機アルカリ金属塩または無機アルカリ土類金属塩とし
ては、Na3AlF6 ,Ca3(AlF6)2 が挙げられ
る。また、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類
金属塩を得る際に用いられる好ましい有機酸としては、
脂肪族スルホン酸,芳香族スルホン酸,芳香族カルボン
酸および脂肪族カルボン酸である。具体例としては、ト
リフルオロメタン−スルホン酸;パーフルオロブタンス
ルホン酸;パーフルオロオクタンスルホン酸;ドデカン
スルホン酸;ベンゼンスルホン酸;2,4,6−トリク
ロロベンゼンスルホン酸;ベンゼンジスルホン酸;ナフ
トールスルホン酸;カプリル酸;ラウリル酸;安息香
酸;ナフトールカルボン酸;2,4,6−トリブロモ安
息香酸等が挙げられる。好ましい有機アルカリ金属塩ま
たは有機アルカリ土類金属塩としては、パーフルオロブ
タンスルホン酸カリウム,パーフルオロブタンスルホン
酸カルシウムが挙げられる。また、ハロゲン含有化合物
としては、各種のものを用いることができる。その代表
的なものとしては、テトラハロゲノビスフェノール類
を含有する低分子量ポリカーボネート,テトラハロゲ
ノビスフェノール類を含有するエポキシ樹脂およびそ
の他のハロゲン系難燃剤をあげることができる。そのう
ち、特に上記,に属する難燃剤が好ましい。
ル類を含有する低分子量ポリカーボネートは、一般式
し、R10は炭素数2〜8のアルキレン基,炭素数1〜9
のアルキリデン基,カルボニル基,スルホン基,硫黄原
子あるいは酸素原子を示す。〕で表される繰返し単位
(X)をp個と、一般式
される繰返し単位(Y)をq個〔但し、pは1〜30の
整数,qは0〜30の整数を示し、p+q=1〜50
(特に3〜20)の整数である。〕から構成され、かつ
ハロゲン含有量30重量%以上の低分子量ポリカーボネ
ート(ポリカーボネートオリゴマー)で表されるもので
ある。ここで、繰返し単位(X)を構成するハロゲン含
有ビスフェノール化合物としては、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル) メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が用いられ、
特に、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン〔通称テトラブロモビスフェノー
ルA〕が有効である。また、繰返し単位(Y)を構成す
るビスフェノール化合物としては、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が
用いられ、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕が有効である。
を含有するエポキシ樹脂は、一般式
水素原子,メチル基,エポキシプロピル基,フェニル
基,2−ヒドロキシプロピル基あるいは酸素原子を示
し、X9 〜X12はハロゲン原子を示し、r は1〜30の
整数を示す。〕で表され、かつハロゲン含有量30重量
%以上の重合体である。
は、例えばテトラブロモベンゼン;テトラクロロベンゼ
ン;ヘキサブロモベンゼン;ヘキサクロロベンゼン;ヘ
キサブロモビフェニル;オクタブロモビフェニル;2,
2' −ジクロロビフェニル;2,4'−ジブロモビフェ
ニル;2,4' −ジクロロビフェニル;ヘキサブロモビ
フェニル;トリフェニルクロライド;テトラクロロフタ
ル酸;テトラクロロフタル酸アンヒドリド;テトラブロ
モフタル酸;テトラブロモフタル酸無水物;トリブロモ
フェノールおよびその他公知のハロゲン化芳香族化合物
があり、また2,2−ビス(3,5−ジクロロフェニ
ル)プロパン;ビス(2−クロロフェニル)メタン;ビ
ス(2,6−ジブロモフェニル)メタン;1,2−ビス
(2,6−ジクロロフェニル)エタン;1,1−ビス
(2−クロロ−4−メチルフェニル)エタン;1,1−
ビス(3,5−ジクロロフェニル)エタン;2,2−ビ
ス(3−フェニル−4−ブロモフェニル)エタン;2,
3−ビス(4,6−ジクロロナフチル)プロパン;2,
2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)ペンタン;2,
2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)ヘキサン;ビス
(4−クロロフェニル)メタン;ビス(3,5−ジクロ
ロフェニル)シクロヘキシルメタン;ビス(3−ニトロ
−4−ブロモフェニル)エタン;ビス(4−ヒドロキシ
−2,6−ジクロロ−3−メトキシフェニル)メタン;
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル) プ
ロパンジグリシジルエーテル等のジ芳香族類がある。更
にハロゲン化ジフェニルエーテル類、特にハロゲン原子
を2〜10個含有するものが好ましく、例えばデカブロ
モジフェニルエーテル,オクタブロモジフェニルエーテ
ル,ヘキサブロモジフェニルエーテル,ペンタブロモジ
フェニルエーテル,テトラブロモジフェニルエーテル,
トリブロモジフェニルエーテル,ジブロモジフェニルエ
ーテル,ヘキサクロロジフェニルエーテル,ペンタクロ
ロジフェニルエーテル,テトラクロロジフェニルエーテ
ル,トリクロロジフェニルエーテル,ジクロロジフェニ
ルエーテル等がある。
により、詳しく説明する。 製造例1−1 〔PCオリゴマーAの製造〕400リットルの5重量%
水酸化ナトリウム水溶液に60kgのビスフェノールA
を溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液
を調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノー
ルAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間
の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の
流量で、内径10mm,管長10mの管型反応器にオリ
フィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して1
0.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応
させた。ここで用いた管型反応器は二重管となってお
り、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温
度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11
を示すように調整した。このようにして得られた反応液
を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチ
レン相(220リットル)を採取して、これにさらに塩
化メチレン170リットルを加え、十分に攪拌したもの
をPCオリゴマーA(濃度317g/リットル)とし
た。ここで得られたPCオリゴマーAの重合度は2〜4
であり、クロロホーメート基の濃度は0.7Nであった。
g(9.96モル)を2.0N水酸化ナトリウム水溶液14
リットルに溶解し、内容積50リットルの攪拌機付き容
器に入れ、塩化メチレン8.25リットルを加え攪拌し
(50rpm)、冷却しながらホスゲンを毎分0.2モル
の流量で70分間吹き込んで反応を行った。ホスゲンの
吹き込みを停止してからさらに30分間攪拌を続けた。
その後、テトラブロモビスフェノールA312g(0.5
74モル)、p−tert−ブチルフェノール68g(0.4
53モル)を水酸化ナトリウム(NaOH:78.6g、
水:1.35リットル)に溶解させたものを、攪拌を続け
たまま加え、トリエチルアミン1.8cc添加し、450
rpmで60分間反応させた。反応後、約30分間静置
させ、水相を分離し有機相を得た。これをPCオリゴマ
ーB(濃度:496g/リットル、クロロホーメート基
濃度:0.48モル/リットル)とした。
ルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3-テトラメ
チルジシロキサン及び35gの86%硫酸を混ぜ、室温
で17時間攪拌した。その後オイル相を分離し、25g
の炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。濾過した
後、150℃,3torrで真空蒸留し、低沸点物を除きオ
イルを得た。60gの2−アリルフェノールと0.001
4gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナと
の混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃の
温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温度に
保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで抽
出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2
−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで溶剤を
留去した。得られた末端フェノールPDMSは、NMR
の測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返しは
30であった。
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの量を18.1gに変
えた以外は、製造例2−1と同様に操作した。得られた
末端フェノールPDMSは、NMRの測定により、ジメ
チルシラノオキシ単位の繰り返しは150であった。
ルの攪拌機付き容器に、PCオリゴマーA10リットル
(ビスフェノールA単位11.6モル)に反応性PDMS
−A8g及びp−tert−ブチルフェノール77g(0.5
1モル)を溶解させたものと、テトラブロモビスフェノ
ールA413g(0.76モル)を水酸化ナトリウム水溶
液(NaOH:110g、水:1.35リットル)に溶解
させたものを混合し、トリエチルアミン2.9ccを加
え、60分間300rpmで攪拌、反応させた。反応終
了後、上記反応系にビスフェノールA500gを水酸化
ナトリウム水溶液(NaOH:290g、水:3.42リ
ットル)に溶解させたものを混合し、塩化メチレン6.1
リットルを加え、60分間450rpmで攪拌、反応さ
せた。反応後、有機相と水相を分離し、有機相をアルカ
リ(0.01N−NaOH)、酸(0.1N−HCl)、水
の順に洗浄、分離した。塩化メチレンを除きフレーク状
のポリマーを得た。
て、テトラブロモビスフェノールA413gを578g
(1.06モル)に変えた他は、実施例1と同様にして、
フレーク状のポリマーを得た。
て、テトラブロモビスフェノール413gを743g
(1.37モル)に変え、水酸化ナトリウム水溶液(Na
OH:220g、水:2.70リットル)に溶解させた他
は、実施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得
た。
フローで製造例1−2で得られたPCオリゴマーBと製
造例2−1で得られた反応性PDMS−Aを反応させ
た。すなわち、PCオリゴマーB、反応性PDMS−A
の塩化メチレンの5重量%溶液、1重量%トリエチルア
ミン(TEA)水溶液及び25重量%水酸化ナトリウム
(NaOH)水溶液をそれぞれ用いた。それぞれの流量
は、PCオリゴマーB:13リットル/時間、反応性P
DMS−A:4リットル/時間、TEA:0.3リットル
/時間、NaOH:0.23リットル/時間とした。混合
器,反応器ともにパイプラインホモミキサー〔特殊機化
工業(株)製,2SL型:内容積0.3リットル、第1タ
ービン翼の直径42.5mm、第2タービン翼の直径48
mm〕を用い、混合器は500rpm、反応器は3,00
0rpmで回転させた。また、メイン配管(PCオリゴ
マー用のライン)は内径16mmのものを用いた。TE
Aは混合器から60cmの所に投入し、NaOHは混合
器から80cmの所に投入した。反応器の温度は25〜
30℃であった。得られた反応物(PC−PDMS共重
合体オリゴマーを含有)を静置、分離し有機相330c
cを1リットルのバッチ式反応器に移し、塩化メチレン
120cc及びp−tert−ブチルフェノール2.2gを加
え、攪拌し均一とした。これにビスフェノールAのアル
カリ水溶液(ビスフェノールA:19g,水酸化ナトリ
ウム:11g,水:130cc)を加え、500rpm
で1時間反応させた。反応後、7リットルの洗浄槽に移
し、塩化メチレン400cc、水400ccを加え、有
機相と水相を分離した。分離後、有機相をアルカリ(0.
01N−NaOH)洗浄、酸(0.1N−HCl)洗浄、
水洗浄し、その後塩化メチレンを除き、PC−PDMS
共重合体のフレークを得た。
て、反応性PDMS−A8gを40gに変えた他は、実
施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
て、反応性PDMS−A8gを160gに変えた他は、
実施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
て、反応性PDMS−A8gを4gに変えた他は、実施
例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
て、p−tert−ブチルフェノール77gの代わりに、p
−クミルフェノール115g(0.51モル)を用いた他
は、他は、実施例1と同様にして、フレーク状のポリマ
ーを得た。
て、反応性PDMS−Aを用いなかった他は、実施例1
と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。 比較例2 〔PC−PDMS共重合体Jの製造〕実施例1におい
て、テトラブロモビスフェノールA413gを38g
(0.07モル)に変えた他は、実施例1と同様にして、
フレーク状のポリマーを得た。 比較例3 〔PC−PDMS共重合体Kの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−Aの代わりに、反応性PDMS−
Bを用いた他は、実施例1と同様にして、フレーク状の
ポリマーを得た。 比較例4 (PC−PDMS共重合体Lの製造)実施例1におい
て、反応性PDMS−A8gを0.2gに変えた他は、実
施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
たPC−PDMS共重合体A〜Lは、それぞれ120℃
で一昼夜乾燥後、280℃の押出機でペレット化し、2
80℃で成形した。なお、ペレットの作成にあたって、
PC−PDMS共重合体A,C,I,Jには、酸化防止
剤として、トリスノニルフェニルホスファイトを800
ppm 添加した。
たPC−PDMS共重合体A〜Lについては、その物性
評価として、粘度平均分子量,ガラス転移温度(Tg)
等を測定した。その結果を第1表に示す。
ルA残基の芳香族Hと7.43ppmに見られるTBA残
基の強度比から求めた。 *2:PDMS1 HNMRで7.1〜7.3ppmに見られるビスフェノー
ルA残基の芳香族H、7.43ppmに見られるTBA残
基の芳香族H及び0.11ppmに見られるPTBPのメ
チルHの強度比から求めた。 *3:Br含量(共重合体中の全Br含量) サンプルをアルカリ分解してホルハルト法にて分析した
ものである。 *4:粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求めた
後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 *5:Tg DSC(Differential scanning calorimeter) で測定し
た。
で得られたPC−PDMS共重合体A〜Lの成形品につ
いては、その品質評価として、難燃性、アイゾット衝撃
強度およびヘーズを測定した。その結果を第2表に示
す。
従って、垂直燃焼性試験を行った。 *2:アイゾット衝撃強度(ノッチ付き) 厚さ1/8インチの試験片を用い、JIS−K−711
0に準拠して測定した。 *3:ヘーズ 厚さ3mmの試験片をJIS−K−7105に準拠して
測定した。
重合体は、難燃性,機械的特性,透明性および離型性に
優れたものである。したがって、本発明のポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、各種工業材
料、例えば、建材,家庭電化製品,OA機器などの難燃
性部品に幅広くかつ有効に利用される。
ロキサン共重合体の製造方法の一例のフローを示す図で
ある。
ルガノシロキサン共重合オリゴマーの製造のフローを示
す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 主鎖が、(a)一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数1〜6のアル
キル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、それ
ぞれ同じであっても異なるものであってもよく、m及び
nは、それぞれ0〜4の整数である。Zは、単結合,炭
素数1〜6のアルキレン基又はアルキルデン基,炭素数
5〜20のシクロアルキレン基,シクロアルキリデン
基,フルオレニリデン基,又は−O−,−S−,−SO
−,−SO2−もしくは−CO−結合を示す。〕で表さ
れる繰返し単位(A)、(b)一般式(II) 【化2】 〔式中、X1 〜X4 は、それぞれハロゲン原子を示す。
Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキ
ルデン基,炭素数5〜20のシクロアルキレン基,シク
ロアルキリデン基,フルオレニリデン基,又は−O−,
−S−,−SO−,−SO2 −又は−CO−結合を示
す。〕で表される繰返し単位(B)及び(c)一般式(I
II) 【化3】 〔式中、R3 〜R6 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜
6のアルキル基またはフェニル基を示し、それぞれ同じ
であっても異なるものであってもよい。また、R 7 及び
R8 は、それぞれ脂肪族または芳香族を含む有機残基を
示し、Aは−O−,−NH−または単結合を示す。jは
1〜100の整数である。〕で表される構造単位(C)
を有するとともに、一般式(IV) 【化4】 〔式中、R9 は炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6
〜20のアリール基または炭素数7〜20のアリールア
ルキル基を示し、kは0〜5の整数である。なお、kが
複数のとき、複数のR9 はそれぞれ同じであっても異な
るものであってもよい。〕で表される非ハロゲノフェノ
キシ基の末端基(D)からなる共重合体であり、かつ、
主鎖中の繰返し単位(B)の含有量が、繰返し単位
(A)及び繰返し単位(B)の合計量に対して、1〜1
0モル%であるとともに、構造単位(C)の含有量が、
繰返し単位(A),繰返し単位(B)および構造単位
(C)の合計量に対して、0.01〜10重量%であっ
て、その粘度平均分子量が10,000〜50,000であ
ることを特徴とするポリカーボネート−ポリオルガノシ
ロキサン共重合体。
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