JP3166804B2 - ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体

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JP3166804B2
JP3166804B2 JP08832193A JP8832193A JP3166804B2 JP 3166804 B2 JP3166804 B2 JP 3166804B2 JP 08832193 A JP08832193 A JP 08832193A JP 8832193 A JP8832193 A JP 8832193A JP 3166804 B2 JP3166804 B2 JP 3166804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート−ポリ
オルガノシロキサン共重合体に関する。詳しくは、難燃
性,耐衝撃性,透明性および離型性に優れたポリカーボ
ネート−ポリオルガノシロキサン共重合体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、難燃性を有するハロゲン含有共重合ポリカーボネー
トとしては、様々なものが提案されている。例えば、特
公昭46−40715号公報、特公昭47−24660
号公報〔テトラブロモビスフェノールA(TBA)とビ
スフェノールA(BPA)との共重合体〕、特開昭51
−123294号公報〔テトラブロモビスフェノールス
ルホン(TBS)とBPAとの共重合体〕、特開昭51
−136796号公報〔ハロゲン化ビスフェノールの統
計的混合物とBPAとの共重合体〕、特開昭52−14
0597号公報、特開昭54−50065号公報〔チオ
ジフェノール(TDP)とBPAとの共重合体とテトラ
ブロモビスフェノールA(TBA)とビスフェノールA
(BPA)との共重合体とのブレンド〕、特開昭56−
99226号公報〔テトラブロモチオジフェノール(T
BTDP)とBPAとの共重合体〕などが知られてい
る。これらの共重合体は、難燃性を付与するのに必要な
ハロゲン量を含有させるために、ビスフェノール類のベ
ンゼン核にハロゲンを置換したハロゲン化ビスフェノー
ル類を共重合させたものである。しかし、いずれも、こ
れらのハロゲン化ビスフェノール類を比較的多量に用い
なければならず、それに伴って、該ポリカーボネートの
機械的強度(特に耐衝撃強度)を犠牲にしなければなら
ないという問題がある。その他のハロゲン含有ポリカー
ボネートとしては、特公昭46−40715号公報〔末
端停止剤としてハロゲン化フェノールを用いたもの〕も
知られている。しかしながら、この場合も難燃性と機械
的強度の両者を付与することはできない。以上のような
欠点を改良する方法として、末端停止剤としてポリハロ
ゲノフェノールを用い、BPAとハロゲン化ビスフェノ
ールとを共重合させる方法〔例えば、特開昭64−79
227号公報、特開昭64−79228号公報、特開平
3−200833号公報等〕が知られており、これらの
方法では、難燃性と耐衝撃強度を同時に付与することは
できる。本発明者らは、さらに研究を進めた結果、末端
停止剤として、実質的にハロゲンを含まない非ハロゲノ
フェノールを用い、BPA,ハロゲン化ビスフェノール
及びポリオルガノシロキサンを共重合させることによっ
て、優れた難燃性及び耐衝撃性を発現させることに成功
した。
【0003】
【問題を解決するための手段】すなわち、末端停止剤と
して、非ハロゲノフェノールを用い、特定のポリカーボ
ネート重合体および特定のポリオルガノシロキサン重合
体からなるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン
共重合体が、目的とする特性を有するものであることを
見出した。本発明はかかる知見に基いて完成したもので
ある。
【0004】すなわち、本発明は、主鎖が、(a)一般
式(I)
【0005】
【化5】
【0006】〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数
1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基
を示し、それぞれ同じであっても異なるものであっても
よく、m及びnは、それぞれ0〜4の整数である。Z
は、単結合,炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキル
デン基,炭素数5〜20のシクロアルキレン基,シクロ
アルキリデン基,フルオレニリデン基,又は−O−,−
S−,−SO−,−SO2−もしくは−CO−結合を示
す。〕で表される繰返し単位(A)、(b)一般式(II)
【0007】
【化6】
【0008】〔式中、X1 〜X4 は、それぞれハロゲン
原子を示す。Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレン
基又はアルキルデン基,炭素数5〜20のシクロアルキ
レン基,シクロアルキリデン基,フルオレニリデン基,
又は−O−,−S−,−SO−,−SO2 −又は−CO
−結合を示す。〕で表される繰返し単位(B)及び
(c)一般式(III)
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、R3 〜R6 は、それぞれ水素原
子,炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基を示
し、それぞれ同じであっても異なるものであってもよ
い。また、R 7 及びR8 は、それぞれ脂肪族または芳香
族を含む有機残基を示し、Aは−O−,−NH−または
単結合を示す。jは1〜100の整数である。〕で表さ
れる構造単位(C)を有するとともに、一般式(IV)
【0011】
【化8】
【0012】〔式中、R9 は炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20
のアリールアルキル基を示し、kは0〜5の整数であ
る。なお、kが複数のとき、複数のR9 はそれぞれ同じ
であっても異なるものであってもよい。〕で表される非
ハロゲノフェノキシ基の末端基(D)からなる共重合体
であり、かつ、主鎖中の繰返し単位(B)の含有量が、
繰返し単位(A)及び繰返し単位(B)の合計量に対し
て、1〜10モル%であるとともに、構造単位(C)の
含有量が、繰返し単位(A),繰返し単位(B)および
構造単位(C)の合計量に対して、0.01〜10重量%
であって、その粘度平均分子量が10,000〜50,00
0であることを特徴とするポリカーボネート−ポリオル
ガノシロキサン共重合体を提供するものである。
【0013】本発明のポリカーボネート−ポリオルガノ
シロキサン共重合体(以下、PC−PDMS共重合体と
略す。)は、主鎖が、(a)成分である一般式(I)で
表される繰返し単位(A),(b)成分である一般式(I
I)で表される繰返し単位(B)および(c)成分である
一般式(III) で表される構造単位(C)を有するととも
に、一般式(IV)で表される非ハロゲノフェノキシ基の末
端基(D)からなるものである。ここで、一般式(I)
で表される繰返し単位(A)中のR1 及びR2 は、それ
ぞれ炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基,エ
チル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,ア
ミル基,イソアミル基,ヘキシル基など)または炭素数
6〜12のアリール基(例えば、フェニル基,トリル
基,キシリル基,ナフチル基など)を示し、それぞれ同
じであっても異なるものであってもよく、m及びnは、
それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは、単結合,
炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキリデン基(例え
ば、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン
基,ペンテリレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基など),炭素数5〜20のシクロアル
キレン基又はシクロアルキリデン基(例えば、シクロペ
ンチレン基,シクロヘキシレン基,シクロペンチリデン
基,シクロヘキシリデン基など),フルオレニリデン
基,又は−O−,−S−,−SO−,−SO2 −もしく
は−CO−結合を示す。ここで、上記フルオレニリデン
基は、式
【0014】
【化9】
【0015】で表される。また、一般式(II)で表される
繰返し単位(B)中のX1 〜X4 は、それぞれ臭素原
子,塩素原子,フッ素原子,ヨウ素原子等のハロゲン原
子を示す。このX1〜X4 は、それぞれ同じものであっ
ても異なるものであってもよいが、通常は同じものであ
る場合が多い。Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレ
ン基又はアルキリデン基(例えば、メチレン基,エチレ
ン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘ
キシレン基,エチリデン基,イソプロピリデン基な
ど),炭素数5〜20のシクロアルキレン基又はシクロ
アルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロ
ヘキシレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリ
デン基など),フルオレニリデン基,又は−O−,−S
−,−SO−,−SO2 −もしくは−CO−結合を示
す。更に、一般式(III) で表される構造単位(C)中の
3 〜R6 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜6のアル
キル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソアミル基,
ヘキシル基など)またはフェニル基を示す。このR3
6 は、それぞれ同じであっても異なるものであっても
よい。また、R7 及びR8 は、それぞれ脂肪族または芳
香族を含む有機残基を示し、Aは−O−,−NH−また
は単結合を示し、jは1〜100、好ましくは5〜50
の整数である。jが100を超えると、得られるPC−
PDMS共重合耐の透明性が低下し好ましくない。そし
て、このPC−PDMS共重合体は、分子の末端位、特
に、両末端位に一般式(IV)で表される末端基(D)、す
なわち非ハロゲノフェノキシ基(つまり、置換基として
ハロゲン原子を含まないフェノキシ基)が結合してい
る。この一般式(IV)で表される末端基(D)中のR
9 は、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,ヘキシル基,オクチル
基,ノニル基,tert−ブチル基,tert−アミル基,tert
−オクチル基など),炭素数6〜20のアリール基(例
えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基
など)または炭素数7〜20のアリールアルキル基(例
えば、ベンジル基,フェネチル基,9−アントリルメチ
ル基,α,α−ジメチルベンジル基など)を示し、kは
0〜5の整数である。なお、kが複数のとき、複数のR
9 はそれぞれ同じであっても異なるものであってもよ
い。このPC−PDMS共重合体は、上記繰返し単位
(A),(B)及び構造単位(C)を有し、かつ末端位
置(好ましくは両末端位置)に末端基(D)の非ハロゲ
ノフェノキシ基が結合した構成であり、これら繰返し単
位(A),(B)及び構造単位(C)のランダム共重合
体,ブロック共重合体,交互共重合体など様々なものが
ある。
【0016】このPC−PDMS共重合体において、
(b)成分である一般式(II)で表される繰返し単位
(B)の割合は、繰返し単位(A)と繰返し単位(B)
の合計量に対して、1〜10モル%で、好ましくは4〜
9モル%である。繰返し単位(B)の割合が、1モル%
未満では、難燃性の向上効果がみられない。また、10
モル%を超えると、耐衝撃性などの機械的強度が低下す
る。それとともに、(c)成分である一般式(III) で表
される構造単位(C)の割合が、繰返し単位(A),繰
返し単位(B)および構造単位(C)の合計量に対し
て、0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜8重量%
である。構造単位(C)の割合が、0.01重量%未満で
は、耐衝撃性などの機械的強度が低下すると共に、優れ
た難燃性が発現しない。また、10重量%を超えると、
耐熱性が低下し好ましくない。そして、その粘度平均分
子量は10,000〜50,000、好ましくは12,000
〜40,000である。粘度平均分子量が10,000未満
では、耐衝撃性などの機械的強度が低下する。また、5
0,000を超えると、流動性が低下し、成形性が悪くな
り好ましくない。また、このPC−PDMS共重合体中
のハロゲン原子の含有率は、通常は4重量%以上、好ま
しくは4.5重量%以上であることが望ましい。
【0017】このようなPC−PDMS共重合体の効率
的な好ましい製造方法としては、例えば、以下の方法が
挙げられるが、これに制限されるものではない。(図1
のPC−PDMS共重合体の製造フローを参照) 初めに、塩化メチレンなどの溶剤中で、必要に応じて公
知の酸受容体、分子量調節剤の存在下、下記一般式
(V)
【0018】
【化10】
【0019】〔式中、R1 ,R2 ,m,n及びZは前記
と同じである。〕で表されるビスフェノール類とホスゲ
ンとを反応させて、反応系内のホスゲンを実質的にすべ
て反応させてポリカーボネートオリゴマー(以下、PC
オリゴマーと略す。)を製造する。このPCオリゴマー
は、上記重縮合反応において、ビスフェノール類とホス
ゲンとの反応によって構成される一般式(I)で表され
る繰返し単位(A)を有する。すなわち、この一般式
(I)で表される繰返し単位(A)を有するPCオリゴ
マーは、ビスフェノール類100に対して、ホスゲン1
10〜150のモル比で反応させる。通常、この反応
は、ビスフェノール類はアルカリ水溶液で添加し、塩化
メチレン,クロロベンゼン,クロロホルム,四塩化炭素
などの溶剤ならびに必要に応じてトリエチルアミンやト
リメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの触媒と
を所定量比で混合撹拌し、これにホスゲンを吹込んで1
〜3時間、反応温度30〜70℃で界面重縮合反応を進
めることによって製造することができる。このときに反
応系は発熱するので水冷もしくは氷冷することが好まし
い。また、反応の進行に伴なって反応系は酸性側に移行
するので、pH計で測定しながらアルカリ化合物を添加
して、pHを10以上に保持することが好ましい。この
ようにして得られるPCオリゴマーは、平均分子量が2
000以下で、1〜10量体のものである。
【0020】次いで、反応系内のホスゲンを実質的にす
べて反応させた後、一般式(I)で表される繰返し単位
(A)を有するPCオリゴマーに、下記一般式(VI)
【0021】
【化11】
【0022】〔式中、X1 〜X4 及びYは前記と同じで
ある。〕で表されるテトラハロゲノビスフェノール類の
アルカリ水溶液および下記一般式(VII)
【0023】
【化12】
【0024】〔式中、R9 及びkは、前記と同じであ
る。〕で表される非ハロゲノフェノールのアルカリ水溶
液ならびにトリエチルアミンやトリメチルベンジルアン
モニウムクロライドなどの触媒とを所定量比で混合撹拌
して重合を行い、ポリカーボネート共重合オリゴマー
(以下、PC共重合オリゴマーと略す。)を製造する。
ここで、一般式(VII)で表される非ハロゲノフェノール
は、置換基として、ハロゲン原子を含まないものであ
る。このPC共重合オリゴマーは、PCオリゴマー中の
ビスフェノール単位100に対して、テトラハロゲノビ
スフェノール類1.2〜14及び非ハロゲノフェノール0.
3〜6.0のモル比で反応させることによって得られる。
得られるPC共重合オリゴマーは、上記反応において、
テトラハロゲノビスフェノール類との反応によって構成
される一般式(II)で表される繰返し単位(B)および前
記一般式(I)で表される繰返し単位(A)を有する。
ここで、前記一般式(V)で表されるビスフェノール類
としては、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカンとして、例えば、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン〔ビスフェノールF〕;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メ
タン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノール
A〕;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル−1−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5
−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,
2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン〔ビスフェノールB〕;1,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン;3,3−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;3,3−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;4,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)デカン等が挙げられる。
【0025】また、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロアルカンとしては、例えば、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロデカンなどが挙げられる。そして、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキ
シジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエ
ーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキ
シドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどのジヒドロキシ
ジフェニル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンなどのビスフェノールフルオレン、その
他チオビスフェノール、ビスフェノールZ、テトラブロ
モビスフェノールAなどが挙げられる。これらの中で
は、特に、ビスフェノールAが好適に用いられる。そし
て、これらのビスフェノール類は、それぞれ単独で用い
てもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】また、前記一般式(VI)で表されるテトラハ
ロゲノビスフェノール類としては、例えば、テトラブロ
モビスフェノールA,テトラクロロビスフェノールA,
テトラフルオロビスフェノールA,テトラヨードビスフ
ェノールA,テトラブロモビスフェノールF,テトラク
ロロビスフェノールF,テトラクロロビスフェノールB
等が挙げられ、特に、テトラブロモビスフェノールAが
好ましく用いられる。そして、前記一般式(VII)で表さ
れる非ハロゲノフェノールとしては、例えば、フェノー
ル,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチル
フェノール,p−クミルフェノール,p−ノニルフェノ
ール,p−tert−アミルフェノール等があげられる。さ
らに、上記触媒の他の例としては、トリブチルアミン,
テトラメチルアンモニウムクロライド,テトラエチルア
ンモニウムクロライド,テトラブチルアンモニウムクロ
ライド,トリメチルフェニルアンモニウムクロライド,
トリエチルフェニルアンモニウムクロライド,テトラブ
チルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、特に、前記
トリエチルアミンが好ましい。なお、アルカリ水溶液と
しては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナト
リウム等のアルカリ性化合物の水溶液を用いることがで
きる。
【0027】このようにして得られる反応混合物は、反
応終了後、静置分離または遠心分離によって水相と前記
PC共重合オリゴマーを含む有機相とに相分離させ、前
記PC共重合オリゴマーを含む有機相を取り出すか、ま
たは相分離させずに次工程に進めてもよい。上記反応混
合物またはこの分離された有機相に含まれるPC共重合
オリゴマーは、次いで、一般式(III) で表される構造単
位(C)に対応するポリオルガノシロキサン(PDM
S)とを実質的にアルカリ性化合物が存在しない条件下
で混合し、さらに、アルカリ性化合物の存在下、ビスフ
ェノール類を反応させることによってPC−PDMS共
重合体を製造することができる。ここで、構造単位
(C)に対応するポリオルガノシロキサンは、様々なも
のがあるが、好ましくは一般式(VIII)
【0028】
【化13】
【0029】で表され、反応性に富むPDMSである。
ここで、R3 〜R6 は、それぞれ水素、炭素数1〜6の
アルキル基またはフェニル基を示し、それぞれ同じであ
っても異なるものであってもよい。また、1分子中にお
いて、j個のR3 及びj個のR4 は、それぞれ同じであ
っても異なるものであってもよい。そして、R7 及びR
8 は脂肪族または芳香族を含む有機残基を示し、Zは水
酸基,アミノ基,カルボキシル基,酸クロライドあるい
はフェノール性水酸基を示す。jは1〜100、好まし
くは5〜50の整数である。ここで、jが100を超え
ると、得られるPC−PDMS共重合体の透明性が低下
し好ましくない。PC−PDMS共重合体の製造にあた
り、上記のPDMSは、前記PC共重合オリゴマー(固
体量)100に対して、0.01〜14の重量比で、好ま
しくは0.02〜12の割合で反応させる。また、ビスフ
ェノール類は、PCオリゴマー中のビスフェノール単位
100に対して、ビスフェノール類10〜30モル比で
反応させる。なお、テトラハロゲノビスフェノール類,
非ハロゲノフェノール及びビスフェノール類は、アルカ
リの水溶液で添加され、また、PDMSはそのまま又は
塩化メチレン溶液で添加されるが、添加順序について
は、特に制限はない。但し、ビスフェノール類は、最後
に加えるのが望ましい。反応時間は、30分〜2時間、
反応温度は、20〜40℃である。
【0030】本発明のPC−PDMS共重合体は、前記
の繰り返し単位(A)及び(B)を有するPC共重合オ
リゴマーと前記の構造単位(C)に対応する上記のPD
MSとを実質的にアルカリ性化合物が存在しない条件下
で混合し、アルカリ性化合物及び触媒の存在下で反応さ
せ、その後ビスフェノール類と反応させることによって
製造される。すなわち、本発明のPC−PDMS共重合
体を製造するには、はじめに、PC共重合オリゴマーと
PDMSとを有機溶媒(例えば、塩化メチレン)を用
い、混合器において、実質的にアルカリ性化合物が存在
しない条件下で混合する。ここで、混合器としては、流
体を混合できるものであれば、特に制限はなく、縦型で
も横型でもよく、動的ミキサーでも静的ミキサーでもよ
い。また、オリフィスや遠心ポンプのようなものであっ
てもよい。動的ミキサーとしては、具体的には、例え
ば、マルチラインミキサー〔佐竹化学工業(株)製〕,
コマツスルーザディスインテグレーター〔小松ゼノア
(株)製〕,パイプラインホモミキサー〔特殊機化工業
(株)製〕などが挙げられる。また、静的ミキサーとし
ては、具体的には、例えば、ケニックス式スタティック
ミキサー,スルザー式スタティックミキサー,東レ式ス
タティックミキサーなどが挙げられる。
【0031】この混合器で混合されたPC共重合オリゴ
マーとPDMSとの混合物は、次いで、反応器におい
て、アルカリ性化合物及び触媒の存在下、ビスフェノー
ル類と反応させることによってPC−PDMS共重合体
の反応生成物を得ることができる。あるいは、この混合
器で混合されたPC共重合オリゴマーとPDMSとの混
合物は、次いで、反応器において、アルカリ性化合物及
び触媒の存在下で反応させ、PC−PDMS共重合体オ
リゴマーを生成させる。さらに、このPC−PDMS共
重合体オリゴマーをアルカリ性化合物及び触媒の存在
下、ビスフェノール類と反応させることによってPC−
PDMS共重合体の反応生成物を得ることもできる。こ
こで、ビスフェノール類には、その一部として、一般式
(VI)で表されるテトラハロゲノビスフェノール類を用い
ることができる。このPC共重合オリゴマーとPDMS
との反応によって得られるPC−PDMS共重合体の反
応生成物は、モル量ではPC共重合オリゴマーが過剰で
あるので、PDMSの両末端にPC共重合オリゴマーが
反応したPC−PDMS共重合オリゴマーとPC共重合
オリゴマーの混合物となっている。ここで、反応器とし
ては、流体を攪拌できるものであれば、特に制限はな
く、縦型でも横型でもよい。例えば、パイプラインホモ
ミキサー〔特殊機化工業(株)製〕がある。そして、こ
の反応器での反応温度は、0〜60℃、好ましくは10
〜50℃である。また、反応滞留時間は、1秒以上あれ
ばよい。
【0032】前記のPC−PDMS共重合体あるいはP
C−PDMS共重合オリゴマーを得るのに用いられるア
ルカリ性化合物としては、例えば、NaOH,KOHな
どがあげられる。このアルカリ性化合物は、PDMSの
末端基に対して、モル比で1〜20、好ましくは1.1〜
10添加される。アルカリ性化合物が1未満では、PC
共重合体オリゴマーとPDMSとの反応が完全に進行し
ないので好ましくない。また、アルカリ性化合物が20
を超えると、PC共重合オリゴマーのクロロホーメート
基の分解が多くなり、得られるPC−PDMS共重合体
の分子量が向上しないので好ましくない。
【0033】また、触媒としては、第三級アミンあるい
は第四級アンモニウム塩を用いることができる。具体的
には、例えば、第三級アミンとしては、トリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン等が挙げら
れる。また、第四級アンモニウム塩としては、例えば、
トリメチルベンジルアンモニウムクロライド,トリエチ
ルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。こ
の触媒の添加量は、PC共重合体オリゴマーのクロロホ
ーメート基に対して、モル比で1.0×10-4〜5.0×1
-2、好ましくは5.0×10-4〜1.0×10 -2である。
添加量が1.0×10-4未満では、反応の進行が遅く、ま
た、5.0×10-2を超えると、添加量の割りにはその効
果は見られず、これを超えてまで添加する必要はない。
【0034】次に、本発明のPC−PDMS共重合体を
用いた成形物としては、PC−PDMS共重合体を単独
で、通常の成形方法でもって成形することによって得る
ことができる。また、例えば、PC−PDMS共重合
体,ガラス繊維及びボリカーボネート樹脂を主成分とす
るPC−PDMS共重合体組成物を調製し、成形するこ
とによっても得ることができる。すなわち、この場合、
PC−PDMS共重合体組成物は、通常、PC−PDM
S共重合体5〜95重量%、好ましくは10〜90重量
%、ガラス5〜60重量%、好ましくは10〜55重量
%及びポリカーボネート樹脂0〜90重量%、好ましく
は0〜85重量%の配合で調製される。ここで、このP
C−PDMS共重合体組成物の調製にあたって用いられ
るガラスとしては、様々な種類あるいは形態のものを充
当することができる。例えば、ガラス繊維,ガラスビー
ズ,ガラスフレーク,ガラスパウダー等を用いることが
でき、これらは単独でも二種以上を組み合わせて用いて
もよい。これらの中で、樹脂強化用に広く用いられてい
るガラス繊維は、含アルカリガラス,低アルカリガラ
ス,無アルカリガラスのいずれであってもよい。また、
その繊維長は0.1〜8mm、好ましくは0.3〜6mmであっ
て、繊維径は0.3〜30μm 、好ましくは0.5〜25μ
m である。そして、ガラス繊維の形態は、特に制限はな
く、例えばロービング,ミルドファイバー,チョップド
ストランド等各種のものが挙げられる。これらのガラス
繊維は単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、これらのガラス材は、樹脂との親和性を高める
ために、アミノシラン系,エポキシシラン系,ビニルシ
ラン系,メタクリルシラン系等のシラン系カップリング
剤、クロム錯化合物、ホウ素化合物等で表面処理された
ものであってもよい。
【0035】このPC−PDMS共重合体組成物は、前
記の各成分及び必要に応じて用いられる各種添加成分を
配合し、混練する。該配合,混練は通常用いられている
方法、例えば、リボンブレンダー,ヘンシェルミキサ
ー,バンバリーミキサー,ドラムタンブラー,単軸スク
リュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸
スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができ
る。そして、混練に際しての加熱温度は、通常250〜
300℃の範囲で選ばれる。かくして得られたPC−P
DMS共重合体組成物は、既知の種々の成形方法、例え
ば、射出成形,中空成形,押出成形,圧縮成形,カレン
ダー成形,回転成形等を適用して自動車用ガラス,サン
ルーフなど自動車分野の成形品や家電分野の成形品を製
造することができる。なお、この組成物には、必要に応
じて、各種の添加剤,他の合成樹脂,エラストマー等を
配合することができる。また、無機充填剤などと混合し
て使用してもよい。例えば、各種の添加剤としては、ヒ
ンダードフェノール系,亜リン酸エステル系,リン酸エ
ステル系,アミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾー
ル系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系などの光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系
やパラフィン系等の外部滑剤、難燃剤、難燃助剤、離型
剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
【0036】本発明のPC−PDMS共重合体は、テト
ラハロゲノビスフェノール類によって充分な難燃性を有
する成形品を得ることができるが、さらに一層難燃性を
付与するのに用いられる難燃剤としては、適当な有機酸
または無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩、及びハロゲン含有化合物が挙げられる。ここで、好
ましい無機アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩,カ
リウム塩,リチウム塩などが挙げられる。また、無機ア
ルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩,マグネシウム
塩などが挙げられる。また、無機アルカリ金属塩または
無機アルカリ土類金属塩を得る際に用いられる無機酸と
しては、H3 AlF6 ,H3BF6 ,H3 SbF6 ,H
2 TiF6 ,H2 SiF6 ,H3 PO4 ,H2 Zr
6 ,H2 WF6 ,HBF4 等が挙げられる。好ましい
無機アルカリ金属塩または無機アルカリ土類金属塩とし
ては、Na3AlF6 ,Ca3(AlF6)2 が挙げられ
る。また、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類
金属塩を得る際に用いられる好ましい有機酸としては、
脂肪族スルホン酸,芳香族スルホン酸,芳香族カルボン
酸および脂肪族カルボン酸である。具体例としては、ト
リフルオロメタン−スルホン酸;パーフルオロブタンス
ルホン酸;パーフルオロオクタンスルホン酸;ドデカン
スルホン酸;ベンゼンスルホン酸;2,4,6−トリク
ロロベンゼンスルホン酸;ベンゼンジスルホン酸;ナフ
トールスルホン酸;カプリル酸;ラウリル酸;安息香
酸;ナフトールカルボン酸;2,4,6−トリブロモ安
息香酸等が挙げられる。好ましい有機アルカリ金属塩ま
たは有機アルカリ土類金属塩としては、パーフルオロブ
タンスルホン酸カリウム,パーフルオロブタンスルホン
酸カルシウムが挙げられる。また、ハロゲン含有化合物
としては、各種のものを用いることができる。その代表
的なものとしては、テトラハロゲノビスフェノール類
を含有する低分子量ポリカーボネート,テトラハロゲ
ノビスフェノール類を含有するエポキシ樹脂およびそ
の他のハロゲン系難燃剤をあげることができる。そのう
ち、特に上記,に属する難燃剤が好ましい。
【0037】ここで上記テトラハロゲノビスフェノー
ル類を含有する低分子量ポリカーボネートは、一般式
【0038】
【化14】
【0039】〔式中、X5 〜X8 はハロゲン原子を示
し、R10は炭素数2〜8のアルキレン基,炭素数1〜9
のアルキリデン基,カルボニル基,スルホン基,硫黄原
子あるいは酸素原子を示す。〕で表される繰返し単位
(X)をp個と、一般式
【0040】
【化15】
【0041】〔式中、R10は前記と同じである。〕で表
される繰返し単位(Y)をq個〔但し、pは1〜30の
整数,qは0〜30の整数を示し、p+q=1〜50
(特に3〜20)の整数である。〕から構成され、かつ
ハロゲン含有量30重量%以上の低分子量ポリカーボネ
ート(ポリカーボネートオリゴマー)で表されるもので
ある。ここで、繰返し単位(X)を構成するハロゲン含
有ビスフェノール化合物としては、2,2−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル) メタン;ビス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が用いられ、
特に、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン〔通称テトラブロモビスフェノー
ルA〕が有効である。また、繰返し単位(Y)を構成す
るビスフェノール化合物としては、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が
用いられ、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕が有効である。
【0042】次に、テトラハロゲノビスフェノール類
を含有するエポキシ樹脂は、一般式
【0043】
【化16】
【0044】〔式中、R10は前記と同じであり、R11
水素原子,メチル基,エポキシプロピル基,フェニル
基,2−ヒドロキシプロピル基あるいは酸素原子を示
し、X9 〜X12はハロゲン原子を示し、r は1〜30の
整数を示す。〕で表され、かつハロゲン含有量30重量
%以上の重合体である。
【0045】更に、その他のハロゲン系難燃剤として
は、例えばテトラブロモベンゼン;テトラクロロベンゼ
ン;ヘキサブロモベンゼン;ヘキサクロロベンゼン;ヘ
キサブロモビフェニル;オクタブロモビフェニル;2,
2' −ジクロロビフェニル;2,4'−ジブロモビフェ
ニル;2,4' −ジクロロビフェニル;ヘキサブロモビ
フェニル;トリフェニルクロライド;テトラクロロフタ
ル酸;テトラクロロフタル酸アンヒドリド;テトラブロ
モフタル酸;テトラブロモフタル酸無水物;トリブロモ
フェノールおよびその他公知のハロゲン化芳香族化合物
があり、また2,2−ビス(3,5−ジクロロフェニ
ル)プロパン;ビス(2−クロロフェニル)メタン;ビ
ス(2,6−ジブロモフェニル)メタン;1,2−ビス
(2,6−ジクロロフェニル)エタン;1,1−ビス
(2−クロロ−4−メチルフェニル)エタン;1,1−
ビス(3,5−ジクロロフェニル)エタン;2,2−ビ
ス(3−フェニル−4−ブロモフェニル)エタン;2,
3−ビス(4,6−ジクロロナフチル)プロパン;2,
2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)ペンタン;2,
2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)ヘキサン;ビス
(4−クロロフェニル)メタン;ビス(3,5−ジクロ
ロフェニル)シクロヘキシルメタン;ビス(3−ニトロ
−4−ブロモフェニル)エタン;ビス(4−ヒドロキシ
−2,6−ジクロロ−3−メトキシフェニル)メタン;
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル) プ
ロパンジグリシジルエーテル等のジ芳香族類がある。更
にハロゲン化ジフェニルエーテル類、特にハロゲン原子
を2〜10個含有するものが好ましく、例えばデカブロ
モジフェニルエーテル,オクタブロモジフェニルエーテ
ル,ヘキサブロモジフェニルエーテル,ペンタブロモジ
フェニルエーテル,テトラブロモジフェニルエーテル,
トリブロモジフェニルエーテル,ジブロモジフェニルエ
ーテル,ヘキサクロロジフェニルエーテル,ペンタクロ
ロジフェニルエーテル,テトラクロロジフェニルエーテ
ル,トリクロロジフェニルエーテル,ジクロロジフェニ
ルエーテル等がある。
【0046】
【実施例】更に、本発明を製造例,実施例および比較例
により、詳しく説明する。 製造例1−1 〔PCオリゴマーAの製造〕400リットルの5重量%
水酸化ナトリウム水溶液に60kgのビスフェノールA
を溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液
を調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノー
ルAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間
の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の
流量で、内径10mm,管長10mの管型反応器にオリ
フィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して1
0.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応
させた。ここで用いた管型反応器は二重管となってお
り、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温
度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11
を示すように調整した。このようにして得られた反応液
を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチ
レン相(220リットル)を採取して、これにさらに塩
化メチレン170リットルを加え、十分に攪拌したもの
をPCオリゴマーA(濃度317g/リットル)とし
た。ここで得られたPCオリゴマーAの重合度は2〜4
であり、クロロホーメート基の濃度は0.7Nであった。
【0047】製造例1−2 〔PCオリゴマーBの製造〕ビスフェノールA2,275
g(9.96モル)を2.0N水酸化ナトリウム水溶液14
リットルに溶解し、内容積50リットルの攪拌機付き容
器に入れ、塩化メチレン8.25リットルを加え攪拌し
(50rpm)、冷却しながらホスゲンを毎分0.2モル
の流量で70分間吹き込んで反応を行った。ホスゲンの
吹き込みを停止してからさらに30分間攪拌を続けた。
その後、テトラブロモビスフェノールA312g(0.5
74モル)、p−tert−ブチルフェノール68g(0.4
53モル)を水酸化ナトリウム(NaOH:78.6g、
水:1.35リットル)に溶解させたものを、攪拌を続け
たまま加え、トリエチルアミン1.8cc添加し、450
rpmで60分間反応させた。反応後、約30分間静置
させ、水相を分離し有機相を得た。これをPCオリゴマ
ーB(濃度:496g/リットル、クロロホーメート基
濃度:0.48モル/リットル)とした。
【0048】製造例2−1 〔反応性PDMS−Aの合成〕1,483gのオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3-テトラメ
チルジシロキサン及び35gの86%硫酸を混ぜ、室温
で17時間攪拌した。その後オイル相を分離し、25g
の炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。濾過した
後、150℃,3torrで真空蒸留し、低沸点物を除きオ
イルを得た。60gの2−アリルフェノールと0.001
4gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナと
の混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃の
温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温度に
保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで抽
出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2
−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで溶剤を
留去した。得られた末端フェノールPDMSは、NMR
の測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返しは
30であった。
【0049】製造例2−2 〔反応性PDMS−Bの合成〕製造例2−1において、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの量を18.1gに変
えた以外は、製造例2−1と同様に操作した。得られた
末端フェノールPDMSは、NMRの測定により、ジメ
チルシラノオキシ単位の繰り返しは150であった。
【0050】実施例1 〔PC−PDMS共重合体Aの製造〕内容積50リット
ルの攪拌機付き容器に、PCオリゴマーA10リットル
(ビスフェノールA単位11.6モル)に反応性PDMS
−A8g及びp−tert−ブチルフェノール77g(0.5
1モル)を溶解させたものと、テトラブロモビスフェノ
ールA413g(0.76モル)を水酸化ナトリウム水溶
液(NaOH:110g、水:1.35リットル)に溶解
させたものを混合し、トリエチルアミン2.9ccを加
え、60分間300rpmで攪拌、反応させた。反応終
了後、上記反応系にビスフェノールA500gを水酸化
ナトリウム水溶液(NaOH:290g、水:3.42リ
ットル)に溶解させたものを混合し、塩化メチレン6.1
リットルを加え、60分間450rpmで攪拌、反応さ
せた。反応後、有機相と水相を分離し、有機相をアルカ
リ(0.01N−NaOH)、酸(0.1N−HCl)、水
の順に洗浄、分離した。塩化メチレンを除きフレーク状
のポリマーを得た。
【0051】実施例2 〔PC−PDMS共重合体Bの製造〕実施例1におい
て、テトラブロモビスフェノールA413gを578g
(1.06モル)に変えた他は、実施例1と同様にして、
フレーク状のポリマーを得た。
【0052】実施例3 〔PC−PDMS共重合体Cの製造〕実施例1におい
て、テトラブロモビスフェノール413gを743g
(1.37モル)に変え、水酸化ナトリウム水溶液(Na
OH:220g、水:2.70リットル)に溶解させた他
は、実施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得
た。
【0053】実施例4 〔PC−PDMS共重合体Dの製造〕図2に示すような
フローで製造例1−2で得られたPCオリゴマーBと製
造例2−1で得られた反応性PDMS−Aを反応させ
た。すなわち、PCオリゴマーB、反応性PDMS−A
の塩化メチレンの5重量%溶液、1重量%トリエチルア
ミン(TEA)水溶液及び25重量%水酸化ナトリウム
(NaOH)水溶液をそれぞれ用いた。それぞれの流量
は、PCオリゴマーB:13リットル/時間、反応性P
DMS−A:4リットル/時間、TEA:0.3リットル
/時間、NaOH:0.23リットル/時間とした。混合
器,反応器ともにパイプラインホモミキサー〔特殊機化
工業(株)製,2SL型:内容積0.3リットル、第1タ
ービン翼の直径42.5mm、第2タービン翼の直径48
mm〕を用い、混合器は500rpm、反応器は3,00
0rpmで回転させた。また、メイン配管(PCオリゴ
マー用のライン)は内径16mmのものを用いた。TE
Aは混合器から60cmの所に投入し、NaOHは混合
器から80cmの所に投入した。反応器の温度は25〜
30℃であった。得られた反応物(PC−PDMS共重
合体オリゴマーを含有)を静置、分離し有機相330c
cを1リットルのバッチ式反応器に移し、塩化メチレン
120cc及びp−tert−ブチルフェノール2.2gを加
え、攪拌し均一とした。これにビスフェノールAのアル
カリ水溶液(ビスフェノールA:19g,水酸化ナトリ
ウム:11g,水:130cc)を加え、500rpm
で1時間反応させた。反応後、7リットルの洗浄槽に移
し、塩化メチレン400cc、水400ccを加え、有
機相と水相を分離した。分離後、有機相をアルカリ(0.
01N−NaOH)洗浄、酸(0.1N−HCl)洗浄、
水洗浄し、その後塩化メチレンを除き、PC−PDMS
共重合体のフレークを得た。
【0054】実施例5 〔PC−PDMS共重合体Eの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−A8gを40gに変えた他は、実
施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
【0055】実施例6 〔PC−PDMS共重合体Fの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−A8gを160gに変えた他は、
実施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
【0056】実施例7 〔PC−PDMS共重合体Gの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−A8gを4gに変えた他は、実施
例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
【0057】実施例8 〔PC−PDMS共重合体Hの製造〕実施例1におい
て、p−tert−ブチルフェノール77gの代わりに、p
−クミルフェノール115g(0.51モル)を用いた他
は、他は、実施例1と同様にして、フレーク状のポリマ
ーを得た。
【0058】比較例1 〔PC−PDMS共重合体Iの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−Aを用いなかった他は、実施例1
と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。 比較例2 〔PC−PDMS共重合体Jの製造〕実施例1におい
て、テトラブロモビスフェノールA413gを38g
(0.07モル)に変えた他は、実施例1と同様にして、
フレーク状のポリマーを得た。 比較例3 〔PC−PDMS共重合体Kの製造〕実施例1におい
て、反応性PDMS−Aの代わりに、反応性PDMS−
Bを用いた他は、実施例1と同様にして、フレーク状の
ポリマーを得た。 比較例4 (PC−PDMS共重合体Lの製造)実施例1におい
て、反応性PDMS−A8gを0.2gに変えた他は、実
施例1と同様にして、フレーク状のポリマーを得た。
【0059】実施例1〜8および比較例1〜4で得られ
たPC−PDMS共重合体A〜Lは、それぞれ120℃
で一昼夜乾燥後、280℃の押出機でペレット化し、2
80℃で成形した。なお、ペレットの作成にあたって、
PC−PDMS共重合体A,C,I,Jには、酸化防止
剤として、トリスノニルフェニルホスファイトを800
ppm 添加した。
【0060】実施例1〜8および比較例1〜4で得られ
たPC−PDMS共重合体A〜Lについては、その物性
評価として、粘度平均分子量,ガラス転移温度(Tg)
等を測定した。その結果を第1表に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】なお、各測定は、次に従った。 *1:TBA1 HNMRで7.1〜7.3ppmに見られるビスフェノー
ルA残基の芳香族Hと7.43ppmに見られるTBA残
基の強度比から求めた。 *2:PDMS1 HNMRで7.1〜7.3ppmに見られるビスフェノー
ルA残基の芳香族H、7.43ppmに見られるTBA残
基の芳香族H及び0.11ppmに見られるPTBPのメ
チルHの強度比から求めた。 *3:Br含量(共重合体中の全Br含量) サンプルをアルカリ分解してホルハルト法にて分析した
ものである。 *4:粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求めた
後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 *5:Tg DSC(Differential scanning calorimeter) で測定し
た。
【0064】そして、実施例1〜8および比較例1〜4
で得られたPC−PDMS共重合体A〜Lの成形品につ
いては、その品質評価として、難燃性、アイゾット衝撃
強度およびヘーズを測定した。その結果を第2表に示
す。
【0065】
【表3】
【0066】なお、各測定は、次に従った。 *1:難燃性 難燃性試験UL−94 1/32インチ(厚さ) アンダーライターズラボラトリー・サブジェクト94に
従って、垂直燃焼性試験を行った。 *2:アイゾット衝撃強度(ノッチ付き) 厚さ1/8インチの試験片を用い、JIS−K−711
0に準拠して測定した。 *3:ヘーズ 厚さ3mmの試験片をJIS−K−7105に準拠して
測定した。
【0067】
【発明の効果】以上の如く、本発明のPC−PDMS共
重合体は、難燃性,機械的特性,透明性および離型性に
優れたものである。したがって、本発明のポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、各種工業材
料、例えば、建材,家庭電化製品,OA機器などの難燃
性部品に幅広くかつ有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシ
ロキサン共重合体の製造方法の一例のフローを示す図で
ある。
【図2】 実施例4におけるポリカーボネート−ポリオ
ルガノシロキサン共重合オリゴマーの製造のフローを示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が、(a)一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数1〜6のアル
    キル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、それ
    ぞれ同じであっても異なるものであってもよく、m及び
    nは、それぞれ0〜4の整数である。Zは、単結合,炭
    素数1〜6のアルキレン基又はアルキルデン基,炭素数
    5〜20のシクロアルキレン基,シクロアルキリデン
    基,フルオレニリデン基,又は−O−,−S−,−SO
    −,−SO2−もしくは−CO−結合を示す。〕で表さ
    れる繰返し単位(A)、(b)一般式(II) 【化2】 〔式中、X1 〜X4 は、それぞれハロゲン原子を示す。
    Yは、単結合,炭素数1〜6のアルキレン基又はアルキ
    ルデン基,炭素数5〜20のシクロアルキレン基,シク
    ロアルキリデン基,フルオレニリデン基,又は−O−,
    −S−,−SO−,−SO2 −又は−CO−結合を示
    す。〕で表される繰返し単位(B)及び(c)一般式(I
    II) 【化3】 〔式中、R3 〜R6 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜
    6のアルキル基またはフェニル基を示し、それぞれ同じ
    であっても異なるものであってもよい。また、R 7 及び
    8 は、それぞれ脂肪族または芳香族を含む有機残基を
    示し、Aは−O−,−NH−または単結合を示す。jは
    1〜100の整数である。〕で表される構造単位(C)
    を有するとともに、一般式(IV) 【化4】 〔式中、R9 は炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6
    〜20のアリール基または炭素数7〜20のアリールア
    ルキル基を示し、kは0〜5の整数である。なお、kが
    複数のとき、複数のR9 はそれぞれ同じであっても異な
    るものであってもよい。〕で表される非ハロゲノフェノ
    キシ基の末端基(D)からなる共重合体であり、かつ、
    主鎖中の繰返し単位(B)の含有量が、繰返し単位
    (A)及び繰返し単位(B)の合計量に対して、1〜1
    0モル%であるとともに、構造単位(C)の含有量が、
    繰返し単位(A),繰返し単位(B)および構造単位
    (C)の合計量に対して、0.01〜10重量%であっ
    て、その粘度平均分子量が10,000〜50,000であ
    ることを特徴とするポリカーボネート−ポリオルガノシ
    ロキサン共重合体。
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