JP3162634U - 包装用蓋体 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓋体開口部を開いた場合における閉鎖タブの開度を安定させ、内容物の取り出し及び/又は取り入れを円滑に行える包装用蓋体を提供する。【解決手段】閉鎖タブ30が、接続部11に隣接する基部側に設けられた固定プラグ32を備え、この固定プラグ32がキャップに設けられた固定リセス22内にスナップばめされる。キャップに設けられた係止突起により、閉鎖部31の開度が、容器本体50の内容物の取り出し及び/又は取り入れに適した所定角度30bに保持される。【選択図】図2
Description
本考案は、包装用カップに嵌合して使用され、蓋体開口部を自在に開閉することが可能な蓋体に関する。
包装用カップの開口部を覆うための蓋体では、蓋体に設けられた飲み口や注ぎ口などの蓋体開口部を、開封後に再び閉鎖できることが望まれる場合がある。特許文献1が開示する各種の態様の蓋体は、包装用カップの開口部(本体開口部)を覆うキャップと、飲み口などの蓋体開口部を閉鎖するための閉鎖タブとを備えている。
特許文献1に開示された各種の態様のうち、閉鎖タブがキャップと別体にされている態様では、閉鎖タブは、ステムによって互いに接続された取り付けプラグと飲み口プラグとを有する。取り付けプラグは取り付けリセスに嵌合し、飲み口プラグは飲み口に嵌合する。ユーザは、飲み口プラグを飲み口から外して蓋体開口部を開き、また飲み口プラグを飲み口に挿入することによって蓋体開口部を封止することができる。蓋体開口部が開いている間、閉鎖タブはその基部において取り付けプラグによってキャップに固定され、落として汚したり紛失したりしないようにされている。
ところで、このような態様の蓋体では、閉鎖タブが開いているときの開度が定まらないため、容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れの際に、内容物や容器などの外部構造との関係で閉鎖タブが邪魔になるおそれがある。
そこで本考案の目的は、蓋体開口部を開いた場合における閉鎖タブの開度を安定させ、内容物の取り出し及び/又は取り入れを円滑に行える構造を提供することにある。
本考案の第1の態様は、シート状の樹脂材料を立体成形してなる包装用蓋体であって、容器本体の本体開口部を覆うように前記容器本体に取り付け可能にされたキャップであって、蓋体開口部を有するキャップと、先端部側に設けられ前記蓋体開口部を閉鎖可能な閉鎖部を有する閉鎖タブと、を備え、前記閉鎖タブは固定プラグを更に備え、前記固定プラグが前記キャップに設けられた固定リセス内にスナップばめされる包装用蓋体において、前記キャップには前記閉鎖部の閉鎖時の軌道に隣接して肩部が設けられ、前記閉鎖部及び前記肩部の少なくとも一方には係止突起が設けられ、前記固定プラグが前記固定リセスに嵌合されている状態において、前記閉鎖部は前記開口に向けて付勢され、前記係止突起による前記閉鎖部と前記肩部との干渉により、前記閉鎖部の開度が、前記容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れに適した所定角度に保持されることを特徴とする包装用蓋体である。
この態様では、係止突起の作用によって、閉鎖部の開度が所定角度に保持されるので、容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れを円滑に行うことができる。
好適には、前記閉鎖タブが接続部によって前記キャップと接続されている。この態様では、包装する者が閉鎖タブをキャップとは別途に管理する必要がない上、閉鎖タブの固定プラグがキャップの固定リセス内にスナップばめされるので、蓋体開口部を開いた場合における閉鎖タブの位置を安定させ、内容物の取り出しを円滑に行うことができる。
好適には、前記固定プラグは、平面視における前記閉鎖タブの先端部側の少なくとも一部にアンダーカット部分を有し、その前記閉鎖タブの基部側はその全体が抜け勾配とされている。この態様では、固定プラグの先端部側を先に固定リセスに挿入し、その後に固定プラグの基部側を挿入することにより、固定リセスに円滑に嵌合させることができる。また、嵌合後に閉鎖タブをキャップから引き剥がそうとする力は、主として固定プラグの基部側を支点として作用するので、アンダーカット部分の作用によって固定プラグを外れにくくすることができる。さらに、閉鎖タブが接続部によってキャップと接続されている場合には、接続部を引き上げることにより固定プラグを容易に外すことも可能である。
本考案の好適な実施形態について、以下に詳細に説明する。図1において、蓋体10は、シート状の可撓性の樹脂材料から熱成形処理によって製造される。蓋体10には、ポリスチレン及び他の熱可塑性樹脂材料を特に好適に用いることができる。蓋体10は、容器本体50(図2参照。なお図2及び図4では理解を容易にするため厚みを強調して示している)の本体開口部51を覆うように、容器本体50に取り外し可能に取り付けることができる。容器本体50は例えばカップ状又はトレイ状であり、紙又はポリプロピレンなどの樹脂によって構成することができる。
蓋体10は、キャップ20と閉鎖タブ30とを有する。これらキャップ20と閉鎖タブ30とは、接続部11によって相互に接続されている。キャップ20、閉鎖タブ30及び接続部11は一連の連続したシートから真空成形によって形成され、且つ互いに切り離されていない。
キャップ20は、内容物(例えばふりかけなどの粒状物)が通過可能な開口部である蓋体開口部21を有する。蓋体開口部21の後方及び左右側方を囲むように、上向きに突出した台部23が設けられ、台部23の左右片には、更に上向きに突出した平面視で弧状の弧状突起部24がそれぞれ設けられている。
閉鎖タブ30は、その先端部側に設けられた閉鎖部31と、接続部11に隣接する基部側に設けられた固定プラグ32とを有する。閉鎖部31は、キャップ20の蓋体開口部21の全体を覆うことができる。閉鎖部31の先端部の近傍には、これを閉じた状態において上向きに突出する突起部33(図2・図3参照)が設けられている。突起部33の高さは、閉鎖部31が閉じた状態においてキャップ20の弧状突起部24と等しくされ、これによって包装体の積み重ねに適した平面が提供される。
キャップ20の台部23には、閉鎖タブ30の固定プラグ32を嵌合させるための固定リセス22が設けられている。図3に示されるように、固定プラグ32は、平面視における閉鎖タブ30の先端部側の少なくとも一部に、アンダーカット部分34を有する。また固定プラグ32における閉鎖タブ30の基部側の領域35は、その全体が固定リセス22に向かう方向に関して抜け勾配とされている。閉鎖タブ30のこのような形状に対応して、固定リセス22の形状も同様に構成されており、固定リセス22は蓋体開口部21に近い側の少なくとも一部に、アンダーカット部分27を有し、またその逆側の領域28が抜け勾配とされている。
再び図1において、キャップ20の台部23には、閉鎖部31の閉鎖時の軌道に隣接して肩部27が設けられ、肩部27には内向きに突出した係止突起28,29が設けられている。閉鎖部31を閉じた状態における係止突起28,29に対応する位置には、それぞれ凹部36,37が設けられており、これによって閉鎖部31の閉鎖状態が維持される。閉鎖部31の基部の底面の左右には、誘導突起38が設けられ、これら誘導突起38が、基部側の係止突起29と干渉する。
キャップ20の台部23の中央部であって、蓋体開口部21と固定リセス22との間には、上向きに突出した略円筒面状の補強突起23aが設けられている。この補強突起23aに対応して、閉鎖タブ30にも同様の形状の補強突起30aが設けられている。これら補強突起23a,30aは、キャップ20と閉鎖タブ30における周辺部分に剛性を付与している。
キャップ20の外周縁に沿って、下向きの環状スカート部25が設けられている。環状スカート部25には、内向きに突出する複数のリブ26が等角度間隔に設けられている。接続部11には曲げ易さを促進するために、複数のコルゲーション部12が設けられている。
以上のとおり構成された包装用蓋体10は、閉鎖タブ30の固定プラグ32を、キャップ20の固定リセス22に挿入して使用される。この固定の際には、ユーザは図4に示されるように、まず固定プラグ32の先端側(アンダーカット部34の近傍)を固定リセス22に挿入し、アンダーカット部27,34を互いに係合させ、その後、固定プラグ32の後端側を下向き(図4中矢印A方向)に押し込むことによって、固定プラグ32を固定リセス22に嵌合させる。
固定プラグ32が固定リセス22に嵌合されている状態において、閉鎖部31は素材の弾発力によって蓋体開口部21に向けて付勢され、係止突起29による閉鎖部31と肩部27との干渉により、閉鎖部31の開度が、容器本体50の内容物の取り出し及び/又は取り入れに適した所定角度(図2において符号30bで示される)に保持される。このとき、係止突起29は誘導突起38の外側に設けられた誘導斜面38a(図3参照)に当接しており、この状態からユーザが閉鎖部31を更に下向きに押し込むと、閉鎖部31及び肩部27の双方が互いに離れる方向に弾性変形し、係止突起29が誘導斜面38aを乗り越える。そして係止突起29が閉鎖部31の基部側の凹部37に、また係止突起28が閉鎖部31の先端側の凹部36にそれぞれ嵌合することにより、閉鎖部31が閉鎖状態(図2において符号30aで示される)となる。
以上のとおり、本実施形態では、係止突起29の作用によって、閉鎖部31の開度が容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れの際に内容物や容器などの外部構造との関係で邪魔にならないような所定角度に保持されるので、容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れを円滑に行うことができる。
また、本実施形態では、閉鎖タブ30が接続部11によってキャップ20と接続されているので、包装する者が閉鎖タブ30をキャップ20とは別途に管理する必要がない上、閉鎖タブ30が、接続部11に隣接する基部側に設けられた固定プラグ32を更に備え、この固定プラグ32がキャップ20の固定リセス22内にスナップばめされるので、蓋体開口部21を開いた場合における閉鎖タブ30の位置を安定させ、内容物の取り出しを円滑に行うことができる。
また、閉鎖タブ30に固定プラグ32を設けた蓋体では、固定プラグ32がキャップ20の固定リセス22に円滑に嵌合でき、しかも嵌合後には外れにくいことが望ましいが、この点、本実施形態では、固定プラグ32が、平面視におけるその先端部側の少なくとも一部にアンダーカット部分34を有し、その基部側35はその全体が抜け勾配とされているので、固定プラグ32の先端部側を先に固定リセス22に挿入し、その後に固定プラグ32の基部側35を挿入することにより、固定リセス22に円滑に嵌合させることができる。また、嵌合後に閉鎖タブ30をキャップ20から引き剥がそうとする力は、主として固定プラグ32の基部側35を支点として作用するので(図2における矢印B)、アンダーカット部分34の作用によって固定プラグ32を外れにくくすることができる。
また、本実施形態では、固定プラグ32及び固定リセス22が、その平面視における中央部分に対して両端部分が、閉鎖部31に向けて突出しているため、閉鎖状態から閉鎖部31を上向きに引張った場合に、固定プラグ32の両端部分が中央部分に向かう方向に変形し、これによって固定プラグ32を固定リセス22から外れにくくすることができる。他方、固定プラグ32の基部側35の全体が抜け勾配とされているので、接続部11を引き上げることにより固定プラグ32を容易に外すことも可能である。
なお、上記各実施形態では、本考案をある程度の具体性をもって説明したが、本考案については、請求の範囲に記載された考案の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本考案は請求の範囲およびその等価物の範囲および趣旨に含まれる修正および変更を包含するものである。例えば、上記実施形態では係止突起29をキャップ20に設けたが、係止突起は閉鎖部31に設けてもよく、閉鎖部31及び肩部27の両方に設けてもよい。また、閉鎖タブ30の閉鎖部31は蓋体開口部21に上面から接することでこれを閉鎖する構成としたが、閉鎖部31の一部が蓋体開口部21の内周面に嵌合することによってこれを液密に封止することとしてもよい。また、上記実施形態では係止突起をキャップ20の左右の肩部27にそれぞれ設けたが、係止突起は左右の肩部27のうちの片方、及び/又は閉鎖部31の左右のうちの片方に設けてもよい。接続部11は省略してもよく、また接続部11を有する構成においてコルゲーション部12を省略してもよい。
Claims (3)
- シート状の樹脂材料を立体成形してなる包装用蓋体であって、
容器本体の本体開口部を覆うように前記容器本体に取り付け可能にされたキャップであって、蓋体開口部を有するキャップと、
先端部側に設けられ前記蓋体開口部を閉鎖可能な閉鎖部を有する閉鎖タブと、を備え、
前記閉鎖タブは固定プラグを更に備え、前記固定プラグが前記キャップに設けられた固定リセス内にスナップばめされる包装用蓋体において、
前記キャップには前記閉鎖部の閉鎖時の軌道に隣接して肩部が設けられ、
前記閉鎖部及び前記肩部の少なくとも一方には係止突起が設けられ、
前記固定プラグが前記固定リセスに嵌合されている状態において、前記閉鎖部は前記開口に向けて付勢され、前記係止突起による前記閉鎖部と前記肩部との干渉により、前記閉鎖部の開度が、前記容器本体の内容物の取り出し及び/又は取り入れに適した所定角度に保持されることを特徴とする包装用蓋体。 - 請求項1に記載の包装用蓋体であって、
前記閉鎖タブが接続部によって前記キャップと接続されていることを特徴とする包装用蓋体。 - 請求項1又は2に記載の包装用蓋体であって、
前記固定プラグは、平面視における前記閉鎖タブの先端部側の少なくとも一部にアンダーカット部分を有し、その前記閉鎖タブの基部側はその全体が抜け勾配とされていることを特徴とする包装用蓋体。
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