JP3149379B2 - 金属薄板への微細透孔形成方法 - Google Patents
金属薄板への微細透孔形成方法Info
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- JP3149379B2 JP3149379B2 JP04002597A JP4002597A JP3149379B2 JP 3149379 B2 JP3149379 B2 JP 3149379B2 JP 04002597 A JP04002597 A JP 04002597A JP 4002597 A JP4002597 A JP 4002597A JP 3149379 B2 JP3149379 B2 JP 3149379B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウェブ状の金属
薄板をその両面側からエッチングすることにより金属薄
板に微細な透孔を形成する方法に関し、例えばカラーC
RT(Cathode Ray Tube)用のシャド
ウマスクやアパーチャグリルを製造する場合などに利用
されるものである。
薄板をその両面側からエッチングすることにより金属薄
板に微細な透孔を形成する方法に関し、例えばカラーC
RT(Cathode Ray Tube)用のシャド
ウマスクやアパーチャグリルを製造する場合などに利用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】カラーCRTは、図6に示したように、
3本の電子ビームBを放射する電子銃30と、この電子
銃30から放射された電子ビームBを受けて三原色に発
光する蛍光体31と、この蛍光体31と電子銃30との
間に配置され、各電子ビームBのうちの必要な方向の電
子ビームだけを選択的に通過させて不要な方向の電子ビ
ームを遮断するための透孔が多数形成されたシャドウマ
スク32とを備えて構成されている。
3本の電子ビームBを放射する電子銃30と、この電子
銃30から放射された電子ビームBを受けて三原色に発
光する蛍光体31と、この蛍光体31と電子銃30との
間に配置され、各電子ビームBのうちの必要な方向の電
子ビームだけを選択的に通過させて不要な方向の電子ビ
ームを遮断するための透孔が多数形成されたシャドウマ
スク32とを備えて構成されている。
【0003】また、トリニトロン(ソニー(株)所有の
登録商標)型カラーCRTは、図7に示すように、ガラ
スチューブ53内に設けられた電子銃50と、ガラスチ
ューブ53前面の蛍光体51に近接して配置されたアパ
ーチャグリル52とを備えている。アパーチャグリル5
2は、図8に示すように、多数のスリット54が形成さ
れた金属薄板からなり、電子銃50から照射される3本
の電子ビームBのうちの所望の方向の電子ビームのみス
リット54を透過させ、不要な方向の電子ビームを金属
部分55に衝突させるようにして蛍光体51まで到達さ
せないようにする。
登録商標)型カラーCRTは、図7に示すように、ガラ
スチューブ53内に設けられた電子銃50と、ガラスチ
ューブ53前面の蛍光体51に近接して配置されたアパ
ーチャグリル52とを備えている。アパーチャグリル5
2は、図8に示すように、多数のスリット54が形成さ
れた金属薄板からなり、電子銃50から照射される3本
の電子ビームBのうちの所望の方向の電子ビームのみス
リット54を透過させ、不要な方向の電子ビームを金属
部分55に衝突させるようにして蛍光体51まで到達さ
せないようにする。
【0004】ところで、近年、カラーCRTは、一般の
テレビジョン放送受信用のカラーテレビ受像管以外に、
コンピュータ等のディスプレイ用やモニター用などとし
て広く利用されるようになっており、このような用途の
多様化とともに、それらのカラーCRTに対しては極め
て高精細な画質への要求が強い。このため、ディスプレ
イやモニターに利用されるカラーCRT(以下、「高解
像度CRT」という)において使用されるシャドウマス
クやアパーチャグリルは、微細でかつ形状にばらつきの
無い透孔やスリットを有していることが要求される。
テレビジョン放送受信用のカラーテレビ受像管以外に、
コンピュータ等のディスプレイ用やモニター用などとし
て広く利用されるようになっており、このような用途の
多様化とともに、それらのカラーCRTに対しては極め
て高精細な画質への要求が強い。このため、ディスプレ
イやモニターに利用されるカラーCRT(以下、「高解
像度CRT」という)において使用されるシャドウマス
クやアパーチャグリルは、微細でかつ形状にばらつきの
無い透孔やスリットを有していることが要求される。
【0005】ここで、シャドウマスクは、一般に、図9
に示したような工程を経ることにより製造されている。
すなわち、板厚が0.1〜0.3mm程度の低炭素アル
ミキルド鋼、或いはアンバー(Invar)合金(ニッ
ケル含有率が36%の鉄−ニッケル合金)をシャドウマ
スク材として用い、まず、このシャドウマスク材の表面
を脱脂し水洗した後、そのシャドウマスク材の両面に感
光液を塗布し乾燥させて、シャドウマスク材の両面に数
μmの厚みのフォトレジスト膜をそれぞれ被着形成す
る。次に、シャドウマスク材の両面の各フォトレジスト
膜の表面に、形成しようとする電子ビーム通過孔に対応
したパターン状画像を有する露光用マスクを、表・裏で
画像位置を一致させてそれぞれ密着させ、その各マスク
を介して露光を行なった後、現像し、続いて硬膜処理を
施すことにより、シャドウマスク材の表裏両面にパター
ン状画像の耐食性皮膜(レジスト膜)をそれぞれ形成す
る。そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスプレイエッチ
ングを行なって、レジスト膜で被覆されずに露出してい
る金属部分を腐食することにより、板材に所望の形状の
多数の透孔を形成し、エッチング終了後に板材の表裏両
面からレジスト膜を剥離し、水洗、乾燥を行なった後、
板材を所定形状に切断して、所望のシャドウマスクが得
られる。
に示したような工程を経ることにより製造されている。
すなわち、板厚が0.1〜0.3mm程度の低炭素アル
ミキルド鋼、或いはアンバー(Invar)合金(ニッ
ケル含有率が36%の鉄−ニッケル合金)をシャドウマ
スク材として用い、まず、このシャドウマスク材の表面
を脱脂し水洗した後、そのシャドウマスク材の両面に感
光液を塗布し乾燥させて、シャドウマスク材の両面に数
μmの厚みのフォトレジスト膜をそれぞれ被着形成す
る。次に、シャドウマスク材の両面の各フォトレジスト
膜の表面に、形成しようとする電子ビーム通過孔に対応
したパターン状画像を有する露光用マスクを、表・裏で
画像位置を一致させてそれぞれ密着させ、その各マスク
を介して露光を行なった後、現像し、続いて硬膜処理を
施すことにより、シャドウマスク材の表裏両面にパター
ン状画像の耐食性皮膜(レジスト膜)をそれぞれ形成す
る。そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスプレイエッチ
ングを行なって、レジスト膜で被覆されずに露出してい
る金属部分を腐食することにより、板材に所望の形状の
多数の透孔を形成し、エッチング終了後に板材の表裏両
面からレジスト膜を剥離し、水洗、乾燥を行なった後、
板材を所定形状に切断して、所望のシャドウマスクが得
られる。
【0006】ところで、高解像度CRT用のシャドウマ
スクでは、シャドウマスク材の板厚より透孔の直径が小
さくなることが多いが、このようなシャドウマスクを、
1回のエッチングで透孔を形成する方法によって製作す
ると、所望の設計通りの形状に透孔を形成することが極
めて困難であり、実用に供し得ないようなシャドウマス
クしか得られないことが経験的に知られている。
スクでは、シャドウマスク材の板厚より透孔の直径が小
さくなることが多いが、このようなシャドウマスクを、
1回のエッチングで透孔を形成する方法によって製作す
ると、所望の設計通りの形状に透孔を形成することが極
めて困難であり、実用に供し得ないようなシャドウマス
クしか得られないことが経験的に知られている。
【0007】この対策の一つとして、例えばUSP.
3,679,500や特公昭57−26345号公報等
には、エッチングを2回に分けて段階的に行なう方法が
開示されている。この方法について、図10及び図11
を参照しながら説明する。
3,679,500や特公昭57−26345号公報等
には、エッチングを2回に分けて段階的に行なう方法が
開示されている。この方法について、図10及び図11
を参照しながら説明する。
【0008】図10(a)に示すように、表裏両面にパ
ターン状画像のレジスト膜2、2’がそれぞれ被着形成
された金属薄板(シャドウマスク材)1に対し、図10
(b)に示すように、スプレイノズル3からエッチング
液(塩化第二鉄水溶液)4を金属薄板1の片面側に吹き
付け、或いは、図10(b’)に示すように、スプレイ
ノズル3、3’からエッチング液(塩化第二鉄水溶液)
4を金属薄板1の両面に吹き付けて1回目のエッチング
を行ない、金属薄板1に貫通孔が形成される前の段階で
一旦エッチングを中止し、水洗、乾燥を行なうことによ
り、図10(c)に示すように、金属薄板1の片面側に
微細凹窩部5を形成し、或いは、図10(c’)に示す
ように、金属薄板1の両面に微細凹窩部5、5’を形成
する。そして、片面エッチングした場合は、図10
(d)に示すように、そのエッチングした面をエッチン
グ抵抗層6によって被覆し、両面エッチングした場合
は、図10(d’)に示すように、何れか一方の面をエ
ッチング抵抗層6によって被覆する。このエッチング抵
抗層6を形成するには、パラフィン、アスファルト、ラ
ッカー、UV樹脂等をスプレイ、ロールコータ等によ
り、レジスト膜2の表面を含めて金属薄板1の片面側全
面に塗布するようにする。次に、図11(e)、
(e’)に示すように、金属薄板1に対し、スプレイノ
ズル3’からエッチング液4を、エッチング抵抗層6で
被覆されていない側に吹き付けて2回目のエッチングを
行ない、図11(f)、(f’)に示すように、その片
面側に形成される微細凹窩部7(5’)と他方面側の微
細凹窩部5とを互いに連通させる。そして、エッチング
終了後に、金属薄板1の表面からエッチング抵抗層6及
びレジスト膜2、2’をそれぞれ剥離し、水洗、乾燥を
行なうことにより、図11(g)に示すように、表裏で
貫通した微細透孔8が形成された金属薄板1が得られ
る。
ターン状画像のレジスト膜2、2’がそれぞれ被着形成
された金属薄板(シャドウマスク材)1に対し、図10
(b)に示すように、スプレイノズル3からエッチング
液(塩化第二鉄水溶液)4を金属薄板1の片面側に吹き
付け、或いは、図10(b’)に示すように、スプレイ
ノズル3、3’からエッチング液(塩化第二鉄水溶液)
4を金属薄板1の両面に吹き付けて1回目のエッチング
を行ない、金属薄板1に貫通孔が形成される前の段階で
一旦エッチングを中止し、水洗、乾燥を行なうことによ
り、図10(c)に示すように、金属薄板1の片面側に
微細凹窩部5を形成し、或いは、図10(c’)に示す
ように、金属薄板1の両面に微細凹窩部5、5’を形成
する。そして、片面エッチングした場合は、図10
(d)に示すように、そのエッチングした面をエッチン
グ抵抗層6によって被覆し、両面エッチングした場合
は、図10(d’)に示すように、何れか一方の面をエ
ッチング抵抗層6によって被覆する。このエッチング抵
抗層6を形成するには、パラフィン、アスファルト、ラ
ッカー、UV樹脂等をスプレイ、ロールコータ等によ
り、レジスト膜2の表面を含めて金属薄板1の片面側全
面に塗布するようにする。次に、図11(e)、
(e’)に示すように、金属薄板1に対し、スプレイノ
ズル3’からエッチング液4を、エッチング抵抗層6で
被覆されていない側に吹き付けて2回目のエッチングを
行ない、図11(f)、(f’)に示すように、その片
面側に形成される微細凹窩部7(5’)と他方面側の微
細凹窩部5とを互いに連通させる。そして、エッチング
終了後に、金属薄板1の表面からエッチング抵抗層6及
びレジスト膜2、2’をそれぞれ剥離し、水洗、乾燥を
行なうことにより、図11(g)に示すように、表裏で
貫通した微細透孔8が形成された金属薄板1が得られ
る。
【0009】ところが、上記した方法では、1回目のエ
ッチングの際に、サイドエッチングによりレジスト膜の
下面の開孔部周縁まで微細凹窩部の周縁部分が拡がり
(図10(c)、(c’)に示した状態に相当)、図1
2に示したように、レジスト膜2が微細凹窩部5の周縁
より凹窩部5の中心方向へ僅かに張り出す。このため、
エッチング抵抗層6により金属薄板1の片面側を被覆す
る工程で、レジスト膜2の張り出し部分(以下、「庇」
という)9の下部に図12に示すような空気溜り10を
生じる。そして、この空気溜り10の部分における金属
薄板1の表面は、エッチング抵抗層6によって被覆され
ないため、2回目のエッチングの際に、図13に示した
ようにエッチング側でない面に形成された微細凹窩部5
の内面までエッチングされてその微細凹窩部5が大きく
拡がってしまい、最終的に所望通りの形状の微細透孔を
形成することができず、シャドウマスクに欠陥を生じ
る、といった問題点がある。尚、アパーチャグリルの製
造工程も上記したシャドウマスクの製造工程と基本的に
何ら変わるところがなく、アパーチャグリルの製造につ
いても、シャドウマスクの製造における場合と全く同様
の上記問題点がある。
ッチングの際に、サイドエッチングによりレジスト膜の
下面の開孔部周縁まで微細凹窩部の周縁部分が拡がり
(図10(c)、(c’)に示した状態に相当)、図1
2に示したように、レジスト膜2が微細凹窩部5の周縁
より凹窩部5の中心方向へ僅かに張り出す。このため、
エッチング抵抗層6により金属薄板1の片面側を被覆す
る工程で、レジスト膜2の張り出し部分(以下、「庇」
という)9の下部に図12に示すような空気溜り10を
生じる。そして、この空気溜り10の部分における金属
薄板1の表面は、エッチング抵抗層6によって被覆され
ないため、2回目のエッチングの際に、図13に示した
ようにエッチング側でない面に形成された微細凹窩部5
の内面までエッチングされてその微細凹窩部5が大きく
拡がってしまい、最終的に所望通りの形状の微細透孔を
形成することができず、シャドウマスクに欠陥を生じ
る、といった問題点がある。尚、アパーチャグリルの製
造工程も上記したシャドウマスクの製造工程と基本的に
何ら変わるところがなく、アパーチャグリルの製造につ
いても、シャドウマスクの製造における場合と全く同様
の上記問題点がある。
【0010】このような問題点を解決する方法として、
特開昭59−73834号公報には、第1のエッチング
工程の後に、エッチング抵抗層を形成しようとする面の
レジスト膜を金属薄板表面から除去してから、そのレジ
スト膜が除去された面にエッチング抵抗層を形成するよ
うにする方法が開示されている。また、特開昭61−1
30492号公報には、第1のエッチング工程の後に、
レジスト膜の庇の部分のみを、金属薄板全体を超音波浴
に浸漬して超音波により除去し、その後にエッチング抵
抗層を形成する方法が開示されている。
特開昭59−73834号公報には、第1のエッチング
工程の後に、エッチング抵抗層を形成しようとする面の
レジスト膜を金属薄板表面から除去してから、そのレジ
スト膜が除去された面にエッチング抵抗層を形成するよ
うにする方法が開示されている。また、特開昭61−1
30492号公報には、第1のエッチング工程の後に、
レジスト膜の庇の部分のみを、金属薄板全体を超音波浴
に浸漬して超音波により除去し、その後にエッチング抵
抗層を形成する方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−73834号公報に開示されているような方法で
は、第1のエッチング工程後にレジスト膜を除去するに
際して、反対面側のレジスト膜が同時に除去されないよ
うにするため、その反対面側のレジスト膜をシート等に
よって保護しておかなければならないが、そのために、
保護シートを用意する必要があり、また、シートの貼着
及び剥離装置も必要となってくる。さらに、レジスト膜
をアルカリ液等のスプレイによって除去するようにした
ときは、そのレジスト膜除去装置の他に洗浄装置も必要
になるなど、シャドウマスク製造装置全体の構成が複雑
化する、といった問題点がある。
59−73834号公報に開示されているような方法で
は、第1のエッチング工程後にレジスト膜を除去するに
際して、反対面側のレジスト膜が同時に除去されないよ
うにするため、その反対面側のレジスト膜をシート等に
よって保護しておかなければならないが、そのために、
保護シートを用意する必要があり、また、シートの貼着
及び剥離装置も必要となってくる。さらに、レジスト膜
をアルカリ液等のスプレイによって除去するようにした
ときは、そのレジスト膜除去装置の他に洗浄装置も必要
になるなど、シャドウマスク製造装置全体の構成が複雑
化する、といった問題点がある。
【0012】一方、特開昭61−130492号公報に
開示されているような方法では、1回目のエッチング後
に、金属薄板に形成された微細凹窩部内にエッチング液
が僅かに残存し、通常の洗浄ではその残存したエッチン
グ液を完全に除去することは非常に困難であるため、金
属薄板を超音波浴に浸漬した際に超音波浴中でその残留
エッチング液により微細凹窩部が腐食されて拡がってし
まう、といった問題点がある。また、レジスト膜の庇を
切除することができる程度の超音波を金属薄板に対して
付与すると、超音波により金属薄板とレジスト膜との密
着不良を引き起こし、第2のエッチング工程において所
望部位以外のエッチングが起こり、却ってシャドウマス
クに欠陥が発生する原因となる、といった問題点があ
る。
開示されているような方法では、1回目のエッチング後
に、金属薄板に形成された微細凹窩部内にエッチング液
が僅かに残存し、通常の洗浄ではその残存したエッチン
グ液を完全に除去することは非常に困難であるため、金
属薄板を超音波浴に浸漬した際に超音波浴中でその残留
エッチング液により微細凹窩部が腐食されて拡がってし
まう、といった問題点がある。また、レジスト膜の庇を
切除することができる程度の超音波を金属薄板に対して
付与すると、超音波により金属薄板とレジスト膜との密
着不良を引き起こし、第2のエッチング工程において所
望部位以外のエッチングが起こり、却ってシャドウマス
クに欠陥が発生する原因となる、といった問題点があ
る。
【0013】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、複雑な装置や工程を必要とせず、か
つ、超音波浴などを使用しないで、少なくともレジスト
膜の庇の部分を除去することができる方法を提供するこ
とを技術的課題とする。
されたものであり、複雑な装置や工程を必要とせず、か
つ、超音波浴などを使用しないで、少なくともレジスト
膜の庇の部分を除去することができる方法を提供するこ
とを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ウェブ状の金属薄板をその両面側からエッチングする方
法であって、そのエッチングを2回に分けて段階的に行
ない、第1のエッチング工程後に金属薄板の片面を、レ
ジスト膜の表面を含めてエッチング抵抗層によって被覆
してから、第2のエッチング工程を行ない、その後に金
属薄板の表面からエッチング抵抗層およびレジスト膜を
それぞれ剥離するようにして、金属薄板に複数の微細な
透孔を形成する方法において、エッチング抵抗層の被覆
工程に先立ち、ウェブ状の金属薄板をその長手方向に搬
送させるとともに、エッチング抵抗層によって被覆しよ
うとする金属薄板の片面側の表面と平行にかつその幅方
向に高圧スプレイノズルを移動させつつ、前記高圧スプ
レイノズルから高圧流動体を噴出流として金属薄板表面
に対し吹き付けて、第1のエッチング工程によって生じ
た複数の微細凹窩部の周縁より凹窩部中心方向へそれぞ
れ張り出した部分のレジスト膜の庇を、前記噴出流によ
る衝撃力によって庇の根元部分から折って除去するよう
にすることを構成の要旨とする。
ウェブ状の金属薄板をその両面側からエッチングする方
法であって、そのエッチングを2回に分けて段階的に行
ない、第1のエッチング工程後に金属薄板の片面を、レ
ジスト膜の表面を含めてエッチング抵抗層によって被覆
してから、第2のエッチング工程を行ない、その後に金
属薄板の表面からエッチング抵抗層およびレジスト膜を
それぞれ剥離するようにして、金属薄板に複数の微細な
透孔を形成する方法において、エッチング抵抗層の被覆
工程に先立ち、ウェブ状の金属薄板をその長手方向に搬
送させるとともに、エッチング抵抗層によって被覆しよ
うとする金属薄板の片面側の表面と平行にかつその幅方
向に高圧スプレイノズルを移動させつつ、前記高圧スプ
レイノズルから高圧流動体を噴出流として金属薄板表面
に対し吹き付けて、第1のエッチング工程によって生じ
た複数の微細凹窩部の周縁より凹窩部中心方向へそれぞ
れ張り出した部分のレジスト膜の庇を、前記噴出流によ
る衝撃力によって庇の根元部分から折って除去するよう
にすることを構成の要旨とする。
【0015】
【0016】請求項2に係る発明は、上記と同様にし
て、金属薄板に複数の微細な透孔を形成する方法におい
て、ウェブ状の金属薄板をその長手方向に搬送させると
ともに、エッチング抵抗層によって被覆しようとする金
属薄板の片面側の表面と平行にかつその幅方向に沿って
設けられた複数の高圧スプレイノズルから高圧流動体を
噴出流として金属薄板表面に対し吹き付けて、第1のエ
ッチング工程によって生じた複数の微細凹窩部の周縁よ
り凹窩部中心方向へそれぞれ張り出した部分のレジスト
膜の庇を、前記噴出流による衝撃力によって庇の根元部
分から折って除去するようにすることを構成の要旨とす
る。
て、金属薄板に複数の微細な透孔を形成する方法におい
て、ウェブ状の金属薄板をその長手方向に搬送させると
ともに、エッチング抵抗層によって被覆しようとする金
属薄板の片面側の表面と平行にかつその幅方向に沿って
設けられた複数の高圧スプレイノズルから高圧流動体を
噴出流として金属薄板表面に対し吹き付けて、第1のエ
ッチング工程によって生じた複数の微細凹窩部の周縁よ
り凹窩部中心方向へそれぞれ張り出した部分のレジスト
膜の庇を、前記噴出流による衝撃力によって庇の根元部
分から折って除去するようにすることを構成の要旨とす
る。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2記載の微細透孔形成方法において、前記庇除去工
程において、エッチング抵抗層によって被覆しようとす
る金属薄板の片面側の他方の片面側を支持手段によって
支持することを特徴とする。
求項2記載の微細透孔形成方法において、前記庇除去工
程において、エッチング抵抗層によって被覆しようとす
る金属薄板の片面側の他方の片面側を支持手段によって
支持することを特徴とする。
【0018】請求項4に係る発明は、請求項1ないし請
求項3のいずれかに記載の微細透孔形成方法において、
前記高圧スプレイノズルのスプレイ圧を10kgf/c
m2以上とすることを特徴とする。
求項3のいずれかに記載の微細透孔形成方法において、
前記高圧スプレイノズルのスプレイ圧を10kgf/c
m2以上とすることを特徴とする。
【0019】上記構成の請求項1に係る発明の、金属薄
板への微細透孔形成方法においては、第1のエッチング
工程後、エッチング抵抗層の被覆工程前に、ウェブ状の
金属薄板をその長手方向に搬送させるとともに、エッチ
ング抵抗層を形成しようとする金属薄板の片面側の表面
と平行にかつその幅方向に高圧スプレイノズルを移動さ
せつつ、高圧スプレイノズルから高圧流動体を噴出流と
して金属薄板表面に対し吹き付けるようにしている。ま
た、請求項2に係る発明の、金属薄板への微細透孔形成
方法においては、第1のエッチング工程後、エッチング
抵抗層の被覆工程前に、ウェブ状の金属薄板をその長手
方向に搬送させるとともに、エッチング抵抗層によって
被覆しようとする金属薄板の片面側の表面と平行にかつ
その幅方向に沿って設けられた複数の高圧スプレイノズ
ルから高圧流動体を噴出流として金属薄板表面に対し吹
き付けるようにしている。従って、高圧流動体の噴出流
が、エッチング抵抗層を形成しようとする金属薄板の片
面側の全体にわたって均一に吹き付けられる。この場
合、第1のエッチング工程により形成された金属薄板の
複数の微細凹窩部の周縁部分にそれぞれ生成したレジス
ト膜の庇の部分は、レジスト膜の他の部分のように金属
薄板と接合しておらず支えが無いため、高圧流動体の噴
出流による物理的衝撃力によってその庇の根の部分を中
心としてレジスト膜が折れ、根の庇の部分を中心とする
レジスト膜が除去される。従って、続いて行なわれるエ
ッチング抵抗層の被覆工程において、従来のように空気
溜りを生じることがなく、金属薄板の片面はエッチング
抵抗層によって完全に被覆されるので、2回目のエッチ
ングの際に、エッチング側でない面に形成された複数の
微細凹窩部の内面がそれぞれエッチングされることがな
くなる。
板への微細透孔形成方法においては、第1のエッチング
工程後、エッチング抵抗層の被覆工程前に、ウェブ状の
金属薄板をその長手方向に搬送させるとともに、エッチ
ング抵抗層を形成しようとする金属薄板の片面側の表面
と平行にかつその幅方向に高圧スプレイノズルを移動さ
せつつ、高圧スプレイノズルから高圧流動体を噴出流と
して金属薄板表面に対し吹き付けるようにしている。ま
た、請求項2に係る発明の、金属薄板への微細透孔形成
方法においては、第1のエッチング工程後、エッチング
抵抗層の被覆工程前に、ウェブ状の金属薄板をその長手
方向に搬送させるとともに、エッチング抵抗層によって
被覆しようとする金属薄板の片面側の表面と平行にかつ
その幅方向に沿って設けられた複数の高圧スプレイノズ
ルから高圧流動体を噴出流として金属薄板表面に対し吹
き付けるようにしている。従って、高圧流動体の噴出流
が、エッチング抵抗層を形成しようとする金属薄板の片
面側の全体にわたって均一に吹き付けられる。この場
合、第1のエッチング工程により形成された金属薄板の
複数の微細凹窩部の周縁部分にそれぞれ生成したレジス
ト膜の庇の部分は、レジスト膜の他の部分のように金属
薄板と接合しておらず支えが無いため、高圧流動体の噴
出流による物理的衝撃力によってその庇の根の部分を中
心としてレジスト膜が折れ、根の庇の部分を中心とする
レジスト膜が除去される。従って、続いて行なわれるエ
ッチング抵抗層の被覆工程において、従来のように空気
溜りを生じることがなく、金属薄板の片面はエッチング
抵抗層によって完全に被覆されるので、2回目のエッチ
ングの際に、エッチング側でない面に形成された複数の
微細凹窩部の内面がそれぞれエッチングされることがな
くなる。
【0020】以上の通り、この発明は、従来、エッチン
グの後工程として行なわれる水洗工程での水圧を、レジ
スト膜が部分的に剥がれたり或いはレジスト膜に亀裂が
生じて金属薄板との部分的密着不良が発生しないよう、
さらにはまた金属薄板そのものに折れが生じたりしない
よう、例えば0.5〜1.5kgf/cm2のような低
圧に抑えなければならないという固定観念から離れ、む
しろ積極的に高圧の流動体を加えることにより庇の除去
が可能であることに想到し、さらに実験によりこれを確
認することにより完成したものである。
グの後工程として行なわれる水洗工程での水圧を、レジ
スト膜が部分的に剥がれたり或いはレジスト膜に亀裂が
生じて金属薄板との部分的密着不良が発生しないよう、
さらにはまた金属薄板そのものに折れが生じたりしない
よう、例えば0.5〜1.5kgf/cm2のような低
圧に抑えなければならないという固定観念から離れ、む
しろ積極的に高圧の流動体を加えることにより庇の除去
が可能であることに想到し、さらに実験によりこれを確
認することにより完成したものである。
【0021】
【0022】
【0023】請求項3に係る発明の微細透孔形成方法で
は、庇除去工程において、エッチング抵抗層によって被
覆しようとする金属薄板の片面側の他方の片面側が支持
手段によって支持されるので、高圧流動体の噴出時にお
ける圧力によって金属薄板が変形する、といった心配が
無い。
は、庇除去工程において、エッチング抵抗層によって被
覆しようとする金属薄板の片面側の他方の片面側が支持
手段によって支持されるので、高圧流動体の噴出時にお
ける圧力によって金属薄板が変形する、といった心配が
無い。
【0024】請求項4に係る発明の微細透孔形成方法で
は、庇除去工程において、高圧スプレイノズルのスプレ
イ圧が10kgf/cm2以上とされることにより、高
圧流動体の噴出流によるレジスト膜の庇の除去が確実に
行なわれることとなる。
は、庇除去工程において、高圧スプレイノズルのスプレ
イ圧が10kgf/cm2以上とされることにより、高
圧流動体の噴出流によるレジスト膜の庇の除去が確実に
行なわれることとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図面を参照しながら説明する。
について図面を参照しながら説明する。
【0026】この発明に係る金属薄板への微細透孔形成
方法は、図10及び図11に基づいて説明した上記各工
程を経る点で一般に行なわれている方法と基本的には同
じであるが、この発明に係る方法では、第1のエッチン
グ工程(図10(b)、(c)又は(b’)、
(c’))の終了後、エッチング抵抗層の被覆工程(図
10(d)又は(d’))に先立ち、金属薄板1の微細
凹窩部5の周縁部分に生成したレジスト膜の庇9(図1
2参照)を除去する(以下、「庇除去」という)ように
した点に特徴がある。
方法は、図10及び図11に基づいて説明した上記各工
程を経る点で一般に行なわれている方法と基本的には同
じであるが、この発明に係る方法では、第1のエッチン
グ工程(図10(b)、(c)又は(b’)、
(c’))の終了後、エッチング抵抗層の被覆工程(図
10(d)又は(d’))に先立ち、金属薄板1の微細
凹窩部5の周縁部分に生成したレジスト膜の庇9(図1
2参照)を除去する(以下、「庇除去」という)ように
した点に特徴がある。
【0027】高圧スプレイノズルなどを用いた高圧流動
体の噴出流は、エッチング抵抗層を形成しようとする金
属薄板の片面側全体にわたって均一に吹き付けられるよ
うにする。このためには、図1(a)〜(c)に示した
ように、1個又は複数個の高圧スプレイノズル11を金
属薄板1の表面と平行に相対移動させ、金属薄板1の片
側全面を走査するようにしている。
体の噴出流は、エッチング抵抗層を形成しようとする金
属薄板の片面側全体にわたって均一に吹き付けられるよ
うにする。このためには、図1(a)〜(c)に示した
ように、1個又は複数個の高圧スプレイノズル11を金
属薄板1の表面と平行に相対移動させ、金属薄板1の片
側全面を走査するようにしている。
【0028】使用する流動体としては、高圧スプレイノ
ズルから噴射することができ、その噴出流により物理的
衝撃をレジスト膜に与えることができるものであればよ
く、水、酸、アルカリ水、各種薬品、有機溶剤等の液
体、氷粒、砂、酸化チタン粉末、石英粉等の粉粒物、或
いはそれら液体と粉粒物との混合物などが使用される。
ズルから噴射することができ、その噴出流により物理的
衝撃をレジスト膜に与えることができるものであればよ
く、水、酸、アルカリ水、各種薬品、有機溶剤等の液
体、氷粒、砂、酸化チタン粉末、石英粉等の粉粒物、或
いはそれら液体と粉粒物との混合物などが使用される。
【0029】以上の工程は、1回目のエッチングを終え
た後、エッチング抵抗層形成前の乾燥工程までの間に、
適当な方法により実施すればよい。例えば、1回目のエ
ッチングを終えて水洗工程の後に、庇の除去を(独立し
た工程として)行なってもよい。この場合には、水洗工
程により金属薄板の表面は清浄になっているため、噴射
水等を循環させて繰り返し使用することができる。ま
た、1回目のエッチングを終えた後に、水洗工程と兼ね
て庇の除去を行なってもよい。この場合には、水洗装置
のスプレイノズルからの噴射水を利用して庇の除去を同
時に行なうようにするため、庇の除去のみを目的とする
専用装置が不要となる。尚、場合によっては、庇の除去
工程に続いて、切除されたレジスト膜切片の排除を目的
として水洗工程を追加してもよい。
た後、エッチング抵抗層形成前の乾燥工程までの間に、
適当な方法により実施すればよい。例えば、1回目のエ
ッチングを終えて水洗工程の後に、庇の除去を(独立し
た工程として)行なってもよい。この場合には、水洗工
程により金属薄板の表面は清浄になっているため、噴射
水等を循環させて繰り返し使用することができる。ま
た、1回目のエッチングを終えた後に、水洗工程と兼ね
て庇の除去を行なってもよい。この場合には、水洗装置
のスプレイノズルからの噴射水を利用して庇の除去を同
時に行なうようにするため、庇の除去のみを目的とする
専用装置が不要となる。尚、場合によっては、庇の除去
工程に続いて、切除されたレジスト膜切片の排除を目的
として水洗工程を追加してもよい。
【0030】尚、実験では、高圧水の噴射時における水
圧によってもウェブ状シャドウマスク材の変形はみられ
なかったが、安全のために、ステージ上に金属薄板を支
承してその上面を移動させながら、高圧水等を金属薄板
の上面に対して噴射し、或いは回転ロールにウェブ状金
属薄板を巻き掛けて移動させながら、ロールで支持され
た部分へ高圧水等を噴射するようにしてもよい。
圧によってもウェブ状シャドウマスク材の変形はみられ
なかったが、安全のために、ステージ上に金属薄板を支
承してその上面を移動させながら、高圧水等を金属薄板
の上面に対して噴射し、或いは回転ロールにウェブ状金
属薄板を巻き掛けて移動させながら、ロールで支持され
た部分へ高圧水等を噴射するようにしてもよい。
【0031】
【実施例】次に、この発明を実際に適用した実験及びそ
れらの結果について図2並びに表1を参照して説明す
る。
れらの結果について図2並びに表1を参照して説明す
る。
【0032】試料としては、第1回目のエッチング工程
を終え両面側に孔径が約100μmの丸孔凹窩部が形成
され、その後水洗乾燥を行なったウェブ状シャドウマス
ク材14(低炭素アルミキルド鋼)を対象とし、図2に
示したように、このシャドウマスク材14を定盤ステー
ジ(図示せず)の上面に沿って搬送するとともに、高圧
流動体噴射用スプレイシステム18をシャドウマスク材
14の搬送方向に対し直交する方向にかつシャドウマス
ク材14の上面と平行にガイド19に沿って移動させ、
シャドウマスク材14の幅方向に移動するスプレイシス
テム18からシャドウマスク材14の全面にわたって均
等に流動体が噴射されるようにした。
を終え両面側に孔径が約100μmの丸孔凹窩部が形成
され、その後水洗乾燥を行なったウェブ状シャドウマス
ク材14(低炭素アルミキルド鋼)を対象とし、図2に
示したように、このシャドウマスク材14を定盤ステー
ジ(図示せず)の上面に沿って搬送するとともに、高圧
流動体噴射用スプレイシステム18をシャドウマスク材
14の搬送方向に対し直交する方向にかつシャドウマス
ク材14の上面と平行にガイド19に沿って移動させ、
シャドウマスク材14の幅方向に移動するスプレイシス
テム18からシャドウマスク材14の全面にわたって均
等に流動体が噴射されるようにした。
【0033】高圧流動体噴射用スプレイシステム18と
しては、ノードソン(株)製A7A型エアレス自動ガン
を用い、噴射される流動体としては23.2℃の常温水
を用いて、その噴射水径は約2mmφであった。また、
シャドウマスク材14の搬送速度は1mm/sec、ス
プレイシステム18の移動速度は400mm/sec、
シャドウマスク材14の幅は600mmであった。そし
て、表1に示すようにスプレイシステム18のスプレイ
圧を変化させながら、それぞれの圧力ごとにシャドウマ
スク材14の表面から2cm離間させた高さから垂直に
常温水を噴射して実験を行なった。尚、スプレイ圧の測
定には、富士フィルム(株)製超低圧用(ツーシートタ
イプ)富士フィルムプレスケールを用いて行なった。
しては、ノードソン(株)製A7A型エアレス自動ガン
を用い、噴射される流動体としては23.2℃の常温水
を用いて、その噴射水径は約2mmφであった。また、
シャドウマスク材14の搬送速度は1mm/sec、ス
プレイシステム18の移動速度は400mm/sec、
シャドウマスク材14の幅は600mmであった。そし
て、表1に示すようにスプレイシステム18のスプレイ
圧を変化させながら、それぞれの圧力ごとにシャドウマ
スク材14の表面から2cm離間させた高さから垂直に
常温水を噴射して実験を行なった。尚、スプレイ圧の測
定には、富士フィルム(株)製超低圧用(ツーシートタ
イプ)富士フィルムプレスケールを用いて行なった。
【0034】次に、上記のように、高圧流動体の噴射工
程を経たシャドウマスク材14の第1回目のエッチング
工程によって複数の凹窩部が形成されている一方の側の
表面に、エッチング抵抗層として約1,000cPのU
V樹脂をロールコータによって約10μmの厚さに塗布
した。
程を経たシャドウマスク材14の第1回目のエッチング
工程によって複数の凹窩部が形成されている一方の側の
表面に、エッチング抵抗層として約1,000cPのU
V樹脂をロールコータによって約10μmの厚さに塗布
した。
【0035】続いて、図11に示したように、スプレイ
ノズルからエッチング液を、エッチング抵抗層で被覆さ
れていない方の片面側に吹き付けて第2回目のエッチン
グを行ない、その片面側に形成される微細凹窩部と、第
1回目のエッチング工程で形成されている微細凹窩部と
を互いに連通させ、その後、図9に示したフローチャー
トの工程順に従って、シャドウマスク材表面からエッチ
ング抵抗層及びレジスト膜をそれぞれ剥離し、さらに水
洗、乾燥を行なった。上記第1回目と第2回目のエッチ
ング工程には、40℃、45ボーメ度の塩化第二鉄水溶
液を用いた。
ノズルからエッチング液を、エッチング抵抗層で被覆さ
れていない方の片面側に吹き付けて第2回目のエッチン
グを行ない、その片面側に形成される微細凹窩部と、第
1回目のエッチング工程で形成されている微細凹窩部と
を互いに連通させ、その後、図9に示したフローチャー
トの工程順に従って、シャドウマスク材表面からエッチ
ング抵抗層及びレジスト膜をそれぞれ剥離し、さらに水
洗、乾燥を行なった。上記第1回目と第2回目のエッチ
ング工程には、40℃、45ボーメ度の塩化第二鉄水溶
液を用いた。
【0036】実験結果の評価方法としては、庇除去の効
果に関しては、スプレイシステム18による常温水噴射
工程を経た後のシャドウマスク材14表面を光学顕微鏡
で観察し、庇が完全に除去されているか否かを判断し
た。
果に関しては、スプレイシステム18による常温水噴射
工程を経た後のシャドウマスク材14表面を光学顕微鏡
で観察し、庇が完全に除去されているか否かを判断し
た。
【0037】また、空気溜りの有無に関しては、上記の
ように高圧流動体噴射用スプレイシステム18による庇
除去工程の後UV樹脂が塗布されたシャドウマスク材1
4表面における塗布状態を光学顕微鏡により観察し、空
気溜りが1つでも存在するか否かを判定した。
ように高圧流動体噴射用スプレイシステム18による庇
除去工程の後UV樹脂が塗布されたシャドウマスク材1
4表面における塗布状態を光学顕微鏡により観察し、空
気溜りが1つでも存在するか否かを判定した。
【0038】さらに、エッチング仕上がり状態に関して
は、庇除去、エッチング抵抗層被覆、第2回目のエッチ
ング、レジスト膜及びエッチング抵抗層剥離、水洗、乾
燥の各工程を経て最終的にシャドウマスク材14に形成
された微細透孔を視認によって判断し、所望通りの形状
で微細透孔が形成されているか否かを判定した。それら
の判定の結果を表1に示す。
は、庇除去、エッチング抵抗層被覆、第2回目のエッチ
ング、レジスト膜及びエッチング抵抗層剥離、水洗、乾
燥の各工程を経て最終的にシャドウマスク材14に形成
された微細透孔を視認によって判断し、所望通りの形状
で微細透孔が形成されているか否かを判定した。それら
の判定の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】以上の実験結果により、高圧流動体噴射用
スプレイシステム18のスプレイ圧を10kgf/cm
2以上、例えば15kgf/cm2とすることにより、庇
部が完全に除去され、従ってエッチング抵抗層を被覆し
ても空気溜りが存在せず、最終的に所望の形状の微細透
孔が形成されることが分かる。
スプレイシステム18のスプレイ圧を10kgf/cm
2以上、例えば15kgf/cm2とすることにより、庇
部が完全に除去され、従ってエッチング抵抗層を被覆し
ても空気溜りが存在せず、最終的に所望の形状の微細透
孔が形成されることが分かる。
【0041】次に、上記の実験結果によって明らかにな
った庇除去条件を満足することのできる、高圧流動体を
金属薄板表面に対して噴射する工程の実施方法を幾つか
例示する。
った庇除去条件を満足することのできる、高圧流動体を
金属薄板表面に対して噴射する工程の実施方法を幾つか
例示する。
【0042】まず、図3に示した例は、第1のエッチン
グ工程を終えたウェブ状シャドウマスク材14を定盤ス
テージ(図示せず)の上面に沿って搬送するとともに、
スプレイノズル48を3個設けてそれをシャドウマスク
材14の搬送方向に対し直交する方向にかつシャドウマ
スク材14の上面と平行にガイド19に沿って移動さ
せ、シャドウマスク材14の幅方向に移動する3個のス
プレイノズル48からシャドウマスク材14の全面にわ
たって均等に流動体が噴射されるように構成したもので
ある。
グ工程を終えたウェブ状シャドウマスク材14を定盤ス
テージ(図示せず)の上面に沿って搬送するとともに、
スプレイノズル48を3個設けてそれをシャドウマスク
材14の搬送方向に対し直交する方向にかつシャドウマ
スク材14の上面と平行にガイド19に沿って移動さ
せ、シャドウマスク材14の幅方向に移動する3個のス
プレイノズル48からシャドウマスク材14の全面にわ
たって均等に流動体が噴射されるように構成したもので
ある。
【0043】上記スプレイノズル48としては、(株)
いけうち製型番1/4MVEP11519を用いた。こ
のスプレイノズル48は、シャドウマスク材14の表面
より7cm離間した高さからシャドウマスク材14の搬
送方向に約8cmの範囲で噴出流が扇形に吹き付けられ
るようにする。また、噴射される流動体としては常温水
を用い、シャドウマスク材14の搬送速度は3m/mi
n、各スプレイノズル48の移動速度は250mm/s
ec以上、例えば300mm/secの場合でシャドウ
マスク材14の幅方向に200mm往復移動させる。シ
ャドウマスク材14の幅は600mmである。このと
き、シャドウマスク材表面には10kgf/cm2以
上、例えば15kgf/cm2のスプレイ圧で流動体が
噴射され得る。
いけうち製型番1/4MVEP11519を用いた。こ
のスプレイノズル48は、シャドウマスク材14の表面
より7cm離間した高さからシャドウマスク材14の搬
送方向に約8cmの範囲で噴出流が扇形に吹き付けられ
るようにする。また、噴射される流動体としては常温水
を用い、シャドウマスク材14の搬送速度は3m/mi
n、各スプレイノズル48の移動速度は250mm/s
ec以上、例えば300mm/secの場合でシャドウ
マスク材14の幅方向に200mm往復移動させる。シ
ャドウマスク材14の幅は600mmである。このと
き、シャドウマスク材表面には10kgf/cm2以
上、例えば15kgf/cm2のスプレイ圧で流動体が
噴射され得る。
【0044】次に、図4に示した例は、第1のエッチン
グ工程を終えて搬送されてくるウェブ状シャドウマスク
材14の搬送方向に対し直交する方向にスプレイ管15
を配設し、スプレイ管15に一列に設けられた複数の固
定ノズル16から、シャドウマスク材14の幅方向の全
体にわたって均等に流動体が噴射されるようにする。こ
のとき、噴射される流動体としては常温水を用い、シャ
ドウマスク材14の表面に対して加えられるスプレイ圧
は10kgf/cm2以上、例えば15kgf/cm2と
し、シャドウマスク材14の搬送速度は必要に応じて適
宜、例えば0.5〜4m/minとする。そして、シャ
ドウマスク材14の裏面側を支持するために定盤ステー
ジ(図示せず)を搬送路に配設し、その定盤ステージの
上面に沿ってシャドウマスク材14を搬送する。
グ工程を終えて搬送されてくるウェブ状シャドウマスク
材14の搬送方向に対し直交する方向にスプレイ管15
を配設し、スプレイ管15に一列に設けられた複数の固
定ノズル16から、シャドウマスク材14の幅方向の全
体にわたって均等に流動体が噴射されるようにする。こ
のとき、噴射される流動体としては常温水を用い、シャ
ドウマスク材14の表面に対して加えられるスプレイ圧
は10kgf/cm2以上、例えば15kgf/cm2と
し、シャドウマスク材14の搬送速度は必要に応じて適
宜、例えば0.5〜4m/minとする。そして、シャ
ドウマスク材14の裏面側を支持するために定盤ステー
ジ(図示せず)を搬送路に配設し、その定盤ステージの
上面に沿ってシャドウマスク材14を搬送する。
【0045】さらに、図5は、シャドウマスク材14の
裏面側を支持するために定盤ステージに代えて回転ロー
ラ17を搬送路中に配設し、その回転ローラ17で支持
された部分へ常温水を噴射するようにした例である。回
転ローラ17としては、ゴム被覆ローラ或いは金属ロー
ラの何れを用いてもよい。また、スプレイ圧及びシャド
ウマスク材14の搬送速度は、上記と同一条件にする。
裏面側を支持するために定盤ステージに代えて回転ロー
ラ17を搬送路中に配設し、その回転ローラ17で支持
された部分へ常温水を噴射するようにした例である。回
転ローラ17としては、ゴム被覆ローラ或いは金属ロー
ラの何れを用いてもよい。また、スプレイ圧及びシャド
ウマスク材14の搬送速度は、上記と同一条件にする。
【0046】上記した何れの場合にも、良好な結果が得
られた。
られた。
【0047】尚、上記の実験例及び高圧流動体噴射工程
の実施例では、丸孔形状の凹窩部の場合について説明し
てきたが、本願発明はこの形状のみに限定されるわけで
はなく、スロット型の透孔をシャドウマスク材に形成す
る場合にも適用できることは言うまでもない。
の実施例では、丸孔形状の凹窩部の場合について説明し
てきたが、本願発明はこの形状のみに限定されるわけで
はなく、スロット型の透孔をシャドウマスク材に形成す
る場合にも適用できることは言うまでもない。
【0048】また、上述の実施例では、この発明をカラ
ーCRT用のシャドウマスクを製造する場合に適用した
例について説明してきたが、この発明は、アパーチャグ
リルの多数の微小なスリットを形成する場合にも同様に
適用することができる。実際に、この発明に係る方法に
従ってアパーチャグリルを製造したところ、スリットの
形状にばらつきが無い良好な品質のものを得ることがで
きた。尚、アパーチャグリルの製造工程は、シャドウマ
スクの製造工程と基本的に同じであって、アパーチャグ
リルのスリットを形成する際に使用する露光用マスクの
パターン状画像がシャドウマスクの透孔形成用のものと
異なるだけであるので、アパーチャグリルのスリット形
成工程についての説明は省略する。
ーCRT用のシャドウマスクを製造する場合に適用した
例について説明してきたが、この発明は、アパーチャグ
リルの多数の微小なスリットを形成する場合にも同様に
適用することができる。実際に、この発明に係る方法に
従ってアパーチャグリルを製造したところ、スリットの
形状にばらつきが無い良好な品質のものを得ることがで
きた。尚、アパーチャグリルの製造工程は、シャドウマ
スクの製造工程と基本的に同じであって、アパーチャグ
リルのスリットを形成する際に使用する露光用マスクの
パターン状画像がシャドウマスクの透孔形成用のものと
異なるだけであるので、アパーチャグリルのスリット形
成工程についての説明は省略する。
【0049】さらに、この発明は、カラーCRT用のシ
ャドウマスクやアパーチャグリルの製造への適用に限定
されるわけではなく、例えば半導体素子を外部へ電気的
に接続するためのリードフレーム等の精密電子部品の製
造におけるエッチング穿孔工程にも適用することができ
るのは言うまでもない。
ャドウマスクやアパーチャグリルの製造への適用に限定
されるわけではなく、例えば半導体素子を外部へ電気的
に接続するためのリードフレーム等の精密電子部品の製
造におけるエッチング穿孔工程にも適用することができ
るのは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、ウェブ状の金属薄板をその両面側か
らエッチングし、そのエッチングを2回に分けて、第1
のエッチング工程後に金属薄板の片面を、レジスト膜の
表面を含めてエッチング抵抗層で被覆してから第2のエ
ッチング工程を行なう場合に、請求項1及び請求項2に
係る各発明の金属薄板への微細透孔形成方法によると、
庇除去工程において、高圧スプレイノズルから高圧流動
体の噴出流が、エッチング抵抗層を形成しようとする金
属薄板の片面側の全体にわたって均一に吹き付けられ、
前記片面側に形成された複数の微細凹窩部の周縁部分に
それぞれ生成したレジスト膜の庇がそれぞれ除去される
ので、続いて行なわれるエッチング抵抗層の被覆工程に
おいて、従来のように空気溜りを生じることなく金属薄
板の片面がエッチング抵抗層によって完全に被覆され
る。従って、第2のエッチング工程においてエッチング
側でない面がエッチングされることを有効に防止するこ
とができ、所望通りの形状の微細透孔を形成することが
できるため、欠陥の無い高精細度のシャドウマスクやア
パーチャグリルを製造することが可能になる。そして、
この発明に係る方法によれば、レジスト膜の庇の部分を
除去するのに、比較的簡易な設備を付設するだけで済
む。
かつ作用するので、ウェブ状の金属薄板をその両面側か
らエッチングし、そのエッチングを2回に分けて、第1
のエッチング工程後に金属薄板の片面を、レジスト膜の
表面を含めてエッチング抵抗層で被覆してから第2のエ
ッチング工程を行なう場合に、請求項1及び請求項2に
係る各発明の金属薄板への微細透孔形成方法によると、
庇除去工程において、高圧スプレイノズルから高圧流動
体の噴出流が、エッチング抵抗層を形成しようとする金
属薄板の片面側の全体にわたって均一に吹き付けられ、
前記片面側に形成された複数の微細凹窩部の周縁部分に
それぞれ生成したレジスト膜の庇がそれぞれ除去される
ので、続いて行なわれるエッチング抵抗層の被覆工程に
おいて、従来のように空気溜りを生じることなく金属薄
板の片面がエッチング抵抗層によって完全に被覆され
る。従って、第2のエッチング工程においてエッチング
側でない面がエッチングされることを有効に防止するこ
とができ、所望通りの形状の微細透孔を形成することが
できるため、欠陥の無い高精細度のシャドウマスクやア
パーチャグリルを製造することが可能になる。そして、
この発明に係る方法によれば、レジスト膜の庇の部分を
除去するのに、比較的簡易な設備を付設するだけで済
む。
【0051】
【0052】
【0053】請求項3に係る発明の微細透孔形成方法に
よると、庇除去工程において、高圧流動体の噴出時にお
ける圧力によって金属薄板が変形することはないので、
金属薄板の変形に起因して製品処理不良を引き起こす、
といった心配が無い。
よると、庇除去工程において、高圧流動体の噴出時にお
ける圧力によって金属薄板が変形することはないので、
金属薄板の変形に起因して製品処理不良を引き起こす、
といった心配が無い。
【0054】請求項4に係る発明の微細透孔形成方法に
よると、庇除去工程において、高圧流動体の噴出流によ
るレジスト膜の庇の除去が確実に行なわれるので、請求
項1及び請求項2に係る各発明の上記効果が確実に得ら
れることとなる。
よると、庇除去工程において、高圧流動体の噴出流によ
るレジスト膜の庇の除去が確実に行なわれるので、請求
項1及び請求項2に係る各発明の上記効果が確実に得ら
れることとなる。
【図1】この発明に係る、エッチングによる金属薄板へ
の微細透孔形成方法における特徴部分の構成及び作用を
説明するための部分拡大縦断面図である。
の微細透孔形成方法における特徴部分の構成及び作用を
説明するための部分拡大縦断面図である。
【図2】この発明を実際に適用した実験において行なわ
れた高圧流動体噴射工程の実施方法を説明するための概
略斜視図である。
れた高圧流動体噴射工程の実施方法を説明するための概
略斜視図である。
【図3】この発明の実施方法を例示する概略斜視図であ
る。
る。
【図4】この発明の別の実施方法を例示する概略斜視図
である。
である。
【図5】この発明のさらに別の実施方法を例示する概略
斜視図である。
斜視図である。
【図6】カラーCRTの概略構成を示す図である。
【図7】別の型のカラーCRTの概略構成を示す図であ
る。
る。
【図8】図19に示した型のカラーCRTに使用される
アパーチャグリルの部分拡大正面図である。
アパーチャグリルの部分拡大正面図である。
【図9】シャドウマスクの製造工程の1例を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図10】従来方法によるエッチング工程について説明
するための部分拡大縦断面図である。
するための部分拡大縦断面図である。
【図11】同じく、従来方法によるエッチング工程につ
いて説明するための部分拡大縦断面図である。
いて説明するための部分拡大縦断面図である。
【図12】従来のエッチング方法における問題点につい
て説明するための部分拡大縦断面図である。
て説明するための部分拡大縦断面図である。
【図13】同じく、従来のエッチング方法における問題
点について説明するための部分拡大縦断面図である。
点について説明するための部分拡大縦断面図である。
1 金属薄板 2、2’ レジスト膜 5、5’ 微細凹窩部 6 エッチング抵抗層 8 微細透孔 9 レジスト膜の庇 11 高圧スプレイノズル 12 流動体 13 レジスト膜 14 シャドウマスク材 15 スプレイ管 16 固定ノズル 48 スプレイノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 雅伸 京都市上京区堀川通寺之内上る4丁目天 神北町1番地の1 大日本スクリーン製 造株式会社内 (72)発明者 稲垣 昭紘 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 外海 正司 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (72)発明者 尾本 貢一 滋賀県彦根市高宮町480番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社 彦根地区事 業所内 (56)参考文献 特開 昭61−130492(JP,A) 特開 昭55−80319(JP,A) 特開 昭59−73834(JP,A) 特開 昭59−71239(JP,A) 特開 昭63−286588(JP,A) 特開 平1−252787(JP,A) 特開 平2−22484(JP,A) ウォータージェット、第5巻、第1 号、第2〜7頁(1988年3月、日本ウォ ータージェット学会) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 H01J 9/14
Claims (4)
- 【請求項1】 ウェブ状の金属薄板の両面に、表裏両面
で互いに対応したパターン状画像を有するレジスト膜を
それぞれ被着形成する工程と、 前記金属薄板の表面の、前記レジスト膜で被覆されてい
ない露呈部分を両面側からもしくは片面側からエッチン
グして、金属薄板の両面もしくは片面に複数の微細凹窩
部を形成する第1のエッチング工程と、 前記金属薄板の、前記複数の微細凹窩部が形成された片
面を、前記レジスト膜の表面を含めてエッチング抵抗層
によって被覆する被覆工程と、 前記金属薄板の、前記エッチング抵抗層で被覆されてい
ない片面側からエッチングして、その片面側から他方面
側の前記複数の微細凹窩部までそれぞれ貫通した複数の
微細透孔を形成する第2のエッチング工程と、 この第2のエッチング工程後に前記金属薄板の表面から
前記エッチング抵抗層およびレジスト膜をそれぞれ剥離
する工程と を備えてなる、金属薄板への微細透孔形成方
法において、 前記エッチング抵抗層の被覆工程に先立ち、前記ウェブ
状の金属薄板をその長手方向に搬送させるとともに、エ
ッチング抵抗層によって被覆しようとする金属薄板の片
面側の表面と平行にかつその幅方向に高圧スプレイノズ
ルを移動させつつ、前記高圧スプレイノズルから高圧流
動体を噴出流として金属薄板表面に対し吹き付けて、前
記複数の微細凹窩部の周縁より凹窩部中心方向へそれぞ
れ張り出した部分の前記レジスト膜の庇を、前記噴出流
による衝撃力によって庇の根元部分から折って除去する
庇除去工程を備えることを特徴とする、金属薄板への微
細透孔形成方法。 - 【請求項2】 ウェブ状の金属薄板の両面に、表裏両面
で互いに対応したパターン状画像を有するレジスト膜を
それぞれ被着形成する工程と、 前記金属薄板の表面の、前記レジスト膜で被覆されてい
ない露呈部分を両面側からもしくは片面側からエッチン
グして、金属薄板の両面もしくは片面に複数の微細凹窩
部を形成する第1のエッチング工程と、 前記金属薄板の、前記複数の微細凹窩部が形成された片
面を、前記レジスト膜の表面を含めてエッチング抵抗層
によって被覆する被覆工程と、 前記金属薄板の、前記エッチング抵抗層で被覆されてい
ない片面側からエッチングして、その片面側から他方面
側の前記複数の微細凹窩部までそれぞれ貫通した複数の
微細透孔を形成する第2のエッチング工程と、 この第2のエッチング工程後に前記金属薄板の表面から
前記エッチング抵抗層およびレジスト膜をそれぞれ剥離
する工程とを備えてなる、金属薄板への微細透孔形成方
法において、 前記エッチング抵抗層の被覆工程に先立ち、前記ウェブ
状の金属薄板をその長手方向に搬送させるとともに、エ
ッチング抵抗層によって被覆しようとする金属薄板の片
面側の表面と平行にかつその幅方向に沿って設けられた
複数の高圧スプレイノズルから高圧流動体を噴出流とし
て金属薄板表面に対し吹き付けて、前記複数の微細凹窩
部の周縁より凹窩部中心方向へそれぞれ張り出した部分
の前記レジスト膜の庇を、前記噴出流による衝撃力によ
って庇の根元部分から折って除去する庇除去工程を備え
ることを特徴とする 、金属薄板への微細透孔形成方法。 - 【請求項3】 前記庇除去工程において、エッチング抵
抗層によって被覆しようとする金属薄板の片面側の他方
の片面側が支持手段によって支持されることを特徴とす
る請求項1または請求項2記載の、金属薄板への微細透
孔形成方法。 - 【請求項4】 前記高圧スプレイノズルのスプレイ圧が
10kgf/cm 2 以上であることを特徴とする請求項
1ないし請求項3のいずれかに記載の、金属薄板への微
細透孔形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04002597A JP3149379B2 (ja) | 1990-09-20 | 1997-02-07 | 金属薄板への微細透孔形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25276390 | 1990-09-20 | ||
JP2-252763 | 1990-09-20 | ||
JP04002597A JP3149379B2 (ja) | 1990-09-20 | 1997-02-07 | 金属薄板への微細透孔形成方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3270323A Division JP3009076B2 (ja) | 1990-09-20 | 1991-09-20 | 金属薄板への微細透孔形成方法 |
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---|---|
JPH09324285A JPH09324285A (ja) | 1997-12-16 |
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ID=26379444
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04002597A Expired - Fee Related JP3149379B2 (ja) | 1990-09-20 | 1997-02-07 | 金属薄板への微細透孔形成方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3149379B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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JP5455099B1 (ja) * | 2013-09-13 | 2014-03-26 | 大日本印刷株式会社 | 金属板、金属板の製造方法、および金属板を用いてマスクを製造する方法 |
JP5516816B1 (ja) | 2013-10-15 | 2014-06-11 | 大日本印刷株式会社 | 金属板、金属板の製造方法、および金属板を用いて蒸着マスクを製造する方法 |
JP5641462B1 (ja) | 2014-05-13 | 2014-12-17 | 大日本印刷株式会社 | 金属板、金属板の製造方法、および金属板を用いてマスクを製造する方法 |
EP3257964B1 (en) | 2015-02-10 | 2019-11-13 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Manufacturing method for deposition mask, metal sheet used for producing deposition mask, and manufacturing method for said metal sheet |
-
1997
- 1997-02-07 JP JP04002597A patent/JP3149379B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
ウォータージェット、第5巻、第1号、第2〜7頁(1988年3月、日本ウォータージェット学会) |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09324285A (ja) | 1997-12-16 |
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