JP3110257B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP3110257B2
JP3110257B2 JP06204885A JP20488594A JP3110257B2 JP 3110257 B2 JP3110257 B2 JP 3110257B2 JP 06204885 A JP06204885 A JP 06204885A JP 20488594 A JP20488594 A JP 20488594A JP 3110257 B2 JP3110257 B2 JP 3110257B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメモリIC等の半導体集
積回路において、低消費電力且つ安定に動作する昇圧電
源等の電源発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器の普及に伴い、また、省
エネルギーという観点から、電池駆動を可能とした低電
圧動作、低消費電力のLSIに対する需要が高まってき
ている。ダイナミックメモリ(DRAM)においては、
高速に低電圧動作を実現する技術として常時昇圧方式と
いう技術が開発されている(例えば特開平3 −273594号
公報参照)。そして、本出願人は、前記常時昇圧方式に
おいて、待機時の消費電力を低減するため、動作時と待
機時とで独立2系統の昇圧電源回路を設け、電流供給能
力は低いが消費電力が少ない昇圧電源回路で待機時の昇
圧電源を供給する方式を特願平5 −280918に提案してい
る。
【0003】前記提案のもの、即ち動作時と待機時とで
独立2系統の昇圧電源回路を設け、電流供給能力は低い
が消費電力が少ない昇圧電源回路で待機時の昇圧電源を
供給する方式について、図面を参照しながら説明する。
図2は前記提案例の昇圧電源回路の構成を示すものであ
る。図2において、401は動作時用チャージポンプ回
路、402は動作時用チャージポンプ制御回路、403
は待機時用チャージポンプ回路、405は昇圧電位検知
回路、404は発振回路である。
【0004】動作時において、昇圧電源は、ワード線の
昇圧等、ロウアドレスストローブ信号(RAS)のレベ
ル遷移に同期して消費されるので、動作時用チャージポ
ンプ制御回路402はRASのレベル遷移に応じて動作
時用チャージポンプ回路401を駆動している。
【0005】待機時(RASがハイである期間)の昇圧
電源の消費は、リーク成分のみであるから、待機時の昇
圧電源供給能力はリーク量を補充する程度でよい。ま
た、昇圧電位が検知レベルを越えてからも、検知時間遅
れにより、チャージポンプ回路はむだに動作してしま
う。したがって、動作時と待機時で2系統のチャージポ
ンプ回路を備え、動作時チャージポンプ回路と比べて待
機時チャージポンプ回路の供給能力、すなわち消費電流
を低く抑え、待機時は待機時用チャージポンプ回路のみ
が動く構成とした方が、待機時の低消費電力化には得策
である。待機時の昇圧電位を昇圧電位検知回路405で
検知し、昇圧電位が検知レベル以下になると発振回路4
04が発振して、待機時用チャージポンプ回路403を
駆動する。
【0006】また、近年の半導体集積回路は、それを搭
載する機器の低消費電力化を図るために低電圧の外部単
一電源を使用する傾向にあるが、内部回路の一部に於い
て、複数の信号電位を必要とする場合が生じる。例え
ば、ダイナミックランダムアクセスメモリに於いては、
メモリセルの容量に蓄積される電位をNチャネルMOS
トランジスタを介してビット線に読み出すが、電位低下
無しに読み出しを行なうためには、NチャネルMOSト
ランジスタのゲートを容量に蓄積する電位に対してNチ
ャネルMOSトランジスタのしきい値以上高い電位で駆
動しなければならない。容量に蓄積される電位は、通
常、外部電源電位が使用されるので、NチャネルMOS
トランジスタのゲート駆動電位は、電源電位より高い電
位に昇圧しなければならず、この高電位を集積回路内部
で発生する必要がある。また、半導体集積回路はそれ自
身の低消費電力化、高速化の要求が厳しく、動作電流が
少なく、且つ高速で動作する昇圧回路が必要とされてい
る。
【0007】以下、図面を参照しながら、上記した従来
の昇圧回路、即ち前記図2に示す動作時用又は待機時用
のチャージポンプ回路の一例について説明する。
【0008】図14に従来の昇圧回路の構成の一例を示
す。図15に、図14に示す従来の昇圧回路に於ける動
作タイミングチャートを示す。
【0009】図14に於いて、各トランジスタはMOS
トランジスタであり、200〜202はそれぞれ異なる
クロックφ1〜φ3を供給するクロック供給手段であ
る。203はクロック供給手段200の出力クロックφ
1を入力しノードaに接続される電荷供給手段であっ
て、昇圧用電荷を蓄積するキャパシタ210と、クロッ
クφ1を入力して大容量キャパシタ210を駆動するド
ライバ211を備える。
【0010】204は大容量キャパシタ210をプリチ
ャージするプリチャージ手段であって、ゲート及びドレ
インが外部電源もしくは図14に示されない内部電源発
生回路で生成した電源であるVCC電源に接続され、ソ
ースがノードaに接続されるNチャネルMOSトランジ
スタで構成される。
【0011】205は整流スイッチであって、ドレイン
がノードaに接続され、ゲートがノードcに接続され、
ソースが昇圧電源VPPに接続されたNチャネルMOS
トランジスタで構成される。
【0012】206は整流スイッチ制御手段であって、
ドレインがノードaに接続され、ソースがノードbに接
続され、ゲートがノードcに接続されたNチャネルMO
Sトランジスタ212と、ノードbとノードcのそれぞ
れに異なる電極を接続したキャパシタ213を備える。
【0013】207はリセット手段であって、ソースが
接地電源に接続され、ゲートがクロック供給手段202
の出力であるクロックφ3を入力するNチャネルMOS
トランジスタ214と、ソースがNチャネルMOSトラ
ンジスタ214のドレインに接続され、ゲートがVCC
電源に接続され、ドレインがノードbに接続されるNチ
ャネルMOSトランジスタ215を備える。
【0014】クロックφ1〜φ3の信号レベルは論理的
なHighレベルがVCC電源レベル、論理的なLow
レベルが接地電源レベルである。ノードcは後述する様
にVCC電源レベルより高いレベルに昇圧されるため、
ノードcがVCC電源レベルより高いレベルに昇圧され
た時に、ノードcからVCC電源への逆流を避けるため
クロック供給手段201の出力であるクロックφ2はハ
イインピーダンスにする必要がある。
【0015】図14に示す従来の昇圧回路は、初期状態
で、図15の(a)〜(c)に示す如く、クロックφ1
及びφ3はVCCレベルであり、クロックφ2は接地レ
ベルである。図15の(d)に示す如く、ノードaはプ
リチャージ手段204により(VCC−Vtn)レベ
ル。ここでVtnとはNチャネルMOSトランジスタの
しきい値である。図15の(e)、(f)に示す如く、
ノードb及びノードcは接地レベルである。
【0016】図14に示す従来の昇圧回路が動作する
と、先ず、図15の(b)に示す如く、クロックφ2が
VCCレベルに遷移すると、図15の(f)に示す如
く、ノードcがVCCレベルに遷移し、NチャネルMO
Sトランジスタ212をオンする。これによりプリチャ
ージ手段204のVCC電源からNチャネルMOSトラ
ンジスタ212及びNチャネルMOSトランジスタ21
5、214を通じて接地電源に貫通電流が生じるが、、
図15の(e)に示す如く、ノードbは接地電位に保た
れる様に、NチャネルMOSトランジスタ212の駆動
能力は十分小さく設定されている。
【0017】続いて、図15の(c)に示す如く、クロ
ックφ3が接地レベルに遷移し、NチャネルMOSトラ
ンジスタ214がオフして、図15の(e)に示す如
く、ノードbはプリチャージ手段204により(VCC
−Vtn)レベルに充電される、この際、キャパシタ2
13の両電極間にはVCCレベルだけ電位差があり、図
15の(f)に示す如く、ノードcはキャパシタ213
により(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。同
時に、ノードcからクロック供給手段201を構成する
回路のVCC電源への電流の逆流を避けるため、図15
の(b)に示す如く、クロック供給手段201の出力で
あるφ2はハイインピーダンスに設定される。
【0018】続いて、図15の(a)に示す如く、クロ
ックφ1が接地レベルに遷移し、電荷供給手段203を
構成するドライバ211が、キャパシタ210のノード
aとは反対側の電極を接地レベルからVCCレベルまで
昇圧して、図15の(d)に示す如く、ノードaは(V
CC−Vtn)レベルから(2VCC−Vtn)レベル
まで昇圧される。これにより、図15の(e)に示す如
く、ノードbは、NチャネルMOSトランジスタ212
を介して、(2VCC−Vtn)レベルまで昇圧され、
図15の(f)に示す如く、ノードcがキャパシタ21
3により(3VCC−Vtn)レベルまで昇圧される。
この時、ノードcのレベルはノードaの(2VCC−V
tn)レベルよりNチャネルMOSトランジスタ205
のしきい値以上高くなり、ノードaに蓄積された電荷は
NチャネルMOSトランジスタ205を介して昇圧電源
VPPに供給される。その結果、図15の(d)、
(e)に示す如く、ノードa及びノードbのレベルは、
昇圧電源VPPと同レベルとなる。
【0019】次に、前記レベル検知回路314の従来に
おける具体的構成の一例を図22に示す。
【0020】図22において、ソース電位とウエル電位
が昇圧電位であるpチャンネルトランジスタ524は抵
抗527と直列に接続し昇圧電源とグランド間に配置さ
れ、ドレインは、しきい値電圧を所望の値に設定したイ
ンバーター525を介して内部昇圧電位ジェネレータに
接続し、ゲートは、抵抗526と直列に接続し電源電圧
とグランド間に配置した、ゲートとドレインを短絡した
pチャンネルトランジスタ523のドレインに接続され
ている。
【0021】以上のように構成された従来の半導体集積
回路について、以下、その動作について説明する。
【0022】pチャンネルトランジスタ523のしきい
値電圧をVt1とすると、pチャンネルトランジスタ5
23のドレイン電位はVCC−Vt1となる。pチャン
ネルトランジスタ524のしきい値電圧をVt2とする
と、昇圧電位がVCC−Vt1+Vt2に達した時、ト
ランジスタ524はオン状態になりトランジスタ524
のドレイン電圧は上昇する。しきい値電圧Vt1、Vt
2及び抵抗526、527の抵抗値を調整することによ
り、pチャンネルトランジスタ524のドレイン電位を
ソース電圧の昇圧電位の変動に連動させることができ
る。
【0023】昇圧電位が所望の設定値より高くなった時
には、pチャンネルトランジスタ524のドレイン電位
は上昇し、インバータ514のしきい値電圧以上になる
と、内部昇圧電位ジェネレータを停止させ、昇圧電位が
所望の電位より高くなることを防止することが可能であ
る。
【0024】同様にして、昇圧電位が低下した場合も、
内部昇圧電位ジェネレータを動作させ、昇圧電位が所望
の電位より低くなることを防止することが可能である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者等
は、RASがロウである期間の昇圧電源リーク電流が、
RASがハイである期間(待機時)の昇圧電源リーク電
流よりも増大することを見出した。
【0026】このことを図6を用いて説明する。図6は
ワード線ドライバ回路を示したものである。ノード34
4に昇圧電源が印可されている。RASがハイの場合、
ノード346、347はGNDレベルでNチャンネルト
ランジスタ349がオフ、ノード348はハイレベルで
Nチャンネルトランジスタ343がオンで、ワード線3
41はGNDレベルに固定されており、昇圧電源のリー
クパスは存在しないので、問題はない。これに対し、R
ASがロウの場合、ロウアドレスに応じて選択されたワ
ード線ドライバ回路では、ノード348がGNDレベル
に遷移してNチャンネルトランジスタ343がオフし、
ノード347が昇圧レベルまで立ち上がり、ノード34
5の電位は昇圧レベルからNチャンネルトランジスタ3
49のしきい値Vtを引いた値となる。更に、ロウアド
レスに対応したワード線ドライバ回路では、ノード34
6に昇圧電源が印可される。ノード346と345のカ
ップリングによってノード345の電位が上昇し、Nチ
ャンネルトランジスタ342を通じてワード線341に
昇圧電源が印可される。ここで、昇圧電源はNチャンネ
ルトランジスタ343を通じてGNDにリークするた
め、待機時よりも昇圧電源リーク電流が増加する。
【0027】しかしながら、前記提案のような昇圧電源
回路の構成では、RASのレベル遷移に応じて動作時用
電源電圧発生回路が昇圧電源を発生するため、ファース
トページモードのようにRASがロウである期間が長い
場合には、待機時用電源電圧発生回路で昇圧電源を供給
しなければならず、従って、RASがロウである期間
の、増大した昇圧電源リーク電流を考慮して待機時の昇
圧電源供給能力を高く設定しなければならず、その結
果、待機時での消費電流が増大してしまうという問題を
有していた。
【0028】また、上記の様な構成の半導体集積回路に
備えるチャージポンプ回路では、図14に示す如く、異
なるクロックを供給するクロック供給手段が3つも必要
であり、特に、クロックφ2を供給するクロック供給手
段201は、VCCレベル及び、接地レベルの他に、ハ
イインピーダンス状態を供給する必要があり、複雑な回
路構成が必要であるという問題点を有していた。
【0029】更に、ノードcが(3VCC−Vtn)レ
ベルに達するまでに、3段階の昇圧を行なわねばなら
ず、図15に示す期間t1、t2、t3の如く、各々の
昇圧が十分に行なわれる様に、昇圧を制御する各々のク
ロック間のタイミングにマージンをとらなければならな
い。このため、図15に示す如く、最初に供給されるク
ロックであるクロックφ2から、ノードcが(3VCC
−Vtn)レベルに達し、ノードaに蓄積された電荷が
NチャネルMOSトランジスタ205を介して昇圧電源
VPPに供給されるまでに要する期間t4が長く、高周
波数動作が困難であるという問題点を有していた。
【0030】加えて、広範囲の電源電圧で動作を行なう
場合、例えば、VCC電圧が5.5Vから1.8Vとい
う範囲である場合には、高電圧5.5V時に比べて、低
電圧1.8V時ではトランジスタの駆動能力が著しく小
さくなる。特に、上述した様に、NチャネルMOSトラ
ンジスタ212の駆動能力は小さく設定されているた
め、図15に示す如く、ノードaが昇圧されてから、N
チャネルMOSトランジスタ212によってノードbが
ノードaと同じレベルにイコライズされるのに要する期
間t2、t3が低電圧時には非常に長くなり、高周波数
動作が困難であり、高周波数動作時には、ノードcの3
段階の昇圧時に、ノードbがノードaと同じレベルにイ
コライズされる前に次の昇圧が始まり、ノードbのレベ
ルが十分上がらず、その結果、ノードcのレベルが十分
上がらず、ノードaに蓄積された電荷がNチャネルMO
Sトランジスタ205を介して昇圧電源VPPに十分供
給されないという問題点を有していた。
【0031】また、回路動作開始時に、図15に示す期
間t5の間、NチャネルMOSトランジスタ212、2
14はオンしており、プリチャージ手段204のVCC
電源からNチャネルMOSトランジスタ212及びNチ
ャネルMOSトランジスタ215、214を通じて接地
電源に貫通電流が生じるという問題点を有していた。
【0032】更に、前記の従来の半導体集積回路に備え
るレベル検知回路(昇圧電位検知回路)では、その検知
回路自体に、常時、内部昇圧電源からグランドへのリー
クパスが存在していて、内部発生電源ジェネレーターの
動作効率を低下させており、チップ全体の消費電流を増
加させている欠点があった。
【0033】即ち、図22において、pチャンネルトラ
ンジスタ524のゲート、ソース間電圧は、pチャンネ
ルトランジスタ524のしきい値電圧Vt2近傍の値を
とるように設定しているため、pチャンネルトランジス
タ524は常に微小な電流を流す状態にあり、pチャン
ネルトランジスタ524のソース電源である内部昇圧電
位ジェネレーターとグランド間にはリーク電流が流れて
る。すなわち、昇圧電位を検知するために、昇圧電位の
レベルが低下し内部昇圧電位ジェネレーターが動作しな
ければならず、消費電流を増加させるいう課題を有して
いた。
【0034】本発明は前記問題点に鑑み、その目的は、
待機時の消費電流を増加させることなく、昇圧電源や降
圧電源等を安定供給する電源電圧発生回路を提供する点
にある。
【0035】また、本発明に関連する技術として、本願
では、1つのクロック供給手段でもって高電圧に昇圧で
きると共に、回路動作時の消費電力を低減し、低電源電
圧時に於いても効率良く電荷供給を行ない、且つ、高速
に動作する昇圧回路を提供する。
【0036】更に、本発明に関連する技術として、本願
では、内部発生電源電位ジェネレータの動作効率を低下
させることなく、すなわち、内部発生電源電位の電位変
化なしに内部発生電源電位を検知し、チップの消費電流
低減が可能な半導体集積回路を提供する。
【0037】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、請求項1〜請求項記載の発明の半導体集積回路
では、電源電圧発生回路として、動作時(RAS等のレ
ベル遷移時)用や待機時用の各電源電圧発生回路とは別
途に、RASがロウである期間(広い概念の動作時)の
みに昇圧電源等を供給する電源電圧発生回路を設ける構
成を採用する。
【0038】また、前記構成の発明に関連する技術とし
て、本願では、電源電圧発生回路として、前記昇圧電源
のリーク電流が流れる経路中に存在するNチャネルトラ
ンジスタを、リーク電流を少なく制限できる特性のもの
で構成することを提案する。
【0039】また、前記問題点を解決するために、本発
明に関連する技術として、本願では、昇圧回路として、
前記図14におけるノードa及びcを所定電位(例えば
Vcc)にプリチャージしておき、この状態で、1個の
クロックにより電荷供給手段の出力(即ち、ノードa)
を前記所定電位の2倍のレベルに昇圧し、この昇圧した
電圧を用いて整流スイッチ制御手段の出力(即ち、前記
ノードc)を所定電位の3倍の電位に昇圧できる構成を
採用した技術を提案する。
【0040】更に、前記問題点を解決するために、本発
明に関連する技術として、本願では、昇圧電位検知回路
として、検知するチップ内部発生電源を、ドレインを検
知信号とするトランジスタの基板又はゲートに接続する
構成を採用することにより、電流のリークパスを内部昇
圧電源以外の電源,即ち外部電源やその電圧を降圧した
電源からグランドへのパスとして、そのリーク電流を、
従来の昇圧電源からグランドへリークする電流に比し
て、小値に制限する技術を提案する。
【0041】すなわち、請求項1記載の発明の半導体集
積回路の構成は、半導体集積回路の動作を制御し一の状
態になってワード線を活性化する制御信号のレベル遷移
に応答して動作し、前記制御信号のレベル遷移があると
きにのみ、外部から与える電源電圧とは異なる第1の電
源電圧を有する内部電源として電源を供給する第1の電
源電圧発生回路と、少なくとも前記制御信号が前記一の
状態と異なる他の状態の待機時に動作し、前記第1の電
源電圧を検知して前記第1の電源電圧が検知レベルより
も低下した際に前記内部電源として電源を供給する第2
の電源電圧発生回路と、前記制御信号が前記一の状態の
動作時にのみ動作し、前記第1の電源電圧を検知して前
記第1の電源電圧が検知レベルよりも低下した際に前記
内部電源として電源を供給する第3の電源電圧発生回路
とを備え、前記第2の電源電圧発生回路及び前記第3の
電源電圧発生回路は、第1の電源電圧を検知する電圧検
知部を有し、前記第3の電源電圧発生回路の電圧検知部
は、前記第2の電源電圧発生回路の電圧検知部と共用さ
れることを特徴とする。
【0042】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載の半導体集積回路において、第3の電源電圧発
生回路は、その供給能力が、第2の電源電圧発生回路の
供給能力よりも高いことを特徴とする。
【0043】
【0044】加えて、請求項記載の発明では、前記請
項1記載の半導体集積回路において、第3の電源電圧
発生回路は、第1の電源電圧発生回路よりも電流供給能
力が低いことを特徴とする。
【0045】
【作用】前記の構成により、請求項1〜請求項記載の
発明では、制御信号がワード線を活性化する一の状態
(例えば、ロウレベル)の動作時に、その制御信号(例
えばRAS)のハイからロウへのレベル遷移に応答して
行われる回路動作(例えば、ワード線の充電等)で消費
される電流に対しては、第1の電源電圧発生回路により
電源が供給される。また、制御信号がワード線を活性化
する前記一の状態とは異なる他の状態の待機時(RAS
がハイレベルの時)に生じるリーク電流等に対しては第
2の電源電圧発生回路により電源が供給される。更に、
前記制御信号のレベル遷移に応答した回路動作が終了し
て前記第1の電源電圧発生回路の動作が終了した後の動
作中(RASがロウレベルを維持している期間)におい
て、半導体集積回路の動作時に生じる電流(例えば、ワ
ード線ドライバ回路でのリーク電流等)に対しては、第
3の電源電圧発生回路により電源が供給される。従っ
て、第2の(待機時用の)電源電圧発生回路の昇圧電源
供給能力は、待機時に必要最小限な供給量でよく、動作
時に昇圧電源リークが増大することを考慮する必要がな
い。よって、前記各々の場合での電源供給能力を適切に
設定でき、半導体集積回路の安定動作の確保及び消費電
流の低減が図られる。更に、第2の電源電圧発生回路及
び第3の電源電圧発生回路で電圧検知部を共用するの
で、その分、回路構成が簡易になる。
【0046】
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (第1の実施例) 図1は本発明の第1の実施例における電源電圧発生回路
の構成を示すものである。
【0048】図1(b)に示すように、昇圧電源消費電
流(IPP)は、制御信号としてのロウアドレスストロ
ーブ信号(以下、RASという)がハイからロウへ遷移
することによって開始されるワード線の充電と、RAS
がロウからハイへ遷移することによって開始されるレベ
ルシフタのリセット等で主に消費される。このように、
IPPはRASの周期TRCに同期している。
【0049】0.5nmルールで設計した16Mbit
DRAMにおけるRASの状態に関するIPPを図1
(c)に示す。RASの周期TRCが150nsの場合
は、VCC=3.3VでIPP=10mAを消費する。
RASがロウレベルの期間はIPP=50uA、RAS
がハイレベルの期間はIPP=2uA程度の電流を消費
する。
【0050】そこで、IPPを最も消費するRASのレ
ベル遷移時に同期して、昇圧電源電圧を供給するための
電源電圧発生回路と、RASがロウの期間のみ動作する
電源電圧発生回路と、RASがハイの期間のみ動作する
電源電圧発生回路との3系統の電源電圧発生回路で昇圧
電源回路を構成すれば、待機時(RASがハイレベルの
期間)の昇圧電源リーク電流に対して最小限の供給能力
を有する昇圧電源発生回路、すなわち、待機時の電流消
費量が最小の昇圧電源発生回路が実現できる。この昇圧
電源発生回路を図1(a)示す。
【0051】図1(a)において、301は動作時用電
源電圧発生回路(第1の電源電圧発生回路)、302は
補助電源電圧発生回路(第3の電源電圧発生回路)、3
03は待機時用電源電圧発生回路(第2の電源電圧発生
回路)、304はレベル検知回路(電圧検知部)、30
5は発振回路である。前記レベル検知回路304及び発
振回路305は、補助及び待機時用の各電源電圧発生回
路302、303で共用される。
【0052】以上のように構成された電源電圧発生回路
について、その動作を説明する。動作時用電源電圧発生
回路301はロウアドレスストローブ信号(RAS)に
よって制御されており、RASのレベル遷移に応じて動
作時用電源電圧発生回路301内部のチャージポンプ回
路が昇圧電源を発生する。RASのレベル遷移がない期
間は、動作時用電源電圧発生回路301は昇圧電源を供
給しない。
【0053】レベル検知回路304は昇圧電源電位に応
じて信号を発生し、この信号が発生している期間、発振
回路305が発振信号を出力して、待機時用電源電圧発
生回路303と補助電源電圧発生回路302を駆動す
る。昇圧電源電位が検知回路304の検知レベルよりも
下がると、RASのレベルに関係なく、待機時用電源電
圧発生回路303は発振回路305によって駆動され
る。補助電源電圧発生回路302は、昇圧電源電位が検
知回路304の検知レベルよりも下がっていても,RA
Sがハイレベルの場合には駆動されず、RASがロウレ
ベルの場合のみ駆動される。
【0054】このように、RASがハイレベルの期間、
即ち、制御信号(RAS)がワード線を活性化する一の
状態(ロウレベル)とは異なる他の状態の待機時には、
待機時用電源電圧発生回路303のみで昇圧電源を供給
し、一方、RASがロウレベルの動作時には、昇圧電源
リーク電流に対しては、待機時用電源電圧発生回路30
3と補助電源電圧発生回路302の両方で昇圧電源を供
給する。すなわち、待機時用電源電圧発生回路303に
関しては、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リーク
電流を考慮する必要がなく、RASがハイレベルの期間
の昇圧電源リーク電流に対して、昇圧電源電位を保持す
る必要最小限の電流供給能力を持たせればよい。したが
って、RASがロウレベルの期間の昇圧電源リークの増
大を補償しても、待機時(RASがハイレベルの期間)
における、昇圧電位発生に係る消費電流を増加させるこ
とはない。しかも、補助及び待機時用の各電源電圧発生
回路302、303でレベル検知回路304及び発振回
路305を共用するので、その分、回路構成が簡易にな
る。
【0055】尚、待機時用電源電圧発生回路と補助電源
電圧発生回路は、それぞれ独立にレベル検知回路、発振
回路で制御してもよい。また、待機時用電源電圧発生回
路303はRASがハイレベルの期間のみ昇圧電源を発
生する構成としてもよい。 (本願発明に関連する技術の第1の提案例) 図3(a)は本発明に関連する技術の第1の提案例を示
す。同図の電源電圧発生回路は、動作時用電源電圧発生
回路により補助電源電圧発生回路を兼用したものであ
る。図3(a)において、311はチャージポンプ回
路、312は発振回路(第1の発振回路)、313は遅
延回路である。図3(b)は、遅延回路313で生じる
遅延時間よりも制御信号のパルス幅が短い場合の電位変
化、図3(c)は、遅延回路313で生じる遅延時間よ
りも制御信号のパルス幅が長い場合の電位変化を示して
いる。
【0056】図3(a)のレベル検知信号がハイレベル
の場合における、電源電圧発生回路の動作について図3
(b)、(c)を用いて説明する。制御信号がロウであ
る場合は、ノード314はハイ、ノード315はロウ、
ノード316はハイである。制御信号がロウからハイに
遷移すると、ただちにノード314はロウに遷移する。
ノード314の電位変化から遅延回路313で生ずる遅
延時間だけ遅れて、ノード315はロウからハイに遷移
する。ここまでは、制御信号の長短にかかわらず各ノー
ドの電位変化は同じである。
【0057】図3(b)に示すように、遅延回路313
の遅延時間よりも早く制御信号が再びハイからロウに遷
移すると、ノード316はハイのまま変化せず、ノード
314はハイに遷移し、発振回路312は制御信号に同
期したパルスを1回だけ発生する。
【0058】図3(c)に示すように、制御信号がハイ
のままであれば、ノード315がロウからハイへ遷移す
ることによりノード316はハイからロウに遷移し、続
いてノード314がハイに遷移する。制御信号がハイを
保ち続けると、ノード315には遅延回路313で生じ
た遅延時間を持って、ノード314と反転したレベル遷
移が現れ、続いてノード316のレベルが反転し、さら
にノード314のレベルも反転する。このように、制御
信号がハイの期間は、発振回路312は遅延回路313
で生じる遅延時間を半周期として発振する。
【0059】レベル検知信号がロウの場合は、ノード3
16がハイに固定されるので、制御信号に同期した信号
を発振回路312は出力する。
【0060】制御信号にロウアドレスストローブ(RA
S)に同期した信号を用いれば、RASがハイからロウ
に遷移する時に、発振回路312がチャージポンプ回路
311を駆動して電源電圧を発生する。さらに、レベル
検知信号がハイであり、RASがロウレベルである期間
が発振周期よりも長い場合は、RASがハイからロウに
遷移する時と、RASがハイからロウに遷移する時から
発振周期毎に発振回路312がチャージポンプ回路31
1を駆動して電源電圧を発生する。
【0061】したがって、図3(a)に示す電源電圧発
生回路を動作時の昇圧電源発生回路として用いれば、R
ASがロウレベルの期間の昇圧電源リークも補償でき
る。待機時の昇圧電源発生回路は、待機時の昇圧電源リ
ークを補償する必要最小限の電流供給能力でよいので、
待機時の消費電流を増大させることなくRASがロウレ
ベルの期間の昇圧電源リークも補償できる。 (本願発明に関連する技術の第2の提案例) 図4は本発明に関連する技術の第2の提案例を示す。同
図の電源電圧発生回路は、待機時用電源電圧発生回路に
より補助電源電圧発生回路を兼用したものである。図4
において、320はチャージポンプ回路、321は発振
回路(第2の発振回路)、324、328はPチャンネ
ルMOSトランジスタ、325、329はNチャンネル
MOSトランジスタ、326、327は抵抗である。
【0062】図4に示す電源電圧発生回路の動作を説明
する。レベル検知信号がハイである期間、発振回路32
1が発振信号を出力し、チャージポンプ回路320を駆
動して電源電圧を発生する。発振回路321の発振周期
は遅延回路322の信号遅延によって作られる。この
際、制御信号がハイであれば、PチャンネルMOSトラ
ンジスタ324とNチャンネルMOSトランジスタ32
5はオフしており、遅延回路322で生じる信号遅延
は、抵抗326の抵抗値とPチャンネルMOSトランジ
スタ328のオン抵抗をたした値、又は、抵抗327の
抵抗値とNチャンネルMOSトランジスタ329のオン
抵抗をたした値と、ノード333の容量を掛けた時定数
できまる。制御信号がロウであれば、PチャンネルMO
Sトランジスタ324とNチャンネルMOSトランジス
タ325はオンし、遅延回路322の時定数は、抵抗3
26の抵抗値とPチャンネルMOSトランジスタ324
のオン抵抗を並列に合成した値に、PチャンネルMOS
トランジスタ328のオン抵抗をたした値にノード33
3の容量を掛け合わせた値、又は、抵抗327の抵抗値
とNチャンネルMOSトランジスタ325のオン抵抗を
並列に合成した値に、NチャンネルMOSトランジスタ
329のオン抵抗をたした値と、ノード333の容量を
掛け合わせた値になる。
【0063】したがって、抵抗326、327の抵抗値
と、PチャンネルMOSトランジスタ324のオン抵
抗、NチャンネルMOSトランジスタ325のオン抵抗
を適当に選べば、制御信号のハイ、ロウに応じて、発振
回路321の発振周波数を設定できる。制御信号として
RASに同期した信号を選べば、RASがハイの期間よ
りもRASがロウの期間に発振回路321の発振周波数
は高くなる。発振回路321の発振周波数が高くなれば
チャージポンプ回路320で発生する電流が増加する。
RASがロウの期間の昇圧電源リークを補償するよう
に、RASがロウの期間の発振回路321の発振周期を
高くし、RASがハイの期間の昇圧電源リークを補償す
る必要最小限の電流が供給できるように、RASがハイ
の期間の発振回路321の発振周期を設定すれば、RA
Sがハイの期間の消費電流を増やすことなく、RASが
ロウの期間の昇圧電源リークを補償できる。 (本願発明に関連する技術の第3の提案例) 図5は本発明に関連する技術の第3の提案例における電
源電圧発生回路の構成を示すものである。図5におい
て、340は動作時用電源電圧発生回路、341は補助
電源電圧発生回路、342は待機時用電源電圧発生回
路、343はレベル検知回路、344は発振回路であ
る。
【0064】以上のように構成された電源電圧発生回路
について、その動作を説明する。動作時用電源電圧発生
回路340はロウアドレスストローブ信号(RAS)に
よって制御されており、RASのレベル遷移に応じて動
作時用電源電圧発生回路340内部のチャージポンプ回
路が昇圧電源を発生する。RASのレベル遷移がない期
間は、動作時用電源電圧発生回路340は昇圧電源を供
給しない。
【0065】レベル検知回路343は昇圧電源電位応じ
て信号を発生し、この信号が発生している期間、発振回
路344が発振信号を出力して、待機時用電源電圧発生
回路342を駆動する。昇圧電源電位が検知回路343
の検知レベルよりも下がると、RASのレベルに関係な
く、待機時用電源電圧発生回路342は発振回路344
によって駆動される。
【0066】補助電源電圧発生回路341は、動作時用
電源電圧発生回路340と同様の構成であるが、制御信
号として、RASではなくコラムアドレスストローブ信
号(CAS)を使用する。CASのレベル遷移に応じて
補助電源電圧発生回路341内部のチャージポンプ回路
が駆動されて昇圧電源を発生するが、CASのレベル遷
移がない場合は昇圧電源を供給しない。
【0067】DRAMのファーストページモードでは、
ロウアドレスを一定にしてコラムアドレスだけを変化さ
せる期間が存在し、RASがロウに保持されている期間
にCASがハイ、ロウの遷移を繰り返す。図5に示した
構成の電源電圧発生回路を用いれば、ファーストページ
モードでは、補助電源電圧発生回路341によって、C
ASの周期に同期して昇圧電源を発生できるので、RA
Sがロウの期間の昇圧電源リークを補助電源電圧発生回
路341で補償できる。ファーストページモード以外で
は、RASがロウである期間の昇圧電源リークによって
昇圧電源レベルが下がらない程度に、RASがロウであ
る期間を短く規定すれば、待機時電源電圧発生回路34
2の電流供給能力は、RASがハイの期間の昇圧電源リ
ークを補償する必要最小限でよく、待機時の消費電流は
増加しない。
【0068】尚、以上の説明では、昇圧回路を例に上げ
て説明したが、本発明は、その他、降圧回路にも同様に
適用できるのは勿論である。 (本願発明に関連する技術の第の提案例) 図6は本願発明に関連する技術の第の提案例を示す。
図6はワード線ドライバ回路を示している。図中341
はワード線、342、349はNチャンネルMOSトラ
ンジスタ、343はNチャンネルMOSトランジスタ
(制御トランジスタ)、344は昇圧電源であり、ノー
ド344には昇圧電源が印可されている。
【0069】RASがハイの場合、ノード346、34
7はGNDレベルでNチャンネルMOSトランジスタ3
49がオフ、ノード348はハイレベルでNチャンネル
MOSトランジスタ343がオンであり、ワード線34
1はGNDレベルに固定されており、昇圧電源のリーク
パスは存在しない。
【0070】RASがロウの場合、ロウアドレスに応じ
て選択されたワード線ドライバ回路では、ノード348
がGNDレベルに遷移してNチャンネルMOSトランジ
スタ343がオフし、ノード347が昇圧レベルまで立
ち上がり、ノード345の電位は昇圧レベルからNチャ
ンネルMOSトランジスタ344のしきい値Vtを引い
た値となる。ノード346に昇圧電源が印可され、ノー
ド346とノード345のカップリングによってノード
345の電位が上昇し、NチャンネルMOSトランジス
タ342を通じてワード線341に昇圧電源が印可され
る。NチャンネルMOSトランジスタ343のソース・
ドレイン間に昇圧電圧がかかり、昇圧電源のリークパス
となる。
【0071】選択されなかったワード線ドライバ回路で
は、ノード347はGNDレベルでNチャンネルMOS
トランジスタ349がオフ、ノード348はハイレベル
でNチャンネルMOSトランジスタ343がオンのまま
であるが、ロウアドレスに応じてノード346に昇圧電
源が印可される場合もある。この場合、NチャンネルM
OSトランジスタ342のソース・ドレイン間に昇圧電
圧がかかり、昇圧電源のリークパスとなる。
【0072】図7はNチャンネルMOSトランジスタに
おける、ゲート長に対する単位ゲート幅当りのオフリー
ク電流を示すグラフである。NチャンネルMOSトラン
ジスタのゲートは、加工精度のばらつきによって、10
%程度小さくなることもある。例えば、設計時のゲート
長を0.5umとすると、仕上がり寸法のばらつきによ
ってNチャンネルMOSトランジスタのオフリーク電流
は2桁ほど増大してしまう。
【0073】昇圧電源は電源を安定させるために大きな
容量を有しており、一旦レベルがさがってしまうと所定
昇圧電位まで容易には回復せず、動作不良を引き起こ
す。このように、昇圧電源リークは消費電流を増加させ
るのみならず動作不良も引き起こすので、昇圧電源レベ
ルが下がらないように昇圧電源リークを補償しなければ
ならない。
【0074】図6におけるNチャンネルMOSトランジ
スタ342、343は、レイアウト面積を最小にして動
作速度を速くするため一般に、デバイスで使用できる最
小のゲート長(いわゆる最小ルール)で構成されてい
る。NチャンネルMOSトランジスタ342、343の
ゲート長、ゲート幅をそれぞれ0.5um、10umと
設計する。加工ばらつきを10%と見積ればワード線ド
ライバ回路1組あたりの昇圧電源リーク電流は、0.1
nA程度から1uA程度までの幅を持つと予想される。
【0075】上述のように、0.5um程度のゲート長
では、加工ばらつき10%当り2桁ほどのNチャンネル
MOSトランジスタのオフリーク電流の増大があるの
で、昇圧電源供給能力は、予想される昇圧電源オフリー
ク電流より1桁以上高いことを要求される。そこで、ワ
ード線の立ち上げ立ち下げ速度は若干犠牲にして、Nチ
ャンネルMOSトランジスタ342、343のゲート長
を0.55umで設計すると、ワードドライバ回路1組
当りの昇圧電源リーク電流は1nA以下と予想される。
このように、動作時のみ昇圧電源のリークパスとなるM
OSトランジスタ343のゲート長をその他のMOSト
ランジスタの最小ゲート長より大きく設計し、リーク電
流が無視できるレベルまで小さくなれば、動作時の昇圧
電源リークを考慮せずに待機時電源電圧発生回路を設計
できる。
【0076】尚、本提案例では、制御トランジスタをN
チャンネルMOSトランジスタ343で構成したが、P
チャンネルMOSトランジスタで構成してもよいのは勿
論である。
【0077】次に、本願発明に関連する技術の半導体集
積回路(昇圧回路)の第の提案例について、図面を参
照しながら、説明する。(本願発明に関連する技術の第
の提案例)図8は本願発明に関連する技術の第の提
案例に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図9
に、図8に示す本提案例の昇圧回路の動作タイミングチ
ャートを示す。
【0078】図8に於いて、各トランジスタは半導体M
OSトランジスタで構成される。Vppは昇圧電源(昇
圧端子)、100はクロックφ1を供給するクロック供
給手段、101はクロック供給手段100の出力クロッ
クφ1を入力しノードaに接続される電荷供給手段であ
って、昇圧用電荷を蓄積する大容量のキャパシタ106
と、クロックφ1を入力して前記キャパシタ106を駆
動するドライバ107を備える。
【0079】102は大容量キャパシタ106をプリチ
ャージするプリチャージ手段であって、ゲート及びドレ
インが外部電源もしくは図8に示されない内部電源発生
回路で生成した電源であるVCC電源に接続され、ソー
スがノードaに接続されるNチャネルMOSトランジス
タ(第4のトランジスタ)で構成される。
【0080】103は整流スイッチであって、ドレイン
がノードaに接続され、ゲートがノードcに接続され、
ソースが昇圧電源VPPに接続されたNチャネルMOS
トランジスタ(第5のトランジスタ)で構成される。
【0081】104は整流スイッチ制御手段であって、
ソース及びウェル電位がノードaに接続され、ドレイン
がノードbに接続され、ゲートがVCC電源に接続され
たPチャネルMOSトランジスタ108と、ノードbと
ノードcのそれぞれに異なる電極を接続したキャパシタ
109と、ソースがノードcに接続され、ゲート及びド
レインがノードaに接続されたNチャネルMOSトラン
ジスタ110(第3のトランジスタ)を備える。
【0082】105はリセット手段であって、ソースが
接地電源に接続され、ゲートがクロック供給手段100
の出力であるクロックφ1を入力するNチャネルMOS
トランジスタ112(第1のトランジスタ)と、ソース
がNチャネルMOSトランジスタ112のドレインに接
続され、ゲートがVCC電源に接続され、ドレインがノ
ードbに接続されるNチャネルMOSトランジスタ11
1(第2のトランジスタ)を備える。
【0083】クロックφ1の信号レベルは論理的なHi
ghレベルがVCC電源レベル、論理的なLowレベル
が接地電源レベルである。
【0084】以上の様に構成された本提案例の昇圧回路
に於いて、以下、その動作を、図9を参照して説明す
る。
【0085】図8に示す本提案例の昇圧回路は、初期状
態で、図9の(a)に示す如く、クロックφ1はVCC
レベルである。図9の(b)に示す如く、ノードaはプ
リチャージ手段102により(VCC−Vtn)レベ
ル。図9の(c)、(d)に示す如く、ノードbは接地
レベル、ノードcは(VCC−2Vtn)レベル。
【0086】先ず、図9の(a)に示す如く、クロック
φ1がVCCレベルに遷移すると、NチャネルMOSト
ランジスタ112がオフし、電荷供給手段101を構成
するドライバ107が、キャパシタ106のノードaと
は反対側の電極を接地レベルからVCCレベルまで昇圧
して、図9の(b)に示す如く、ノードaは(VCC−
Vtn)レベルから(2VCC−Vtn)レベルまで昇
圧される。ノードaの電位が(VCC+Vtp)レベル
以上になると、PチャネルMOSトランジスタ108が
オンし、図9の(c)に示す如く、ノードbの電位は接
地レベルから(VCC−Vtn)レベルまで昇圧され
る。ここでVtpとは、PチャネルMOSトランジスタ
のしきい値である。この際、キャパシタ109の両電極
間には(VCC−2Vtn)レベルだけ電位差があるの
で、図9の(d)に示す如く、ノードcはキャパシタ1
09により(3VCC−3Vtn)レベルまで昇圧され
る。この時、ノードcのレベルは、ノードaの(2VC
C−Vtn)レベルよりNチャネルMOSトランジスタ
103のしきい値以上高くなり、ノードaに蓄積された
電荷はNチャネルMOSトランジスタ103を介して昇
圧電源VPPに供給される。その結果、図9の(b)、
(c)に示す如く、ノードa及びノードbのレベルは、
昇圧電源VPPと同レベルとなる。
【0087】以上の様に、本提案例によれば、単一のク
ロック供給手段100のみでノードa及びノードcを昇
圧することが可能であり、従来回路に必要であった複雑
なクロック供給回路が不要である。
【0088】また、クロックφ1を供給してから、ノー
ドa、ノードb及び、ノードcの昇圧がスタティックに
行なわれ、特に、ノードb、ノードcが一度に(2VC
C−Vtn)レベル分だけ昇圧されるので、従来回路の
様に数段階の昇圧過程を経ず、複数クロック間のタイミ
ングマージンが不要であるので、図9のt5に示す如
く、クロックを供給してからノードcが(3VCC−3
Vtn)レベルまで昇圧される時間が短いため、高周波
の動作が可能である。
【0089】更に、従来回路の動作開始時に生じていた
貫通電流がなく、消費電力を低減することが可能であ
る。 (本願発明に関連する技術の第の提案例) 次に、図10は本願発明に関連する技術の第の提案例
に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図11に、
図10に示す本提案例の昇圧回路の動作タイミングチャ
ートを示す。
【0090】図10に於いて、120は互いに論理的な
Lowレベルがオーバラップしない相補的なクロックφ
1、φ1を供給するクロック供給手段である。121、
122はそれぞれ、図8に示す第の提案例に於ける昇
圧回路の内、電荷供給手段101、プリチャージ手段1
02、整流スイッチ制御手段104、及び、リセット手
段105と同じ回路を含む回路部分であり、それぞれ、
クロック供給手段120の出力であるクロックφ1、φ
1を入力する。123、124はそれぞれ、図8に示す
の提案例に於ける昇圧回路の整流スイッチ103と
同じNチャネルMOSトランジスタであり、互いのソー
スは昇圧電源VPPに接続されている。
【0091】そして、125、126は、各々、ソース
が回路部分121、122のそれぞれの電荷供給手段の
出力であるノードd、ノードgに接続され、ドレインが
VCC電源に接続され、一方のゲートが他方のソースに
接続されたNチャネルMOSトランジスタ(第6及び第
7のトランジスタ)である。
【0092】以上の様に構成された本提案例の昇圧回路
に於いて、以下、その動作を、図11を参照して説明す
る。
【0093】回路部分121、122は、それぞれ、図
8に示す第の提案例の回路と同様に動作する。図11
の(a)、(b)に示す如く、クロックφ1、φ1は互
いに論理的なLowレベルがオーバラップしないので、
整流スイッチであるNチャネルMOSトランジスタ12
3、124は同時にオンすることはなく、交互にオン、
オフし、回路部分121、122それぞれが有する電荷
供給手段の出力電荷を交互に昇圧電源VPPに供給す
る。
【0094】クロックφ1、φ1が動作しない初期状態
では、ノードd、ノードfはそれぞれ、回路部分12
1、122が有するプリチャージ手段であるNチャネル
MOSトランジスタ127、128によって(VCC−
Vtn)レベルにプリチャージされるが、クロックφ
1、φ1が動作すると、ノードdが昇圧されている期間
はNチャネルMOSトランジスタ126のゲート電位が
VCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのし
きい値以上高くなり、ノードfはNチャネルMOSトラ
ンジスタ126によって、図11(e)に示す如く、V
CC電源電位にプリチャージされ、ノードgは図11
(f)に示す如く、(VCC−Vtn)レベルにプリチ
ャージされる。同様に、ノードfが昇圧されている期間
はNチャネルMOSトランジスタ125のゲート電位が
VCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのし
きい値以上高くなり、ノードdはNチャネルMOSトラ
ンジスタ125によって、図11(c)に示す如く、V
CC電源電位にプリチャージされ、ノードeは図11
(d)に示す如く、(VCC−Vtn)レベルにプリチ
ャージされる。
【0095】図8に示す第の提案例では、ノードaは
VCC電源電位よりNチャネルMOSトランジスタのし
きい値だけ低いレベルにしかプリチャージされず、ま
た、ノードcはVCC電源電位よりNチャネルMOSト
ランジスタのしきい値の2倍だけ低いレベルにしかプリ
チャージされないが、図10に示す本提案例の回路構成
をとることによって、図8に示す第の提案例のノード
aに相当するノードd、ノードfは、図11(c)、
(e)に示す如く、VCC電源電位にプリチャージされ
る。即ち、図8に示す第の提案例よりNチャネルMO
Sトランジスタのしきい値分だけ高いレベルにプリチャ
ージでき、最終的に、図11(c)、(e)に示す如
く、2VCCレベルに昇圧できる。また、図8に示す第
の提案例のノードcに相当するノードe、ノードg
も、図8に示す第の提案例よりNチャネルMOSトラ
ンジスタのしきい値分だけ高いレベルにプリチャージで
き、最終的に、図11(d)、(f)に示す如く、3V
CCよりNチャネルMOSトランジスタのしきい値分だ
け低いレベルに昇圧できる。 (本願発明に関連する技術の第の提案例) 次に、図12は本願発明に関連する技術の第の提案例
に於ける昇圧回路の回路構成の一例を示し、図13に、
図12に示す本提案例の昇圧回路の動作タイミングチャ
ートを示す。
【0096】図12に示す本提案例は、図10に示す第
の提案例の昇圧回路に昇圧用キャパシタ140、14
1及び、NチャネルMOSトランジスタ(第8のトラン
ジスタ)150、151を付加した回路構成となってい
る。
【0097】図12に示す本提案例の昇圧回路に於い
て、以下、その動作を、図13を参照して説明する。
【0098】図13に示す如く、本提案例は、図11に
示す第の提案例の昇圧回路の動作タイミングチャート
と同様に動作するが、異なる点は、図11(c)、
(e)に示す第の提案例の昇圧回路のノードd、ノー
ドfのレベルは2VCCに昇圧された後、整流スイッチ
であるNチャネルMOSトランジスタ123、124が
オンすると、昇圧電源VPPレベルと同一レベルに低下
し、これに追従して、図10(d)、(f)に示す如
く、ノードe、ノードgが(3VCCーVtn)レベル
から、(VPP+VCCーVtn)レベルまで低下する
のに対し、本提案例に於ける昇圧回路では、図13
(c)、(e)に示す如く、レベル低下が起こるノード
h、ノードjと整流スイッチ148、149のゲートを
昇圧するノードi、ノードkの昇圧パスを別系統にする
ことにより、図13(d)、(f)に示す如く、ノード
i、ノードkが(3VCCーVtn)レベルに昇圧され
た後のレベル低下が生じない。
【0099】即ち、図10に示す第の提案例に比べ
て、整流スイッチ148、149のゲートレベルをドレ
インであるノードh、ノードiのレベルに対してより高
く保つことが可能で、昇圧電源VPPへの電荷供給を効
率よく行なうことができる。
【0100】尚、前記第5、第6及び第7の提案例に於
いて、プリチャージ用NチャネルMOSトランジスタ1
02、110、125〜130、142〜147、15
0、151及び、整流スイッチ用NチャネルMOSトラ
ンジスタ103、123、124、148、149のし
きい値を、他の通常プロセスのNチャネルMOSトラン
ジスタのしきい値より低いしきい値に設定して製造する
ことにより、ノードa、b、c、e、g、d、f、i、
kの昇圧時のしきい値に起因するレベル低下を少なくす
ることが可能で、整流スイッチの出力をより高いレベル
にすることが可能である。
【0101】また、以上の各提案例のNチャネルMOS
トランジスタとPチャネルMOSトランジスタ、及び、
VCC電源と接地電源を置き換えて、降圧回路を構成す
ることも可能である。 (本願発明に関連する技術の第の提案例) 図16は本願発明に関連する技術の第の提案例におけ
る半導体集積回路の構成を示す。
【0102】図16において、チップ内部発生昇圧電源
にウエルが接続されているpチャンネルトランジスタ
(第1のpチャンネルトランジスタ)501は、抵抗5
04と直列に接続され、外部電源(昇圧電源の出力電位
よりも低い出力電位を有する第1の電源)とグランドと
の間に配置されている。pチャンネルトランジスタ50
1のドレインは、しきい値を所望の値に設定したインバ
ーター502を介して内部昇圧電源ジェネレーターに接
続され、pチャンネルトランジスタ501のゲートは、
抵抗503と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置
した、ゲートとドレインを短絡したpチャンネルトラン
ジスタ(第2のpチャンネルトランジスタ)500のド
レインに接続されている。
【0103】以上のように構成された半導体集積回路に
ついて、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明
する。
【0104】図16において内部昇圧電位が変動した
時、ウエルを内部昇圧電位に接続したpチャンネルトラ
ンジスタ501のドレインの電位は内部昇圧電位の変動
に連動して変化する。図23にpチャンネルトランジス
タのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位が
上昇すると、しきい値電圧も大きくなる。昇圧電位が上
昇した時は、pチャンネルトランジスタ501のしきい
値電圧の上昇によりpチャンネルトランジスタ501の
ドレインの電位は低下し、一方、昇圧電位が低下した時
は、pチャンネルトランジスタ501のドレインの電位
は上昇する。この時、シミュレーション等により内部昇
圧電源電位が所望の電圧範囲に納まるようにインバータ
ー502のしきい値の設定を行うことによりpチャンネ
ルトランジスタ501のドレインの電位変化から、昇圧
電位が所望の電圧範囲より上昇した時には内部昇圧電源
ジェネレーターを停止させ、昇圧電位が所望の電圧範囲
より低下した時には内部昇圧電源ジェネレーターを動作
させることが、内部昇圧電源と他電源間にリークパスを
作らずに可能である。つまり、内部昇圧電源の動作効率
を低下させることなく、昇圧電位を検知することが可能
になる。 (第の提案例の変形例) 前記の構成において、図17に示すように、pチャンネ
ルトランジスタ501に直列に接続された抵抗504を
ゲートを、昇圧電源に接続したnチャンネルトランジス
タで構成することにより、昇圧電位の検知感度を向上さ
せることができる。
【0105】図17において、昇圧電位が上昇した時、
ウエル電位が上昇したpチャンネルトランジスタ501
は、そのしきい値電圧が上昇し、pチャンネルトランジ
スタ501のオン抵抗は増大する。さらに、nチャンネ
ルトランジスタ504のオン抵抗がゲート電圧の上昇に
より減少し、この相乗効果によりpチャンネルトランジ
スタ501のドレインの電位はいっそう敏感に昇圧電源
の上昇に反応し低下する。
【0106】尚、トランジスタ501のゲート長を大き
く、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル
電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏
感な検知回路を構成することができる。 (本願発明に関連する技術の第の提案例) 図18は本願発明に関連する技術の第の提案例におけ
る半導体集積回路の構成を示す。
【0107】図18において、抵抗508と直列に接続
され電源電圧とグランド間に配置されたpチャンネルト
ランジスタ(第3のpチャンネルトランジスタ)506
は、そのウエルがチップ内部発生昇圧電源に接続され、
ゲートとドレインを短絡し、ドレインが電位比較器50
9に接続されている。電位比較器509は、出力がイン
バータ510を介して内部昇圧電源ジェネレーターに接
続され、更に入力として、抵抗507と直列に接続し電
源電圧とグランド間に配置された、ゲートとドレインを
短絡したpチャンネルトランジスタ(第4のpチャンネ
ルトランジスタ)505のドレインと接続されている。
【0108】以上のように構成された半導体集積回路に
ついて、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明
する。
【0109】図18において内部昇圧電位が変動した
時、ウエルを内部昇圧電位に接続したpチャンネルトラ
ンジスタ506のドレインの電位は内部昇圧電位の変動
に連動して変化する。図23にpチャンネルトランジス
タのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位が
上昇すると、しきい値電圧も大きくなる。昇圧電位が上
昇した時は、ウエル電位が上昇したpチャンネルトラン
ジスタ506のしきい値電圧は上昇して、pチャンネル
トランジスタ506のドレインの電位は低下し、一方、
昇圧電位が低下した時は、ウエル電位が低下したpチャ
ンネルトランジスタ506のしきい値電圧は低下し、p
チャンネルトランジスタ506のドレインの電位は上昇
する。
【0110】昇圧電位検知回路を昇圧電源電位の上昇防
止のために用いる時は、昇圧電位がある上限の電位に上
昇した時、pチャンネルトランジスタ506のドレイン
の電位が、pチェンネルトランジスタ505のドレイン
の電位より低くなるようにpチャンネルトランジスタ5
05、506のしきい値、及び、抵抗507、508の
抵抗値を設定することにより、電圧比較器509で両p
チャンネルトランジスタのドレインの電位を比較後、内
部昇圧電源ジェネレーターを停止させることが、内部昇
圧電源と他電源間にリークパスを作ることなく可能にな
る。
【0111】同様にして、検知回路を昇圧電源電位の低
下防止に用いる時にも、内部昇圧電源と他電源間にリー
クパスを作ることなく昇圧電位を検知することが可能に
なる。つまり、内部昇圧電源の動作効率を低下させるこ
となく、昇圧電位を検知することが可能になる。
【0112】前記の構成において、pチャンネルトラン
ジスタ506に直列に接続された抵抗508を、ゲート
を昇圧電源に接続したnチャンネルトランジスタで構成
することにより、昇圧電位の検知感度を向上させること
ができる。 (第の提案例の変形例) 前記の構成において、図19に示すようにpチャンネル
トランジスタ506に直列に接続された抵抗成分508
をゲートを昇圧電源に接続したnチャンネルトランジス
タで構成することにより、昇圧電位の検知感度を向上さ
せることができる。
【0113】図19において昇圧電位が上昇した時、ウ
エル電位が上昇したpチャンネルトランジスタ506
は、そのしきい値電圧が上昇し、pチャンネルトランジ
スタ506のオン抵抗は増大する。さらに、nチャンネ
ルトランジスタ508のオン抵抗がゲート電圧の上昇に
より減少し、この相乗効果によりpチャンネルトランジ
スタ506のドレインの電位はいっそう敏感に昇圧電源
の上昇に反応し低下する。
【0114】尚、トランジスタ506のゲート長を大き
く、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル
電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏
感な検知回路を構成することができる。 (本願発明に関連する技術の第10の提案例) 図20は本願発明に関連する技術の第10の提案例にお
ける半導体集積回路の構成を示すものである。
【0115】図20において、抵抗515と直列に接続
し電源電圧とグランド間に配置され、チップ内部発生昇
圧電源にゲートが接続されているnチャンネルトランジ
スタ(第1のnチャンネルトランジスタ)511のソー
スは、抵抗517を介してグランドに接続されたpチャ
ンネルトランジスタ(第5のpチャンネルトランジス
タ)513のソースに接続されている。pチャンネルト
ランジスタ513のゲートは、抵抗516と直列に接続
し電源電圧とグランド間に配置されたゲートとドレイン
を短絡したpチャンネルトランジスタ(第6のpチャン
ネルトランジスタ)512のドレインに接続され、pチ
ャンネルトランジスタ513のドレインは、しきい値を
所望の値に設定したインバーター514を介して内部昇
圧電源ジェネレーターに接続されている。
【0116】以上のように構成された半導体集積回路に
ついて、内部発生昇圧電源電位の検知動作について説明
する。
【0117】図20において、内部昇圧電位が変動した
時、ゲートを内部昇圧電位に接続したnチャンネルトラ
ンジスタ511のソース電位は内部昇圧電位の変動に連
動して変化する。即ち、昇圧電位が上昇した時は、nチ
ャンネルトランジスタ511のソース電位は上昇し、p
チャンネルトランジスタ513のソース電位も上昇す
る。一方、昇圧電位が低下した時は、nチャンネルトラ
ンジスタ511のソース電位は低下し、pチャンネルト
ランジスタ513のソース電位は低下する。この時、シ
ミュレーション等により内部昇圧電源電位が所望の電圧
範囲に納まるようにインバーター514のしきい値の設
定を行うことによりpチャンネルトランジスタ511の
ソース電位変化から、昇圧電位が所望の電圧範囲より上
昇した時には内部昇圧電源ジェネレーターを停止させ、
昇圧電位が所望の電圧範囲より低下した時には内部昇圧
電源ジェネレーターを動作させることが、内部昇圧電源
と他電源間にリークパスを作らずに可能である。つま
り、内部昇圧電源の動作効率を低下させることなく、昇
圧電位を検知することが可能になる。 (本願発明に関連する技術の第11の提案例) 図21は本願発明に関連する技術の第11の提案例にお
ける半導体集積回路の構成を示す。
【0118】図21において、チップ内部発生基板電源
にウエルが接続されているnチャンネルトランジスタ
(第2のnチャンネルトランジスタ)519は、抵抗5
22と直列に接続し電源電圧とグランド間に配置されて
いる。nチャンネルトランジスタ519のドレインはし
きい値を所望の値に設定したインバーター520を介し
て内部基板電源ジェネレーターに接続され、nチャンネ
ルトランジスタ519のゲートは、抵抗521と直列に
接続し電源電圧とグランド間に配置した、ゲートとドレ
インを短絡した,ウエル電位が接地電位であるnチャン
ネルトランジスタ(第3のnチャンネルトランジスタ)
518のドレインに接続されている。ここで、nチャン
ネルトランジスタ518、519のウエル電位が異なっ
ているが、図25に示す様に、トリプルウエル構造を採
用することにより異なる電位に設定することが可能であ
る。
【0119】以上のように構成された半導体集積回路に
ついて、内部発生基板電源電位の検知動作について説明
する。
【0120】図21において、内部基板電位が変動した
時、ウエルを内部基板電位に接続したnチャンネルトラ
ンジスタ519のドレインの電位は内部昇基板電位の変
動に連動して変化する。図24にnチャンネルトランジ
スタのしきい値電圧の基板電位依存性を示す。基板電位
が上昇すると、しきい値電圧は小さくなる。従って、基
板電位が上昇した時は、ウエル電位が上昇したnチャン
ネルトランジスタ519のしきい値電位は低下し、nチ
ャンネルトランジスタ519のドレインの電位は低下
し、一方、基板電位が低下した時は、ウエル電位が低下
したnチャンネルトランジスタ519のしきい値電圧は
上昇し、nチャンネルトランジスタ519のドレインの
電位は上昇する。この時、シミュレーション等により内
部基板電源電位が所望の電圧範囲に納まるようにインバ
ーター520のしきい値の設定を行うことによりnチャ
ンネルトランジスタ519のドレインの電位変化から、
基板電位が所望の電圧範囲より上昇した時には内部基板
電源ジェネレーターを動作させ、基板電位が所望の電圧
範囲より低下した時には内部基板電源ジェネレーターを
停止させることが、内部基板電源と他電源間にリークパ
スを作らずに可能である。つまり、内部基板電源の動作
効率を低下させることなく、基板電位を検知することが
可能になる。
【0121】尚、トランジスタ519のゲート長を大き
く、ウエルの不純物濃度を濃くすることにより、ウエル
電位の変動、言い替えれば内部昇圧電位の変動により敏
感な検知回路を構成することができる。
【0122】以上の説明において、図16の抵抗50
3、図18の抵抗507、図20の抵抗515〜51
7、及び図21の抵抗521、522は、何れもトラン
ジスタにより構成してもよい。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
記載の発明によれば、制御信号がワード線を活性化す
る一の状態(例えばロウレベル)の動作時に、前記制御
信号(例えばRAS)のハイレベルからロウレベルへの
レベル遷移に応答して行われる回路動作で消費される電
流に対しては、第1の電源電圧発生回路により電源を供
給し、前記制御信号が他の状態の待機時(例えばRAS
がハイレベルの時)に生じるリーク電流等に対しては第
2の電源電圧発生回路により電源を供給し、更に、前記
制御信号のレベル遷移に応答した回路動作が終了して前
記第1の電源電圧発生回路の動作が終了した後(例えば
RASがロウレベルを維持している期間)の動作時に半
導体集積回路に生じるリーク電流等に対しては、第3の
電源電圧発生回路により電源を供給したので、第2の
(待機時用の)電源電圧発生回路の昇圧電源供給能力を
待機時に必要最小限な供給量でよいようにしつつ、動作
時の昇圧電源電圧を一定に保持できて、半導体集積回路
の安定動作の確保及び消費電流の低減を図ることができ
る。更に、第2の電源電圧発生回路と第3の電源電圧発
生回路とで電圧検知部を共用して、回路構成を簡易にで
きる。
【0124】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における電源電圧発生回
路の構成図である。
【図2】従来の電源電圧発生回路の構成図である。
【図3】本願発明に関連する技術の第1の提案例におけ
る電源電圧発生回路の回路図と内部電位のタイミングチ
ャートである。
【図4】本願発明に関連する技術の第2の提案例におけ
る電源電圧発生回路の回路図である。
【図5】本願発明に関連する技術の第3の提案例におけ
る電源電圧発生回路の構成図である。
【図6】本願発明に関連する技術の第の提案例を説明
するための回路図である。
【図7】同提案例を説明するためのNチャンネルMOS
トランジスタのオフリーク特性である。
【図8】本願発明に関連する技術の第の提案例に於け
る昇圧回路の回路構成図である。
【図9】同提案例の動作タイミングチャートである。
【図10】本願発明に関連する技術の第の提案例に於
ける昇圧回路の回路構成図である。
【図11】同提案例の動作タイミングチャートである。
【図12】本願発明に関連する技術の第の提案例に於
ける昇圧回路の回路構成図である。
【図13】同提案例の動作タイミングチャート図であ
る。
【図14】従来の昇圧回路の回路構成図である。
【図15】同従来例の動作タイミングチャートである。
【図16】本願発明に関連する技術の第の提案例にお
ける昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図17】同提案例の変形例における昇圧電位検知回路
の構成を示す図である。
【図18】本願発明に関連する技術の第の提案例にお
ける昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図19】第の提案例の変形例における昇圧電位検知
回路の構成を示す図である。
【図20】本願発明に関連する技術の第10の提案例に
おける昇圧電位検知回路の構成を示す図である。
【図21】本願発明に関連する技術の第11の提案例に
おける基板電位検知回路の構成を示す図である。
【図22】従来例における昇圧電位検知回路の構成を示
す図である。
【図23】pチャンネルトランジスタしきい値の基板電
位依存性を示す図である。
【図24】nチャンネルトランジスタしきい値の基板電
位依存性を示す図である。
【図25】トリプルウエルの電位を示す図である。
【符号の説明】
301、340 動作時用電源電圧発生回路(第1の
電源電圧発生回路) 302、341 補助電源電圧発生回路(第3の電源
電圧発生回路) 303、342 待機時用電源電圧発生回路(第2の
電源電圧発生回路) 304、343 レベル検知回路(電圧検知部) 312 発振回路(第1の発振回路) 321 発振回路(第2の発振回路) 311、320 チャージポンプ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤松 寛範 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−105681(JP,A) 特開 平7−14384(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11C 11/4074

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路の動作を制御し一の状態
    になってワード線を活性化する制御信号のレベル遷移に
    応答して動作し、前記制御信号のレベル遷移があるとき
    にのみ、外部から与える電源電圧とは異なる第1の電源
    電圧を有する内部電源として電源を供給する第1の電源
    電圧発生回路と、 少なくとも前記制御信号が前記一の状態と異なる他の状
    態の待機時に動作し、前記第1の電源電圧を検知して前
    記第1の電源電圧が検知レベルよりも低下した際に前記
    内部電源として電源を供給する第2の電源電圧発生回路
    と、 前記制御信号が前記一の状態の動作時にのみ動作し、前
    記第1の電源電圧を検知して前記第1の電源電圧が検知
    レベルよりも低下した際に前記内部電源として電源を供
    給する第3の電源電圧発生回路とを備え 前記第2の電源電圧発生回路及び前記第3の電源電圧発
    生回路は、第1の電源電圧を検知する電圧検知部を有
    し、 前記第3の電源電圧発生回路の電圧検知部は、前記第2
    の電源電圧発生回路の電圧検知部と共用される ことを特
    徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 第3の電源電圧発生回路は、その供給能
    力が、第2の電源電圧発生回路の供給能力よりも高いこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 第3の電源電圧発生回路は、第1の電源
    電圧発生回路よりも電流供給能力が低いことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体集積回路。
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