JP3095241U - テレビジョンチューナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミキサ回路の変換利得を可変にして同一の周
波数バンド内の利得偏差を少なくする。 【解決手段】 テレビジョン信号を中間周波信号に変換
する平衡型のミキサ回路２４を備え、ミキサ回路２４は
互いのエミッタ間が利得設定抵抗３によって結合され、
テレビジョン信号を増幅する第一及び第二のトランジス
タ１、２と、第一のトランジスタ１のエミッタに接続さ
れた第一の定電流源４と、第二のトランジスタ２のエミ
ッタに接続された第二の定電流源５とを有し、利得設定
抵抗３に並列にリアクタンス手段６を接続し、リアクタ
ンス手段６のリアクタンスを周波数が高くなるに従って
小さくなるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はテレビジョンチューナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のテレビジョンチューナの構成を図３に示す。入力同調回路３１は例えば ＶＨＦ帯のハイバンド又はローバンド又はＵＨＦ帯のテレビジョン信号のいずれ か一方に同調する。同調されたバンドのテレビジョン信号は高周波増幅器３２に よって増幅され、さらに段間同調回路３３によって選択される。段間同調回路３ ３もハイバンドまたはローバンドのいずれか一方のテレビジョン信号に同調する 。そして、ミキサ回路３４に入力されたテレビジョン信号は発振器３５からの平 衡の局部発振信号と混合されて中間周波信号に変換される。ミキサ回路３４から 出力される平衡の中間周波信号は平衡型の中間周波同調回路３６を経て中間周波 増幅器３７に入力されて増幅される。

【０００３】 ここで、ミキサ回路３４の構成を図４に従って説明する。 第一のトランジスタ３１と第二のトランジスタ３２とは互いのエミッタが共に 定電流源３３に接続されることで差動接続される。第一のトランジスタ３１のベ ースは入力端３４に接続され、第二のトランジスタ３２のベースは接地コンデン サ３５によって高周波的に接地される。そして、入力端子３４に段間同調回路３ ３からのハイバンドまたはローバンドのテレビジョン信号が入力される。

【０００４】 第一のトランジスタ３１のコレクタには第三のトランジスタ３６のエミッタと 第四のトランジスタ３７のエミッタが接続される。また、第二のトランジスタ３ ２のコレクタには第五のトランジスタ３８のエミッタと第六のトランジスタ３９ のエミッタが接続される。これによって、第三のトランジスタ３６と第四のトラ ンジスタ３７とは差動接続され、第五のトランジスタ３８と第六のトランジスタ ３９とは差動接続される。

【０００５】 第三のトランジスタ３６のベースと第六のトランジスタ３９のベースとが互い に接続されて局部発振信号の入力端４０に接続され、第四のトランジスタ３７の ベースと第五のトランジスタ３８のベースとが互いに接続されて局部発振信号の 入力端４１に接続される。二つの入力端４０、４１の間には局部発振信号が平衡 入力される。

【０００６】 また、第三のトランジスタ３６のコレクタと第五のトランジスタ３８のコレク タとが互いに接続され、第四のトランジスタ３７のコレクタと第六のトランジス タ３９のコレクタとが互いに接続される。そして、それぞれの接続点は中間周波 信号が平衡出力される出力端４２、４３となる。中間周波信号は中間周波同調回 路３６に入力される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記のテレビジョンチューナにおいては一般に入力されるテレビジョン信号の 周波数が高くなると利得が低下していき、同一の周波数帯域で利得偏差が生じる と言う問題がある。その理由は、主に高周波増幅器の利得やミキサ回路の変換利 得が、使用される増幅素子の特性の故に周波数が高くなるにつれて低下する為で あるが、その他にも、各同調回路の損失が周波数が高くなるにつれて増加するこ とが関係している。いずれにしても、利得偏差はミキサ回路までの間で生じる。

【０００８】 本考案は、ミキサ回路の変換利得を可変にして同一の周波数バンド内の利得偏 差を少なくすることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決する手段として、本考案は、テレビジョン信号を中間周波信 号に変換する平衡型のミキサ回路を備え、前記ミキサ回路は互いのエミッタ間が 利得設定抵抗によって結合され、前記テレビジョン信号を増幅する第一及び第二 のトランジスタと、前記第一のトランジスタのエミッタに接続された第一の定電 流源と、前記第二のトランジスタのエミッタに接続された第二の定電流源とを有 し、前記利得設定抵抗に並列にリアクタンス手段を接続し、前記リアクタンス手 段のリアクタンスを周波数が高くなるに従って小さくなるようにした。

【００１０】 また、前記リアクタンス手段を容量素子で構成した。

【００１１】 また、前記容量素子の容量値を、そのリアクタンスが前記テレビジョン信号の 所定の周波数帯域内で前記利得設定抵抗の抵抗値よりも低い値から高い値まで変 化する容量値に設定した。

【００１２】 また、前記ミキサ回路にＶＨＦ帯のテレにジョン信号又はＵＨＦ帯のテレビジ ョン信号を入力した。

【００１３】 また、前記リアクタンス手段を前記第一及び第二のトランジスタと共に集積回 路内に構成した。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案のテレビジョンチューナの構成を図１に従って説明する。入力同調回路 ２１は例えばＶＨＦ帯のハイバンド又はローバンドのテレビジョン信号に同調す る。いずれかのバンドのテレビジョン信号は高周波増幅器２２によって増幅され 、さらに段間同調回路２３によって選択される。段間同調回路２３もハイバンド またはローバンドのテレビジョン信号に同調し、同調したテレビジョン信号はミ キサ回路２４に平衡入力される。入力されたいずれかのバンドのテレビジョン信 号は発振器２５からの平衡の局部発振信号と混合されて中間周波信号に変換され る。ミキサ回路２４から出力される平衡の中間周波信号は平衡型の中間周波同調 回路２６を経て中間周波増幅器２７に入力されて増幅される。

【００１５】 ここで、ミキサ回路２４の構成を図２に従って説明する。ミキサ回路２４は図 ２に示すように集積回路２０内に構成される。集積回路２０内に構成された第一 のトランジスタ１と第二のトランジスタ２とは、互いのエミッタが利得設定抵抗 ３によって接続される。また、第一のトランジスタ１のエミッタは第一の定電流 源４に接続され、第二のトランジスタのエミッタは第二の定電流源５に接続され る。そして、利得設定抵抗３には容量素子等からなるリアクタンス手段６が並列 接続される。リアクタンス手段６のリアクタンス値は周波数が高くなるに従って 小さくなるものである。

【００１６】 そして、第一のトランジスタ１のベースは集積回路２０に設けられた第一の入 力端子２０ａに接続され、第二のトランジスタ２のベースは集積回路２０に設け られた第二の入力端子２０ｂに接続される。第一の入力端子２０ａと第二の入力 端子２０ｂとの間には、例えばＶＨＦ帯のハイバンドまたはローバンドのテレビ ジョン信号が切り換えられて平衡入力される。なお、一方の入力端子、例えば第 二の入力端子２０ｂを高周波的に接地して第一の入力端子２０ａのみにテレビジ ョン信号を入力してもよい。

【００１７】 第一のトランジスタ１のコレクタには差動接続された第三及び第四のトランジ スタ１１、１２が接続される。すなわち、第三のトランジスタ１１のエミッタと 第四のトランジスタ１２のエミッタが第一のトランジスタ１のコレクタに接続さ れる。また、第二のトランジスタ２のコレクタには差動接続された第五及び第六 のトランジスタ１３、１４が接続される。すなわち、第五のトランジスタ１３の エミッタと第六のトランジスタ１４のエミッタが第二のトランジスタ２のコレク タに接続される。第三乃至第六のトランジスタ１１〜１４も集積回路２０内に構 成される。

【００１８】 第三のトランジスタ１１のベースと第六のトランジスタ１４のベースとは互い に接続されて集積回路２０に設けられた第３の入力端子２０ｃに接続され、第四 のトランジスタ１２のベースと第五のトランジスタ１３のベースとは互いに接続 されて集積回路２０に設けられた第四の入力端子２０ｄに接続される。第三の入 力端子２０ｃと第四の入力端子２０ｄとの間には、発振器２５から局発振信号が 平衡入力される。

【００１９】 第三のトランジスタ１１のコレクタと第五のトランジスタ１３のコレクタとが 互いに接続され、その接続点が集積回路２０に設けられた第一の出力端子２０ｅ に接続され、第四のトランジスタ１２のコレクタと第六のトランジスタ１４のコ レクタとが互いに接続され、その接続点が集積回路２０に設けられた第二の出力 端子２０ｆに接続される。また、第三のトランジスタ１１のコレクタと第五のト ランジスタ１３のコレクタとには給電抵抗１５を介して電源電圧が供給され、第 四のトランジスタ１２のコレクタと第六のトランジスタ１４のコレクタとには給 電抵抗１６を介して電源電圧が供給される。以上の接続によって、二重平衡型ミ キサ回路が構成される。

【００２０】 よって、第一の出力端子２０ｅと第二の出力端子２０ｆとの間には周波数変換 された中間周波信号が平衡出力され、中間周波同調回路２６に入力される。

【００２１】 以上の構成において、第一及び第二のトランジスタ１、２のエミッタ電流は入 力されるテレビジョン信号の位相によって一方が増加すると他方が減少するよう に変化するが、第一及び第二の定電流源４、５に流れる電流は一定（共に等しい ）であるので、第一及び第二のトランジスタ１、２に流れるエミッタ電流の変化 分は利得設定抵抗３とリアクタンス手段６とを介して一方から他方に流れる。

【００２２】 このとき流れる電流は並列接続された利得設定抵抗３リアクタンス手段６と合 成のインピーダンス（の絶対値）によって決まるが、合成インピーダンスは周波 数が高くなるほど低下するので、周波数が高くなるほど流れやすくなる。すると 、負帰還量が少なくなって第一及び第二のトランジスタ１、２の利得が上昇する 。よってミキサとしての変換利得が高くなる。 従って、チューナとしては同一周波数帯域における高い方の利得が上昇して利 得偏差が平準化される。

【００２３】 なお、容量手段６として使用する容量素子の容量値は、そのリアクタンス値が テレビジョン信号の所定の周波数帯域において利得設定抵抗３の抵抗値よりも低 い値から高い値に変化する容量値に設定することが利得偏差の平準化に効果的で ある。 例えば、利得設定抵抗３の抵抗値が８０オームであれば、容量素子のリアクタ ンスが所定の周波数帯域の上限と下限との間で８０オーム以下から８０オーム以 上まで変化するような容量値に選ぶのが良い。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、ミキサ回路は互いのエミッタ間が利得設定抵抗によって 結合され、テレビジョン信号を増幅する第一及び第二のトランジスタと、第一の トランジスタのエミッタに接続された第一の定電流源と、第二のトランジスタの エミッタに接続された第二の定電流源とを有し、利得設定抵抗に並列にリアクタ ンス手段を接続し、リアクタンス手段のリアクタンス値を周波数が高くなるに従 って小さくなるようにしたので、周波数が高くなるほど二つのトランジスタのエ ミッタ間に電流が流れやすくなる。そのため、負帰還量が少なくなって第一及び 第二のトランジスタ１、２の利得が上昇する。よって、ミキサとしての変換利得 が高くなり、チューナとしては同一周波数帯域における高い方の利得が上昇して 利得偏差が平準化される。

【００２５】 また、リアクタンス手段を容量素子で構成したので、利得偏差を簡単に平準化 できる。

【００２６】 また、容量素子の容量値を、そのリアクタンスがテレビジョン信号の所定の周 波数帯域内で利得設定抵抗の抵抗値よりも低い値から高い値まで変化する容量値 に設定したので、エミッタ間のインピーダンスの変化が大きくなって利得偏差の 平準化に効果がある。

【００２７】 また、ミキサ回路にＶＨＦ帯のテレにジョン信号又はＵＨＦ帯のテレビジョン 信号を入力したので、ＶＨＦ帯又はＵＨＦ帯における利得偏差が平準化できる。

【００２８】 また、リアクタンス手段を第一及び第二のトランジスタと共に集積回路内に構 成したので、チューナの構成が簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のテレビジョンチューナの構成を示す回
路図である。

【図２】本考案のテレビジョンチューナに使用されるミ
キサ回路の構成を示す回路図である。

【図３】従来のテレビジョンチューナの構成を示す回路
図である。

【図４】従来のテレビジョンチューナに使用されるミキ
サ回路の構成を示す回路図である。

【符号の説明】

１ 第一のトランジスタ ２ 第二のトランジスタ ３ 利得設定抵抗 ４ 第一の定電流源 ５ 第二の定電流源 ６ リアクタンス手段 １１ 第三のトランジスタ １２ 第四のトランジスタ １３ 第五のトランジスタ １４ 第六のトランジスタ １５、１６ 給電抵抗 ２０ 集積回路 ２０ａ 第一の入力端子 ２０ｂ 第二の入力端子 ２０ｃ 第三の入力端子 ２０ｄ 第四の入力端子 ２０ｅ 第一の出力端子 ２０ｆ 第二の出力端子

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テレビジョン信号を中間周波信号に変換
   する平衡型のミキサ回路を備え、前記ミキサ回路は互い
   のエミッタ間が利得設定抵抗によって結合され、前記テ
   レビジョン信号を増幅する第一及び第二のトランジスタ
   と、前記第一のトランジスタのエミッタに接続された第
   一の定電流源と、前記第二のトランジスタのエミッタに
   接続された第二の定電流源とを有し、前記利得設定抵抗
   に並列にリアクタンス手段を接続し、前記リアクタンス
   手段のリアクタンスを周波数が高くなるに従って小さく
   なるようにしたことを特徴とするテレビジョンチュー
   ナ。
2. 【請求項２】 前記リアクタンス手段を容量素子で構成
   したことを特徴とする請求項１に記載のテレビジョンチ
   ューナ。
3. 【請求項３】 前記容量素子の容量値を、そのリアクタ
   ンスが前記テレビジョン信号の所定の周波数帯域内で前
   記利得設定抵抗の抵抗値よりも低い値から高い値まで変
   化する容量値に設定したことを特徴とする請求項２に記
   載のテレビジョンチューナ。
4. 【請求項４】 前記ミキサ回路にＶＨＦ帯のテレにジョ
   ン信号又はＵＨＦ帯のテレビジョン信号を入力したこと
   を特徴とする請求項１又は３のいずれかに記載のテレビ
   ジョンチューナ。
5. 【請求項５】 前記リアクタンス手段を前記第一及び第
   二のトランジスタと共に集積回路内に構成したことを特
   徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のテレビジョ
   ンチューナ。