JP3092046B2 - ヘッドライトの光軸調整方法 - Google Patents
ヘッドライトの光軸調整方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、明暗境界線が横方向内
方の比較的低い水平部と横方向外方(路肩側)の比較的
高い水平部と中間の段差部とを有する略Z字形となるよ
うな照射パターンを持つ、所謂Zビーム形のヘッドライ
トに適用される光軸調整方法に関する。
方の比較的低い水平部と横方向外方(路肩側)の比較的
高い水平部と中間の段差部とを有する略Z字形となるよ
うな照射パターンを持つ、所謂Zビーム形のヘッドライ
トに適用される光軸調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘッドライトの光軸調整方法とし
て、特公平2−9297号公報に見られるように、車両
の前方にスクリーンを配置し、該スクリーンに現われる
ヘッドライトの照射パターンを撮像して、画像処理によ
り照射パターンの所定照度以上の領域の重心の位置を求
め、該重心を基準にしてこれが所定の合格範囲に入るよ
うに光軸調整を行うものが知られている。
て、特公平2−9297号公報に見られるように、車両
の前方にスクリーンを配置し、該スクリーンに現われる
ヘッドライトの照射パターンを撮像して、画像処理によ
り照射パターンの所定照度以上の領域の重心の位置を求
め、該重心を基準にしてこれが所定の合格範囲に入るよ
うに光軸調整を行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Zビーム形
のヘッドライトは照度が比較的均一に分布し、そのため
所定照度以上の領域の重心位置は、同じヘッドライトに
ついて繰返し計測すると、撮像器の画素の受光量の微妙
なばらつきによって計測の度に位置がずれ、重心位置を
一義的に特定することが困難である。従って、このよう
な重心を光軸調整の基準にしたのでは、光軸調整の精度
を確保できなくなる。本発明は、以上の点に鑑み、Zビ
ーム形のヘッドライトの光軸調整を正確に行い得られる
ようにした方法を提供することをその目的としている。
のヘッドライトは照度が比較的均一に分布し、そのため
所定照度以上の領域の重心位置は、同じヘッドライトに
ついて繰返し計測すると、撮像器の画素の受光量の微妙
なばらつきによって計測の度に位置がずれ、重心位置を
一義的に特定することが困難である。従って、このよう
な重心を光軸調整の基準にしたのでは、光軸調整の精度
を確保できなくなる。本発明は、以上の点に鑑み、Zビ
ーム形のヘッドライトの光軸調整を正確に行い得られる
ようにした方法を提供することをその目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の第1の特徴によれば、車両の前方に配設したス
クリーンに現われるヘッドライトの照射パターンを撮像
し、照射パターンの画像に基いてヘッドライトの光軸を
調整する方法において、照射パターンの所定照度以上の
領域の重心の位置を求めると共に、照射パターンの明暗
境界線の段差部が存在する段差領域の位置を求め、前記
重心の照度に対し所定の割合の照度を持つ等照度曲線の
前記段差領域における変曲点の位置を計測し、該変曲点
を基準にして光軸調整を行うようにした。また、本発明
の第2の特徴によれば、照射パターンの水平方向の各位
置における明暗境界点の位置を鉛直方向の照度分布に基
いて求め、水平方向の単位長さ当りにおける明暗境界点
の鉛直方向の変位量が所定値以上になる領域を照射パタ
ーンの明暗境界線の段差部が存在する段差領域とし、該
段差領域において前記変位量が最大となる最大変位点の
位置を求め、該最大変位点を基準にして光軸調整を行う
ようにした。
本発明の第1の特徴によれば、車両の前方に配設したス
クリーンに現われるヘッドライトの照射パターンを撮像
し、照射パターンの画像に基いてヘッドライトの光軸を
調整する方法において、照射パターンの所定照度以上の
領域の重心の位置を求めると共に、照射パターンの明暗
境界線の段差部が存在する段差領域の位置を求め、前記
重心の照度に対し所定の割合の照度を持つ等照度曲線の
前記段差領域における変曲点の位置を計測し、該変曲点
を基準にして光軸調整を行うようにした。また、本発明
の第2の特徴によれば、照射パターンの水平方向の各位
置における明暗境界点の位置を鉛直方向の照度分布に基
いて求め、水平方向の単位長さ当りにおける明暗境界点
の鉛直方向の変位量が所定値以上になる領域を照射パタ
ーンの明暗境界線の段差部が存在する段差領域とし、該
段差領域において前記変位量が最大となる最大変位点の
位置を求め、該最大変位点を基準にして光軸調整を行う
ようにした。
【0005】
【作用】重心位置の照度に対する等照度曲線の照度の割
合を適切に設定することにより、等照度曲線は肉眼で識
別される明暗境界線にほぼ近似する。そして、重心の位
置がずれても重心位置の照度は一定であり、そのため等
照度曲線は同じヘッドライトについて繰返し計測を行っ
ても位置がずれない。ここで、Zビーム形ヘッドライト
は明暗境界線の段差部の位置が横方向内方にずれたり水
平部のレベルが高くなると対向車に眩惑を与えることに
なり、ここで水平部のレベルが高くなると段差部の位置
も高くなるから、段差部が水平方向及び鉛直方向におい
て所定範囲に入るように光軸を調整すれば、対向車に眩
惑を与えることなく良好な前方照射を行い得られる。そ
して、段差部が存在する段差領域における等照度曲線の
変曲点は段差部の位置を一義的に表わす点となるから、
上記した本発明の第1の特徴の如く、該変曲点を光軸調
整の基準にすることで、Zビーム形ヘッドライトの光軸
を正確に調整できる。
合を適切に設定することにより、等照度曲線は肉眼で識
別される明暗境界線にほぼ近似する。そして、重心の位
置がずれても重心位置の照度は一定であり、そのため等
照度曲線は同じヘッドライトについて繰返し計測を行っ
ても位置がずれない。ここで、Zビーム形ヘッドライト
は明暗境界線の段差部の位置が横方向内方にずれたり水
平部のレベルが高くなると対向車に眩惑を与えることに
なり、ここで水平部のレベルが高くなると段差部の位置
も高くなるから、段差部が水平方向及び鉛直方向におい
て所定範囲に入るように光軸を調整すれば、対向車に眩
惑を与えることなく良好な前方照射を行い得られる。そ
して、段差部が存在する段差領域における等照度曲線の
変曲点は段差部の位置を一義的に表わす点となるから、
上記した本発明の第1の特徴の如く、該変曲点を光軸調
整の基準にすることで、Zビーム形ヘッドライトの光軸
を正確に調整できる。
【0006】また、本発明の第2の特徴の如く、水平方
向の各位置における明暗境界点の位置を求めれば、これ
ら明暗境界点を結ぶ線が照射パターンの明暗境界線とな
る。そして、水平方向の単位長さ当りの明暗境界点の鉛
直方向の変位量が所定値以上になる領域は、明暗境界線
が鉛直方向に傾く部分、即ち、段差部が存在する段差領
域になり、該段差領域において上記変位量が最大となる
最大変位点は上記変曲点に対応する点になるから、該最
大変位点を光軸調整の基準にしてもZビーム形ヘッドラ
イトの光軸を正確に調整できる。
向の各位置における明暗境界点の位置を求めれば、これ
ら明暗境界点を結ぶ線が照射パターンの明暗境界線とな
る。そして、水平方向の単位長さ当りの明暗境界点の鉛
直方向の変位量が所定値以上になる領域は、明暗境界線
が鉛直方向に傾く部分、即ち、段差部が存在する段差領
域になり、該段差領域において上記変位量が最大となる
最大変位点は上記変曲点に対応する点になるから、該最
大変位点を光軸調整の基準にしてもZビーム形ヘッドラ
イトの光軸を正確に調整できる。
【0007】尚、上記変曲点や最大変位点と明暗境界線
の水平部との鉛直方向の位置関係がばらつくヘッドライ
トもある。この場合、明暗境界線の水平部が存在する水
平領域において、等照度曲線や明暗境界点を結ぶ線に近
似した水平線の式を求め、該水平線を光軸調整の鉛直方
向の基準とし、上記変曲点や最大変位点を光軸調整の水
平方向の基準とすれば、変曲点や最大変位点と明暗境界
線の水平部との鉛直方向の位置関係がばらついても、光
軸を正確に調整でき有利である。
の水平部との鉛直方向の位置関係がばらつくヘッドライ
トもある。この場合、明暗境界線の水平部が存在する水
平領域において、等照度曲線や明暗境界点を結ぶ線に近
似した水平線の式を求め、該水平線を光軸調整の鉛直方
向の基準とし、上記変曲点や最大変位点を光軸調整の水
平方向の基準とすれば、変曲点や最大変位点と明暗境界
線の水平部との鉛直方向の位置関係がばらついても、光
軸を正確に調整でき有利である。
【0008】また、一般に、Zビーム形ヘッドライトで
は、所定照度以上の領域の重心の位置と上記段差領域や
上記水平領域の位置との間には相関関係が成立するか
ら、重心の位置から段差領域や水平領域の位置を求める
ことができるが、この相関関係が不明なヘッドライトに
対しては、上記の如く水平方向の単位長さ当りにおける
明暗境界点の鉛直方向の変位量に基いて、この変位量が
所定値以上の領域を段差領域、所定値以下の領域を水平
領域とし、段差領域における上記変曲点や最大変位点の
位置を求め、水平領域における上記水平線の式を求めれ
ば良い。
は、所定照度以上の領域の重心の位置と上記段差領域や
上記水平領域の位置との間には相関関係が成立するか
ら、重心の位置から段差領域や水平領域の位置を求める
ことができるが、この相関関係が不明なヘッドライトに
対しては、上記の如く水平方向の単位長さ当りにおける
明暗境界点の鉛直方向の変位量に基いて、この変位量が
所定値以上の領域を段差領域、所定値以下の領域を水平
領域とし、段差領域における上記変曲点や最大変位点の
位置を求め、水平領域における上記水平線の式を求めれ
ば良い。
【0009】
【実施例】図1を参照して、1は定位置に停止される自
動車CAのヘッドライトHLの前方略3mに配置した光
軸の向きを測定する測定装置の本体であり、この測定装
置を用いて本発明の方法を実施する。該本体1はヘッド
ライトHLに対向する面に開口2を有する筐体であり、
すりガラス等からなる半透明スクリーン3により開口2
を覆い、半透明スクリーン3にヘッドライトHLの光線
を照射してその照射パターンを本体1の内部に取り付け
たCCDカメラ4で撮像し、撮像した画像データを画像
処理装置5に送り、以下に示す画像処理を行なう。
動車CAのヘッドライトHLの前方略3mに配置した光
軸の向きを測定する測定装置の本体であり、この測定装
置を用いて本発明の方法を実施する。該本体1はヘッド
ライトHLに対向する面に開口2を有する筐体であり、
すりガラス等からなる半透明スクリーン3により開口2
を覆い、半透明スクリーン3にヘッドライトHLの光線
を照射してその照射パターンを本体1の内部に取り付け
たCCDカメラ4で撮像し、撮像した画像データを画像
処理装置5に送り、以下に示す画像処理を行なう。
【0010】該画像処理装置5における画像処理の内容
について、ヘッドライトHLとしてZビーム形ヘッドラ
イトを用いた場合の画像である図2を参照して説明す
る。図2に示すように、ヘッドライトHLの照射パター
ンに現われる明暗境界線は、Zビーム形ヘッドライトの
場合、横方向内方の比較的低い水平部A1と横方向外方
(路肩側)の比較的高い水平部A2と中間の段差部A3
とを有する略Z字状になる。
について、ヘッドライトHLとしてZビーム形ヘッドラ
イトを用いた場合の画像である図2を参照して説明す
る。図2に示すように、ヘッドライトHLの照射パター
ンに現われる明暗境界線は、Zビーム形ヘッドライトの
場合、横方向内方の比較的低い水平部A1と横方向外方
(路肩側)の比較的高い水平部A2と中間の段差部A3
とを有する略Z字状になる。
【0011】光軸調整に際しては、図3に示す如く、先
ず、照射パターンの画像の所定照度以上の領域の面積が
所定値になるようにカメラ4の絞りを調整し、該所定照
度以上の領域Bの重心Gの位置を計測する。この場合、
重心Gの位置は計測の度にずれる可能性があるが、重心
Gのずれ範囲において照度は一定しており、この照度と
肉眼で確認される明暗境界部の照度との比率も一定して
いる。かくて、重心Gの照度に対し上記比率に相当する
所定の割合の照度を持つ等照度曲線Cを求めれば、該曲
線Cは明暗境界線に近似する。
ず、照射パターンの画像の所定照度以上の領域の面積が
所定値になるようにカメラ4の絞りを調整し、該所定照
度以上の領域Bの重心Gの位置を計測する。この場合、
重心Gの位置は計測の度にずれる可能性があるが、重心
Gのずれ範囲において照度は一定しており、この照度と
肉眼で確認される明暗境界部の照度との比率も一定して
いる。かくて、重心Gの照度に対し上記比率に相当する
所定の割合の照度を持つ等照度曲線Cを求めれば、該曲
線Cは明暗境界線に近似する。
【0012】ここで、明暗境界線の段差部A3が存在す
る段差領域a3や、水平部A1,A2が存在する水平領
域a1,a2のおおよその位置は重心Gの位置から所定
の相関関係に基いて割出すことができる。そして、重心
Gの位置から割出された段差領域a3における等照度曲
線Cの変曲点Caの位置を求め、更に、両水平領域a
1,a2の少なくとも一方、例えば、a1の領域におけ
る等照度曲線Cに近似した水平線Cbの式を最小2乗法
等によって求める。
る段差領域a3や、水平部A1,A2が存在する水平領
域a1,a2のおおよその位置は重心Gの位置から所定
の相関関係に基いて割出すことができる。そして、重心
Gの位置から割出された段差領域a3における等照度曲
線Cの変曲点Caの位置を求め、更に、両水平領域a
1,a2の少なくとも一方、例えば、a1の領域におけ
る等照度曲線Cに近似した水平線Cbの式を最小2乗法
等によって求める。
【0013】次に、変曲点Caを光軸調整の水平方向の
基準とし、水平線Cbを光軸調整の鉛直方向の基準とし
て、ヘッドライトHLの光軸を調整する。即ち、変曲点
Caの水平方向座標が水平方向の所定の合格範囲に入る
ように光軸を水平方向に調整すると共に、水平線Cbが
鉛直方向の所定の合格範囲に入るように光軸を鉛直方向
に調整する。これによれば、明暗境界線の水平部A1,
A2が夫々所定の高さになり、且つ、段差部A3が横方
向の所定位置になるように、ヘッドライトHLの光軸を
正確に調整できる。
基準とし、水平線Cbを光軸調整の鉛直方向の基準とし
て、ヘッドライトHLの光軸を調整する。即ち、変曲点
Caの水平方向座標が水平方向の所定の合格範囲に入る
ように光軸を水平方向に調整すると共に、水平線Cbが
鉛直方向の所定の合格範囲に入るように光軸を鉛直方向
に調整する。これによれば、明暗境界線の水平部A1,
A2が夫々所定の高さになり、且つ、段差部A3が横方
向の所定位置になるように、ヘッドライトHLの光軸を
正確に調整できる。
【0014】以上、等照度曲線Cに基いて光軸調整を行
う実施例について説明したが、図4に示す如く、水平方
向の各位置における明暗境界点Dを鉛直方向の照度分布
から求め、これら明暗境界点Dに基いて光軸調整を行う
ことも可能である。
う実施例について説明したが、図4に示す如く、水平方
向の各位置における明暗境界点Dを鉛直方向の照度分布
から求め、これら明暗境界点Dに基いて光軸調整を行う
ことも可能である。
【0015】これを詳述するに、水平方向の各位置にお
ける明暗境界点Dを結ぶ線は肉眼で確認される明暗境界
線にほぼ合致し、水平方向の単位長さ当りにおける明暗
境界点Dの鉛直方向の変位量△Dは段差領域a3におい
て所定値以上になる。そのため、上記変位量△Dが所定
値以上となる領域において変位量△Dが最大となる最大
変位点Daの位置を求めれば、この点Daは段差領域a
3における上記変曲点Caに一致する。また、変位量△
Dが所定値以下になる水平領域a1,a2の少なくとも
一方、例えば、a1の領域において明暗境界点Dを結ぶ
線に近似した水平線Dbの式を最小2乗法等によって求
めれば、この水平線Dbは明暗境界線の水平部A1に一
致する。かくて、この水平線Dbを光軸調整の鉛直方向
の基準とし、上記最大変位点Daを光軸調整の水平方向
の基準として、ヘッドライトHLの光軸を正確に調整す
ることができる。
ける明暗境界点Dを結ぶ線は肉眼で確認される明暗境界
線にほぼ合致し、水平方向の単位長さ当りにおける明暗
境界点Dの鉛直方向の変位量△Dは段差領域a3におい
て所定値以上になる。そのため、上記変位量△Dが所定
値以上となる領域において変位量△Dが最大となる最大
変位点Daの位置を求めれば、この点Daは段差領域a
3における上記変曲点Caに一致する。また、変位量△
Dが所定値以下になる水平領域a1,a2の少なくとも
一方、例えば、a1の領域において明暗境界点Dを結ぶ
線に近似した水平線Dbの式を最小2乗法等によって求
めれば、この水平線Dbは明暗境界線の水平部A1に一
致する。かくて、この水平線Dbを光軸調整の鉛直方向
の基準とし、上記最大変位点Daを光軸調整の水平方向
の基準として、ヘッドライトHLの光軸を正確に調整す
ることができる。
【0016】尚、変曲点Caや最大変位点Daと水平部
A1,A2との間の鉛直方向の位置関係が既知であって
ばらつきがなければ、変曲点Caや最大変位点Daを光
軸調整の水平方向及び鉛直方向の基準として、ヘッドラ
イトHLの光軸を調整しても良い。
A1,A2との間の鉛直方向の位置関係が既知であって
ばらつきがなければ、変曲点Caや最大変位点Daを光
軸調整の水平方向及び鉛直方向の基準として、ヘッドラ
イトHLの光軸を調整しても良い。
【0017】また、等照度曲線Cに基いて光軸調整を行
う場合、重心Gの位置と段差領域a3や水平領域a1,
a2の位置との相関関係が不明であったりばらつきを生
じ易い場合には、水平方向の各位置における明暗境界点
Dの位置を求め、明暗境界点Dの上記変位量△Dの大小
に基いて段差領域a3や水平領域a1,a2の位置を割
出す。この場合、水平領域a1において、等照度曲線C
に近似した水平線Cbに代えて、明暗境界点Dを結ぶ線
に近似した水平線Dbの式を求め、段差領域a3におけ
る等照度曲線Cの変曲点Caを光軸調整の水平方向の基
準とし、水平線Dbを光軸調整の鉛直方向の基準として
も良い。
う場合、重心Gの位置と段差領域a3や水平領域a1,
a2の位置との相関関係が不明であったりばらつきを生
じ易い場合には、水平方向の各位置における明暗境界点
Dの位置を求め、明暗境界点Dの上記変位量△Dの大小
に基いて段差領域a3や水平領域a1,a2の位置を割
出す。この場合、水平領域a1において、等照度曲線C
に近似した水平線Cbに代えて、明暗境界点Dを結ぶ線
に近似した水平線Dbの式を求め、段差領域a3におけ
る等照度曲線Cの変曲点Caを光軸調整の水平方向の基
準とし、水平線Dbを光軸調整の鉛直方向の基準として
も良い。
【0018】ところで、照射パターンを鉛直方向の走査
線に沿って走査したときの照度分布曲線は図5に示すよ
うになり、暗部と照度の立上り部とに跨がる部分に生じ
易いノズルの影響で明暗境界点の位置を一義的に特定す
ることが困難になる場合がある。この場合、立上り部か
ら充分に離れた暗部領域における照度分布曲線に近似し
た水平線Eの式を最小2案法等で求めると共に、立上り
部における照度分布曲線の変曲点を通る接線Fの式を求
め、両線E,Fの交点Qに対応する走査線上の点QPを
明暗境界点としてその位置を求めれば、ノイズの影響を
受けずに明暗境界点を一義的に特定できる。尚、点QP
は肉眼で確認される明暗境界点には一致しないが、点Q
Pは明暗境界点に対し鉛直方向に一定距離変位している
だけであるから、この変位距離を見込んで光軸調整の合
格範囲を設定することにより、ヘッドライトHLの光軸
を正確に調整できる。
線に沿って走査したときの照度分布曲線は図5に示すよ
うになり、暗部と照度の立上り部とに跨がる部分に生じ
易いノズルの影響で明暗境界点の位置を一義的に特定す
ることが困難になる場合がある。この場合、立上り部か
ら充分に離れた暗部領域における照度分布曲線に近似し
た水平線Eの式を最小2案法等で求めると共に、立上り
部における照度分布曲線の変曲点を通る接線Fの式を求
め、両線E,Fの交点Qに対応する走査線上の点QPを
明暗境界点としてその位置を求めれば、ノイズの影響を
受けずに明暗境界点を一義的に特定できる。尚、点QP
は肉眼で確認される明暗境界点には一致しないが、点Q
Pは明暗境界点に対し鉛直方向に一定距離変位している
だけであるから、この変位距離を見込んで光軸調整の合
格範囲を設定することにより、ヘッドライトHLの光軸
を正確に調整できる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、Zビーム形ヘッドライトの光軸を正確に調整
できる。
によれば、Zビーム形ヘッドライトの光軸を正確に調整
できる。
【図1】 本発明方法の実施に用いる光軸測定装置の一
例の概略断面図
例の概略断面図
【図2】 ヘッドライトの照射パターンを示す図
【図3】 本発明に係る光軸計測の一例を説明する図
【図4】 本発明に係る光軸計測の他の例を説明する図
【図5】 照射パターンの鉛直方向の照度分布を示すグ
ラフ
ラフ
1 測定装置本体、 3 スクリーン 4 カメラ、 5 画像処理装
置 HL ヘッドライト、 A1,A2 明暗境界
線の水平部 A3 明暗境界線の段差部、 a1,a2 水平領域 a3 段差領域 B 所定照度
以上の領域 G 重心、 C 等照度曲線 Ca 変曲点、 Cb 水平線 D 明暗境界点、 Da 最大変位点 Db 水平線
置 HL ヘッドライト、 A1,A2 明暗境界
線の水平部 A3 明暗境界線の段差部、 a1,a2 水平領域 a3 段差領域 B 所定照度
以上の領域 G 重心、 C 等照度曲線 Ca 変曲点、 Cb 水平線 D 明暗境界点、 Da 最大変位点 Db 水平線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−111431(JP,A) 特開 昭63−113339(JP,A) 特開 平2−73128(JP,A) 特開 昭63−42442(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/06
Claims (7)
- 【請求項1】 車両の前方に配置したスクリーンに現わ
れるヘッドライトの照射パターンを撮像し、照射パター
ンの画像に基いてヘッドライトの光軸を調整する方法に
おいて、 照射パターンの所定照度以上の領域の重心の位置を求め
ると共に、 照射パターンの明暗境界線の段差部が存在する段差領域
の位置を求め、 前記重心の照度に対し所定の割合の照度を持つ等照度曲
線の前記段差領域における変曲点の位置を計測し、 該変曲点を基準にして光軸調整を行う、 ことを特徴とするヘッドライトの光軸調整方法。 - 【請求項2】 前記段差領域の位置を前記重心の位置か
ら求めることを特徴とする請求項1に記載のヘッドライ
トの光軸調整方法。 - 【請求項3】 照射パターンの水平方向の各位置におけ
る明暗境界点の位置を鉛直方向の照度分布に基いて求
め、水平方向の単位長さ当りにおける明暗境界点の鉛直
方向の変位量が所定値以上になる領域を前記段差領域と
することを特徴とする請求項1に記載のヘッドライトの
光軸調整方法。 - 【請求項4】 照射パターンの明暗境界線の水平部が存
在する水平領域における前記等照度曲線に近似した水平
線の式を求めて、該水平線を光軸調整の鉛直方向の基準
とし、前記変曲点を光軸調整の水平方向の基準とするこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドライトの
光軸調整方法。 - 【請求項5】 照射パターンの水平方向の各位置におけ
る明暗境界点の位置を鉛直方向の照度分布に基いて求
め、水平方向の単位長さ当りにおける明暗境界点の鉛直
方向の変位量が所定値以下となる領域を照射パターンの
明暗境界線の水平部が存在する水平領域とし、該水平領
域における前記明暗境界点を結ぶ線に近似した水平線の
式を求めて、該水平線を光軸調整の鉛直方向の基準と
し、前記変曲点を光軸調整の水平方向の基準とすること
を特徴とする請求項1又は3に記載のヘッドライトの光
軸調整方法。 - 【請求項6】 車両の前方に配置したスクリーンに現わ
れるヘッドライトの照射パターンを撮像し、照射パター
ンの画像に基いてヘッドライトの光軸を調整する方法に
おいて、 照射パターンの水平方向の各位置における明暗境界点の
位置を鉛直方向の照度分布に基いて求め、 水平方向の単位長さ当りにおける明暗境界点の鉛直方向
の変位量が所定値以上になる領域を照射パターンの明暗
境界線の段差部が存在する段差領域とし、 該段差領域において前記変位量が最大となる最大変位点
の位置を求め、 該最大変位点を基準にして光軸調整を行う、 ことを特徴とするヘッドライトの光軸調整方法。 - 【請求項7】 前記変位量が所定値以下となる領域を照
射パターンの明暗境界線の水平部が存在する水平領域と
し、該水平領域における前記明暗境界点を結ぶ線に近似
した水平線の式を求めて、該水平線を光軸調整の鉛直方
向の基準とし、前記最大変位点を光軸調整の水平方向の
基準とすることを特徴とする請求項6に記載のヘッドラ
イトの光軸調整方法。
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