JP3065877B2 - H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法 - Google Patents
H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法Info
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- JP3065877B2 JP3065877B2 JP6059404A JP5940494A JP3065877B2 JP 3065877 B2 JP3065877 B2 JP 3065877B2 JP 6059404 A JP6059404 A JP 6059404A JP 5940494 A JP5940494 A JP 5940494A JP 3065877 B2 JP3065877 B2 JP 3065877B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は矩形断面鋼片を素材とし
て、ドッグボーン型断面形状の粗形鋼片(以下、「ドッ
グボーン材」と称する)を経由して、特にフランジ厚の
大きいH形鋼(以下、「極厚H形鋼」と称する)や、ウ
ェブ高さやフランジ幅の大きいH形鋼(以下、「大型H
形鋼」と称する)を圧延造形するための粗圧延法に関す
るものである。
て、ドッグボーン型断面形状の粗形鋼片(以下、「ドッ
グボーン材」と称する)を経由して、特にフランジ厚の
大きいH形鋼(以下、「極厚H形鋼」と称する)や、ウ
ェブ高さやフランジ幅の大きいH形鋼(以下、「大型H
形鋼」と称する)を圧延造形するための粗圧延法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図4に示すH形鋼62を製
造する圧延工程は、中間粗形鋼片61を粗造形するため
の粗2重孔型圧延機1、さらに該中間粗形鋼片61から
H形鋼62までの圧延を担当する第1中間粗ユニバーサ
ル圧延機2aおよび該第1中間粗ユニバーサル圧延機2
aに近接して設けられたエッジング圧延機2b、第2中
間粗ユニバーサル圧延機3aおよび該第2中間粗ユニバ
ーサル圧延機3aに近接して設けられたエッジング圧延
機3b、および仕上げユニバーサル圧延機4から構成さ
れている。
造する圧延工程は、中間粗形鋼片61を粗造形するため
の粗2重孔型圧延機1、さらに該中間粗形鋼片61から
H形鋼62までの圧延を担当する第1中間粗ユニバーサ
ル圧延機2aおよび該第1中間粗ユニバーサル圧延機2
aに近接して設けられたエッジング圧延機2b、第2中
間粗ユニバーサル圧延機3aおよび該第2中間粗ユニバ
ーサル圧延機3aに近接して設けられたエッジング圧延
機3b、および仕上げユニバーサル圧延機4から構成さ
れている。
【0003】H形鋼用圧延素材としては、近年は鋼塊か
ら均熱・分塊圧延によって造形されたビームブランクに
代わり、工程省略および品質向上のため、連続鋳造によ
る矩形断面鋼片が多用されるようになった。矩形断面鋼
片を素材とする中間粗形鋼片の粗造形技術は、特公昭5
8−19361号公報、特公昭58−37042号公報
または特開平2−169103号公報、さらには厚肉フ
ランジH形鋼の造形法として特開平3−57501号な
どに開示された技術が公知である。
ら均熱・分塊圧延によって造形されたビームブランクに
代わり、工程省略および品質向上のため、連続鋳造によ
る矩形断面鋼片が多用されるようになった。矩形断面鋼
片を素材とする中間粗形鋼片の粗造形技術は、特公昭5
8−19361号公報、特公昭58−37042号公報
または特開平2−169103号公報、さらには厚肉フ
ランジH形鋼の造形法として特開平3−57501号な
どに開示された技術が公知である。
【0004】図5は前記公知技術に基づく粗2重孔型圧
延機1のロール孔型配置の一例であり、上下ロール対1
1,12には溝付与孔型G1、フランジ生成孔型G2、溝消
去孔型G3、成形孔型G4の4つの孔型が刻設されている。
図6はこのような孔型を有する粗2重孔型圧延機1の上
下ロール対11,12により、矩形断面鋼片5を素材と
して中間粗形鋼片61を成形していく過程を示す。
延機1のロール孔型配置の一例であり、上下ロール対1
1,12には溝付与孔型G1、フランジ生成孔型G2、溝消
去孔型G3、成形孔型G4の4つの孔型が刻設されている。
図6はこのような孔型を有する粗2重孔型圧延機1の上
下ロール対11,12により、矩形断面鋼片5を素材と
して中間粗形鋼片61を成形していく過程を示す。
【0005】図6において矩形断面鋼片5の断面寸法は
幅W0×厚みH0であり、溝付与孔型G1は矩形断面鋼片の短
辺部にV状溝51aを形成するための孔型であり、孔底
幅の中央部には頂部角度θ1 の中央膨出部21aと、こ
の中央膨出部の両側に溝部21bが刻設されている。溝
付与孔型G1の孔底幅S1は、矩形断面鋼片5の短辺部の中
央部に正確にV状溝51aを形成するために、矩形断面
鋼片5の厚みH0にほぼ等しくとるのが原則であるが、実
際には孔型側壁31との接触による疵発生を防止するた
め、H0よりも若干大きくとるのが普通である。溝付与孔
型G1の最終仕上がり材の幅(以下、「ウェブ高さ」と称
する)W1はほぼ矩形断面鋼片の幅W0に等しい。
幅W0×厚みH0であり、溝付与孔型G1は矩形断面鋼片の短
辺部にV状溝51aを形成するための孔型であり、孔底
幅の中央部には頂部角度θ1 の中央膨出部21aと、こ
の中央膨出部の両側に溝部21bが刻設されている。溝
付与孔型G1の孔底幅S1は、矩形断面鋼片5の短辺部の中
央部に正確にV状溝51aを形成するために、矩形断面
鋼片5の厚みH0にほぼ等しくとるのが原則であるが、実
際には孔型側壁31との接触による疵発生を防止するた
め、H0よりも若干大きくとるのが普通である。溝付与孔
型G1の最終仕上がり材の幅(以下、「ウェブ高さ」と称
する)W1はほぼ矩形断面鋼片の幅W0に等しい。
【0006】溝付与孔型G1で矩形断面鋼片5の短辺部に
付与されたV状溝51aにより、被圧延材はフランジ生
成孔型G2の中央部に正確に誘導され、かつその高さ方向
エッジング圧延(以下、「エッジング圧延」と称する)
時の倒れやねじれが防止される。フランジ生成孔型G2の
孔底幅S2および中央膨出部22aの頂部角度θ2 は前記
溝付与孔型G1の孔底値S1および中央膨出部21aの頂部
角度θ1 よりも大きく設定されている。該フランジ生成
孔型G2において、ウェブ高さがW2になるまでのエッジン
グ圧延により、H形鋼フランジ相当部(以下、「フラン
ジ」と称する)42を中央膨出部22aで割り広げ、そ
の幅と厚みを拡大し、フランジ幅を孔底幅S2にほぼ等し
い値あるいはその近傍の値B2に仕上げる。
付与されたV状溝51aにより、被圧延材はフランジ生
成孔型G2の中央部に正確に誘導され、かつその高さ方向
エッジング圧延(以下、「エッジング圧延」と称する)
時の倒れやねじれが防止される。フランジ生成孔型G2の
孔底幅S2および中央膨出部22aの頂部角度θ2 は前記
溝付与孔型G1の孔底値S1および中央膨出部21aの頂部
角度θ1 よりも大きく設定されている。該フランジ生成
孔型G2において、ウェブ高さがW2になるまでのエッジン
グ圧延により、H形鋼フランジ相当部(以下、「フラン
ジ」と称する)42を中央膨出部22aで割り広げ、そ
の幅と厚みを拡大し、フランジ幅を孔底幅S2にほぼ等し
い値あるいはその近傍の値B2に仕上げる。
【0007】次に、孔底幅S3が前記フランジ生成孔型G2
の孔底幅S2より若干大きく設定されている溝消去孔型G3
でのエッジング圧延によりウェブ高さをW3とし、フラン
ジ生成孔型G2で造形された被圧延材のフランジ幅をさら
に拡大してフランジ幅を孔底幅S3にほぼ等しい値あるい
はその近傍値B3のドッグボーン材60に仕上げる。同時
に、フランジ生成孔型G2の中央膨出部22aの頂部角度
θ2 よりも大きく形成された頂部角度θ3 の中央膨出部
23aにより、フランジ生成孔型G2で形成されたV状溝
52aの傾斜を緩やかにして53aとし、次工程以降で
フランジ外側面に折れ込み疵が発生するのを未然に防止
する。なお、溝付与孔型G1から溝消去孔型G3に至るエッ
ジング圧延の際には、図6に示すように幅圧下の影響が
被圧延材の幅方向中央部までは及ばないため、被圧延材
の溝付与孔型G1におけるウェブ厚H1、フランジ生成孔型
G2におけるウェブ厚H2、溝消去孔型G3におけるウェブ厚
H3はほとんど変化せず、ほぼ元の矩形断面鋼片の厚みH0
に等しい。
の孔底幅S2より若干大きく設定されている溝消去孔型G3
でのエッジング圧延によりウェブ高さをW3とし、フラン
ジ生成孔型G2で造形された被圧延材のフランジ幅をさら
に拡大してフランジ幅を孔底幅S3にほぼ等しい値あるい
はその近傍値B3のドッグボーン材60に仕上げる。同時
に、フランジ生成孔型G2の中央膨出部22aの頂部角度
θ2 よりも大きく形成された頂部角度θ3 の中央膨出部
23aにより、フランジ生成孔型G2で形成されたV状溝
52aの傾斜を緩やかにして53aとし、次工程以降で
フランジ外側面に折れ込み疵が発生するのを未然に防止
する。なお、溝付与孔型G1から溝消去孔型G3に至るエッ
ジング圧延の際には、図6に示すように幅圧下の影響が
被圧延材の幅方向中央部までは及ばないため、被圧延材
の溝付与孔型G1におけるウェブ厚H1、フランジ生成孔型
G2におけるウェブ厚H2、溝消去孔型G3におけるウェブ厚
H3はほとんど変化せず、ほぼ元の矩形断面鋼片の厚みH0
に等しい。
【0008】続いて、成形孔型G4により該ドッグボーン
材60のウェブおよびフランジを成形するために、ウェ
ブを圧下するとともにフランジを整形して、ウェブ高さ
W×フランジ幅B×ウェブ厚tWMの中間粗形鋼片61が
得られた時点で成形孔型G4での圧延を終了する。この時
点で、中間粗形鋼片61のフランジ片幅中央部のフラン
ジ厚tFMとウェブ厚tWMの比tFM/tWMが、H形鋼62
のフランジ/ウェブ板厚比tFP/tWPにほぼ等しくなっ
ている。
材60のウェブおよびフランジを成形するために、ウェ
ブを圧下するとともにフランジを整形して、ウェブ高さ
W×フランジ幅B×ウェブ厚tWMの中間粗形鋼片61が
得られた時点で成形孔型G4での圧延を終了する。この時
点で、中間粗形鋼片61のフランジ片幅中央部のフラン
ジ厚tFMとウェブ厚tWMの比tFM/tWMが、H形鋼62
のフランジ/ウェブ板厚比tFP/tWPにほぼ等しくなっ
ている。
【0009】溝付与孔型G1の機能は矩形断面鋼片の短辺
部に中央膨出部21aによりV状溝51aを付与するこ
とであり、一方溝消去孔型G3はフランジ生成孔型G2の中
央膨出部22aによって生じたV状溝52aの傾斜を穏
やかな53aにして、次工程以降でフランジ外側面に折
れ込み疵が発生するのを未然に防止することである。し
たがって、フランジの生成に寄与しているのはフランジ
生成孔型G2だけであり、この結果溝消去孔型G3で仕上が
ったドッグボーン材60のフランジの形状、さらには成
形孔型G4で仕上がった中間粗形鋼片61のフランジの形
状はフランジ生成孔型G2での圧延条件に大きく影響され
る。
部に中央膨出部21aによりV状溝51aを付与するこ
とであり、一方溝消去孔型G3はフランジ生成孔型G2の中
央膨出部22aによって生じたV状溝52aの傾斜を穏
やかな53aにして、次工程以降でフランジ外側面に折
れ込み疵が発生するのを未然に防止することである。し
たがって、フランジの生成に寄与しているのはフランジ
生成孔型G2だけであり、この結果溝消去孔型G3で仕上が
ったドッグボーン材60のフランジの形状、さらには成
形孔型G4で仕上がった中間粗形鋼片61のフランジの形
状はフランジ生成孔型G2での圧延条件に大きく影響され
る。
【0010】図8には、従来法における溝消去孔型G3で
仕上がったドッグボーン材60のフランジの形状の実例
P1 と理想的な形状P2 の1/4断面を示す。従来法で
は幅方向のフランジ厚み分布は、通常は付け根ほど厚
く、先端ほど薄くなるような分布P1 を示す。この場
合、最終製品のH形鋼62のフランジ厚が比較的薄い場
合には、その後の工程におけるフランジ厚の減厚量が大
きいため、図9(a)のごとくフランジは平板となる。
ところが、図8のP1 のような断面からフランジ厚の大
きい極厚H形鋼や大型H形鋼を造形する場合には、問題
となる。すなわち、極厚H形鋼の圧延造形時では、第1
中間粗ユニバーサル圧延機2a以降のフランジ厚の減厚
量が小さいため、また大型H形鋼の圧延造形時ではフラ
ンジ生成孔型G2でのエッジング圧延量が大きくとれずド
ッグボーン材のフランジ幅とフランジ厚が十分でないた
め、H形鋼62が図9(b)のごとくフランジ先端の角
落ちや肉不足になるという問題が生じていた。このため
従来、理想的な形状P2 に近付けるために、矩形断面素
材5の幅W0を設備制約内で大きくしてフランジ生成孔型
G2におけるエッジング圧延量を増加させることにより、
フランジ先端部までメタルを行きわたらせ、できるだけ
フランジ幅方向の厚み分布を均一にすることが行なわれ
ていた。
仕上がったドッグボーン材60のフランジの形状の実例
P1 と理想的な形状P2 の1/4断面を示す。従来法で
は幅方向のフランジ厚み分布は、通常は付け根ほど厚
く、先端ほど薄くなるような分布P1 を示す。この場
合、最終製品のH形鋼62のフランジ厚が比較的薄い場
合には、その後の工程におけるフランジ厚の減厚量が大
きいため、図9(a)のごとくフランジは平板となる。
ところが、図8のP1 のような断面からフランジ厚の大
きい極厚H形鋼や大型H形鋼を造形する場合には、問題
となる。すなわち、極厚H形鋼の圧延造形時では、第1
中間粗ユニバーサル圧延機2a以降のフランジ厚の減厚
量が小さいため、また大型H形鋼の圧延造形時ではフラ
ンジ生成孔型G2でのエッジング圧延量が大きくとれずド
ッグボーン材のフランジ幅とフランジ厚が十分でないた
め、H形鋼62が図9(b)のごとくフランジ先端の角
落ちや肉不足になるという問題が生じていた。このため
従来、理想的な形状P2 に近付けるために、矩形断面素
材5の幅W0を設備制約内で大きくしてフランジ生成孔型
G2におけるエッジング圧延量を増加させることにより、
フランジ先端部までメタルを行きわたらせ、できるだけ
フランジ幅方向の厚み分布を均一にすることが行なわれ
ていた。
【0011】しかし、現実には使用可能な矩形断面鋼片
5の幅W0は、粗2重孔型圧延機1の上下ロール最大開度
量に制約されており、またたとえ幅W0を無制限に大きく
してフランジ生成孔型G2でのエッジング圧延量を増加さ
せても、フランジ生成孔型G2の孔型側壁32にフランジ
先端部が接触した後は、孔型側壁32による被圧延材の
拘束度が厳しくなる結果、被圧延材の長さ方向延伸が生
じ、フランジの生成効率が悪くなる。このため極厚H形
鋼あるいは大型H形鋼のシリーズの素材連鋳化について
は、比較的フランジ厚の薄いサイズのH形鋼に限定され
ていた。この結果、これ以外のフランジ厚手サイズにつ
いては分塊工程にて鋼塊から製造した粗形鋼片を素材と
せざるを得なかった。
5の幅W0は、粗2重孔型圧延機1の上下ロール最大開度
量に制約されており、またたとえ幅W0を無制限に大きく
してフランジ生成孔型G2でのエッジング圧延量を増加さ
せても、フランジ生成孔型G2の孔型側壁32にフランジ
先端部が接触した後は、孔型側壁32による被圧延材の
拘束度が厳しくなる結果、被圧延材の長さ方向延伸が生
じ、フランジの生成効率が悪くなる。このため極厚H形
鋼あるいは大型H形鋼のシリーズの素材連鋳化について
は、比較的フランジ厚の薄いサイズのH形鋼に限定され
ていた。この結果、これ以外のフランジ厚手サイズにつ
いては分塊工程にて鋼塊から製造した粗形鋼片を素材と
せざるを得なかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、矩形断面鋼片を素材として、ドッグボーン
材フランジ断面積を大きくし、かつフランジ幅方向の厚
み分布を均等にすることによって、極厚H形鋼や大型H
形鋼のフランジ厚手サイズの製造を可能とすることであ
る。
する課題は、矩形断面鋼片を素材として、ドッグボーン
材フランジ断面積を大きくし、かつフランジ幅方向の厚
み分布を均等にすることによって、極厚H形鋼や大型H
形鋼のフランジ厚手サイズの製造を可能とすることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、中央膨
出部の大きさの異なるフランジ生成孔型を2つ配置し、
交互に矩形断面鋼片にエッジング圧延を施し、それぞれ
の圧延過程におけるフランジ外側面における押圧位置を
変更することにより、メタルを効率良くフランジ先端に
流動させることにある。
出部の大きさの異なるフランジ生成孔型を2つ配置し、
交互に矩形断面鋼片にエッジング圧延を施し、それぞれ
の圧延過程におけるフランジ外側面における押圧位置を
変更することにより、メタルを効率良くフランジ先端に
流動させることにある。
【0014】すなわち、本発明の要旨は、孔底の幅方
向中央部に中央膨出部と、該中央膨出部の両側に溝部を
形成した溝付与孔型およびフランジ生成孔型によって、
矩形断面鋼片を幅方向にエッジング圧延し、H形鋼フラ
ンジ相当部を割り込みつつ拡幅してドッグボーン型断面
形状の粗形鋼片を造形する方法において、前記フランジ
生成孔型をそれぞれの孔底幅がほぼ等しくかつ中央膨出
部の高さが異なる複数の孔型に形成し、前記溝付与孔型
により矩形断面鋼片の短辺部へV状溝を付与した後、前
記の複数のフランジ生成孔型の間で交互にエッジング圧
延するH形鋼用粗形鋼片の粗圧延法、および中央膨出
部高さが大きい方のフランジ生成孔型中央膨出部により
H形鋼フランジ相当部の幅方向中央部領域を割り込み圧
延し、中央膨出部高さが小さい方のフランジ生成孔型溝
部により前記H形鋼フランジ相当部の前記幅方向中央部
領域以外の領域を押圧圧延する前記項記載のH形鋼用
粗形鋼片の粗圧延法にある。
向中央部に中央膨出部と、該中央膨出部の両側に溝部を
形成した溝付与孔型およびフランジ生成孔型によって、
矩形断面鋼片を幅方向にエッジング圧延し、H形鋼フラ
ンジ相当部を割り込みつつ拡幅してドッグボーン型断面
形状の粗形鋼片を造形する方法において、前記フランジ
生成孔型をそれぞれの孔底幅がほぼ等しくかつ中央膨出
部の高さが異なる複数の孔型に形成し、前記溝付与孔型
により矩形断面鋼片の短辺部へV状溝を付与した後、前
記の複数のフランジ生成孔型の間で交互にエッジング圧
延するH形鋼用粗形鋼片の粗圧延法、および中央膨出
部高さが大きい方のフランジ生成孔型中央膨出部により
H形鋼フランジ相当部の幅方向中央部領域を割り込み圧
延し、中央膨出部高さが小さい方のフランジ生成孔型溝
部により前記H形鋼フランジ相当部の前記幅方向中央部
領域以外の領域を押圧圧延する前記項記載のH形鋼用
粗形鋼片の粗圧延法にある。
【0015】以下、さらに本発明を詳細に説明する。図
1(a)と(b)は本発明の製造手段を示すものである
が、これを図6に示す従来法と対比して説明する。ま
ず、従来法の場合、幅W0、厚みH0の矩形断面鋼片5を溝
付与孔型G1により、その孔型側壁31で矩形断面の長辺
の端部を誘導しつつ、素材幅はほぼそのまま(ほぼW1=
W0)の状態でV状溝51aを形成する。続いて、フラン
ジ生成孔型G2のエッジング圧延によりウェブ厚H2(ほぼ
H0)、フランジ幅B2のドッグボーン材を造形し、さらに
溝消去孔型G3により軽くエッジング圧延することにより
V状溝を52aの形状から53aの形状へ傾斜を緩くす
る(この時、ウェブ厚H3(ほぼH0)、フランジ幅B3のド
ッグボーン材60となる)。さらに引き続いて、該ドッ
グボーン材60を成形孔型G4によりそのウェブを圧下し
つつ、ウェブ高さW×フランジ幅B×ウェブ厚tWMの中
間粗形鋼片61を成形する。図7は、特にこの従来法に
おけるフランジ生成孔型G2でのフランジ生成過程をより
詳細に示したものである。すなわち、被圧延材に対して
フランジ生成孔型G2での複数パス圧下を継続することに
より、フランジの幅と厚みが生成する。
1(a)と(b)は本発明の製造手段を示すものである
が、これを図6に示す従来法と対比して説明する。ま
ず、従来法の場合、幅W0、厚みH0の矩形断面鋼片5を溝
付与孔型G1により、その孔型側壁31で矩形断面の長辺
の端部を誘導しつつ、素材幅はほぼそのまま(ほぼW1=
W0)の状態でV状溝51aを形成する。続いて、フラン
ジ生成孔型G2のエッジング圧延によりウェブ厚H2(ほぼ
H0)、フランジ幅B2のドッグボーン材を造形し、さらに
溝消去孔型G3により軽くエッジング圧延することにより
V状溝を52aの形状から53aの形状へ傾斜を緩くす
る(この時、ウェブ厚H3(ほぼH0)、フランジ幅B3のド
ッグボーン材60となる)。さらに引き続いて、該ドッ
グボーン材60を成形孔型G4によりそのウェブを圧下し
つつ、ウェブ高さW×フランジ幅B×ウェブ厚tWMの中
間粗形鋼片61を成形する。図7は、特にこの従来法に
おけるフランジ生成孔型G2でのフランジ生成過程をより
詳細に示したものである。すなわち、被圧延材に対して
フランジ生成孔型G2での複数パス圧下を継続することに
より、フランジの幅と厚みが生成する。
【0016】一方、本発明による孔型は、図1(a)に
示すように孔底幅がいずれもS2で等しく、中央膨出部高
さがh1の第1フランジ生成孔型G2-1と、中央膨出部高さ
がh2の第2フランジ生成孔型G2-2の2つである(本例で
は、h1>h2)。そして図1(b)に示すように、溝付与
孔型G1で付与されたV状溝の誘導により、第1フランジ
生成孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2のいずれかの
フランジ生成孔型、図1(b)の例では第1フランジ生
成孔型G2-1によりフランジ幅を広げていき、途中からも
う一方の第2フランジ生成孔型G2-2との間で交互にエッ
ジング圧延する。図1(b)の例では、中央膨出部の高
さの高い(=h1)第1フランジ生成孔型G2-1でフランジ
の幅方向中央部領域に割り込み、中央膨出部の高さの低
い(=h2)第2フランジ生成孔型G2-2では前記中央部領
域以外の領域を押圧している。
示すように孔底幅がいずれもS2で等しく、中央膨出部高
さがh1の第1フランジ生成孔型G2-1と、中央膨出部高さ
がh2の第2フランジ生成孔型G2-2の2つである(本例で
は、h1>h2)。そして図1(b)に示すように、溝付与
孔型G1で付与されたV状溝の誘導により、第1フランジ
生成孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2のいずれかの
フランジ生成孔型、図1(b)の例では第1フランジ生
成孔型G2-1によりフランジ幅を広げていき、途中からも
う一方の第2フランジ生成孔型G2-2との間で交互にエッ
ジング圧延する。図1(b)の例では、中央膨出部の高
さの高い(=h1)第1フランジ生成孔型G2-1でフランジ
の幅方向中央部領域に割り込み、中央膨出部の高さの低
い(=h2)第2フランジ生成孔型G2-2では前記中央部領
域以外の領域を押圧している。
【0017】この新圧延法の採用により、同一のエッジ
ング圧延量で、従来法の場合に比べてフランジ断面積が
増加するのであるが、その機構について図2(a),
(b)により説明する。本発明は特にフランジがフラン
ジ生成孔型G2-1またはG2-2に充満した後(すなわち、フ
ランジ先端が孔型側壁321または322に接触した
後)にその効果を発揮する。図2(a),(b)は本発
明によるエッジング圧延状況、図3には比較のために従
来法によるエッジング圧延状況を示す。いずれも圧下量
eのエッジング圧延であるが、図2の本発明法では
(a)第1フランジ生成孔型G2-1と(b)第2フランジ
生成孔型G2-2の2段階でエッジング圧延が行なわれる。
図2および図3において、被圧延材の断面形状を実線お
よび破線で示しているが、破線は圧延入側での被圧延材
形状、実線は圧延出側での被圧延材形状を示す。また、
斜線を施した部分はロール孔型によって排除されるメタ
ルを示し、矢印は排除される方向と大きさを示す。ま
た、点Sはこれ以降のエッジング圧延過程でフランジに
なるべき部分の代表点(以下、「標点」と称する)であ
る。
ング圧延量で、従来法の場合に比べてフランジ断面積が
増加するのであるが、その機構について図2(a),
(b)により説明する。本発明は特にフランジがフラン
ジ生成孔型G2-1またはG2-2に充満した後(すなわち、フ
ランジ先端が孔型側壁321または322に接触した
後)にその効果を発揮する。図2(a),(b)は本発
明によるエッジング圧延状況、図3には比較のために従
来法によるエッジング圧延状況を示す。いずれも圧下量
eのエッジング圧延であるが、図2の本発明法では
(a)第1フランジ生成孔型G2-1と(b)第2フランジ
生成孔型G2-2の2段階でエッジング圧延が行なわれる。
図2および図3において、被圧延材の断面形状を実線お
よび破線で示しているが、破線は圧延入側での被圧延材
形状、実線は圧延出側での被圧延材形状を示す。また、
斜線を施した部分はロール孔型によって排除されるメタ
ルを示し、矢印は排除される方向と大きさを示す。ま
た、点Sはこれ以降のエッジング圧延過程でフランジに
なるべき部分の代表点(以下、「標点」と称する)であ
る。
【0018】まず、図3の従来法では、フランジはその
両端が孔型側壁32によって拘束された状態で、全体が
同時に1/2eだけ圧下されるため、孔型内のメタルは
デッッドメタルとなり、標点Sのメタルもほぼ1/2e
だけ同じ方向へ移動する。その結果、標点Sとフランジ
外側面との距離は圧下前後でほとんど変化しない(ほぼ
l1 =l2 )。すなわち、標点Sにおけるメタルは、フ
ランジへ流入することが困難になる。さらに悪いこと
に、フランジの両端が孔型側壁32によって拘束された
状態でエッジング圧延されるため、フランジ幅広がりが
抑制され、被圧延材は紙面に垂直方向に延伸してしま
い、その結果フランジ断面積が減少することにもつなが
る。
両端が孔型側壁32によって拘束された状態で、全体が
同時に1/2eだけ圧下されるため、孔型内のメタルは
デッッドメタルとなり、標点Sのメタルもほぼ1/2e
だけ同じ方向へ移動する。その結果、標点Sとフランジ
外側面との距離は圧下前後でほとんど変化しない(ほぼ
l1 =l2 )。すなわち、標点Sにおけるメタルは、フ
ランジへ流入することが困難になる。さらに悪いこと
に、フランジの両端が孔型側壁32によって拘束された
状態でエッジング圧延されるため、フランジ幅広がりが
抑制され、被圧延材は紙面に垂直方向に延伸してしま
い、その結果フランジ断面積が減少することにもつなが
る。
【0019】一方、図2(a)の本発明法では、まず第
1フランジ生成孔型G2-1によるフランジの幅方向中央部
に中央膨出部221aで割り込む時に、その周辺のメタ
ルは図に示すようにフランジ幅方向に排除されるが、そ
の両端部は孔型側壁321によって拘束されているた
め、フランジ幅の増加はなく厚みが増加する。この場
合、フランジの幅方向中央部の局部的圧下であるので、
紙面に垂直方向の延伸はほとんどなく、したがって延伸
によるフランジ断面積の減少はない。また、標点Sも矢
印方向に移動するが、その量は微小である。続いて、こ
の被圧延材を第2フランジ生成孔型G2-2に導入して孔型
の溝部により、被圧延材フランジ中央部の凹み以外の部
分のみを押圧する。これにより、フランジ外側面と評点
間の距離はl1 からl2 に減少、すなわち評点S付近の
メタルは、従来法とは異なり、フランジの方向へ流動し
フランジ断面積を増加させる作用を持つ。この場合、従
来法と同様にフランジの両端面は第2フランジ生成孔型
G2-2の孔型側壁322によって拘束されているが、従来
法との根本的な違いは「直前の第1フランジ生成孔型G2
-1の中央膨出部221aによって付与された溝の大きさ
が、第2フランジ生成孔型G2-2の中央膨出部222aの
大きさよりも大きいため、フランジ中央部に隙間があ
り、この空間を埋めるべくメタルが移動すること」にあ
る。その結果、「評点Sがフランジの方向に移動する」
とともに、従来法に見られた「被圧延材の紙面に垂直方
向の延伸」を抑制することができ、その分フランジの断
面積が増加することになる。
1フランジ生成孔型G2-1によるフランジの幅方向中央部
に中央膨出部221aで割り込む時に、その周辺のメタ
ルは図に示すようにフランジ幅方向に排除されるが、そ
の両端部は孔型側壁321によって拘束されているた
め、フランジ幅の増加はなく厚みが増加する。この場
合、フランジの幅方向中央部の局部的圧下であるので、
紙面に垂直方向の延伸はほとんどなく、したがって延伸
によるフランジ断面積の減少はない。また、標点Sも矢
印方向に移動するが、その量は微小である。続いて、こ
の被圧延材を第2フランジ生成孔型G2-2に導入して孔型
の溝部により、被圧延材フランジ中央部の凹み以外の部
分のみを押圧する。これにより、フランジ外側面と評点
間の距離はl1 からl2 に減少、すなわち評点S付近の
メタルは、従来法とは異なり、フランジの方向へ流動し
フランジ断面積を増加させる作用を持つ。この場合、従
来法と同様にフランジの両端面は第2フランジ生成孔型
G2-2の孔型側壁322によって拘束されているが、従来
法との根本的な違いは「直前の第1フランジ生成孔型G2
-1の中央膨出部221aによって付与された溝の大きさ
が、第2フランジ生成孔型G2-2の中央膨出部222aの
大きさよりも大きいため、フランジ中央部に隙間があ
り、この空間を埋めるべくメタルが移動すること」にあ
る。その結果、「評点Sがフランジの方向に移動する」
とともに、従来法に見られた「被圧延材の紙面に垂直方
向の延伸」を抑制することができ、その分フランジの断
面積が増加することになる。
【0020】なお、以上の説明においては、H形鋼フラ
ンジ相当部の断面積が増加する機構を説明する便宜上、
図1(b)の例を取り上げ、第1フランジ生成孔型G2-1
でフランジ幅方向中央部領域のみを、第2フランジ生成
孔型G2-2でそれ以外の領域のみを圧下する例を示した。
しかし、フランジ生成孔型G2-1とG2-2のうち片方あるい
は両方でフランジ外側面の全体領域に対して両孔型間の
交互エッジング圧延を施すことにより、極厚H形鋼や大
型H形鋼を高能率に製造することが可能である。
ンジ相当部の断面積が増加する機構を説明する便宜上、
図1(b)の例を取り上げ、第1フランジ生成孔型G2-1
でフランジ幅方向中央部領域のみを、第2フランジ生成
孔型G2-2でそれ以外の領域のみを圧下する例を示した。
しかし、フランジ生成孔型G2-1とG2-2のうち片方あるい
は両方でフランジ外側面の全体領域に対して両孔型間の
交互エッジング圧延を施すことにより、極厚H形鋼や大
型H形鋼を高能率に製造することが可能である。
【0021】また、図1(b)の例では、第1フランジ
生成孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2の両者間で1
パス毎に被圧延材の受け渡しを行なう様式を述べたが、
必要ならば被圧延材に対して一方のフランジ生成孔型で
複数パスのエッジング圧延を行なった後、他方のフラン
ジ生成孔型に受け渡す様式でも本発明の範疇である。ま
た、図1(b)の例では側壁321に被圧延材フランジ
が接触するまで、第1フランジ生成孔型G2-1だけでエッ
ジング圧延を繰り返している。これは第1フランジ生成
孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2の間での交互エッ
ジング圧延を、側壁321,322に接触した状態で行
なう場合の方が側壁321,322に非接触の状態で行
なう場合よりも、エッジング圧延時の被圧延材の倒れを
防止できるためである。したがって、被圧延材の倒れを
防止する手段がある場合は、第1フランジ生成孔型G2-1
の側壁321に未充満の状態でも、第2フランジ生成孔
型G2-2との間で、交互エッジング圧延を行なっても差し
支えない。
生成孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2の両者間で1
パス毎に被圧延材の受け渡しを行なう様式を述べたが、
必要ならば被圧延材に対して一方のフランジ生成孔型で
複数パスのエッジング圧延を行なった後、他方のフラン
ジ生成孔型に受け渡す様式でも本発明の範疇である。ま
た、図1(b)の例では側壁321に被圧延材フランジ
が接触するまで、第1フランジ生成孔型G2-1だけでエッ
ジング圧延を繰り返している。これは第1フランジ生成
孔型G2-1と第2フランジ生成孔型G2-2の間での交互エッ
ジング圧延を、側壁321,322に接触した状態で行
なう場合の方が側壁321,322に非接触の状態で行
なう場合よりも、エッジング圧延時の被圧延材の倒れを
防止できるためである。したがって、被圧延材の倒れを
防止する手段がある場合は、第1フランジ生成孔型G2-1
の側壁321に未充満の状態でも、第2フランジ生成孔
型G2-2との間で、交互エッジング圧延を行なっても差し
支えない。
【0022】さらに、図1(b)の例では、溝付与孔型
G1仕上がり材をまず中央膨出部の大きい第1フランジ生
成孔型G2-1に送り込んでいるが、中央膨出部の小さい第
2フランジ生成孔型G2-2に先に送り込んでも差し支えな
い。
G1仕上がり材をまず中央膨出部の大きい第1フランジ生
成孔型G2-1に送り込んでいるが、中央膨出部の小さい第
2フランジ生成孔型G2-2に先に送り込んでも差し支えな
い。
【0023】
【実施例】上述の本発明手段に基づいて中間粗形鋼片の
圧延造形を実施した例について、以下説明する。表1に
は、本発明法と従来法による粗2重孔型圧延機1のロー
ル孔型の内、フランジ生成孔型および溝消去孔型の主要
寸法の比較を示す。寸法の記号は、図1(a)および図
6に示したものと一致させている(なお、本発明法によ
る溝付与孔型G1と成形孔型G4の形状は従来法のそれと全
く同じであるので省略した)。
圧延造形を実施した例について、以下説明する。表1に
は、本発明法と従来法による粗2重孔型圧延機1のロー
ル孔型の内、フランジ生成孔型および溝消去孔型の主要
寸法の比較を示す。寸法の記号は、図1(a)および図
6に示したものと一致させている(なお、本発明法によ
る溝付与孔型G1と成形孔型G4の形状は従来法のそれと全
く同じであるので省略した)。
【0024】
【表1】
【0025】本発明法に基づく実施例では、ロール胴長
の制約から溝消去孔型G3を省略したが、その代わりに第
2フランジ生成孔型G2-2の突起形状を従来の溝消去孔型
G3のそれに近いものとして、フランジ外側中央部の凹み
部に折れ込み疵が発生するのを防止しかつ所定のフラン
ジ幅を得るために、第1フランジ生成孔型G2-1と第2フ
ランジ生成孔型G2-2の孔底幅S2=520mmは従来法の溝
消去孔型G3のそれS3=520mmに一致させ、それらの中
央膨出部の高さは、h1=97mm、h2=39mmと約60mm
の差を持たせた。
の制約から溝消去孔型G3を省略したが、その代わりに第
2フランジ生成孔型G2-2の突起形状を従来の溝消去孔型
G3のそれに近いものとして、フランジ外側中央部の凹み
部に折れ込み疵が発生するのを防止しかつ所定のフラン
ジ幅を得るために、第1フランジ生成孔型G2-1と第2フ
ランジ生成孔型G2-2の孔底幅S2=520mmは従来法の溝
消去孔型G3のそれS3=520mmに一致させ、それらの中
央膨出部の高さは、h1=97mm、h2=39mmと約60mm
の差を持たせた。
【0026】従来、断面寸法W0×H0が1350mm×25
0mmの矩形断面素材から極厚H形鋼H400×400シ
リーズを図6の工程を経由して造形できる限界の製品フ
ランジ75mmであった。これに対して本発明では、従来
と同じ断面1350mm×250mmの矩形断面鋼片を素材
として、本発明法を適用した粗2重孔型圧延機1による
中間粗形鋼片61の造形に引き続いて、後続のユニバー
サル圧延機で製品まで圧延を行なった結果、極厚H形鋼
H400×400シリーズの造形限界製品フランジ厚を
従来の75mmから100mmに拡大することが可能となっ
た。
0mmの矩形断面素材から極厚H形鋼H400×400シ
リーズを図6の工程を経由して造形できる限界の製品フ
ランジ75mmであった。これに対して本発明では、従来
と同じ断面1350mm×250mmの矩形断面鋼片を素材
として、本発明法を適用した粗2重孔型圧延機1による
中間粗形鋼片61の造形に引き続いて、後続のユニバー
サル圧延機で製品まで圧延を行なった結果、極厚H形鋼
H400×400シリーズの造形限界製品フランジ厚を
従来の75mmから100mmに拡大することが可能となっ
た。
【0027】
【発明の効果】本発明により、矩形断面鋼片を素材とし
て同一エッジング圧延量に対して、フランジ生成効率を
高くすることができるため、同一断面寸法の素材から、
よりフランジ厚の厚い極厚H形鋼や大型H形鋼の造形を
可能にし、従来は鋼塊を素材として分塊圧延を経ていた
煩雑でコストの高い工程が省略されるとともに、連続鋳
造された鋳片を素材とすることにより品質向上を実現す
ることができた。
て同一エッジング圧延量に対して、フランジ生成効率を
高くすることができるため、同一断面寸法の素材から、
よりフランジ厚の厚い極厚H形鋼や大型H形鋼の造形を
可能にし、従来は鋼塊を素材として分塊圧延を経ていた
煩雑でコストの高い工程が省略されるとともに、連続鋳
造された鋳片を素材とすることにより品質向上を実現す
ることができた。
【図1】(a)は本発明の孔型ロール、(b)は該孔型
ロールによる圧延状況を示す説明図。
ロールによる圧延状況を示す説明図。
【図2】(a),(b)は本発明のフランジ生成孔型に
おけるフランジ生成機構の説明図。
おけるフランジ生成機構の説明図。
【図3】従来法のフランジ生成孔型におけるフランジ生
成機構の説明図。
成機構の説明図。
【図4】H形鋼、I形鋼などウェブとフランジを有する
形鋼の圧延設備を示す説明図。
形鋼の圧延設備を示す説明図。
【図5】粗2重孔型圧延機のロール孔型配置の一部を示
す説明図。
す説明図。
【図6】従来の粗2重孔型ロールでの矩形断面鋼片から
の粗形鋼片の製造法を示す説明図。
の粗形鋼片の製造法を示す説明図。
【図7】従来法におけるフランジ生成孔型G2でのフラン
ジ生成過程の詳細説明図。
ジ生成過程の詳細説明図。
【図8】ドッグボーン材の1/4断面形状を示す略図。
【図9】(a),(b)は従来法によるフランジ薄手製
品サイズとフランジ厚手製品サイズの製品断面比較説明
図。
品サイズとフランジ厚手製品サイズの製品断面比較説明
図。
1 粗2重孔型圧延機 2a 第1中間粗ユニバーサル圧延
機 2b 第1エッジング圧延機 3a 第2中間粗ユニバーサル圧延
機 3b 第2エッジング圧延機 4 仕上げユニバーサル圧延機 5 矩形断面鋼片 11,12 粗2重孔型圧延機の上下ロー
ル対 21a,22a,23a 従来孔型ロールの溝付与孔型
G1、フランジ生成孔型G2、溝消去孔型G3各々の中央膨出
部 21b 溝付与孔型G1における中央膨
出部の両側の溝部 31,32 溝付与孔型G1、フランジ生成
孔型G2の側壁部 42 フランジ生成孔型G2における
被圧延材のフランジ相当側面 51a,52a,53a 溝付与孔型G1、フランジ生成
孔型G2、溝消去孔型G3各々における被圧延材のV状溝 60 溝消去孔型G3で造形されたド
ッグボーン材 61 成形孔型G4仕上がりの中間粗
形鋼片 62 H形鋼
機 2b 第1エッジング圧延機 3a 第2中間粗ユニバーサル圧延
機 3b 第2エッジング圧延機 4 仕上げユニバーサル圧延機 5 矩形断面鋼片 11,12 粗2重孔型圧延機の上下ロー
ル対 21a,22a,23a 従来孔型ロールの溝付与孔型
G1、フランジ生成孔型G2、溝消去孔型G3各々の中央膨出
部 21b 溝付与孔型G1における中央膨
出部の両側の溝部 31,32 溝付与孔型G1、フランジ生成
孔型G2の側壁部 42 フランジ生成孔型G2における
被圧延材のフランジ相当側面 51a,52a,53a 溝付与孔型G1、フランジ生成
孔型G2、溝消去孔型G3各々における被圧延材のV状溝 60 溝消去孔型G3で造形されたド
ッグボーン材 61 成形孔型G4仕上がりの中間粗
形鋼片 62 H形鋼
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−57501(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/08
Claims (2)
- 【請求項1】 孔底の幅方向中央部に中央膨出部と、該
中央膨出部の両側に溝部を形成した溝付与孔型およびフ
ランジ生成孔型によって、矩形断面鋼片を幅方向にエッ
ジング圧延し、H形鋼フランジ相当部を割り込みつつ拡
幅してドッグボーン型断面形状の粗形鋼片を造形する方
法において、前記フランジ生成孔型をそれぞれの孔底幅
がほぼ等しくかつ中央膨出部の高さが異なる複数の孔型
に形成し、前記溝付与孔型により矩形断面鋼片の短辺部
へV状溝を付与した後、前記の複数のフランジ生成孔型
の間で交互にエッジング圧延することを特徴とするH形
鋼用粗形鋼片の粗圧延法。 - 【請求項2】 中央膨出部高さが大きい方のフランジ生
成孔型中央膨出部によりH形鋼フランジ相当部の幅方向
中央部領域を割り込み圧延し、中央膨出部高さが小さい
方のフランジ生成孔型溝部により前記H形鋼フランジ相
当部の前記幅方向中央部領域以外の領域を押圧圧延する
ことを特徴とする請求項1記載のH形鋼用粗形鋼片の粗
圧延法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6059404A JP3065877B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6059404A JP3065877B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07265901A JPH07265901A (ja) | 1995-10-17 |
JP3065877B2 true JP3065877B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=13112315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6059404A Expired - Fee Related JP3065877B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | H形鋼用粗形鋼片の粗圧延法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3065877B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6447285B2 (ja) * | 2015-03-19 | 2019-01-09 | 新日鐵住金株式会社 | H形鋼の製造方法 |
JP6447286B2 (ja) * | 2015-03-19 | 2019-01-09 | 新日鐵住金株式会社 | H形鋼の製造方法及びh形鋼製品 |
WO2017119196A1 (ja) * | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 新日鐵住金株式会社 | H形鋼の製造方法及び圧延装置 |
JP6614339B2 (ja) * | 2016-04-28 | 2019-12-04 | 日本製鉄株式会社 | H形鋼の製造方法 |
JP6434461B2 (ja) * | 2016-08-10 | 2018-12-05 | 新日鐵住金株式会社 | H形鋼の製造方法 |
-
1994
- 1994-03-29 JP JP6059404A patent/JP3065877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07265901A (ja) | 1995-10-17 |
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