JP3063480B2 - ディジタル色信号処理方法 - Google Patents

ディジタル色信号処理方法

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JP3063480B2
JP3063480B2 JP5232937A JP23293793A JP3063480B2 JP 3063480 B2 JP3063480 B2 JP 3063480B2 JP 5232937 A JP5232937 A JP 5232937A JP 23293793 A JP23293793 A JP 23293793A JP 3063480 B2 JP3063480 B2 JP 3063480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビデオテープレコーダ
(以下、VTRとする)やテレビ等の映像信号を扱う機
器で、主に色差信号を時分割多重して伝送するディジタ
ル色信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、映像信号に対してディジタル信号
処理技術を応用して高画質を図ったVTRが相次いで発
表されている。
【0003】これらの多くはライン間処理あるいはフィ
ールド間処理を施すことによってノイズ除去効果を高め
たものであり、また一部には記録再生処理をすべてディ
ジタル化して基本性能を高めたものもある。
【0004】上記した処理は、いずれも半導体プロセス
の進歩なくしては実現し得ないものであるが、コンパク
トなLSI設計を実行するためにはメモリの効率のよい
利用が必要不可欠であることは言うまでもない。
【0005】色信号は輝度信号に比べて帯域が狭いた
め、サンプリング周波数を落とした処理が可能となる。
【0006】従って、サンプリング定理を満たす限りに
おいて、数分の1に間引く処理が可能となり、間引く割
合に比例してメモリの使用容量も削減できるが、1ライ
ンのサンプリングデータ数の整数分の1となるように間
引かなければ垂直方向のサンプリング点がずれてしま
い、くし形フィルタに代表される垂直演算処理が正しく
行えないことになる。
【0007】このことを図4に示した簡単なタイミング
チャートで説明する。図4の(a)はサンプリングクロ
ック、図4の(b)は前述のクロックによりサンプリン
グされた信号を表している。
【0008】図4の(d)は図4の(a)のサンプリン
グクロックを2分の1に分周した図4の(c)に示した
信号が“H”レベルのときに図4の(b)のデータを選
択したデータ列を表している。
【0009】また、第nライン目に続き、第n+1ライ
ン目のデータをひき続き間引いたときのデータ列がその
次に示されている。
【0010】なお、説明を簡略化するため各ライン間の
データの記号は同じものとした。上記したように、9個
/ラインのデータをサンプリングクロックを2分の1分
周した信号をもとに間引くと、1次元的にはデータの連
続性は保たれるため、水平方向の演算は問題なく実行で
きる。
【0011】しかしながら、2次元的に見た場合には、
本来(nライン目のデータ,n+1ライン目のデータ)
の関係が(D0,D0),(D2,D2),・・・とな
るべきところが、データの位相が1クロックずれて(D
0,D8),(D0,D1),・・・となるため、垂直
方向の演算はこのままでは行えない。
【0012】したがって、このような方式で間引いたデ
ータを2次元処理する場合には、メモリの書き込み開始
のタイミングを映像信号の先頭で揃える必要がある。
【0013】この問題点に対し、従来は水平同期信号を
トリガとして映像信号を間引くタイミングをその始まり
でリセットし、垂直方向のサンプリング点が揃うような
操作を行っていた。
【0014】しかしながら、このような処理を採用する
と1ラインのサンプリングデータ数が異なる可能性があ
り、基準データ数からの過不足に応じてメモリのアドレ
ス制御が必要となる。
【0015】VTRの色信号をディジタル化して処理
し、上述の問題点を解決する1つの手段が、例えば特公
平4−38195号公報「ビデオ信号ディジタル処理方
法」に示されている。
【0016】以下に、従来のビデオ信号ディジタル処理
方法について簡単に説明する。本従来例においては、現
行テレビジョン放送方式であるNTSC,PAL両方式
の類似性を利用して、ほぼ同一の回路で信号処理を行う
方法を提供している。
【0017】すなわち、NTSC方式とPAL方式の色
信号のサブキャリア周波数をいずれも共通の周波数に変
換し、3分の1にデータを間引いて信号処理を行うもの
である。
【0018】これにより、例えばくし形フィルタのメモ
リ容量も3分の1となり、間引き処理に要する回路増を
十分補い得るものであるとしている。
【0019】また、3分の1に間引くための条件が、水
平同期信号周波数のN倍(Nは整数)をサンプリング周
波数とし、かつその整数Nを4で割ってN=4K+M
(Kは整数,Mは0,1,2,3のいずれかの数)と
し、同じく整数Nを3で割ってN=3L+Q(Lは整
数、Qは0,±1のいずれかの数)としたとき、P=M
+Qなる整数Pが偶数となるようなNを選択することで
ある。
【0020】このような周波数を選択することにより、
Nが3の倍数でなく、3分の1に間引いたことにより垂
直方向のサンプリング点がずれても、それは1クロック
となりのデータとなり、しかも位相があっているためく
し形フィルタとして構成できることを特徴としている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、サンプリング周波数が限定されているた
め、例えばNTSC方式において最も使用頻度の高い4
fsc(fscは色副搬送波周波数)のクロック周波数が使
えないこと、また、ベースバンド信号(2つの色差信
号)が扱えないことにより周辺回路との整合性が非常に
取りにくいという問題点を有していた。
【0022】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、使用頻度の高いサンプリング周波数が選択でき、か
つ色差信号の形態で色信号処理が行え、そのうえ間引き
処理によりデータに0.5の端数が生じてもメモリのア
ドレス制御を必要とせずにくし形フィルタ等の垂直方向
の処理が可能となり、かつメモリの使用容量をさらに削
減できるディジタル色信号処理方法を提供することを目
的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のディジタル色信号処理方法は、2つの色差信
号をサンプリングするクロック周波数を水平同期信号周
波数のn倍(nは正の整数)に設定し、n/m=k+
0.5(mは正の整数かつ2の倍数、kは正の整数)な
る関係を満たす整数値mで前記クロック周波数を分周し
た第1の分周信号の極性を前記整数値nの2倍の値で
記クロック周波数を分周した第2の分周信号で反転/非
反転を切り換えたフラグ信号を用いて、前記クロック周
波数でサンプリングされた前記2つの色差信号を間引い
て時分割多重したデータ列とする方法を提供するもので
ある。
【0024】
【作用】本発明は上記した方法により、水平同期信号周
波数のn倍でサンプリングされた2つの色差信号を、n
/m=k+0.5なる関係を満たす整数値mで分周した
第1の分周信号で間引いて時分割多重する。
【0025】このとき、n/mが整数値とならないため
単純に間引くと垂直方向のサンプリング点がずれるた
め、整数値2nで分周した第2の分周信号で1ライン毎
に第1の分周信号の極性を反転させる。
【0026】これにより、間引き処理のタイミングが変
化するため、0.5の端数が生じても垂直方向のサンプ
リング点が一致した信号形態での伝送が実現できるた
め、メモリに対して特別なアドレス制御を必要としな
い。
【0027】
【実施例】以下、本発明のディジタル色信号処理方法に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0028】色信号をディジタル化して処理する場合、
特にNTSC方式では4fsc(fscは色副搬送波周波
数:14.3MHz)のサンプリング周波数を採用して
いる。
【0029】これは、記録処理時に色信号と輝度信号を
分離するいわゆるY/C分離をディジタル処理で行うの
に適した周波数であるためで、再生処理時にも色差信号
の変調を考えるとこのサンプリング周波数を用いること
が一般的である。
【0030】そこで、サンプリング周波数nを4fsc=
910fH(fHは水平同期信号周波数)に設定し、n/
m=k+0.5を満たす整数値mとして4を選択する。
【0031】この設定においてデータを間引くと通常は
図1に示すようなタイミングとなる。
【0032】図1の(a)は4fscのサンプリングクロ
ックを表し、図1の(b),(c)は前述のクロックに
よりサンプリングされた2つの色差信号を表している。
【0033】図1の(e)は図1の(d)に示した信号
が“H”レベルのときに図1の(b),(c)のデータ
を選択し、時分割多重したデータ列を表している。
【0034】すなわち、これは(R0,B0),(R
2,B2),・・・,(R908,B908)の組合せ
で2分の1に間引いた455個の色差信号の時分割多重
データ列である。
【0035】また、図1の(g)は図1の(a)のサン
プリングクロックを4分の1に分周した図1の(f)に
示した信号が“H”レベルのときに図1の(e)のデー
タを選択し、時分割多重したデータ列を表している。
【0036】すなわち、これは(R0,B0),(R
4,B4),・・・,(R904,B904),R90
8の組合せで4分の1に間引いた227+0.5個の色
差信号の時分割多重データ列である。
【0037】つぎに、図1の(b)〜(g)の第nライ
ン目の処理に続く第n+1ライン目の処理では、図1の
(f)の信号で連続して間引いて行くと、B908,
(R2,B2),・・・,(R906,B906)の組
合せで4分の1に間引いた227+0.5個の色差信号
の時分割多重データ列となる。
【0038】なお、説明を簡略化するため各ライン間の
データの記号(R0,B0等)は同じものとした。
【0039】上記したように、910個/ラインのデー
タをサンプリングクロックを4分の1分周した信号をも
とに間引くと、1次元的にはデータの連続性は保たれる
ため、水平方向の演算は問題なく実行できる。
【0040】しかしながら、2次元的に見た場合には、
本来(nライン目のデータ,n+1ライン目のデータ)
の関係が(R0,B0),(R4,B4),・・・とな
るべきところが(R0,B908),(B0,R2),
・・・となるため、垂直方向の演算はこのままでは行え
ない。
【0041】また、データを1つずらしたとしても(R
0,R2),(B0,B2),・・・となって2サンプ
リング点離れたデータとの演算になるため、これも精度
面で問題となる。
【0042】すなわち、図4で示したことと同じ問題が
生じることになる。図2は上記した問題点を解決した本
発明のディジタル色信号処理方法の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【0043】図2の(a),(b),(c)は図1の
(a),(e),(f)と同じものである。
【0044】図1で示した方法では910個のデータを
4分の1分周した信号で間引き続けるために各ラインの
始まりで極性が反転し、垂直方向にデータが揃わなくな
っていた。
【0045】したがって、図2の(d)に示したライン
毎に反転する1820分の1分周した信号で、図2の
(c)に示す4分の1分周の信号の極性を反転すれば、
各ラインの先頭でデータが揃うことになる。
【0046】例えば、図2の(d)の極性が“H”レベ
ルのときに反転させれば第nライン目と第n+1ライン
目のデータの先頭データはともに(R0,B0)とな
る。
【0047】しかも、図4のデータ列に本方式を適用す
れば分周信号の極性を反転した境目でデータ周波数が2
倍となってしまう問題も、時分割多重しているために多
重の連続性は狂うもののデータ周波数としては一定で何
ら問題は生じない。
【0048】図3は本発明のディジタル色信号処理方法
を用いて実現した色信号処理装置であり、サンプリング
クロックを4fsc、間引き処理を4分の1としている。
【0049】入力端子1aに与えられた低域変換色信号
は入力端子1cに与えられたキャリア信号をもとに復調
回路101で2つの色差信号に復調される。
【0050】復調された2つの色差信号はローパスフィ
ルタ102,103で帯域制限されたのち、間引き回路
104で4分の1に間引かれ多重化される。
【0051】多重化された2つの色差信号はくし形フィ
ルタ105や位相方向および振幅方向の制御を行う再生
処理回路106で処理され、補間回路107で4倍の周
波数に補間される。
【0052】そして、ローパスフィルタ108,109
で帯域制限されたのち、変調回路110で変調されて出
力端子1dに再生色信号を得る。
【0053】ここで、上記した間引き回路104と補間
回路107はフラグ信号発生回路111で発生させたフ
ラグ信号により制御されている。
【0054】フラグ信号発生回路111では入力端子1
bに与えられた水平同期信号を分周して図2の(d)に
相当する信号を作り、その極性に応じてサンプリングク
ロックを4分の1分周した信号の反転/非反転を切り換
えて、フラグ信号として出力している。
【0055】この信号をもとに間引き回路104では図
2で示したデータの間引きを行うため、次段のくし形フ
ィルタ105のメモリ段数は1ライン分455段とな
る。
【0056】すなわち、1つの色差信号に対して227
+0.5段のメモリが必要であるから2つの信号を多重
することにより455段の整数となり、アドレス制御等
の必要がなくなる。
【0057】また、補間回路107では周波数を4倍に
引き上げ、信号を2つに分けて出力するためにフラグ信
号が必要となり、この信号はくし形フィルタ105およ
び再生処理回路106の処理遅延を考慮したものとなっ
ている。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は2つの色差信号を
サンプリングするクロック周波数を水平同期信号周波数
のn倍(nは整数)に設定し、n/m=k+0.5(m
は正の整数かつ2の倍数、kは正の整数)なる関係を満
たす整数値mで分周した分周信号の極性を整数値nの2
倍の値で分周した分周信号で反転/非反転を切り換えた
フラグ信号を用いて、サンプリングされた2つの色差信
号を間引いて時分割多重し、伝送することにより間引い
たデータ数が0.5の端数を有してもデータ周端数が一
定でかつ垂直方向のサンプリング点が揃うためくし形フ
ィルタ等のメモリは単なるシフトレジスタ的なものでよ
く、複雑なアドレス制御を行う必要がない。
【0059】また、整数分の1からさらに2分の1間引
けるためメモリの使用容量もさらに2分の1に削減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル色信号処理方法の動作原理
を説明するためのタイミングチャート
【図2】本発明のディジタル色信号処理方法の動作原理
を説明するためのタイミングチャート
【図3】本発明のディジタル色信号処理方法を適用した
回路の一実施例におけるブロック図
【図4】従来のディジタル色信号処理方法の動作原理を
説明するためのタイミングチャート
【符号の説明】
101 復調回路 102,103,108,109 ローパスフィルタ 104 間引き回路 105 くし形フィルタ 106 再生処理回路 107 補間回路 110 変調回路 111 フラグ信号発生回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの色差信号をサンプリングするクロ
    ック周波数を水平同期信号周波数のn倍(nは正の整
    数)に設定し、n/m=k+0.5(mは正の整数かつ2
    の倍数,kは正の整数)なる関係を満たす整数値mで
    記クロック周波数を分周した第1の分周信号の極性を前
    記整数値nの2倍の値で前記クロック周波数を分周した
    第2の分周信号で反転/非反転を切り換えたフラグ信号
    を用いて、前記クロック周波数でサンプリングされた前
    記2つの色差信号を間引いて時分割多重したデータ列と
    することを特徴としたディジタル色信号処理方法。
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