JP3056573B2 - 移動体通信装置 - Google Patents

移動体通信装置

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JP3056573B2
JP3056573B2 JP35263891A JP35263891A JP3056573B2 JP 3056573 B2 JP3056573 B2 JP 3056573B2 JP 35263891 A JP35263891 A JP 35263891A JP 35263891 A JP35263891 A JP 35263891A JP 3056573 B2 JP3056573 B2 JP 3056573B2
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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移動体通信装置、特に、
自動車など相互に移動する移動体間において、相互の現
在および将来の位置を確認する通信を行うための移動体
通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体の位置を確認するための手段とし
て、古くからレーダーが用いられてきている。しかし、
レーダーは直接見通せる位置に存在する移動体の認識し
か行うことができないため、障害物のない空における航
空機の認識には適しているが、地上における車両の位置
確認には不適当である。そこで、地上における車両の位
置確認を行うために、光を用いる方法が提案されてい
る。たとえば、特開昭63−286914号公報には、
光学的な振動スペクトルの放射により、無人自動車の衝
突を防止する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】自動車などの移動体で
は、見通しの悪い交差点などにおいて、他の移動体の位
置および移動方向を確実に認識することが重要である。
しかしながら、従来提案されている方法は、このような
環境において必ずしも確実な認識を行うことができな
い。光を利用する方法では、交差点付近の建物などで遮
蔽された場合には、十分な通信を行うことができない
し、電波を利用する場合でも、ラジオ、テレビ、無線電
話、などの雑音混入により、高精度な通信が妨げられる
おそれがある。
【0004】そこで本発明は、建物などの遮蔽物の影響
を受けることなく、しかも、雑音の影響を除去した高精
度な通信を行うことのできる移動体通信装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 本願第1の発明
は、相互に移動する移動体間において通信を行うための
送信装置において、自分自身の移動方向を検出する方向
検出手段と、所定の信号を、検出された移動方向に対応
して用意された疑似雑音符号に基づいて拡散変調する変
調手段と、変調した信号を他の移動体に対して送信する
送信手段と、を設けるようにしたものである。
【0006】(2) 本願第2の発明は、相互に移動する
移動体間において通信を行うための受信装置であって、
他の移動体から送信されてくる信号を受信する受信手段
と、受信した信号に対して逆拡散復調を行い、変調に用
いられた疑似雑音符号を検出する復調手段と、検出され
た疑似雑音符号に基づいて、他の移動体の移動方向を判
定する判定手段と、を設けるようにしたものである。
【0007】(3) 本願第3の発明は、上述の第2の発
明に係る受信装置において、受信手段を、それぞれ指向
性の異なった複数の受信系統によって構成し、これら複
数の受信系統における受信信号強度に基づいて、発信源
となっている他の移動体の存在方向を検出する機能を判
定手段に付加したものである。(4) 本願第4の発明は、上述の第3の発明に係る受信
装置において、 自分自身の移動方向を検出する方向検出
手段を更に設け、 他の移動体の存在方向および移動方向
ならびに自分自身の移動方向を利用して、自分自身と前
記他の移動体との将来の位置関係を予測する機能を判定
手段に付加したものである。
【0008】
【作 用】本願発明では、各移動体は自分自身の移動方
向を検出し、この移動方向に対応した疑似雑音符号を用
いて所定の信号を変調し、これを他の移動体に送信す
る。このような疑似雑音符号を用いた変調を行うと、変
調信号の周波数帯域は拡散されるため、ラジオ、テレビ
など特定の周波数帯の雑音信号の影響を受けにくくな
る。一方、各移動体は他の移動体から送信されてくる信
号を受信し、この受信した信号に対して逆拡散復調を行
い、変調に用いられた疑似雑音符号を検出する。通信を
行う移動体間において、どの疑似雑音符号はどの移動方
向を意味するかを取り決めておけば、検出した疑似雑音
符号により相手の移動方向を認識することができる。ま
た、それぞれ指向性の異なった複数の受信系統によって
受信し、これら複数の受信系統における受信信号強度を
検出すれば、相手の存在方向の検出が可能になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例に係る移動体通信装
置の基本構成を示すブロック図である。この装置は、方
向検出部1、変調部2、送信部3によって構成される送
信装置と、受信部4、切替部5、復調部6によって構成
される受信装置と、判定部7および表示部8によって構
成される処理装置と、に大別される。このような構成を
もった移動体通信装置は、複数の移動体、たとえば車両
のそれぞれに搭載されることになる。
【0010】送信装置の動作は次のとおりである。ま
ず、方向検出部1により自車の進行方向が検出される。
自車の進行方向の検出には、地磁気を用いた方法、ジャ
イロを用いた方法、など公知の一般的な方法を採ればよ
い。検出された方向は、変調部2に与えられ、ここで変
調信号が生成される。この装置の特徴は、検出された方
向を示す情報それ自身が送信データとなるのではなく、
検出された方向を示す情報に対応して用意された疑似雑
音符号を用い、任意のデータを送信データとして変調を
行う点にある。
【0011】そこで、まず、一般的な疑似雑音符号を用
いた変調方法について簡単に説明する。この疑似雑音符
号を用いた変調を行うと、周波数帯域が拡散し、変調信
号はもとのデータ信号に比べて非常にブロードなスペク
トル特性を示すようになる。このような点から、この変
調方法は拡散変調と呼ばれている。いま、たとえば、図
2(a) に示すような送信データについて拡散変調を行う
場合を考える。すなわち、「10」なる二進データにつ
いての拡散変調信号が生成されることになる。この変調
方法を行うためには、予め、送信データよりも周波数の
高い疑似雑音系列を定義しておく必要がある。たとえ
ば、図2(b) に「雑音系列A」と示すような疑似雑音系
列を定義しておいた場合を考える。この場合、図2(a)
に示す送信データ「10」についての拡散変調信号は、
図2(b) に示すような信号となる。すなわち、送信デー
タが論理「1」の期間は、雑音系列Aをそのまま出力
し、送信データが論理「0」の期間は、雑音系列Aの論
理反転をとった反転系列A−1を出力することにより生
成される信号が拡散変調信号となる。変調部2で生成さ
れた拡散変調信号は、更に搬送波にのせられて送信部3
から送信される。送信部3は、無指向性の単一のアンテ
ナによって構成されており、この車両を中心とした周囲
の全方向に拡散変調信号を送信する。
【0012】この装置の特徴は、方向検出部1で検出さ
れた自車の進行方向を示す情報を、送信データとして送
出するのではなく、疑似雑音系列の選択に用いる点にあ
る。別言すれば、この装置では、図2(a) に示す送信デ
ータは、常に一定のデータ(たとえば、「010101
0101……」)でよく、この送信データ自身は情報と
しての意味をもたなくてよい。その代わりに、各進行方
向に対応した複数の疑似雑音系列を用意しておき、その
中から現在の自車の進行方向に対応したものを選択し、
これを拡散変調に用いるのである。これを具体例で説明
しよう。たとえば、自車の進行方向を次の8方向で表す
ことにし、各方向について、 北 … 雑音系列A 反転系列A−1 北東 … 雑音系列B 反転系列B−1 東 … 雑音系列C 反転系列C−1 東南 … 雑音系列D 反転系列D−1 南 … 雑音系列E 反転系列E−1 南西 … 雑音系列F 反転系列F−1 西 … 雑音系列G 反転系列G−1 西北 … 雑音系列H 反転系列H−1 なる雑音系列およびその反転系列を用意したとしよう。
このとき、たとえば自車の現在の進行方向が、方向検出
部1において「南西」であると検出された場合には、変
調部2は、所定の送信データを、雑音系列F(およびそ
の反転系列F−1)を用いて拡散変調することになる。
なお、用意する複数の雑音系列は、混信を避ける意味
で、自己相関特性に鋭いピークを有するm系列符号の中
から、相互相関の低い8つの符号を選択するようにする
とよい。こうすれば、同じ雑音系列を用いて拡散変調さ
れた信号に対しても、位相差を利用した識別が可能にな
る。なお、送信電力は、移動体の速度によって可変にす
ることも考えられるが、不必要な干渉、混信を避けるた
め、通信可能距離が100m程度になるように調整する
のがよい。
【0013】一方、受信装置の動作は次のとおりであ
る。まず、他の車両から送信された拡散変調信号は、受
信部4において受信される。この実施例では、受信部4
はそれぞれ指向性(たとえば、カージオイド型の指向特
性)をもった4つの受信用アンテナ41〜44によって
構成されている。図3は、自車位置をOとしたときの、
この各受信用アンテナの走行路面における受信感度を示
す。4つの受信用アンテナ41〜44は、それぞれ受信
方向が90°ずつ異なるように配置されている。図4
は、この4つの受信用アンテナ41〜44の受信感度を
受信方向を考慮して重ねて示したものである。この例で
は、受信用アンテナ41〜44は、それぞれ車両の前
方、後方、左方、右方、に向けられている。
【0014】前述のように、図1に示す装置は、各車両
ごとに搭載されるものである。そこで、この装置では、
図5に示すようなタイミングで、送信期間と受信期間と
を交互に時分割して行うようにしてある。しかも、受信
期間は4つの受信用アンテナ41〜44の受信信号を、
図5の受信タイミングのチャートに示すように、更に前
後左右の4期間に時分割して処理している。すなわち、
切替部5において、受信用アンテナ41〜44からの受
信信号をそれぞれ時分割して切替え、復調部6に与えて
いる。なお、切替え周期は、受信信号の同期捕捉に必要
な時間より長く設定する。また、送信装置との干渉を排
除するためには、受信した信号から自車の送信した信号
を差し引く合成回路を設けるとよい。また、送信部3の
アンテナを、受信部4の4つのアンテナの中心位置に設
置することにより、空間的な干渉を抑制することができ
る。
【0015】復調部6では、受信信号に対して逆拡散復
調が行われ、変調に用いられた疑似雑音符号が検出され
る。すなわち、受信信号から、その信号がどの雑音系列
を用いて変調されたものであるかが検出される。具体的
には、用意した8つの雑音系列のうちの1つに注目し
て、受信信号に同期捕捉を試みる。同期捕捉完了後は、
4つのアンテナが順次切り替わり、すべてのアンテナか
らの信号を受信するまで同期追跡を行うことになる。一
定期間内に同期捕捉が成功しない場合には、別な雑音系
列を選択して(必要に応じて位相を変え)、同様の処理
を繰り返せばよい。この逆拡散復調によって、もとの送
信データが復元されることになるが、この装置では、こ
の復元された送信データ自身は意味をもたない。重要な
のは、どの雑音系列を用いて変調された信号であるかと
いう情報である。
【0016】処理装置を構成する判定部7および表示部
8は、この復調された信号に基づいて、種々の判定を行
い、これを表示する機能を有する。たとえば、復調部6
において、現在受信した信号が、雑音系列Fを用いて変
調された信号であることが判明すれば、この信号の発信
源は、南西に進行中であるという情報の認識が可能にな
る。また、この装置では、その信号の発信源の存在位置
の認識も可能である。たとえば、図4に示す感度配置が
なされていれば、「前方に向けたアンテナ41と右方に
向けたアンテナ44とにおいて受信された信号強度が等
しく、後方に向けたアンテナ42と左方に向けたアンテ
ナ43とでは信号が受信されなかった」という結果が得
られた場合には、発信源は斜め右前方に存在すると判定
することができる。また、判定部7には、方向検出部1
から自車の進行方向に関する情報が与えられており、こ
の他に、自車の速度に関する情報を図示しない速度計測
系から与えるようにすれば、将来の自車位置と他車位置
とを予測することができ、他車に対して遠ざかってい
る、他車に接近中、あるいは衝突の可能性あり、などの
判定をくだすことも可能である。
【0017】このように、この装置の特徴は、送信部3
から電波として自車の進行方向を示す情報を周囲に送信
するので、光を用いる方法のように遮蔽物の影響を受け
ないで通信が可能になり、また、送信信号の変調方法と
して、疑似雑音符号を用いた拡散変調法をとるようにし
たため、スペクトルの範囲が広がり、ラジオ、テレビ、
無線電話、など特定周波数のノイズ成分の影響を受けに
くくなる点にある。
【0018】なお、上述の実施例では、送信データ自身
には何ら情報をもたせていなかったが、たとえば、自車
の車速データ、ブレーキ操作状況などの意味のある情報
を送信データとして用いれば、より多くの情報を他車に
送信することが可能である。また、送信データを、普通
車両を示すデータパターンと、救急車などの緊急車両を
示すデータパターンとに分けるようにすれば、送信源と
なっている相手車両が、普通車両なのか緊急車両なのか
を判断することも可能になる。
【0019】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る移動体通信装
置によれば、疑似雑音符号を用いた拡散変調法により、
自車の進行方向を伝達するようにしたため、建物などの
遮蔽物の影響を受けることなく、しかも、雑音の影響を
除去した高精度な通信を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動体通信装置の基本構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示す装置で用いる拡散変調法を説明する
図である。
【図3】図1に示す装置における受信部4を構成する1
つのアンテナの指向性を示す図である。
【図4】図1に示す装置における受信部4を構成する4
つのアンテナの指向性を示す図である。
【図5】図1に示す装置における時分割処理のタイミン
グを示す図である。
【符号の説明】
1…方向検出部 2…変調部 3…送信部(送信用アンテナ) 4…受信部 41〜44…受信用アンテナ 5…切替部 6…復調部 7…判定部 8…表示部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/24 - 7/26 102 H04Q 7/00 - 7/38 G08G 1/00 - 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に移動する移動体間において通信を
    行うための装置であって、 自分自身の移動方向を検出する方向検出手段と、 所定の信号を、検出された移動方向に対応して用意され
    た疑似雑音符号に基づいて拡散変調する変調手段と、 変調した信号を他の移動体に対して送信する送信手段
    と、 を備えることを特徴とする移動体通信装置。
  2. 【請求項2】 相互に移動する移動体間において通信を
    行うための装置であって、 他の移動体から送信されてくる信号を受信する受信手段
    と、 受信した信号に対して逆拡散復調を行い、変調に用いら
    れた疑似雑音符号を検出する復調手段と、 検出された疑似雑音符号に基づいて、他の移動体の移動
    方向を判定する判定手段と、 を備えることを特徴とする移動体通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置において、 受信手段を、それぞれ指向性の異なった複数の受信系統
    によって構成し、 これら複数の受信系統における受信信号強度に基づい
    て、発信源となっている他の移動体の存在方向を検出す
    る機能を判定手段に付加したことを特徴とする移動体通
    信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の装置において、 自分自身の移動方向を検出する方向検出手段を更に設
    け、 他の移動体の存在方向および移動方向ならびに自分自身
    の移動方向を利用して、自分自身と前記他の移動体との
    将来の位置関係を予測する機能を判定手段に付加したこ
    とを特徴とする移動体通信装置。
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