JP2896101B2 - ワークの分割供給方法 - Google Patents

ワークの分割供給方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば包装機に被包装
物を順次供給する様な場合に適用されるワークの分割供
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包装装置においては、図5に示す
如く、複数のワーク(被包装物)50を分割供給コンベア
51で間隙なく移送し、更に、ワーク50を単数又は所定の
個数に分割した後に、該ワーク50を、所定間隔を有して
循環回転するアタッチメント55を有する移送コンベア57
で移送し、下流に配置されたフォマー53を介して包装材
54で包装するようにしている。
【0003】該包装装置においては、複数のワーク50の
内、所定個数のものを如何に移送コンベア57に供給する
かが重要な課題となる。即ち、ワーク50を分割供給コン
ベア51から移送コンベア57のアタッチメント55間にタイ
ミング良く供給する必要がある。このため、従来では、
アタッチメント55の移送速度に比例すべくサーボモータ
58で分割供給コンベア51を駆動すると共に、ワーク検知
センサ60により分割供給コンベア51の下流端部に達した
先頭のワーク50の先端部を検出することにより、分割供
給コンベア51を間欠的に作動させ、ワーク50の移送コン
ベア57への投入タイミングを補正するようにしたものが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手段では、分割供給コンベア51を一旦停止させるた
め、分割供給コンベア51の上流側の多数の押せ押せ状態
となっているワーク50同士が、互いに周期的に衝突しあ
う脈動が生じることとなる。この脈動現象は、ワーク50
を高速で移送する程顕著となり、ワーク50の移送ずれが
発生してその移送コンベア57への供給タイミングに誤差
が生じたり、また、ワーク2が上流コンベアから脱落す
るおそれがあり、この結果、ワーク50の高速移送が困難
となり包装能力の向上が図れない要因となっていた。
【0005】そこで、分割供給コンベア51を間欠的に作
動させるのではなく、サーボモータ58をマイコン制御し
て、増減速させることも考えられるが、この場合には、
サーボモータ58をマイコン制御するため、装置が複雑と
なり高価になる欠点がある。
【0006】本発明は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、分割供給コンベアの間欠送りを防止
してワークを脈動することなくスムースに分割して移送
コンベアに供給でき、しかも、簡単な構造で安価なワー
クの分割供給方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が上記課題を解決
するために講じた技術的手段は、複数のワーク2を分割
供給コンベア3から移送コンベア7に受領すべく、前記
移送コンベア7とは独立して駆動するサーボモータ5が
分割供給コンベア3に接続され、前記移送コンベア7の
回転速度に比例した信号により前記サーボモータ5を制
御装置19で制御するワークの分割供給方法において、前
記分割供給コンベア3の下流端部に到達したワーク2の
先端部をワーク検知用センサ17が検出した際に、制御
装置19はサーボモータ5への信号の送信を停止し、サー
ボモータ5は溜まりパルスの放出により分割供給コンベ
ア3を減速させ、分割供給コンベア3が停止する以前
に、前記分割供給コンベア3から移送コンベア7へワー
ク2を供給するタイミング基準となる原点信号が、前記
移送コンベア7の回転軸14に設けられた被検知手段の
回転を検出する原点信号発信センサ15から制御装置19に
送信されると、制御装置19は再びサーボモータ5に駆動
用のパルス信号を送り、分割供給コンベア3を所定の速
度まで増速させることにある。
【0008】
【作用】本発明のワークの分割供給方法において、移送
コンベア7の移送速度に応じて制御装置19はサーボモー
タ5を制御するため、分割供給コンベア3は所定の速度
でワーク2を移送する。分割供給コンベア3の下流端部
に到達したワーク2の先端部をワーク検知用センサ17が
検出すると、制御装置19はサーボモータ5への信号の送
信を停止する。
【0009】このとき、サーボモータ5は溜まりパルス
により分割供給コンベア3を減速させ、停止時間が遅延
する。更に、サーボモータ5の減速時で分割供給コンベ
ア3が停止する以前に、原点信号が制御装置19に送信さ
れると、制御装置19は再びサーボモータ5に駆動用のパ
ルス信号を送り、分割供給コンベア3を所定の速度まで
増速させる。
【0010】従って、ワーク2は増速されて供給タイミ
ングの補正された分割供給コンベア3から移送コンベア
7に確実に供給されるのである。しかも、分割供給コン
ベア3を停止させないので、ワーク2の受領がスムース
に行われ、分割供給コンベア3等の上流側でのワーク2
の脈動が防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面に従っ
て説明する。図1中、1はワーク2の製造又は加工装置
(図示省略)等に接続される上流コンベアである。1aは
該上流コンベア1の下流側で且つ上方に設けられた押圧
ベルト装置で、該押圧ベルト装置1aと上流コンベア1と
の間隔は、供給されるワーク2を両者で挟む距離に調整
されていると共に、歯車機構4又はチェーン機構により
同期して作動するように連動連結されている。尚、これ
ら上流コンベア1及び押圧ベルト装置1aにより分割供給
コンベア3が構成されている。
【0012】5は前記上流コンベア1及び押圧ベルト装
置1aを駆動させるためのサーボモータで、減速機6を介
して上流コンベア1と接続されているが、後述する制御
装置19からのパルス信号によってその回転速度並びに回
転角度が高精度に制御されるものである。
【0013】7は上流コンベア1の下流側に配置された
移送コンベアで、上流コンベア1の下流端に隣接するベ
ルトコンベア7aと、該ベルトコンベア7aの途中位置から
その下流方向に配置された包装機9のフォーマ10に渡っ
て設けられた載置区分付コンベア8とからなる。該載置
区分付コンベア8は循環駆動自在なチェーン11に複数の
ワーク押圧用のアタッチメント12を所定のピッチL1で
取付けたものである。尚、該載置区分付コンベア8と
記ベルトコンベア7aとは連動連結され、包装機9の駆動
源で駆動されて分割供給コンベア3とは別駆動されてお
り、載置区分付コンベア8と前記ベルトコンベア7aのそ
れぞれの移送速度は同一に設定されている。
【0014】13は包装機9の一包装作業、即ち、アタッ
チメント12の1ピッチで一回転する回転軸14に設けられ
た信号発生手段としてのエンコーダで、回転軸14の一回
転毎に所望数のパルス信号を発生させて後述する制御装
置19に送信するものである。15は回転軸14に設けられた
被検知手段としてのカム16の回転を検出して回転軸14の
一回転毎にタイミング基準となる原点信号(一回転信
号)を制御装置19に送信する原点信号発信用センサを示
す。尚、前記カム16の角度位相は任意に調整自在であ
り、また、カム16の被検知部に幅を持たせることによ
り、一回転信号を制御装置19に所定の時間送信するよう
になっている。
【0015】17は分割供給コンベア3の押圧ベルト装置
1aの下流側出口の近傍の上方位置に上下方向に位置決め
調整自在に設けられた光電センサ等からなるワーク検知
用センサで、ワーク2の先端部2aを検知した際にその検
知信号を制御装置19に送信すべく構成されている。
【0016】次に、制御装置19について説明すると、制
御装置19はエンコーダ13から送信されるパルス信号に基
づいてサーボモータ5を駆動させるための駆動用パルス
を作ってこれをサーボモータ5に送信する機能を具備し
ている。ここに、分割供給コンベア3の駆動速度は包装
機9の包装作業速度に比例して設定されるようになって
いる。
【0017】また、制御装置19は、ワーク検知用センサ
17からの信号を受信したときに、サーボモータ5へのパ
ルス信号の送信を停止し、更に、原点信号発信用センサ
15からの信号受信によって、再びサーボモータ5へ所定
のパルス信号を送信し、再びサーボモータ5を所定速度
に駆動するようになっている。また、制御装置19には、
上記原点信号発信用センサ15の一回転信号が所定の時間
入力されるのであるが、ワーク検知用センサ17によるワ
ーク2の信号が、原点信号発信用センサ15の一回転信号
よりも遅れ、且つ、この所定の時間内にワーク2の信号
が制御装置19に入力された場合には、制御装置19はサー
ボモータ5にパルス信号を送り続けるようになってい
る。尚、この制御はマイコンを使用しないロジック回路
を使用した制御を行う。
【0018】次に、上記装置における制御の方法につい
て、図3及び図4のタイミンイグチャートを参照しなが
ら詳述する。例えば、前記ワーク2の移送方向Aの標準
長さLが100mm、アタッチメント12のピッチL1が2
00mmとそれぞれ設定されており、包装機9がワーク2
を60パック/分(1パック/秒)で包装処理する場合
には、移送コンベア7を200mm/秒の速度で駆動する
こととなる。
【0019】しかも、上流コンベア1の駆動速度を、1
00+αmm/秒(α>0)に設定する。駆動速度を10
0+αmm/秒に設定した理由を以下に説明する。仮にワ
ーク2の長さに全く誤差がなく、しかも、移送コンベア
7と、分割供給コンベア3との間にタイミングのずれが
全くないとすれば、上流コンベア1の駆動速度を100
mm/秒にすれば、全てのワーク2を上流コンベア1から
移送コンベア7に確実に供給できるのであるが、現実的
にはワーク2の長さに微小な誤差があったり、また、移
送コンベア7と上流コンベア1との間にタイミングのず
れが生じる。
【0020】従って、個々のワーク2毎にそのタイミン
グのずれを補正する必要があり、上流コンベア1に移送
されたワーク2を、移送コンベア7のベルトコンベア7a
の受け取りタイミングよりも速く上流コンベア1の下流
端部に到着するようにし、上流コンベア1及び押圧ベル
ト装置1aを減速させ、停止する以前に増速することより
そのタイミングの補正を行うようになっている。
【0021】以上の条件の下に、多数のワーク2が上流
コンベア1に供給されると、各ワーク2は該上流コンベ
ア1にて互いの前後端面が当接する押せ押せ状態で移送
される。ワーク2は押圧ベルト装置1aにその上面が押圧
され上流コンベア1及び押圧ベルト装置1aにより、スリ
ップしてずれることなく移送され、押圧ベルト装置1aの
下流端部に達したワーク2の先端2aを、ワーク検知用セ
ンサ17が検知する。
【0022】該ワーク検知用センサ17の信号が制御装置
19に送信されると、制御装置19はサーボモータ5へのパ
ルス信号の送信を停止する。ここで、サーボモータ5に
は立ち上がりにおける回転の遅れ等に起因する溜まりパ
ルスが発生しており、該溜まりパルスはサーボモータ5
の減速時における停止遅れによって放出され、この結
果、上流コンベア1及び押圧ベルト装置1aの移送速度が
減速する(図3における部分)。
【0023】一方、包装機9は所定の作業速度で稼働し
ており、このため、移送コンベア7も一定の速度で作動
し、サーボモータ5の減速時に、原点信号発信用センサ
15が回転するカム16の被検知部を検出し、その一回転信
号が前記制御装置19に送信される。制御装置19は該一回
転信号により再びサーボモータ5に所定パルス信号を送
信するため、サーボモータ5は、ワーク2を挟持した状
態の上流コンベア1及び押圧ベルト装置1aを所定の速度
まで増速させ(図3における部分)、上流コンベア1
と移送コンベア7とのタイミングが修正され、ワーク2
は増速された分割供給コンベア3から移送コンベア7に
供給される。
【0024】この供給タイミングの修正は上記の如く上
流コンベア1及び押圧ベルト装置1aを停止させることな
く、一旦減速させた後に再び増速させるため、ワーク2
の供給がスムースに行え、上流側に位置するワーク2の
脈動を防止することができる。
【0025】更に、ベルトコンベア7aに移送されたワー
ク2は、該移送コンベア7と同速度で回転する分割供給
コンベア3のアタッチメント12の間に供給される。ベル
トコンベア7aから離間したワーク2は、該アタッチメン
ト12で押圧され、フォーマ10内に所定間隔をおいて供給
され、包装フィルム23によりピロー包装される。
【0026】上記の場合には、ワーク検知用センサ17に
よるワーク2の検知信号が、移送コンベア7の一回転信
号よりも速く制御装置19に送信された場合について説明
したが、仮にワーク2が許容長さよりも長かったり、上
流側でのワーク2の移送誤差により、ワーク検知用セン
サ17によるワーク2の信号が、原点信号発信用センサ15
の一回転信号よりも遅れる場合が考えられる。
【0027】この場合には、両信号の入力タイミングの
比較のみでは、図4にで示す如く、制御装置19は次の
一回転信号が入力されるまで、サーボモータ5にパルス
信号を送信することはなく、このため、アタッチメント
12の1ピッチ分が空となるおそれがある。しかし、本実
施例の装置は、一回転信号の受信時間に幅T1を持たせ
ていることから、制御装置19が該信号の受信後に、ワー
クの検知信号を受信しても、一回転信号の受信中であれ
ば、制御装置19はサーボモータ5へのパルス信号を送り
続けてサーボモータ5を作動させるようになっている。
従って、ワーク2を途切れることなくアタッチメント12
間に確実に供給することが可能となるのである。また、
原点信号発信用センサ15が、移送コンベア7の回転軸14
に設けられたカム16の一回転信号を検知する構成である
ため、その構造が簡単で且つ確実な検知が行える利点が
ある。
【0028】尚、本実施例は上記の如くサーボモータ5
へのパルス信号を停止し、該サーボモータ5が停止する
以前に、一回転信号により再びサーボモータ5を駆動す
るようにしたものである。従って、図3にで示す如
く、原点信号発信用センサ15の一回転信号の発生が遅い
とサーボモータ5の回転が停止するため、上流コンベア
1及び押圧ベルト装置1aも停止するおそれがある。
【0029】しかしながら、上流コンベア1及び押圧ベ
ルト装置1aが停止した後に、一回転信号が制御装置19に
入力される場合とは、包装機9が低速運転され、これに
伴って分割供給コンベア3及び移送コンベア7もそれぞ
れ低速回転している場合である。従って、上流側でのワ
ーク2の脈動は無視できる程度であり、ワーク2の供給
に何ら支障となることはない。
【0030】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、例えば前記信号発生手段は、エンコーダ13に限定
されるものではなく、タコジェネレータであっても良
く、この場合には電圧が信号となる。
【0031】また、上記実施例では、カム16の被検知部
に幅を持たせることにより、一回転信号を制御装置19に
所定の時間送信するようにしたが、タイマーを設けて原
点信号発信用センサ15からの信号を所定時間制御装置19
に送信するようにしてもよい。更に、原点信号はカム16
の回転を検出して回転軸14の一回転毎にタイミング基準
をとっていたが、原点信号は移送コンベア7と同期する
包装機9側のマイコン出力からとるようにしても良く、
サーボモータ5も直流又は交流のものが採用できること
は無論であり、その他、各構成部材も上記実施例に限定
されるものではない。
【0032】
【発明の効果】本発明は、分割供給コンベアの下流端部
到達したワークの先端部をワーク検知用センサが検出
した際に、制御装置はサーボモータへの信号の送信を停
止し、サーボモータは溜まりパルスの放出により分割供
給コンベアを減速させ、分割供給コンベアが停止する以
前に、前記分割供給コンベアから移送コンベアへワーク
を供給するタイミング基準となる原点信号が、前記移送
コンベアの回転軸に設けられた被検知手段の回転を検出
する原点信号発信センサから制御装置に送信されると、
制御装置は再びサーボモータに駆動用のパルス信号を送
り、分割供給コンベアを所定の速度まで増速させる
で、ワークを上流の分割供給コンベアから移送コンベア
に分割して供給する際に、分割供給コンベアを間欠送り
することなく、ワークをスムースに供給することが可能
となり、分割供給コンベア等の上流側でのワークの脈動
を効果的に防止できる。特に、ワークを高速に移送する
程、その効果が顕著となり、装置の高速化が容易に達成
でき、例えば高速包装機に採用するのに最適である。
【0033】しかも、本発明は、オン・オフ信号により
サーボモータを制御する簡単なロジック回路等により行
え、マイコン制御を行う場合に比し構造が簡単となり、
コストも安くなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す分割供給装置の概略正
面図
【図2】同概略平面図。
【図3】ワーク検知用センサの信号が原点信号発信用セ
ンサの信号よりも速く制御装置に送信される場合のタイ
ミングチャート。
【図4】ワーク検知用センサの信号が原点信号発信用セ
ンサの信号よりも遅く制御装置に送信される場合のタイ
ミングチャート。
【図5】従来例を示す概略正面図。
【符号の説明】
2…ワーク、3…分割供給コンベア、5…サーボモー
タ、7…移送コンベア、13…エンコーダ、16…カム、17
…ワーク検知用センサ、18…検知手段、19…制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワーク(2)を分割供給コンベア
    (3)から移送コンベア(7)に受領すべく、前記移送
    コンベア(7)とは独立して駆動するサーボモータ
    (5)が分割供給コンベア(3)に接続され、前記移送
    コンベア(7)の回転速度に比例した信号により前記サ
    ーボモータ(5)を制御装置(19)で制御するワークの
    分割供給方法において、前記分割供給コンベア(3)の
    下流端部に到達したワーク(2)の先端部をワーク検知
    用センサ(17)が検出した際に、制御装置(19)はサ
    ーボモータ(5)への信号の送信を停止し、サーボモー
    タ(5)は溜まりパルスの放出により分割供給コンベア
    (3)を減速させ、分割供給コンベア(3)が停止する
    以前に、前記分割供給コンベア(3)から移送コンベア
    (7)へワーク(2)を供給するタイミング基準となる
    原点信号が、前記移送コンベア(7)の回転軸(14)
    に設けられた被検知手段の回転を検出する原点信号発信
    センサ(15)から制御装置(19)に送信されると、制御
    装置(19)は再びサーボモータ(5)に駆動用のパルス
    信号を送り、分割供給コンベア(3)を所定の速度まで
    増速させることを特徴とするワークの分割供給方法。
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