JP2817003B2 - 結合された多孔性の繊維性基体、その製造プロセス及び繊維強化されたケーシング材料 - Google Patents

結合された多孔性の繊維性基体、その製造プロセス及び繊維強化されたケーシング材料

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景及び概要 本発明は一般的にソーセージのような食品を包装する
たに使用されるケーシングに係る。一層詳細には、本発
明は新規にしてかつ改良されたケーシング基体及びそれ
から製造された強化されたケーシングにも、このような
基体及びケーシングを製造するための新規にしてかつ改
良された方法にも係る。
これまで、食品などのための強化された箔、チュー
ブ、ケーシング又はスキンをセルローズ−キサントゲン
酸塩(以下ではビスコースと呼ぶ)のようなセルローズ
被覆材料により繊維性ベース紙又はウェブの順次及び反
復処理により製造するのが実際であった。その処理は実
質的な苛性安定性を有する結合されたケーシング基体の
調製と、それに続く最終ケーシング形成操作とを含んで
いる。苛性安定基体は、希薄なバスコース溶液により予
備形成及び乾燥された紙又は繊維性ベースウェブを結合
する過程と、それに続く乾燥、セルローズの再生、洗浄
及び再乾燥の過程とにより調製される。希釈なビスコー
ス溶液を使用する最初の結合操作は、一層濃縮されたビ
スコース溶液による処理が高度にアルカリ性の条件のも
とに行われる最終のケーシング形成操作の間にその構造
的完全性を保持するべく、結合された基体に十分な耐ア
ルカリ性を与えるために必要とされる。また結合された
基体は、濃縮されたビスコース溶液による完全な含浸及
び包み入れを許すため、その多孔性、吸収性の特性を保
持しなければならない。結合された基体は次いで、円筒
状の管のなかへ基体を形成し、高度に苛性のビスコース
溶液により基体チューブを含浸しかつ包み入れ、酸によ
り含浸剤を再生し、過剰な酸及びビスコースを除去する
べく洗浄し、また最終の繊維強化された不透過性のセル
ローズ箔(以下ではケーシング又はスキンと呼ぶ)を乾
燥する過程を含んでいるケーシング形成操作を受ける。
このプロセスは、結合された基体への、また次いで強化
されたケーシングへのベースウェブの順次の進展を明ら
かにする“含浸された紙ウェブ及びそのソーセージケー
シングの製造の方法”という名称の米国特許第3,135,61
3号明細書に一層詳細に記載されている。
説明されている仕方では製造されるチューブ状ケーシ
ングは圧力下にチューブの内部へ注入される食肉及び他
の食品を包むために特によく適するように十分な強度及
び耐破壊性を有する。それらはそれによりソーセージ、
ボローニャソーセージなどのようなよく知られた食品及
び他の食品のための堅固で均等な包みを形成する。最近
の処理装置はこのような製品を自動的に製造するが、破
裂せずに高い充填圧力に耐え、かつ既知かつ均等な直径
で充填され得るケーシング材料を必要とする。製品は自
動的にスライスかつラップされ得るし、また必要な最小
値を越えるケーシングの直径の増大は必然的に食肉包装
業者の損失を招くので表示されている食肉内容量を満足
しなければならない。従来の技術に従って製造されたケ
ーシング基体はこれまでに利用された装置に対して満足
な強度及び均等性のケーシングを生産してきたが、最近
の機械は改良されこ強度特性のケーシングを必要とする
ようになってきた。
前記米国特許第3,135,613号に続く種々の特許が適切
なケーシング基体を形成すべく紙ウェブを結合するため
の代替的な材料の使用を開示してきた。商業的に使用さ
れる酸再生、ビスコース以外の結合材料を選択する際に
は、結合材料がそれから製造される食品ケーシングの処
理及び性能要求の双方を満足することが重要である。特
に、結合剤を施されるべき繊維性ベースウェブは被覆操
作の間に及ぼされる応力に耐えるのに十分な強度を呈さ
なければならない。結合剤の量は、ケーシングに強度の
喪失が存在するように、又はケーシングの外観に有害な
影響が存在するように、ケーシング製造過程の間のその
後のビスコース浸透と干渉することはできない。また結
合剤はケーシング形成過程の条件への露出の間に基体を
変色させないものでなければならない。米国特許第3,48
4,256号明細書には、希薄なビスコース結合処理がカチ
オン熱硬化性樹脂及びポリアクリルアミド樹脂の結合剤
又は混合物の使用により置換され得ることが示唆されて
いる。カチオンアルカリ硬化樹脂及びカルボキシメチル
−セルローズの結合混合物は代替湿潤強度結合処理とし
て米国特許第3,486,696号明細書に開示されている。米
国特許第3,640,734号及び第3,640,735号明細書には不溶
化されたポリ(ビニルアルコール)共重合体又はポリ
(ビニルアルコール)/ポリ(酢酸ビニル)のようなポ
リ(ビニルアルコール)/ポリ(ビニルエステル)共重
合体を使用する基体の形成が開示されている。
さらに最近にはブリッジフォードほかの米国特許第4,
762,564号及び第4,789,006号明細書に、ビスコースケー
シング箔がセルローズメタニル酸(以下ではセルローズ
カルバミド酸塩と呼ぶ)箔により置換可能であり、それ
によりビスコース製造および使用と結び付けられる毒性
かつ有害な硫黄を含有する化学種を除去することが示さ
れている。しかし米国特許第4,762,564号明細書には、
カルバミド酸塩箔がビスコース箔よりも低い引張強度を
有することが述べられている。カルバミド酸塩から製造
された強化されたケーシングは強化されたビスコースか
ら製造されたケーシングに本質的に匹敵する強度特性し
か呈されないので、毒性材料を避ける製造上の利点しか
強調されていない。不幸なことに、ブリッジフォード
は、カルバミド酸塩によるビスコース箔の置換は使用さ
れる基体にかかわりなく改良された結果に欠けているこ
とを明らかに見い出した。このことを認識して、米国特
許第4,777,249号及び前記米国特許第4,789,006号明細書
には、グルタルアルデヒド又はメラミンホルムアルデヒ
ドの高度に酸性の溶液とのカルバミド酸塩ケーシングの
橋かけ結合がカルバミド酸塩箔の強度を改良するのに必
要とされることが報告された。また、ここに報告された
ように、基体がカルバミド酸塩で結合される場合には、
結果として得られるカルバミド酸塩ケーシングが類似に
結合されたビスコースケーシングよりも実質的に弱いこ
とが見い出されてきた。橋かけ結合剤の高い濃度での強
化された箔の橋かけ結合はこれらの箔の性質を改良する
のに有効ではないことが見い出されてきた。
さて、ケーシングを強化するのに使用される基体の強
度特性を改良することによりカルバミド酸塩ケーシング
によっても有意義な改良が達成され得ることが有利に見
い出されてきた。この改良は、ビスコースの製造及び使
用に対して相対的にカルバミド酸塩箔の非毒性の利点を
保ちつつ得られる。
他の利点は以下の詳細な説明のなかで一部は自ずから
明らかになり、また一部は指摘されよう。
これらの利点及び関連する利点は、重量百分率で約10
%及びそれ以下の特定の結合剤を含有する繊維性ベース
ウェブを含んでいる多孔性の結合された繊維性基体を形
成することにより得られる。結合剤は、希薄な苛性溶液
のなかへセルスローズカルバミド酸塩及びアルカリ性硬
化樹脂を、カルバミド酸塩対樹脂の比が重量比で1:1よ
りも大きいような仕方で溶解させることにより調製され
る。結合された基体はベースウェブの多孔性よりも実質
的に少なくない多孔性、すなわちTAPPI検査方法T251−p
m−75により測定された少なくとも300リットル/分の多
孔性を呈し、苛性引張強度は300グラム/25ミリメートル
よりも大きく、また改良された破裂強度の強化されたケ
ーシング箔を形成するべく容易に適応させられている。
基体から製造されたケーシングはこれまでに使用された
ケーシング箔又は本発明のカルバミド酸塩−樹脂箔組成
を使用し得る。
本発明は、従って、いくつかの過程及びこのような過
程の一つ又はそれ以上の相互関連と、特徴、性質及び以
下の詳細な開示で例示される要素の関連を有する物品と
を含んでいる。
好ましい実施例の説明 さて本発明によれば、前記の利点及び関連する利点が
カルバミド酸塩とアルカリ性硬化樹脂に対する中和剤と
の組み合わせから成る結合剤により繊維性ウェブを結合
することにより達成され得ることが見い出されてきた。
この組み合わせはベースウェブに高度に苛性のケーシン
グ形成溶液中での劣化への実質的な耐性を与え、しかも
結合された基体中へのその溶液の迅速な浸透を許す。追
加的に、結び付けられるケーシング製造操作はファシル
中でまた使用される装置又は技術に実質的な交替を必要
とせずに一層効率的な仕方で成し遂げられる。改良され
た破裂強度を有する強化されたケーシング箔がこれによ
り有意により低い引張強度の箔形成材料から得られるこ
とは同様に有意である。
要約すると、プロセスはマニラ大麻のようなセルロー
ズ繊維の希薄な懸濁物を形成し、またその後に懸濁物か
らベースウェブを形成する過程を含んでいる。ベースウ
ェブは次いでセルローズカルバミド酸塩とエピクロロヒ
ドリン及びポリアミドの重合反応生成物のようなアルカ
リ性硬化樹脂材料に対する或る中和剤との溶液を使用し
て結合される。これに関係して特記すべきこととして、
しばしばベースウェブ材料自体が前記米国特許第3,469,
696号明細書に一層完全に説明されているように、ビー
ター追加された材料と同一のアルカリ硬化樹脂を使用し
て製造される。しかし本発明の結合処理はこのようなベ
ースウェブを使用するビスコース結合された基体にくら
べて改良された結果を呈する。
ケーシング基体に対するベースウェブは一般に純粋な
セルローズの天然繊維から成っており、また好ましくは
大麻繊維を典型とするMusa textilis種の長い軽量の非
水和化繊維から成っている。この材料から製造されたウ
ェブは一般に均等な組織及び厚みの軟らかい多孔性の紙
であり、また1に近い引張強度比、すなわち機械方向及
び横断方向の双方に実質的に等しい引張強度を有する。
しかし、引張強度比が、所望であれば、約0.5から約1.0
まで変化し得ることは理解されよう。
利用される結合剤、すなわち樹脂及びカルバミド酸塩
の組み合わせがウェブに高度に苛性の溶液に対する耐性
を与えるだけでなく、ベースウェブの吸収特性との有意
な干渉を生じないことは肝要である。好ましくは結合剤
は強化された基体へのケーシング形成被覆のしっかりし
た付着を改善すべきである。なぜならば、それらの間は
しっかりした結合は結果として得られる被覆材料の破裂
強度に実質的に改善を生ずると信ぜられているかであ
る。本発明のメカニズムは完全に理解されていないが、
結合剤中の樹脂がベースウェブのなかのカルバミド酸塩
と繊維との間の橋渡しとして作用する可能性があると信
ぜられている。同時に、ウェブが、少なくとも可能なか
ぎり、吸収及び結合の双方と干渉し得る含浸剤を含んで
いないことが望ましいことは理解されるべきである。従
って、利用される結合剤が基体材料中へのケーシング形
成被覆の浸透に対する抵抗が可能なかぎり小さいことが
必要である。
前記のように、結合剤はセルローズカルバミド酸塩及
びアルカリ性硬化樹脂の組み合わせ又は混合物、すなわ
ち中和剤又はベース活性化剤により硬化可能な樹脂であ
る。カルバミド酸塩は既知の手順に従って、例えば米国
特許第2,134,825号及び米国特許第4,404,369号明細書に
開示されている技術に従って高められた温度での尿素と
のセルローズの反応により製造可能であり、また結果と
して得られるカルバミド酸塩の特性は実質的にそこに開
示されているような特性である。従って、これらの特許
に含まれている開示内容を参照によりここに組み入れた
ものとする。カルバミド酸塩は乾燥状態で安定であり、
また貯蔵又は輸送され得る。それは重量百分率で15%ま
でのカルバミド酸塩濃度を生ずるべく水酸化ナトリウム
のような適当な苛性溶液のなかへ容易に溶解され得る
が、典型的には重量百分率で0.5〜5%、また好ましく
は重量百分率で1〜3%の濃度で結合溶液のなかで使用
される。
アルカリ性硬化樹脂は苛性耐性の見地から満足である
ことが実証されており、また以前に用いられた希薄ビス
コース結合処理により得られる値に比較可能な又はそれ
を越える値のケーシングに対する破裂比を得られる。し
かし好ましい樹脂材料は中性又はベース活性化された不
硬化熱硬化性樹脂、特に二次アミン族を含有するエピク
ロロヒドリン及びポリアミドの重合反応生成物である。
好ましくはエピクロロヒドリンがそのなかの二次アミン
族を三次アミンに変換するのに十分な量で使用される。
一般にポリアルカリ性ポリアミン及び約3ないし10の炭
素原子を含有する飽和又は不飽和脂肪族又は芳香族ポリ
カルボン酸からのポリアミドが好ましい。このような材
料の典型的な例は“Kymene−557H"、“Kymene2064"、
“Kymene D45"などの商品名でデラウェア州、ウィルミ
ントンのハーキュレス・インコーポレーテッドにより販
売されている水溶性で熱硬化性の陽性エピクロロヒドリ
ン−ポリアミド反応生成物である。他のアルカリ性硬化
樹脂は“Seripset"の商品名でモンサントにより販売さ
れているスチレンマレイン酸無水物共重合体及び“C12"
の商品名でポーデンにより販売されているポリアミドを
を含んでいる。
結合溶液中に使用されるアルカリ性硬化樹脂の量は所
望の性質に関係して変化する。しかし、樹脂対カルバミ
ド酸塩の比が1:1よりも小さく、好ましくは約1:10ない
し約4:5の範囲内にある時に良好な結果が得られること
が見い出されている。典型的に重量比で樹脂対カルバミ
ド酸塩の好ましい比は1:5ないし1:2の範囲内である。例
えば、結合溶液中の樹脂対カルバミド酸塩の好ましい比
は約1:3である。
一般に、結合剤溶液中に非常に少量の表面活性剤を吸
収促進剤として追加することは有利である。これに関連
して非イオン性アルキルアーリル・ポリエーテル・アル
コールのような材料が使用され得る。例えば、“Tritro
n X114"の商品名でローム・アンド・ハースにより販売
されているオクチルフェノキシ・ポリエトキシ・エタノ
ールが有効に使用されてきた。他の表面活性剤はノニル
フェノキシ・ポリ(エチレンオキシ)エタノール、エチ
レン酸化物及びプロピレン酸化物のブロック共重合体、
トリメチルノニル・ポリエチレン・グリコール・エーテ
ル、エトキシル化アルキル・フェノール及びアルコール
及びアルキルアリル・ポリエーテル・アルコールを含ん
でいる。表面活性剤は、結合された基体の湿潤強度の喪
失を避けるように、重量百分率で2.0%よりも低い濃度
で、実際には重量百分率で0.5%よりも低い濃度で、ま
た好ましくは重量百分率で0.1%よりも低い濃度で苛性
結合剤溶液中に使用される。典型的には重量百分率で約
0.01ないし0.05%の濃度が使用される。このレベル以下
では基体の水上昇特性が不利に影響される。
結合溶液を調製するべくカルバミド酸塩が高い濃度、
例えば重量百分率で約6%のカルバミド酸塩濃度で水酸
化ナトリウムの8%溶液のようなアルカリ溶液中に溶解
される。溶液は次いで希釈され、続いてアルカリ性硬化
樹脂及び表面活性剤を追加される。混合物が重量百分率
で約1〜8%のアルカリ濃度を有する希薄水溶液の形態
をとることは望ましい。典型的に成分の濃度は所望の組
成を得るべく調節される。溶液のpHは一般に高アルカリ
範囲、すなわち約10.0よりも高い範囲にあり、作動pHは
近似的に12〜23である。
予形成された繊維性ウェブは、部分的又は完全な乾燥
の後に、通常の処理技術に従って希薄なアルカリ性結合
溶液により処理される。結合溶液によるウェブの所望の
含浸を得るべく含浸又はディップ被覆プロセスを利用す
ることにより優れた結果が得られている。処理されたウ
ェブは次いで乾燥され、またその後に、本発明に従っ
て、シート材料に所望の改善された湿潤強度特性を与
え、同時に紙のpHを近似的に7.0又はそれ以下に下げる
べく、酸性化、洗浄及び乾燥処理を受ける。
被覆かつ乾燥された基体は重量百分率で約10%又はそ
れ以下の結合剤ピックアップを有し、結合剤の量は典型
的に重量百分率で0.5〜6%の範囲内である。最良の結
果は、結合剤ピックアップが重量百分率で2.0〜4.5%で
ある時に達成される。前記のように、結合された基体は
改善された湿潤引張強度、例えば300グラムよりも大き
い苛性引張強度を呈するだけでなく、最終ケーシング形
成操作の間の含浸及び包み入れを許すためその高度の多
孔性及び吸収性を保つ。一般に、結合された基体の多孔
性はTAPPI検査方法T251−pm−75に従って測定され、ま
た300リットル/分よりも大きいガーレイ(Gurley)多
孔性を呈する。多孔性はベースウェブの重量により変化
し、また典型的に約500〜1500リットル/分の範囲内に
ある。より軽いシートはもちろんより高い多孔性を有
し、他方に於いてより重い材料はより低い多孔性を呈す
る。例えば、本発明に従って、結合された基体の多孔性
は約600〜120リットル/分の範囲内にあってよい。
最終ケーシングは通常のケーシング形成技術に従って
行われる。しかし、本発明に従って、最終ケーシングを
形成するのにカルバミド酸塩/アルカリ性硬化樹脂組成
が一層濃縮された形態でも使用され得ることが見い出さ
れている。この組成が用いられ時、カルバミド酸塩は、
結合溶液が調製される時と実質的に同一の仕方で、アル
カリ性溶液中に混合される。しかし、希釈過程は消去さ
れており、従ってカルバミド酸塩及びアルカリ性硬化樹
脂の濃度は結合剤中のこれらの材料の濃度よりも近似的
に2〜6倍大きい。例えば、ケーシング形成溶液は結合
溶液に対して好ましい1.5%ではなく重量百分率で近似
的に6%のカルバミド酸塩濃度を有し得る。典型的に、
カルバミド酸塩対アルカリ性硬化樹脂の非はケーシング
形成組成中に、結合溶液中に見い出されるレベルと実質
的に同一のレベルに保たれている。しかし、表面活性剤
の全体濃度は結合溶液中と実質的に同一のレベルにとど
まり、またケーシング箔形成組成中で対応的に増大され
ない。
ベースウェブ材料による結合剤の10%ピックアップと
対照的に、ケーシング形成操作の結果として基体中のケ
ーシング形成溶液の吸収だけでなく箔形成材料による基
体の完全な包み入れが行われる。こうして、重量比での
ケーシング箔と基体との相対的な割合は、被覆が一つの
側のみから行われる場合には、約1:1又はそれ以上であ
り、また好ましくは2:1である。両側から被覆が行われ
る場合には、もちろん、上記よりも高い比になる。こう
して、結果として得られるケーシング製品は、実際上、
そのなかに完全に埋め込まれている結合された繊維性基
体により強化されたケーシング形成材料の箔である。
以上には本発明を一般的に説明してきた。以下の例は
本発明の理解を一層容易にするために示すものであり、
別に記載されていないかぎり、以下の例により本発明の
範囲を限定するものではない。すべての量は、別に記載
されていないかぎり、重量比である。
例1 約14.2ポンドの連重量(24g/m2)を有したまま100%
大麻繊維から成る商業的に製造された予形成された繊維
性シートが12.0のpHを有する希薄な水溶性のアルカリ性
溶液のなかで浸漬被覆された。溶液は重量百分率で約1.
5%のセルローズカルバミド酸塩濃度、重量百分率で0.5
%のエピクロロヒドリン及びポリアミド(Kymene 557
H)の重合反応生成物及び0.015%の表面活性剤Triton X
114を有した。処理された基体は乾燥され、カルバミド
酸塩が乾燥により再生され、続いてシートを中和するべ
く1%硫酸により洗浄され、続いて水により約10分間洗
浄され、またその後に乾燥された。結果として得られた
基体は第1表中に符号Aで示されている。
第二のシリーズの基体は同一のベースウェブ材料を使
用し、ただし約1.2%のビスコースを含有する希薄なア
ルカリ性溶液によりベースウェブを結合し、続いて乾
燥、再生、洗浄及び再乾燥を行うことにより調製され
た。この基体は符号Bで示されている。
基体A及びBの試料がBのみ、カルバミド酸塩のみ、
又はカルバミド酸塩及びKymene濃度がそれぞれ6%及び
2%のカルバミド酸塩/Kymene 557/Triton溶液を使用し
てケーシングに製造された。結果として得られたケーシ
ングは第1表中に報告されている機械方向湿潤引張応力
特性を呈した。
表中に見られるように、本発明のカルバミド酸塩−樹
脂結合系により結合された基体Aは最終ケーシング製品
を形成するのに使用されるケーシング箔にかかわりなく
ビスコース結合された材料にくらべて引張応力に有意な
改善を呈した。追加的に、カルバミド酸塩ケーシングに
対する応力測定が、基体がビスコース結合された場合に
ビスコースケーシングに対して得られる応力測定と実質
的に同一であることが認められる。結合剤及びケーシン
グ形成箔材料の双方として本発明のカルバミド酸塩/Kym
ene組み合わせが使用された時に最良の結果が得られ
た。
別の実験が、商業的に入手可能な繊維性ウェブ材料が
カルバミド酸塩のみにより結合された場合(基体C)も
しくは不結合にとどめられた場合(基体D)について行
われた。これらの基体を使用してケーシングを形成する
試みがなされた時、基体が離れ落ちた。従って、ケーシ
ング形成操作の間にガラス板上に基体を支えることが必
要であった。こうして支えられた時、基体はケーシング
箔としてビスコースのみ、カルバミド酸塩のみ、もしく
は本発明のカルバミド酸塩/Kymene 557溶液を使用して
ケーシングに形成された。第1表中に示されているよう
に、基体Cの湿潤引張応力はカルバミド酸塩又はカルバ
ミド酸塩/Kymeneケーシングに対する基体A又はBより
も有意に低かった。表には、これらのケーシングに対す
る基体Cと不結合の基体1てとの間の差が小さいことも
示されている。
第1表中にはさらに種々の材料のキャストされた箔の
引張応力が報告されている。示されているように、本発
明のカルバミド酸塩/Kymene 557組成は有意に弱い箔を
形成し、それにより基体Aの結果を時に驚くべきものと
する。
基体A及びBから製造されたビスコースケーシングの
破裂強度が、結果として得られたケーシングの特性を比
較するために測定された。この測定は、開端ケーシング
チューブを二つの空気を供給するカップ状のマンドレル
(一方は所定の場所に固定されており、他方はスライド
ウェイ系の上に取付けられている)から成る装置のなか
に置くことにより行われた。ケースチューブは、チュー
ブの端がマンドレルの開端の上を滑り、またチューブと
マンドレルとの間を気密に封ずる強い調節可能なクリッ
プにより固定されるように取付けられた。二つ(チュー
ブの各側面に一つ)の軽量のプローブがそれらのスライ
ドウェイ系のなかを、それらがチューブが2psi(0.013M
Pa)の検査圧力により膨張させられた後にチューブ側面
と軽く接触するように動かされた。次いで空気が毎分2p
si(0.013MPa)の速度でマンドレルの一つを経てチュー
ブのなかへ連続的に供給された。チューブの長さの増大
は可動のマンドレルにより補償されている。圧力増大
と、チューブが圧力下に膨張するにつれてのプローブ間
の増大する間隔とがチャートレコーダ上に圧力対増大直
径のX−Yプロットとしてプロットされている。検査は
チューブが圧力下に損なわれる時に終了する。
この検査手順を用いて、チューブ破裂強度はそれぞれ
5.38グラム及び5.38グラムの実質的に同一のチューブ重
量に於いて基体Bケーシングに対しては12.45psi(0.08
58MPa)、また基体Aケーシングに対しては14.4ps(0.0
992MPa)であることが見い出された。こうして本発明の
基体を使用するケーシングは15%以上の破裂強度の改善
を呈した。
例2 シート形成に先立って約0.1%のKymene 557をビータ
ーに加えられた、約14.2ポンドの連重量(24g/m2)を有
しまた100%大麻繊維から成る予形成された繊維性シー
トが、例1のカルバミド酸塩/Kymene結合溶液及びカル
バミド酸塩結合溶液を使用して、研究室で結合された。
本発明に従って処理された基体の湿潤引張強度は1700グ
ラム/25ミリメートルであり、他方に於いてカルバミド
酸塩のみにより結合された材料は916グラム/25ミリメー
トルの湿潤引張強度を呈した。これらの基体に対する苛
性引張強度はそれぞれ917グラム及び159グラムであっ
た。
例3 例2の手順が、繊維性ベースウェブがビーター追加さ
れたKymeneを含有しなかったことを除いて、繰り返され
た。本発明に従って処理された基体の湿潤引張強度は17
62グラム/25ミリメートルであり、他方に於いてカルバ
ミド酸塩のみにより結合された材料は54グラム/25ミリ
メートルの湿潤引張強度しか呈さなかった。これらの基
体に対する苛性引張強度はそれぞれ1240グラム及び0で
あった。
例4 例3の手順が、結合操作がパイロットマシン上での繊
維性ベースウェブ材料の浸漬処理により行われたことを
除いて、繰り返された。この場合、ビスコース結合され
たシートは1685グラム/25ミリメートルの機械方向湿潤
引張強度を示し、他方に於いてカルバミド端塩/Kymene
処理された基体は1943グラム/25ミリメートルの機械方
向湿潤引張強度を呈した。
例5 一連の研究室実験が、ビスコースもしくはカルバミド
酸塩の結合溶液に追加するKymene 557の量の変更による
影響を決定するために行われた。
約14.2ポンド(6.43kg)のベース重量を有する大麻繊
維からの紙試料が1.5%のカルバミド酸塩プラスKymene
557のインクレメンタルな量の乾燥時のピックアップを
形成するべく結合溶液により処理された。類似の試料が
約1.2%のビスコース及び類似に増大する量のKymene 55
7を含有する標準的なビスコース結合剤により処理され
た。結果として得られた基体材料が平均湿潤引張強度及
び平均苛性引張強度を検査された。結果は第1図及び第
2図のグラフを得るべくプロットされた。そこに明白に
示されているように、カルバミド酸悦を含有する結合溶
液により低い初期の湿潤引張強度及び苛性引張強度を有
したが、Kymene追加の結果として強度を迅速に増大し、
他方に於いてビスコース結合材料の強度はKymene追加の
結果として非常に小さい変化しか示めさなかった。
以上に説明したプロセス及び製品の種々の変更が本発
明の範囲内にて可能であることは当業者にとって明らか
であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はカルバミド酸塩もしくはビスコース
結合溶液のなかで樹脂濃度が変更された場合に結合され
た基体の湿潤及び苛性引張強度への影響を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アラン・ダブリュ・メイヤーホファー アメリカ合衆国コネチカット州、ウエス ト・ハートフォード、フォックスクロフ ト・ロード 118 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 3/24,3/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品などのケーシングの製造に使用するの
    に適した結合された多孔性の繊維性基体に於いて、セル
    ローズカルバミド酸塩及びアルカリ性硬化樹脂から成る
    重量百分率で約10%又はそれ以下の結合剤を含有する繊
    維性ベースウェブを含んでおり、カルバミド酸塩対樹脂
    の比が重量比で1:1よりも大きく、前記基体がTAPPI検査
    方法T251−pm−75により測定された少なくとも300リッ
    トル/分の多孔性を有しており、苛性引張強度が300グ
    ラム/25ミリメートルよりも大きく、また優れた破裂強
    度を有する強化されたケーシング箔を形成するべく適応
    させられていることを特徴とする結合された多孔性の繊
    維性基体。
  2. 【請求項2】食品などのための繊維強化されたケーシン
    グ材料に於いて、結合された多孔性の繊維性基体を包み
    入れるセルローズ箔を含んでおり、前記基体が、セルロ
    ーズカルバミド酸塩及びアルカリ性硬化樹脂から成る重
    量百分率で約10%又はそれ以下の結合剤を含有する繊維
    性ベースウェブを含んでおり、カルバミド酸塩対樹脂の
    比が重量比で1:1よりも大きく、前記基体がTAPPI検査方
    法T251−pm−75により測定された少なくとも300リット
    ル/分の多孔性を有しており、苛性引張強度が300グラ
    ム/25ミリメートルよりも大きく、また優れた破裂強度
    を有する強化されたケーシング箔を形成するべく適応さ
    せられていることを特徴とする繊維強化されたケーシン
    グ材料。
  3. 【請求項3】食品などのための繊維強化されたケーシン
    グ材料に於いて、重量比で1:1よりも大きい比でセルロ
    ーズカルバミド酸塩及びアルカリ性硬化樹脂から成るセ
    ルローズ箔のなかに包み入れられた重量百分率で約10%
    又はそれ以下のセルローズ結合剤を含有する繊維性ベー
    スウェブを含んでいることを特徴とする繊維強化された
    ケーシング材料。
  4. 【請求項4】食品などのためのケーシングの製造に使用
    するのに適した結合された多孔性の繊維性基体を製造す
    るためのプロセスに於いて、繊維性ベースウェブに対す
    る結合溶液として、重量百分率で6%以下のセルローズ
    カルバミド酸塩及びアルカリ性硬化樹脂の希薄な水性ア
    ルカリ溶液を含んでいる結合溶液を形成する過程を含ん
    でおり、カルバミド酸塩対樹脂の比が重量比で1:1より
    も大きく、乾燥重量ベースで重量百分率で約10%又はそ
    れ以下の結合剤ピックアップと、TAPPI検査方法T251−p
    m−75により測定された少なくとも300リットル/分の多
    孔性と300グラム/25ミリメートルよりも大きい苛性引張
    強度とを有する結合された基体とを形成するべく繊維性
    ベースウェブを結合溶液により処理する過程を含んでい
    ることを特徴とする結合された多孔性の繊維性基体の製
    造プロセス。
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