JP2802223B2 - ストレッチラベル用フィルム - Google Patents

ストレッチラベル用フィルム

Info

Publication number
JP2802223B2
JP2802223B2 JP2783194A JP2783194A JP2802223B2 JP 2802223 B2 JP2802223 B2 JP 2802223B2 JP 2783194 A JP2783194 A JP 2783194A JP 2783194 A JP2783194 A JP 2783194A JP 2802223 B2 JP2802223 B2 JP 2802223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
density
label
weight
stretch label
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2783194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07234638A (ja
Inventor
修 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamapoly Co Ltd
Original Assignee
Tamapoly Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamapoly Co Ltd filed Critical Tamapoly Co Ltd
Priority to JP2783194A priority Critical patent/JP2802223B2/ja
Publication of JPH07234638A publication Critical patent/JPH07234638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2802223B2 publication Critical patent/JP2802223B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Labeling Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストレッチラベル用フ
ィルムに関するものであって、より詳しくは、フィルム
の自己伸縮性を利用してボトル容器等の円筒物又は、角
状物の外周に装着される、ストレッチ性、耐熱性、強靭
性、印刷適性に優れると共に、表面に傷の付きにくい、
ストレッチラベル用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】容器装着用ラベルとし
ては、OPS、PVC等のシュリンクラベル、ラベルの
一方の面の全面に糊貼りを施した全面容器糊貼りラベ
ル、ラベルの一方の面の一部に糊貼りを施した部分容器
糊貼りラベル、OPP等の非粘着ラベル、ストレッチラ
ベルがある。
【0003】これらのうち、ストレッチラベルは、自己
伸縮性を有し、ラベル装着後の容器の熱処理や、容器の
内容物の減量等による容器の収縮変化に寸法が追従でき
るため、容器への密着状態を保持できるという利点があ
り、また、PET(ポリエチレンテレフタレート)やP
VC(ポリ塩化ビニル)等のプラスチック容器等を破砕
した後の比重差分離が可能なため、容器とラベルを分離
回収し易いと共に、熱や接着剤等を必要としないこと、
さらには、ラベルコストが低い等の理由により、容器装
着用ラベルとして使用されている。
【0004】従来、このストレッチラベルとしては、通
常、酢酸ビニル含有量が3ないし8重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂フィルムが主として使用されてい
たものである。しかしながら、このエチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂フィルムは、引張り強度、引裂強度等の機
械強度に劣り、表面傷や破れも発生し易い。また、容器
内容物の殺菌のために40ないし90℃の熱がラベルに
かかる場合があるが、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
フィルムは融点が低く、熱収縮率も大きいため、加熱殺
菌時にラベルの伸縮性が失われ、ボトルからラベルがず
り落ちたり、冷却後に熱収縮フィルムの動きのために、
ラベルにシワが入ったりしやすく、耐熱性が悪いという
欠点がある。
【0005】また、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フ
ィルムのストレッチ性(伸縮性)を高めようとして酢酸
ビニル含有量を増加させると、耐熱性が更に低下し、べ
たつきが大きくなるという問題がある。さらに、これを
解決するために、多量の滑剤を添加すると、結果的に印
刷適性が悪くなるという問題があり、いずれにしても、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、ストレッチラベル
に要求される特性を満たす素材としては適していない。
また、一方でエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に代え
て、低密度ポリエチレンも使用されているが、低密度ポ
リエチレンは、ストレッチ性と、滑り性、印刷適性のバ
ランスがとりにくく、しかも機械強度、高温域の耐熱性
に劣るという問題がある。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、ストレッチ
性、耐熱性、強靭性、印刷適性に優れると共に、表面に
傷が付きにくく、しかもべたつきの少ないストレッチラ
ベル用フィルムを提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであって、ストレッチラ
ベル用のポリマー素材として特定のものを選択した点に
特徴がある。すなわち、本発明によれば、筒状で少なく
とも一方の面に印刷が施されたストレッチラベル用フィ
ルムにおいて、縦方向長さが15mm、横方向長さが1
00mmのフィルムを横方向に300mm/分で変形さ
せた場合の歪が横方向長さの25%のときの、フィルム
に対する応力及び歪を軸とするヒステリシス曲線におけ
る応力が0となった瞬間の歪が10%以下、永久歪が
1.5%以下、ヘーズ値(JIS K7105による)
が5ないし15%、厚さが0.04ないし0.25mm
の範囲であり、前記フィルムを溶融押出し成形するため
に使用する樹脂が、密度0.905ないし0.940g
/cm3 (JIS K 7112による)でビカット軟
化点が80℃以上(JIS K 7206による)の直
鎖状低密度ポリエチレンを50重量%以上含むポリオレ
フィン樹脂であり、溶融押出し成形された後でアニーリ
ングを行わない状態でのフィルム密度が0.910ない
し0.935g/cm3(JIS K 7112によ
る)であることを特徴とするストレッチラベル用フィル
ムが提供される。
【0008】また、本発明によれば、フィルムを溶融押
出し成形するために使用する樹脂が、密度0.905な
いし0.940g/cm3 (JIS K 7112によ
る)でビカット軟化点が80℃以上(JIS K 72
06による)の直鎖状低密度ポリエチレンを50ないし
95重量%、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂を5
ないし50重量%含むポリオレフィン樹脂組成物である
ストレッチラベル用フィルムが提供される。
【0009】また、本発明によれば、印刷が施される面
にコロナ放電処理が施されるストレッチラベル用フィル
ムが提供される。
【0010】また、本発明によれば、滑剤として、高級
脂肪酸、高級脂肪酸アマイド、高級脂肪酸金属塩、脂肪
酸エステル、脂肪族アルコールからなる群より選ばれた
一種もしくは二種以上を0.01ないし0.10重量%
配合したストレッチラベル用フィルムが提供される。
【0011】
【発明の具体的説明】本発明の技術的な特徴は、フィル
ムの所定条件下における瞬間歪の値及び永久歪の値を設
定し、かつ、へーズ値及びフィルムの厚さを設定すると
共に、該フィルムを溶融押出し成形するために使用する
樹脂を、後述する特定の樹脂とすることにより、ストレ
ッチ性、耐熱性、強靭性、印刷適性、表面に傷が付きに
くい性質、及び表面がべたつきにくい性質をバランス良
く兼ね備えたストレッチラベル用フィルムを提供できる
ようにした点にある。本発明によって提供されるストレ
ッチラベルは、装着される対象物が限定されるものでは
ないが、円筒形状物体や角状物体、とくに、ボトルなど
の容器に装着されることが好ましい。
【0012】以下、本発明を具体的に開示するが、理解
を容易なものにするために、ストレッチラベルの好適な
使用形態であるボトル容器装着用のストレッチレベルを
例にとって説明する。図1(A)に示す如く、容器装着
用のストレッチラベル用フィルム10は、長尺状のフィ
ルムの両端部が接合部12で接着剤によって接合されて
筒状にされている。この容器装着用のストレッチラベル
用フィルム(以下、単に「フィルム」と言うことがあ
る。)10の周方向長さ(横方向長さ)は、例えば、こ
れを装着しようとする図1(B)に示す容器本体16の
外周長さの3ないし6%短い寸法に設計されており、ま
た、フィルム10の縦方向が所望の長さとなるようにカ
ットされている。
【0013】このフィルム10は、少なくとも一方の面
に、内容物の情報等が印刷されており、引伸ばし機(図
示省略)によって半径方向外側(図1(B)矢印方向)
に、例えば15ないし25%引き伸ばされた状態で、容
器16の外周面14の外側へ配置され、次いで、引伸ば
し機による引っ張り状態が解除されると、収縮して容器
本体16の外周面14に密着するようになっている(図
1(C)参照)。なお、前記フィルム10の印刷が施さ
れる面は、コロナ放電処理を施すのが、印刷インキの接
着性を高める上で好ましい。
【0014】本発明にかかるフィルム10の第1の特徴
は、縦方向長さが15mm、横方向長さが100mmの
フィルムを横方向に300mm/分で変形させた場合の
歪が、フィルム10の横方向長さの25%のときの、フ
ィルムに対する応力及び歪を軸とするヒステリシス曲線
(図2参照)における応力が0となった瞬間の歪(図2
点P)を10%以下、永久歪を1.5%以下に設定した
ことにあり、これにより、ストレッチラベルとして十分
なストレッチ性(伸縮性)が得られる。本発明におい
て、縦方向とは、フィルム成形加工方向であり、横方向
とは、フィルム成形加工方向と直行する方向をいう。
【0015】ここで、瞬間歪みが10%を超えたり、永
久歪みが1.5%を超える場合は、フィルムの収縮回復
時間が長くなり、ラベル装着後、次工程でラベルが定位
置からずれたり、最終的に容器へしっかりと密着しなか
ったり、ラベル装着時にフィルムに降伏点が生じ、部分
的に伸びきり部が生じたりし易いという問題が生じる。
一方、瞬間歪みが10%以下で、永久歪みが1.5%以
下の場合は、3%まで収縮する時間が、1分以内とな
り、容器装着位置に対する装着適合性が得られる。ま
た、容器装着部長さより、3ないし6%短く設計された
ラベルに対し、永久歪みが1.5%以下の場合は、容器
に対し50ないし1000g/15mmの安定した収縮
応力を維持する。
【0016】本発明に係るフィルムの第2の特徴は、フ
ィルムのへーズ値を5ないし15%とした点にあり、こ
れにより、フィルムの滑り不良が抑えられ、フィルムに
適度の滑りを付与でき、作業性の向上、印刷適性の向
上、表面に傷がつきにくい性質等を付与できる。また、
良好なストレッチ性を得ることも可能となる。同じ樹脂
を溶融押し出してフィルムを成形した場合、へーズ値の
小さい方がストレッチ性(伸縮性)は良いが、滑り性は
悪くなる。
【0017】へーズ値が5%未満の場合は、滑りが悪い
ため作業性、印刷適性が悪く、表面傷、破れ等を引き起
こす。この問題点を解消するために、多量の滑剤を添加
して滑りを良くした場合は、印刷インキの接着不良、ラ
ベル接合不良、外観不良等を引き起こす。また、へーズ
値が15%を超える場合は、ストレッチ性(伸縮性)が
悪くなり、美麗性も劣るようになる。本発明にかかるフ
ィルム10の第3の特徴は、フィルムの厚さを0.04
ないし0.25mmの範囲とした点にあり、これによ
り、フィルムを破れにくくしたいという要請と、フィル
ムを容器に装着する際に引伸ばし機による引き伸ばし応
力を余り大きくしたくないという要請とのバランスをと
ることが可能となる。フィルムの厚さが0.04mm未
満で横方向のストレッチ性の良いフィルムは、低応力で
縦方向にも伸びやすく、印刷時の見当精度が悪くなり、
破れ易くもなる。厚さが0.25mmを超える場合は、
容器装着時の引伸し応力が大きくなり過ぎる。
【0018】本発明にかかるフィルムの第4の特徴は、
フィルムを溶融押し出し成形するために使用する樹脂と
して、密度0.905ないし0.940g/cm3 でビ
カット軟化点が80℃以上の直鎖状低密度ポリエチレン
(以下「LLDPE」という)樹脂を50重量%以上含
むポリオレフィン樹脂であって、溶融押出し成形された
後でアニーリングを行わない状態でのフィルム密度が
0.910ないし0.935g/cm3 (JIS K
7112による)のものを選んだ点にあり、とくに、該
樹脂50ないし95重量%と、エチレン−α−オレフィ
ン共重合樹脂5ないし50重量%からなる樹脂組成物が
好ましい。本発明におけるLLDPEとは、直鎖状低密
度エチレンポリマーを意味するものであり、通常、直鎖
状低密度ポリエチレンの概念に包含される直鎖状エチレ
ン−α−オレフィン共重合体とは区別されるものであ
る。
【0019】一般に、LLDPE樹脂は、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂や低密度ポリエチレンよりもかなり
融点が高いため耐熱性に優れると共に、かなり強靭であ
り、容器装着用のストレッチラベルに使用する材料とし
て好適である。さらに、樹脂密度をできるだけ小さくす
ることによって、フィルムのストレッチ性が良くなり、
この点においても、容器装着用のストレッチラベルに使
用する材料として好適である。
【0020】しかしながら、LLDPE樹脂を使用した
低密度な(ストレッチ性のよい)フィルムは、べたつき
が大きいという問題がある。この問題を解消するため
に、滑剤を多量に添加すると、この滑剤の多量の添加に
起因して、印刷インキの接着不良やラベル接合不良等を
引起こし、ストレッチラベルの必要とする性能全般を満
たすことが困難となる。
【0021】これに対して、本発明では、フィルムを押
し出し成形するための樹脂を単にLLDPE樹脂とした
り、これに単に多量の滑剤を添加するのではなく、密度
0.905ないし0.940g/cm3 でビカット軟化
点が80℃以上のLLDPE樹脂を50重量%以上含む
ポリオレフィン樹脂を使用し、かつ、溶融押出し加工後
のフィルム密度を0.910ないし0.935g/cm
3 に調整することにより、耐熱性とストレッチ性を有
し、耐傷、破れ性に優れ、べたつきの少ないフィルムを
得ることを可能にしたものである。
【0022】本発明におけるポリオレフィン樹脂は、前
記特定のLLDPEが少なくとも50重量%であり、溶
融押出し加工後のフィルム密度が0.910ないし0.
935g/cm3 に調整されることが重要で、この密度
範囲を保つかぎり、50重量%以下、好ましくは5ない
し20重量%の他のポリオレフィン、例えば、前記特定
外のLLDPE、低密度ポリエチレン、エチレン−α,
β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和
カルボン酸エステル共重合体を含んでいてもよい。
【0023】本発明のフィルムは、へーズ調整を行い、
上記の如く、フィルムのへーズ値を5ないし15%とす
るが、LLDPE樹脂密度が、0.905ないし0.9
15g/cm3 の場合は、滑り性の点で、へーズ値を7
ないし15%とするのが好ましく、LLDPE樹脂密度
が0.916ないし0.940g/cm3 の場合は、ス
トレッチ性の点で、へーズ値を5ないし10%とするの
が好ましい。
【0024】ヘーズの調整は後述するフィルム加工時の
樹脂溶融状態から樹脂が固化するまでの冷却速度を高め
たり、結晶化を抑制したり、結晶を微細化する樹脂や添
加物を添加することによって行うことができる。なお、
LLDPE樹脂以外に使用するポリオレフィン樹脂やア
ンチブロッキング剤等により、フィルム密度が変わる
が、この場合も、フィルム密度は、0.910ないし
0.935g/cm3 の範囲になるように選定する。こ
の範囲を超えた場合は、べたつきを抑えることや、スト
レッチ性、美麗性を良好にするのが困難となる。
【0025】上記の場合において、密度が0.905g
/cm3 未満のLLDPE樹脂を使用した場合には、フ
ィルムのべたつきが大きくなり、耐熱性が低下する。L
LDPEの密度が0.940g/cm3 を超える場合
は、耐熱性は大きくなるが、降伏点が顕著に現れ易くな
り、ネッキングを生じ易く、ストレッチ性が悪くなると
ともに硬くなるのでストレッチフィルムとしては好まし
くない。また、一般に、LLDPE樹脂の密度が下がっ
てくると、フィルムのストレッチ性が大きくなり、耐熱
性は低下し、ビカット軟化点も下がりべたつく傾向にあ
るが、密度が0.905g/cm3 以上で、ビカット軟
化点が80℃以上であれば、へーズ調整を行うことによ
り、フィルムのべたつきが少量の滑剤で抑えられ、この
場合は殺菌時の加熱温度にも耐えられ、好適なフィルム
接合強度も得られるようになる。
【0026】また、エチレン−α−オレフィン共重合樹
脂自体は、伸縮性に優れるが、べたつきが非常に大きく
耐熱性に劣る。しかし、このエチレン−α−オレフィン
共重合樹脂をビカット軟化点が80℃以上の直鎖状低密
度ポリエチレンを50重量%以上含むポリオレフィン樹
脂に5ないし50重量%ブレンドすることにより、耐熱
性をあまり低下させずに、フィルム密度を下げることが
でき、ストレッチ性(伸縮性)を大きくすることができ
る。特に、樹脂密度の高いLLDPE樹脂にブレンドす
ると効果的で、耐熱性の大きなストレッチフィルムを得
ることができる。ただし、エチレン−α−オレフィン共
重合樹脂を50重量%を超えてブレンドするとべたつき
が大きくなり、耐熱性が低下するばかりでなく、コスト
も高くなる。
【0027】フィルムの製造方法としては、インフレー
ション法、T−ダイ法があるが、インフレーション法の
場合、2段空冷冷却方法や空冷温度や水冷温度によりへ
ーズと密度の調整を行い、T−ダイ法では、冷却ロール
温度によりへーズと密度との調整を行う。また、LLD
PE樹脂に低密度ポリエチレン樹脂を5ないし15%ブ
レンドして結晶化を抑制したり、酸化アルミニウムや酸
化マグネシウムなどの金属酸化物、水酸化物、顔料等の
核剤を0.1ないし0.5%程度添加して、結晶を微細
化することによってもへーズの調整が可能となる。
【0028】LLDPE樹脂は、強靭なフィルムである
が、べたついたり、滑りが悪い場合は、容器同士やケー
スとの接触で製造ライン工程や運搬中等にラベル表面傷
や破れが発生する。しかし、請求項1または請求項2に
規定した樹脂に、高級脂肪酸、高級脂肪酸アマイド、高
級脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪族アルコールの
一種もしくは二種以上の滑剤を0.01ないし0.10
重量%、好ましくは、厚さが、0.06mm以上のフィ
ルムについては、0.01ないし0.06重量%添加す
ることにより、適度な滑り性とインキ接着強度、ラベル
接合強度が得られ、結果として、耐傷性に優れると共
に、破れが生じにくくなる。
【0029】滑剤が0.10重量%を超える場合は、滑
剤のブリードアウトにより、印刷インキの接着不良、ラ
ベル接合不良等を引き起こし易い。また、必要に応じ
て、シリカやタルク等の無機系のアンチブロッキング剤
を0.05ないし1%添加することができるが、この場
合は、異物感の発生やクリアー性の低下があるため、透
明性、美麗性の点で好ましくなく、添加量は可及的に少
ない方が良い。このように調整されたフィルムは、スト
レッチ性、耐熱性、印刷適正に優れ、強靭で、破れにく
く、表面に傷がつきにくい、容器装着用のストレッチラ
ベル用フィルムとして適当なものとなる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ストレッチ性、耐熱
性、強靭性、印刷適性に優れると共に、表面に傷が付き
にくく、しかもべたつきの少ない容器装着用のストレッ
チラベル用フィルムを提供できる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明す
る。この実施例は、本発明の好適な態様を開示するため
のものであり、これによって本発明が限定されるもので
はない。
【0032】<実施例1> 密度0.910、ビカット軟化点93℃のLLDPEに
滑剤として高級脂肪酸アマイド0.04%、シリカ系ア
ンチブロッキング剤を0.4%を添加し、空冷インフレ
ーション法にて、厚さ0.12mmのフィルムを成形
し、片面にコロナ放電処理を施した。特に冷却エアーの
調節は行わず、常温冷却加工を行い、へーズ値を11%
とした。このフィルムのコロナ放電処理表面に、グラビ
ア印刷を行い、非印刷面のフィルム端部縦方向にコロナ
放電処理を行い、その部分に接着剤をコーチングし片側
の端部と接合し、ラベル内面が印刷面となるように、周
長285mm長さの筒状フィルムとし、縦方向110m
m長さにカットしたものを周長295mmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)製ボトルに機械的に25%
引伸して装着した。
【0033】実施例2ないし4 表1に示すフィルムを用いて実施例1と同様にしてスト
レッチラベルとした。
【0034】比較例1ないし10 表1に示すフィルムを用いて実施例1と同様にしてスト
レッチラベルとした。
【0035】
【表1】
【0036】(注)インフレーション加工はすべて空冷
であり、常温の場合は、20ないし30℃、急冷の場合
は、10ないし15℃のエアーを使用した。T−ダイ加
工の急冷の場合は、冷却ロールの温度を30℃とし、徐
冷の場合は、75℃とした。また、滑剤としては、高級
脂肪酸アマイドを使用し、アンチブロッキング剤として
は、シリカ系のものを使用した。 *1 ラベルがボトルにしっかりと密着し、ボトルの内
圧変化に対し、ラベルのゆがみがないかどうかを調べ
た。○は、しっかり密着し、ラベルにゆがみが見られな
い、×は、ラベルにゆがみが見られることを示す。比較
例6〜8では微小のインキ割れが生じた。 *2 ○は、へーズが15%以下で、フィルム表面や内
部に異物感が無く、クリアーなもの、△は、フィルムに
異物感があり、クリアーでないもの、×は、へーズが1
5%以上で、透明感、クリアー性がないものを示す。 *3 ○は、印刷面にセロハンテープを貼ってそれを剥
した時に、フィルムからインキの剥がれがなく、ラベル
接合部が手で簡単に剥がせないもの、△は、ラベル接合
部が、フィルムが伸びた状態ではがせたもの、×は、印
刷面にセロハンテープを貼ってそれを剥した時にフィル
ムからインキの剥がれが有り、ラベル接合部が手で簡単
に剥がせたものを示す。 *4 炭酸飲料入りのラベル装着済PETボトル14本
をプラスチックケースに入れ、トラック輸送を行い、ラ
ベルの表面傷、破れの状況を調べた。○は、ほとんど傷
が見られないか、程度の小さな擦れ傷のみが含まれてい
るもの、△は、程度の大きい擦れ傷が含まれるもの、×
は、破れを伴うものが含まれているものを示す。 *5 炭酸飲料入りのラベル装着済PETボトルを70
℃の温水に30分間浸漬し、水で冷却した後、ラベルの
外観を調べた。○は、外観不良が見られなかったもの、
×は、ラベル全体にシワが見られたものを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)はストレッチラベル用フィルムを示す斜視図、
(B)はフィルムが容器に装着される直前の状態を示す
斜視図、(C)はフィルムが容器に装着された状態を示
す斜視図である。
【図2】本発明に係るフィルムの応力及びひずみを軸と
するヒステリシス曲線である。
【符号の説明】
10 フィルム 12 容器 14 外周面 16 容器本体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状で少なくとも一方の面に印刷が施さ
    れたストレッチラベル用フィルムにおいて、 縦方向長さが15mm、横方向長さが100mmのフィ
    ルムを横方向に300mm/分で変形させた場合の歪が
    横方向長さの25%のときの、フィルムに対する応力及
    び歪を軸とするヒステリシス曲線における応力が0とな
    った瞬間の歪が10%以下、永久歪が1.5%以下、ヘ
    ーズ値(JIS K7105による)が5ないし15
    %、厚さが0.04ないし0.25mmの範囲であり、 前記フィルムを溶融押出し成形するために使用する樹脂
    が、密度0.905ないし0.940g/cm3 (JI
    S K 7112による)でビカット軟化点が80℃以
    上(JIS K 7206による)の直鎖状低密度ポリ
    エチレンを50重量%以上含むポリオレフィン樹脂であ
    り、溶融押出し成形された後でアニーリングを行わない
    状態でのフィルム密度が0.910ないし0.935g
    /cm3(JIS K 7112による)であることを
    特徴とするストレッチラベル用フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムを溶融押出し成形するために使
    用する樹脂が、密度0.905ないし0.940g/c
    3 (JIS K 7112による)でビカット軟化点
    が80℃以上(JIS K 7206による)の直鎖状
    低密度ポリエチレンを50ないし95重量%、エチレン
    −α−オレフィン共重合樹脂を5ないし50重量%含む
    ポリオレフィン樹脂組成物である請求項1記載のストレ
    ッチラベル用フィルム。
  3. 【請求項3】 印刷が施される面にコロナ放電処理が施
    される請求項1または2記載のストレッチラベル用フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 滑剤として、高級脂肪酸、高級脂肪酸ア
    マイド、高級脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪族ア
    ルコールからなる群より選ばれた一種もしくは二種以上
    を0.01ないし0.10重量%配合する請求項1ない
    し3のいずれか1項記載のストレッチラベル用フィル
    ム。
JP2783194A 1994-02-25 1994-02-25 ストレッチラベル用フィルム Expired - Lifetime JP2802223B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2783194A JP2802223B2 (ja) 1994-02-25 1994-02-25 ストレッチラベル用フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2783194A JP2802223B2 (ja) 1994-02-25 1994-02-25 ストレッチラベル用フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07234638A JPH07234638A (ja) 1995-09-05
JP2802223B2 true JP2802223B2 (ja) 1998-09-24

Family

ID=12231891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2783194A Expired - Lifetime JP2802223B2 (ja) 1994-02-25 1994-02-25 ストレッチラベル用フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2802223B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7092473B2 (ja) * 2017-08-14 2022-06-28 株式会社フジシール シュリンクラベル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07234638A (ja) 1995-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5286829B2 (ja) ラベル
EP1024162A2 (en) Heat shrinkable polyester film
JP5351007B2 (ja) ポリ乳酸系熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び該成形品を用いた、又は該ラベルを装着した容器
WO2008018528A1 (fr) Emballage
JP4632866B2 (ja) 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器
JP5551002B2 (ja) 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品を用いた、又は該ラベルを装着した容器
JP2802223B2 (ja) ストレッチラベル用フィルム
JP2802230B2 (ja) ストレッチラベル用フィルム
JP2802225B2 (ja) ストレッチラベル用フィルム
JP2022063244A (ja) 熱収縮性フィルム、包装資材、成形品または容器
WO2014141820A1 (ja) 多層シュリンクフィルム
TW592957B (en) Film for stretch label
JP4655703B2 (ja) 易剥離性フィルムおよび蓋材
TW200829483A (en) Packaging body
JP2022062054A (ja) 熱収縮性ラベル用溶剤組成物、および熱収縮性ラベルの製造方法
JP2005007610A (ja) 生分解性多層熱収縮性フィルム及び包装体
TWI304195B (ja)
JP3065678B2 (ja) 熱収縮性多層バリアフィルム及びその製造方法
JPH0132248B2 (ja)
JP2005281561A (ja) 粘着フィルム及びそれを用いたラベル類
JP4504674B2 (ja) 環状オレフィン系熱収縮性フィルム
JP2007144906A (ja) 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び容器
JP2000098900A (ja) ラベル用ポリエチレンフィルム及びポリエチレンラベル
JP5700605B2 (ja) 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品を用いた、または該ラベルを装着した容器
JP2005014428A (ja) 熱収縮性ポリオレフィン系積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980623

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080710

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110710

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130710

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term