JP2725557B2 - 薬液注入器具 - Google Patents

薬液注入器具

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JP2725557B2
JP2725557B2 JP5179888A JP17988893A JP2725557B2 JP 2725557 B2 JP2725557 B2 JP 2725557B2 JP 5179888 A JP5179888 A JP 5179888A JP 17988893 A JP17988893 A JP 17988893A JP 2725557 B2 JP2725557 B2 JP 2725557B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定量の薬液を体内に注
入するための薬液注入器具に関し、更に詳しくは、バル
−ン内に加圧状態で貯蔵された薬液を、一定速度で患者
に注入することができる薬液注入器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッグ内に収容された薬液を人体
に注入する際には、ベッドに横たわった患者に、ヘッド
差を利用してロ−ラクランプで薬液注入速度を調節しな
がら行ってきた。近年、抗生物質、抗ガン剤、麻酔剤等
の薬液を血管、膀胱等に10時間以上かけて少しずつ注入
する必要がでてき、歩行携帯型の輸液セットの開発が要
請されてきた。かかる要請に応えた輸液セットとして、
弾性材料からなるバル−ンに薬液を収納し、バル−ンの
収縮力を利用して薬液を人体に持続注入する器具(特開
平4-67873号公報)が知られている。該公報に記載され
た輸液セットを図6および図7に示す。図6は該輸液セ
ットの全体説明図であって、穿刺針がハウジングの栓体
に穿刺していない状態を示しており、図7は図6に示す
ハウジングのバル−ンに薬液を充填した時の状態を示す
拡大断面図である。図6および図7の輸液セットは、バ
ル−ン42を収納するハウジング43からなるバル−ン部e
と、薬液の流量を調節するための流量制御部44を有する
薬液流通チュ−ブ部fとからなっている。バル−ン42は
図7に示す棒状内軸45と、該内軸45に滑動自在に外装さ
れてなる円筒状外軸46と、前記内軸45の一端であって外
軸46が外装される側と反対側の端部に内軸と一体に形成
された内軸受け47と、前記内軸45および外軸46を被覆す
るようにこれら両軸の外部に設けられ、その一端が内軸
45に密着固定され、他端が外軸46に密着固定された弾性
材料製バル−ン42とからなっている。またハウジング43
の一端には薬液流出入部であるアダプタ−48が形成さ
れ、内軸45の内部を介して薬液通路51と連通している。
薬液通路51の端部には栓体49が設置され、バル−ン42内
部への薬液流入時には注射針50で薬液を注入し、バル−
ン42からの薬液流出時には図6の注射針50が栓体49を穿
刺することによって、薬液は薬液流通チュ−ブ部f端部
の接続具52に設けられた穿刺針(図示せず)から人体に
注入される構造をしている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】かかる輸液セットは、
バル−ンが大きな変形をしないで一定圧力で薬液を流出
させるために、バル−ン内部に内軸と外軸を設けバル−
ンが長軸方向の中心軸に沿って変形するようにし、更に
バル−ン内部の端部に内軸受けを設けることによってバ
ル−ンがハウジングの内壁に沿って変形する構造をして
いる。しかしながら、かかる輸液セットはバル−ン内部
にかかる機構を設けているためにハウジングの小型化が
自ずから限定され、患者が携行しながら薬液を注入する
際に問題があった。また、この輸液セットは薬液流通チ
ュ−ブの端部に設置された穿刺針をバル−ンと接続して
薬液を人体に注入する機構であるので、バル−ンと薬液
流通チュ−ブとを別々に管理するために、衛生上だけで
なく人体への薬液注入速度の調節でも困難があった。更
に、この輸液セットはバル−ンの内圧だけで薬液を流出
させるので、バル−ン内の薬液が少なくなると、バル−
ン内圧が低下したとき薬液の流出速度が低下する問題が
あった。かかる問題を解決したものとして、特開昭62-4
9863号公報に注入剤袋とガスプラグとが収容された剛性
ケ−スのガスプラグにガスを注入することによって注入
剤袋を押圧し、袋に入っている注入剤をチュ−ブを通っ
て患者に注入する注入装置が紹介されている。しかし、
この装置は加圧ガス源であるカ−トリッジを設けなけれ
ばならないために、ベッドに横たわりながら薬液を注入
するには問題ないが、健康人と同じように剛性ケ−スを
歩行携行しながら薬液を人体に注入するには装置が大き
すぎて使用しにくい欠点があった。本発明者等はかかる
課題を解決するために鋭意研究した結果、薬液を充填し
たバル−ンの圧力よりも高い圧力をバル−ンに加える機
構としてバネを使用し、バル−ンをコンパクトにハウジ
ングに収容することによって歩行携行しながら薬液を人
体に注入できる薬液注入器具を見出し本発明に到達し
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は加圧
状態で薬液を貯蔵し、かつ薬液を流入させるための薬液
流入口と薬液を流出させるための薬液流出口とを有する
扁平形状をしたバル−ンと、該薬液流出口から延びた薬
液流通チュ−ブに設けられた薬液を流通または閉止する
ための開閉具、薬液注入速度を制御するための流量制御
部、および注射針またはカテ−テルと接続するための接
続具とからなる薬液セットにおいて、ハウジングは、バ
ネとバル−ンを押圧するための押圧部材とが収容された
上蓋部と、薬液が貯蔵されたバル−ンを収容し該バル−
ンの薬液流出口から延びた薬液流通チュ−ブが側壁に形
成された孔に挿入されて外部に延びてなる下蓋部とから
なり、前記上蓋部と前記下蓋部の開口に形成された雌ネ
ジと雄ネジとを螺合することによって、バネが収縮して
バル−ンを外部から押圧して、バル−ン内部の薬液を人
体に注入する薬液注入器具である。
【0005】また、本発明は前記薬液注入器具におい
て、開閉具が破断部材または三方活栓からなる薬液注入
器具である。更に、本発明は前記薬液注入器具におい
て、バル−ン材料が弾性ゴムまたは熱可塑性樹脂からな
る薬液注入器具である。
【0006】
【作用】本発明薬液注入器具は、バル−ンの薬液流入口
からバル−ン内に薬液を充填することによってバル−ン
内を加圧状態にした後、バル−ンを下蓋部に設置しバル
−ンから延びた薬液流通チュ−ブを下蓋部側壁の孔に挿
入する。次いで、薬液流通チュ−ブに設置された開閉具
を開き、バル−ン内の薬液を薬液流通チュ−ブに流出さ
せるとともに、上蓋部開口の雌ネジと下蓋部開口の雄ネ
ジを螺合することによって、上蓋部に収容されているバ
ネが押圧部材を介してバル−ンを外部から押圧する。バ
ル−ン内の薬液はバル−ンの薬液流出口から薬液流通チ
ュ−ブ内へ流れ、流量制御部によって人体への注入速度
が一定に制御されながら、接続具に接続された穿刺針ま
たはカテ−テルから患者に薬液が注入される。
【0007】
【実施例】以下実施例で本発明の薬液注入器具の一例を
説明する。図1は本発明で使用される輸液セットの一実
施例の説明図、図2は図1のバル−ンに薬液を充填した
ときのバル−ン部の拡大断面図、図3は流量制御部の薬
液上流側チュ−ブに定量弁を配設した流量制御部付近の
説明図、図4は本発明の薬液注入器具のハウジングの拡
大断面図、図5は特開平4-67873号公報に記載されてい
る輸液セットの全体説明図、図6は図5に示すハウジン
グのバル−ンに薬液を充填した時の状態を示す拡大断面
図である。
【0008】図中、aはバル−ン部、bは薬液流通チュ
−ブ部、1はバル−ン、2はハウジング、3は薬液流出
口、4は薬液流入口、5は流量制御部、6は破断部材、
7は薬液流通チュ−ブ、8は接続具、9はバネ、10は定
量弁、11は開閉具、12は押圧部材、37はフイルタ−、30
はオリフイス体、31は弁孔、32は筒状体、33は栓体、34
は雌型螺子部、35は雄型螺子部、36はキャップ体を示
す。
【0009】図1は本発明で使用する輸液セットの一実
施例の説明図であって、輸液セットはバル−ン部aと薬
液流通チュ−ブbとから構成されている。バル−ン部a
は図2に示すように薬液が収容されて加圧状態になった
扁平形状のバル−ン1の相対する辺に、夫々薬液流出口
3と薬液流入口4とが形成されている。薬液流入口4は
内腔にゴム状弾性体からなる薬液流入用栓体15が設けら
れてなり、薬液を収納した注射器の穿刺針で刺通して薬
液をバル−ン1内に注入させる。薬液流入用栓体15とし
ては、シリコンゴム、ブチルゴム等の合成ゴム、天然ゴ
ム等が挙げられ、穿刺針の耐刺通性がよく、加圧状態の
バル−ン内の薬液の漏洩を防止するものがよい。バル−
ン1は扁平形状をしており、図4に示すバネ9がバル−
ンの扁平面を押圧してバル−ン内の薬液全体を加圧する
ことができる。バル−ン1は、患者への薬液注入量、注
入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚のものを用いる
ことができ、本発明においては特に限定されるものでな
い。
【0010】薬液流出口3は薬液流入口4が設置された
バッグの辺と相対する位置に設置されるのが好ましく、
可撓性チュ−ブ16からなりたっており、バル−ン1の縁
部と接着剤またはヒ−トシ−ルで接着されている。可撓
性チュ−ブ16内には、脆弱箇所17を有する剛直な破断部
材6が挿入されており、バル−ン1内の薬液が薬液流通
チュ−ブ7へ流出するのを防止している。破断部材6
は、例えば図2に示すように、中空の円筒部18、脆弱箇
所17および少なくとも2の長手方向の溝を有する円柱部
19からなっている。円柱部19の外径は可撓性チュ−ブ16
の内径より小さく、薬液が円柱部19の外壁と可撓性チュ
−ブ16の内壁との隙間から流れるようになっている。バ
ル−ン内の薬液は円筒部18まで流入しているが、脆弱箇
所17を介して円筒部18の内腔を閉鎖している円柱部19に
よって薬液の流れは閉鎖されている。破断部材6を破断
するには、人手で可撓性チュ−ブ16の外側から脆弱箇所
17を折り曲げて、円柱部19を円筒部18から引き離す。円
柱部19は可撓性チュ−ブ16の内腔に内挿されている薬液
流通チュ−ブ7の基端20で停止する。円柱部19の外壁に
は途中から少なくとも2の長手方向に延びた溝が形成さ
れているので、薬液はそれらの溝から薬液流通チュ−ブ
7へ流出する。図2では破断部材6で開閉具11を説明し
たが、開閉具11としては三方活栓も使用することができ
る。
【0011】バル−ン1の材料としては弾性ゴムまたは
熱可塑性樹脂が挙げられる。弾性ゴムとしてはシリコ−
ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジェンゴ
ム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、
スチレンブタジェンゴム、ペルプレン、クレイトンゴム
などの弾性重合体または天然ゴム、これらの重合体混合
物、またはこれらの物質の添加剤を除去したのち人体に
無害の酸化防止剤を添加した加工物質、またはラミネ−
ト等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリアミド等の未延伸、1軸延伸または2軸延伸
フイルムが挙げられる。
【0012】図1において、薬液流通チュ−ブ部bはバ
ル−ン1の薬液流出口3または薬液流通チュ−ブ7の基
端に設置された開閉具11、薬液量を制御するための流量
制御部5、薬液流通チュ−ブ7および接続具8とで構成
されており、バル−ン1から流出した薬液は流量制御部
5を経て接続具8に接続された穿刺針またはカテ−テル
から人体に注入される。流量制御部5は薬液の流量を制
御する箇所であり、例えば図3に示すような内径10〜 5
00μの微細内径のパイプを設置すると、バル−ン1内の
薬液の流出速度が遅くなり、人体への薬液注入時間を長
くすることができる。パイプの長さは1cm以上で外径は
内径の5〜 500倍の大きさである。パイプの長さが30mm
を越えると、図3に示すような捲縮構造をした微細内径
パイプ25を収納したケ−ス26を使用すると薬液流通チュ
−ブ7の長さが短くなって好ましい。流量制御部5とし
ては、本出願人が既に出願した特開平2-11160 号公報あ
るいは特開平3-140163号公報に記載された金属製パイ
プ、合成樹脂製パイプ、ガラス製パイプなども用いられ
ることができる。
【0013】流量制御部5は薬液流通チュ−ブ7の任意
の位置に設置されうるが、接続具8から離れた位置に設
置されるのが操作上好ましい。流量制御部5からその下
流に位置する接続具8までの薬液下流側チュ−ブdは、
その内径が流量制御部5からその上流に位置する薬液流
出口3方向へ延びた薬液上流側チュ−ブcの内径に比較
して小さい。薬液下流側チュ−ブdの内径は薬液上流側
チュ−ブcの内径に対して15%〜85%、好ましくは30%
〜70%である。薬液上流側チュ−ブcと薬液下流側チュ
−ブdの内径の比率は、薬液下流側チュ−ブdの長さに
よっても異なる。開閉具11と流量制御部5との間には、
バル−ン1内の薬液に含有されている微小物質を除去す
るためのフイルタ−が設けられていてもよい。フイルタ
−は流量制御部5の先端部に設置されるのが好ましく、
繊維状物、焼結物等が使用される。薬液流通チュ−ブ7
としては、軟質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ
エステルなどが挙げられ、その先端にはルア−テ−パ−
状の接続具8が設けられ、接続具8を介して静脈針やP
SVセット、カテ−テルなどが接続される。接続具8に
は静脈圧などにより薬液が逆流するのを防止するための
逆止弁(表示せず)を装備してもよい。
【0014】図3は流量制御部5の薬液上流側に定量弁
10を設けた流量制御部5付近の説明図である。流量制御
部5の薬液上流側入口に定量弁10を設けることによっ
て、流量制御部5に流入する薬液量をほぼ一定にするこ
とができるので、更に正確に流量を制御することができ
る。図3の定量弁10は一例であるが、変形可能なゴム状
弾性体からなるオリフイス体30を固着する筒状体32の薬
液上流側に栓体33、薬液下流側にキャップ体36が装着さ
れており、オリフイス体30の弁孔31の前後で、その同軸
方向に薬液チュ−ブ38、39、薬液通路40、41が配設され
た構造をしている。オリフイス体30は薬液上流側から薬
液下流側に通じる弁孔31を有し、該弁孔31は弁孔入口か
ら入った途中で内径が最小になり、該最小位置から薬液
下流側に行くに従って次第に内径が大きくなった形状を
している。弁孔31の内径は所望する薬液流出速度によっ
て随意変更できる。オリフイス体30は筒状体32の内壁に
固着される。筒状体32の薬液流入側の内壁には雌型螺子
部34が形成され、栓体33の雄型螺子部35と螺合し、栓体
33を回転させることによってオリフイス体30を押圧し、
弁孔31の内径を調整する。弁孔31と薬液上流側チュ−ブ
cとの間には、バル−ン1内の薬液に含有されている微
小物質を除去するためのフイルタ−37が設けられていて
もよい。フイルタ−37は薬液上流側チュ−ブcの先端部
に設置されるのが好ましい。
【0015】栓体33はオリフイス体30の弁孔31の入口と
連通するための薬液上流側通路40と、該薬液上流側通路
40と連結した薬液上流側チュ−ブcが装着されており、
栓体33の先端部はオリフイス体30と接し、薬液上流側通
路40の出口とオリフイス体30の弁孔31の入口とは同軸方
向に連通している。栓体33の先端側面部には筒状体32の
雌型螺子部34と螺合する雄型螺子部35が形成されてお
り、栓体33を回転させることによって雄型螺子部35が雌
型螺子部34を移動してオリフイス体30の弁孔31の内径の
大きさを調整し薬液の流出速度を調節する。キャップ体
36はオリフイス体30の弁孔31の出口と連通するための薬
液下流側通路41と、該薬液下流側通路41と連結した薬液
下流側チュ−ブdが配設されている。キャップ体36の一
端はオリフイス体30と接し、筒状体32の内腔に嵌着さ
れ、薬液下流側通路41の入口とオリフイス体30の弁孔31
の出口とは同軸方向に連通している。
【0016】図3の定量弁10において、オリフイス体30
のほぼ中央部には弁孔31が形成され、栓体33を回転させ
ることによって栓体33の先端はゴム状弾性体からなるオ
リフイス体30の環状足部を押圧し、弁孔31の内径が僅か
に変化して薬液流出速度が設定される。弁孔31は弁孔入
口から入った途中で内径が最小になり、該最小位置から
薬液下流側に行くに従って次第に内径が大きくなった形
状をしている。かかる状態で薬液上流側チュ−ブcから
薬液上流側通路40を経て供給された薬液は、オリフイス
体31の入口に形成された凹状空間部を経て弁孔31の入口
に達し、その入口に与える圧力によって弁孔31の内径の
最小位置が微妙に変化する。その結果、常時弁孔31の出
口から流出する薬液の圧力はほぼ一定に保たれる。
【0017】オリフイス体30は変形可能なゴム状弾性体
からなる。ゴム状弾性体の材料としてはスチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、オレフイン系ゴム、フッ
ソ系ゴム、シリコ−ンゴム、ウレタンゴム、クレイトン
ゴム、ペルプレンなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げ
られる。弾性体の硬度はJIS-A 型によるスプリング式硬
さ試験機で測定した硬度が25〜70度、好ましくは35〜60
度である。硬度が25度未満であると、オリフイス体30が
薬液の圧力によって簡単に変形しすぎる傾向があり、弁
孔31の内径の調整が困難であり、硬度が70度を越えると
僅かの薬液流出圧力の変化に対してオリフイス体30が反
応せず、弁孔31の内径が変化しない傾向がある。弁孔31
の内径は所望する薬液流出速度によって任意に変更可能
であるが、通常は 100〜1000μが好ましい。
【0018】図4は本発明薬液注入器具のハウジングの
拡大断面図である。ハウジングは上蓋部55と下蓋部56と
からなり、下蓋部56に輸液セットのバル−ン1を設置
し、下蓋部56の側壁に形成された挿入孔57に可撓性チュ
−ブ16が挿入されて薬液流通チュ−ブ部bが下蓋部56の
外部に配置される。薬液を人体に注入するときには、上
蓋部55と下蓋部56とはそれぞれの開口に設けられた雄ネ
ジと雌ネジとで螺合して閉じられた状態になっている。
上蓋部55にはバネ9とバル−ン1を押圧するための押圧
部材12とが収容されている。該バネ9の基端は上蓋部55
の内壁の係止部62で固定され、バネ9の他端は押圧部材
12の内壁の係止部63で固定されている。図4の薬液注入
器具の使用方法は、予め薬液が充填されたバル−ン1を
下蓋部56に設置し、破断部材16を破断することによって
図1の薬液流通チュ−ブ7内に薬液が流出する。次い
で、上蓋部55と下蓋部56とを螺合することによって、上
蓋部55と下蓋部56とが閉じられ、バネ9が押圧部材12を
介して薬液が充填されたバル−ン1を押圧し、薬液は薬
液流通チュ−ブ7から流量制御部5および接続具8を経
て人体に注入される。図4においては、バネ9としてコ
イルバネが使用されているが、他に引張または押す力が
一定である定荷重バネも使用することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明薬液注入器具は薬液をバル−ン内
に充填して膨張したバル−ンの収縮力を利用するので、
薬液注入器具を人体に携帯し歩行しながらでも人体に薬
液を注入することができる。また、本発明薬液注入器具
は薬液を充填したバル−ンの外側から、該バル−ンの収
縮力より大きいバネ機構でバル−ンを押圧することによ
ってバル−ン内の薬液を患者に注入する機構であるの
で、ハウジング内のバル−ンの操作機構を従来の薬液注
入器具より簡略化するとともに、バル−ン内の薬液を殆
ど最後まで一定流出速度で患者に注入することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される輸液セットの一実施例の説
明図
【図2】図1のバル−ンに薬液を充填したときのバル−
ン部の拡大断面図
【図3】流量制御部の薬液上流側チュ−ブに定量弁を配
設した流量制御部付近の説明図
【図4】本発明の薬液注入器具のハウジングの拡大断面
【図5】特開平4-67873号公報に記載されている輸液セ
ットの全体説明図
【図6】図5に示すハウジングのバル−ンに薬液5を充
填した時の状態を示す拡大断面図
【符号の説明】
a バル−ン部 b 薬液流通チュ−ブ部 1 バル−ン 2 ハウジング 3 薬液流出口 4 薬液流入口 5 流量制御部 6、16 破断部材 7 薬液流通チュ−ブ 8 接続具 9 バネ 10 定量弁 11 開閉具 12 押圧部材

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ薬液を流
    入させるための薬液流入口と薬液を流出させるための薬
    液流出口とを有する扁平形状をしたバル−ンと、該薬液
    流出口から延びた薬液流通チュ−ブに設けられた薬液を
    流通または閉止するための開閉具、薬液注入速度を制御
    するための流量制御部、および注射針またはカテ−テル
    と接続するための接続具とからなる薬液セットにおい
    て、ハウジングは、バネとバル−ンを押圧するための押
    圧部材とが収容された上蓋部と、薬液が貯蔵されたバル
    −ンを収容し該バル−ンの薬液流出口から延びた薬液流
    通チュ−ブが側壁に形成された孔に挿入されて外部に延
    びてなる下蓋部とからなり、前記上蓋部と前記下蓋部の
    開口に形成された雌ネジと雄ネジとを螺合することによ
    って、バネが収縮してバル−ンを外部から押圧すること
    を特徴とする薬液注入器具。
  2. 【請求項2】 開閉具が破断部材または三方活栓からな
    る請求項1記載の薬液注入器具。
  3. 【請求項3】 バル−ン材料が弾性ゴムまたは熱可塑性
    樹脂からなる請求項1または2記載の薬液注入器具。
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