JP2658463B2 - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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JP2658463B2 JP1341018A JP34101889A JP2658463B2 JP 2658463 B2 JP2658463 B2 JP 2658463B2 JP 1341018 A JP1341018 A JP 1341018A JP 34101889 A JP34101889 A JP 34101889A JP 2658463 B2 JP2658463 B2 JP 2658463B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動演奏装置に係り、更に詳しくは、演奏
者に実際に演奏操作をさせながら自動演奏用の演奏情報
を入力させ、その演奏情報を再生して自動演奏を行う自
動演奏装置に関する。
〔従来の技術〕
楽器を自動演奏させるための自動演奏装置において、
演奏音符データを入力する場合、大別して2通りの入力
の仕方がある。1つは、コンピュータ、シーケンサ等に
直接、音譜情報を符号化した音符データをキーボード等
を用いて入力していくもの、もう1つは、演奏者が直接
楽器を演奏しMIDI等のインターフェースを通じてデジタ
ルの音符情報に展開し、その情報をシーケンサ等に蓄積
するものである。前者は楽譜から正確に音符情報が生成
されるので音符に忠実であるが、演奏タイミング等に関
する演奏者の個人性は全く無視される。それに対し後者
は、演奏者の演奏した通りに音符情報が蓄積されるので
それを再生したとき、演奏者の個人性がそのまま再現さ
れる。後者において、例えば1人又は複数の演奏者が、
異なる楽譜パートを別々に演奏して自動演奏用の音符情
報を作成し、それらを合成(シーケンサ等の機能として
一般に実現される)してアンサンブルで自動演奏を行わ
せるような場合においては、各演奏間のリズムを同期さ
せる必要があり、そのために従来、一般的にはメトロノ
ーム等の拍子にあわせて演奏を行わせている。すなわ
ち、演奏者がヘッドホン等によりメトロノーム等の拍子
信号を聴きながらその拍子に合わせて演奏を行っていく
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述のように演奏者がメトロノーム等に合わ
せて演奏を行う場合、メトロノーム等の拍子は機械的な
ものであり、常に一定間隔で拍子が刻まれているため、
演奏者のテンポとの間にずれを生じることが多い。ま
た、演奏者が無理にメトロノームに合わせて演奏を行お
うとするために演奏がぎこちなくなるという問題点を生
ずる。
本発明の課題は、演奏者自身が自分自身のテンポで拍
子をとりながら演奏を行い、その演奏データを基に演奏
者の個人性を保存するように音符データを正規化して、
自動演奏をできるようにすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、楽音発生手段に演奏データを順次出力する
ことにより楽音発生手段に自動演奏を行わせる自動演奏
装置を前提とする。例えば自動演奏データの記録再生の
みを行う専用のシーケンサである。或いは、楽音発生手
段自身を内蔵した自動演奏機能付の電子楽器であっても
よい。
そして、まず、演奏者に演奏操作を行わせ、該演奏操
作に基づく演奏データを出力する演奏操作手段を有す
る。同手段は、例えば鍵盤である。同手段は、MIDI等を
介して外部に接続されるキーボード等の鍵盤等であって
もよい。
次に、演奏者に演奏操作と共に拍子タイミングを入力
させ、該入力操作に基づく拍子タイミングデータを出力
する拍子タイミング入力手段を有する。同手段は、例え
ば演奏者に4分音符の拍子で各拍子タイミングで足を入
力させるフットスイッチである。なお、勿論、拍子は2
分音符、8分音符又は16分音符等であってもよい。
続いて、演奏データ及び拍子タイミングデータを記憶
する記憶手段を有する。同手段は、例えばRAM等であ
る。
加えて、演奏者の演奏操作に基づいて演奏操作手段及
び拍子タイミング入力手段から順次出力される演奏デー
タ及び拍子タイミングデータの入力タイミングを示す時
間データを生成し、該演奏データ及び拍子タイミングデ
ータと共に記憶手段に書き込む書込手段を有する。同手
段は、例えば前回の演奏データ又は拍子タイミングデー
タの入力時点から今回の同データの入力時点までのタイ
ミングを計測するタイマー回路を有し、その出力として
時間データを生成する。
更に、記憶手段に記憶されている時間的に隣り合う各
拍子タイミングデータによって定まる各区間の時間が相
互に等しくなるように、記憶手段に記憶されている各時
間データを正規化して書き換える時間データ書き換え手
段を有する。同手段は、例えば各拍子タイミングデータ
によって定まる例えば4分音符の各拍子区間の実時間を
計算する第1の実時間計算部を有する。また、同計算部
で求まった例えば4分音符の各拍子区間の実時間から、
例えば96分音符の実時間を計算する第2の実時間計算部
を有する。更に、各拍子区間内の各時間データの時間値
が、第2の実時間計算部で求まった例えば96分音符の実
時間の何倍になるかを計算し、その計算結果で前記時間
データを書き換える書き換え部を有する。
そして、上述の書き換え動作の後に、記憶手段に記憶
されている各時間データに基づくタイミングで、記憶手
段から各演算データを順次読み出して楽音発生手段に出
入する演奏再生手段を有する。同手段は、例えば記憶手
段の各アドレスから或る演奏データが読み出されたらそ
れを楽音発生手段に出力し、それに続いて時間データが
読み出されたらその時間データ分だけ例えばタイマー回
路でタイミングをとり、そのタイミングの後に次の演奏
データを読み出して楽音発生手段に出力する、という動
作を繰り返して、楽音発生手段に自動演奏を行わせる。
〔作用〕
演奏者は、演奏者自身のテンポをフットスイッチ等の
拍子タイミング入力手段でとりながら、演奏操作手段で
演奏操作を行える。従って、演奏者はメトロノーム等の
一定の拍子に無理に合わせて演奏を行う必要がなく、演
奏がぎこちなくなることもなくなる。
そして、演奏再生時に先立って、時間データ書き換え
手段が、時間的に隣り合う各拍子タイミングデータによ
って定まる各区間の時間が相互に等しくなるように、各
時間データを正規化して書き換える。すなわち、例えば
各区間が96音符を単位として24単位時間となるように正
規化される。しかも、各拍子区間においては、各区間内
の各時間データの相対的な時間データの比は保存したま
ま正規化が行われる。これにより、演奏者自身が1拍毎
のテンポを入力しつつ演奏を行うことにより、各拍子内
の時間データ間の相対的な時間関係は、演奏者の演奏し
た通りに保存され、しかも各拍子間のタイミングは正確
に均一化される。従って、演奏者の個人性を保存しつ
つ、演奏者間又は各演奏動作間のリズムのずれを解消す
ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例につき詳細に説明を行う。本実
施例は、自動演奏機能を有する電子楽器として実現され
る。なお、鍵盤等の演奏操作部及び楽音の発音動作を行
う楽音発生部が、MIDIインタフェースを介して外部に接
続され、自動演奏機能のみを有するシーケンサ等として
実現されてもよい。
第1図は、本発明の実施例の全体構成図である。
まず、鍵盤部1は特には図示しない複数の鍵により構
成されており、演奏者は、この鍵盤部1より演奏データ
を入力する。該鍵盤部1には入力センス回路2が接続さ
れており、前記鍵盤部1の出力を基に押鍵、離鍵検出、
音符に対応するキーコード及び操作速度に対応するベロ
シティデータ等を出力する。
またこれとは別に、演奏者自身のテンポを演奏操作と
同時に入力するための構成を含む演奏情報入力部3があ
る。演奏情報入力部3は、演奏、録音、再生の3種類の
モードからなる演奏モードを選択するための演奏モード
切り替えスイッチ3aと、演奏時のテンポを入力するため
のフットスイッチ3bと、録音の終了または再生の中断を
行うためのスイッチ3c、録音時のテンポを演奏者が入力
するか、一定のテンポにするかを決定するテンポ選択ス
イッチ3dと、再生時のテンポ値を決定するテンポ決定ス
イッチ3e、3fとから構成される。
演奏情報入力部3の出力は演奏情報検出回路4に入力
される。演奏情報検出回路4は上述の3a〜3fの各スイッ
チの状態を検知しスイッチの種類に応じて、中央制御位
置5による制御に基づいて、後述する演奏情報記憶部7
と演奏データ記憶部8に検知データの蓄積を行う。
中央制御装置(CPU、以下同じ)5は、プログラム記
憶部6と、演奏情報記憶部7と、演奏データ記憶部8に
バスを介して接続されており、予めプログラム記憶部6
に蓄えられているプログラムに基づき各処理を行う。具
体的には演奏者により入力される演奏データを、入力セ
ンス回路2より抽出し、演奏データ記憶部8に蓄積する
と同時に、演奏情報入力部3のフットスイッチ3bから出
力されるテンポ情報を演奏情報検出回路4を経て演奏デ
ータ記憶部8に蓄積していく。また前記演奏情報入力部
3のスイッチ3a、3c〜3fから出力される各情報は、演奏
情報検出回路4を経て演奏情報記憶部7に随時記憶され
る。演奏情報記憶部7の内容は、例えば第2図のように
構成され、スイッチが押下されているときは図中のテー
ブル内に「1」が、押下されていないときは「0」が格
納される。CPU5は、演奏情報記憶部7に記憶された演奏
情報を常に監視しており、演奏情報の状態に応じて、必
要なプログラムをプログラム記憶部6より読み込みプロ
グラムの実行を行う。
また本実施例においては、演奏者のテンポをカウント
するタイマ部9と、演奏再生時のテンポ等を表示するLE
D表示部10と、演奏再生時のテンポを記憶するテンポ値
変換テーブル11が、バスを介してCPU5に接続される。
またさらに、本実施例においては、演奏データ記憶部
8に蓄積された演奏データに基づき、デジタル楽音信号
を生成する楽音発生回路12がバスを介してCPU5に接続さ
れ、同回路にデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変
換するD/Aコンバータ13、増幅器14及びスピーカ15が順
次接続され、楽音発生部を構成する。
以上の構成からなる第1図の電子楽器につき、各部の
詳細な構成を説明しつつ、動作を説明していく。
第3図は演奏者による演奏データの入力から、再生
(自動演奏)までの一連の実行手順を示している。
まず、演奏者によって演奏情報入力部3の演奏モード
切り替えスイッチ3aが録音モードを示す“rec"に、ま
た、テンポ選択スイッチ3dが演奏者自身がテンポを入力
するモードにセットされる(第3図M1)。
次に、演奏者がフットスイッチ3bを押下すると演奏開
始モードになる(第3図M2)。
演奏者は自らテンポをフットスイッチ3bより入力しつ
つ、鍵盤部1より楽音の入力を行う。上述のテンポ情報
と楽音情報はそれぞれ、入力センサ回路2と演奏情報検
出回路4を経て、随時演奏データ記憶部8に演奏データ
として蓄積される。この際演奏データ記憶部に蓄積され
る演奏データは、例えば第4図のようになる。最初のア
ドレスには初めてフットスイッチが押下され演奏開始状
態になったときstartイベントデータが書き込まれ、タ
イマー部9が動作を初める。その後、鍵盤部1もしくは
フットスイッチ3bより楽音情報もしくはテンポ情報が入
力される毎に対応したイベントデータ(キーオンイベン
ト、キーオフイベント、テンポイベント等)が書き込ま
れ、タイマー部9で計測された或るイベントと次のイベ
ントまでの時間が書き込まれる(以上、第3図M3)。
以上の動作が、演奏終了を示すスイッチ3cが押下され
るまで繰り返され、その時点で演奏データ記憶部8には
演奏終了を示すendイベントが書き込まれる(第4図参
照)。演奏者により演奏終了を示すスイッチ3cが押下さ
れると、その情報は演奏情報記憶部7に記憶され、中央
制御装置5は演奏情報記憶部7に記憶された情報を読み
取り、演奏データを演奏データ記憶部8に蓄積すること
を終了する(以上、第3図M4)。
続いてCPUは、演奏データ記憶部8に蓄積された音符
データのうち時間データのみを書き換える処理を実行す
る。この処理においては、演奏者が演奏時にフットスイ
ッチ3bより入力したテンポ信号に基づいて時間軸の正規
化が行われ、演奏データ記憶部8に記憶されている演奏
データのうち時間データのみが書き直されていくと同時
に、LED表示部10に時間データ書き換え中を示すLEDを点
灯する(以上、第3図M5)。
その後、演奏情報入力部3のスイッチ3e、3fにより再
生時の演奏テンポが入力されると、その信号に応じて中
央制御装置5はLED表示部10にテンポを表示し、その値
をテンポ値変換テーブル11に格納する(第3図M6)。
そして、演奏者が演奏モード切り替えスイッチ3aを自
動再生を示す“auto"にし、フットスイッチ3bを押下す
ることにより演奏テンポの正規化された演奏データが、
演奏データ記憶部8から順次読み出され、再生される
(第3図M7)。
次に、本発明に特に関連する第3図M5の時間データ書
き換えの処理につき、詳細に説明する。
第5図は、第3図M5の時間データ書き換え処理の詳細
な動作フローチャートであり、この制御はCPU5がプログ
ラム記憶部6のプログラムを実行することにより実現さ
れる。なお、以下の処理で使用される各変数データAD
R、Rs、Re、P、Q、T、X、Y、Zは、第1図の演奏
情報記憶部7内のワーク領域上の変数データとして確保
される。以下の説明では、各変数データには適宜機械的
な名称が付与されて説明される。
また、以下の処理では、第1図の演奏データ記憶部8
に第7図(a)に示されるような演奏データが記憶され
ている場合を例に説明する。第7図(a)の例では、E2
〜E6が各々鍵盤部1での演奏操作に基づくノートオンイ
ベント・ノートオフイベント等のデータであり、P4、P5
がフットスイッチ3bでのテンポ入力操作に基づくテンポ
イベントのデータである。そして、t1〜t6は、上述の各
イベントデータ間のタイミングを示す時間データであ
る。
第5図において、まず、S1でスイッチ3dの状態が検出
され、演奏者によるテンポ入力の状態にあるか否かが判
別される。演奏者によるテンポ入力の状態でなければ以
下の処理は行わず、第3図M5の時間データ書き換え処理
は実質的に実行されない。
逆に、演奏者によるテンポ入力の状態であるならば、
S2で初期状態の設定処理が行われる。ここでは、S21及
びS22で、次に処理すべき演奏データのアドレスADR及び
加算開始アドレスRsが共に1にセットされる。そして、
S23で後述するタイマー値Qの値が255に初期設定され、
更に、S24でLED表示部10に時間データ書き換え中を示す
LEDが点灯される。なお、S23でセットされるタイマー値
Qの値は0以外の値であれば何でもよい。この意味につ
いては後述する。
次に、S3においては、演奏データ記憶部8の記憶内容
において、特にフットスイッチ3bが押されたことを示す
テンポイベントに着目して、各テンポイベントから次の
テンポイベントまで(演奏開始時点ではstartイベント
から最初のテンポイベントまで)の実時間が計算され
る。
すなわち、まず、S31において累算時間データX(後
述する)が0にリセットされる。
次に、S32で演奏データ記憶部8のアドレスADRで示さ
れるアドレスの内容が読み出され、変数Yにセットされ
る。今、アドレスADRの内容は1であり(S21参照)、演
奏データ記憶部8上の奇数アドレスには第7図に示され
るように時間データ、偶数アドレスにはイベントデータ
が記憶されているため、変数Yには最初の時間データが
格納される。この変数Yに読み出された時間データは、
S33において累算時間データX(S31でリセットされてい
る)に累算される。
続いて、S34においてアドレスADRがインクリメントさ
れて偶数アドレスにされ、続くS35で演奏データ記憶部
8の偶数アドレスに格納されているイベントデータが変
数Zに読み込まれる。
このイベントデータがendイベント又はテンポイベン
トでない間は、S36の判別がNOとなり、S37でアドレスAD
Rが再び奇数アドレスにされ、再びS32が実行されて次の
時間情報が変数Yに読み込まれる、というようにしてS3
2〜S37の処理が繰り返される。
以上の処理の繰り返しの後、S35で変数Zにテンポイ
ベント又はendイベントが読み出され、S36の判定がYES
となった時点で、累算時間データXは、startイベント
又は前回のテンポイベントから次のテンポイベントまで
の実時間を示している。この実時間は、演奏者が1拍と
して入力した1区間の累算時間を示している。
第7図(a)の例では、まず、startイベントからテ
ンポイベントP4までの区間で、第5図S32〜S37の処理が
繰り返される。これにより、累算時間データXの値は、 X=t1+t2+t3 ……(1) となる。(第7図(b)参照)。
次に、S35で変数Zにテンポイベント或いはendイベン
トが読み出され、S36の判定がYESとなると、S4に進む。
S4において、変数Zの内容がendイベントでなくてテン
ポイベントであればS41の判定がYESとなり、S42に進
む。ここでは、累算時間データXで表される1拍の区間
において、96分音符が何秒になるかが計算される。本実
施例では、演奏者に対して4分音符を1拍としてフット
スイッチ3bを操作するように指定している。そして、4
分音符は96分音符の24個分であるため、96分音符の実時
間を計算するためには、S42の如く、1拍の時間を示す
累算時間データXの値を24で割ればよい。この詳細な動
作フローチャートを、第6図に示す。同図に示されるよ
うに、第5図S42での除算動作は、第6図S423、S424
で、累算時間データXから12ずつ順次減算を行うことに
より実現されており、その結果は11捨12入され、最終的
にS423で累算されるタイマー値Q(S421で0にリセット
されている)として求まる。
上述の動作の後、S43において、現在のアドレスADRか
ら1減算した値が加算終了アドレスReとされる。これに
より加算終了アドレスReは、前述のS32〜S37の処理で検
出された区間において最後の時間データが格納されてい
るアドレスとなる。この役割については後述する。
なお、S4において、変数Zの内容がendイベントの場
合は、S41の判定がNOとなり、S44に進む。ここでは、上
述のタイマー値Qの計算はなされず、現在のアドレスAD
Rに1加算した値が加算終了アドレスReとされる。これ
により加算終了アドレスReは、前述のS32〜S37の処理で
検出された区間においてendイベントが格納されている
最終アドレスの次のアドレスとなる。この役割について
は後述する。
上記S4の処理を、前述した第7図(a)又は(b)の
startイベントからテンポイベントP4までの区間の例で
説明すると、次のようになる。すなわち、累算時間デー
タXの値は、前述の(1)式の如く、 X=t1+t2+t3 であるから、タイマー値Qは、 Q=(t1+t2+t3)/24 ……(2) となる。また、現在のアドレスADRは、第7図(a)の
アドレス6を示しているため、加算終了アドレスReは、
S43により、 Re=6−1=5 ……(3) となり、時間データt3の格納アドレスとなる。
次に、第5図のS5において、1拍内での演奏操作に基
づくイベントデータ間の各時間データが96分音符を単位
としてその何倍の時間を持つかという情報に書き直され
てゆく。
まず、S501において、後述する動作のために音符累算
値Pが0にリセットされ、次に、S502において、アドレ
スADRに加算開始アドレスRsがセットされる。そして、S
503〜S508の処理の繰り返しにより、加算開始アドレスR
sから加算終了アドレスReの直前までの区間において(S
503)、順次時間データが格納されている奇数アドレス
が指定されながら(S508)、各時間データが以下のよう
に書き直されてゆく。すなわち、S504で、現在のアドレ
スADRで示される時間データが変数Yに格納され、S505
で、その時間データが前述のタイマー値Qで除算され、
音符データTとされる。そして、この音符データTが、
現在のアドレスADRに新たに設定される。今、タイマー
値Qは、現在の区間における96分音符の実時間を表して
いるため、これにより各時間データが96分音符の何倍か
が計算される。また、上記繰り返しにおいて、S507で、
音符累算値P(前述のS501においてリセットされてい
る)に上述の正規化された時間データである音符データ
Tが順次累算されてゆく。この音符累算値Pの役割につ
いては後述する。
そして、現在のアドレスADRが加算終了アドレスReに
等しくなると、S503の判定がYESとなり、更に、変数Z
の内容がendイベントでなくテンポイベントであれば、S
509の判定がYESとなり、S510〜S512の処理が実行され
る。ここでは、現在の区間の最後の時間データの正規
化、並びに加算開始アドレスRsとアドレスADRの再設定
が行われる。
まず、最後の時間データに対しては、前述のS505のよ
うにして正規化を行うのではなく、S510の処理により正
規化が行われる。すなわち、1拍(4分音符)は96分音
符の24個分であるため、最後の時間データは、1拍全体
を示す24から、S505の繰り返しで計算された各時間デー
タに対応する各音符データTの累算値を引いた値で表現
される。この累算値は、前述のS507の処理により音符累
算値Pとして求まっているため、最後の時間データは、
24から音符累算値Pを減算することにより求まる。この
ように処理することにより、前述のS42に対応する第6
図での除算処理による誤差の蓄積を防ぐことができる。
次に、S511で、加算終了アドレスReの値に2を加算し
た値が新たな加算開始アドレスRsとされる。今、加算終
了アドレスReは、前述のS32〜S37の処理で検出された区
間において最後の時間データが格納されているアドレス
であるため、+2することにより、上記区間の次の区間
の先頭の時間データが格納されているアドレスとなる。
そして、この加算開始アドレスRsは、S512において、同
時にアドレスADRにもセットされる。
この動作の後は、前述のS3の処理に戻り、次のテンポ
イベントまでの1拍分の区間の実時間が計算され、上述
と同様の処理が繰り返される。
上記S5の処理を、前述した第7図(a)又は(b)の
startイベントからテンポイベントP4までの区間の例で
説明すると、次のようになる。すなわち、S42の処理で
前述の(2)式のように求まるタイマー値Qを用いて、
各時間データt1及びt2は、S505において、各々、 というように正規化される。
また、t1及びt2の正規化が終わった時点で、S507の処
理で音符累算値Pは、(4)式より、 P=t1/Q+t2/Q ……(5) となる。(5)式により、上記区間の最後の時間データ
t3は、S510において、 T=24−P =24−(t1/Q+t2/Q) ……(6) というように正規化される。
この動作の後、次区間の加算開始アドレスRsは、S511
において、前述の(3)式より、 Rs=Re+2=5+2=7 ……(7) として求まり、テンポイベントP4〜P5で定まる区間の最
初の時間データt4の格納アドレスとなる。この加算開始
アドレスRsは、S512において、同時にアドレスADRとさ
れる。
以上の如くして、第7図(a)又は(b)のstartイ
ベントからテンポイベントP4までの1拍分における各イ
ベントデータ間の時間データt1、t2及びt3が正規化され
る。
続いて、第7図(a)又は(b)のテンポイベントP4
からテンポイベントP5までの区間に対しても、上述の場
合と全く同様の処理が実行されるが、この区間内では、
テンポイベント以外のイベントは発生していないため、
S502からS503の処理に移った時点でS503の判定はすぐに
YESとなり、S504〜S508の処理は実行されない。そし
て、S509の判定のYESとなって、S510の処理が実行され
る。この場合、音符累算値Pは、S501でリセットされた
値0のままであるため、S510で時間データt4を正規化し
た値は24となる。すなわち、時間データt4は、テンポイ
ベントP4からP5までの1拍分の時間すなわち4分音符の
時間であるため、96分音符で24個分を示す正規化値とな
る。
S5における以上の動作に対して、S5においてendイベ
ントまでの最終区間の正規化を行う場合は、次のように
なる。すなわち、前述のS35でセットされS36で判別され
た変数Zの内容はendイベントであり、前述のS44によっ
て、加算終了アドレスReの内容は、endイベントが格納
されている最終アドレスの次のアドレスとされている。
従って、S503〜S508の繰り返しによって、endイベント
までの最終区間の全ての時間データに対してS505に基づ
く正規化処理が行われる。この場合、タイマー値Qとし
ては、1つ前の区間のものが用いられる(S44で、タイ
マー値Qが計算されていない)。また、S510による正規
化処理も実行されない。これらは、最後の区間は、1拍
に満たない場合があることを考慮した処理である。
この場合に、アドレスADRが加算終了アドレスRe等に
等しくなって、最終区間の最後の時間データの正規化が
終了すると、S503の判定がYES、S509の判定がNOとなっ
て、S6において、第1図のLED表示部10の時間データ書
き換え中を示すLEDを消灯し、第3図M5の時間データ書
き換えの処理を終了する。
上述の処理を、第7図(a)又は(b)のテンポイベ
ントP5からendイベントまでの区間の例で説明すると、
次のようになる。すなわち、まず、S42ではなくS44の処
理が実行されるため、タイマー値Qとしては、1つ前の
区間の値 Q=t4/24 ……(8) が用いられる。
このタイマー値Qを用いて、最終区間の各時間データ
t5及びt6は、S505において、各々、 というように正規化される。
以上の動作により、例えば第7図(b)で示されるst
artイベントからテンポイベントP4、テンポイベントP4
からテンポイベントP5及びテンポイベントP5からendイ
ベントまでの各1拍の区間が、全て96音符を単位として
24単位時間となるように正規化される。しかも、各拍子
の区間においては、各区間内の各時間データの相対的な
時間比は保存したまま正規化が行われる。これにより、
演奏者自身が1拍毎のテンポを入力しつつ演奏を行うこ
とにより、各拍子内の時間データ間の相対的な時間関係
は、演奏者の演奏した通りに保存され、しかも各拍子間
のタイミングは、96音符単位で24単位となるように正確
に正規化される。従って、演奏者の個人性を保存しつ
つ、演奏者間又は各演奏動作間のリズムのずれを解消す
ることができる。
なお、演奏者が、第3図M3の演奏入力処理において、
何も演奏しないで第1図の演奏情報入力部3のスイッチ
3cを押下した場合、演奏データ記憶部8にはendイベン
トのみが記憶されている。従って、第5図のS32〜S35の
処理は実行されるが意味はなく、すぐにS36がYESとなっ
た後、S41がNOとなる。更にS503は1回だけNOとなっ
て、S504〜S508の処理は実行されるがこれらの処理も意
味はない。そして、S503→S509→S6と進んで、実質的に
何も行わない。この場合、S505において値0による除算
が発生しないよう、S23でタイマー値Qに予め0以外の
値が入力されている。
本実施例では、第1図のフットスイッチ3bによる拍子
を4分音符でとらせ、それに限られるものではなく、拍
子を2音符、8分音符、16分音符等でとらせることも勿
論可能であり、それらを任意に選択させることもでき
る。また、本実施例では、96分音符の単位で正規化を行
ったが、96分音符以外で正規化してもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、演奏者は、演奏者自身のテンポをフ
ットスイッチ等の拍子タイミング入力手段でとりなが
ら、演奏操作手段で演奏操作を行える。従って、演奏者
はメトロノーム等の一定の拍子に無理に合わせて演奏を
行う必要がなく、演奏者の個性を生かした演奏操作を行
うことが可能となる。
そして、演奏再生時には、各拍子内の時間データ間の
相対的な時間関係が、演奏者の演奏した通りに保存さ
れ、しかも各拍子間のタイミングが正確に均一化され
て、自動演奏が行われため、演奏者の個人性を保存しつ
つ、演奏者間又は各演奏動作間のリズムのずれを解消す
ることができる。
これにより、例えば1人又は複数の演奏者が、異なる
楽譜パートを別々に演奏して自動演奏用の音符情報を作
成し、それらを合成してアンサンブルで自動演奏を行わ
せるような場合においても、演奏者の個人性を保存した
まま各演奏間のリズムを正確に同期させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例の構成図、 第2図は、演奏情報記憶部7の記憶内容を示した図、 第3図は、本実施例の実行手順を示した動作フローチャ
ート、 第4図は、演奏データ記憶部の記憶内容の例を示した
図、 第5図は、時間データ書き換え処理の動作フローチャー
ト、 第6図は、除算処理の動作フローチャート、 第7図は、本実施例の動作説明図である。 1……鍵盤部、 2……入力センス回路、 3……演奏情報入力部、 3b……フットスイッチ、 4……演奏情報検出回路、 5……中央制御装置(CPU)、 6……プログラム記憶部、 7……演奏情報記憶部、 8……演奏データ記憶部、 9……タイマー部、 10……LED表示部、 11……テンポ値変換テーブル、 12……楽音発生回路、 13……D/Aコンバータ、 14……増幅器、 15……スピーカ.

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音発生手段に演奏データを順次出力する
    ことにより該楽音発生手段に自動演奏を行わせる自動演
    奏装置において、 演奏者に演奏操作を行わせ、該演奏操作に基づく演奏デ
    ータを出力する演奏操作手段と、 演奏者に前記演奏操作と共に拍子タイミングを入力さ
    せ、該入力操作に基づく拍子タイミングデータを出力す
    る拍子タイミング入力手段と、 前記演奏データ及び前記拍子タイミングデータを記憶す
    る記憶手段と、 演奏者の演奏操作に基づいて前記演奏操作手段及び前記
    拍子タイミング入力手段から順次出力される前記演奏デ
    ータ及び前記拍子タイミングデータの入力タイミングを
    示す時間データを生成し、該演奏データ及び拍子タイミ
    ングデータと共に前記記憶手段に書き込む書込手段と、 前記記憶手段に記憶されている時間的に隣り合う前記各
    拍子タイミングデータによって定まる各区間の時間が相
    互に等しくなるように、前記記憶手段に記憶されている
    前記各時間データを正規化して書き換える時間データ書
    き換え手段と、 該書き換え動作の後に、前記記憶手段に記憶されている
    前記各時間データに基づくタイミングで、前記記憶手段
    から前記各演奏データを順次読み出して前記楽音発生手
    段に出力する演奏再生手段と、 を有することを特徴とする自動演奏装置。
  2. 【請求項2】前記拍子タイミング入力手段は、演奏者に
    前記拍子タイミングを足で入力させるフットスイッチで
    あることを特徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
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