JP2638253B2 - ビタミンd類定量用試薬およびその製法 - Google Patents

ビタミンd類定量用試薬およびその製法

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JP2638253B2 JP2105046A JP10504690A JP2638253B2 JP 2638253 B2 JP2638253 B2 JP 2638253B2 JP 2105046 A JP2105046 A JP 2105046A JP 10504690 A JP10504690 A JP 10504690A JP 2638253 B2 JP2638253 B2 JP 2638253B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は螢光性発色団あるいは化学発光能を有する官
能基を持つ求ジエン試薬とその製法に関する。更にはそ
の試薬を用いてのcis−ジエンを持つ化合物、特にビタ
ミンD、ビタミンAおよびそれらの代謝物の検出、定量
分析法に関する。
従来の技術・発明が解決しようとする課題 活性ビタミンD3代謝物の1α、25−ジヒドロキシビタ
ミンD3かカルシウム代謝のみならず標的細胞の様々なも
のの増殖や分化を調節する多くの機能を持ったステロイ
ドホルモンであることは現在よく知られている。ビタミ
ンDの生物学的役割を十分理解するために様々な臨床の
場におけるヒト血漿中の主要代謝物の濃度を正確に知る
ことは重要なことである。
一般に使用されている競合的結合分析は特異性を欠く
ので、重要な代謝物は、分析に先立って分けられていな
ければならない。また、この分析法は正確さに欠ける。
ガスクロマトグラフィー−質量分析法は測定の操作が煩
雑であるなどの問題がある。
従ってビタミンD代謝物を分析するための正確で特異
的かつ高感度の方法が必要とされていた。
課題を解決するための手段 本発明者らは、ビタミンD、ビタミンAまたはそれら
の代謝物の共役したトリエンの部分と速く特異的かつ定
量的に反応する新規な、螢光もしくは化学発光試薬
(I)および(II)を合成した。
本発明の化合物は下記一般式(I)および(II)で示
される。
各式中、Xは以下で示される螢光発色団またはポテン
シャル化学発光基の群から選ばれた一員であり、Yは以
下で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一
員である。
すなわち、Xは下記式 (式中Zは酸の共役塩基を示し; RおよびR′は同一でも異なっていてもよく、水素原
子またはアルキル基を示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
学発光基の群から選ばれた一員である。
Xの好ましい例としては下記式 (式中Zは前記と同じ意味を示す) で示されるものが挙げられる。式 である場合が特に好ましい。
一方、Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し、−B−は
−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群より選ばれた一員を示し、lは1から5まで
の整数を示し、mは0から5までの整数を示し、nは0
または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
である(但し、Yのそれぞれの式の左端は一般式(I)
または(II)の環の窒素原子と、右端はXと結合す
る)。
Yの好ましい例としては下記式 −(CH2− (但しnは前記と同じ意味を示す)で示されるものが挙
げられる。式 である場合が特に好ましい。
本発明の化合物の好ましい例としては、式 で表されるものが挙げられる。
本発明の一般式(I)および(II)で示される化合物
は、以下の様にして合成される。
A)トリアゾリジンシントンと発色団シントンとのカッ
プリングによる方法。
B)セミカルバジド体を最後に閉環する方法。
(式中、XおよびYは前記と同じ意味を示し、Qはヒド
ロキシメチル基またはアミノ基を示し、WはC1−C3アル
キル基を示す) A)法として一般式(V)と(VII)から(I)を得
る反応または一般式(VI)と(VII)から(II)を得る
反応は、酸クロリド体(VII)を無水ベンゼン等の溶媒
に溶解し、(V)または(VI)の無水DMF溶液を加え、
還流することによって行う。
B)法として一般式(VIII)から(II)を得る反応
は、無水炭酸カリウム等の共存下(VIII)を無水エタノ
ール等の溶媒に懸濁し、還流することによって行う。
また、試薬(I)が不安定な場合、下記反応式のよう
に(II)より用時調製する。
一般式(II)から(I)を得る反応は、Pb(O
Ac、PhI(OAc等の緩和な酸化剤で酸化すること
により行う。
作用 本発明の一般式(I)および(II)で示される化合物
は、ビタミンD、ビタミンAおよびそれらの代謝物のci
s−ジエンの部分を特異的に検知する螢光の強い求ジエ
ン試薬である。
求ジエングループとして選ばれた4−置換−1,2,4−
トリアゾリン−3,5−ジオンは反応性が高く、緩和な条
件下で少量の基質と定量的に反応する。また対称である
ので1種の幾何異性体しかできないという利点を持つ。
螢光発色団またはポテンシャル化学発光基として選ば
れたXで示される基は、高い螢光効率を持っており、ま
たこれらはトリアゾリジン環の酸化条件下でも安定であ
る。
以下に本発明を製造例及び実施例によって更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの製造例及び実施例によっ
て何ら限定されない。
製造例及び実施例 融点は、微量融点測定器(柳本製作所製)にて測定
し、未補正、IRスペクトルは、日本分光FT/IR−7000型
にて測定。MSスペクトルは、日本電子JMS−D300型にて
電子衝撃法(EI)あるいは、日立M−2000型にてSIMS法
にて測定。′H−NMRスペクトルは、日本電子GX−270型
にて測定し、tetramethylsilaneを内部標準として、化
学シフトをδ値で示した。測定溶媒は、各化合物ごとに
記した。なおD2O中での測定には、3−(trimethylsily
l)−propionic acid−d4 sodium saltを内部標準に用
いた。NMRの記載は、次の略号によった。s=singlet;d
=doublet;t=triplet;q=quartet;m=multiplet;arom
=aromatic;br=broad;sig=signal。TLC(薄層クロマ
トグラフィー)は、Kiesel gel GF254(Merck社製)を
使用。カラムクロマトグラフィーは、特記しない限り、
シリカゲルは、Merck社製Kiesel gel60(35−70mesh)
を使用。反応は、ルーティンにアルゴン気流下で行なっ
た。
(製造例1) エチル4−イソシアナトベンゾエイト(5.0g、0.026m
ol)の無水ベンゼン溶液(260ml)中に、室温攪拌下カ
ルバジン酸エチル(3.4g、0.033mol)を加えた後、反応
混合物を2時間加熱還流した。室温に戻した後、析出結
晶を吸引取し、粗セミカルバジト1(7.25g、収率93.
9%)を得た。本品をEtOHより再結晶し、無色鱗片状晶
(6.80g)を得た。
化合物1: mp 194−195℃ MS M/z(%):295(M+、6)、250(7)、204
(5)、146(65)、104(100)。
′H−NMR(CDCl3+DMSO−d6)δ: 1.28(3H、t、J=7.3Hz、CH2C ) 1.38(3H、t、J=7.3Hz、CH2C ) 4.19(2H、q、J=7.3Hz、C 2CH3) 4.33(2H、q、J=7.3Hz、C 2CH3) 7.52及び7.92(4H、AA′BB′、J=8.6Hz、aromH) 7.70(1H、br.sig.NH) 7.80(1H、br.sig.NH) 8.57(1H、br.sig.NH) 元素分析:計算値 (C13H17N3O5):C、52.87;H、5.80;N、14.23 測定値 :C、52.71;H、5.72;N、14.14 (製造例2) セミカルバジド1(1.181g、4mmol)を無水EtOH(50m
l)に溶解し、粉砕した無水炭酸カリウム(553mg、4mmo
l)を加えた後、反応液を5時間加熱還流した。減圧下E
tOHを留去し、残渣に氷冷水を加え、さらに希塩酸を用
いて水層を酸性とした。水層は、AcOEt(3×60ml)に
て抽出し、AcOEt層は、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥し、溶媒留去した。結晶性残渣
(901mg)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4
5g)にて精製し、10%MeOH含有AcOEt溶出部よりトライ
アゾリジン2(808mg、収率81.1%)を結晶状に得、AcO
Etより再結晶し無色針状晶を得た。
化合物2 mp 206〜207℃ MS m/z(%):249(M+、35)、221(31)、204(10
0)、191(13)、163(21)、146(72)。
′H−NMR(CDCl3+DMSO−d6)δ: 1.40(3H、t、J=7.3Hz、CH2C ) 4.37(2H、q、J=7.3Hz、C 2CH3) 7.71及び8.10(4H、AA′BB′、J=8.9Hz、aromH) 10.29(2H、br.s、2×NH) 元素分析:計算値 (C11H11N3O4):C、53.03;H、4.45;N、16.86 測定値 :C、53.00;H、4.51;N、16.95 (製造例3) <方法I> エステル体2(355mg、1.43mmol)の無水THF(8.5m
l)溶液をドライアイス及び四塩化炭素浴を用いて−20
℃に冷却し、本冷却・攪拌溶液に水素化ジイソブチルア
ルミニウム(6.42ml;1mol/トルエン溶液)を約20分間
にわたって滴加した。反応混合液は、更に−20℃にて4
時間攪拌した後、希塩酸(2ml、19.6mmolの塩化水素を
含む)を加えて酸性にした。減圧下溶媒を留去し得られ
た残渣を2gのシリカゲルに吸着し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(40g)に付し精製した。カラムは、1
0%MeOH含有CHCl3にて溶出し、3を含む分画を固体状
(337mg)に得、MeOHにより結晶化させ、純粋なベンジ
ルアルコール体3(240mg、収率81.4%)を無色針状晶
として得た。
<方法II>−スケールの大きい反応に適する− エステル体2(1.576g、6.32mmol)を用いて、方法I
と同様に反応・後処理を行なった。塩酸処理後の生成物
を水(60ml)に懸濁させ、不溶物を綿栓過した。液
は、水にて充填したAmberlite XAD−2カラム(700ml)
に通しベンジルアルコール体3を樹脂に吸着させた後、
水(1500ml)にてカラムを洗浄した。MeOHを用いて吸着
している3を溶出すると、固体状残渣(1.170g)が得ら
れ、本品をMeOHより再結晶し、ベンジルアルコール体3
(794mg、収率60.6%)を得た。
化合物3: mp >300℃ MS m/z(%):207(M+、82)、178(100)、148(2
2)、132(14)、120(29)、107(47)、58(55)。
′H−NMR(DMSO−d6)δ: 4.54(2H、s、C 2Ph) 7.40(4H、s、aromH) 10.38(2H、s、2×NH) 元素分析:計算値 (C9H9N3O3):C、52.17;H、4.38;N、20.28 測定値 :C、51.99;H、4.44;N、20.25 (製造例4) イソシアン酸p−ニトロフェニル(5.0g、30.5mmo
l)、カルバジン酸エチル(3.97g、30.5mmol)及び無水
ベンゼン(130ml)の混合液を1.5時間、加熱還流した。
析出した淡黄色粗結晶を吸引取し、ベンゼンにてよく
洗浄し、セミカルバジド4(7.85g、収率97.6%)を得
た。本品をMeOHより再結晶し、無色鱗片状晶を得た。
化合物4: mp 216〜217℃(Lit.mp218.0〜218.5℃) MS m/z(%):268(M+、0.3)、222(3)、164(10
0)。
′H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.21(3H、t、J=6.9Hz、CH2C ) 4.08(2H、q、J=6.9Hz、C 2CH3) 7.73(2H、br.sig、aromH) 8.15(2H、aromH) 8.36、9.02及び9.48(各々1H、br.s、3×NH) (文献)F.Arndt、L.Loewe.and A.Tarlan−Akn、Re
v.Fac.Sci.Forest Univ.Istanbul.13A127(1948); Chem.Abstr.、42、8190(1948) (製造例5) セミカルバジド4(4.08g、15.2mmol)、粉砕した無
水炭酸カリウム(2.50g、15.2mmol)及び無水EtOH(200
ml)の懸濁液を3時間加熱還流した。反応混合液は、黄
色から暗赤色へと変化した。減圧下EtOHを留去した後、
残渣に氷冷水(300ml)を加え、2N HClにて酸性とし
た。本水層は、AcOEt(3×150ml)にて抽出、芒硝にて
乾燥し、AcOEtを留去すると、粗結晶性生成物(3.70g)
を得、このものをアセトンより再結晶すると、無色針状
晶の5(2.73g、収率80.7%)が得られた。
化合物5: mp 267〜269℃(Lit.mp270.0〜271.5℃) MS m/z(%):222(M+、100)、192(5)、165(2
7)。
′H−NMR(DMSO−d6)δ: 7.90及び8.34(4H、AA′BB′、J=9.2Hz、aromH) 10.78(2H、br.S、2×NH) (文献)G.Zinner and W.Deucker、Arch.Pharm.、294、
370(1961) (製造例6) ニトロ体5(787mg、3.54mmol)のEtOH溶液(60ml)
を、PtO2(80mg)存在下、常圧・常温にて水素気流中接
触還元を行なった。水添開始約40〜50分後、反応容器内
に結晶が析出し始めた。2時間後に理論水素消費量(24
0ml)に達したので反応を終了した。析出結晶は、AcOEt
及びEtOHを用いて溶解させた後、セライトを通して吸引
過した。液を減圧下溶媒留去すると粗アミノ体6
(720mg、収率定量的)を結晶状に得た。本品は、EtOH
−AcOEt(1:1;v/v)にて再結晶すると無色針状晶を与え
た。
化合物6: mp >300℃ MS m/z(%):192(M+、99)、134(100)、105(5
4)、79(24) ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 5.21(2H、br.s、NH2) 6.60及び6.97(4H、AA′BB′、J=8.6Hz、aromH) 10.14(2H、br.S、2×NH) (製造例7) 3−クロロプロピルイソサイアネイト(5.0g、41.8mm
ol)の無水ベンゼン溶液(120ml)にカルバジン酸エチ
ル(5.2g、50.2mmol)を加え、加熱還流1時間行なっ
た。減圧下溶媒を留去すると粗生成物(9.25g)が結晶
状に得られ、本品をAcOEt−Et2Oより再結晶し、純品の
セミカルバジド7(6.59g)を得た。結晶母液(2.24g)
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wacogel C−2
00、100g)にて精製し、2〜5%MeOH含有CHCl3溶出部
よりさらに7(517mg)げ得られた。合計収率は、76.0
%であった。
化合物7: mp 107.0〜108.5℃ MS m/z(%):225(M++2、0.08)、223(M+、0.
2)、178(2)、180(0.7)、141(16)、104(10
0)。
′H−NMR(CDCl3)δ: 1.29(3H、t、J=6.9Hz、CH2C ) 2.00(2H、m、CH2C 2CH2) 3.39(2H、m、−C 2NH−) 3.59(2H、t、J=5.8Hz、ClC −) 4.21(2H、q、J=6.9Hz、C 2CH3) 5.68(1H、m、NH) 6.73及び6.81(各々1H、br.s、2×NH) (製造例8) セミカルバジド7(5.256g、23.5mmol)の無水DMF溶
液(55ml)にNaN3(1.830g、28.2mmol)を加え、100℃
にて3.5時間、加熱攪拌した。減圧下DMFを留去し、残渣
に水(50ml)を加えて、AcOEt(5×70ml)にて抽出し
た。合一したAcOEt層は、氷洗、芒硝乾燥し、溶媒留去
すれば、粗アジド体8(5.13g、収率94.8%)が結晶状
に得られた。本品をエーテルより再結晶し、無色結晶
(3.60g)を得た。
化合物8: mp 81〜82℃ MS m/z(%):noM+、185(2)、141(3)、116
(2)、104(100) ′H−NMR(CDCl3)δ: 1.29(3H、t、J=7.3Hz、CH2C ) 1.80(2H、m、CH2C 2CH2) 3.33(2H、m、−C 2NH−) 3.37(2H、t、J=6.6Hz、N3C −) 4.21(2H、q、J=7.3Hz、C 2CH3) 5.64(1H、m、NH) 6.66及び6.73(各々1H、br.s、2×NH) (製造例9) アジド体8(3.60g、15.6mmol)、粉砕した無水炭酸
カリウム(2.60g、18.7mmol)及び無水EtOH(140ml)の
懸濁液を加熱還流3時間行なった。減圧下EtOHを留去
し、残渣に水(50ml)を加え、2NHClにて弱酸性とし
た。この酸性の水層は、あらかじめ水にて調整しておい
たAmberlite XAD−2カラム(450ml)を通した。カラム
は水(750ml)にて水洗した後、MeOHにて、生成物を樹
脂より脱着・溶出させた。合一したMeOH溶出部を溶媒留
去し、粗結晶生成物を得、このものをAcOEtより再結晶
し、純品の9(2.58g、収率89.8%)を無色鱗片状晶と
して得た。
化合物9 mp 140〜141℃ MS m/z(%):noM+、141(20)、129(39)、101(10
0) ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.78(2H、quintet、J=6.6Hz、−CH2C 2CH2−) 3.38(2H、t、J=6.6Hz) 3.43(2H、t、J=6.6Hz) 10.06(2H、br.s、2×NH) (製造例10) アジド体9(1.70g、9.23mmol)をEtOH(19ml)及びH
2O(7.5ml)に溶解し、10%pd−C(177mg)存在下常圧
水素接触還元に付した。室温下96時間反応を行なった
後、反応液は、セライトを通して触媒を除去した。液
は、減圧下溶液留去すると結晶性残渣(1.629g)が得ら
れ、H2O−MeOHより再結晶すると遊離アミノ体10(1.007
g、収率69.0%)が無色針状晶として得られた。
化合物10 mp 227〜229℃ MS m/z(%):158(M+、100)、141(50)、129(4
7)、101(95)、56(94). ′H−NMR(D2O)δ: 2.00(2H、m、−CH2C 2CH2−) 3.03(2H、t、J=7.4Hz、C 2NH2) 3.60(2H、t、J=6.6Hz、−C −N) 化合物10の塩酸塩 アジド体9(140mg、0.76mmol)をEtOH(20ml)及び
濃塩酸(0.4ml)に溶解し、10%pd−C(30mg)存在
下、3.0Kg/cm2水素圧にて中圧接触還元を行なった。室
温にて4時間後、反応を終了し、上記と同様に処理する
と、10のHCl塩が結晶状に得られ、MeOH−Et2Oより再結
晶し、純品の10HCl塩(93.0mg)、収率63.0%)が無色
針状晶として得られた。
(製造例11) ジニトロベラトロール11(2.28g、10mmol)を加温下E
tOH(100ml)に溶解させた。PtO2(0.23g)存在下、室
温、常圧水素気流中接触還元を行なった。攪拌23.5時間
後、水素の消費が完全に停止(理論水素消費量1.3)
したので反応を終了した。還元生成物は、すばやく窒素
気流下、セライトを通し触媒を除き、液は、ジュチル
ケトマロネート(1.74g、10mmol)をあらかじめ入れて
おいた反応容器内へ直接導入した。反応混合溶液は、直
ちに加熱還流1時間行なった後、室温にて一晩放置し
た。析出した結晶を吸引取し、粗結晶生成物12(2.11
g、収率75.8%)を得、EtOH−CH2Cl2より再結晶を行な
い、黄緑色針状晶(1.98g)を得た。一方、結晶液
(0.80g)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(4
5g)にて精製し、1%MeOH含有CHCl3溶出部より、さら
に12(0.33g)を得、合計収率は、83.0%であった。
化合物12 mp 250〜251℃(Lit.255℃) MS m/z(%):278(M+、100)、233(7)、204(8
3)、189(31) ′H−NMR(CDCl3+CD3OD)δ: 1.48(3H、t、J=7.0Hz、CH2C ) 3.99及び4.06(each3H、s、2×OCH3) 4.56(2H、q、J=7.0Hz、C 2CH3) 6.94及び7.38(各々1H、s、aromH) (文献) Collection Czechoslov.Chem.Commun.、36、2527(197
1) (製造例12) NaH(0.26g、10.97mmol)を無水DMF(5ml)に懸濁
し、本冷却(0℃)、攪拌懸濁液に、12(2.03g、7.31m
mol)の無水DMF(60ml)溶液を約20分間かけて滴加し
た。水素ガスの発生が終わり、溶液の色が黄色から黄褐
色に変化したのを確認後(約20−30分)、ヨウ化メチル
(0.68ml、10.97mmol)を約5分間かけて滴加した。反
応混合溶液は、更に氷冷下1.5時間攪拌後、氷冷水(150
ml)中に注ぎ、CHCl3(3×150ml)にて抽出した。CHCl
3抽出層は、飽和食塩にて洗浄し、芒硝乾燥、溶媒留去
して、黄色残渣(2.74g)を得た。本生成物は、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(130g)により精製し、
CHCl3:Benzene(1:1;v/v)溶出部より、O−メチル体14
(0.10g、収率4.7%)を淡黄色結晶として、またCHCl3
溶出部からN−メチル体13(1.72g、収率80.4%)を黄
色結晶として得た。N−メチル体13は、EtOH−Et2Oより
再結晶し、黄色針状晶を得、14は、Et2O−n−Hexaneよ
り再結晶し、淡黄色針状晶を得た。
化合物13 mp 166〜167℃ MS m/z(%):292(M+、100)、278(11)、277(1
2)、247(16)、220(45)、205(6)、192(22)、1
77(15)、147(12) ′H−NMR(CDCl3)δ: 1.44(3H、t、J=7.0Hz、C 2C ) 3.73(3H、s、N−CH3) 3.94及び4.05(each3H、s、2×OCH3) 4.51(2H、q、J=7.0Hz、C 2CH3) 6.71及び7.36(each1H、s、aromH) 化合物14 mp 123〜125℃ MS m/z(%):292(M+、100)、247(16)、220(4
5)、205(18)、190(69)、177(15)、161(12)。
′H−NMR(CDCl3)δ: 1.46(3H、t、J=8.0Hz、CH2C ) 4.00、4.06及び4.16(each3H、S、3×OCH3) 4.52(2H、q、J=8.0Hz、C 2CH3) 7.10及び7.41(each1H、S.aromH) 元素分析:計算値 測定値: (製造例13) N−メチル体13(0.48g、1.63mmol)の1,4−ジオキサ
ン(5ml)溶液に1N NaOH水溶液(5ml)を加え、室温下1
0分間攪拌した。反応液は1N HClを用いて弱酸性とした
後、CHCl3にて、水層の螢光が消失するまで繰り返し抽
出した。合一したCHCl3層は、水洗、芒硝乾燥後、溶媒
を留去し、黄色粗結晶カルボン酸15(0.39g、収率90.7
%)を得た。本品は、CHCl3より再結晶を行ない、黄色
針状晶を得た。
化合物15 mp 241〜243℃(Lit.mp222℃) MS m/z(%):264(M+、27)、220(100)、205(2
7)、177(16) (文献)T.Iwata、M.Yamaguchi、S.Hara、M.Nakamura、
and Y.Ohkura、J.Chromatogr.、362、209(1986) (製造例14) カルボン酸15(470mg、1.78mmol)及びSOCl2(10ml)
の混合溶液を1時間加熱還流した。減圧下、過剰のSOCl
2を留去し、得られた赤褐色結晶を無水ベンゼン−n−
ヘキサンより再結晶し、黄赤色針状晶の酸クロリド16
(435mg、収率86.3%)を得た。
化合物16 mp 272−273℃(分解)〔Lit.mp261℃〕 MS m/z(%):284(M++2.21)、282(M+、62)、247
(100)、219(51)、191(42) (文献)T.Iwata、M.Yamaguchi、S.Hara and M.Nakamur
a、J.Chromatogr.、362、209(1986) (実施例1) 酸クロリド16(113mg、0.4mmol)を無水ベンゼン(8m
l)に溶解し、本攪拌還流溶液に、ベンジルアルコール
体3(124mg、0.6mmol)の無水DMF(0.5ml)溶液を一気
に加え、0.5時間還流を継続した。3の添加と同時に黄
色沈殿物が生成し始めた。反応液を0℃に冷却し、析出
結晶を吸引取し、ベンゼンにて洗浄した。黄色粗結晶
(184mg)は、クロロホルムにて膨潤したセファデック
スLH−20カラムクロマトグラフィー(200ml)にて精製
し、5%MeOH含有CHCl3溶出部よりII A(103mg、収率5
6.8%)を得た。本品は、MeOH−CHCl3より再結晶し、黄
色結晶を得た。
化合物II A mp 279〜280℃(分解) MS(+SIMS)m/z:454(M++1) ′H−NMR(CDCl3+DMSO−d6)δ: 3.75(3H、s、N−CH3) 3.92及び4.05(各々3H、s、2×OCH3) 5.43(2H、s、C 2ph) 6.91及び7.36(各々1H、s、aromH) 7.54及び7.58(4H、AA′BB′、J=8.6Hz、aromH、 10.36(2H、br.s、2×NH) 元素分析:計算値 (C21H19N5O7)CH3OH:C、54.43;H、4.78;N、14.43 測定値 :C、54.42;H、4.35;N、14.83 (実施例2) 酸クロリド16(20mg、0.07mmol)の無水ベンゼン(2.
5ml)還流溶液に、6(9mg、0.047mmol)の無水DMF(0.
1ml)溶液を一気に加え、反応混合液は、1時間、加熱
還流した。反応液を室温に戻してから、析出している結
晶を吸引取すると、黄色粗結晶生成物II B(11.3mg、
収率55.1%)が得られた。本品は、極めて難溶性のた
め、以下の反応には、精製することなく使用する。
化合物II B ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 3.78(3H、s、N−CH3) 3.89及び4.03(各々3H、s、2×OCH3) 7.10及び7.47(各々1H、s、aromH) 7.45及び7.83(4H、AA′BB′、J=9.0Hz、aromH) 10.42(2H、s、2×NH) (製造例15) ジニトロベラトロール11(0.91g、4mmol)をEtOH(80
ml)に溶解し、PtO2(89mg)存在下室温にて常圧水素気
流中接触還元を行なった。水素の消費(理論消費量540m
l)が完全に停止するまで約17時間反応を継続した。生
じた淡黄緑色溶液は、窒素気流中セライトを通し触媒を
除去し、液は、2−ケトグルタル酸(0.58g、4mmol)
を含む反応容器中に直接集め、直ちに加熱還流した。1.
5時間後、反応を終了し、反応液を冷却すると、橙黄色
結晶が析出して来た。析出結晶を吸引取し、キノキサ
リノン体17(0.80g、収率71.9%)を得、EtOHより再結
晶し黄色針状晶(0.62g)を得た。
化合物17 mp 250〜252゜ MS m/z(%):278(M+、36)、260(100)、232(8
8)、217(32)、189(31)、161(21) ′H−NMR(CDCl3)δ: 2.80(2H、t、J=7.3Hz、−C 2CO−) 3.92及び3.93(各々3H、s、2×OCH3) 6.78及び7.18(各々1H、s、aromH) 11.92(1H、br.sig.−COO) (製造例16) <方法I> 氷冷したNaH(176mg、7.3mmol)の無水DMF(3ml)懸
濁液に、攪拌下化合物17(606mg、2.2mmol)の無水DMF
(20ml)溶液を約20分間かけて滴加し、更に0.5時間0
℃にて攪拌を続けた。次に反応容器にヨウ化メチル(45
5μ、7.3mmol)を約10分間かけて滴加し、全反応液
は、引き続き0℃にて1.5時間攪拌し、氷冷水(50ml)
中に注いだ。混合溶液は、CHCl3(3×50ml)にて抽出
し、有機層は、飽和食塩水にて洗浄、芒硝乾燥、溶媒留
去すると、粗生成物(570mg)が得られた。本成積体
は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wacogel C
−200、24g)にて精製し、n−Hexane:AcOEt(4:1〜2:
1;v/v)の溶出部よりN−メチル体18(492mg、収率73.8
%)を得MeOH−CHCl3より再結晶し、淡黄色針状晶を得
た。O−メチル体19は、極微量得られたにすぎなかった
(方法II参照)。
一方、CHCl3抽出後の水層は、0.5N HClにて酸性とし
た後、5%MeOH含有CHCl3にて再抽出し、有機層は、飽
和食塩水にて洗浄、芒硝乾燥、溶媒留去するとカルボン
酸20(86mg、13.5%)が結晶状に得られた。本品をMeOH
−CHCl3より再結晶すると黄色針状晶が得られた。
<方法II> カルボン酸17(1.00g、3.60mmol)をCH2Cl2−MeOH
(1:1;v/v、100ml)に懸濁し、室温攪拌下ジアゾメタン
のエーテル溶液を原料の17が消失するまで滴加した。過
剰のジアゾメタンは、窒素気流にて留去した後、減圧下
溶媒を留去すると、結晶性残渣(1.14g)が得られた。
本生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wa
cogel C−200、50g)にて精製し、n−Hexane:AcOEt
(6:1;v/v)溶出部よりO−メチル体19(480mg、収率4
3.6%)及びn−Hexane:AcOEt(1:1;v/v)溶出部よりN
−メチル体18(528mg、収率48.0%)をそれぞれ得た。
O−メチル体19は、MeOH−CHCl3より再結晶し、無色プ
リズム晶を得た。
化合物18 mp 174−175℃ MS m/z(%):306(M+、100)、274(35)、258(1
4)、247(88)、231(24)、203(20) ′H−NMR(CDCl3)δ: 2.86(2H、t、J=7.1Hz、−C 2CO) 3.69及び3.70(各々3H、s、N−CH3、COOC ) 3.96及び4.01(各々3H、s、2×OCH3) 6.68及び7.25(各々1H、s、aromH) 化合物19 mp 137〜139℃ MS m/z(%):306(M+、51)、275(10)、247(10
0)、203(10) ′H−NMR(CDCl3)δ: 2.89(2H、m) 3.24(2H、m) 3.71(3H、s、COOC ) 4.00及び4.02及び4.07(各々3H、s、3×OCH3) 7.17及び7.27(each1H、s、aromH) 化合物20 mp 239〜241℃ MS m/z(%):292(M+、53)、274(99)、246(10
0)、231(53)、203(41)、175(27) ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 2.70(2H、t、J=6.9Hz、C 2CO) 3.00(2H、t、J=6.9Hz、C 2CH2CO) 3.65(3H、s、N−CH3) 3.84及び3.94(各々3H、s、2×OCH3) 6.98及び7.22(各々1H、s、aromH) (製造例17) N−メチル体18(1.15g、3.75mmol)を1,4−ジオキサ
ン(18ml)及び1N NaOH水溶液(10ml)に溶解し、室温
下10分間攪拌反応させた。反応混合液は、希塩酸酸性と
した後、10%MeOH含有CHCl3にて水層の螢光か消失する
まで抽出を繰り返した。合一した有機層は、飽和食塩水
にて洗浄、芒硝乾燥、溶媒留去し、粗結晶カルボン酸20
(1.05g、収率95.9%)を得た。本品は、MeOH−CHCl3
り再結晶し、純品20(852mg)得、このものは、先に得
ている化合物20と一致した。
(製造例18) カルボン酸20(500mg、1.71mmol)を無水DMF(12ml)
に溶解し、本攪拌溶液にトリエチルアミン(0.36ml、2.
57mmol)、ジフェニルリン酸アジド(0.55ml、2.57mmo
l)を順次滴加した。反応1時間後にジフェニルリン酸
アジド(0.34mmol)を追加し、更に1.5時間室温下攪拌
を行ない、淡黄緑色溶液を得た。減圧下速やかに溶媒留
去し、残渣を高真空下乾燥した。乾燥生成物に無水ベン
ゼン(20ml)を加え、混合溶液を1時間加熱還流した。
一度反応液を室温に戻した後、カルバジン酸エチル(17
8mg、1.71mmol)を加えた。反応液は、再び0.5時間還流
後、更に室温下0.5時間攪拌し、溶媒を留去した。得ら
れた淡黄色残渣(1.976g)は、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(90g)にて精製し、4〜5%MeOH含有CHC
l3溶出部よりセミカルバジド21(230mg)を得た。未分
離分画は、再シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15
g)に対し、更に21(164mg)を得、合計収率は58.6%で
あった。
化合物21 MS m/z(%):393(M+、5)、347(0.8)、330
(1)、289(92)、246(47)、234(100)、219(2
2)、205(24) ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.18(3H、t、J=6.9Hz、CH2C ) 2.95(2H、t、J=5.9Hz、C 2CH2NH−) 3.52(2H、m、C 2NH) 3.67(3H、s、N−CH3) 3.89及び3.97(各々3H、s、2×OCH3) 4.02(2H、q、J=6.9Hz、C 2CH3) 6.40(1H、br、sig、NH) 6.91及び7.31(各々1H、s、aromH) 7.70(1H、br.s、NH) 8.65(1H、br.sig、NH) (実施例3) セミカルバジド21(272mg、0.69mmol)、粉砕した無
水炭酸カリウム(191mg、1.38mmol)及びabs EtOH(20m
l)の懸濁液を6時間、加熱還流した。減圧下溶媒留去
し、残渣に水(30ml)を加え、2N HClにて酸性とした。
水層は、10%MeOH含有CHCl3(3×50ml)にて抽出し、
有機層は、飽和食塩水にて洗浄、芒硝乾燥、溶媒留去す
ると、淡黄色結晶(222mg)が得られ、MeOH−CHCl3より
再結晶し、黄色プリズム晶として、II C(130mg)を得
た。結晶母液(70mg)は、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(10g)にて精製し、5%MeOH含有CHCl3溶出部
より更にII C(64mg)を得、合計収率は80.8%であっ
た。
化合物II C mp 250〜253℃ MS m/z(%):347(M+、5)、289(2)、246(10
0)、231(35)、203(20)、175(20)、101(12) ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 3.02(2H、t、J=6.9Hz、 3.65(3H、s、N−CH3) 3.80(2H、t、J=6.9Hz、 3.84及び3.95(各々3H、s、2×OCH3) 6.96及び7.26(各々1H、s、aromH) 9.95(2H、s、2×NH) (実施例4) トリアゾリジンII C(10.0mg、0.029mmol)の無水DMF
(1ml)溶液にPhI(OAc)(11.2mg、0.035mmol)を加
え、室温にて1時間攪拌した。減圧下DMFを留去すると
赤色固体状残渣が得られた。本品をCH2Cl2−benzeneよ
り結晶化すると、極微量であるが、目的のI Cの赤色プ
リズム晶が得られて来た。現在、大量に純品のI Cを得
るための方法(昇華法等)を検討中である。
化合物I C (実施例5) アミノ体10(9.8mg、0.05mmol)及び炭酸カリウム(1
5.2mg、0.11mmol)の水溶液(0.25ml)に7−クロロ−
4−ニトロベンゾフラザン(8.3mg、0.041mmol)のEtOH
(1ml)溶液を約5分間かけて滴加した。生じた暗紫色
溶液は、室温で10分攪拌した後、60−70℃にて5分間加
熱攪拌した。暗紫色反応懸濁液は、2N HClにて酸性にす
ると暗赤色溶液となった。減圧下溶媒留去し、得られた
残渣(44.5mg)は、ODSカラムクロマトグラフィー(Wat
ers社、分取用ODS充填剤5g)にて精製した。カラムは、
20%MeOH含有水にて溶出し、トライアゾリジンII D(9.
5mg、収率70.9%)を黄赤色粘着性物質として得た。
化合物II D MS m/z(%):no M+ ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.99(2H、m) 3.4〜3.5(4H、m) 6.42(1H、d、J=9.2Hz、aromH) 8.51(1H、d、J=9.2Hz、aromH) 9.42(1H、m、NH) 10.10(2H、s、2×NH) (実施例6) N−メチルアクリジニウム(22mg、0.038mmol)の無
水DMF(0.5ml)溶液にアミノ体10(7.6mg、0.048mmol)
を加え、生じた反応懸濁液を外浴50−60℃にて6時間加
熱攪拌した。減圧下DMFを留去し、暗黄色残渣(43.5m
g)に塩酸水溶液(0.057mmolの塩化水素に相当する量)
及びMeOHを加え残渣を溶解した。再び溶媒を留去し、残
渣をセファデックスLH−20カラムクロマトグラフィー
(55ml)にて精製した。EtOHにてカラムを充填し、EtOH
にて溶出せしめた。溶出容量37〜46mlの黄色分画を集め
化合物II E(22.4mg、収率94.8%)を得た。
化合物II E ′H−NMR(DMSO−d6)δ: 1.67(2H、m、−HNCH2C 2CH2−) 2.94(2H、t、J=7.6Hz、PhC −) 3.06(2H、m −HNC −) 3.36(2H、t、J=6.6Hz、−C 2N) 4.97(3H、s、+N−C ) 7.46及び7.65(4H、AA′BB′、J=8.6Hz、aromH) 7.92(1H、m、NH) 8.19(2H、m、aromH) 8.57(2H、m、aromH) 8.62(2H、d、J=8.6Hz、aromH) 8.96(2H、d、J=9.2Hz、aromH) 10.10(2H、br、s、2×NH) 以下に本発明化合物とビタミンD類との反応例につい
て説明する。
螢光性求ジエン試薬とビタミンD誘導体との反応 (実施例7) a=R1=R2=R3=H b=R1=R3H R2=OH c=R1=OH R2、R3=H d=R1=R2=OH R3=H e=R1=R3=OH R2=H Diels−Alder Adducts(ディールス−アルダー付加体)
III a、b、c、d、eの合成 <方法1> Pb(OAc)によるII Aの酸化、引き続く
D.A.反応 Vitamin D322a(9.1mg、0.024mmol)、II A(12.9m
g、0.028mmol)、無水DMF(0.2ml)、無水THF(0.3ml)
及びgl.AcOH(5μ)の懸濁液を−75℃に冷却し、本
攪拌液にPb(OAc)(18.9ml、0.043mmol)を加えた。
反応懸濁液は、Pb(OAc)添加5分後より赤色を帯び
て来た。反応液は1時間−75℃にて攪拌した後、室温に
戻し更に1時間反応を行なった。反応混合物を氷冷水に
注ぎ、CHCl3(3×15ml)にて抽出した。CHCl3層は、飽
和食塩水にて洗浄、芒硝乾燥、溶媒留去した。得られた
黄色粘着性物質(22.0mg)はPreparative TLC(Merck社
製、silica gel 60 F254、20cm(W)×10cm(H)×0.
5mm(T)×4枚、展開溶媒2%MeOH含有CHCl3)にて精
製し、主成積体III a(C6−αH;9.0mg)及びその異性体
III a′(C6−βH;1.6mg)を得た。合計収率は、53.5%
であった。III a(C6−αH)は、黄色結晶として得ら
れ、MeOH−CH2Cl2より再結晶し、黄色針状晶を得た。
化合物III a(C6−αH) mp 143〜145℃ 元素分析:計算値 (C48C61N5O8・H2O):C、67.50;H、7.43;N、8.20、 測定値 :C、67.08;H、7.18;N、8.12、 <方法2> PhI(OAc)によるII Aの酸化、引き続く
ビタミンDとの反応 II A(10.0mg、0.022mmol)の無水DMF(1ml)溶液
に、PhI(OAc)(7.5mg、0.023mmol)を加え、室温攪
拌下、反応液が十分な赤色を呈するまで約0.5〜1時間
攪拌を継続した。本赤色溶液に、24.25(OH)2D322e
(5.0mg、0.012mmol)を加え、溶液の赤色が消失するま
で更に1.5時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、黄褐色
粘着性物質(24.1mg)を得、preparative TLC(Merck社
製Silica gel60 F254、20cm(W)×10cm(H)×0.5mm
(T)×4枚、展開溶媒5%MeOH含有CH2Cl2)にて精製
し、付加体III e(C6−αH & βHの混合物、10.4m
g、収率定量的)を非結晶性黄色粘着性物質として得
た。
このようにして得たビタミンD類と本発明試薬との付
加体の異性体生成比及び収率を第1表に示す。
III a及びIII bの化合物については、C6−αH及びβ
H体をそれぞれ分離し、′H−NMRを測定した。結果を
第2表に示す。
III c、III d及びIII eの化合物については立体異性
体を分離することなく′H−NMRを測定した。結果を第
3表に示す。
ビタミンD3誘導体と本発明試薬(化合物I A)との付
加物である化合物III cIII d及びIII eの混合液につ
いて、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による分離
を次の条件により行なった。
HPLC分離条件 カラム:Li Chrospher100RP−18(e)(5μm)4mm×2
50mm 溶離剤:水:メタノール=27:73(V/V) 流速:1ml/分 検出:Ex395nm、Em500nm サンプルサイズ:〔III c(〜6ng)+III d(〜6ng)+
III e(〜6ng)〕/10μエタノール 結果を第1図に示す。図中、III cIII dIII e
主生成物を、III c′、III d′、III e′は副生物をそ
れぞれ表わす。
化合物IV aの2つ異性体(C6−αH及びβH)はprep
arative TLCによりそれぞれ分離してから、′H−NMRを
測定した。結果を第4表に示す。
IV b、IV c及びIV dの化合物については、異性体を分
離することなく′H−NMRを測定した。結果を第5表に
示す。
ビタミンD3誘導体と本発明試薬(化合物I C)との付
加物である化合物IV bIV c及びIV dの混合液につい
て、HPLCによる分離を次の条件で行なった。
HPLC分離条件 カラム:Li Chrospher100RP−18(e)(5μm)4mm×2
50mm 溶離剤:(直線的勾配溶離による) 0分 水:メタノール=40:60 30分後 水:メタノール=20:80 40分後 水:メタノール=20:80 流速:1ml/分 検出:Ex.370nm、Em.440nm、 サンプルサイズ:〔IV b(〜15ng)+IV c(〜12ng)+
IV d(〜15ng)〕/10μエタノール 結果を第2図に示す。図中、IV bIV cIV dは主生
成物を、IV b′、IV c′、IV d′は副生成物をそれぞれ
表わす。
以下に本発明化合物とビタミンA類との反応例につい
て説明する。
螢光性求ジエン試薬とビタミンA誘導体との反応(実施
例8〜10) (実施例8) ビタミンA酸(Retinoic acid)(23)と螢光試薬I A
の反応 II A(22mg、50μmol)のDMF溶液(2ml)にPhI(OA
c)(16mg、50μmol)を加え室温で30分攪拌し、I A
を調製する。この溶液をretinoic acid(10mg、33μmo
l)のCH2Cl2(20ml)溶液に0℃Ar気流下滴下する、0
℃30分後溶媒を留去し、シリカゲルのTLCで10%MeOH/CH
Cl3を用いて精製する。V aの収量11mg(44%)。V a :UV(95%EtOH)400、307、247、218nm.IR(KBr)17
70、1719、1655cm-1 ′H−NMR(CDCl3)δ1.05及び1.14(各々3H、s、Me−
1)、1.75(3H、s、Me−5)、1.81(3H、s、Me−
9)、2.21(3H、s、Me−13)、3.73(3H、s、NM
e)、3.94及び4.04(各々3H、s、OMe)、4.83(1H、
s、H−7)、4.85(1H、d、J=8.6、H−10)、5.4
7(1H、s、H−8)、5.83(1H、s、H−14)、5.45
(2H、s、O−CH2)、6.02(1H、dd、J=15及び8.6、
H−11)、6.47(1H、d、J=15、H−12)、6.67及び
7.37(each1H、s、キノキサリン)、7.55及び7.58(ea
ch2H、AA′BB′、J=9、Ar) (実施例9) ビタミンA酸(Retinoic acid)(23)とI Cとの反応 II c(7mg、20μmol)のDMF(500μ)の溶液にPhI
(OAc)(7.8mg、24μmol)を加え室温で30分攪拌
し、I cの淡赤色溶液を調製する。Retinoic acid(3.5m
g、12μmol)のCH2Cl2(10ml)溶液に上記I cの溶液を
0℃にて加えAr気流下30分間攪拌する、溶媒を留去し残
渣をシリカゲルのTLCで10%MeOH/CH2Cl2にて精製し、付
加体V b(5mg、66%)を得る。V b UV(95%EtOH)368、244、213nm IR(KBr)1771、1715、1649cm-1 MS m/e646(M+−1)、601、399、355 ′H−NMR(CDCl3)δ0.88及び0.95(各々3H、s、Me−
1)、1.59(3H、s、Me−5)、1.77(3H、s、Me−
9)、2.19(3H、s、Me−13)、3.67(3H、s、NM
e)、3.93及び4.01(各々3H、s、OMe)、4.61(1H、
s、H−7)、4.74(1H、d、J=8.6、H−10)、5.3
7(1H、s、H−8)、5.86(1H、s、H−14)、5.96
(1H、dd、J=15及び8.6、H−11)、6.35(1H、d、
J=15、H−12)、3.2及び4.0(各々2H、m、−CH2CH2
−) (実施例10) ビタミンA(Retinol)(24)とI Aの反応 II A(15mg、35μmol)より調製したI AのDMF溶液をr
etinol(24)(10mg、35μmol)のCH2Cl2(20ml)溶液
に−78℃で加え、30分攪拌する。溶媒留去後残渣をシリ
カゲルのカラムでAcOEt/CHCl3/EtOH50:50:1を溶媒に用
いて精製し、付加体VI(14mg、55%)を得る。
化合物VI: IR(KBr)3440、1771、1711、1655cm-1 ′H−NMR(CDCl3)0.992及び0.987(各々3H、s、Me−
1)、1.66(3H、s、Me−5)、1.99(3H、s、Me−
9)、1.91(3H、s、Me−13)、3.74(3H、s、NM
e)、3.95及び4.05(各々3H、s、OMe)、3.56(1H、d
d、J=8及び4、OH、D2O添加消失)、4.24及び3.87
(各々1H、m、H−15)、4.44(1H、d、J=6、H−
14)、5.22(1H、d、J=9、H−10)、5.31(1H、
m、H−11)、5.70(1H、m、H−12)、5.99(1H、
d、J=16.5、H−8)、6.17(1H、d、J=16.5、H
−7) 発明の効果 以上説明したように本発明により合成した螢光もしく
は化学発光試薬はcis−ジエンを持つ化合物と速く特異
的かつ定量的に反応する。従ってこれらの試薬はcis−
ジエンを持つ化合物、特にビタミンD、Aおよびそれら
の代謝物の検出・定量分析に適している優れた試薬であ
るということができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ビタミンD3各誘導体と本発明試薬I Aとの付
加体をHPLCによって分離した後に検出した各々の付加体
のピークを表わすクロマトグラムである。 第2図は、ビタミンD3各誘導体と本発明試薬I Cとの付
加体をHPLCによって分離した後に検出した各々の付加体
のピークを表わすクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 405/12 C07D 405/12 413/06 413/06 413/12 249 413/12 249 471/04 112 471/04 112T 491/056 491/056 G01N 31/22 122 G01N 31/22 122

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員であり、 Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    である(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)) で表される化合物。
  2. 【請求項2】一般式(II) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員であり、 Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    である(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)) で表される化合物。
  3. 【請求項3】Xが下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示す) で示される酸よりなる群から選ばれた一員であり、 Yが下記式 −(CH2− (式中、nは0または1のいずれかを示す) で示される基よりなる群から選ばれた一員である(但
    し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子と右端はX
    と結合する)) 請求項1または2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが下記式(III) およびYが下記式(IV) で示される基である、請求項1または2に記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】一般式(V) (式中、Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    であり(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)、 Qはヒドロキシメチル基またはアミノ基を示す)) で表される化合物を一般式(VII) X−COCl (VII) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員である) で表される化合物とカップリングすることを特徴とする
    一般式(I) (式中、XおよびYは前記の意味を有する) で表される化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(VI) (式中、Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    であり(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)、 Qはヒドロキシメチル基またはアミノ基を示す)) で表される化合物を一般式(VII) X−COCl (VII) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員である) で表される化合物とカップリングすることを特徴とする
    一般式(II) (式中、XおよびYは前記の意味を有する) で表される化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(VIII) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員であり、 Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    であり(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)、WはC1−C3アルキル基を示
    す)) で表されるセミカルバジド体を閉環することを特徴とす
    る、一般式(II) (式中、XおよびYは前記の意味を有する) で表される化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式(I) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員であり、 Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    である(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)) または一般式(II) (式中、XおよびYは前記の意味を有する) で表される化合物を螢光もしくは化学発光試薬として用
    いることを特徴とする、化学構造中にcis−ジエン構造
    を持つ化合物の検出および定量分析法。
  9. 【請求項9】一般式(I) (式中、Xは下記式 (式中、Zは酸の共役塩基を示し、RおよびR′は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子またはアルキル基を
    示す) で示される基よりなる螢光発色団またはポテンシャル化
    学発光基の群から選ばれた一員であり、 Yは下記式 −(CH2−(CH2−B−(CH2− (式中、−A−は−O−または−NH−を示し; −B−は−NH−、−COO−、−SO2NH−、 よりなる群から選ばれた一員を示し、 lは1から5までの整数を示し、 mは0から5までの整数を示し、 nは0または1のいずれかを示す) で示されるスペーサーの基よりなる群から選ばれた一員
    である(但し、Yのそれぞれの式の左端は環の窒素原子
    と右端はXと結合する)) または一般式(II) (式中、XおよびYは前記の意味を有する) で表される化合物を螢光もしくは化学発光試薬として用
    いることを特徴とする、ビタミンD、ビタミンAまたは
    これらの代謝物の検出および定量分析法。
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