JP2609022B2 - ポリカルボフィルカルシウム含有製剤 - Google Patents

ポリカルボフィルカルシウム含有製剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカルボフィルカル
シウム含有製剤に関し、過敏性腸症候群並びに下部消化
管の機能障害によりおこる便秘及び下痢の治療に使用さ
れる製剤に関する。更に詳細には、本発明はバルク形成
緩下剤及び止瀉剤として繁用されるポリカルボフィルカ
ルシウムを含有し、酸性条件で崩壊可能な製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリカルボフィルカルシウム(メルクイ
ンデックス、11版、No. 1704)はジビニルグリコール
で架橋したポリアクリル酸のカルシウム塩である。ポリ
カルボフィルカルシウムの便秘及び下痢の治療における
使用は米国特許第 3297664号明細書等に記載されてい
る。ポリカルボフィルカルシウムの薬効発現には次のよ
うな物理的効果が関与していると考えられている。すな
わち、本剤が経口投与されると、胃液による酸性条件
下、胃内でカルシウムが脱離してポリアクリル酸部分の
カルボキシル基が遊離型であるポリカルボフィルとな
り、更に中性ないし弱アルカリ性の腸内に移行した後に
当該カルボキシル基がイオン化し、架橋高分子が吸水し
てコロイド状態が形成される。このコロイド状態が、便
秘症状では糞便中の水分保持による便の硬さの低減と体
積増加をもたらし、排便を容易にする。また、下痢症状
では腸内水分の流動性を低下させることにより止瀉作用
をもたらす(Pharmacotherapy 2(1) 、18〜28頁、1982
年)。従って、ポリカルボフィルカルシウムの胃内での
カルシウムの脱離、及び消化管内での均一な分散が薬効
発現に重要な役割を担っている。
【0003】しかし、カルボキシル基が遊離型であるポ
リカルボフィルの付着性は極めて強く、この性質を利用
して粘膜付着性徐放性基剤としても使用できることが報
告されている (J.Pharm.Sci.1985,74,399-405)。この様
な性質のために、ポリカルボフィルカルシウム製剤を酸
性溶液 (例えば人工胃液:pH約1.2)中に投入した場合
に、該製剤が容易に崩壊しないという問題があった。す
なわち、ポリカルボフィルカルシウム製剤が酸性溶液に
接触すると、製剤表面のポリカルボフィルカルシウムか
らカルシウムが脱離してポリカルボフィルとなり、製剤
表面に極めて粘着性の高いポリカルボフィル層が形成さ
れるので、製剤内への水分浸入が困難になり、製剤の崩
壊性が著しく悪化する。この結果、ポリカルボフィルカ
ルシウム製剤を経口投与しても製剤が充分に崩壊しない
ために消化管内での均一な分散が妨げられ、十分な薬効
が発揮されないという問題があった。
【0004】この様な問題点の解決を目的としたポリカ
ルボフィルカルシウム製剤として、A.H.ロビンズ社によ
りチュアブル錠(ミトロラン(登録商標))が市販され
ている。チュアブル錠は口中で噛み砕きながら、崩壊後
の製剤を胃内へ送ることにより、胃内での製剤崩壊の問
題を解決している。しかし、噛み砕くことによる不快な
味覚や、ざらざらした舌ざわりのために、患者が受け入
れ難いという問題があった。
【0005】また、アメリカン・サイアナミド・カンパ
ニー社からは錠剤(特開昭63-253027 号公報参照)が提
示されている。この製剤は、ポリカルボフィルカルシウ
ムにミクロクリスタリンセルロース(結晶セルロー
ス)、ステアリン酸マグネシウム、架橋したポリビニル
ピロリドン(クロスポビドン)、ポリビニルピロリド
ン,シリカゲル(無水ケイ酸)及びステアリン酸を含ん
でなる製剤で、更にカラメル粉を包含し、服用を容易に
するために錠剤をフィルムで被覆したものである。尚、
該錠剤の市販品としてはレダリー社のファイバーコン
(登録商標)が知られている。しかしながら、これらの
製剤について日本薬局方崩壊試験法に従い試験をした場
合には、いずれの製剤も崩壊時間が60分以上であり、
有用性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はポリ
カルボフィルカルシウムを含み酸性条件でも容易に崩壊
する製剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、セルロース誘導体を含
むポリカルボフィルカルシウム製剤が酸性条件下でも急
速に崩壊することを見出し、経口投与した場合にも充分
な崩壊性を有するポリカルボフィルカルシウム製剤を完
成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、ポリカルボフィルカル
シウムを含む製剤であって、ポリカルボフィルカルシウ
ムに対して1〜80重量%の割合のセルロース誘導体を
含み酸性条件で崩壊可能な製剤を提供するものである。
本発明の製剤に含まれるポリカルボフィルカルシウムと
しては、種々の重合度のものが使用できるが、例えば米
国薬局方収載品(米国薬局方第218〜219頁)を使
用することが好ましい。
【0009】本発明の製剤に含有されるセルロース誘導
体はセルロースを化学的に修飾した高分子化合物であ
り、例えばセルロースの多価カルボキシメチルエーテル
であるカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム、クロスカルメロースナトリウム、セルロース
のヒドロキシプロピルエーテルであるヒドロキシプロピ
ルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス、セルロースのメチル及びヒドロキシプロピル混合エ
ーテルであるヒドロキシプロピルメチルセルロース、セ
ルロースのメチルエーテルであるメチルセルロース等を
例示することができる。これらのセルロース誘導体の1
種又は2種以上を使用することができる。これらのセル
ロース誘導体は日本薬局方または日本薬局方外医薬品成
分規格に記載された製剤成分であり、日本薬局方または
日本薬局方外医薬品成分規格で定める基準に適合するも
のを使用することが好ましい。
【0010】本発明の製剤は、ポリカルボフィルカルシ
ウムを含み、該ポリカルボフィルカルシウムに対して、
セルロース誘導体を1〜80重量%の割合、好ましくは
1〜40重量%で含有するものである。この様な割合で
上記の成分を配合することにより、種々の液性、特に酸
性条件でも容易に崩壊する製剤を製造することができ
る。
【0011】セルロース誘導体としてカルボキシメチル
セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、若しくはクロ
スカルメロースナトリウムを使用する場合には、セルロ
ース誘導体の配合割合をポリカルボフィルカルシウムに
対して2〜40重量%とすることが好ましく、またセル
ロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース
若しくはカルボキシメチルセルロースナトリウム等を使
用する場合には、セルロース誘導体の配合割合をポリカ
ルボフィルカルシウムに対して1〜10重量%とするこ
とが好ましい。
【0012】セルロース誘導体の配合割合がポリカルボ
フィルカルシウムに対して1重量%を下回ると、製剤の
安定性が損なわれ崩壊時間が遅延するという問題があ
り、またセルロース誘導体の配合割合がポリカルボフィ
ルカルシウムに対して80重量%を上回ると、製剤が嵩
高くなり服用しづらくなるという問題が生じる。本発明
の製剤には、上記の成分の他、例えば医薬品添加剤とし
て汎用される添加剤、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢
剤、光沢化剤として有用な乳糖、結晶セルロース、D−
マンニトール、デンプン、白糖、クロスポビドン、カル
ボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸、ステ
アリン酸マグネシウム、タルク、カルナウバロウ、サラ
シミツロウ、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセ
テート、ステアリン酸ポリオキシル40等を添加するこ
ともできる。これらの添加剤はポリカルボフィルカルシ
ウムに対して300重量%以下で使用される。
【0013】本発明の製剤を製造するには、所定量のポ
リカルボフィルカルシウムにセルロース誘導体及び必要
に応じて他の医薬品添加剤として汎用される添加剤を加
えてV型混合機等により混合して均一な分散体を製造し
た後に、該分散体を含む製剤を製造すればよい。本発明
の製剤としては、錠剤、カプセル剤の他、粒剤等の形態
の製剤を例示することができる。
【0014】該分散体の製造にあたりセルロース誘導体
を2種以上使用する場合には、それぞれのセルロース誘
導体を単独で配合してもよいが、セルロース誘導体の混
合物を配合してもよい。混合操作は通常40℃以下、好
ましくは室温で行われ、相対湿度75%以下で行うのが
好ましい。上記の分散体は必要に応じて造粒してもよ
い。造粒にあたっては、上記の様にして得られた粉体状
の分散体を、水、エタノール、イソプロパノール等の溶
媒をポリカルボフィルカルシウムに対して100重量%
以下で使用して破砕、押出、攪拌、転動等の操作により
造粒し、40〜80℃で1〜24時間乾燥するか、流動
層造粒乾燥機により40〜80℃で15〜120分間造
粒、乾燥した後、必要ならば整粒すればよい。一般には
粒度が約50〜2,000μmの造粒物が好ましい。尚、
この造粒物にさらにセルロース誘導体及び必要に応じて
他の医薬品添加剤として汎用される添加剤を混合するこ
ともできる。
【0015】本発明の製剤を製造するには、上記の様に
して得られる粉体状の分散体若しくは造粒物を、当業者
に周知の手段により打錠して錠剤とするか、粉体状の分
散体若しくは造粒物をゼラチン硬カプセル、軟カプセル
等のカプセルに充填することによりカプセル剤を製造す
ればよい。また、粒剤は上記の造粒物をそのまま用いれ
ばよい。これらの錠剤、カプセル剤、粒剤等は経口投与
した場合においても胃内で容易に崩壊するので下痢や便
秘等の消化管疾患の治療に好ましい。
【0016】本発明の製剤の好ましい製造方法の1例と
しては、ポリカルボフィルカルシウムに対して60重量
%以下のセルロース誘導体を添加し、ポリカルボフィル
カルシウムに対して2〜100重量%の水あるいはエタ
ノールを添加して造粒し、50〜60℃で5〜20時間
乾燥した後50〜500μmの造粒物を得、さらに必要
ならばポリカルボフィルカルシウムに対して総量が1〜
80重量%となる様にセルロース誘導体を添加混合し、
さらに10〜50重量%の結晶セルロースまたは乳糖
と、0.5〜5重量%のステアリン酸マグネシウム等を混
合し、打錠あるいはカプセル充填して錠剤またはカプセ
ル剤を製造する方法を例示することができる。
【0017】錠剤あるいは粒剤を製造するにあたり、当
業者に周知の方法でフィルムコートを施すこともでき
る。コーティング剤としてはヒドロキシプロピルメチル
セルロース、マクロゴール6000、酸化チタン等を例
示することができ、コーティング剤は錠剤重量に対して
20重量%以下で使用される。上記の製造方法は、本発
明の製剤を製造する方法の一態様として例示されたもの
であり、本発明の製剤の製造方法は上記の方法に限定さ
れることはない。さらに、上記の方法には当業者に周知
の改良が加えられてもよい。
【0018】この様にして製造される本発明の製剤は、
酸性条件で崩壊可能な製剤であり、例えばpH1〜4の酸
性条件下、好ましくは第11改正日本薬局方記載の第一
液(人工胃液)を用いて日本薬局方崩壊試験法で試験し
た場合に、60分以内、好ましくは20分以内に崩壊す
る製剤である。本発明の製剤は消化管疾患、例えば便秘
や下痢の治療剤として有用であり、一般的には、ポリカ
ルボフィルカルシウムとして、一日当たり1〜8グラム
を1〜4回に分けて経口投与すればよい。
【0019】
【発明の効果】本発明の製剤は、酸性の胃内において急
速に崩壊し、消化管内に均一に分散される為、確実な薬
効が期待でき、しかも不快な味覚や舌ざわりがなく、さ
らに医薬品として耐え得る十分な安定性を有する為、便
秘及び下痢の治療剤として極めて有用である。
【0020】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明はこれらの実施例の特定の細部に限定される
ものではない。 実施例1 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg カルボキシメチルセルロース 50 mg 結晶セルロース 適量 ステアリン酸マグネシウム 6 mg 計 970 mg 上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフィルカルシウ
ムにカルボキシメチルセルロースの一部分(全量の約2
分の1)を加えて室温で混合した後、ポリカルボフィル
カルシウムに対して7重量%の水を用いて造粒し50℃
で10時間乾燥した。この造粒物を18メッシュの篩で
整粒した後に、残りのカルボキシメチルセルロース及び
結晶セルロースを加えて混合し、更にステアリン酸マグ
ネシウムを加えて混合し打錠用粉末とした。これを1錠
中ポリカルボフィルカルシウムを625mg含有するよう
に打錠し、錠剤を得た。 実施例2 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg カルボキシメチルセルロース 12.5 mg 結晶セルロース 適量 ステアリン酸マグネシウム 6 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0021】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウムにカルボキシメチルセルロースの一部分
(全量の約2分の1)を加えて室温で混合した後、ポリ
カルボフィルカルシウムに対して5重量%の水を用いて
造粒し、60℃で10時間乾燥した。この造粒物を18
メッシュの篩で整粒した後に、残りのカルボキシメチル
セルロース及び結晶セルロースを加えて混合し、更にス
テアリン酸マグネシウムを加えて混合し打錠用粉末とし
た。これを1錠中ポリカルボフィルカルシウムを625
mg含有するように打錠し、錠剤を得た。これにヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、マクロゴール6000及
び酸化チタンを用いフィルムコートを施し、フィルムコ
ート錠とした。 実施例3〜7 実施例2の方法に準拠して、実施例3〜7の錠剤を得
た。 実施例8 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg カルボキシメチルセルロース 75 mg ヒドロキシプロピルセルロース 10 mg 結晶セルロース 適量 ステアリン酸マグネシウム 6 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0022】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウムにカルボキシメチルセルロースの一部分
(全量の約2分の1)とヒドロキシプロピルセルロース
を加えて室温で混合した後、ポリカルボフィルカルシウ
ムに対して7重量%の水を用いて造粒し、50℃で12
時間乾燥した。この造粒物を18メッシュの篩で整粒し
た後に、残りのカルボキシメチルセルロース及び結晶セ
ルロースを加えて混合し、更にステアリン酸マグネシウ
ムを加えて混合し打錠用粉末とした。これを1錠中ポリ
カルボフィルカルシウムを625mg含有するように打錠
し、錠剤を得た。これにヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、マクロゴール6000及び酸化チタンを用いフ
ィルムコートを施し、フィルムコート錠とした。 実施例9〜14 実施例8の方法に準拠して、実施例9〜14の錠剤を得
た。 実施例15 ポリカルボフィルカルシウム 312.5 mg 乳 糖 適量 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 50 mg ステアリン酸マグネシウム 5 mg 計 500 mg カプセル 1 個
【0023】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウム、乳糖及び低置換度ヒドロキシプロピル
セルロースを室温で混合した後、ポリカルボフィルカル
シウムに対して20重量%のエタノールを用いて造粒し
50℃で12時間乾燥した。この造粒物を18メッシュ
の篩で整粒した後に、ステアリン酸マグネシウムを加え
て混合した。これを1カプセル中にポリカルボフィルカ
ルシウムを312.5mgを含有するようにカプセル充填
し、カプセル剤を得た。
【0024】実施例15の方法に準拠して、実施例16
〜17のカプセル剤を得た。 実施例16 ポリカルボフィルカルシウム 312.5 mg 乳 糖 適量 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 6.25 mg ステアリン酸マグネシウム 5 mg 計 500 mg カプセル 1 個 実施例17 ポリカルボフィルカルシウム 312.5 mg 乳 糖 適量 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 125 mg ステアリン酸マグネシウム 6 mg 計 600 mg カプセル 1 個
【0025】実施例18 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg 乳 糖 適量 トウモロコシデンプン 100 mg ヒドロキシプロピルセルロース 6.25 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0026】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウムに乳糖及びトウモロコシデンプンを加え
て室温で混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースを
溶解したエタノール(ポリカルボフィルカルシウムに対
して30重量%)を用いて造粒し、50℃で5時間乾燥
した。この造粒物を16メッシュの篩で整粒した。これ
にヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール
6000及び酸化チタンを用いてフィルムコートを施
し、フィルムコート粒を得た。
【0027】実施例18の方法に準じて、実施例19〜
22の粒剤を得た。
【0028】実施例19 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg 乳 糖 適量 トウモロコシデンプン 100 mg ヒドロキシプロピルセルロース 18.75 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0029】実施例20 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg 乳 糖 適量 トウモロコシデンプン 100 mg ヒドロキシプロピルセルロース 31.25 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0030】実施例21 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg 乳 糖 適量 トウモロコシデンプン 100 mg カルボキシメチルセルロース 200 mg ヒドロキシプロピルセルロース 50 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 40 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1200 mg
【0031】実施例22 ポリカルボフィルカルシウム 500 mg 乳 糖 適量 白 糖 250 mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 30 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 30 mg タルク 16 mg カルナウバロウ 3.6 mg ステアリン酸ポリオキシル40 0.4 mg 計 1000 mg
【0032】比較例1 比較例としてセルロース誘導体を含有しない製剤を以下
の通り調製した。 ポリカルボフィルカルシウム 625 mg 結晶セルロース 適量 ステアリン酸マグネシウム 6 mg フィルムコート ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20 mg マクロゴール6000 5 mg 酸化チタン 5 mg 計 1000 mg
【0033】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウムにポリカルボフィルカルシウムに対して
4重量%の水を加えて室温で混合し、造粒後に50℃で
10時間乾燥した。この造粒物を18メッシュの篩で整
粒した後に結晶セルロースを混合し、更にステアリン酸
マグネシウムを加えて混合して打錠用粉末とした。これ
を1錠中ポリカルボフィルカルシウムを625mg含有す
るように打錠して錠剤を得た。これにフィルムコートを
施し、フィルムコート錠とした。 比較例2 特開昭63−253027号公報記載の方法に従い、以
下の通り比較例を調製した。
【0034】
【0035】上記成分を処方の比に量り、ポリカルボフ
ィルカルシウムにカラメル、ポリビニルピロリドンを加
え、更にクロスポビドンの一部分(全量の5分の3)を
加えて混合し、約50〜65℃に加熱した水を用いて造
粒後50℃で6時間乾燥した。この造粒物を18メッシ
ュの篩で整粒した後に、残りのクロスポビドン、結晶セ
ルロース及び無水ケイ酸を加えて混合し、更にステアリ
ン酸マグネシウムとステアリン酸を加えて混合して打錠
用粉末とした。これを1錠中ポリカルボフィルカルシウ
ムを625mg含有するように打錠し、錠剤を得た。
【0036】比較例3 比較例2の錠剤に、1錠あたりヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース20mg、5mgのマクロゴール6000及び
酸化チタン5mgを用いてフィルムコートを施し、フィル
ムコート錠とした。以上の様にして得られた製剤につい
て崩壊性及び安定性を検討した。尚、各製剤の組成を表
1及び表2に示す。 試験例1:崩壊試験 日本薬局方崩壊試験法の操作法(2)白糖又はそのほか
の適当なコーティング剤で剤皮を施した錠剤、(4)カ
プセル剤及び(5)顆粒剤に従い、第1液(人工胃液)
を用いて崩壊試験を行った。結果を表3に示す。
【0037】本発明の製剤は、素錠、フィルムコート
錠、カプセル剤、粒剤のいずれの場合にも優れた崩壊性
を示した。これに対し、特開昭63−253027号に
記載の製剤(比較例2)、そのフィルムコート錠である
比較例3、及びファイバーコン(登録商標)は、試験器
のガラス管内でゲル化が起こり、60分以内には崩壊し
なかった。
【0038】試験例2:安定性試験 経時安定性を調べるため、製剤を40℃75%RH(相対
湿度)で1ケ月放置後、試験例1と同様の方法により崩
壊試験を行った。結果を表4に示す。
【0039】フィルムコート錠を用い、その経時的安定
性を比較した結果、ポリカルボフィルカルシウムに対し
セルロース誘導体を2〜80重量%含有する本発明の製
剤は、試験前後で崩壊時間がほとんど変化しなかったの
に対し、セルロース誘導体を含まない比較例1の製剤
は、試験後の崩壊時間が著しく延長し、安定性に問題の
あることがわかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/48 A61K 9/48 F 47/38 47/38 Z (72)発明者 北山 正和 福井県大野市美川町1−6 (56)参考文献 特開 昭63−253027(JP,A) 米国特許3297664(US,A) THE MERCK INDEX,E LEVENTH EDITION, (1989),P.256,NO.1704 (財)日本公定書協会監修「第十一改 正日本薬局方解説書」(昭和61年),広 川書店,D−183〜190頁及びD−778〜 780頁 井口定男他編「新製剤開発システム総 合技術基剤・添加物編」(昭和60年), R&Dプランニング,429〜437頁 医薬品添加物研究会編「実用医薬品添 加物」(昭和49年)化学工業社,118〜 121頁

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボフィルカルシウムに対して1
    〜80重量%の割合のセルロース誘導体の1種又は2種以
    が混合されたポリカルボフィルカルシウムを含む酸性
    条件で崩壊可能な製剤であって、該セルロース誘導体が
    カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロ
    ピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
    ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカ
    ルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロー
    ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチル
    セルロースからなる群から選ばれる製剤。
  2. 【請求項2】 該セルロース誘導体として、カルボキシ
    メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
    ース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びク
    ロスカルメロースナトリウムからなる群から選ばれるセ
    ルロース誘導体と、カルボキシメチルセルロースナトリ
    ウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
    ピルメチルセルロース、及びメチルセルロースからなる
    群から選ばれるセルロース誘導体とを含む請求項1に記
    載の製剤。
  3. 【請求項3】 該セルロース誘導体として、カルボキシ
    メチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースとを
    含む請求項2に記載の製剤。
  4. 【請求項4】 消化管疾患治療剤である請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の製剤。
  5. 【請求項5】 製剤が錠剤の形態である請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載の製剤。
  6. 【請求項6】 製剤がカプセル剤の形態である請求項1
    ないし4のいずれか1項に記載の製剤。
  7. 【請求項7】 製剤が粒剤の形態である請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載の製剤。
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