JP2600827Y2 - 抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置 - Google Patents
抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置Info
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- JP2600827Y2 JP2600827Y2 JP1993072316U JP7231693U JP2600827Y2 JP 2600827 Y2 JP2600827 Y2 JP 2600827Y2 JP 1993072316 U JP1993072316 U JP 1993072316U JP 7231693 U JP7231693 U JP 7231693U JP 2600827 Y2 JP2600827 Y2 JP 2600827Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は抄紙機すき網部のスライ
スリップ変形調節装置に関するものである。
スリップ変形調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抄紙機の湿部は、図5にその一例を示す
如く、すき網部(Wire part )1とプレス部(Press pa
rt)2を有し、上記すき網部1には、スクリーンを通過
させた後の原料液を均一な薄い膜状の水流として、走っ
ているすき網3上に流すようにする原料供給部4を有す
る。
如く、すき網部(Wire part )1とプレス部(Press pa
rt)2を有し、上記すき網部1には、スクリーンを通過
させた後の原料液を均一な薄い膜状の水流として、走っ
ているすき網3上に流すようにする原料供給部4を有す
る。
【0003】上記原料供給部4としては、図6及び図7
に一例を示す如く、トップリップ5とボトムリップ6に
より構成されるスライス7を、流出水頭を与えるための
ヘッドボックス8の前壁部に設け、且つ該ヘッドボック
ス8の前壁面側の支持フレーム9に複数台のジャッキ1
0を面長方向(幅方向:矢印X方向)に配列設置し、該
各ジャッキ10の駆動によりロッド11を介して昇降さ
せられるようにしたブレード12を、上記トップリップ
5の先端面に沿って面長方向に配し、原料液流出口であ
るノズル13への該ブレード12の突出量を上記ジャッ
キ10の駆動で変えてノズル13の開口量を変えること
により、ブレストロール14に巻き掛けられて移動して
いるすき網3上にスライス7から流出させる原料液15
の厚みを制御できるようにしてある(特開平3−152
287号等)。
に一例を示す如く、トップリップ5とボトムリップ6に
より構成されるスライス7を、流出水頭を与えるための
ヘッドボックス8の前壁部に設け、且つ該ヘッドボック
ス8の前壁面側の支持フレーム9に複数台のジャッキ1
0を面長方向(幅方向:矢印X方向)に配列設置し、該
各ジャッキ10の駆動によりロッド11を介して昇降さ
せられるようにしたブレード12を、上記トップリップ
5の先端面に沿って面長方向に配し、原料液流出口であ
るノズル13への該ブレード12の突出量を上記ジャッ
キ10の駆動で変えてノズル13の開口量を変えること
により、ブレストロール14に巻き掛けられて移動して
いるすき網3上にスライス7から流出させる原料液15
の厚みを制御できるようにしてある(特開平3−152
287号等)。
【0004】しかし、上記原料供給部4の場合、各ジャ
ッキ10の駆動でブレード12を昇降させることにより
流出原料液15の厚みを任意の値に設定することができ
るが、スライス7を構成するボトムリップ6の先端部が
原料液15の温度(30〜40℃位)によって熱変形し
てうねりが発生してしまうので、流出原料液15の厚み
が面長方向で均一にならなくなってしまう。そのため、
ボトムリップ6の先端部の変形量に合わせてブレード1
2を各部で変形させることで対処しているが、ブレード
12の機械的変形では対処しきれないことがある。すな
わち、上記ブレード12は、通常、6mm位の厚さであ
り、これをピッチ100mm程度で設置したジャッキ10
で変形させてボトムリップ6の変形を修正するには限界
があり、又、たとえ、ブレード12を局部的に大きく変
形させることができたとしても、原料液15の繊維配向
性や坪量プロファイル等に支障を来す問題がある。
ッキ10の駆動でブレード12を昇降させることにより
流出原料液15の厚みを任意の値に設定することができ
るが、スライス7を構成するボトムリップ6の先端部が
原料液15の温度(30〜40℃位)によって熱変形し
てうねりが発生してしまうので、流出原料液15の厚み
が面長方向で均一にならなくなってしまう。そのため、
ボトムリップ6の先端部の変形量に合わせてブレード1
2を各部で変形させることで対処しているが、ブレード
12の機械的変形では対処しきれないことがある。すな
わち、上記ブレード12は、通常、6mm位の厚さであ
り、これをピッチ100mm程度で設置したジャッキ10
で変形させてボトムリップ6の変形を修正するには限界
があり、又、たとえ、ブレード12を局部的に大きく変
形させることができたとしても、原料液15の繊維配向
性や坪量プロファイル等に支障を来す問題がある。
【0005】そのため、図8に示す如く、ボトムリップ
6の下部に、複数のチャンバ16を面長方向に配列して
形成し、ヒータ17にて温めたタンク18内の温水をポ
ンプ19の運転で所要のチャンバ16へ供給して循環さ
せることにより、ボトムリップ6の熱変形を修正させる
ようにしたり、あるいは、図9に示す如く、ボトムリッ
プ6の下部に、図8と同様にチャンバ16を形成して、
該各チャンバ16内にヒータ17を設置し、所要個所の
チャンバ16内のヒータ17によりチャンバ16内の水
を加熱することにより、ボトムリップ6の熱変形を修正
させるようにすることが提案されている。
6の下部に、複数のチャンバ16を面長方向に配列して
形成し、ヒータ17にて温めたタンク18内の温水をポ
ンプ19の運転で所要のチャンバ16へ供給して循環さ
せることにより、ボトムリップ6の熱変形を修正させる
ようにしたり、あるいは、図9に示す如く、ボトムリッ
プ6の下部に、図8と同様にチャンバ16を形成して、
該各チャンバ16内にヒータ17を設置し、所要個所の
チャンバ16内のヒータ17によりチャンバ16内の水
を加熱することにより、ボトムリップ6の熱変形を修正
させるようにすることが提案されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記図8及
び図9に示すいずれの方式の場合も、原料液15の厚み
に最も影響を与えるボトムリップ6の先端部から離れた
位置に形成したチャンバ16の部分で熱膨張作用を利用
するようにしているため、ボトムリップ6の先端部の熱
変形を思うように修正することができない、という問題
がある。
び図9に示すいずれの方式の場合も、原料液15の厚み
に最も影響を与えるボトムリップ6の先端部から離れた
位置に形成したチャンバ16の部分で熱膨張作用を利用
するようにしているため、ボトムリップ6の先端部の熱
変形を思うように修正することができない、という問題
がある。
【0007】そこで、本考案は、ボトムリップの先端部
の熱変形を効果的に修正することができるようにして、
流出原料液の厚みを面長方向で一定に制御することがで
きるような抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装
置を提供しようとするものである。
の熱変形を効果的に修正することができるようにして、
流出原料液の厚みを面長方向で一定に制御することがで
きるような抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装
置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記課題を解
決するために、ヘッドボックスのトップリップとボトム
リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
ムリップの先端部下面に、上下2枚のシリコンゴムシー
ト間に抵抗エレメントを配して厚さ2〜3mmの薄いシー
ト状としてなる複数のラバーヒータを面長方向に配列し
て直接貼り付けるようにして取り付け、且つ該各ラバー
ヒータに、温度をコントロールするためのコントロール
装置を接続した構成とする。
決するために、ヘッドボックスのトップリップとボトム
リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
ムリップの先端部下面に、上下2枚のシリコンゴムシー
ト間に抵抗エレメントを配して厚さ2〜3mmの薄いシー
ト状としてなる複数のラバーヒータを面長方向に配列し
て直接貼り付けるようにして取り付け、且つ該各ラバー
ヒータに、温度をコントロールするためのコントロール
装置を接続した構成とする。
【0009】又、ヘッドボックスのトップリップとボト
ムリップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流
出させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボ
トムリップの下面側の先端部より所要距離離れた位置
に、面長方向に延びる溝を設けると共に、該溝の底部に
溝の長手方向に延びるスリットを設け、且つ該溝内に、
複数の圧電アクチュエータを、溝の幅方向に伸縮できる
ように配列し、更に、該各圧電アクチュエータの作動量
をコントロールするためのコントロール装置を備えた構
成としてもよい。
ムリップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流
出させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボ
トムリップの下面側の先端部より所要距離離れた位置
に、面長方向に延びる溝を設けると共に、該溝の底部に
溝の長手方向に延びるスリットを設け、且つ該溝内に、
複数の圧電アクチュエータを、溝の幅方向に伸縮できる
ように配列し、更に、該各圧電アクチュエータの作動量
をコントロールするためのコントロール装置を備えた構
成としてもよい。
【0010】
【作用】検出された紙の厚み分布に基づき、ボトムリッ
プの先端部下面に直接貼り付けるようにして取り付けて
ある各シート状ラバーヒータの温度をコントロール装置
を用いてコントロールすると、ボトムリップの先端部の
変形を、平面状態に近付けるように直接的に修正するこ
とができる。
プの先端部下面に直接貼り付けるようにして取り付けて
ある各シート状ラバーヒータの温度をコントロール装置
を用いてコントロールすると、ボトムリップの先端部の
変形を、平面状態に近付けるように直接的に修正するこ
とができる。
【0011】又、ボトムリップの下面側に設けた溝に圧
電アクチュエータを設置した構成とした場合は、圧電ア
クチュエータを駆動すると、ボトムリップを溝の部分か
ら上下方向に変位させることができるので、先端部の変
形を修正することができる。この際、ボトムリップの変
形は、溝底部のスリットの存在により僅かな力で行わせ
ることができる。
電アクチュエータを設置した構成とした場合は、圧電ア
クチュエータを駆動すると、ボトムリップを溝の部分か
ら上下方向に変位させることができるので、先端部の変
形を修正することができる。この際、ボトムリップの変
形は、溝底部のスリットの存在により僅かな力で行わせ
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づき本考案の実施例を説明す
る。
る。
【0013】図1及び図2は本考案の一実施例を示すも
ので、図6及び図7に示してある抄紙機すき網部1の原
料供給部4と同様な構成において、トップリップ5とボ
トムリップ6とからなるスライス7の上記ボトムリップ
6の先端部下面に、複数枚の温度センサー付のラバーヒ
ータ20を、面長方向に沿い所要間隔(たとえば、10
0mm間隔)で直接貼り付けるようにして取り付け、且つ
上記各ラバーヒータ20の温度を遠隔操作にてコントロ
ールするためコントロール装置21を備える。なお、2
2はシャワーパイプを示す。
ので、図6及び図7に示してある抄紙機すき網部1の原
料供給部4と同様な構成において、トップリップ5とボ
トムリップ6とからなるスライス7の上記ボトムリップ
6の先端部下面に、複数枚の温度センサー付のラバーヒ
ータ20を、面長方向に沿い所要間隔(たとえば、10
0mm間隔)で直接貼り付けるようにして取り付け、且つ
上記各ラバーヒータ20の温度を遠隔操作にてコントロ
ールするためコントロール装置21を備える。なお、2
2はシャワーパイプを示す。
【0014】上記ラバーヒータ20は、上下2枚のシリ
コンゴムシートの間に抵抗エレメントを配して全体を厚
さ2〜3mmの薄いシート状に一体化してなる構成を有す
る面状ヒータである。
コンゴムシートの間に抵抗エレメントを配して全体を厚
さ2〜3mmの薄いシート状に一体化してなる構成を有す
る面状ヒータである。
【0015】スライス7からすき網3上に流出される原
料液15の厚みを制御する場合、面長方向に並ぶ各ジャ
ッキ10の駆動でロッド11を介しブレード12を上下
させ、スライス7の原料液流出口であるノズル13への
ブレード12の突出量を変えるようにするが、このと
き、同時に、スライス7を構成するボトムリップ6の先
端部下面に取り付けてある各ラバーヒータ20の温度を
コントロールするようにする。
料液15の厚みを制御する場合、面長方向に並ぶ各ジャ
ッキ10の駆動でロッド11を介しブレード12を上下
させ、スライス7の原料液流出口であるノズル13への
ブレード12の突出量を変えるようにするが、このと
き、同時に、スライス7を構成するボトムリップ6の先
端部下面に取り付けてある各ラバーヒータ20の温度を
コントロールするようにする。
【0016】すなわち、すき網部1のすき網3上へスラ
イス7から流出させられた原料液15は、順次、プレス
部2、乾燥部を経て、抄紙機末尾部のリールにて巻き取
られるが、この際、リールの前に紙の坪量や厚み等を計
測するために設置してあるBM計の如き重量分布計測器
にて紙の重量分布を確認し、その値を基にラバーヒータ
20用のコントロール装置21を用いて、面長方向に配
列されたラバーヒータ20を加熱し各部の温度を遠隔に
てコントロールすることにより、スライス7のボトムリ
ップ6の先端部の変形を修正して真面度を出すようにす
る。
イス7から流出させられた原料液15は、順次、プレス
部2、乾燥部を経て、抄紙機末尾部のリールにて巻き取
られるが、この際、リールの前に紙の坪量や厚み等を計
測するために設置してあるBM計の如き重量分布計測器
にて紙の重量分布を確認し、その値を基にラバーヒータ
20用のコントロール装置21を用いて、面長方向に配
列されたラバーヒータ20を加熱し各部の温度を遠隔に
てコントロールすることにより、スライス7のボトムリ
ップ6の先端部の変形を修正して真面度を出すようにす
る。
【0017】上記において、スライス7のボトムリップ
6の先端部とブレストロール14との間の隙間は、通
常、8mm程度であるが、ラバーヒータ20の厚さは2〜
3mmであって非常に薄いため、該ラバーヒータ20を、
原料液15の温度によって最も熱影響を受け易いボトム
リップ6の先端部の下面に何ら支障なく直接貼り付ける
ようにして取り付けることができる。したがって、ラバ
ーヒータ20の熱によって温度変化を与えることによ
り、原料液15によって熱変形させられたボトムリップ
6の先端部の熱変形を直接的に修正して平面状態に近付
けることができ、その結果、ブレード12の機械的変形
量を少なくすることができ、これにより、繊維配向性や
坪量プロファイル等を精度よくコントロールすることが
可能となる。
6の先端部とブレストロール14との間の隙間は、通
常、8mm程度であるが、ラバーヒータ20の厚さは2〜
3mmであって非常に薄いため、該ラバーヒータ20を、
原料液15の温度によって最も熱影響を受け易いボトム
リップ6の先端部の下面に何ら支障なく直接貼り付ける
ようにして取り付けることができる。したがって、ラバ
ーヒータ20の熱によって温度変化を与えることによ
り、原料液15によって熱変形させられたボトムリップ
6の先端部の熱変形を直接的に修正して平面状態に近付
けることができ、その結果、ブレード12の機械的変形
量を少なくすることができ、これにより、繊維配向性や
坪量プロファイル等を精度よくコントロールすることが
可能となる。
【0018】次に、図3及び図4は本考案の他の実施例
を示すもので、図6及び図7に示してある抄紙機すき網
部1の原料供給部4と同様な構成において、トップリッ
プ5とボトムリップ6とからなるスライス7における上
記ボトムリップ6の下面側の先端部より所要距離離れた
位置に、所要の深さ及び幅とした溝23を面長方向に延
びるように設けると共に、該溝23の底部(上面側)
に、溝23の延びる方向に沿ってスリット24を適宜数
設けて、上記ボトムリップ6を溝23の部分から上下方
向へ変位可能な可撓構造とし、且つ上記溝23内に、圧
電セラミックスの積層体からなる圧電アクチュエータ
(ピエゾスタック)25を、溝23の長手方向に対し直
角方向に作動するように、面長方向へ所要間隔(たとえ
ば、100mm間隔)を隔てて配列設置し、更に、該各圧
電アクチュエータ25ごとに備えられている駆動装置で
ある電圧発生装置26に指令を送って各圧電アクチュエ
ータ25の作動量を個々にコントロールするためのコン
トロール装置27を備えたものである。
を示すもので、図6及び図7に示してある抄紙機すき網
部1の原料供給部4と同様な構成において、トップリッ
プ5とボトムリップ6とからなるスライス7における上
記ボトムリップ6の下面側の先端部より所要距離離れた
位置に、所要の深さ及び幅とした溝23を面長方向に延
びるように設けると共に、該溝23の底部(上面側)
に、溝23の延びる方向に沿ってスリット24を適宜数
設けて、上記ボトムリップ6を溝23の部分から上下方
向へ変位可能な可撓構造とし、且つ上記溝23内に、圧
電セラミックスの積層体からなる圧電アクチュエータ
(ピエゾスタック)25を、溝23の長手方向に対し直
角方向に作動するように、面長方向へ所要間隔(たとえ
ば、100mm間隔)を隔てて配列設置し、更に、該各圧
電アクチュエータ25ごとに備えられている駆動装置で
ある電圧発生装置26に指令を送って各圧電アクチュエ
ータ25の作動量を個々にコントロールするためのコン
トロール装置27を備えたものである。
【0019】図3及び図4の実施例の場合には、図1及
び図2に示す実施例の場合と同様に、重量分布計測器に
て計測した紙の重量分布の値を基に、圧電アクチュエー
タ25用のコントロール装置27を用いて、面長方向に
配列された圧電アクチュエータ25の電圧発生装置26
を駆動し、各部の圧電アクチュエータ25の作動量を遠
隔にてコントロールすることにより、スライス7のボト
ムリップ6の先端部の変形を修正して真面度を出すよう
にする。すなわち、圧電アクチュエータ25を伸長作動
させると、溝23の幅が押し拡げられるため、図3の二
点鎖線で示す如く、ボトムリップ6は溝23の部分から
上方へ変形させられる。なお、このボトムリップ6の変
形は、溝23にスリット24を有することから僅かな力
で行わせることができる。したがって、各圧電アクチュ
エータ25の作動量を個々にコントロールすることで、
原料液15によって熱変形させられたボトムリップ6の
先端部の熱変形を機械的に修正して平面状態に近付ける
ことができる。これにより、上記実施例と同様に、繊維
配向性や坪量プロファイル等を精度よくコントロールす
ることが可能となる。
び図2に示す実施例の場合と同様に、重量分布計測器に
て計測した紙の重量分布の値を基に、圧電アクチュエー
タ25用のコントロール装置27を用いて、面長方向に
配列された圧電アクチュエータ25の電圧発生装置26
を駆動し、各部の圧電アクチュエータ25の作動量を遠
隔にてコントロールすることにより、スライス7のボト
ムリップ6の先端部の変形を修正して真面度を出すよう
にする。すなわち、圧電アクチュエータ25を伸長作動
させると、溝23の幅が押し拡げられるため、図3の二
点鎖線で示す如く、ボトムリップ6は溝23の部分から
上方へ変形させられる。なお、このボトムリップ6の変
形は、溝23にスリット24を有することから僅かな力
で行わせることができる。したがって、各圧電アクチュ
エータ25の作動量を個々にコントロールすることで、
原料液15によって熱変形させられたボトムリップ6の
先端部の熱変形を機械的に修正して平面状態に近付ける
ことができる。これにより、上記実施例と同様に、繊維
配向性や坪量プロファイル等を精度よくコントロールす
ることが可能となる。
【0020】なお、本考案は上記実施例のみに限定され
るものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
るものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【考案の効果】以上述べた如く、本考案の抄紙機すき網
部のスライスリップ変形調節装置によれば、ボトムリッ
プの先端部下面に、上下2枚のシリコンゴムシート間に
抵抗エレメントを配置して厚さ2〜3mmの薄いシート状
としてなる複数のラバーヒータを面長方向に配列して直
接貼り付けるようにして取り付け、各ラバーヒータの温
度をコントロール装置で個々にコントロールできるよう
にしたので、原料液の温度の影響を最も受け易いボトム
リップの先端部の変形をラバーヒータの熱によって平面
状態に近付けるように修正することができ、又、ボトム
リップの先端部下面にはラバーヒータをそのまま直接貼
り付けることができることから、該ボトムリップの先端
部下面に凹部を設けたりする必要がなくて、取り付けが
容易であり、更に、ボトムリップの下面側に面長方向に
延びる溝を設けると共に、該溝の底部にスリットを設
け、該溝内に面長方向に沿って複数の圧電アクチュエー
タを設置し、各圧電アクチュエータの作動量をコントロ
ール装置で個々にコントロールできるようにした構成と
することにより、ボトムリップの先端部の変形を機械的
に修正することができ、しかも、ボトムリップ先端部の
変形を僅かな力で容易に行うことができることになり、
したがって、トップリップ側に装備させてある流出原料
液厚み調整用のブレードの機械的変形量を少なくするこ
とができ、紙の厚みや坪量を安定化させることができて
面長方向の品質を一定化することができる、という優れ
た効果を発揮する。
部のスライスリップ変形調節装置によれば、ボトムリッ
プの先端部下面に、上下2枚のシリコンゴムシート間に
抵抗エレメントを配置して厚さ2〜3mmの薄いシート状
としてなる複数のラバーヒータを面長方向に配列して直
接貼り付けるようにして取り付け、各ラバーヒータの温
度をコントロール装置で個々にコントロールできるよう
にしたので、原料液の温度の影響を最も受け易いボトム
リップの先端部の変形をラバーヒータの熱によって平面
状態に近付けるように修正することができ、又、ボトム
リップの先端部下面にはラバーヒータをそのまま直接貼
り付けることができることから、該ボトムリップの先端
部下面に凹部を設けたりする必要がなくて、取り付けが
容易であり、更に、ボトムリップの下面側に面長方向に
延びる溝を設けると共に、該溝の底部にスリットを設
け、該溝内に面長方向に沿って複数の圧電アクチュエー
タを設置し、各圧電アクチュエータの作動量をコントロ
ール装置で個々にコントロールできるようにした構成と
することにより、ボトムリップの先端部の変形を機械的
に修正することができ、しかも、ボトムリップ先端部の
変形を僅かな力で容易に行うことができることになり、
したがって、トップリップ側に装備させてある流出原料
液厚み調整用のブレードの機械的変形量を少なくするこ
とができ、紙の厚みや坪量を安定化させることができて
面長方向の品質を一定化することができる、という優れ
た効果を発揮する。
【図1】本考案の抄紙機すき網部のスライスリップ変形
調節装置の一実施例を示す概要図である。
調節装置の一実施例を示す概要図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】本考案の他の実施例を示す概要図である。
【図4】図3に示すボトムリップを下面から見た斜視図
である。
である。
【図5】抄紙機の湿部の一例を示す概略構成図である。
【図6】湿部に有する原料供給部の一例を示す拡大図で
ある。
ある。
【図7】図6の正面図である。
【図8】最近提案されているボトムリップの変形防止方
式の一例を示す概要図である。
式の一例を示す概要図である。
【図9】図8とは別の例を示す概要図である。
1 すき網部 3 すき網 5 トップリップ 6 ボトムリップ 7 スライス 15 原料液 20 ラバーヒータ 21 コントロール装置 23 溝 24 スリット 25 圧電アクチュエータ 27 コントロール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−207395(JP,A) 実開 平1−114698(JP,U) 欧州特許出願公開46434(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 1/02 - 1/06
Claims (2)
- 【請求項1】 ヘッドボックスのトップリップとボトム
リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
ムリップの先端部下面に、上下2枚のシリコンゴムシー
ト間に抵抗エレメントを配して厚さ2〜3mmの薄いシー
ト状としてなる複数のラバーヒータを面長方向に配列し
て直接貼り付けるようにして取り付け、且つ該各ラバー
ヒータに、温度をコントロールするためのコントロール
装置を接続した構成を有することを特徴とする抄紙機す
き網部のスライスリップ変形調節装置。 - 【請求項2】 ヘッドボックスのトップリップとボトム
リップとからなるスライスよりすき網上に原料液を流出
させるようにしてある抄紙機すき網部における上記ボト
ムリップの下面側の先端部より所要距離離れた位置に、
面長方向に延びる溝を設けると共に、該溝の底部に溝の
長手方向に延びるスリットを設け、且つ上記溝内に、複
数の圧電アクチュエータを、溝の幅方向に伸縮できるよ
うに配列し、更に、該各圧電アクチュエータの作動量を
コントロールするためのコントロール装置を備えた構成
を有することを特徴とする抄紙機すき網部のスライスリ
ップ変形調節装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993072316U JP2600827Y2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-12-16 | 抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-51471 | 1993-08-30 | ||
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JP1993072316U JP2600827Y2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-12-16 | 抄紙機すき網部のスライスリップ変形調節装置 |
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- 1993-12-16 JP JP1993072316U patent/JP2600827Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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