JP2503409B2 - 内燃機関のスロットル制御装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル制御装置

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JP2503409B2
JP2503409B2 JP61028324A JP2832486A JP2503409B2 JP 2503409 B2 JP2503409 B2 JP 2503409B2 JP 61028324 A JP61028324 A JP 61028324A JP 2832486 A JP2832486 A JP 2832486A JP 2503409 B2 JP2503409 B2 JP 2503409B2
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関の回転速度を調節するスロットルを
制御する内燃機関のスロットル制御装置に関し、例えば
車両の内燃機関のスロットル制御装置として利用でき、
発進時および加速時の駆動輪スリップ防止のトラクショ
ン制御、走行中の走行速度制御などに適用されるスロッ
トル制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来この種の装置では、駆動輪のスリップ防止をする
ものとして、特公昭51-31915号「車輪のスリップ防止装
置」があり、発進、加速時に駆動輪のスリップが発生す
ると、エンジンのキャブレータのスロットル開度を減じ
てエンジトルクを減少させている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、この従来装置ではスリップ防止専用の
アクチュエータとなっており、その作動によりスロット
ル開度を強制的に減少させたとき、そのスロットル軸が
アクセルケーブルを介してアクセルペダルに連結してい
るので、前記アクチュエータの駆動力が反力となってア
クセルペダルを押し戻すことになり、運転者の足にショ
ックを与えてしまうという問題がある。
また、上記のような従来技術では、アクセルペダルに
よりスロットル軸を駆動する場合にアクチュエータが抵
抗となるという問題があった。
また、特開昭59-122742号「エンジンのスロットル弁
制御装置」にもアクチュエータでスロットル開度を調整
するものがあるがこれについても、アクセルペダルによ
りスロットル軸を駆動する場合にアクチュエータが抵抗
になるという問題があった。
一方、実開昭59-81748号「車両の定速走行装置」に
は、アクセルペダルによりスロットル軸を駆動する場合
にアクチュエータが抵抗にならない構造となっている
が、これについてはアクチュエータが故障した場合スロ
ットル弁が運転者の意図に反して閉じすぎてしまい、内
燃機関が不調を越したり最悪の場合は内燃機関が停止し
てしまう不具合が考えられた。
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑み、スロ
ットルをアクセルとアクチュエータとの両方により駆動
できるとともに、アクチュエータの非作動時にはアクチ
ュエータがアクセルによるスロットル駆動に干渉するこ
とがなく、その一方でアクチュエータの作動時にはアク
セルに与える反力を低減することができ、さらに、アク
チュエータが故障した場合においてもスロットル弁が過
度に閉じすぎたりせず、内燃機関の好適な運転を維持で
きる内燃機関のスロットル制御装置を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、所定の移動範囲
内を増速方向と減速方向とに移動して、内燃機関の回転
速度を増減させるスロットル部材と、 前記スロットル部材の前記移動範囲外を初期位置とし
て、前記スロットル部材の前記移動範囲外から前記移動
範囲内に渡って移動可能に設けられ、前記移動範囲内に
おいて前記スロットル部材と当接して前記スロットル部
材を減速方向に移動させる当接部材と、 前記当接部材を前記スロットル部材の前記移動範囲外
から前記移動範囲内に渡って移動させるアクチュエータ
と、 前記アクチュエータの非作動時に、前記当接部材を前
記初期位置に復帰させる復帰手段と、 前記スロットル部材の増速方向側に設けられ、乗員の
操作に応じて増速方向と減速方向とに移動するアクセル
部材と、 前記スロットル部材を前記アクチュエータによる減速
方向への駆動力より弱い力で増速方向に付勢し、前記ア
クチュエータの非作動時に前記スロットル部材を前記ア
クセル部材に連動させ、前記アクチュエータの作動時に
前記スロットル部材を前記アクセル部材から離れて減速
方向へ移動可能にする増速方向付勢手段とを備え、前記
アクチュエータは、前記当接部材への駆動伝達を断続す
るクラッチ手段を備えることを特徴とする内燃機関のス
ロットル制御装置という技術的手段を採用する。
〔作用〕
上記の本発明の構成によると、スロットル部材はアク
チュエータとスロットル部材との両方によって駆動され
る。
先ず、アクチュエータの非作動時には、アクセル部材
によってスロットル部材が増速方向と減速方向とに駆動
される。このアクセル部材は、スロットル部材の増速方
向側に設けられており、このアクセル部材が増速方向へ
移動すると増速方向付勢手段によってスロットル部材が
増速方向へ駆動され、内燃機関の回転速度が増速され
る。また、アクセル部材が減速方向へ移動するとアクセ
ル部材によりスロットル部材が減速方向に駆動され、内
燃機関の回転速度が減速される。このとき、アクチュエ
ータにより駆動される当接部材は、復帰手段によってス
ロットル部材の移動範囲外の初期位置に駆動されている
ため、アクチュエータはスロットル部材に作用しない。
このため、アクセル部材は応じてスロットル部材が駆動
されるときにアクチュエータが干渉することが防止され
る。
また、アクチュエータの作動時には、アクチュエータ
によって当接部材が駆動され、この当接部材がスロット
ル部材に当接してスロットル部材が減速方向へ駆動され
る。このとき、アクセル部材はスロットル部材の増速方
向側に設けられているため、アクチュエータによるスロ
ットル部材の移動が直接的にアクセル部材に伝達される
ことがない。このため、アクチュエータの作動時にスロ
ットル部材からアクセル部材へ伝わる反力を低減するこ
とが可能となる。
さらに、アクチュエータに備えられたクラッチ手段に
よりアクチュエータの故障時にも当接部材をアクチュエ
ータの駆動力から解放するので、乗員の操作でアクセル
部材を増速方向及び減速方向に移動させることができ
る。
〔実施例〕
第1図は本発明の基本的な構成を示す全体構成図、第
2図はその要部詳細構成を示す要部構成図である。
この第1図,第2図において、1はアクチュエータで
あり、駆動力を出力する出力軸101と電磁クラッチ102と
減速装置103と駆動源の電気モータ104と出力軸の位置を
検出するポテンショメータ105から構成している。9は
アクセル操作部をなすアクセルペダル、10,11はコント
ロールケーブル、12はケーブル11に連結したスロットル
レバーで、スプリング13によりスロットル14を閉じる方
向に引張っている。
前記コントロールケーブル10,11の間にレバー部を配
置している。アクセルペダル9に連結したコントロール
ケーブル10の他端に第1のレバー2を連結しており、引
張スプリング7により第1のレバー2を引張っている。
この第1のレバー2に対して補助レバー3がスプリング
6を介して当接している。この補助レバー3にはコント
ロールケーブル11に連結した第2のレバー4が当接して
いる。この第2のレバー4に対して所定の間隙を介して
第3のレバー5を配設している。この第3のレバー5は
スプリング8により初期の位置に保持されており、アク
チュエータ1の出力軸101に連結している。
40は複数の車輪速度を検出するセンサ部で、従動輪速
度を検出する従動輪センサ41と駆動輪速度を検出する駆
動輪センサ42を有している。このセンサ部40からの検出
信号とアクチュエータ1の出力軸の回転角度を検出する
ポテンショメータ105からの角度信号が電子制御ユニッ
ト(以下ECUと呼ぶ)50に入力され、このECU50はアクチ
ュエータ1に制御信号を加えている。
第2図において、アクチュエータ1の出力軸101のま
わりに第1,第2のレバー2,4、および補助レバー3が空
転可能な状態で組付てあり、第3のレバー5はナット15
により出力軸101に固定されている。第1のレバー2は
アクセルペダル9に接続したケーブル10と連結してお
り、スプリング7によって(A方向から見て)アクチュ
エータ1に対して反時計方向に力を受けている。第1の
レバー2と補助レバー3はスプリング6により互いの面
2aと3aが当接するように力を受けている。この力はスプ
リング13が第2のレバー4を引っ張る力より大きい。
また、第2のレバー4はケーブル11によりスロットル
レバー12と連結されており、スロットルレバー12はスプ
リング13によってスロットル14が閉じる方向に力を受け
ているため、第2のレバー4は反時計方向の力を受けて
おり、面4cと3aは接触状態になっている。
また、出力軸101に固定された第3のレバー5はその
面5a,5bで第2のレバー4の面4a,4bをはさむ位置に取り
付けられ、通常のアクセル操作で第2のレバー4が回転
しても、面4a,5aおよび4b,5bが接触しない位置にスプリ
ング8によって引っ張られている。
また1a,2cはスプリング7の両端をそれぞれアクチュ
エータ1、第1のレバー2に組付けるストッパ、2b,3b
はスプリング6の両端をそれぞれ第1のレバー2および
補助レバー3に組付けるストッパ、5c,1bはスプリング
8の両端をそれぞれ第3のレバー5、アクチュエータ1
に組付けるストッパである。
次にアクチュエータ1の内部構成を第3図を用いて説
明する。出力軸101のまわりに電磁クラッチ102が空転可
能に組付けてあり、プレート108は出力軸101に固定され
ている。電磁クラッチ102に吸引されるクラッチプレー
ト106は板バネ107を介してプレート108に組付けてあ
る。109は電磁クラッチ102のコイル102aに通電するため
のターミナルで、コイル102aを励磁するとクラッチプレ
ート106が電磁クラッチ102と結合する。
モータ104の回転はウォームギヤ103を介して電磁クラ
ッチ102に伝えられ、さらにその回転はコイル102aを励
磁した時に、クラッチプレート106、板バネ107、プレー
ト108を介して出力軸101に伝えられる。また、ポテンシ
ョメータ105の軸105aは出力軸101に組付けられており、
出力軸101の回転角はポテンショメータ105によって検出
されるようになっている。
次に、上記構成においてその作動を説明する。
(i)通常のアクセル操作時 運転者がアクセルペダル9を踏み込むと、コントロー
ルケーブル10を介して第1のレバー2が時計方向に回転
する。またレバー2と3の間のスプリング6の設定荷重
はスプリング13によってレバー4が引っ張られる力より
大きいため、レバー2の回転に伴い、補助レバー3も面
2aと3aがくっついたままの状態で同方向に回転し、さら
にレバー4の面4cもレバー3の面3aに押されるためレバ
ー4も同方向に回転し、ケーブル11を介してスロットル
レバー12が引っ張られ、スロットル14が開く。
運転者がアクセルペダル9の踏込量を減少させれば、
スプリング7,13によってレバー2,3,4、スロットルレバ
ー12は反時計方向に回転し、スロットル14が閉じる。こ
のように、通常のアクセル操作ではスロットル14はアク
セルペダル9によって機械的に動かされ、常にスロット
ル開度とアクセルペダル踏込量は対応している。また、
アクセルペダル9を踏まない状態(スロットル全閉状
態)でもレバー4の面4bとレバー5の面5bは接触せず、
アクセルペダル9が目いっぱい踏み込まれた状態(スロ
ットル全開状態)でもレバー4の面4aとレバー5の面5a
が接触しない位置にスプリング8によってレバー5が引
っ張られているため、通常のアクセル操作時にはアクチ
ュエータ1の出力軸101は動かされない。
(ii)スリップ制御時 発進・加速時等に駆動輪に過大なスリップが発生して
車両が安定性を失い、また加速性が悪化するのを防止す
るよう制御する。そこでECU50ではセンサ部40からの信
号に基づき駆動輪のスリップを判定しており、スリップ
発生時にはアクチュエータ1に対して、スロットル開度
を減少させてエンジントルクを抑制し、スリップを抑え
るよう指令する。ECU50により駆動輪のスリップを検出
すると、コイル102aを励磁し電磁クラッチ102とクラッ
チプレート106を結合させ、モータ104によって出力軸10
1を反時計方向に回転させる。すると出力軸101に固定さ
れたレバー5が同方向に回転し、面5aが4aに接触し、そ
れ以後レバー4もレバー5に押されて同方向に回転しス
プリング13によりスロットル14が閉じる。この時、レバ
ー3はレバー4の面4cに押されて反時計方向に回転する
が、アクセルペダル9が踏み込まれているためレバー2
は反時計方向に回転せず、レバー2,3の面2a,3aが離れ
る。
スリップが抑まるとモータ104を逆転させ出力軸101を
時計方向に回転させる。するとレバー5が同方向に回転
するが、スプリング6の力によりレバー3,4もこの回転
に伴い面3a,4cおよび面4a,5aを密着させたまま同方向に
追従して回転するため、コントロールケーブル11を介し
てスロットル14が開けられる。スロットル開度がアクセ
ルペダル踏込量と対応する位置まで戻ると面2aと3aがく
っつきレバー3a,4aはそれ以上時計方向に回転できなく
なり、レバー4の面4aとレバー5の面5aが離れる。ここ
で、さらに出力軸101を時計方向に回転し続けるとやが
て面5bが面4bに接触してレバー4を時計方向に回転さ
せ、スロットル開度がアクセルペダル踏込量より大きく
なってしまうことを防ぐため、出力軸101の回転角がも
との位置(通常位置)に戻ったことをポテンショメータ
105によって検出して、それ以上出力軸101を時計方向に
駆動することを禁止するようにしてある。
この状態が所定時間(例えば1〜5sec)続いた時に
は、スリップが完全に抑まったとして制御を終了(モー
タ、電磁クラッチ共にOFF)する。
また、スリップ制御中に運転者が急にアクセルペダル
9から足を離した場合にはレバー2の面2aとレバー3の
面3aがくっつき、反時計方向に回転するためレバー4も
スプリング13の力でレバー3と共に同方向に回転し、ス
ロットル14が閉じられる。この時、面4aと5aが離れるこ
とになるが、レバー4がスロットル全閉位置まで戻され
る時に面4bと5bが接触することはないので、スロットル
14をすぐに閉じることができる。
(iii)オートドライブ時 オートドライブ中はコイル102aを励磁し、電磁クラッ
チ102とクラッチプレート106を結合させ、モータによっ
て出力軸101を時計方向に回転させる。すると出力軸101
に固定されたレバー5の面5bがレバー4の面4bと接触
し、それ以後レバー4がレバー5に押されて時計方向に
回転しコントロールケーブル11を介してスロットルレバ
ー12が引っ張られてスロットル14が開かれる。この時、
アクセルペダル9が踏み込まれていなければレバー3の
面3aとレバー4の面4cが離れ、レバー2,3は動かされな
い。従って、アクセルペダルを動かさずにスロットル開
度を調節して設定車速を保つことができる。
オートドライブ中、運転者がさらに加速しようとし
て、アクセルペダル9をさらに踏み込むと、通常のアク
セル操作時と同様にコントロールケーブル10を介してレ
バー2,3が時計方向に回転し、さらにレバー4がレバー
3に押されて同方向に回転し、スロットル14をさらに開
くことができる。この時レバー4の面4bとレバー5の面
5bが離れる。この加速により車速が設定車速を越えると
モータ104により出力軸101は反時計方向(スロットルを
閉じる方向)に回転させられるが、出力軸101を反時計
方向に回転し続けるとやがて面5aが面4aに接触してレバ
ー4を反時計方向に回転させ、スロットル開度がアクセ
ルペダル踏込量より小さくなってしまうことを防ぐた
め、出力軸101の回転角がもとの位置(通常位置)に戻
ったことをポテンショメータ105によって検出して、そ
れ以上出力軸101を反時計方向に駆動することを禁止す
るようにしてある。
次にECU50の動作の一例を第4図のフローチャートを
用いて説明する。
まず、ステップ200,201,202にてアクチュエータ1の
ポテンショメータ105、および従動輪、駆動輪センサ41,
42の信号から出力軸回転角αO、駆動輪速度VW、従動輪
速度VVを演算する。ここで出力軸回転角αOは出力軸101
を時計方向(スロットルを閉じる方向)に回転させると
小さくなり、反時計方向(スロットルを開ける方向)に
回転させると大きくなり、また制御を行っていない時は
スプリング8により出力軸作動角はαSになっている。
ステップ203ではオートドライブ実行モードになって
いるか否かを判別する。もしオードドライブ実行モード
になっている場合はステップ216に移り、オートドライ
ブ用のプログラムを実行してステップ200へ戻る。一
方、ステップ203にてオートドライブ実行モードになっ
ていないと判別された場合はステップ204に移り、スリ
ップ判定レベルVTを作成する。すなわち従動輪速度VV
K倍(K=1.1〜2.0)して目標スリップ率に対応速度を
求め、それにオフセット速度VO(VO=1〜5km/s)を加え
た速度をVT(VT=K・VV+VO)とする。
次にステップ205でスリップ制御が実行中であるかど
うかを判別する。もしすでにスリップ制御が開始されて
いると判別された場合はステップ208に移る。一方ステ
ップ205でまだスリップ制御が開始されていないと判別
された場合はステップ206に移りスリップ判定を行う。
もしステップ206でVW<VTならばスリップは発生してい
ないと制御は行わずステップ200へ戻る。
一方ステップ206にてVW≧VTが成立した場合は駆動輪
にスリップが発生したとしてステップ207に移りスリッ
プ制御を開始し、アクチュエータ1のコイル102aに通電
してステップ208に移る。ステップ207ではアクチュエー
タ1の出力軸101を駆動速度を演算する。例えば=
A(VW−VT)(A<0)として計算する。次にステップ
209でが正か負かを判別し、もし≦0ならばステッ
プ212に移り、アクチュエータ1に対し出力軸101を速度
||で反時計方向(スロットルを閉じる方向)に駆動
するよう指令しステップ200に戻る。
一方ステップ209で>0ならばステップ210に移り、
出力軸回転角αOと非制御時の回転角αSを比較する。も
しαO<αSならばステップ211に移り、出力軸101が制御
開始前の位置まで戻っていないとして、アクチュエータ
1に対し出力軸101を速度|0|を速度||で時計方向
(スロットルを開く方向)に駆動するよう指令しステッ
プ200へ戻る。
一方ステップ210でαOαSならばステップ213でこの
状態が所定時間(例えば1〜5sec)以上続いているかど
うかを判別する。所定時間続いていない場合ステップ12
4に移りアクチュエータ1に対し出力軸101を駆動するこ
とを禁止する。つまり、ステップ210を通る場合は速度
||で出力軸101を時計方向(スロットルを開ける方
向)に駆動するわけであるが、ここではαO≧αSとな
り、この時出力軸101は制御開始前の位置に戻っている
ので、それ以上に出力軸101を時計方向に駆動すること
を禁止する。
一方、ステップ213にてαO≧αSの状態が所定時間以
上継続していると判別された場合は、ステップ215に移
りスリップが完全に抑まり、スリップ制御の必要がなく
なったとしてスリップ制御を終了し、アクチュエータ1
のコイル102aへの通電を終了してステップ200に戻る。
ここで、スリップ制御中はステップ208にてアクチュ
エータ1の出力軸101の駆動速度θをVWとVVの差に応じ
て計算しているため、スロットル14はスリップの状態に
応じた速度で開閉される。このようにアクチュエータ1
の駆動速度を変化させるためにECU50はアクチュエータ
1のモータ104に印加する電圧を第5図に示すようにデ
ューティ制御する。すなわちデューティ比をt/T(T:周
期一定)を制御し、デューティ比を大きくすれば駆動速
度||は大きくなる。
また、上述の実施例ではスリップ制御時に出力軸回転
角αOはαO≦αSの範囲で制御されることになるが、同
様にオートドライブ制御ではαO≧αSの範囲で制御する
ことにしてある。従って、上述の実施例ではスリップ防
止用のアクチュエータをオートドライブ用アクチュエー
タと一体化し、互いの機能を損なうことなく経済的なス
ロットル制御を行うことができる。
さらに、アクチュエータがアクセルペダルとスロット
ルレバーを連結するコントロールケーブルの途中に配置
されるため、他の部分の改造を不要であり、アクセルペ
ダル9とスロットルレバー12は機械的に連結されている
ため、リンクレス方式のようにアクセルペダルとスロッ
トルレバーを機械的に連結せずアクセルペダル踏込量と
スロットル開度をセンサによって電気的に検出してスロ
ットル14をステップモータで駆動する方式に比べて信頼
性が高い。
また、通常のアクセル操作時には、スロットルレバー
12に連結されているレバー4によって、出力軸101に固
定されているレバー5は動かされることはないので、ア
クチュエータ1自身の信頼性が高く、逆に万一アクチュ
エータ1が故障して出力軸101を駆動することができな
くなっても、通常のアクセル操作には影響ないという利
点がある。
次に、第6図は第2の実施例を示す。すなわち、第1
図における補助レバー3を2つの補助レバー3Aと3Bに分
けて、これらをコントロールケーブル3Cで連結し、レバ
ー3Aがスプリング6によってレバー2と一体になるよう
にし、レバー3Bがレバー4をスロットルを開ける方向に
押せるように組付けてもよい。また第1図において、ス
プリング7をレバー2に組付けずに、レバー3に組付け
てもよい。第6図では図に示すようにスプリング7をレ
バー3Bに取付けるようにする。また第1図においてレバ
ー4はレバー5によって挟まれた構成になっているが、
第6図のようにレバー4でレバー5を挟んだ構成にして
もよい。ここで第6図のように補助レバー3を2つの補
助レバー3A,3Bに分けると、アクチュエータ1に組付け
るレバーやスプリングの数が減りアクチュエータ1自体
を小型化でき、車載性を良くすることができる。
また前記実施例では、ポテンショメータ105を用いて
出力軸回転角αOを検出して出力軸の戻しすぎを禁止す
るようにしたが、ポテンショメータ105のかわりに複数
のスイッチを用いて出力軸の戻しすぎや行きすぎを禁止
するようにしてもよい。例えば、出力軸101の回転に伴
いそれぞれ所定の回転角で第3の実施例を説明する第7
図のようにON/OFFする3コのスイッチを用い、非制御時
には各スイッチa,b,cは状態IVの信号(スイッチa,b,c共
にOFF)を出力している。スリップ制御時には出力軸が
反時計方向(スロットル閉方向、第7図では左方向)に
回転されるため各スイッチの信号は状態I,II,III,IVの
いずれかになる。
ここで各スイッチの信号が状態IIまたはIIIの場合に
は、出力軸をどちらの方向にも駆動でき、状態Iの場合
は反時計方向の駆動のみ禁止し、状態IVの場合は時計方
向の駆動のみ禁止する。つまり、スリップ制御時には出
力軸はスロットルが全閉になるまで反時計方向に駆動さ
れれば十分であるので、余分に反時計方向に駆動すると
状態Iの信号が出力され、それ以上反時計方向に駆動す
ることを禁止する。これにより、行きすぎによるモータ
104のロックを防止することができる。また、スリップ
が抑まり出力軸が時計方向に回され制御開始時の位置ま
で戻ると状態IVの信号が出力され、それ以上時計方向に
駆動することを禁止する。これにより戻りすぎによって
出力軸101がオートドライブ時に動く範囲まで動いてし
まうことを防止することができる。
また、スリップ制御中にはスイッチa,b,cは状態I,II,
III,IVのいずれかの信号を出力するはずであるので、こ
れ以外の状態がECUに入力された時は、スイッチa,b,cの
故障、または駆動回路の故障と判定してすぐに制御を終
了(モータ、クラッチ共にOFF)する。
一方、オートドライブ中には出力軸101が時計方向
(スロットル開方向)に回転されるため各スイッチa,b,
cの信号は状態IV,V,VI,VIIのいずれかになる。ここで各
スイッチa,b,cの信号が状態V,VIの場合は、出力軸101を
どちらの方向にも駆動でき、状態IVの場合は反時計方向
の駆動のみ禁止し、状態VIIの場合は時計方向の駆動の
み禁止するようになっている。この実施例ではスイッチ
a,b,cを3個使用し、どれか1個が故障した場合でも上
記の動作を保障するようになっている。
また、上記の処理は、第1の実施例のようにプログラ
ム内で行うようにしてもよいし、IC素子等で論理回路を
構成して行うようにしてもよい。
また前記実施例では、スリップ制御時に出力軸101の
駆動速度を駆動輪速度VWとスリップ判定レベルVTを用
いて求めるようにしたが、ECU50にスロットル開度を入
力するようにして、スリップ率に応じてスロットル開度
の変化量Δθを求め、その変化量Δθだけスロットル開
度が変化するようにアクチュエータ1を駆動してもよ
く、特に制御方法には限定されない。
また、前記実施例のアクチュエータ1はスリップ制御
とオートドライブ制御の両機能を有することで経済的効
果を上げているが、これをスリップ制御専用のアクチュ
エータとして第8図の第4実施例のように構成してもよ
い。
すなわち、第1図における補助レバー3、スプリング
7をなくし、レバー2とレバー4をスプリング6を介し
て直接連結するようにする。また、レバー5はレバー4
がスロットル14を閉じる方向にのみ駆動できるように
し、スプリング8はレバー5を通常のアクセル操作でレ
バー4と接触しない位置に戻すように取付ける。
また、第1図,第6図,第8図において、スプリング
6は1本であるため、万一切れるとアクセルペダル9と
スロットルレバー12の間の機械的連結がなくなり、アク
セルペダル9を踏み込んでもスロットル14を開くことが
できなくなっしまうことを防ぐため、スプリング6を2
本に分けて並列に組みつけ、万一1本が切れても、もう
一本のスプリング力により、スロットル14をある程度開
けられるようにしてもよい。
なお、第1図および第6図の実施例では、スロットル
部材を第2のレバー4と補助レバー3とを備える構成と
し、アクセル部材を第1のレバー2を備える構成として
いる。そして、増速方向付勢手段として、補助レバー3
と第1のレバー2との間に介装され、補助レバー3とと
もに第2のレバー4を図中右方向へ付勢するスプリング
6を設けている。また、当接部材として設けられる第3
のレバー5は、スロットル部材である第2のレバー4に
対して増速方向と減速方向との両方から当接可能に構成
されている。このため、この実施例では、第3のレバー
5により第2のレバー4が増速方向に駆動されるときに
は、スロットル部材を構成する第2のレバー4と補助レ
バー3とが離れ、第2のレバー4の増速方向への移動が
アクセル部材である第1のレバー2に伝達されることが
防止される。また、第3のレバー5により第2のレバー
4が減速方向に駆動されるときには、スロットル部材を
構成する補助レバー3とアクセル部材を構成する第1の
レバー2とが離れ、第2のレバー4と補助レバー3との
減速方向への移動がアクセル部材である第1のレバー2
に直接的に伝達されることが防止され、スプリング6を
介することでアクセルペダル9に伝達される反力が大幅
に低減される。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によると、スロットルをアク
セルとアクチュエータとの両方により駆動することがで
きる。しかも、アクチュエータの非作動時には、アクチ
ュエータとスロットル部材との間に設けられ、スロット
ル部材に当接する当接部材がスロットル部材の移動範囲
外の初期位置に復帰されるため、非作動状態のアクチュ
エータがアクセルによるスロットル駆動に干渉すること
がない。また、アクチュエータの作動時には、スロット
ル部材がアクセル部材から離れて減速方向へ駆動される
ため、スロットル部材の減速方向への移動がアクセル部
材に直接的に伝達されることが防止され、アクセルに与
える反力を低減することができる。さらに、アクチュエ
ータの故障時にも乗員の操作により内燃機関を好適に運
転することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的な構成を示す全体構成図、第2
図はその要部詳細構成を示す要部構成図、第3図はアク
チュエータの内部構成を示す断面構成図、第4図はECU
の演算処理を示すフローチャート、第5図はECUによる
駆動デューティを示す波形図、第6図は本発明の第2の
実施例を示す構成図、第7図は本発明の第3の実施例の
要部作動説明を示す説明図、第8図は本発明の第4の実
施例を示す構成図である。 1……アクチュエータ,2……第1のレバー,3……補助レ
バー,4……第2のレバー,5……第3のレバー,6……スプ
リング,9……アクセル操作部をなすアクセルペダル,14
……スロットル,40……センサ部,50……ECU。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の移動範囲内を増速方向と減速方向と
    に移動して、内燃機関の回転速度を増減させるスロット
    ル部材と、 前記スロットル部材の前記移動範囲外を初期位置とし
    て、前記スロットル部材の前記移動範囲外から前記移動
    範囲内に渡って移動可能に設けられ、前記移動範囲内に
    おいて前記スロットル部材と当接して前記スロットル部
    材を減速方向に移動させる当接部材と、 前記当接部材を前記スロットル部材の前記移動範囲外か
    ら前記移動範囲内に渡って移動させるアクチュエータ
    と、 前記アクチュエータの非作動時に、前記当接部材を前記
    初期位置に復帰させる復帰手段と 前記スロットル部材の増速方向側に設けられ、乗員の操
    作に応じて増速方向と減速方向とに移動するアクセル部
    材と、 前記スロットル部材を前記アクチュエータによる減速方
    向への駆動力より弱い力で増速方向に付勢し、前記アク
    チュエータの非作動時に前記スロットル部材を前記アク
    セル部材に連動させ、前記アクチュエータの作動時に前
    記スロットル部材を前記アクセル部材から離れて減速方
    向へ移動可能にする増速方向付勢手段と を備え、 前記アクチュエータは、 前記当接部材への駆動力伝達を断続するクラッチ手段を
    備えることを特徴とする内燃機関のスロットル制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記アクセル部材は、 乗員の操作に応じて増速方向と減速方向とに移動する第
    1部材と、 前記第1部材を減速方向へ付勢する第1減速方向付勢手
    段と、 を備えることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    内燃機関のスロットル制御装置。
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