JP2023533041A - ウイルスに対するタウロリジンの使用 - Google Patents

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Abstract

ウイルスに対するタウロリジンの使用が本出願において提供される。具体的には、抗ウイルス薬の調製における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用が本出願において提供される。研究結果は、タウロリジンがインフルエンザウイルス及びコロナウイルスを細胞レベルで有意に阻害することができることを示している。さらに、インビボ実験により、タウロリジンが肺に対して有意な保護効果を有し、インフルエンザウイルス又はSARS-CoV-2ウイルスに感染したマウスの生存期間を延長することができることが確認されている。タウロリジンは、インフルエンザウイルス又はコロナウイルスによって引き起こされる肺疾患の予防及び治療に使用することができることが示されている。本願の研究成果は、タウロリジンの有効範囲を広げ、研究基盤を提供し、ウイルスによって引き起こされる肺感染症の予防薬又は治療薬の研究開発に新たな方向性を切り開くものである。

Description

本出願は、出願日が2020年7月6日である中国出願第202010638926.9号、出願日が2020年7月6日である中国出願第202010639186.0号、及び出願日が2020年9月21日である中国出願第202010994928.1号に基づいてそれらの優先権を主張し、それらの中国出願の開示内容は、その全体が本出願に組み込まれる。
本発明は、薬物療法の分野に関し、具体的にはウイルスに対するタウロリジンの使用、特に新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症の治療及び/又は予防における使用に関する。
コロナウイルスは、自然界に広く存在する大きなクラスのウイルスである。生物学的分類では、コロナウイルスは、ニドウイルス目、コロナウイルス科、コロナウイルス属に属し、エンベロープ及び直線状の一本鎖プラス鎖ゲノムを有するRNAウイルスであり、80~120nmの直径を有し、その核酸は、27~31kbの長さを有する非分節型(non-segmented)一本鎖(+)RNAである。コロナウイルスは、RNAウイルスの中で最も長いRNA核酸鎖を有するウイルスであり、プラス鎖RNAに固有の重要な構造的特徴を含み、すなわち、RNA鎖の5’末端にメチル化された「キャップ」があり、3’末端にポリA「テール」構造がある。この構造は、真核生物のmRNAと非常に類似しており、ゲノムRNA自体が翻訳鋳型として機能するための重要な構造基盤でもある。
コロナウイルスは、呼吸器分泌物とともに排泄され、口腔液、くしゃみ、接触、及び空気の飛沫を介して拡散し、ヒト、マウス、ウマ、ブタ、ネコ、イヌ、鳥類などの脊椎動物及びヒトに感染し、呼吸器系感染症及び急性胃腸炎などの疾患を引き起こす。
インフルエンザウイルスは、インフルエンザに至る急性呼吸器感染症を引き起こす主なウイルスである。インフルエンザウイルスは、RNAウイルスであるオルトミクソウイルス科に属し、これには主にA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスが含まれる。A型インフルエンザウイルスは、高い変異性、感染性、及び病原性を有し、非常に容易に季節性流行を引き起こす。インフルエンザウイルスによる人への感染は、重度の肺炎、急性呼吸窮迫症候群、ショックを伴う敗血症などを引き起こし得、死亡率は非常に高く、社会公衆衛生安全に大きな脅威をもたらす。現在、一般的に使用されている抗インフルエンザウイルス薬には、主にアルキルアミン薬及びノイラミニダーゼ阻害薬が含まれる。しかしながら、アルキルアミン系薬はA型インフルエンザウイルスにしか効果がなく、インフルエンザウイルスは、遺伝子変異及び薬剤応答などにより、これらの抗ウイルス薬に対する耐性を急速に獲得し得ることが見出されている。ノイラミニダーゼ阻害薬は、子孫ウイルスの放出を防ぐことにより、ウイルスの複製を阻害することができる。しかしながら、これらの薬物の副作用は、幻覚、異常行動、聴覚障害、及び視覚障害を含む臨床適用において常に問題となっている。したがって、インフルエンザウイルスの複数のサブタイプに対して普遍的な適用性を備えたクラスの薬物を検索及び開発することは非常に重要である。
新型コロナウイルス(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2)は、現在、ヒトに感染する7番目のコロナウイルスとして知られている。このウイルスは潜伏期間が長く、感染力が強く、複製率が高く、予防及び制御が困難である。ヒトが新型コロナウイルスに感染した場合、臨床症状には、発熱、倦怠感、空咳、及び漸進的な呼吸困難があり、重症の場合には、急性呼吸窮迫症候群、敗血症性ショック、代謝性アシドーシス、及び凝固機能障害があり、これらは治すことが困難であり、そのため、国民経済及びヒトの健康に深刻な影響を与え得る。現在、SARS-CoV-2の治療に有効な薬はなく、合併症の発生は対症療法に基づいて積極的に予防することしかできない。したがって、新型コロナウイルスの予防又は治療することができる有効な薬剤の開発が急務であり、そのような薬剤の研究開発にも世界中の研究者の関心が集まっている。
タウロリジン(化学名:4,4′-メチレンビス[テトラヒドロ-2H-1,2,4-チアジアジン]1,1,1′,1′-テトラオキシド、分子式:C16)は、アミノ酸タウリンの誘導体であり、その構造は以下の通りである。
タウロリジンは、抗エンドトキシン、抗菌、及び抗接着特性を有する。細菌に関して、タウロリジンは、細胞壁、内毒素及び外毒素と化学的に反応し、微生物の接着を阻害し、抗菌の役割を果たすことができる。さらに、抗腫瘍に関して、タウロリジンは、アポトーシス、オートファジー、及びネクローシスを誘導することにより、腫瘍細胞に細胞毒性を誘導することができる。これらのプロセスが関与する程度は、腫瘍細胞の種類によって変動し得る。2020年7月まで、タウロリジンの研究に関する260超の外国の文献があり、研究の殆どは腫瘍関連シグナル伝達経路におけるタウロリジンの役割の調査に焦点を当てていたが、その抗ウイルス活性に関する報告はなかった。
現在、先行技術におけるタウロリジンに関する薬物研究は、抗腫瘍及び抗菌の態様に焦点を当てている。本発明の研究結果は、タウロリジンが、インフルエンザウイルス(例えば、H1N1、H3N2、又はH5N1)及びコロナウイルス(例えば、新型コロナウイルスSARS-CoV-2、イヌコロナウイルスCCV、又はマウス肝炎ウイルスMHV)を細胞レベルで有意に阻害することができることが示している。インビボ実験により、タウロリジンが肺に対する有意な保護効果を有し、インフルエンザウイルス又はコロナウイルスに感染したマウスの生存期間を延長することができることが確認されている。上記の結果は、タウロリジンがインフルエンザウイルス又はコロナウイルスによる肺疾患の予防及び治療に使用することができることを証明している。したがって、本出願の1つの目的は、タウロリジンの有効範囲を広げ、その抗ウイルス用途を提供することである。
一態様では、本願は、抗ウイルス医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用を提供する。
別の態様では、本願は、細胞中でのウイルスの複製及び/又は繁殖を阻害するための医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用を提供する。
別の態様では、本出願は、ウイルスによって引き起こされる疾患又は感染症を予防及び/又は治療するための医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用を提供する。
別の態様では、本出願は、ウイルス感染を阻害する方法であって、ウイルスに感染した細胞、ウイルスに感染しやすい細胞、又はそれを必要とする対象に、有効量のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、方法は、有効量の抗生物質、例えば、エリスロマイシン、アセチルスピラマイシン、又はアジスロマイシンなどを細胞又は対象に投与するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、バンコマイシンではない。いくつかの実施形態では、抗生物質は、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはその組成物と同時に、別々に、又は逐次的に投与される。
別の態様では、本願は、細胞におけるウイルスの複製及び/又は繁殖を阻害する方法であって、細胞を有効量のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物と接触させるステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、方法は、細胞を有効量の抗生物質、例えば、エリスロマイシン、アセチルスピラマイシン、又はアジスロマイシンなどと接触させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、バンコマイシンではない。いくつかの実施形態では、抗生物質は、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはその組成物と同時に、別々に、又は逐次的に細胞に投与される。
別の態様では、本出願は、ウイルスによって引き起こされる疾患又は感染症を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、若しくはその薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、方法は、有効量の抗生物質、例えば、エリスロマイシン、アセチルスピラマイシン、又はアジスロマイシンを対象に投与するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、バンコマイシンではない。いくつかの実施形態では、抗生物質は、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはその組成物と同時に、別々に、又は逐次的に対象に投与される。
いくつかの実施形態では、上記の項目のうちのいずれか1つに記載のウイルスは、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、肝炎ウイルス、又はHIVなどのRNAウイルスである。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスは、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、又はインフルエンザCウイルス、例えば、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、又はH9N2である。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2、イヌコロナウイルスCCV、又はマウス肝炎ウイルスMHVである。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、CCVである。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。いくつかの実施形態では、コロナウイルスは、MHVである。
いくつかの実施形態では、上記の項目のうちのいずれか1つに記載の細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒト、ネコ、ニワトリ、ブタ、又はイヌである。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト由来の細胞又はニワトリ胚細胞である。
いくつかの実施形態では、上記の項目のうちのいずれか1つに記載の疾患又は感染症は、肺疾患である。いくつかの実施形態では、上記の項目のうちのいずれか1つに記載の疾患又は感染症は、インフルエンザ、単純感染症、重症肺炎を含む肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショック又は重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、及び新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)から選択される。いくつかの実施形態では、単純感染症は、発熱、咳、又は喉の痛みである。いくつかの実施形態では、疾患又は感染症は、COVID-19である。
いくつかの実施形態では、上記の項目のうちのいずれか1つに記載の組成物は、エリスロマイシン、アセチルスピラマイシン、及びアジスロマイシンなどの抗生物質をさらに含む。いくつかの実施形態では、抗生物質は、バンコマイシンではない。いくつかの実施形態では、組成物はまた、希釈剤、吸収剤、湿潤剤、賦形剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、及びそれらの任意の組み合わせなどの薬学的に許容される担体を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、PVP-KF-17を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、注射剤、注入剤、錠剤、カプセル剤、スプレー剤、エアゾール剤、又はリンス剤である。いくつかの実施形態では、組成物は、単位剤形で提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、1~1000mg(例えば、1~800mg、1~500mg、1~200mg、1~100mg、1~50mg、1~20mg、又は1~10mg)のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、100mlの溶液あたりに含まれる2gのタウロリジン及び5gのPVP-KF-17の製剤を有し得る。調製方法は、PVP-KF-17を最初に室温で水に溶解し、完全に溶解した後、45℃~50℃でタウロリジンを添加し、完全に溶解するまで攪拌し、次いで適量の4%水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを調整し、次いで適量の活性炭を添加し、上記温度を30分間維持し、温かくしながら濾過することを含む。濾液を0.25mm濾過膜を通して濾過し、瓶詰めして蓋をする。
用語の定義
本出願において、別段の記載がない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般に理解される意味を有する。さらに、本明細書で使用される細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、及び免疫学の実験室操作ステップはすべて、対応する分野で広く使用される日常的なステップである。一方、本開示をより良く理解するために、関連用語の定義及び説明を以下に提供する。
本明細書で使用される場合、「TRD」はタウロリジンを指す。
本明細書で使用される、「薬学的に許容される塩」という用語には、タウロリジンの無機又は有機酸塩だけでなく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、メグルミン塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、トリメチル酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピクリン酸塩、アスパラギン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、又はパモ酸塩などの無機又は有機塩基塩が含まれる。
本書では、「誘導体」とは、タウロリジンの生物活性の10%超を有する、水素原子又は他の原子基が置換された、タウロリジンから誘導されたスルホンアミド化合物を指す。例えば、タウロリジン分子中の2つのチオキシル基を単に置き換えるか、又は基-NH-及び-CH-を付加又は除去することによる構造の変更によって、類似化合物が形成される。
本書では、「プロドラッグ」とは、それ自体は元の薬物(すなわち、タウロリジン)の薬理作用を示さないがインビボで元の薬物に変換されて役割を果たす、タウロリジンの化学構造を修飾することによって得られる新しい物理的、化学的、及び生物学的特性を有する誘導体を指す。
タウロリジンは、極性溶媒、特に、水、メタノール、又はエタノールをタウロリジン結晶の構造構成要素として含む、溶媒和物(好ましくは水和物)の形態で存在し得る。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比又は非化学量論比で存在し得る。本願に記載の疾患又は感染症の治療に使用されるタウロリジンの任意の溶媒和物は、異なる特性(薬物動態特性を含む)を提供し得るが、対象に吸収された際に、タウロリジンが得られ、したがって、タウロリジンの使用がタウロリジンの任意の溶媒和物の使用をそれぞれ包含すると理解する必要がある。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」又は「予防有効量」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、(合理的な利益/リスク比で)患者における疾患を治療又は予防するのに十分な量であるが重篤な副作用を回避するのに十分な低い量を指す。化合物の治療有効量は、(例えば、化合物の効力、有効性、及び半減期を考慮して)選択された特定の化合物、選択された投与経路、治療される疾患、治療される疾患の重症度、治療される患者の年齢、サイズ、体重、及び身体疾患、治療される患者の病歴、治療期間、併用療法の性質、望ましい治療効果などの多くの要因に依存するが、依然として当業者によって日常的に決定され得る。
さらに、様々な患者に対する特定の投与量及び使用法は、年齢、体重、性別、自然な健康状態、患者の栄養状態、薬剤の効力、投与時間、代謝率、疾患の重症度、及び医師の主観的判断などの多くの要因に依存する。本明細書では、0.001~1000mg/kg体重/日の用量が好ましく使用される。
本発明の有益な効果
本願は、抗ウイルス剤におけるタウロリジンの使用を提供する。Vero-E6、MDCK、A549、Huh7などの細胞をタウロリジンの抗ウイルス効果を評価するための細胞モデルとして使用し、ウイルスを細胞に接種し、細胞の病理学的状態に応じてウイルス液を回収し、ウイルスに対するタウロリジンの阻害効果を測定した。結果は、タウロリジンがインフルエンザウイルス(例えば、H1N1、H3N2、又はH5N1)及びコロナウイルス(例えば、新型コロナウイルスSARS-CoV-2、イヌコロナウイルスCCV、又はマウス肝炎ウイルスHMV)を細胞レベルで有意に阻害することができることを示した。さらに、インビボ実験により、タウロリジンが肺に対して有意な保護効果を有し、インフルエンザウイルス又はSARS-CoV-2ウイルスに感染したマウスの生存期間を延長することができることが確認されている。これにより、タウロリジンがインフルエンザウイルス又はコロナウイルスによって引き起こされる肺疾患の予防及び治療に使用することができることが示された。本願の研究結果は、タウロリジンの有効範囲を広げ、研究基盤を提供し、ウイルスによって引き起こされる肺感染症の予防薬又は治療薬の研究開発に新たな方向性を切り開くものである。
ここで説明される添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成する。本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明を説明するために使用され、本発明に対する適切でない制限を構成するものではない。図面は以下の通りである。
図1は、タウロリジンに対するMDCK、Vero-E6、F81細胞の感受性の試験結果を示す。 図2は、インフルエンザウイルスサブタイプH3N2に対する14μMのタウロリジンの阻害効果を示す。 図3は、インフルエンザウイルスサブタイプH1N1に対するTRDの阻害効果を示す。図3A:A549細胞にインフルエンザウイルス株HIN1-UI182を感染させ(MOI=0.1)、DMSO及びTRDでそれぞれ12時間処理し、用量反応曲線をプロットした。図3Bは、TRD濃度を対数に変換し、ウイルス力価をパーセンテージに変換した後、片対数適合曲線によって計算されたEC50値を示す。図3Cは、溶媒DMSO及び異なるTRD濃度で24時間処理した後にMTTによって測定されたA549細胞の感受性を示す。図3D:示されたMOIでH1N1-UI182に感染させた後、細胞を溶媒DMSO及びTRDで12時間処理し、オセルタミビル(OSTA)を対照として使用した。核をDAPIで染色し、感染細胞を核vNP染色によって検出した(スケールバー10μm)。図3Eは、NP陽性核の数の定量化を示す。図3Fは、A549細胞におけるNPの総タンパク質発現レベルを示す。β-アクチンを対照として使用し、全細胞抽出物をウエスタンブロットによって分析した。図3Gは、NP発現レベルの定量化を示す。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001。 図4は、異なるインフルエンザウイルスサブタイプに対するTRDの阻害効果を示す。図4A~4D:A549細胞にインフルエンザウイルス株H1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1を12時間感染させた後、細胞をDMSO及びTRDで24時間処理し、ウイルス力価を測定した。図4E~4H:MDCK細胞にインフルエンザウイルスH1N1-UI182株、H1N1-PR8株、H3N2株、及びH5N1株を感染させた後、細胞をDMSO及びTRDで24時間処理し、ウイルス力価を測定した。OSTAを陽性対照薬として使用した。株のウイルス力価をLog10TCID50として表した。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。 図5は、仮性狂犬病ウイルスに対する15μM及び30μMのタウロリジンの阻害効果を示す。 図6は、パルボウイルスに対する15μM及び30μMのタウロリジンの阻害効果を示す。 図7は、TRDが細胞におけるSARS-CoV-2の複製を阻害したことを示している。図7Aは、ウイルス病原性の検出を示す。図7Bは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2に感染させた後(MOI=0.1)、Vero-E6細胞をDMSO及びTRDでそれぞれ24時間処理し、用量反応曲線をプロットしたことを示す。図7Cは、溶媒DMSO及び異なる濃度のTRDで24時間処理した後にMTTによって測定されたVero-E6細胞の感受性を示す。図7Dは、新型コロナウイルスSARS-CoV-2(100TCID50)及び(200TCID50)に感染させた後、Vero-E6細胞をDMSO及びTRDで24時間処理し、ウイルス力価を測定したことを示す。図7Eは、Vero-E6細胞におけるNPの総タンパク質発現レベルを示す。β-アクチンを対照として使用し、全細胞抽出物をウエスタンブロットによって分析した。図7Fは、NP発現レベルの定量化を示す。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001。 図8は、TRDの抗SARS-CoV-2活性を示す。図8A及び8Cは、Vero-E6及びHuh7細胞を光学顕微鏡によって画像化して、典型的なSARS-CoV-2誘導細胞溶解を検出したことを示す。図8B及び8Dは、RT-qPCRによる細胞上清中のウイルス収量の定量化を示す。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 図9は、TRDの抗SARS-CoV-2活性を示す。図9A及び9Cは、特定のMOIでSARS-CoV-2に感染させた後、Vero-E6(左)及びHuh7(右)細胞を溶媒DMSO及び異なる用量のTRDで24時間処理し、DAPIで染色し、感染細胞をウイルス核NP染色によって検出したことを示している(スケールバー10μm)。図9B及び9Dは、NP陽性核の数の定量化を示す。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 図10は、インビボでのTRD処理後に、インフルエンザウイルス感染の進行が制限されたことを示している。図10Aは、マウスをブランク対照群 、ウイルス対照群
、及びTRD処置群
に分け、H1N1-UI182感染後の日数に対して累積体重変化をプロットしたことを示す。図10Bは、H1N1-UI182を感染させたマウスの生存率の変化を示す生存曲線である。図10C及び10Dは、H1N1-UI182感染後3日目及び5日目に測定したマウス肺組織におけるウイルス力価を示す。図10Eは、5日目のマウス肺組織におけるNPの総タンパク質発現レベルを示している。β-アクチンを対照として使用し、全細胞抽出物をウエスタンブロットによって分析した。図10Fは、NP発現レベルの定量化を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。
図11は、TRDの投与が異なるインフルエンザウイルスサブタイプによるマウスの感染経過を制限したことを示している。図11Aは、マウスをブランク対照群 、ウイルス対照群
、及びTRD処置群
に分け、H3N2感染後の日数に対して累積体重変化をプロットしたことを示す。図11Bは、H3N2感染後のマウスの生存率の変化を示す生存曲線である。図11C及び11Dは、H3N2感染後3日目及び5日目に測定されたマウス肺組織におけるウイルス力価を示す。図11Eは、H5N1感染後の日数に対してプロットした体重の累積変化を示す。図11Fは、H5N1感染後のマウスの生存率の変化を示す生存曲線である。図11G及び11Hは、H5N1感染後3日目及び5日目に測定したマウス肺組織におけるウイルス力価を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。
図12は、肺に対するTRDの保護効果を示す。図12A及び12Bは、H1N1-UI182ウイルス感染後3日目及び5日目に検出されたBALB-Cマウスの肺組織に対する薬物の保護効果を示す。図12C及び12Dは、H3N2ウイルス感染後3日目及び5日目に検出されたBALB-Cマウスの肺組織に対する薬物の保護効果を示す。図12E及び12Fは、H5N1ウイルス感染後3日目及び5日目に検出されたBALB-Cマウスの肺組織に対する薬物の保護効果を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。 図13は、TRDが肺損傷の程度を改善したことを示している。HE染色をそれぞれ対照群、ウイルス群、TRD治療群におけるマウスの肺組織で行い、異なる群の代表的な写真を得た:左(HIN1-UI182)、中央(H3N2)、右(H5N1)。 図14は、TRDがSARS-CoV-2感染マウスの体重及び生存率を改善したことを示している。図14Aは、BALB-C雌マウスを対照群 、ウイルス対照群
及びTRD処置群
に分け、SARS-CoV-2感染後の日数に対して累積体重変化をプロットしたことを示す。図14Bは、ウイルス感染BALB-Cマウスの生存曲線を示す。図14Cは、C57BLマウスを対照群
、ウイルス対照群
及びTRD処置群
に分け、ウイルス感染後の日数に対して累積体重変化をプロットしたことを示す。図14Dは、ウイルス感染後のC57BLマウスの生存率を示す生存曲線である。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
図15は、TRDがSARS-CoV-2感染マウスの予後を改善したことを示している。図15Aは、SARS-CoV-2感染後3日目及び5日目に測定された異なる群のBALB-Cマウスの肺組織におけるウイルスRNAの収量を示す。図15Bは、ウイルス感染後3日目及び5日目に検出されたBALB-Cマウスの肺組織に対する薬剤の保護効果を示す。図15Cは、ウイルス感染後3日目及び5日目に測定されたC57BLマウスの肺組織におけるウイルス力価を示す。図15Dは、ウイルス感染後3日目及び5日目に検出されたC57BLマウスの肺組織に対する薬物の保護効果を示す。データは、平均±SD、n=3の独立した実験を表す。対照と比較して、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 図16は、SARS-CoV-2感染後の白血球に対するTRDの効果を示している。図16A及び16Bは、ウイルス感染後3日目及び5日目に測定されたBALB-Cマウスの血清中の免疫細胞の割合を示す。図16C及び16Dは、ウイルス感染後3日目及び5日目に決定されたC57BLマウスの血清中の免疫細胞の割合を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。 図17は、SARS-CoV-2感染後の宿主血小板に対するTRDの効果を示す。図17A及び17Bは、ウイルス感染後3日目及び5日目の測定されたBALB-Cマウスの血清中の血小板数を示す。図17C及び17Dは、ウイルス感染後3日目及び5日目のC57BLマウスの血清中の血小板数を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。 図18は、TRDがマウスの肺組織病変におけるSARS-CoV-2の悪性度を改善したことを示している。図18Aは、病理学的分析プロセスを示す。図18Bは、異なる群のマウスの肺組織をサンプリングし、写真撮影したことを示す。黒色の矢印(→)は、重度の組織病変を示す。 図19は、TRDがマウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓組織病変におけるSARS-CoV-2の悪性度を改善したことを示している。HE染色を対照群、ウイルス群、及びTRD治療群のマウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓組織でそれぞれ行い、異なる群の代表的な写真を示した。黒色の矢印(→)は、重度の組織出血を示す。 図20は、TRDがウイルス感染後にACE2の組織病理学的発現を阻害したことを示している。SARS-CoV-2ウイルス感染後、それぞれ対照群、ウイルス群、及びTRD治療群のマウス(BALB-C及びC57BL)の肺組織について免疫組織化学的検出を行い、異なる群の代表的な写真を示した(左)。NP陽性発現細胞の割合を定量分析によって計算した(右)。赤色の矢印(→)は、NP陽性細胞を示す。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。
具体的な実施形態
本発明の実施例における技術的解決策は、添付の図面を参照して、以下の本発明の実施例において明確かつ完全に説明される。明らかに、記載された実施例は、本発明の例のすべてではなく、一部にすぎない。少なくとも1つの例示的な実施例の以下の記載は、本質的に例示にすぎず、本発明、その適用又は使用を限定するものと決してみなされない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての例は、本発明の保護範囲内である。
実施例で使用したBALB/c及びC57BL/6Nマウス並びにタウロリジンはすべて市販されており、タウロリジンは、Changchun Mailing Bioengineering Co., Ltd.から提供され、Vero-E6、MDCK、A549、Huh7細胞、及びインフルエンザウイルスは、軍事科学院軍事医学研究院軍事獣医学研究所から提供され、SARS-CoV-2ウイルスは、軍事科学院軍事医学研究院軍事獣医学研究所に保存されていた北京からの単離株である。
実施例1:細胞の安全性に対するタウロリジンの効果
MDCK、Vero-E6、及びF81細胞を液体窒素中に保存し、取り出して蘇生させ、連続的に3世代継代し、細胞が十分に増殖した後に実験研究に使用した。MDCK、Vero-E6、及びF81細胞を96ウェルプレートに播種し、1ウェルあたりの細胞数は1×10個で、これを5%COの恒温細胞インキュベーター中37℃で一晩培養した。細胞密度が60~70%であったとき、異なる濃度(初期濃度は4mg/mlであり、試験薬を10倍勾配で希釈し、合計10個の濃度とした)のタウロリジンを含む2%FBS DMEM維持液を100μL/ウェルで添加し、各濃度について4つの複製ウェルを測定した。さらに、ブランク対照及びPBS対照を設け、4回繰り返し、培養を継続し、細胞の状態を顕微鏡で毎日観察した。投与後2日目に10μLのMTT溶液(5mg/ml)を添加し、37℃及び5%COで1時間インキュベーションし、OD570値を測定した。Graphpad Prism8.0ソフトウェアを使用してデータを分析し、上記3種類の細胞に対する薬物の半阻害濃度(IC50)を計算した。
試験結果を図1に示す。MDCK細胞(A)に対するタウロリジンのIC50値は22.88μMであり、Vero-E6細胞(B)に対するIC50値は20.38μMであり、F81細胞(C)に対するIC50値は36.74μMであったことを見出すことができた。
実施例2:タウロリジンによって阻害されたインフルエンザウイルス感染力の検出結果
MDCK細胞を液体窒素中で保存し、取り出して蘇生させ、連続的に3世代継代し、細胞が十分に増殖した後、実験研究に使用した。保存したH3N2インフルエンザウイルス株を氷上に置いてゆっくりと解凍し、MDCK細胞の単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、ウイルス液を細胞の病理学的状態に応じて回収した。また、TCID50/100μlを計算単位として使用して、ウイルス含有量を測定した。
薬剤を上記で得られたH3N2サブタイプインフルエンザウイルス液と混合し、次いで細胞に接種した。よく増殖したMDCK細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり1×10個の細胞数で播種した。薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。ウイルス含量100TCID50のH3N2サブタイプインフルエンザウイルスを接種し、タウロリジン(14μM)と混合し、室温で10分間反応させ、次いでコーティングした96ウェルプレートに播種した。さらに、ブランク細胞対照及びウイルス対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃の5%COインキュベーターに入れ、72時間培養を継続し、次いで細胞の病変を観察し、細胞増殖率を算出した。
計算式は、細胞の相対増殖率(P%):P%=OD実験群/OD対照群×100%とした。
観察結果を図2に示した。14μMの用量のタウロリジンがインフルエンザウイルスに対して細胞レベルで有意な阻害効果を有することが見出された。検出結果により、タウロリジンがインフルエンザによって引き起こされる細胞変性を明らかに阻害することができることが示され、結果により、タウロリジンがインフルエンザウイルスの感染を阻害することができることが示された。
実施例3:細胞におけるタウロリジンによるインフルエンザウイルスの繁殖阻害
1.実験材料
1.1 細胞:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのヒト肺がん細胞A549及びアフリカミドリザル腎臓細胞MDCK;
1.2 ウイルス株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのH1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1ウイルス;
1.3 試薬:DMEM、0.25%トリプシン、FBS、PBS(pH=7.0);
1.4 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法
2.1 細胞培養:A549及びMDCKを蘇生させ、連続的に3世代継代し、細胞が十分に増殖した後に実験研究に使用した。
2.2 ウイルス培養:保存されたウイルス液を氷上に置いてゆっくり解凍し、次いでMDCKの単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、ウイルス液を細胞の病理学的状態に応じて回収した。また、TCID50/100μLを計算単位として使用して、ウイルス含有量を決定した。
2.3 タウロリジンの毒性試験
MTTアッセイ(Promega)によって細胞毒性を決定した。継代培養細胞を24時間培養した後、細胞を96ウェルプレートに播種し(1ウェルあたり4000個の細胞)、培養した。MTTアッセイを使用して製造元の指示書に従って、感受性について細胞を試験した。簡単に述べると、10ulのMTT溶液を各ウェルに添加し、4時間インキュベートした後、各ウェルのOD570値を測定して記録した。
2.4 タウロリジンの阻害効果
薬物及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖した細胞(A549及びMDCK)をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞を播種し、細胞が単層状態にある接種の12時間以内に薬物効果研究を行った。100TCID50のH1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1をタウロリジン(20μg/mL)と混合し、コーティングした6ウェルプレートに直ちに播種した。さらに、ブランク細胞対照及びタウロリジン細胞毒性対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃のCOインキュベーターに入れ、培養を継続し、細胞変性の変化を観察した。
2.5 免疫蛍光検出
MDCK細胞を固定し(3.7%PFA)、次いで細胞穿孔(2%Triton-100)に供した。一次抗体のインキュベーション前に、それらを2%BSAでブロッキングした。続いて、二次抗体と共にインキュベーションを行った後、核を染色した。最後に、細胞を蛍光顕微鏡で観察した。
3.実験結果
インフルエンザウイルス感染後のMDCK細胞における薬物用量と感染結果との相関関係を観察した。
インフルエンザウイルス株HIN1-UI182(MOI=0.1)に感染させた後、MDCK細胞をDMSO及びTRDでそれぞれ12時間処理し、用量反応曲線をプロットした。TRDは強力な抗インフルエンザウイルス活性を示し、インフルエンザウイルスH1N1-UI182株の力価を抑制した(図3A)。TRD濃度を対数に変換し、ウイルス力価をパーセンテージに変換した後、片対数適合曲線を使用してEC50値を計算した。50%有効濃度(EC50値)が低用量で観察され、高用量のTRDではインフルエンザウイルスの感染を94%まで減少させることができた(図3B)。
次に、細胞毒性に対するTRDの効果を確認するために、MTT実験を行った。A549細胞をDMSO及び異なる濃度のTRDで24時間処理し、次いでA549細胞の感受性を測定した。細胞増殖とTRD用量との間に逆相関が観察された(図3C)。したがって、毒性の低い濃度(50μg/mL)を追跡研究のために選択した。TRDの潜在的な抗ウイルス効果をさらに調査するために、ウイルス感染の治療に一般的に使用される薬剤であるオセルタミビル(OSTA)を陽性対照として選択した。TRD抗ウイルス作用がインフルエンザウイルス感染の初期段階であるかどうかを調べるために、1サイクルの感染アッセイを行った。示されたMOIでH1N1-UI182に感染させた後、細胞をDMSO、TRD、及びOSTAでそれぞれ12時間処理した。核をDAPIで染色し、感染細胞を核vNP染色で検出した(スケールバー10μm)。ウイルス核タンパク質(NP)の核の外観を感染に成功した細胞として定量化した(図3D)。予想通り、OSTAはインフルエンザウイルスに対して有意な阻害効果を有していたが、DMSO処理した対照細胞では、MDCK核の38%がNP陽性であり、TRD処理後のNP陽性細胞の割合は21%に有意に減少した(図3E)。その後に、β-アクチンを対照として使用したウエスタンブロットによって全細胞抽出物を分析したが、これも同じ結果を示した(図3F及び3G)。
TRDの抗ウイルス効力をさらに調査するために、H1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1株を含む異なるインフルエンザウイルスサブタイプを使用して、A549及びMDCK細胞を含む異なる細胞に感染させた。A549細胞にインフルエンザウイルス株H1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1株を12時間感染させた後、細胞をDMSO及びTRD(20μg/mL)で24時間処理し、ウイルス力価を測定した。OSTAを陽性対照薬として使用した。株のウイルス力価をLog10TCID50として表した。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。結果は、TRDの投与がA549細胞におけるウイルス力価を有意に低下させたことを示した(図4A~4D)。同様に、インフルエンザウイルス株H1N1-UI182、H1N1-PR8、H3N2、及びH5N1株に感染させた後、MDCK細胞をDMSO及びTRDで24時間処理し、ウイルス力価を決定した。OSTAを陽性対照薬として使用した。株のウイルス力価をLog10TCID50として表した。データは、平均±SDを表し、統計的有意性をANOVA分析によって評価した(p<0.05、**p<0.01、及び***p<0.001)。結果は、TRDの投与がMDCK細胞におけるウイルス力価も有意に低下させたことを示した(図4E~H)。
4.結論
タウロリジンは広範囲の抗インフルエンザウイルス効果を有し、インフルエンザウイルスの予防及び治療に使用することができる。
実施例4:タウロリジンによって阻害された仮性狂犬病ウイルス感染力の検出結果
ウイルス:仮性狂犬病ウイルスは、エンベロープを有するDNAウイルスであり、150nm~180nmのウイルス粒子径を有する。
MDCK細胞を液体窒素中で保存し、取り出して蘇生させ、連続的に3世代継代し、細胞が十分に増殖した後、実験研究に使用した。保存されたエンベロープを有する仮性狂犬病ウイルス株を氷上に置いてゆっくりと解凍し、MDCK細胞の単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、ウイルス液を細胞の病理学的状態に応じて回収した。また、TCID50/100μlを計算単位として使用して、その含有量を決定した。
薬剤を上記で得られた仮性狂犬病ウイルス液と混合し、次いで細胞に接種した。よく増殖したMDCK細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり1×10個の細胞を播種した。薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。100TCID50の仮性狂犬病ウイルスを15μMのタウロリジン及び30μMのタウロリジンとそれぞれ混合し、室温で10分間反応させた後、コーティングされた96ウェルプレートに播種した。さらに、ブランク細胞対照及びウイルス対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃の5%COインキュベーターに入れ、72時間培養を継続し、細胞の病変を観察し、細胞増殖率を算出した。
計算式は、細胞の相対増殖率(P%):P%=OD実験群/OD対照群×100%とした。
観察結果を図5に示した。15μM及び30μM濃度のタウロリジンが、仮性狂犬病ウイルスに対して細胞レベルで阻害効果を有しないことを見出すことができた。試験結果により、15μM及び30μMのタウロリジンは仮性狂犬病ウイルスによって引き起こされる細胞変性を阻害することができないことが示され、これにより、タウロリジンが仮性狂犬病ウイルスの感染を阻害することができないことが示された。
実施例5:タウロリジンによって阻害されたパルボウイルス感染力の検出結果
ウイルス:パルボウイルスは、エンベロープを有さないDNAウイルスであり、18~26nmのウイルス粒子直径を有する。
F81細胞を液体窒素中で保存し、取り出して蘇生させ、連続的に3世代継代し、細胞が十分に増殖した後に実験研究に使用した。保存されたパルボウイルス株を氷上でゆっくりと解凍し、F81細胞の単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、細胞の病理学的状態に応じてウイルス液を回収した。また、TCID50/100μlを計算単位として使用して、その含有量を決定した。
薬剤を上記で得られたパルボウイルス溶液と混合し、次いで細胞に接種した。十分に増殖したF81細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり1×10細胞を播種した。薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。100TCID50のパルボウイルスを15μMのタウロリジン及び30μMのタウロリジンとそれぞれ混合し、室温で10分間反応させた後、コーティングされた96ウェルプレートに播種した。さらに、ブランク細胞対照及びウイルス対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃の5%COインキュベーターに入れ、72時間培養を継続して、細胞病変を観察し、細胞増殖率を算出した。
計算式は、細胞の相対増殖率(P%):P%=OD実験群/OD対照群×100%とした。
観察結果を図6に示した。15μM及び30μM濃度のタウロリジンは、パルボウイルスに対して細胞レベルで阻害効果を有さないことを見出すことができた。試験結果は、15μM及び30μMのタウロリジンがパルボウイルスによって引き起こされる細胞変性を阻害することができないことを示し、これにより、タウロリジンがパルボウイルスの感染を阻害することができないことが示された。
実施例6:イヌコロナウイルスCCVに対するタウロリジンの阻害実験
1.実験材料:
1.1 細胞:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのネコ腎臓細胞株F81;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのイヌコロナウイルス;
1.3 試薬:DMEM、0.25%トリプシン、FBS、PBS(pH=7.0);
1.4 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 細胞培養:ネコ腎臓細胞株F81を蘇生させ、連続的に3世代継代し、よく増殖した細胞を実験研究に使用した。
2.2 ウイルス培養:保存されたウイルス液を氷上でゆっくり解凍し、単層のネコ腎臓細胞株F81に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、細胞の病理学的状態に応じてウイルス液を回収した。また、TCID50/100μLを計算単位として使用して、ウイルス含有量を決定した。
2.3 タウロリジンの阻害効果
薬剤及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖したネコ腎臓細胞株F81をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞数で播種し、薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。200TCID50のHCoV-229Eウイルスをタウロリジン(20μg/mLのタウロリジン溶液、薬物用量は50μL、25μL、12.5μL、7.5μL、3.75μLとした)と混合し、コーティングした6ウェルプレートに直ちに播種した。ブランク細胞対照及びタウロリジン細胞毒性対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃のCOインキュベーターに入れ、培養を継続し、細胞変性の変化を観察した。
3.実験結果
上記の実験方法に従い、37℃のCOインキュベーター中で72時間、顕微鏡下で細胞の状態を観察した。50μL及び25μLの薬物を接種した群の細胞は良好な状態であり、細胞変性の変化は生じなかったが、12.5μL、7.5μL、及び3.75μLの群の細胞はすべて異なる程度の細胞変性を示し、3.75μLのタウロリジンで処理した群と200TCID50を接種した群との間に細胞変性の差異はなかった。
4.結論
上記の実験結果より、50μL及び25μLの接種用量では、200TCID50を完全に阻害することができ、12.5μL及び7.5μLの接種用量では、200TCID50ウイルスの細胞への感染を完全には阻害することができず、3.75μLの接種用量では、200TCID50ウイルスの細胞への感染を阻害することができないことが決定された。
実施例7:マウス肝炎ウイルスHMVに対するタウロリジンの阻害実験
1.実験材料:
1.1 細胞:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのL929(マウス繊維芽細胞);
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのマウス肝炎ウイルス;
1.3 試薬:DMEM、0.25%トリプシン、FBS、PBS(pH=7.0);
1.4 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 細胞培養:L929細胞を蘇生させ、連続的に3世代継代し、よく増殖した細胞を実験研究に使用した。
2.2 ウイルス培養:保存されたウイルス液を氷上でゆっくり解凍し、L929細胞の単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、細胞の病理学的状態に応じてウイルス液を回収した。また、TCID50/100μLを計算単位として使用して、ウイルス含有量を決定した。
2.3 タウロリジンの阻害効果
薬物及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖したL929細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞を播種し、薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。200TCID50のマウス肝炎ウイルスをタウロリジン(20μg/mLのタウロリジン溶液、薬物用量は50μL、25μL、12.5μL、7.5μL、3.75μLとした)と混合し、次いでコーティングした96ウェルプレートに直ちに播種した。ブランク細胞対照及びタウロリジン細胞毒性対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃のCOインキュベーターに入れ、培養を継続し、細胞変性の変化を観察した。
3.実験結果
上記の実験方法に従い、37℃のCOインキュベーター中で72時間、顕微鏡下で細胞の状態を観察した。50μL及び25μLの接種用量を用いた群の細胞は良好な状態であり、細胞変性の変化は生じなかった。12.5μL、7.5μL、及び3.75μLの細胞は、異なる程度の細胞変性を有し、3.75μLのタウロリジンで処理した群と200TCID50を接種した群との間に細胞変性の差異はなかった。
4.結論
上記の実験結果より、接種用量50μL及び25μLでは、200TCID50を完全に阻害することができ、接種用量12.5μL及び7.5μLでは、200TCID50ウイルスの細胞への感染を完全には阻害することができず、接種用量3.75μLでは、200TCID50ウイルスの細胞への感染を阻害することができないことが決定された。
実施例8:タウロリジンによるコロナウイルスSARS-CoV-2の阻害
1.実験材料:
1.1 細胞:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのVero-E6及びHuh7細胞;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのSARS-CoV-2ウイルス。
1.3 試薬:DMEM培地、0.25%トリプシン、FBS、PBS(pH=7.0);
1.4 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 細胞培養:Vero-E6及びHuh7細胞を蘇生させ、連続的に3世代継代し、よく増殖した細胞を実験研究に使用した。
2.2 ウイルス培養:保存されたウイルス液を氷上でゆっくり解凍し、Vero-E6細胞の単層に接種し(24時間以下)、72~96時間培養を継続し、細胞の病理学的状態に応じてウイルス液を回収した。また、TCID50/100μLを計算単位として使用して、ウイルス含有量を決定した。
2.3タウロリジンの阻害効果
薬物及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖したVero-E6細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、96ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞を播種し、薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。200TCID50のSARS-CoV-2ウイルスをタウロリジン(20μg/mLのタウロリジン溶液、薬物用量は50μL、25μL、12.5μL、7.5μL、3.75μLとした)と混合し、次いでコーティングされた96ウェルに接種した。さらに、ブランク細胞対照及びタウロリジン細胞毒性対照を設け、3回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃のCOインキュベーターに入れ、培養を継続し、細胞変性の変化を観察した。
2.4 Vero-E6及びHuh7細胞におけるタウロリジンによるSARS-CoV-2のウイルス量の阻害
薬剤及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖したVero-E6及びHuh7細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、6ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞を播種し、薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種12時間以内に行った。100TCID50のSARS-CoV-2ウイルスをタウロリジンと混合し、次いでコーティングした6ウェルプレートに播種し、2%タウロリジン溶液及び薬物の用量は、50μL及び25μLの用量を有していた。さらに、ブランク細胞対照及びウイルス対照も設け、6回繰り返した。播種した細胞プレートを37℃のCO2インキュベーターに入れ、24時間培養を継続した後、全細胞(上清を含む)中のウイルスRNAを回収し、ウイルス量を測定した。
2.5 Vero-E6及びHuh7細胞におけるタウロリジンによるSARS-CoV-2の複製阻害
薬剤及びウイルスを混合し、細胞に同時に接種した。よく増殖したVero-E6及びHuh7細胞をトリプシンで消化して細胞量を計算し、12ウェルプレートに1ウェルあたり10個の細胞を播種し、薬物効果研究を細胞が単層状態にある接種の12時間以内に行った。100TCID50のSARS-CoV-2ウイルスをタウロリジン(20μg/mLのタウロリジン溶液、薬物用量はそれぞれ50μL及び25μLとした)と混合し、次いでコーティングされた12ウェルプレートに播種した。さらに、ウイルス対照ウェル(DMSO処理)も設け、播種した細胞プレートを37℃のCOインキュベーターに入れ、24時間培養を継続し、次いでβ-アクチンを対照として用い、全細胞抽出物をウエスタンブロットによって分析した。ウイルスNPタンパク質の陽性発現が決定された。
3.実験結果
SARS-CoV-2に対するTRDの抗ウイルス効果をさらに調査するために、Vero-E6細胞でのウイルス接種実験を行った。ウイルス増幅の結果は、細胞を48時間感染させた後、SARS-CoV-2が、低い感染多重度(MOI=0.05)及び高い感染多重度(MOI=0.1)の両方で優れた病原性を示すことを示し、2つのMOI値が非常に類似したウイルス産生をもたらすことが示された(図7A)。したがって、以下の実験では、0.05のMOIを使用した。
SARS-CoV-2の病原性とTRDの用量との間に負の相関関係があったこと、すなわち、薬剤の用量が増加するにつれて、細胞に対するウイルスの病原性が徐々に減弱したことは注目に値する。新型コロナウイルスSARS-CoV-2に感染させた後(MOI=0.1)、Vero-E6細胞をDMSO及びTRDでそれぞれ24時間処理し、用量反応曲線をプロットした(図7B)。細胞増殖に対する薬剤の効果を考慮して、MTT実験を行った。DMSO及び異なるTRD濃度で24時間処理した後、MTTによってVero-E6細胞の感受性を測定した。結果は、薬物用量が100μg/mLの場合でも、細胞増殖に有意な変化は見られないことを示した(図7C)。Vero-E6細胞に新型コロナウイルスSARS-CoV-2(100TCID50)及び(200TCID50)をそれぞれ感染させ、次いで細胞をDMSO及びTRDで24時間処理し、ウイルス力価を測定した。実際、TRDは、100TCID50又は200TCID50ウイルスに関係なく優れた抗ウイルス効果を示した(図7D)。
その後、毒性の少ない用量(50μg/mL)を選択して追跡研究を行った。重要なことに、TRDの投与は細胞中のウイルス核タンパク質(NP)の発現を有意に阻害することができ、この阻害は薬物用量と正の相関があった(図7E及び7F)。ビリオン中の各RNA分子については多くのNPのコピーがあり、一定の免疫反応性バンドが異なる用量において検出可能だったため、投与開始時のウイルスタンパク質の存在により、処理中に観察された用量依存的な阻害効果が覆い隠されたことを反映している可能性がある。
次に、TRDの潜在的な抗SARS-CoV-2効果を評価した。VeroE6細胞に中国の武漢から単離されたSARS-CoV-2の元の株を感染させ、6時間後に、それらをTRDの非存在下で、又は低用量(25μg/mL)及び高用量(50μg/mL)のTRDで培養した。対照群と比較して、SARS-CoV-2はVero-E6細胞の溶解を促進したが、この現象はTRDの投与によって抑制され、高用量では限られた細胞変性効果しか検出できなかった(図8A及び8C)。ウイルス粒子産生に対するTRDの有意な阻害効果は、Vero-E6細胞培養上清中のウイルスRNAコピー数の定量化によって実証され、すなわち、未処理の感染細胞と比較して、低用量ではほぼ2倍減少し、高用量では約15,000倍減少した(図8B及び8D)。
さらに、SARS-CoV-2の核タンパク質(NP)の蛍光標識により、TRDがNP蓄積の有意な阻害を引き起こすことが確認された(図9A及び9C)。DMSO対照のVero-E6細胞では、低用量では約57%の細胞がNP陽性であったが、高用量ではNP陽性細胞が約8.5%に有意に減少した(図9B)。一方、Hu7細胞では、低用量では約60%の細胞がNP陽性であったが、高用量ではNP陽性細胞数が約12%に有意に減少した(図9D)。これにより、TRD投与が細胞に対するSARS-CoV-2の病原性効果を有意に阻害し、この阻害効果が薬物用量と正の相関があることが示された。
4.結論
タウロリジンは、細胞レベルでSARS-CoV-2に対して有意な阻害効果を有した。試験結果は、タウロリジンがSARS-CoV-2によって引き起こされる細胞変性を有意に阻害し、SARS-CoV-2の予防及び治療のための薬剤の研究開発に使用することができることを示した。
TRDが細胞培養モデルにおいて有意な抗ウイルス効果を示したことを考慮して、この薬剤の治療特性をさらに評価するために動物モデルに焦点を移した。
実施例9:タウロリジン投与によるインフルエンザウイルス致死感染の耐性
1.実験材料
1.1 実験動物:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.からのBALB/cマウス;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのH1N1-UI182、H3N2、H5N1ウイルス;
1.3 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法
2.1 インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。マウスの生活条件及び体重変化を観察し、記録した。
2.2 タウロリジンの阻害効果
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。接種後3日目及び5日目にそれぞれ、マウス肺組織を採取し、インフルエンザウイルスによって引き起こされるマウス肺指数に対するタウロリジンの影響を観察した。
2.3 タウロリジンによる肺のウイルス量の阻害
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。また、薬物処理後3日目及び5日目にマウス肺組織を採取し、そのウイルス量を測定した。
3.実験結果
異なる種間の追加の分極化処理用量については、異所測定方法及び種変換係数に基づくファクターバイファクター投与方法(factor-by-factor dose method)を使用した。生存率の改善がUI182感染の治療中に失われた体重の量に関連していることが見出された(図10A及び10B)。さらに、H3N2(図11A及び11B)及びH5N1(図11E及び11F)でも同様の結果が見出された。
インフルエンザウイルス感染後の宿主に対するTRD治療の保護効果をさらに研究するために、UI82株への感染後3日目及び5日目の肺組織におけるウイルス力価を調べた。結果は、TRD治療後にウイルス力価が有意に低下したことを示した(図10C及び10D)。この効果は、H3N2株(図11C及び11D)又はH5N1株(図11G及び11H)に感染した後も持続した。ウエスタンブロットの結果によっても、TRDの投与がマウスの肺組織におけるウイルスの複製を有意に阻害することが確認された(図10E及び10F)。これらの結果は、TRD治療により、インフルエンザウイルス感染時の生存率が有意に増加し、死亡率が有意に低下したことを示した。
4.結論
対照群と比較して、インフルエンザウイルスを接種したマウスは有意に体重が減少した。ウイルス対照群と比較して、薬物治療群のマウスの体重減少傾向は有意に小さくなり、マウスの生存期間は有意に延長された。試験結果は、タウロリジンがインフルエンザウイルスに感染したマウスの生存期間を延長し、インフルエンザウイルスの予防及び治療に使用することができることを示した。
実施例10:マウスにおけるインフルエンザウイルスの病原性に対するタウロリジンの効果
1.実験材料
1.1 実験動物:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.からのBALB/cマウス;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのH1N1-UI182、H3N2、H5N1ウイルス;
1.3 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法
2.1 インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。
2.2 タウロリジンの阻害効果
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。接種後3日目及び5日目にそれぞれ、マウス肺組織を採取し、インフルエンザウイルスによって引き起こされるマウス肺指数に対するタウロリジンの影響を観察した。計算式は、肺指数=(マウス肺組織重量÷マウス体重)×100%とした。
2.3 タウロリジンはインフルエンザウイルスによるマウスの肺の損傷を改善する
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。薬物治療後5日目にマウスの肺組織を固定し、組織病理学的変化を検出した。
3.実験結果
肺指数レベルは、拘束性肺疾患の重症度を決定するための重要な指標として使用することができた。したがって、3日目及び5日目を含む、それぞれTRD投与の前後におけるマウスの肺指数への影響を分析した。インフルエンザウイルス感染が肺指数の増加をもたらす一方、H1N1-UI182(図12A及び12B)、H3N2(図12C及び12D)、及びH5N1(図12E及び12F)株への感染後3日目及び5日目に、薬物治療が肺指数を有意に低下させることが見出された。これらの結果は、TRDの投与がマウスの肺組織に正の保護効果を有することを示している。
さらに、薬物治療は、マウスの肺に対するインフルエンザウイルスの損傷を大幅に改善することができた(図13)。これらの観察結果は、インビトロで観察された抗ウイルス効果が実際にインビボで生じたこと、及び少なくとも抗菌薬TRDが屋内ウイルス空気感染症の治療において潜在的な抗ウイルス効果を有することを明確に示唆している。
4.結論
対照と比較して、タウロリジンの投与は、マウスの肺に対して有意な保護効果を有し、インフルエンザウイルスによって引き起こされる肺組織の病理学的損傷を改善することができ、インフルエンザウイルスの予防及び治療に使用することができた。
実施例11:SARS-CoV-2モデルマウスの予後に対するタウロリジン投与の効果
1.実験材料:
1.1 実験動物:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.からのBALB/c及びC57BL/6Nマウス;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのSARS-CoV-2(C57MA14株);
1.3 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 新型コロナウイルス(C57MA14)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。マウスの生活条件及び体重変化を観察し、記録した。
2.2 タウロリジンの阻害効果
新型コロナウイルス(C57MA14株)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。また、接種後3日目及び5日目にそれぞれ、マウスの肺組織を採取し、SARS-CoV-2によって引き起こされるマウスの肺指数に対するタウロリジンの影響を観察した。計算式は、肺指数=(マウス肺組織重量÷マウス体重)×100%とした。
2.3 タウロリジンはインフルエンザウイルスによるマウスの肺の損傷を改善する
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。薬物治療後5日目にマウスの肺組織を固定し、組織病理学的変化を検出した。
3.実験結果
我々の研究チームは、アカゲザル、カニクイザル、マウス、ゴールデンハムスター、イヌ、ネコ、センザンコウなどを含む、SARS-CoV-2動物感染モデルの構築に初期段階で成功した。前の結果により、TRDがインビトロでSARS-CoV-2に対して優れた阻害効果を有することが示された。インビボでのTRDの抗ウイルス効果をさらに評価するために、マウス感染モデル(BALB-C雌マウス及びC57BL雄マウスを含む)を実行した。異所性測定方法及び種変換係数に基づくファクターバイファクター投与方法を用いて、注射によってモデル動物に投与した。実験結果は、ウイルス感染後2日目にマウスは体重が減少し始め、3日目にマウスは死亡し、7日目には死亡率が100%に達したことを示した(図14)。上記の結果により、SARS-CoV-2株がマウスに致死感染を誘発することができたことが示された。重要なことに、TRDの投与は、BALB-Cマウス(図14A)及びC57BLマウス(図14C)の両方においてウイルス感染マウスの体重減少を阻害した。さらに、TRDの投与は、SARS-CoV-2感染中の致死率からマウスを有意に保護し、保護率はBALB-Cマウスで92.31%であり(図14B)、C57BLマウスで84.62%であった(図14D)。
TRDの抗ウイルス効果と時間との関係を調査するために、投与後3日目及び5日目に感染マウスをサンプリングして分析した。ウイルス粒子産生に対する薬物治療の有意な阻害効果が、マウス肺組織におけるウイルスRNAコピー数の定量化によって確認された(図15A及び15C)。特に、TRDの投与は、SARS-CoV-2感染後の肺組織に対して優れた保護効果を示した(図15B及び15D)。通常、ウイルス感染によって宿主自身の免疫防御が生じ、このことは、ウイルス感染後4日目よりもウイルス感染後6日目の肺組織におけるウイルスRNAの産生が少ないことを良好に説明している。それでも、TRDの投与は、肺におけるウイルスの産生に対して有意な抑制効果を有した。
4.結論
対照群と比較して、SARS-CoV-2を接種したマウスは体重が有意に減少した。薬物治療は、マウスを体重減少から保護することができ、マウスの生存期間を延長することができた。試験結果により、タウロリジンがマウスの肺におけるウイルスRNAコピーの数を減少し、SARS-CoV-2マウスの生存期間を改善することができ、したがって、新型コロナウイルスの予防及び治療に使用することができることが示された。
実施例12:タウロリジンはマウスのSARS-CoV-2感染の予後を改善する
1.実験材料:
1.1 実験動物:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.からのBALB/c及びC57BL/6Nマウス;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのSARS-CoV-2(C57MA14株);
1.3 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 新型コロナウイルス(C57MA14株)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。
2.2 タウロリジンの阻害効果
新型コロナウイルス(C57MA14株)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。接種後3日目及び5日目にマウスの採血を行い、白血球の総数を数えた。
3.実験結果
次に、SARS-CoV-2感染後の臨床転帰に対するTRDの効果をさらに評価した。予想した結果と一致して、BALB-Cマウスの薬物治療後3日目(図16A)及び5日目(図16B)に、血清中のリンパ球の割合が増加し、好中球の割合が減少することが見出された。この現象はC57BLマウスでも生じた(図16C及び16D)。
さらに、結果は、SARS-CoV-2感染が宿主血清中の血小板数の急激な増加をもたらすことも示した。しかしながら、BALB-Cマウスでの薬物治療から3日後及び5日後に、血清中の血小板の数は有意に減少した(図17A及び17B)。重要なことに、C57BLマウスでも同じ結果が得られた(図17C及び17D)。これらの所見により、TRD治療後に病原性新型コロナウイルスから重要な生物学的表現型が生じることが示された。
4.結論
非投与群と比較して、タウロリジンの投与は、マウスのリンパ球及び単球の数を有意に増加させることができ、ウイルス感染後の好中球及び血小板の総数を有意に減少させることができ、これにより、タウロリジンが新型コロナウイルス感染の予後全体を軽減及び改善することができることが示唆された。
実施例13:タウロリジンは、SARS-CoV-2によって引き起こされるマウスの肺組織の損傷を改善する
1.実験材料:
1.1 実験動物:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.からのBALB/c及びC57BL/6Nマウス;
1.2 株:軍事獣医学研究所のウイルス学実験室からのSARS-CoV-2(C57MA14株);
1.3 器具及び消耗品:ピペット及びサポートチップ、1.5mL遠心管、アイスボックス、製氷機、生物学的安全キャビネット、二酸化炭素インキュベーター。
2.実験方法:
2.1 新型コロナウイルス(C57MA14)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。
2.2 新型コロナウイルスによって引き起こされるマウスの肺損傷に対するタウロリジンの改善
インフルエンザウイルス(H1N1-UI182、H3N2、H5N1)をウイルス対照群及び薬物治療群のマウスに接種し、薬物治療群のマウスにそれぞれ毎朝及び毎夕に異なる経路により薬物(100uL/回(2mg))を連続的に投与した。薬物治療後5日目にマウスの肺組織を固定し、組織病理学的変化を検出した。
3.実験結果
前の結果により、TRDの投与が肺組織をSARS-CoV-2から保護し、ウイルス感染の臨床転帰を改善することができることが示された。SARS-CoV-2によって誘発される肺損傷におけるTRDの役割をさらに決定するために、BALB-C及びC57BLマウスに鼻腔内注入によりウイルスを接種し、24時間後にTRDを投与し、投与後3日目及び5日目に肺組織を採取した(図18A)。結果は、ウイルス感染が肺組織内に大きな領域のうっ血を引き起こし、深刻な病理学的症状をもたらしたことを示した。重要なことに、この現象はTRDの投与によって逆転した(図18B)。
SARS-CoV-2によって誘発される宿主組織(肺、肝臓、脾臓、及び腎臓を含む)の損傷の改善又は治療におけるTRDの役割をさらに決定するために、ウイルスTRDの鼻腔内注入によりBALB-C及びC57BLマウスに接種した。24時間後にTRDを投与し、投与後7日目にマウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓を採取した。HE染色の結果は、ウイルス感染後、肺、肝臓、脾臓、及び腎臓が大規模にうっ血し、深刻な病理学的症状をもたらしたことを示した。重要なことに、この現象はTRDの投与後に有意に逆転した(図19)。さらに、病理学的分析は、ウイルス感染が組織の内部出血を引き起こすことを示した(黒色の矢印で示されている)。
薬物治療前後の組織病理学的発現の変化をさらに調査するために、BALB-C及びC57BLマウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓におけるSARS-CoV-2核タンパク質NPの発現変化を検出した。SARS-CoV-2感染後、NPを発現する陽性細胞の割合は、マウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓で有意に増加した。特に、上記の現象はTRD治療によって抑制された(図20)。これは、TRDの投与が組織でのウイルスのさらなる複製を効果的に阻害し、それにより、SARS-CoV-2によって引き起こされる宿主組織の病理学的損傷を改善することを示した。
4.結論
タウロリジンは、新型コロナウイルスに感染したマウスの肺、肝臓、脾臓、及び腎臓の組織病理学的損傷を大幅に改善し、上記の組織のウイルス量を減少させることができ、これにより、この薬物が新型コロナウイルス感染を予防及び治療する効果を有することが示唆された。
上記の結果に基づき、タウロリジンは、インフルエンザウイルス及び新型コロナウイルス又は類似のRNAウイルスに対して非常に効果的な阻害効果を有し、インフルエンザウイルス及び新型コロナウイルスに感染したマウスの生存期間を延長し、マウスの肺に対するウイルスの病原性の効果を改善することができ、これにより、タウロリジンがこの種のウイルスの予防及び関連する治療薬の研究開発に使用することができることが示唆された。
本明細書に記載された変更に加えて、本発明の様々な変更は、上記の説明から当業者には明らかであろう。そのような変更もまた、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。すべての特許、特許出願、学術論文、書籍、及び任意の他の刊行物を含む、本出願で引用される各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (14)

  1. 抗ウイルス医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用。
  2. 細胞におけるウイルスの複製及び/又は繁殖を阻害するための医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用であって、
    好ましくは、前記細胞は、哺乳動物細胞であり、好ましくは、前記哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択され、好ましくは、前記哺乳動物は、ヒト、ネコ、ニワトリ、ブタ、又はイヌであり、好ましくは、前記細胞は、ヒト細胞又はニワトリ胚細胞である、
    使用。
  3. ウイルスによって引き起こされる疾患又は感染症を予防及び/又は治療するための医薬の製造における、タウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物の使用。
  4. 前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、肺炎ウイルス、又はHIVなどのRNAウイルスであり、
    好ましくは、前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、又はインフルエンザCウイルス、例えば、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、又はH9N2であり、
    好ましくは、前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2、CCV、又はMHVであり、好ましくは、前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2であり、好ましくは、前記コロナウイルスが、CCVであり、好ましくは、前記コロナウイルスが、MHVである、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記疾患又は感染症が、インフルエンザ、単純感染症、重症肺炎を含む肺炎、急性又は重症急性気道感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症症候群、敗血症性ショック、及び新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)からなる群から選択され、好ましくは、前記単純感染症が、発熱、咳、又は喉の痛みであり、
    好ましくは、前記疾患又は感染症が、COVID-19である、
    請求項3に記載の使用。
  6. 前記組成物が、希釈剤、吸収剤、湿潤剤、賦形剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、及びそれらの任意の組み合わせなどの薬学的に許容される担体を含み、
    好ましくは、前記組成物が、PVP-KF-17を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記組成物が、注射剤、輸液剤、錠剤、カプセル剤、スプレー剤、エアゾール剤、又はリンス剤であり、
    好ましくは、前記組成物が、単位剤形で存在し、好ましくは、前記組成物が、1~1000mg(例えば、1~800mg、1~500mg、1~200mg、1~100mg、1~50mg、1~20mg、又は1~10mg)のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
  8. ウイルス感染を阻害する方法であって、前記ウイルスに感染した細胞、前記ウイルスに感染しやすい細胞、又はそれを必要とする対象に、有効量のタウロリジン又は誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくはその薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくはその薬学的に許容される塩を含む組成物を投与するステップを含む、
    方法。
  9. 細胞におけるウイルスの複製及び/又は繁殖を阻害する方法であって、前記細胞を有効量のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物と接触させるステップを含み、
    好ましくは、前記細胞は、哺乳動物細胞であり、好ましくは、前記哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、げっ歯類、及び霊長類からなる群から選択され、好ましくは、前記哺乳動物は、ヒト、ネコ、ニワトリ、ブタ、又はイヌであり、好ましくは、前記細胞は、ヒト細胞又はニワトリ胚細胞である、
    方法。
  10. ウイルスによって引き起こされる疾患又は感染症を予防及び/又は治療するための方法であって、それを必要とする対象に、有効量のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、或いはタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む組成物を投与するステップを含む、
    方法。
  11. 前記ウイルスが、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、肺炎ウイルス、又はHIVなどのRNAウイルスであり、
    好ましくは、前記インフルエンザウイルスが、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、又はインフルエンザCウイルス、例えば、H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、又はH9N2であり、
    好ましくは、前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2、CCV、又はMHVであり、好ましくは、前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2であり、好ましくは、前記コロナウイルスが、CCVであり、好ましくは、前記コロナウイルスが、MHVである、
    請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記疾患又は感染症が、インフルエンザ、単純感染症、重症肺炎を含む肺炎、急性若しくは重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症症候群、敗血症性ショック、又は新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)から選択され、好ましくは、前記単純感染症が、発熱、咳、又は喉の痛みであり、
    好ましくは、前記疾患又は感染症が、COVID-19である、
    請求項10に記載の方法。
  13. 前記組成物が、希釈剤、吸収剤、湿潤剤、賦形剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、及びそれらの任意の組み合わせなどの薬学的に許容される担体を含み、
    好ましくは、前記組成物が、PVP-KF-17を含む、
    請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記組成物が、注射剤、注入剤、錠剤、カプセル剤、スプレー剤、エアゾール剤、又はリンス剤であり、
    好ましくは、前記組成物が、単位剤形で存在し、好ましくは、前記組成物が、1~1000mg(例えば、1~800mg、1~500mg、1~200mg、1~100mg、1~50mg、1~20mg、又は1~10mg)のタウロリジン又はその誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を含む、
    請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
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