JP2023060414A - 冷蔵庫 - Google Patents

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晃一 西村
Koichi Nishimura
航 安部
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Abstract

【課題】本開示は、冷却器と蓄冷材との熱交換性を向上した冷蔵庫を提供する。【解決手段】本開示における冷蔵庫1は、冷蔵室13を冷却する冷蔵用冷却器32と、蓄冷材100と、冷蔵室13内に配置した低温室16と、を備えた冷蔵庫1において、低温室16と冷蔵用冷却器32との間に蓄冷材100を配置し、冷蔵用冷却器32の外郭は略平面部で形成され、蓄冷材100は略平面部と熱的に接触して配置している構成を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、冷蔵庫に関する。
特許文献1の冷蔵庫は、蓄冷材によって貯蔵室の温度変動が抑制されるように、蓄冷材の一方側に貯蔵室が位置し、他方側に冷却部が位置し、冷却部を貯蔵室の内部空間の方向に投影した場合に、投影面は蓄冷材に重なるように蓄冷材を備えた冷蔵庫が開示されている。
特開2021-139591号公報
本開示は、貯蔵室の投影面が蓄冷材に重なるように配置したと記載されているが、蓄冷材と冷却部の位置関係については開示されておらず、冷却部と蓄冷材との熱交換が効率よくされないと蓄冷能力が低下し、貯蔵室の温度変動が大きくなるおそれがある。
本開示における冷蔵庫は、冷蔵室を冷却する冷蔵用冷却器と蓄冷材と、冷蔵室内に区画配置した低温室と、を備えた冷蔵庫において、低温室と冷蔵用冷却器との間に蓄冷材を配置し、冷蔵用冷却器の外郭は略平面部で形成され、蓄冷材は略平面部と熱的に接触して配置している構成を備える。
本開示における冷蔵庫は、蓄冷材が冷却器との熱交換性が向上し、庫内の温度変動を抑制し、省エネを図ることができる。
実施の形態1における冷蔵庫の概略を示す縦断面図 実施の形態1における冷蔵庫の概略を示す概略正面図 実施の形態1の冷凍サイクルを示す冷凍サイクル図 実施の形態1の冷蔵用冷却器を示す斜視図 実施の形態1の冷蔵用冷却器と蓄冷材を示す平面図 実施の形態1の要部を示す縦断面図 実施の形態1の保護板を示す概略縦断面図 変形例の要部を示す縦断面図
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[冷蔵庫の構成]
図1は、本発明に係る冷蔵庫の概略を示す概略断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、断熱箱体の本体10を備えている。本体10の上下方向の2箇所には、本体10の内部を上下3つの空間に仕切る断熱板で構成された上部仕切板11および下部仕切板12が設けられている。
上部仕切板11の上側空間は、冷蔵室13とされ、上部仕切板11と下部仕切板12との間の空間は、冷凍室14とされ、下部仕切板12の下側空間は、野菜室15とされている。
冷蔵室13の内部下方には、冷蔵室13より低温とされる低温室16が設けられている。低温室16は0℃より温度が低く微凍結温度(例えば約-7℃)までの範囲で設定可能である。冷蔵室13の内部には、食品を載置する棚板17が設けられている。
冷凍室14の内部には、氷を溜める製氷室18が設けられている。
冷蔵室13の前面には、横開き式の冷蔵室用扉20が開閉自在に設けられている。
冷凍室14の前面には、冷凍室用引き出し扉21が開閉自在に設けられており、冷凍用引き出し扉21の内側には、内部に食品を収容する冷凍用引き出しケース22が設けられている。
野菜室15の前面の開口部には、野菜室用引き出し扉23が開閉自在に設けられており、野菜室用引き出し扉23の内側には、内部に食品を収容する野菜室用引き出しケース24が設けられている。
図1および図2に示すように、冷蔵庫1の冷蔵室13の背面側には、冷蔵用冷却室30が設けられている。冷蔵用冷却室30の上方には、冷蔵室13の上方に延在する冷蔵室ダクト31が接続されている。また冷蔵室13と冷蔵室ダクト31および冷蔵用冷却室30とを前後に仕切るダクトカバー31aが構成されている。
冷蔵用冷却室30には、冷蔵用冷却器32が収容されている。冷蔵用冷却器32は、マイクロチャネル式の冷却器とされている。マイクロチャネル式の冷却器とは、例えば、扁平多孔管とフィンで構成された冷却器である。扁平多孔管は、内部に冷媒が流れる流路が複数形成された扁平管である。なお、冷蔵用冷却器32の詳細については、後述する。
また、低温室16の後方には蓄冷材100が備えられている。詳細については後述する。
冷蔵用冷却室30の冷蔵用冷却器32の上方には、冷蔵用ファン33が配置されている。冷蔵用ファン33は、例えば、遠心ファンが用いられる。遠心ファンは、回転羽根の軸方向の一面側中央部分から冷蔵用冷却器32を通過した冷気を吸い込み、遠心方向に吹き出すファンである。また、遠心ファンは、冷蔵用冷却室30の後方から冷気を吸い込み、遠心方向に吹き出す。遠心ファンを用いることで、細いダクトでも風量を確保することができる。
なお、本実施の形態において遠心ファンは、冷蔵用冷却室30の後方から冷気を吸い込む構成としているが、冷蔵用冷却室30の前方から冷気を吸い込む構成としてもよい。
また、冷蔵用ファン33は、例えば、軸流ファンであってもよい。軸流ファンは、冷蔵用冷却器32により冷却された冷気を冷蔵室13に効率よく吹き出すように、吹き出し側が上方を向くように傾斜して配置されている。軸流ファンを用いることで、下方向へも冷気を吐出しやすくできる。
冷蔵用冷却器32に付着した霜は、冷蔵室の庫内空気によって除霜することができる。この場合、後述する切替弁52を切替えて冷蔵用冷却器32には冷媒は流さずに、又は圧縮機50の停止中に冷蔵用ファン33を駆動させることが好ましい。
冷蔵室ダクト31は、冷蔵用ファン33の吹き出し側のケーシング33aに接続されており、冷蔵室ダクト31は、上方に向かって徐々に幅寸法が大きくなるテーパ状に形成されている。
冷蔵室ダクト31は、途中に延在する低温室ダクト34を備えている。冷蔵室13には、冷蔵室ダクト31に連通する冷蔵用吹出口35がダクトカバー31aに形成されている。
冷蔵室13の温度センサ(図示しない)により、室内を冷却する場合は、冷蔵用冷却器32で生成された冷気を冷蔵用ファン33によって、冷蔵室ダクト31へ強制送風し、連通する吹出口35から冷蔵室13を所定温度に冷却する。
冷蔵室13の温度センサが所定温度に達すると、冷蔵用ファン33を停止する。
また、低温室ダクト34が冷蔵室ダクト31の途中から分岐して形成され、低温室ダクト34内に低温室ダンパ36が設けられている。低温室ダンパ36は、開閉動作を行うことで、冷蔵用冷却器32により冷却され、冷蔵用ファン33で強制送風される冷気を低温室16に送風または送風停止を切り替えるように構成されている。
低温室16の天面壁16a内には、低温室ダンパ36の下流に接続する天面ダクト16bを形成し、低温室16内の吹出す天面吹出し口16cが形成されている。
冷蔵用冷却器32の下面側であって後述するヘッダの下部には、遮蔽板39が設けられる。遮蔽板39は、ヘッダの下部を覆うことで、冷蔵室13から送られる庫内空気が後述するフィン73の間を通らずヘッダの間を通るのを防止し、冷蔵用冷却器3の後述する空気流路に導く機能を備えている。
なお、遮蔽板39は、冷蔵用冷却室30に設けられていてもよい。この場合、遮蔽板39は、後述するヘッダの下部に対応する位置に設けられる。
冷蔵庫1の冷凍室14の背面側には、冷凍用冷却室40が設けられている。冷凍用冷却室40には、冷凍用冷却器41が収容されている。
冷凍用冷却器41は、例えば、フィンチューブ式の冷却器とされている。フィンチューブ式の冷却器とは、例えば、円管のパイプとフラットフィンとで構成された冷却器である。冷凍用冷却器41の上方には、冷凍用冷却器41により冷却された冷気を冷凍室14の内部に送る冷凍用ファン42が配置されている。
フィンチューブ式の冷却器は、マイクロチャネル式の冷却器と比較して、冷媒配管とフィン先端との距離が大きいため熱伝導効率が悪く、フィン先端の温度が低下しにくい。そのため、着霜による目詰まりを抑制でき、除霜するためのヒータに通電する回数を減らすことができる。従って、消費電力量を抑制することができる。
冷凍用ファン42は、例えば、軸流ファンが用いられる。軸流ファンは、冷凍用冷却器41により冷却された冷気を冷凍室14に効率よく吹き出すように、吹き出し側が上方を向くように傾斜して配置されている。冷凍室14の背面には、冷凍用吹出口43が形成されている。
なお、冷凍用ファン42は、例えば、遠心ファンであってもよい。
冷凍用冷却器41の下方には、冷凍用冷却器41に付着した霜を除霜するためのガラス管ヒータ44が配置されている。
なお、ガラス管ヒータ44を用いずに、冷凍用冷却器41に付着した霜を除霜するために、冷凍用冷却器41を直接温めるパイプヒータを用いてもよい。
冷凍用冷却室40の冷気は、下部仕切板12に形成された連通孔45を介して野菜室15に送られるように構成されている。
冷蔵用冷却器32の下方には、冷蔵用露受け皿37が配置されている。冷凍用冷却器41の下方には、冷凍用露受け皿46が配置されている。
野菜室15の背面側下方には、蒸発皿47が配置されている。
冷蔵用露受け皿37には、冷蔵用排水管38が接続されている。冷凍用露受け皿46には、冷凍用排水管48が接続されている。冷蔵用排水管38および冷凍用排水管48の下端部は、上部仕切板11および下部仕切板12をそれぞれ貫通して蒸発皿47の上部近傍まで延在している。
これにより、冷蔵用露受け皿37および冷蔵用露受け皿46に溜まったドレンを冷蔵用排水管38および冷凍用排水管48を介して蒸発皿47に送ることができ、蒸発皿47でドレンの蒸発を行うように構成されている。
本体の後部上方には、圧縮機50が設置されている。
[冷凍サイクル置の構成]
次に、冷蔵庫1の冷凍サイクル構成について説明する。
図3は、冷蔵庫1の冷凍サイクルを示す冷凍サイクル図である。
図3に示すように、冷蔵庫1は、圧縮機50と、凝縮器51と、切替弁52と、冷蔵用減圧手段53と、冷蔵用冷却器32と、冷蔵用戻り配管55aと、冷凍用減圧手段54と、冷凍用冷却器41と、冷凍用戻り配管55bとを冷媒戻り配管55で接続して構成されている。冷蔵用減圧手段53として冷蔵用キャピラリチューブ53が、冷凍用減圧手段54として冷凍用キャピラリチューブ54が配設されている。
冷蔵用減圧手段53および冷蔵用冷却器32と、冷凍用減圧手段54および冷凍用冷却器41とは、切替弁52を介して互いに並列となるように接続されている。
[冷蔵用冷却器32の構成]
次に、冷蔵庫1に搭載される冷蔵用冷却器32の構成について説明する。
図4は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す斜視図である。図5は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す平面図である。図6は、実施の形態1の冷蔵用冷却器32を示す正面図である。
図4から図6に示すように、冷蔵用冷却器32は、冷媒が流れる冷媒導通部材60を備えている。冷媒導通部材60は、略四角形状の複数の通路が連続して配列された多孔扁平管で構成されている。
冷媒導通部材60は、所定間隔をもって略平行に形成された複数の扁平管61と、これら各扁平管61の端部を接続する曲成部62と、を備えて蛇行状に形成されている。
本実施の形態においては、後述するヘッダ間に扁平管61は、4つで構成されている。
なお、扁平管61の数はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
また、各扁平管61と曲成部62が一体で、1本の扁平管61を蛇行させてヘッダ間に形成してもよい。
また、扁平管61および曲成部62は、本実施形態においては、上下方向に3つの上部領域63、中部領域64、下部領域65に分割されている。
なお、本実施の形態においては、上下方向に3つの領域に分割するようにしたが、上下方向に2つの領域、または4つ以上の領域に分割するようにしてもよい。
最も外側に位置する扁平管61の一端部には、上下に延在する入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67がそれぞれ設けられている。
入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、例えば、円管で構成されている。
入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、冷蔵用熱交換器32の幅方向(左右方向)に位置をずらして配置されており、入口側ヘッダ66が扁平管61の近くに配置されるとともに、出口側ヘッダ67が入口側ヘッダ66より扁平管61から離れる位置に配置されて、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、互い違いに設けられている。
なお、出口側ヘッダ67が扁平管61の近くに配置されるとともに、入口側ヘッダ66が出口側ヘッダ67より扁平管61から離れる位置に配置されてもよい。
また、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67は、扁平管61の奥行方向(前後方向)における端面から突出しないように取付けられている。入口側ヘッダ66は、扁平管61の端部を折り曲げて形成された折曲部61aを介して扁平管61と接続され、出口側ヘッダ67は扁平管61の端部を折り曲げて形成された折曲部61aを介して扁平管61と接続されている。
このように入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67を配置することで、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の端面は、冷媒導通部材60の扁平管61の外面と面一とされ、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の側面が扁平管61の厚みから突出しないように配置される。
これにより、冷蔵用冷却器32の厚さ寸法を低減させることができ、冷蔵用冷却室30の内部に冷蔵用冷却器32を収容した場合に、冷蔵室ダクト31の内部スペースを小さくすることができる。その結果、冷蔵室13の内部空間を大きくすることができる。
また、入口側ヘッダ66の側面のうち冷蔵室13の後方向の側面であって下部領域65に対応する高さには、入口側配管68が接続されている。具体的には、入口側ヘッダ66の側面であって出口側ヘッダ67が接続されている扁平管61に向かう方向に、入口側配管68が接続されている。さらに、入口側配管68は、冷蔵用冷却器32の奥行方向(前後方向)と略平行に接続されていることが好ましい。
出口側ヘッダ67は、入口側ヘッダ66の高さ寸法より高く形成されている。出口側ヘッダ67の側面のうち冷蔵室13の前方向の側面であって上部領域63の上端より上方位置には、出口側配管69が接続されている。具体的には、出口側ヘッダ67の側面であって入口側ヘッダ66が接続されている扁平管61に向かう方向に、出口側配管69が接続されている。さらに、出口側配管69は、入口側配管68と略平行に接続されていることが好ましい。すなわち、出口側配管69は、最上段の扁平管の上端よりも上方位置に接続されている。
入口側配管68は、入口側ヘッダ66と略平行に上方に延在しており、出口側配管69は、出口側ヘッダ67の略平行に上方に延在している。また、入口側配管68は、出口側ヘッダ67側に向けて扁平管61の厚さ方向(前後方向)に突出しており、出口側配管69は、入口側ヘッダ66側に向けて扁平管61の厚さ方向(前後方向)に突出している。
入口側配管68および出口側配管69は、入口側ヘッダ66および出口側ヘッダ67の径に対して小径とされている。
前述のように入口側配管68および出口側配管69を配置することで、入口側配管68および出口側配管69の配置スペースが少なくて済む。
また入口側配管68には冷蔵用キャピラリチューブ53が接続され、出口側配管69には冷蔵用戻り配管55aが接続されている。
冷蔵用キャピラリチューブ53は入口側ヘッダ66の上方へ延びた後、本体10の背面断熱壁内に埋設される。また冷蔵用戻り配管55aは出口側ヘッダ67の上方へ延びた後、本体10の背面断熱壁内に埋設される。
そして背面断熱壁内で冷蔵用キャピラリチューブ53と冷蔵用戻り配管55aとが熱交換するように密着接続されている。
また出口側配管69と、下流に接続される冷蔵用戻り配管55aとの間には、液冷媒が圧縮機50に流入するのを防止するアキュームレータ(気液分離器)は備えていない。
図4に示すように、入口側ヘッダ66の下部領域65と中部領域64との境界に相当する位置には、仕切板70が設けられている。入口側ヘッダ66の中部領域64と上部領域63に相当する位置は、連通している。
出口側ヘッダ67の上部領域63と中部領域64との境界に相当する位置には、出口側ヘッダ67内の連通を遮断する仕切板71が設けられている。出口側ヘッダ67の中部領域64と下部領域65に相当する位置は、連通している。
入口側ヘッダ66の下部から流入した冷媒は、冷媒導通部材60の下部領域65の内部を通って、出口側ヘッダ67に流れる。出口側ヘッダ67に流れた冷媒は、冷媒導通部材60の中部領域64に流入して入口側ヘッダ66に流れ、入口側ヘッダ66を介して下部領域65を流れた後、出口側ヘッダ67の上部から流出される。
すなわち、入口側ヘッダ66に流入した冷媒は、扁平管61の下部領域65、中部領域64、上部領域63を順次流れて出口側ヘッダ67に至るように直列に流れる。ここで、各扁平管61は、直列に接続されている。これにより、冷気の通風方向を重力方向と揃えた場合でも、冷媒が重力により下部に溜まることを抑制できる。従って、熱交換器全体へ冷媒を行き渡らせることが可能となり、熱交換効率の低下を抑制させることができる。
冷媒導通部材60の各扁平管61の間には、空気流路72が形成される。
空気流路72の内部には、扁平管61に対して所定角度で傾斜されジグザグ状に折り曲げて連続して設けられたフィン73が配列されており、これらフィン73により、空気流路72の内部に、断面形状略三角形状の空気流路72が連続して形成される。
なお、断面形状が矩形状の空気流路72が連続して形成されていてもよい。
空気流路72は、冷蔵用冷却室30の上下方向に沿うように、上下方向に形成される。
これにより、冷蔵用冷却室30の下方から上方に向かって流れる庫内空気は、空気流路72を流れ、このとき、冷媒導通部材60の内部を流れる冷媒と熱交換を行い、所定温度に冷却されるように構成されている。
[蓄冷材の構成]
蓄冷材100は、内部は凝固点が-10℃~0℃の範囲で、固相と液相の間で相変化する蓄冷剤と、外部は蓄冷容器で構成され、蓄冷容器内に蓄冷剤を密封している。蓄冷容器はアルミニウムなどの金属材料で構成され、可撓性を有し変形が可能となっている。
図のように、低温室16の背面と対向する冷蔵用冷却器32の外郭に金属製の蓄冷材ケース101を固定している。蓄冷材ケース101は断面略L字状に形成され、蓄冷材ケース101内部に蓄冷材100が上方から着脱自在に配置している。
蓄冷材ケース101に収納された蓄冷材100は一方が冷蔵用冷却器32の外郭に位置する外側の扁平管61の平面部に接触または近接し、他方は蓄冷材ケース101に接触して配置している。蓄冷材ケース101の底面部101aは冷蔵用冷却器32の下端部と隙間なく固定している。
また、図4のように扁平管61が3つの上部領域63、中部領域64、下部領域65と上下段、左右幅方向に形成されているので、蓄冷材100はこれら扁平管61の前面に接触または近接するように配置している。
低温室16の背面にあるダクトカバー31aには複数の開口部102が形成され、蓄冷ケース101がダクトカバー31aに接触配置している。
またダクトカバー31aの下部で、開口部102の下方に冷蔵室戻り口103を備えている。
[1-2.動作]
以上のように構成された冷蔵庫1について、その動作を以下説明する。
まず、圧縮機50を駆動することにより、冷媒を凝縮器31に送り、切替弁52を切り替えることで、冷蔵用冷却器32または冷凍用冷却器41のいずれかに冷媒を送る。
冷蔵用冷却器32に送られた冷媒は、冷媒導通部材60の入口側ヘッダ66から流入して上部領域63の内部を流れる。出口側ヘッダ67に流れた冷媒は、出口側ヘッダ67を介して中部領域64を流れ、入口側ヘッダ66に送られ、入口側ヘッダ66を介して下部領域65を流れる。下部領域65を流れた冷媒は、出口側ヘッダ67から流出して、圧縮機50に戻される。
冷媒導通部材60の内部を冷媒が流れている状態で、冷蔵用ファン33を駆動することで、冷蔵室13内を循環した空気が、ダクトカバー31aに形成された吸込み口103から冷蔵用冷却室30に吸い込まれ、冷蔵用冷却器32のフィン73によって伝熱面積を広くすることで冷媒導通部材60を流れる冷媒との熱交換効率を向上しながら、生成された冷気は空気流路72を下方から上方へ通過する。
これにより、冷蔵用吹出口35から冷気が吹き出されて、冷蔵室13を適温に冷却する。
また、低温室16の設定温度によって低温室ダンパ36の開閉制御がされて、風量制御された冷気が天面ダクト16bを通って天面吹出し口16cから吹出すことで、低温室16は天面壁16aからの強制通風と背面の蓄冷材100による輻射熱で温度制御される。
また、蓄冷材100は凝固点が―10℃で、冷蔵用冷却器32の外側の扁平管61の平面部に直接接触または近接配置し、蒸発温度が約-15℃の冷蔵用冷却器32の熱伝導により冷却される。
また蓄冷材100は、―10℃の凝固点で固相から液相への相変化に伴う潜熱により温度変化することなく、所定時間の間、凝固点温度を保ち、金属製の蓄冷材ケース101を熱伝導してダクトカバー31aの開口部102を通って低温室16の背面から輻射熱で室内を0℃より低い温度で冷却することができるので、天面吹出し口16cから冷気が吹出されない場合、すなわち冷蔵用冷却器32に冷媒が流れない状態、例えば圧縮機50の運転停止時や、切替弁52により冷凍用冷却器41側に冷媒が流れている時など、蓄冷材100の輻射熱により低温室16の温度変動を抑制することができる。
また蓄冷材100は可撓性材料で形成された蓄冷容器で形成され、冷蔵用冷却器32の外郭に位置する上下複数段の扁平管61の平面部に圧入させながら接触配置して金属製の蓄冷材ケース101に収納されるので冷蔵用冷却器32と密着することができ接触熱抵抗の低減を図ることができ、熱交換性が向上し蓄冷効率がアップする。
また蓄冷ケース101の底面部101aが冷蔵用冷却器32の下端部と隙間なく固定していることで、冷蔵室13内を循環した戻り冷気が蓄冷材100と冷蔵用冷却器32との間を通るのを抑制することができ、蓄冷材100と冷蔵用冷却器32との熱交換性をさらに向上することができる。
また蓄冷ケース101は低温室16の背面にあるダクトカバー31aに接触配置し、開口部102を通して輻射熱で低温室16内を冷却し、低温室16の背面壁を形成して冷却性能を維持することができる。
また、図のように蓄冷材ケース101にもケース開口部101bを部分的に形成してもよい。
これによって、蓄冷材100からの輻射熱をケース開口部101bから直接、開口部102通して、低温室13内を冷却することができる。
また、蓄冷材100の蓄冷速度を向上するために、冷蔵用ファン33を停止して、冷蔵用冷却器32の空気との熱交換を抑えることで蒸発温度を低下させ、蓄冷材100を冷却して効率的に凝固温度以下に維持し、その後、冷蔵用ファン33を運転して、低温室16の設定温度に応じて低温室用ダンパ34aを制御し、適温に冷却することができる。
また、蓄冷材100は冷蔵用冷却器32に直接接触するとしたが、冷蔵用冷却器32の扁平管61の前面に扁平管61と同じ材料、または異種金属接触による腐食を防止する熱伝導性の高い金属製の保護板104を備え、扁平管61と保護板104が接触固定され、蓄冷材100は保護板104に圧入しながら接触配置することで、冷蔵用冷却器32から蓄冷材100を蓄冷してもよい。
保護板104は、冷蔵用冷却器32の3つの上部領域63、中部領域64、下部領域65に亘って平板状に形成されている。
これによって、蓄冷材100の蓄冷容器および扁平管61を保護することができる。
保護板104と扁平管61が熱的に接触しながら近接配置してもよい。これによって扁平管61と異なる熱伝導性の高い材料で保護板104を形成することができ、近接配置でも冷蔵用冷却器32と蓄冷材100との熱交換性能を維持することができる。 また、切替弁52を切替て冷凍用冷却器41に送られた冷媒は、冷凍用ファン42を駆動することで、冷凍用冷却室40の下方から上方に流れる空気と冷媒とが熱交換し、生成された冷気が冷凍用吹出口43から冷凍室14内に吹出されて適温に冷却する。
[1-3.効果等]
以上述べたように、本実施の形態においては、冷蔵室13を冷却する冷蔵用冷却器32と蓄冷材100と、冷蔵室13内に区画配置した低温室16と、を備えた冷蔵庫において、低温室16と冷蔵用冷却器32との間に蓄冷材100を配置し、冷蔵用冷却器32の外郭は略平面部で形成され、蓄冷材100は略平面部と熱的に接触して配置している。
これにより、蓄冷材100と冷蔵用冷却器32とが面で向かい合って熱的に接触するので、熱交換性能が向上し蓄冷材100への蓄冷効率を向上することができる。
また、本実施の形態においては、蓄冷材100は略平面部と面接触している。
これにより、さらに蓄冷材100と冷蔵用冷却器32とが対面配置で面の接触面積をアップすることができて熱交換性能が向上し蓄冷材100への蓄冷効率を向上することができる。
また、本実施の形態においては、前記略平面部は、上下方向に複数段に配置された扁平管61で形成されている。
これにより、さらに蓄冷材100との接触面積をアップして蓄冷材100への蓄冷効率を向上し、蓄冷材100による冷却能力向上が可能となる。
また、略平面部は、熱伝導性を有する保護板104で構成されている。具体的には、扁平管61と同じ材料、または異種金属接触による腐食を防止する金属製の保護板104が扁平管61と接触固定して備えている。
これにより、蓄冷材100の蓄冷容器の傷つき、または扁平管61の腐食を防止し保護することができる。
また、蓄冷材100は冷蔵用冷却器32の略平面部側に保持されている。
これにより、蓄冷材100と冷蔵用冷却器32との接触面積のバラつきを抑制でき熱交換性向上し蓄冷速度をアップすることができる。
また、蓄冷材100は、凝固点が-10度~0度の範囲内にある蓄冷剤と、蓄冷剤を収納する可撓性材料で形成された蓄冷容器とで構成されている。
これにより、蓄冷材100を蓄冷ケース101内に圧入して保持することができ、熱交換性を向上し、蓄冷速度がアップするので、凝固点まで効率よく冷却することができる。
また、低温室16の背面に冷蔵用冷却器32を備えている。
これにより、圧縮機50のON/OFF運転時や、切替弁52の切替えで冷凍用冷却器41へ冷媒が流れる時など、低温室16の温度変動を抑制することができる。
(変形例)
次に、本発明の変形例について、説明する。
図 は、本発明の変形例を示す平面図である。
図 に示すように、本実施の形態においては、ダクトカバー31aに蓄冷材100を保持するようにしたものである。樹脂製のダクトカバー31aに樹脂製の保持部材105を形成し、保持部材105に蓄冷材100を保持したものである。
保持部材105に蓄冷材100を保持した状態でダクトカバー31aを冷蔵用冷却器32の前方から本体10に固定した時、蓄冷材100が冷蔵用冷却器32に直接接触するように保持部材105は形成されている。
この変形例においては、ダクトカバー31aに蓄冷材100を保持するので、製造工程時の取付けが容易となる。
また、保持部材105は、冷蔵用冷却器32の上段扁平管61の上端よりも上方に、下段扁平管61の下端よりも下方に位置するようにダクトカバー31aに形成されている。
また左右方向については、各扁平管61の水平部より外側の折曲部61a、曲成部62に対応する位置に保持手段(図示しない)が形成されている。
したがって、保持部材105が扁平管61に当たるのを抑制し、蓄冷材100が扁平管61に接触することが冷蔵用冷却器32と蓄冷材100との接触面積向上を図り、熱交換性向上することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
本開示は、冷蔵用熱交換器による熱交換効率を向上させることができる冷蔵庫に好適に利用可能である。
1 冷蔵庫
10 本体
11 上部仕切板
12 下部仕切板
13 冷蔵室
14 冷凍室
15 野菜室
16 低温室
18 製氷室
30 冷蔵用冷却室
31 冷蔵室ダクト
31a ダクトカバー
32 冷蔵用冷却器
33 冷蔵用ファン
61 扁平管
100 蓄冷材
104 保護板

Claims (8)

  1. 冷蔵室を冷却する冷蔵用冷却器と、蓄冷材と、前記冷蔵室内に配置した低温室と、を備えた冷蔵庫において、
    前記低温室と前記冷蔵用冷却器との間に前記蓄冷材を配置し、前記冷蔵用冷却器の外郭は略平面部で形成され、前記蓄冷材は前記略平面部と熱的に接触して配置していることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記蓄冷材は前記略平面部と面接触していることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記略平面部は、上下方向に複数段に配置された扁平管で形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  4. 前記略平面部は、熱伝導性を有する保護板であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記蓄冷材は前記冷蔵用冷却器の前記略平面部側に保持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記蓄冷材は前記低温室と前記冷蔵用冷却器の前記略平面部側との間を仕切るダクトカバーに保持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記蓄冷材は、凝固点が-10度~0度の範囲内にある蓄冷剤と、前記蓄冷剤を収納する可撓性材料で形成された蓄冷容器とで構成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記低温室の背面に前記冷蔵用冷却器を備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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