JP2023048463A - 多層発泡粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、型内成形後の水冷時間を短くしても、成形後の収縮による寸法変化のバラつきが小さい、発泡粒子成形体を型内成形可能なポリプロピレン系樹脂多層発泡粒子を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明のポリプロピレン系樹脂多層発泡粒子は、発泡芯層が、特定のエチレン成分含有率のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)により構成され、被覆層がポリオレフィン系樹脂(B)により構成され、ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線が一以上の融解ピークを有し、融解ピーク中の少なくとも一の融解ピークの融解ピーク温度が、ランダム共重合体(A)の融点(Tm)よりも低く、ランダム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が特定範囲内であり、エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する該重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が特定範囲内である。【選択図】 なし

Description

本発明は、多層発泡粒子に関し、詳しくは型内成形用の多層発泡粒子に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子は加工性に優れ、型内成形により得られた発泡粒子成形体は、複雑な形状の賦形が可能であり、機械強度、緩衝性、価格のバランスに優れていることから、緩衝包装材、自動車部材、建築部材などとして使用されている。
該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特開2004-68016号公報
しかし、特許文献1に記載の多層発泡粒子を用いて低い蒸気圧で型内成形を行う場合には、複雑な形状の成形体や大型の成形体を得ようとすると、金型内の発泡粒子全体に均等に蒸気が行きわたり難くなって加熱ムラが生じやすくなり、その結果、成形後に発生する収縮の程度が発泡粒子成形体の部分ごとに異なったり、寸法のバラつきが生じやすくなったりして、成形体の寸法を厳格に管理することに負担がかかり過ぎる等の課題を残していた。
一方、この加熱ムラの課題を解消するため、より高い蒸気圧で型内成形を行ったり、加熱時間を延長したりして、型内を十分に加熱しようとすると、寸法バラツキは小さくなるが、特に型内成形後の冷却時間が長くなり、全体の成形時間も長くなってしまう傾向にあった。
本発明は、型内成形後の冷却時間を短くしても、成形後の収縮による寸法変化のバラツキが小さい、発泡粒子成形体を型内成形可能な多層発泡粒子を提供することを課題とする。
本発明によれば、以下に示す多層発泡粒子が提供される。
[1]発泡芯層と、該発泡芯層を覆う被覆層とを有する多層発泡粒子であり、
該発泡芯層が、エチレン成分含有率2.5質量%以上3.5質量%以下のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)により構成され、
該被覆層がポリオレフィン系樹脂(B)により構成され、示差走査熱量測定(DSC)により測定された該ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線が一以上の融解ピークを有し、該融解ピーク中の少なくとも一の融解ピークの融解ピーク温度が、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)よりも低く、
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が20万以上30万以下であり、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する該重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が3.5以上5以下である、ことを特徴とする多層発泡粒子。
[2]前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のZ平均分子量(Mz)の比(Mz/Mn)が9.5以上13未満である、請求項1に記載の多層発泡粒子
[3]前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)が130℃以上150℃以下である、前記1又は2に記載の多層発泡粒子。
[4]前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の結晶化温度(Tc)と前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tmc)とが、下記(1)式を満足する、前記1から3のいずれかに記載の多層発泡粒子。
40(℃)<Tm-Tc<50(℃)・・・(1)
(但し、式中のTmc、Tcの単位はともに℃である。)
本発明によれば、型内成形後の冷却時間の短縮が可能であり、該冷却時間を短くしても、成形後の収縮等による寸法変化のバラつきが小さい、発泡粒子成形体を型内成形可能な多層発泡粒子を提供することできる。
図1は、熱流束示差走査熱量測定による第1回加熱のDSC曲線の一例を示す図面である。
以下、本発明の多層発泡粒子について詳細に説明する。
本発明の多層発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう。)は、発泡芯層と、該発泡芯層を覆う被覆層とを有するものである。さらに、該発泡芯層は、エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)(以下、共重合体(A)ともいう。)により構成され、該被覆層は、ポリオレフィン系樹脂(B)から構成されている。
該発泡芯層は、発泡状態にある。該発泡状態とは、気泡構造が形成されている状態をいう。
一方、該被覆層は発泡状態であっても、非発泡状態であってもよいが、非発泡状態であることが好ましい。なお、非発泡状態とは、気泡が全く存在しないもの(後述するように、樹脂粒子を発泡させる際に一旦形成された気泡が破壊されて気泡が消滅したものも包含する。)のみならず、得られる成形体の機械的強度に影響しない範囲で、ごく微小な気泡が僅かに存在するものも包含される。
該発泡芯層が該被覆層に覆われる態様としては、該発泡芯層が該被覆層で完全に覆われていても、一部の発泡芯層が露出していても構わない。該発泡芯層が露出した構造とは、例えば、円柱状の発泡芯層の周面のみが該被覆層で覆われており、円柱の上面や底面に発泡芯層が露出している構造などが挙げられる。
次に、該発泡芯層のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)について説明する。
該共重合体(A)のエチレン成分含有率は2.5質量%以上3.5質量%以下である。該含有率がこの範囲内であれば、適度な機械的強度を有し、低い蒸気圧で十分な二次発泡性を示すので、型内成形用の発泡粒子として好適に使用できるものであり、得られた発泡粒子は機械的強度と成形性のバランスに優れるものとなる。
該含有率が小さすぎると、低い蒸気圧での型内成形を行うことが出来なくなるおそれがある。一方、該含有率が大きすぎると、剛性が低下しすぎるおそれがある。
また、該共重合体(A)においては、プロピレン成分含有率は95質量%以上であることが好ましく、96.5質量%超97.5質量%未満であることが好ましい。該共重合体(A)は、プロピレン成分を主成分とするので、プロピレン系樹脂として分類されるものである。
本明細書において、エチレン-プロピレンランダム共重合体(A)のエチレン成分含有率は、IRスペクトルにより決定する公知の方法により求めることができる。具体的には、高分子分析ハンドブック(日本分析化学会高分子分析研究懇談会編、出版年月:1995年1月、出版社:紀伊国屋書店、ページ番号:615~616、「II.2.3 2.3.4 プロピレン/エチレン共重合体」)に記載されている方法、つまり、エチレンの吸光度を所定の係数で補正した値とフィルム状の試験片の厚み等との関係から定量する方法により求めることができる。
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は20万以上30万以下であり、好ましくは24万以上28万以下である。該重量平均分子量(Mw)がこの範囲内の共重合体(A)は、低い蒸気圧での型内成形が可能であり、得られた発泡体は強度に優れ、成形性と機械的強度とのバランスに優れるものとなる。
さらに、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する、エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は3.5以上5以下である。
該比(Mw/Mn)が、この範囲内であれば、水冷時間を短くしても、得られる成形体の寸法変化のバラつきが小さくなる。その理由としては、水冷による冷却の早期の段階で樹脂の結晶化が起こり易くなり、水冷による冷却時間を短縮しても寸法変化が起こり難くなること、さらには、二次発泡のバラつきが抑えられ、局所的に二次発泡が進みすぎて、蒸気が金型内に均等に行きわたり難くなることが抑えられる結果、成形後の発泡粒子成形体の寸法変化のバラつきが小さく抑えられることが考えられる。かかる観点から、比(Mw/Mn)は3.7以上4.8以下であることが好ましく、さらには3.8以上4.5以下であることが好ましい。
また、エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のZ平均分子量(Mz)は、50万以上100万以下であることが好ましく、より好ましくは60万以上90万以下であり、さらに好ましくは65万以上75万以下である。また、
数平均分子量(Mn)に対するZ平均分子量(Mz)の比(Mz/Mn)は、9.5以上13未満であることが好ましく、10以上12以下がさらに好ましい。
比(Mz/Mn)がこの範囲内であれば、冷却時間が短くても、成形後の収縮による成形体の部分ごとの寸法変化のバラつきが小さい、発泡粒子成形体を得ることができる。
また、重量平均分子量(Mw)に対するZ平均分子量(Mz)の比(Mz/Mw)は、2以上5以下であることが好ましく、2.5以上3.5以下であることがより好ましく、さらに2.6以上3.2以下が好ましい。
本発明で用いるエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)は、例えば、比(Mw/Mn)が3.5以上5以下となるようにエチレン‐プロピレンランダム共重合体をパーオキサイド等の有機過酸化物で酸化分解し、分子量を制御することにより得ることができる。
本明細書において、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)は、ゲル浸透クロマトグラフィ法により測定することができる。
測定方法の詳細については実施例で説明する。
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)は130℃以上150℃以下であることが好ましい。
該融点(Tm)がこの範囲内であれば、多層発泡粒子は低い蒸気圧での成形が可能であり、一方、得られた成形体は耐熱性に優れるものとなる。
本発明で用いられるエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)においては、結晶化温度(Tc)と融点(Tm)とが、下記(1)式を満足することが好ましい。
40(℃)<Tm-Tc<50(℃)・・・(1)
(但し、式中のTm、Tcの単位はともに℃である。)
該結晶化温度(Tc)と該融点(Tm)とが、(1)式を満たすエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)を用いて発泡芯層が形成されていると、低圧の蒸気を用いて型内成形を行っても、良好な発泡粒子成形体が得られる。これは、型内成形時の冷却工程において、(1)式を満足するエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)は、早期に結晶化が起こる傾向があり、成形時の冷却時間を短縮しても、寸法変化が起こり難くなるためと考えられる。
上記の理由により、結晶化温度(Tc)と融点(Tm)とが、下記(2)式を満足することが好ましく、下記(3)式を満足することがより好ましい。
41(℃)≦Tm-Tc≦48(℃) ・・・(2)
42(℃)≦Tm-Tc≦45(℃) ・・・(3)
本明細書において、該共重合体(A)の融点は、JIS K7121-1987に基づき、熱流束示差走査熱量測定により求められるDSC曲線の最大融解ピーク温度を意味する。試験片の状態調節として、「(2)一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」を採用し、このときの冷却速度として毎分10℃を採用する。融解温度を測定する際の加熱速度として毎分10℃を採用する。なお、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。
なお、発泡粒子や多層発泡粒子についても、上記と同様の方法で融点(Tmf)を測定することができる。
なお、融解ピークが明瞭でない場合には、当該温度付近のDSCの微分曲線(DDSC)の正負、ゼロ点を参照してピーク位置を求めることができる。
本明細書において、該結晶化温度は、JIS K7121-1987に基づき、熱流束示差走査熱量測定により求められる結晶化ピーク温度を意味する。試験片の状態調節として、「(2)一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」を採用し、冷却速度として毎分10℃を採用する。なお、共重合体(A)の結晶化発熱ピークが2つ以上現れる場合には、最も面積の大きな結晶化ピークの頂点の温度を結晶化温度とする。
なお、発泡粒子や多層発泡粒子についても、前記と同様の方法で結晶化温度(Tcf)を測定することができる。
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の曲げ弾性率は、800MPa以上1100MPa以下であることが好ましく、より好ましくは820MPa以上1000MPa以下である。該曲げ弾性率がこの範囲内であれば、特に、良好な剛性を有する発泡粒子成形体が得られる。
本明細書において、該曲げ弾性率は、JIS K7171:2008に準拠して求められる。
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のメルトフローレイト(MFR)は1g/10分以上20g/10分以下が好ましく、より好ましくは2g/10分以上15g/10分以下であり、さらに好ましくは3g/10分以上10g/10分以下である。該MFRがこの範囲内であれば、多層構造を有する発泡粒子、特に、発泡粒子を得る際の前駆体となる多層構造の樹脂粒子を容易に形成することができる。
なお、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のMFRはJIS K7210:1999の試験条件M(230℃/2.16kg荷重)で測定される値である。
本発明における発泡芯層を構成するエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)には、該共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等のポリマー成分が添加されていてもよいが、該発泡芯層を構成する樹脂は、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)を80重量%以上含有することが好ましく、90重量%以上含有することがより好ましい。
また、該発泡芯層には、帯電防止剤、触媒中和剤、滑剤、核剤、カーボンブラック等の着色剤等の添加剤を添加することができる。該添加剤の添加量は、添加物の種類や使用目的にもよるが、発泡芯層を構成する共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以下であり、特に好ましくは3重量部以下である。
本発明の多層発泡粒子は、前記したように、発泡芯層と、被覆層を有し、該発泡芯層は該被覆層に覆われている。
該被覆層は、ポリオレフィン系樹脂(B)により構成され、示差走査熱量測定法(DSC)により測定された、該ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線が、一以上の融解ピークを有し、その内の少なくとも一の融解ピークの融解ピーク温度が、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点よりも低いことを要する。該被覆層がこの構成を満たすことにより、発泡粒子の融着性が改善され、該発泡芯層のみからなる単層発泡粒子の成形温度よりも低い成形温度で型内成形することが可能になる。
ここで、「エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点」とは、示差走査熱量測定法(DSC)により測定された、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のDSC曲線に融解ピークが2つ以上現れる場合には、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度をいう。
また、「該ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線が、一以上の融解ピークを有し、その少なくとも一の融解ピークの融解ピーク温度が、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の最大融解ピーク温度よりも低い」とは、ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線に一の融解ピークが現れる場合、その融解ピークの融解ピーク温度が、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の最大融解ピーク温度よりも低いことをいう。
また、該ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線に複数の融解ピークが現れる場合、少なくとも、ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線の最も低い融解ピークの融解ピーク温度が該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の最大融解ピーク温度よりも低いことをいう。
本発明においては、該ポリオレフィン系樹脂(B)の融解ピーク温度及びエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の最大融解ピーク温度についての関係が満たされ、さらに、該発泡芯層を構成する樹脂の分子量を特定の範囲とすることで、該被覆層の融着性を向上させつつ、発泡芯層においては二次発泡性と水冷時における結晶性を制御することにより、水冷時間を短くしても寸法変化のバラつきが生じ難い、発泡粒子が得られる。
なお、「低い成形温度で型内成形することが可能」とは、エチレン-プロピレンランダム共重合体(A)からなる単層構造の発泡粒子の型内成形温度を基準として、該単層構造の発泡粒子から形成される成形体と同様の特性(たとえば、表面の外観、融着性、回復性)を有する成形体を、該基準の型内成形温度より低い成形温度で成形可能なことをいう。
次に、該ポリオレフィン系樹脂(B)について説明する。
該ポリオレフィン系樹脂(B)としては、オレフィン成分が50質量%以上有するものが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
オレフィン成分を50質量%以上有するものであれば、その組成、合成法に特に制限はない。具体的には、該ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が例示され、さらにこれらの混合物などが挙げられる。
該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えば、エチレンや、1-ブテンなどの炭素数4以上のα-オレフィンが例示される。該共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体などが例示され、さらにこれらの2種以上の混合樹脂などが例示される。
該ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共合体などが挙げられ、さらにこれらの2種以上の混合樹脂などが例示される。
また、本発明における被覆層には、所期の目的を阻害しない範囲において、ポリオレフィン系樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等のポリマーが添加されていてもよいが、該ポリオレフィン系樹脂(B)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。
該被覆層には、帯電防止剤、触媒中和剤、滑剤、カーボンブラック等の着色剤等の添加剤を添加することができる。該添加剤の添加量は、添加物の種類や使用目的にもよるが、被覆層を形成するポリオレフィン系樹脂(B)100重量部に対して、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下であり、さらに好ましくは5重量部以下であり、特に好ましくは3重量部以下である。
次に、本発明の多層発泡粒子の物性について説明する。
該多層発泡粒子の嵩密度は10kg/m以上300kg/m以下であることが好ましい。
該嵩密度がこの範囲である場合には、比較的発泡倍率が高いことから、型内成形後の寸法変化が大きくなり易く、冷却時間が長くなる傾向にあるので、本発明により特定される冷却時間の短縮効果がより顕著なものとなる。また、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材や自動車座席用芯材をはじめ、様々な用途に使用可能な発泡粒子成形体を得ることができる。かかる観点から、多層発泡粒子の嵩密度は、15kg/m以上200kg/m以下であることがより好ましく、更に好ましくは17kg/m以上100kg/m以下であり、さらに好ましくは、19kg/m以上50kg/m以下である。
多層発泡粒子の嵩密度の測定方法は以下のとおりである。まず、容積1Lのメスシリンダーを準備する。多層発泡粒子の静電気を除去しながら、自然堆積状態となるようにメスシリンダーの1Lの標線まで多層発泡粒子を充填する。このメスシリンダー内の多層発泡粒子の質量、つまり、体積1L当たりの多層発泡粒子の質量を体積1m当たりの質量(kg/m)に換算することにより、多層発泡粒子の嵩密度(kg/m)を算出することができる。
該発泡芯層の平均気泡径は、20~400μmが好ましく、40~250μmがより好ましく、80~200μmが更に好ましく、100~160μmが特に好ましい。該平均気泡径がこの範囲内であると、型内成形性に優れる多層発泡粒子になると共に、得られた発泡粒子成形体は成形後の寸法回復性に優れたものとなる。
該発泡芯層の平均気泡径は、次のようにして測定される。
発泡芯層を略二等分した切断面を顕微鏡で撮影した拡大写真に基づき、以下のとおり求めることができる。まず、発泡芯層の切断面拡大写真において発泡芯層の一方の表面から他方の表面に亘って、気泡切断面の略中心を通る4本の線分を引く。ただし、該線分は、気泡切断面の略中心から切断粒子表面へ等間隔の8方向に伸びる放射状の直線を形成するように引くこととする。次いで、該4本の線分と交わる気泡の数の総数N(個)を求める。4本の各線分の長さの総和L(μm)を求め、総和Lを総和Nで除した値(L/N)を発泡芯層1個の平均気泡径とする。この作業を10個の発泡芯層について行い、各発泡芯層の平均気泡径を相加平均した値を発泡芯層の平均気泡径とする。
本発明の多層発泡粒子においては、独立気泡率は、75%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは82%以上、特に好ましくは85%以上である。独立気泡率がこの範囲内であれば、二次発泡性に優れる多層発泡粒子となるとともに、得られる発泡粒子成形体の機械的物性が良好になる。
該多層発泡粒子の独立気泡率は、次のようにして測定される。
多層発泡粒子を大気圧下、相対湿度50%、23℃の条件の恒温室内にて10日間放置し養生する。次に同恒温室内にて、嵩体積約20cmの養生後の多層発泡粒子を測定用サンプルとし下記の通り水没法により正確に見かけの体積Vaを測定する。見かけの体積Vaを測定した測定用サンプルを十分に乾燥させた後、ASTM-D2856-70に記載されている手順Cに準じ、東芝・ベックマン株式会社製空気比較式比重計930により測定される測定用サンプルの真の体積Vxを測定する。そして、これらの体積Va及びVxを基に、下記の(4)式により独立気泡率を計算し、N=5の平均値を多層発泡粒子の独立気泡率とする。
独立気泡率(%)=(Vx-W/ρ)×100/(Va-W/ρ)・・・(4)
ただし、
Vx:前記方法で測定される多層発泡粒子の真の体積、即ち、多層発泡粒子を構成する樹脂の容積と、多層発泡粒子内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm
Va:多層発泡粒子を、水の入ったメスシリンダーに沈めて、水位上昇分から測定される多層発泡粒子の見かけの体積(cm
W:多層発泡粒子測定用サンプルの重量(g)
ρ:多層発泡粒子を構成する樹脂の密度(g/cm
本発明においては、多層発泡粒子についての、熱流束示差走査熱量測定法の昇温測定により得られる第一回加熱のDSC曲線において、ポリプロピレン系樹脂に固有の吸熱ピーク(以下、単に「固有ピーク」ともいう)と、発泡時の温度処理により形成された二次結晶に起因する高温ピークとが現れることが好ましい。
具体的には、該多層発泡粒子2~10mgを熱流束示差走査熱量測定法により、10℃/分の昇温速度で23℃から220℃まで加熱したときに得られるDSC曲線(第1回加熱のDSC曲線)が、図1に示すように、ポリプロピレン系樹脂に固有の吸熱ピークa(以下、単に「固有ピーク」ともいう)と、該固有ピークの高温側に、発泡時の温度処理により形成された二次結晶に由来する1つ以上の吸熱ピークb(以下、単に「高温ピーク」ともいう)とを有することが好ましい。
図1は、第1回加熱のDSC曲線の一例である。図1において、aは固有ピークを、bは高温ピークを、αはDSC曲線上の80℃に相当する点を、Tは融解終了温度であって、吸熱ピークbの高温側の据がベースラインの位置に戻ったときの温度を、βは高温ピークの融解終了温度TEに相当するDSC曲線上の点を、γは固有ピークaと高温ピークbとの間の谷の底の点を、δは点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、直線(α-β)と交わる点をそれぞれ示す。
該固有ピークの頂点温度(固有ピーク温度)は、135℃以上145℃以下であることが好ましく、より好ましくは138℃以上142℃以下である。該固有ピーク温度がこの範囲内であれば、成形後の冷却により剛性の向上に寄与する結晶性の高い結晶が形成され易い。
該固有ピークの融解終了温度(γ)は、固有ピークaと高温ピークbとの間の谷の底に対応する温度であって、150℃以上160℃以下であることが好ましく、より好ましくは152℃以上155℃以下である。
該固有ピークの融解熱量は、50J/g以上70J/g以下であることが好ましく、より好ましくは55J/g以上65J/gである。該固有ピークの融解熱量が前記範囲内であることにより、成形後の寸法安定性が向上する。
固有ピークの融解熱量は、前記図1において、点δと点γを結ぶ直線(δ-γ)と、直線(α-β)と、高温ピークaの曲線とで囲まれる部分の面積として求められる。
該高温ピークの融解熱量(以下、単に高温ピーク熱量ともいう。)は、10J/g以上15J/g以下であることが好ましい。
該高温ピーク熱量がこの範囲内であることにより、成形後の寸法変化が生じ難く、機械的強度に優れた発泡粒子成形体を得ることができる。
尚、発泡芯層の高温ピークは周知の方法で調節可能であり、具体的には、その調節方法は、例えば特開2001-151928号等に開示されている。
尚、高温ピークbは、前記のようにして測定した第1回加熱時のDSC曲線には認められるが、第2回目に昇温して得られたDSC曲線には認められない。第2回加熱時のDSC曲線には、発泡芯層を構成するプロピレン系樹脂に固有の吸熱ピークのみが認められる。
高温ピークの融解熱量は、図1において、直線(δ-γ)と、直線(α-β)と、高温ピークbの曲線とで囲まれる部分の面積として求められる。
また、該多層発泡粒子2~10mgを熱流束示差走査熱量測定法により、10℃/分の昇温速度で23℃から220℃まで加熱したときに得られるDSC曲線の全融解ピーク熱量は、50J/g以上90J/g以下であることが好ましく、より好ましくは55J/g以上80J/gである。なお、該全融解ピーク熱量は、高温ピークの融解熱量と固有ピークの融解熱量の合計である。
次に、前記多層発泡粒子を型内成形することにより得られる多層発泡粒子成形体(以下、単に発泡粒子成形体、または成形体ともいう。)について説明する。
該発泡粒子成形体の成形体密度は10kg/m以上300kg/m以下であることが好ましく、より好ましくは11kg/m以上200kg/m以下、更に好ましくは12kg/m以上100kg/m以下である。特に、発泡粒子成形体の成形体密度が低い場合には、成形時間が長くなる傾向があるので、本発明の発泡粒子を用いることが有用である。
該発泡粒子成形体の50%ひずみ時圧縮応力は、100kPa以上500kPa以下であることが好ましく、より好ましくは120kPa以上300kPa以下、さらに好ましくは140kPa以上200kPa以下である。該発泡粒子成形体の50%ひずみ時圧縮応力は、JIS K6767:1999に準拠して測定することができる。
該発泡粒子成形体の融着率は、70%以上であることが好ましい。この場合には、成形体が例えば樹脂成分組成に応じた、剛性などの所望の機械的特性を十分に発揮することができる。この効果を向上させるという観点から、成形体の融着率は80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
次に、本発明の多層発泡粒子の製造方法について説明する。
該多層発泡粒子は、前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)からなる樹脂粒子芯層に、前記ポリオレフィン系樹脂(B)からなる樹脂粒子被覆層が被覆された多層樹脂粒子を発泡させることにより得ることができる。
該多層樹脂粒子は、例えば、次のようにすれば製造することができる。
樹脂粒子芯層用押出機と樹脂粒子被覆層用押出機の2台の押出機が共押出ダイに連結された装置を用い、該樹脂粒子芯層用押出機に所要のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)と、必要に応じた気泡調節剤等の添加剤を供給して溶融混練して樹脂粒子芯層形成用の樹脂溶融物とする。一方、該樹脂粒子被覆層用押出機に所要のポリオレフィン系樹脂(B)と必要に応じた添加剤とを供給し、溶融混練して樹脂粒子被覆層形成用の樹脂溶融物とする。次に、該樹脂粒子芯層形成用の樹脂溶融物を共押出ダイ内に導入して線状の流れとし、同時に該樹脂粒子被覆層形成用の樹脂溶融物を共押出ダイ内に導入して、樹脂粒子被覆層形成用の樹脂溶融物が、樹脂粒子芯層形成用の樹脂溶融物の線状の流れを取り巻くように積層して多層構造の樹脂溶融物を形成する。この多層構造の樹脂溶融物を、押出機出口に付設されたダイの小孔から一本以上のストランド状に押出し、該ストランドを水中を通して冷却してから適宜長さに切断したり、ダイから水中に押出すのと同時に切断・冷却する等の手段により、多層樹脂粒子を製造することができる。本明細書において、このようにして形成される多層構造を「鞘芯」構造ということがある。
前記共押出ダイを用いて多層樹脂粒子を製造する方法については、例えば特公昭41-16125号公報、特公昭43-23858号公報、特公昭44-29522号公報、特開昭60-185816号公報等に詳細に記載されている。
該樹脂粒子芯層には、発泡芯層の気泡径を調節するために、気泡調節剤を添加することが好ましい。該気泡調節剤としては、タルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、ミョウバン等の無機物が挙げられる。その添加量は、該樹脂粒子芯層を形成する共重合体(A))100重量部に対して、0.001~10重量部が好ましく、0.01~5重量部がより好ましい。
尚、共重合体(A)に気泡調節剤を添加する場合、気泡調節剤をそのまま配合することもできるが、通常は分散性等を考慮して気泡調節剤のマスターバッチとして添加することが好ましい。
本発明における多層樹脂粒子の重量は、型内への多層発泡粒子の均一な充填性を確保できることから、0.02~20mgが好ましく、0.1~6mgがより好ましい。
本発明における多層発泡粒子は、該多層樹脂粒子を用いて、例えば、所謂分散媒放出発泡方法等によって製造することができる。
該分散媒放出発泡法においては、該多層樹脂粒子を物理発泡剤等と共にオートクレーブ等の密閉容器内で水等の分散媒に分散させ、分散媒を樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱し、樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、次に、密閉容器内の圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら、密閉容器内の水面下の一端を開放し、発泡剤を含有する発泡性多層樹脂粒子を水等の分散媒と共に密閉容器内から密閉容器内の圧力よりも低圧の雰囲気下、通常は大気圧下に放出して発泡させることによって、多層発泡粒子を得ることができる。また、物理発泡剤を含む発泡性多層樹脂粒子を密閉容器から取り出し、蒸気等の加熱媒体で加熱して発泡させても良い。
一方、該押出装置で多層樹脂粒子を作製する際に、樹脂粒子芯層形成用押出機中に発泡剤を圧入して発泡性溶融樹脂組成物とし、該発泡性溶融樹脂組成物を該樹脂粒子被覆層形成用の溶融樹脂で積層した鞘芯構造の溶融樹脂組成物とし、該鞘芯構造の溶融樹脂組成物をダイから押出して発泡させ、さらに粒子状に切断する方法によっても、発泡粒子を得ることができる。
該分散媒放出発泡法においては、発泡が生じない高圧下から発泡の生じる低圧下へ放出する際の高圧下と低圧下の差圧は400kPa以上、好ましくは500~15000kPaとすることが好ましい。
分散媒放出発泡法で用いられる発泡剤としては、通常、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、クロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン、1,1-ジフルオロエタン、1-クロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン、ハイドロフルオロオレフィン等の有機物理発泡剤や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機物理発泡剤が挙げられる。これらの中でもオゾン層の破壊がなく且つ安価な無機物理発泡剤が好ましく、特に窒素、空気、二酸化炭素が好ましい。また、これらの発泡剤を二種以上併用することもできる。
発泡剤の使用量は、得ようとする多層発泡粒子の嵩密度と発泡温度との関係に応じて適宜に選択される。具体的には、窒素、空気を除く前記した発泡剤の場合、発泡剤の使用量は通常樹脂粒子100重量部当り2~50重量部である。また窒素、空気の場合は、密閉容器内の圧力が1~5MPa(G)の圧力範囲内、好ましくは1.5~3.5MPa(G)の圧力範囲内となる量が使用される。
密閉容器内において、樹脂粒子を分散させるための分散媒としては水が好ましいが、樹脂粒子を溶解しないものであれば使用することができ、このような分散媒としては例えば、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
平均気泡径の大きさは、発泡剤の種類と量、発泡温度と気泡調節剤の添加量で調節される。また、嵩密度(発泡倍率)は、発泡剤の添加量と発泡温度と、発泡時の前記差圧により調節される。適正な範囲内においては、一般的に、発泡剤の添加量が多いほど、発泡温度が高いほど、該差圧が大きいほど、得られる発泡粒子の嵩密度は小さくなる。
密閉容器内において、樹脂粒子を分散媒に分散せしめて発泡温度に加熱するに際し、多層樹脂粒子相互の融着を防止するために融着防止剤を用いることができる。融着防止剤としては水等に溶解せず、加熱によっても溶融しないものであれば、無機系、有機系を問わずいずれも使用可能であるが、一般的には無機系のものが好ましい。
無機系の融着防止剤としては、カオリン、タルク、マイカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム等の粉体が好適である。該融着防止剤としては平均粒径0.001~100μm、特に0.001~30μmのものが好ましい。また融着防止剤の添加量は樹脂粒子100重量部に対し、通常は0.01~10重量部が好ましい。
また分散助剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤や硫酸アルミニウムが好適に使用される。該分散助剤は樹脂粒子100重量部当たり、通常0.001~5重量部添加することが好ましい。
嵩密度の小さい多層発泡粒子を製造する場合、該分散媒放出発泡方法等により多層発泡粒子を製造し、得られた多層発泡粒子をさらに発泡させる、所謂二段発泡を行うことが好ましい。二段発泡においては、多層発泡粒子を加圧可能な密閉容器に充填し、空気などの気体により加圧処理して多層発泡粒子の内圧を0.01~0.6MPa(G)に高める操作を行った後、該多層発泡粒子を該容器内から取り出し、蒸気等の加熱媒体を用いて加熱することにより、嵩密度の小さい多層発泡粒子を容易に得ることができる。
発泡粒子成形体は、従来公知の方法により、該多層発泡粒子を成形型内に充填し、蒸気等の加熱媒体を用いて加熱成形することにより得ることができる。具体的には、該多層発泡粒子を成形型内に充填した後、該成形型内に蒸気を導入することにより、多層発泡粒子を加熱し発泡させ、相互に融着させて成形空間の形状が賦形された成形体を得ることができる。
また、低い成形体密度の成形体を得る方法として、必要に応じて前記した二段発泡における操作と同様の多層発泡粒子内の圧力を高める加圧処理操作を行なって多層発泡粒子内の内圧を0.01~0.2MPa(G)に調整してから、型内成形する方法がある。
本発明の多層発泡粒子を用いて、型内成形を行う場合、成形蒸気圧は、0.05~0.46MPa(G)とすることが好ましく、より好ましくは0.07~0.35MPa(G)であり、さらに好ましくは0.09~0.32MPa(G)である。
本発明においては、多層発泡粒子を、成形型内に圧縮率が4~25体積%となるように、好ましくは5~20体積%となるように充填した後、蒸気により型内成形する方法を採用することによっても目的とする成形体を得ることができる。
圧縮率の調整は、発泡粒子を成形型内(キャビティー)に充填する際に、キャビティー体積を超える多層発泡粒子の量をクラッキング充填することにより行なわれる。クラッキング充填は、多層発泡粒子を成形型に充填する際に成形型内の空気を金型内から排気したり、多層発泡粒子の成形型内への充填を効率良く行うために、多層発泡粒子の充填時に成形型を完全に閉鎖させないで行なわれる充填方法である。なお、クラッキングとは成形型の開き部分をいい、クラッキングは成形型内に多層発泡粒子を充填後、蒸気を導入する際には最終的に閉じられ、その結果充填された多層発泡粒子は圧縮される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例、比較例で原料として用いた、エチレン‐プロピレンランダム共重合体の種類、物性を表1に示す。
Figure 2023048463000001
実施例、比較例で原料として用いた、ポリオレフィン系樹脂(B)として用いたエチレン‐プロピレンランダム共重合体の種類、物性を次に示す。
ポリオレフィン系樹脂(B):エチレン-プロピレンランダム共重合体、エチレン成分含有量(3.0質量%)、融点134℃、曲げ弾性率770MPa、MFR7g/10分(230℃/2.16kg荷重)。
表1中、融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、MFR、分子量Mn、分子量Mw、分子量Mzは前記した方法により測定した。
〔融点、融解熱量、結晶化温度の測定]
共重合体(A)、樹脂(B)の融点、結晶化温度は、JIS K7121:1987に準拠して求めた。具体的には、融点は、ペレット状のサンプル2mgを試験片としてJIS K7121:1987に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した後に、10℃/分の冷却速度で30℃まで降温し、再度10℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温した際に得られるDSC曲線により定まる吸熱ピークの頂点温度を融点とした。また、該DSC曲線により得られる吸熱ピークの熱量を融解熱量とした。
また、結晶化温度は、JIS K7121(1987)に準拠して測定される値であり、加熱速度10℃/minにて30℃から200℃まで加熱して溶融させたサンプルを冷却速度10℃/minにて30℃まで温度を降下させる際に得られるDSC曲線の結晶化熱量ピークの頂点温度を結晶化温度(℃)とした。
なお、測定装置は、熱流束示差走査熱量測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製DSC .Q1000)を用いた。
(MFR(メルトフローレイト))
該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)のMFRはJIS K7210:1999の試験条件M(230℃/2.16kg荷重)で測定した。
[分子量測定方法、及び測定条件]
試料の前処理:試料30mgをo-ジクロロベンゼン20mLに投入し145℃で振とう、溶解させた後、その溶液を孔径が1.0μmの焼結フィルターで熱濾過したものを分析試料とし、以下の条件で測定を行った 。
測定装置 :HLC-8321GPC/HT型 高温ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー株式会社製)
解析装置 :データ処理ソフトEmpower3(日本ウォーターズ株式会社製)
カラム :TSKgel GMH6-HT 2本、TSKgel GMH6-HTL2本(それぞれ、内径7.5mm×長さ300mm、東ソー株式会社製)
移動相 :o-ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
カラム温度:140℃
検出器 :示差屈折率計(RI)
流速 :1.0mL/min
試料濃度 :0.15%(W/V)-o-ジクロロベンゼン
注入量 :400μL
サンプリング時間間隔:1秒
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製)
分子量換算:ポリプロピレン(PP)換算/汎用較正法
なお、表1においては、発泡粒子を製造する前の原料の分子量を測定している。なお、発泡粒子を製造する工程においては、分子量が大きく変動することは想定されないので、発泡芯層部分を取り出して、上記の操作を行うことでも分子量を測定できると考えられる。
表1中、共重合体(A)、共重合体(B)のエチレン成分含有率(wt%)は、前記した方法により測定した。
(エチレン成分含有量)
ポリプロピレン系樹脂のエチレン成分含有量は、IRスペクトルにより決定する公知の方法により求めた。具体的には、まず、ポリプロピレン系樹脂を180℃環境下でホットプレスしてフィルム状に成形し、厚みの異なる複数の試験片を作製した。次いで、各試験片のIRスペクトルを測定することにより、エチレン由来の722cm-1及び733cm-1における吸光度(A722、A733)を読み取った。次いで、各試験片について、以下の式(5)~(7)を用いてポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分含有量を算出した。各試験片について得られたエチレン成分含有量を算術平均した値をポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分含有量(単位:質量%)とした。
(K´733)c=1/0.96{(K´733)a-0.268(K´722)a}・・(5)
(K´722)c=1/0.96{(K´722)a-0.268(K´722)a}・・(6)
エチレン成分含有量(%)=0.575{(K´722)c+(K´733)c}・・・(7)
ただし、式(5)~(7)において、K´a:各波数における見かけの吸光係数(K´a=A/ρt)、K´c:補正後の吸光係数、A:吸光度、ρ:樹脂の密度(単位:g/cm3)、t:フィルム状の試験片の厚み(単位:cm)を意味する。
樹脂の曲げ弾性率は、JIS K 7171(2008)に基づいて曲げ弾性率を測定した。なお、測定装置は、エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機RTF-1350を用いる方法により測定した。
気泡調整剤は、Borax社製のホウ酸亜鉛「Fire Break ZB」を用いた。
物理発泡剤として、二酸化炭素を用いた。
実施例1~4、比較例1~3
[多層樹脂粒子の製造]
内径50mmの樹脂粒子芯層用押出機および内径30mmの樹脂粒子被覆層用押出機の出口側に多層ストランド形成用ダイを付設した装置を用いた。表2に示す種類、量のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)とカーボンマスターバッチ、気泡調整剤マスターバッチを内径50mmの樹脂粒子芯層用押出機に供給し、同時に表2に示す種類、量のポリオレフィン系樹脂としてのプロピレン系樹脂(B)を内径30mmの樹脂粒子被覆層用押出機に供給し、それぞれを設定温度200~220℃で加熱、溶融、混練した後、該ダイに供給し、ダイ内で鞘芯状(樹脂粒子芯層と樹脂粒子被覆層との質量比95:5)に合流させ、押出機先端に取り付けた口金の細孔から、芯層の側面に被覆層が被覆された多層ストランドとして共押出し、共押出されたストランドを水中を通して水冷し、ペレタイザーで(1.2mg、L/D=2.9)になるように切断して2層(鞘芯構造)に形成された円柱状の多層樹脂粒子(円柱の芯に対して、円柱の周面に被覆層が形成されている)を得た。
なお、多層樹脂粒子の重量、L/Dは、多層樹脂粒子群から無作為に抽出した100個の多層樹脂粒子から求めた算術平均値である。
Figure 2023048463000002
実施例1~4、比較例1~3
[多層発泡粒子の製造]
得られた多層樹脂粒子20kgを、分散媒体の水60Lと共に100Lのオートクレーブ内に仕込み、分散媒中に、分散剤としてカオリン15g、分散助剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム12g、及び硫酸アルミニウム3gをそれぞれ添加し、密閉容器内に発泡剤として二酸化炭素を2.2MPa(G)の容器内圧力になるように圧入し、撹拌下に発泡温度150℃まで加熱昇温して同温度に15分間保持して、高温ピーク熱量を調整した後、オートクレーブ内容物を大気圧下に水と共に放出して多層発泡粒子を得た。
このようにして得られた多層発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂からなる発泡芯層と、該発泡芯層を覆うポリオレフィン系樹脂からなる被覆層とを有する。
表2中、多層発泡粒子の嵩密度は前記した方法により測定した。
表2中、高温ピーク融解熱量は前記した方法により測定した。
[発泡粒子成形体の製造]
成形型として、縦方向寸法600mm×横方向寸法1250mm×厚み方向寸法50mmの内寸法を持つ直方体状の成形キャビティを有する大型の金型を用いた。
金型を完全に閉じた状態から5mm開いた状態(このときの成形キャビティの厚み方向寸法55mm)で、成形キャビティ内に多層発泡粒子を充填した。充填完了後、金型を完全に閉じた(クラッキング量5mm、10%)。その後、蒸気を成形キャビティ内に供給して多層発泡粒子を加熱して、発泡粒子を二次発泡させると共に融着させることで発泡粒子成形体とした。加熱方法は両面の型のドレン弁を開放した状態でスチームを5秒間供給して予備加熱(排気工程)を行った後、表2に記載の成形蒸気圧より0.08MPa(G)低い圧力で一方加熱を行い、さらに表2に記載の成形蒸気圧より0.04MPa(G)低い圧力で逆方向から一方加熱を行った後、表2に示す成形蒸気圧で両面加熱(本加熱)を行い、加熱終了後、放圧し、金型内の発泡粒子成形体の面圧が0.04MPa(G)となるまで金型を水冷した後、金型を開いて、金型から発泡粒子成形体を取り出した。得られた発泡粒子成形体を大気圧、温度80℃の雰囲気下で12時間養生した。なお、水冷時間は、本加熱終了後、金型内の発泡粒子成形体の面圧が0.04MPa(G)となるまでの水冷を行った時間とした。得られた発泡粒子成形体の物性を表2に示した。なお、表2に示される成形蒸気圧は、外観が良好な成形体が得られる蒸気圧による成形のうち、最低の成形蒸気圧を示している。なお、外観が良好な成形体の基準は、成形体の融着率が80%以上であり、成形体表面に間隙や窪みがほとんど見られないものが、良好な外観の成形体であるとした。
表2中、成形体密度、収縮率、基準寸法との乖離率、50%ひずみ時圧縮応力は次のように測定した。
[発泡粒子成形体の成形体密度]
発泡粒子成形体の重量を発泡粒子成形体の外形寸法から求めた体積により除した値を求め、[kg/m]に単位換算した。
[融着率]
融着率は下記の方法により測定した。
具体的には、発泡粒子成形体から、長さ150mm、幅75mm、厚み20mmの試験片を無作為に切り出した(少なくとも片面のスキン面を残した)。この直方体形状の成形体サンプルに対し、長さ方向中央部において一方の表面(少なくとも切込みを有さないスキン面が残るようにして)に深さ5mmの切込みを、全幅を横切るように入れ、これを試験片とした。次いで、センター間の距離が70mmとなるように平行に立設され、且つ上端が半径5mmに丸められた高さ100mm、幅80mm以上、厚み10mmの剛体からなる2枚の支持板上に、該試験片を、切込みが設けられた面を下側に向けて、且つ試験片の長さ方向が支持板と直交するように均等に跨がせて配置した。次に、先端が半径5mmに丸められた、高さ60mm、幅80mm、厚み10mmの剛体からなる押圧板にて、押圧板の厚み方向の中央部と試験片の切込みが一致するようにセットして、試験片の切込みの反対側から、押圧板の押圧速度を200mm/分として3点曲げ試験を行い、試験片が破断するまで、又は試験片が支持板上から外れて支持板間に完全に入り込むまで押圧した。
次に、試験片の破断面を観察し、目視により内部で破断した発泡粒子と界面で剥離した発泡粒子数をそれぞれ計測した。次いで、内部で破断した発泡粒子と界面で剥離した発泡粒子の合計数に対する内部で破断した発泡粒子の割合を算出し、これを百分率で表して融着率(%)とした。
なお、当然のことながら当初の切込み5mm上に存在した発泡粒子はいずれにもカウントしない。また、試験片の破断面の1つの発泡粒子に着目した時に、破壊された部分と発泡粒子間で剥離された部分の両方を含む場合には、面積を考慮し、破壊された部分の面積が50%以上である場合には破壊された数としてカウントし、破壊された部分の面積が50%未満である場合には発泡粒子間で剥離された数としてカウントする。また、この試験の結果、試験片が完全に破断していなかった場合には、非破断部分は全て破壊されたとみなし、非破断部分をナイフで垂直に(試験片の厚み方向に)切断して、切断面に存在する発泡粒子の数を内部で破壊した発泡粒子の数としてカウントし、上記のとおり融着率(%)を求めた。なお、得られた発泡粒子成形体の融着率は、全て90%以上であった。
[収縮率]
発泡粒子成形体の収縮率[%]は、(成形用金型の長辺寸法[mm]-成形体の長辺長さ[mm])/成形用金型の長辺寸法[mm]×100で求めた。なお、「成形体の長辺長さ[mm]」とは、実施例及び比較例で得られた発泡粒子成形体を80℃の雰囲気下で12時間養生した後、徐冷し、さらに23℃の雰囲気下で6時間養生した後の発泡粒子成形体の長辺の長さを計測した値である(n=10)。
[基準寸法との乖離率]
縦方向寸法600mm×横方向寸法1250mm×厚み方向寸法50mmの内寸法を持つ直方体状の成形キャビティを有する金型において、直方体の各頂点に基準となる点を4箇所設けた。一方、その基準点から、対応する箇所の発泡粒子成形体の各点との長手方向のズレを測定した。そして、各点の長手方向の寸法差を発泡粒子成形体の長手方向長さで除した値を、基準寸法との乖離率とした。
[50%ひずみ時圧縮応力]
縦50mm×横50mm×厚み25mmの試験片をスキンを除いて切り出し、JIS K6767-1999に基づき、圧縮速度10mm/分にて圧縮試験を行い発泡粒子成形体の50%圧縮応力を求めた。試験は10個の試験片について行い、得られた値の平均値を50%ひずみ時の圧縮応力とした。
実施例1~4は、本発明の構成を満たす共重合体(A)を用い、多層発泡粒子を製造した例である。低い蒸気圧での型内成形が可能で、冷却工程における水冷時間は、比較例より短くなっており水冷時間の短縮効果が見られる。また、収縮率、基準寸法との乖離率が、比較例に比べ小さくなっている。
参考例1は、実施例1と同一の共重合体(A)を用い、被覆層を設けることがない以外は、実施例1と同様にして単層の発泡粒子を製造した例である。成形蒸気圧が実施例1より高く、実施例1に比べると、収縮率、基準寸法との乖離率が大きくなっている。
参考例2は、比較例1と同一のエチレン‐プロピレンランダム共重合体を用い、被覆層を設けることがない以外は比較例1と同様にして単層の発泡粒子を製造した例である。成形蒸気圧が比較例2より大きく、比較例1に比べると基準寸法との乖離率が大きくなっている。
また、参考例1と参考例2に対して、実施例1と比較例1とを対比すると、比較例1に対する実施例1の水冷時間低減の効果の方が、参考例2に対する参考例1の水冷時間低減効果よりも、格段に高いことが分かる。さらに、基準寸法との乖離率についても、多層発泡粒子の方が優れていることが分かる。これらの効果は、多層発泡粒子に特有の効果であると考えられる。
a 固有ピーク
b 高温ピーク
α DSC線上の80℃に相当する点
融解終了温度
β 融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点
γ 固有ピークaと高温ピークbとの間の谷の底の点
δ 点γからグラフの縦軸と平行な直線と、直線(α-β)とが交わる点



Claims (4)

  1. 発泡芯層と、該発泡芯層を覆う被覆層とを有する多層発泡粒子であり、
    該発泡芯層が、エチレン成分含有率2.5質量%以上3.5質量%以下のエチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)により構成され、
    該被覆層がポリオレフィン系樹脂(B)により構成され、示差走査熱量測定(DSC)により測定された該ポリオレフィン系樹脂(B)のDSC曲線が一以上の融解ピークを有し、該融解ピーク中の少なくとも一の融解ピークの融解ピーク温度が、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)よりも低く、
    該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が20万以上30万以下であり、該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する該重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が3.5以上5以下である、ことを特徴とする多層発泡粒子。
  2. 前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する該エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)のZ平均分子量(Mz)の比(Mz/Mn)が9.5以上13未満である、請求項1に記載の多層発泡粒子。
  3. 前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)が130℃以上150℃以下である、請求項1又は2に記載の多層発泡粒子。
  4. 前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の結晶化温度(Tc)と前記エチレン‐プロピレンランダム共重合体(A)の融点(Tm)とが、下記(1)式を満足する、請求項1~3のいずれかに記載の多層発泡粒子。
    40(℃)<Tm-Tc<50(℃) (1)
    (但し、式中のTmc、Tcの単位はともに℃である。)


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