JP2020008606A - クロスダイクロイックプリズム、画像表示モジュールおよび画像表示装置 - Google Patents

クロスダイクロイックプリズム、画像表示モジュールおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プリズムが歪む、誘電体多層膜が破損する等の不具合が少ないクロスダイクロイックプリズムを提供する。【解決手段】本発明のクロスダイクロイックプリズムは、4つのプリズムと、2つのダイクロイックミラーと、を備える。4つのプリズムの各々は、三角柱状の形状を有する。4つのプリズムは、稜線部同士が近接し、一つのプリズムの第1面と他の一つのプリズムの第2面とが対向し、第3面が外側を向くように、全体として四角柱状に配置されている。2つのダイクロイックミラーの各々は、一つのプリズムの第1面と他の一つのプリズムの第2面との間に設けられた誘電体多層膜から構成され、一つのプリズムの第1面と他の一つのプリズムの第2面との各々に、誘電体多層膜を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、クロスダイクロイックプリズム、画像表示モジュールおよび画像表示装置に関する。
ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクター等の画像表示装置において、互いに異なる色の複数の色光を合成するクロスダイクロイックプリズムが従来から知られている。下記の特許文献1に、三角柱状の第1光学部材および第2光学部材と、第1光学部材と第2光学部材との間に設けられた波長選択膜と、を備え、波長選択膜がプラズマ重合膜を含む誘電体多層膜で構成されたプリズムが開示されている。特許文献1には、このプリズムが液晶プロジェクターに用いられることが記載されている。
特開2010−60770号公報
特許文献1に記載されているように、クロスダイクロイックプリズムが液晶プロジェクターの色合成素子として用いられる場合、クロスダイクロイックプリズムの3つの面に、赤色光(R)、緑色光(G)および青色光(B)の各色光を変調する液晶ライトバルブがそれぞれ配置され、液晶ライトバルブから射出される3つの色光がクロスダイクロイックプリズムで合成され、投射レンズに向けて射出される。この場合、一般的に、緑色光用の液晶ライトバルブからP偏光が射出され、赤色光用および青色光用の液晶ライトバルブからS偏光が射出されるように、偏光板が設置されている。
クロスダイクロイックプリズムには、第1ダイクロイックミラーと第2ダイクロイックミラーとが互いに交差するように設けられている。P偏光である緑色光は、双方のダイクロイックミラーを透過して射出される。S偏光である赤色光は、第1ダイクロイックミラーを透過し、第2ダイクロイックミラーで反射して射出される。S偏光である青色光は、第2ダイクロイックミラーを透過し、第1ダイクロイックミラーで反射して射出される。このようにして、3色の色光が合成される。
一方、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子から得られる発光は、液晶素子の場合とは異なり、偏光特性を持たない。これは、有機EL素子では、有機薄膜中にランダムに配置された有機分子から発光が生じるため、液晶素子のような偏光特性を持たないためである。有機EL素子からなる表示パネル(有機ELパネル)において、赤色光、青色光、緑色光をそれぞれ発光する3枚のパネルを用意し、クロスダイクロイックプリズムを用いて3色の色光を合成すれば、有機ELパネルを用いた表示装置への応用が可能となる。
ところが、有機ELパネルからの光は偏光特性を持たないため、有機ELパネルと組み合わせて用いるクロスダイクロイックプリズムは、S偏光およびP偏光のいずれか一方を反射させ、他方を透過させるのではなく、P偏光とS偏光の両方を波長に応じて反射もしくは透過させる必要がある。
このようなダイクロイックミラーを作製する場合、S偏光およびP偏光のいずれか一方を反射させ、他方を透過させる従来のクロスダイクロイックプリズムに比べて、ダイクロイックミラーを構成する誘電体多層膜の層数が従来よりも増加する。これにより、誘電体多層膜の応力が大きくなり、下地である三角柱プリズムが歪む、誘電体多層膜自体が破損する、等の不具合が生じる場合がある。その結果、このクロスダイクロイックプリズムを用いた表示装置の表示品位が低下する、という問題が生じる。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムは、4つのプリズムと、2つのダイクロイックミラーと、を備え、前記4つのプリズムのそれぞれは、三角柱状の形状を有するとともに、互いに交差して稜線部を構成する第1面および第2面と、前記第1面および前記第2面のそれぞれと鋭角の角度をなす第3面と、を有し、前記4つのプリズムは、前記4つのプリズムのそれぞれの前記稜線部同士が対向し、前記4つのプリズムのうちの一つのプリズムの前記第1面と他の一つのプリズムの前記第2面とが対向するとともに、前記第3面が外側を向くように、組み合わされて配置され、前記2つのダイクロイックミラーのそれぞれは、前記一つのプリズムの前記第1面と前記他の一つのプリズムの前記第2面との間に設けられた誘電体多層膜から構成され、前記一つのプリズムの前記第1面と前記他の一つのプリズムの前記第2面とのそれぞれに、前記誘電体多層膜を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記2つのダイクロイックミラーの各々は、偏光分離特性を持たなくてもよい。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記一つのプリズムの前記第1面に、前記誘電体多層膜のうちの一部を構成する複数の第1誘電体層からなる第1誘電体多層膜が設けられ、前記他の一つのプリズムの前記第2面に、前記誘電体多層膜のうちの他の一部を構成する複数の第2誘電体層からなる第2誘電体多層膜が設けられ、前記第1誘電体多層膜と前記第2誘電体多層膜との間に接着剤層が設けられていてもよい。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記接着剤層の膜厚は、1μmよりも厚くてもよい。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記接着剤層は、前記誘電体多層膜を構成する誘電体層として機能してもよい。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記接着剤層の膜厚は、0.01μm以上、1μm以下であってもよい。
本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記複数の誘電体層の各々は、無機膜によって構成され、前記接着剤層は、有機膜によって構成されていてもよい。
本発明の一つの態様の画像表示モジュールは、本発明の一つの態様のクロスダイクロイックプリズムと、前記クロスダイクロイックプリズムの4つの前記第3面のうち、少なくとも2つの前記第3面に対向して設けられた少なくとも2つの画像表示パネルと、を備える。
本発明の一つの態様の画像表示モジュールにおいて、前記少なくとも2つの画像表示パネルの各々は、偏光特性を持たない画像光を射出してもよい。
本発明の一つの態様の画像表示装置は、本発明の一つの態様の画像表示モジュールを備える。
第1実施形態のクロスダイクロイックプリズムの斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 第1実施形態のクロスダイクロイックプリズムの製造プロセスの一工程を示す断面図である。 図3Aの次の工程を示す断面図である。 図3Bの次の工程を示す断面図である。 第2実施形態のクロスダイクロイックプリズムの断面図である。 第3実施形態の頭部装着型表示装置の概略構成図である。 図5に示す表示部の光学系を模式的に示す斜視図である。 図6に示す光学系の光路を示す図である。 第4実施形態の投射型表示装置の概略構成図である。 比較例のクロスダイクロイックプリズムの断面図である。 比較例のクロスダイクロイックプリズムの製造プロセスの一工程を示す断面図である。 図10Aの次の工程を示す断面図である。 図10Bの次の工程を示す断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図2、図3A〜図3Cを用いて説明する。
図1は、第1実施形態のクロスダイクロイックプリズム50の斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
第1実施形態のクロスダイクロイックプリズム50は、例えば、有機ELパネル等の偏光特性を持たない画像光を射出する複数の画像表示パネルからの複数の画像光を合成するために用いられる。
図1および図2に示すように、クロスダイクロイックプリズム50は、4つのプリズム55と、2つのダイクロイックミラー65と、を備えている。
説明の都合上、図2において、右下に示すプリズムを第1プリズム51と称し、以下、時計回りに、左下に示すプリズムを第2プリズム52と称し、左上に示すプリズムを第3プリズム53と称し、右上に示すプリズムを第4プリズム54と称する。また、特に4つのプリズムを区別して説明する必要がない場合は、単にプリズム55と称することもある。
図2において、縦方向に延在するダイクロイックミラーを第1ダイクロイックミラー61と称し、横方向に延在するダイクロイックミラーを第2ダイクロイックミラー62と称する。また、特に2つのダイクロイックミラーを区別して説明する必要がない場合は、単にダイクロイックミラー65と称することもある。第1ダイクロイックミラー61と第2ダイクロイックミラー62との交差部分の中心を通る仮想軸をクロスダイクロイックプリズム50の中心軸Cと称する。
第1プリズム51、第2プリズム52、第3プリズム53、および第4プリズム54のそれぞれは、同一の形状および同一の寸法を有し、同一の材料で構成されている。プリズム55は、三角柱状の形状を有する。中心軸Cに垂直な平面で切断したときのプリズム55の断面形状は、直角二等辺三角形である。プリズム55の外形をなす三角柱の3つの側面のうち、互いに90度の角度で接する2つの側面をそれぞれ第1面51a,52a,53a,54a、第2面51b,52b,53b,54bと称する。第1面51a,52a,53a,54aと第2面51b,52b,53b,54bとは、互いに交差しており、90度の角度をなすプリズム55の稜線部を構成する。また、第1面51a,52a,53a,54aおよび第2面51b,52b,53b,54bのそれぞれと鋭角の角度をなす1つの側面を第3面51c,52c,53c,54cと称する。
4つのプリズム55は、4つのプリズム55のそれぞれの稜線部が中心軸Cを向いて近接し、4つのプリズム55のうちの一つのプリズム55の第1面51a,52a,53a,54aと他の一つのプリズム55の第2面51b,52b,53b,54bとが互いに対向するとともに、第3面51c,52c,53c,54cが外側を向くように、全体として四角柱状に配置されている。
本実施形態では、第1プリズム51、第2プリズム52、および第3プリズム53のそれぞれの第3面51c,52c,53cがクロスダイクロイックプリズム50に光を入射させる光入射面となり、第4プリズム54の第3面54cがクロスダイクロイックプリズム50から光を射出させる光射出面となる。プリズム55は、例えばBK7等の光学ガラスから構成されている。
第1ダイクロイックミラー61は、第1プリズム51の第1面51aと第2プリズム52の第2面52bとの間、および第4プリズム54の第2面54bと第3プリズム53の第1面53aとの間にわたって連続して設けられた誘電体多層膜63から構成されている。第1ダイクロイックミラー61は、互いに異なる屈折率を有する複数の誘電体層が交互に積層された構成を有する。誘電体層の材料として、例えばMgF、TiO、Al、HfO、Ta、Nb、SiO等の無機膜が用いられる。誘電体層の1層の膜厚は、0.01μm以上、1μm以下である。誘電体多層膜63は、全体として100層程度の誘電体層から構成されている。なお、図2において、誘電体多層膜63を構成する誘電体層の層数は非常に多いため、個々の誘電体層の図示を省略する。
さらに、第1ダイクロイックミラー61は、第1誘電体多層膜631と、接着剤層67と、第2誘電体多層膜632と、を有する。第1誘電体多層膜631は、第1プリズム51の第1面51aおよび第4プリズム54の第2面54bにわたって設けられている。第1誘電体多層膜631は、第1ダイクロイックミラー61を構成する誘電体多層膜63の一部となる複数の第1誘電体層から構成されている。第1誘電体多層膜631は、誘電体多層膜63全体の層数の半分である50層程度の第1誘電体層から構成されている。
第2誘電体多層膜632は、第2プリズム52の第2面52bおよび第3プリズム53の第1面53aにわたって設けられている。第2誘電体多層膜632は、第1ダイクロイックミラー61を構成する誘電体多層膜63の他の一部となる複数の第2誘電体層から構成されている。第2誘電体多層膜632は、誘電体多層膜63全体の層数の半分である50層程度の第2誘電体層から構成されている。
接着剤層67は、第1誘電体多層膜631と第2誘電体多層膜632との間に介在し、第1誘電体多層膜631と第2誘電体多層膜632とを接合する。接着剤層67の材料として、UV硬化接着剤の一つであるフォトボンド(商品名、サンライズ社製)、光学用接着剤の一つであるオプトクレーブ(商品名、MSアーデル社製)等のアクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が用いられる。接着剤層67の膜厚は、1μmよりも厚い。
第1誘電体多層膜631は、接着剤を介することなく、第1プリズム51の第1面51aおよび第4プリズム54の第2面54bに直接形成されている。同様に、第2誘電体多層膜632は、接着剤を介することなく、第2プリズム52の第2面52bおよび第3プリズム53の第1面53aに直接形成されている。したがって、第1プリズム51の第1面51aおよび第4プリズム54の第2面54bに、誘電体多層膜63を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。また、第2プリズム52の第2面52bおよび第3プリズム53の第1面53aに、誘電体多層膜63を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。
第1ダイクロイックミラー61は、偏光分離特性を有しておらず、青色域の波長を有する光を反射させ、緑色域および赤色域の波長を有する光を透過させる特性を有する。すなわち、クロスダイクロイックプリズム50に入射した青色光は、偏光状態に係わらず第1ダイクロイックミラー61で反射し、クロスダイクロイックプリズム50に入射した緑色光および赤色光は、偏光状態に係わらず第1ダイクロイックミラー61を透過する。
第2ダイクロイックミラー62は、第1プリズム51の第2面51bと第4プリズム54の第1面54aとの間、および第2プリズム52の第1面52aと第3プリズム53の第2面53bとの間に設けられた誘電体多層膜64から構成されている。第2ダイクロイックミラー62は、互いに異なる屈折率を有する複数の誘電体層が交互に積層された構成を有する。誘電体層の材料、膜厚、層数については、第1ダイクロイックミラー61の誘電体層と同様である。ただし、第2ダイクロイックミラー62は、第1ダイクロイックミラー61と異なり、第1ダイクロイックミラー61と第2ダイクロイックミラー62との交差部分において分断されている。
さらに、第2ダイクロイックミラー62は、第1誘電体多層膜641と、接着剤層68と、第2誘電体多層膜642と、を有する。第1誘電体多層膜641は、第1プリズム51の第2面51bおよび第2プリズム52の第1面52aに設けられている。第1誘電体多層膜641は、第2ダイクロイックミラー62を構成する誘電体多層膜64の一部となる複数の第1誘電体層から構成されている。第1誘電体多層膜641は、誘電体多層膜64全体の層数の半分である50層程度の第1誘電体層から構成されている。
第2誘電体多層膜642は、第4プリズム54の第1面54aおよび第3プリズム53の第2面53bに設けられている。第2誘電体多層膜642は、第2ダイクロイックミラー62を構成する誘電体多層膜64の他の一部となる複数の第2誘電体層から構成されている。第2誘電体多層膜642は、誘電体多層膜64全体の層数の半分である50層程度の第2誘電体層から構成されている。
接着剤層68は、第1誘電体多層膜641と第2誘電体多層膜642との間に介在し、第1誘電体多層膜641と第2誘電体多層膜642とを接合する。接着剤層68の構成材料、膜厚は、第1ダイクロイックミラー61の接着剤層67と同様である。
第1誘電体多層膜641は、接着剤を介することなく、第1プリズム51の第2面51bおよび第2プリズム52の第1面52aに直接形成されている。同様に、第2誘電体多層膜642は、接着剤を介することなく、第4プリズム54の第1面54aおよび第3プリズム53の第2面53bに直接形成されている。したがって、第1プリズム51の第2面51bおよび第2プリズム52の第1面52aに、誘電体多層膜64を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。また、第4プリズム54の第1面54aおよび第3プリズム53の第2面53bに、誘電体多層膜64を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている。
第2ダイクロイックミラー62は、偏光分離特性を有しておらず、赤色域の波長を有する光を反射させ、青色域および緑色域の波長を有する光を透過させる特性を有する。すなわち、クロスダイクロイックプリズム50に入射した赤色光は、偏光状態に係わらず第2ダイクロイックミラー62で反射し、クロスダイクロイックプリズム50に入射した青色光および緑色光は、偏光状態に係わらず第2ダイクロイックミラー62を透過する。
以上説明したように、各ダイクロイックミラー61,62を構成する複数の誘電体層のそれぞれは、無機膜によって構成されている。接着剤層67,68は、有機膜によって構成されている。また、第1ダイクロイックミラー61および第2ダイクロイックミラー62のそれぞれは、偏光特性を持たない。
なお、上記では、第1ダイクロイックミラー61、第2ダイクロイックミラー62ともに、第1誘電体多層膜631,641と第2誘電体多層膜632,642との双方が50層程度の誘電体層で構成される例を挙げたが、第1誘電体多層膜631,641の層数と第2誘電体多層膜632,642の層数とは必ずしも一致している必要はない。例えば、第1誘電体多層膜631,641が40層の誘電体層で構成され、第2誘電体多層膜632,642が60層の誘電体層で構成されていてもよい。
ただし、後述するプリズム55の歪みや誘電体多層膜63,64の破損を低減するという本実施形態の効果を最大限に得るためには、第1誘電体多層膜631,641の層数と第2誘電体多層膜632,642の層数とは一致していることが望ましい。また、第1誘電体多層膜631,641と第2誘電体多層膜632,642との各誘電体層の構成材料、膜厚等については、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
以下、上記構成のクロスダイクロイックプリズム50の製造方法について説明する。
図3Aは、第1実施形態のクロスダイクロイックプリズム50の製造プロセスの一工程を示す断面図である。図3Bは、図3Aの次の工程を示す断面図である。図3Cは、図3Bの次の工程を示す断面図である。
最初に、第1〜第4プリズムとなる三角柱状の4つのプリズム55を準備する。
次に、図3Aに示すように、第1プリズム51の第2面51bおよび第2プリズム52の第1面52aに、蒸着、スパッタ等の成膜法を用いて50層程度の誘電体層を成膜し、第2ダイクロイックミラー62を構成する第1誘電体多層膜641を形成する。同様に、第4プリズム54の第1面54aおよび第3プリズム53の第2面53bに、蒸着、スパッタ等の成膜法を用いて50層程度の誘電体層を成膜し、第2ダイクロイックミラー62を構成する第2誘電体多層膜642を形成する。
次に、図3Bに示すように、第1誘電体多層膜641もしくは第2誘電体多層膜642の表面に有機系接着剤681を塗布した後、有機系接着剤681を介して第1誘電体多層膜641が形成された第1プリズム51と第2誘電体多層膜642が形成された第4プリズム54とを接合し、有機系接着剤681を硬化させ、第1プリズム組立体66を作製する。同様の方法を用いて、第1誘電体多層膜641が形成された第2プリズム52と第2誘電体多層膜642が形成された第3プリズム53とを接合し、第2プリズム組立体69を作製する。
次に、図3Cに示すように、第1プリズム組立体66において、第1プリズム51の第1面51aおよび第4プリズム54の第2面54bに、蒸着、スパッタ等の成膜法を用いて50層程度の誘電体層を成膜し、第1ダイクロイックミラー61を構成する第1誘電体多層膜631を形成する。同様に、第2プリズム組立体69において、第2プリズム52の第2面52bおよび第3プリズム53の第1面53aに、蒸着、スパッタ等の成膜法を用いて50層程度の誘電体層を成膜し、第1ダイクロイックミラー61を構成する第2誘電体多層膜632を形成する。
次に、第1誘電体多層膜631もしくは第2誘電体多層膜632の表面に有機系接着剤を塗布した後、有機系接着剤を介して第1誘電体多層膜631が形成された第1プリズム組立体66と第2誘電体多層膜632が形成された第2プリズム組立体69とを接合し、有機系接着剤を硬化させる。
以上の工程を経て、図2に示した本実施形態のクロスダイクロイックプリズム50が完成する。
ここで、比較例のクロスダイクロイックプリズムについて説明する。
比較例のクロスダイクロイックプリズムは、例えば液晶パネルのように、特定の直線偏光を射出する表示パネルと組み合わせて用いられ、複数の表示パネルから射出される複数の色光を合成するクロスダイクロイックプリズムとして一般的な構成を有している。
図9は、比較例のクロスダイクロイックプリズム150の断面図である。
図9において、本実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように、比較例のクロスダイクロイックプリズム150は、4つのプリズム55と、2つのダイクロイックミラー161,162と、を備えている。第1ダイクロイックミラー161は、第1プリズム51の第1面51aと第4プリズム54の第2面54bとに設けられた誘電体多層膜163から構成されている。第2ダイクロイックミラー162は、第3プリズム53の第2面53bと第4プリズム54の第1面54aとに設けられた誘電体多層膜164から構成されている。
誘電体多層膜164が形成された第4プリズム54と第1プリズム51とは接着剤層68を介して接合されている。誘電体多層膜164が形成された第3プリズム53と第2プリズム52とは接着剤層68を介して接合されている。第4プリズム54と第1プリズム51とが接合された第1プリズム組立体166と、第3プリズム53と第2プリズム52とが接合された第2プリズム組立体169と、は接着剤層67を介して接合されている。
以下、比較例のクロスダイクロイックプリズム150の製造方法について説明する。
図10Aは、比較例のクロスダイクロイックプリズム150の製造プロセスの一工程を示す断面図である。図10Bは、図10Aの次の工程を示す断面図である。図10Cは、図10Bの次の工程を示す断面図である。
図10Aに示すように、第4プリズム54の第1面54aに、複数の誘電体層を成膜し、第2ダイクロイックミラー162を構成する誘電体多層膜164を形成する。同様に、第3プリズム53の第2面53bに、複数の誘電体層を成膜し、第2ダイクロイックミラー162を構成する誘電体多層膜164を形成する。
次に、図10Bに示すように、有機系接着剤681を介して誘電体多層膜164が形成された第4プリズム54と第1プリズム51とを接合し、第1プリズム組立体166を作製する。同様に、有機系接着剤681を介して誘電体多層膜164が形成された第3プリズム53と第2プリズム52とを接合し、第2プリズム組立体169を作製する。
次に、図10Cに示すように、第1プリズム組立体166において、第1プリズム51の第1面51aおよび第4プリズム54の第2面54bに、複数の誘電体層を成膜し、第1ダイクロイックミラー161を構成する誘電体多層膜163を形成する。
次に、有機系接着剤を介して誘電体多層膜163が形成された第1プリズム組立体166と第2プリズム組立体169とを接合する。
以上の工程を経て、図9に示した比較例のクロスダイクロイックプリズム150が完成する。
比較例のクロスダイクロイックプリズム150においては、図10Aおよび図10Cに示すように、各ダイクロイックミラー161,162を構成する誘電体多層膜163,164の層数分の全ての誘電体層が互いに対向する2つのプリズムのうちの一方のみに形成される。そのため、誘電体多層膜163,164に生じる応力が互いに対向する2つのプリズムのうちの一方のプリズムのみに加わる。
特定の直線偏光、すなわち、S偏光、P偏光のいずれか一方に対して所望の波長分離特性を満足するダイクロイックミラーを得る場合であれば、誘電体多層膜を構成する誘電体層の層数は例えば30〜40層程度で済む。そのため、誘電体多層膜に生じる応力がクロスダイクロイックプリズムに悪影響を及ぼすことはほとんどない。ところが、入射光の偏光状態に依らずに所望の波長分離特性を満足するダイクロイックミラーを得ようとすると、誘電体多層膜を構成する誘電体層の層数は例えば100層程度となり、大幅に増加する。
本発明者らの試算によれば、誘電体層の構成材料、膜厚等の条件にも依るが、100層の誘電体層からなる誘電体多層膜に生じる応力は、GPaオーダーと極めて大きくなる。比較例のクロスダイクロイックプリズム150において、誘電体多層膜が上記のような多大な応力を有する場合、クロスダイクロイックプリズム150の製造プロセスにおいて、誘電体多層膜163,164が破損する虞があった。あるいは、誘電体多層膜163,164が破損しなかったとしても、プリズム55の歪みが発生するという問題があった。さらに、このようなクロスダイクロイックプリズム150を用いて表示装置を製造すると、表示品位が低下する、という問題が生じた。
この問題に対して、本実施形態のクロスダイクロイックプリズム50によれば、図3Aおよび図3Cに示すように、各ダイクロイックミラー61,62を構成する誘電体多層膜63,64の層数の半分(本実施形態の例では50層)の誘電体層が互いに対向する2つのプリズム55のそれぞれに分けて形成される。これにより、一つのプリズム55に生じる誘電体多層膜63,64の応力は、比較例のクロスダイクロイックプリズム150の場合と比べて減少する。本発明者らの試算によれば、50層の誘電体層からなる誘電体多層膜に生じる応力は、数百MPaのオーダーで済む。これにより、本実施形態のクロスダイクロイックプリズム50によれば、誘電体多層膜が破損する、プリズムの歪みが発生する、等の問題を改善することができる。
また、クロスダイクロイックプリズム50の製造プロセスにおいて、第1誘電体多層膜631,641が形成されたプリズム55と第2誘電体多層膜632,642が形成されたプリズム55とが有機系接着剤からなる接着剤層67,68によって接着されるため、例えばプラズマ重合法等を用いて2つのプリズムを接合する場合と異なり、簡易な製造装置を用いることができ、製造コストを低減することができる。また、クロスダイクロイックプリズム50の特性として、接着剤層67,68を用いて2つのプリズム55を接合する場合、プラズマ重合法等を用いて2つのプリズムを接合する場合と比べて、プラズマ照射による誘電体多層膜のダメージが抑えられるため、所望の光学特性を得やすいという効果がある。
なお、本実施形態のダイクロイックミラー61は、誘電体多層膜63,64を構成する100層の誘電体層の途中に厚い接着剤層67,68が挿入され、全体の誘電体多層膜63,64が接着剤層67,68によって50層の誘電体層からなる2つの誘電体多層膜に分断された形態を有している。本発明者らは、このような形態のダイクロイックミラーであっても、100層の誘電体層が連続して積層された構成のダイクロイックミラーと同等の波長分離特性が得られることを確認している。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
第2実施形態のクロスダイクロイックプリズムの基本構成は第1実施形態と同様であり、接着剤層の膜厚が第1実施形態と異なる。そのため、クロスダイクロイックプリズムの全体の説明は省略する。
図4は、第2実施形態のクロスダイクロイックプリズムの断面図である。図4の図面は、図2と同様、図1のII−II線の位置での断面図に対応する。
図4において、図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態のクロスダイクロイックプリズム70は、4つのプリズム55と、2つのダイクロイックミラー71,72と、を備えている。第1ダイクロイックミラー71は、第1プリズム51の第1面51aと第2プリズム52の第2面52bとの間、および第4プリズム54の第2面54bと第3プリズム53の第1面53aとの間に設けられた誘電体多層膜73から構成されている。第2ダイクロイックミラー72は、第1プリズム51の第2面51bと第4プリズム54の第1面54aとの間、および第2プリズム52の第1面52aと第3プリズム53の第2面53bとの間に設けられた誘電体多層膜74から構成されている。
第1実施形態における接着剤層67,68は、1μmよりも厚い膜厚を有していた。これに対して、第2実施形態における接着剤層77,78は、0.01μm以上、1μm以下の膜厚を有している。すなわち、接着剤層77,78の膜厚は、各ダイクロイックミラー71,72を構成する誘電体多層膜73,74の各誘電体層の膜厚と同程度である。これにより、接着剤層77,78は、誘電体多層膜73,74を構成する誘電体層の1層として機能する。接着剤層77,78の材料は、第1実施形態と同様である。
クロスダイクロイックプリズム70のその他の構成および製造方法は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても、誘電体多層膜が破損する、プリズムの歪みが発生する等の不具合が改善されたクロスダイクロイックプリズム70を提供することができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
特に第2実施形態の場合、接着剤層77,78が誘電体多層膜73,74を構成する誘電体層の1層として機能するため、誘電体多層膜73,74が2つの誘電体多層膜に分断されることなく、複数の誘電体層が連続して積層された誘電体多層膜73,74として構成される。そのため、所望の波長分離特性を有するダイクロイックミラー71,72を作製する際に、誘電体層の仕様を容易に設計することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図面を用いて説明する。
上記第1実施形態および第2実施形態で説明したクロスダイクロイックプリズムは、以下に説明する表示装置に用いられる。
図5は、第3実施形態の頭部装着型表示装置1000の説明図である。図6は、図5に示す虚像表示部1010の光学系の構成を模式的に示す斜視図である。図7は、図6に示す光学系の光路を示す説明図である。
図5に示すように、頭部装着型表示装置1000(画像表示装置)は、シースルー型のアイグラスディスプレイとして構成されており、テンプル1111,1112を左右に備えたフレーム1110を有している。頭部装着型表示装置1000において、虚像表示部1010は、フレーム1110に支持されており、虚像表示部1010から射出された画像を使用者に虚像として認識させる。本実施形態において、頭部装着型表示装置1000は、虚像表示部1010として、左眼用表示部1101と、右眼用表示部1102とを備えている。左眼用表示部1101と右眼用表示部1102とは同一の構成をもって左右対称に配置されている。
以下の説明では、左眼用表示部1101を中心に説明し、右眼用表示部1102については説明を省略する。
図6および図7に示すように、頭部装着型表示装置1000において、左眼用表示部1101は、画像表示モジュール1と、画像表示モジュール1から射出された合成光Lbを射出部1058に導く導光系1030と、を有している。画像表示モジュール1と導光系1030との間には、投射レンズ系1070が配置されており、画像表示モジュール1から射出された合成光Lbは、投射レンズ系1070を介して導光系1030に入射する。投射レンズ系1070は、正のパワーを有する1つのコリメートレンズによって構成されている。
画像表示モジュール1は、クロスダイクロイックプリズム50と、クロスダイクロイックプリズム50の4つの面(三角柱プリズムの第3面)のうち、3つの面に対向して設けられた3つの画像表示パネル10,20,30と、を備えている。画像表示パネル10,20,30は、例えば有機ELパネルから構成されている。
第1画像表示パネル10から射出された画像光は、クロスダイクロイックプリズム50に第1波長域の第1画像光LRとして入射する。第2画像表示パネル20から射出された画像光は、クロスダイクロイックプリズム50に第2波長域の第2画像光LBとして入射する。第3画像表示パネル30から射出された画像光は、クロスダイクロイックプリズム50に第3波長域の第3画像光LGとして入射する。クロスダイクロイックプリズム50から、第1画像光LRと第2画像光LBと第3画像光LGとが合成された合成光Lbが射出される。
本実施形態において、第1波長域は、例えば620nm〜750nmであり、第1画像表示パネル10は、赤色の第1画像光LRを射出する。第2波長域は、例えば450nm〜495nmであり、第2画像表示パネル20は、青色の第2画像光LBを射出する。第3波長域は、例えば495nm〜570nmであり、第3画像表示パネル30は、緑色の第3画像光LGを射出する。本実施形態において、第1画像光LR、第2画像光LB、および第3画像光LGは、偏光特性を持たない光である。
導光系1030は、合成光Lbが入射する透光性の入射部1040と、一方端1051側が入射部1040に接続された透光性の導光部1050と、を備えている。本実施形態において、入射部1040と導光部1050とは、一体の透光性部材で構成されている。
入射部1040は、画像表示モジュール1から射出された合成光Lbが入射する入射面1041と、入射面1041から入射した合成光Lbを入射面1041との間で反射する反射面1042と、を備えている。入射面1041は、平面、非球面、または自由曲面等からなり、投射レンズ系1070を介して画像表示モジュール1と対向している。投射レンズ系1070は、入射面1041の端部1412との間隔が入射面1041の端部1411との間隔より広くなるように斜めに配置されている。入射面1041には反射膜が形成されていないが、臨界角以上の入射角で入射した光を全反射する。したがって、入射面1041は、光透過性および光反射性を備えている。反射面1042は、入射面1041と対向する面からなり、端部1422が入射面1041の端部1421よりも入射面1041から離間するように斜めに配置されている。したがって、入射部1040は、略三角形状の形状を有している。反射面1042は、平面、非球面、または自由曲面等からなる。反射面1042は、アルミニウム、銀、マグネシウム、クロム等を主成分とする反射性の金属層が形成された構成を有する。
導光部1050は、一方端1051から他方端1052側に向けて延在する第1面1056(第1反射面)と、第1面1056に平行に対向して一方端1051側から他方端1052側に向けて延在する第2面1057(第2反射面)と、第2面1057の入射部1040から離間する部分に設けられた射出部1058と、を備えている。第1面1056と入射部1040の反射面1042とは、斜面1043を介して繋がっている。第1面1056と第2面1057との厚さは、入射部1040より薄い。第1面1056および第2面1057は、導光部1050と外界(空気)との屈折率差に基づいて、臨界角以上の入射角で入射した光を全反射する。このため、第1面1056および第2面1057には反射膜が形成されていない。
射出部1058は、導光部1050の厚さ方向の第2面1057側の一部に構成されている。射出部1058では、第2面1057に対する法線方向に対して斜めに傾いた複数の部分反射面1055が互いに平行に配置されている。射出部1058は、第2面1057のうち、複数の部分反射面1055に重なる部分であり、導光部1050の延在方向において所定の幅を有する領域である。複数の部分反射面1055はそれぞれ誘電体多層膜から構成されている。また、複数の部分反射面1055のうちの少なくとも1つは、誘電体多層膜と、アルミニウム、銀、マグネシウム、クロム等主成分とする反射性の金属層(薄膜)との複合層であってもよい。部分反射面1055が金属層を含んでいる場合、部分反射面1055の反射率を高める効果、もしくは、部分反射面1055の透過率および反射率の入射角依存性や偏光依存性を適正化できるという効果がある。なお、射出部1058については、回折格子やホログラム等の光学素子が設けられた態様であってもよい。
上記構成の頭部装着型表示装置1000において、入射部1040から入射した平行光からなる合成光Lbは、入射面1041で屈折し、反射面1042に向かう。次に、合成光Lbは、反射面1042で反射されて再び入射面1041に向かう。その際、合成光Lbは、入射面1041に臨界角以上の入射角で入射するため、入射面1041で導光部1050に向けて反射され、導光部1050に向かう。なお、入射部1040では、平行光である合成光Lbが入射面1041に入射する構成になっているが、入射面1041および反射面1042を自由曲面等によって構成し、非平行光である合成光Lbが入射面1041に入射した後、反射面1042と入射面1041との間で反射する間に平行光に変換される構成を採用してもよい。
導光部1050においては、合成光Lbが第1面1056と第2面1057との間で反射して進行する。部分反射面1055に入射した合成光Lbの一部は、部分反射面1055で反射して射出部1058から観察者の眼Eに向けて射出される。また、部分反射面1055に入射した合成光Lbの残りは、部分反射面1055を透過し、隣り合う次の部分反射面1055に入射する。このため、複数の部分反射面1055の各々において反射した合成光Lbは、射出部1058から観察者の眼Eに向けて射出される。これにより、観察者は、虚像を認識することができる。
その際、外界から導光部1050に入射した光は、導光部1050に入射した後、部分反射面1055を透過して観察者の眼Eに到達する。このため、観察者は、画像表示モジュール1から射出されたカラー画像をみることができるとともに、外界の景色等をシースルーでみることができる。
第3実施形態の頭部装着型表示装置1000は、第1実施形態もしくは第2実施形態のクロスダイクロイックプリズム50を備えているため、表示品位に優れる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。
上記第1実施形態および第2実施形態で説明したクロスダイクロイックプリズムは、以下に説明する表示装置に用いられる。
図8は、第4実施形態の投射型表示装置2000の概略構成図である。
図8に示すように、投射型表示装置2000(画像表示装置)は、上記実施形態に係る画像表示モジュール1と、画像表示モジュール1から射出された合成光Lbをスクリーン等の被投射部材2200に拡大して投射する投射光学系2100と、を有している。
画像表示モジュール1は、クロスダイクロイックプリズム50と、クロスダイクロイックプリズム50の4つの面(三角柱プリズムの第3面)のうち、3つの面に対向して設けられた3つの画像表示パネル10,20,30と、を備えている。画像表示パネル10,20,30は、例えば有機ELパネル等の偏光特性を持たない画像光を射出するパネルから構成されている。
第4実施形態の投射型表示装置2000は、第1実施形態もしくは第2実施形態のクロスダイクロイックプリズム50を備えているため、表示品位に優れる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態で例示したクロスダイクロイックプリズム、画像表示モジュールおよび画像表示装置の各構成要素の材料、数、配置、形状等の具体的構成は、適宜変更が可能である。
また、上記第3実施形態および第4実施形態では、画像表示モジュールとしてクロスダイクロイックプリズムと有機ELパネルとを組み合わせた構成の例を挙げたが、画像表示パネルは有機ELパネルに限ることなく、無機ELパネル、マイクロLEDパネル等の自発光型パネルを用いてもよい。また、偏光特性を持たない画像光を射出する自発光型パネルに代えて、液晶パネル等の偏光特性を持つ画像光を射出する画像表示パネルを用いてもよい。
また、上記実施形態で説明した画像表示モジュールを備えた画像表示装置の例として、ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置に利用される電子式ビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)等を挙げることができる。
1…画像表示モジュール、10…第1画像表示パネル、20…第2画像表示パネル、30…第3画像表示パネル、50,70…クロスダイクロイックプリズム、51…第1プリズム、51a,52a,53a,54a…第1面、51b,52b,53b,54b…第2面、51c,52c,53c,54c…第3面、52…第2プリズム、53…第3プリズム、54…第4プリズム、55…プリズム、61,71…第1ダイクロイックミラー、62,72…第2ダイクロイックミラー、63,64,73,74…誘電体多層膜、65…ダイクロイックミラー、67,68,77,78…接着剤層、631,641…第1誘電体多層膜、632,642…第2誘電体多層膜、1000…頭部装着型表示装置(画像表示装置)、2000…投射型表示装置(画像表示装置)。

Claims (10)

  1. 4つのプリズムと、
    2つのダイクロイックミラーと、
    を備え、
    前記4つのプリズムのそれぞれは、三角柱状の形状を有するとともに、互いに交差して稜線部を構成する第1面および第2面と、前記第1面および前記第2面のそれぞれと鋭角の角度をなす第3面と、を有し、
    前記4つのプリズムは、前記4つのプリズムのそれぞれの前記稜線部同士が対向し、前記4つのプリズムのうちの一つのプリズムの前記第1面と他の一つのプリズムの前記第2面とが対向するとともに、前記第3面が外側を向くように、組み合わされて配置され、
    前記2つのダイクロイックミラーのそれぞれは、前記一つのプリズムの前記第1面と前記他の一つのプリズムの前記第2面との間に設けられた誘電体多層膜から構成され、
    前記一つのプリズムの前記第1面と前記他の一つのプリズムの前記第2面とのそれぞれに、前記誘電体多層膜を構成する最外層の誘電体層が接触して設けられている、クロスダイクロイックプリズム。
  2. 前記2つのダイクロイックミラーの各々は、偏光分離特性を持たない、請求項1に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  3. 前記一つのプリズムの前記第1面に、前記誘電体多層膜のうちの一部を構成する複数の第1誘電体層からなる第1誘電体多層膜が設けられ、
    前記他の一つのプリズムの前記第2面に、前記誘電体多層膜のうちの他の一部を構成する複数の第2誘電体層からなる第2誘電体多層膜が設けられ、
    前記第1誘電体多層膜と前記第2誘電体多層膜との間に接着剤層が設けられた、請求項1または請求項2に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  4. 前記接着剤層の膜厚は、1μmよりも厚い、請求項3に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  5. 前記接着剤層は、前記誘電体多層膜を構成する誘電体層として機能する、請求項3に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  6. 前記接着剤層の膜厚は、0.01μm以上、1μm以下である、請求項5に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  7. 前記複数の誘電体層の各々は、無機膜によって構成され、
    前記接着剤層は、有機膜によって構成されている、請求項3から請求項6までのいずれか一項に記載のクロスダイクロイックプリズム。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のクロスダイクロイックプリズムと、
    前記クロスダイクロイックプリズムの4つの前記第3面のうち、少なくとも2つの前記第3面に対向して設けられた少なくとも2つの画像表示パネルと、
    を備えた、画像表示モジュール。
  9. 前記少なくとも2つの画像表示パネルの各々は、偏光特性を持たない画像光を射出する、請求項8に記載の画像表示モジュール。
  10. 請求項9に記載の画像表示モジュールを備えた、画像表示装置。
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