JP2019537738A - 直接変換型放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

正電荷を伝送するための第一の材料(例えば電子ドナー、正孔伝送材料、p型半導体)と負電荷を伝送するための第二の材料(例えば電子アクセプター、電子伝送材料、n型半導体)を含み、前記第一の材料と第二の材料がネットワーク内に分散して複数の電気接合部を形成するネットワークと、ナノ粒子であって、前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズが前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズが100nmより小さく、ここで、使用する時に、前記ナノ粒子が入射放射線を、それぞれ前記第一の材料及び第二の材料を通って伝送するように自由な正電荷及び負電荷に変換する、ネットワーク内に分散する複数のナノ粒子とを備える装置が記載される。【選択図】図4

Description

本発明は、放射線検出に関し、例えば、放射線検出のための材料及びこの材料を含む検出器を記載する。
電離(例えば核)放射線が放射線療法、安全性スクリーニングと工業的用途などの一連の用途に広範に使用されるため、適切な放射線検出技術を開発する必要がある。本明細書で用語「電離放射線」と「核放射線」は全てα粒子、β粒子、X線、γ線などに及ぶと考えられる。一般的な核放射線検出器は、半導体装置を備え、それが一般的にシリコン(Si)又はゲルマニウム(Ge)である。これらの固体装置は、入射放射線に応答して検出器体積内に生成された電荷キャリア(電子及び正孔)の量を測定することで核又は電離放射線を検出する。高エネルギー放射線の光子又は粒子が検出器内の活性半導体材料と衝突する場合、それは電離を引き起こして電荷キャリアを生成する。生成された電荷キャリアは、印加されたバイアス電圧で生成された電界の影響で加速される。これにより、電極に容易に集めることができる電流がもたらされる。電流は材料中に堆積した放射線量に比例することが分かる。入射放射線の光子のエネルギー及び材料の原子番号(Z)に応じて、物質の存在は、入射光子と相互作用を行う3つの主なメカニズム、即ち光電効果、コンプトン散乱とペア生成に広く起因する。検出器は、入射放射線量、空間分布、放射線スペクトル及び他の性質を測定することができる。
シリコンに基づく固体無機放射線検出器が知られている。無機検出器が優れた性能を有するにもかかわらず、結晶化検出材料を使用するため、それらは湾曲形状の製造可能性、脆い活性材料、高い製造コスト及び限られた検出器サイズなどの主な欠点を有する。それらの明確に確立された無機対応物と比較し、有機半導体(例えば半導体ポリマー)は、いくつかの利点を有し、それらを大面積、低コストの電子装置のための魅力的な候補にする。これらの有機半導体からなるインクは、共役ポリマー、オリゴマーと小分子を一般的な有機溶媒に溶解することで調製されてもよい。その後、従来の湿式処理技術を使用してこれらのインクを簡単に基板に塗布し、これによって非常に低いコストで大面積装置を製造することができる。それらの可撓性特性のため、有機半導体に基づく大面積検出器パネルは、例えば放射性流体を監視するために管の周りに配置される管のような湾曲形状を形成することができる。可撓性有機線量計は、さらに例えば患者の身体の複数の部分(例えば四肢)の周囲に大面積ピクセル化検出管を形成して局所的に空間分解された線量測定を提供するようなX線診断又は癌治療のための患者線量計に用いられてもよい。
公知の高エネルギー放射線検出器のいくつかの特徴は、弱い暗電流(漏れ電流)、良好な整流動作、高い電荷キャリア移動度と高い放射線遮断力を含む。一般的に、固体検出器は「直接」と「間接」検出器に細分されてもよい。
図1には、一般的に図面の記号200で示される、有機フォトダイオードに基づく例示的な間接放射線検出装置が示される。検出装置200はシンチレータ材料202とフォトダイオード204を含む。間接変換検出器では、電離放射線の電気信号への変換は2段階プロセスで行われる。通常、このプロセスの第一のステップは、シンチレータ材料202によって入射放射線を可視光に変換することに関する。第2のステップは、可視光を吸収して電気信号を生成する、フォトダイオード(例えばフォトダイオード204)のような第二のセンサを使用することにより、第一の検出器材料の出力(シンチレータが可視光である場合)を電気信号に変換する。段階的変換効率(100%未満)が各段階に影響するため、間接検出器技術の多段階性質により、入射放射線が低い効率(段階的効率の倍増)で電流に変換される。
これと比較し、直接検出器は入射された電離放射線を電気信号に直接変換する。この変換が1段階のプロセスであるため、1組の最適化パラメータを使用しても効率損失は最小限である。
放射線誘起光電流は、直接放射線検出器の金属/半導体ポリマー/金属装置構造においてポリ−(トリアリールアミン)(PTAA)、ポリ([9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル]−コ−ビチオフェン)(F8T2)のような単一の均質材料を使用して実現されてもよいことが以前に実証された。このような材料はリビングポリマー材料であるが、それらは単一のタイプの電荷(電子又は正孔)のみを有することができる。単一の均質材料を含む装置(単一有機半導体システム)の単一キャリア特性により、実現可能な信号応答全体が低減される。有機半導体は一般的に低原子番号(低Z)炭素と水素構成原子からなり、これは高エネルギー放射線の低ブロッキングパワー(減衰)をもたらす。
本発明は、少なくともいくつかの上記問題を解決しようとする。
第一の態様では、本明細書において、正電荷を伝送するための第一の材料(例えば(有機又は無機)電子ドナー、正孔伝送材料、p−型半導体)と負電荷を伝送するための第二の材料(例えば(有機又は無機)電子アクセプター、電子伝送材料、n−型半導体)を含み、第一の材料と第二の材料がネットワーク内に分散して複数の電気接合部を形成するネットワーク(例えばバルクヘテロ接合)と、ナノ粒子であって、前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズ(例えば直径)が前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズ(例えば直径)が100nmより小さく、ここで、使用する時に、前記ナノ粒子が入射放射線を、それぞれ前記第一の材料及び第二の材料を通って伝送するように自由な正電荷及び負電荷に(例えば直接)変換する、ネットワーク内に分散する複数のナノ粒子とを備える装置が記載される。前記放射線は、α粒子、β粒子、中性子、X線及びγ線のうちの一つ又は複数を含むことができる。ナノ粒子の1つ以上のサイズ(例えば直径)及び/又は材料は、装置によって検出することができる放射線の形態に応じて選択されてもよい。
ナノ粒子は入射放射線を減衰させることができる。
ナノ粒子は、(単一)放射線−ナノ粒子相互作用イベントにおいて前記放射線を正電荷及び負電荷に変換することができる。
ナノ粒子の少なくとも一つのサイズ(例えば直径)は、20nm−100nm(例えば30nm−50nm)であってもよい。
ナノ粒子は少なくとも45の原子番号を有してもよい。
ナノ粒子は、一つ又は複数の金属酸化物から形成されてもよい。
第一の材料と第二の材料は有機半導体であってもよい。
第二の態様では、本明細書において、第一の電極と、第二の電極と、第一の態様に関連して上述した装置とを備える放射線検出器が記載されている。
放射線検出器は電流測定装置を備えてもよい。
放射線検出器は電圧ソースを(例えば電池)を備えてもよい。放射線検出器に電界を印加して対応する電極への電子及び正孔の走査を助けるように電圧源を提供することができる。本明細書の他の箇所に示されるように、この電圧ソースはいくつかの実施態様で省略されてもよい。
放射線検出器は、リアルタイムデータをリモートコンピュータに伝送することができる(例えば、線量計のユーザによって経時的に露光された放射線量のレコードを維持及び/又は警告メカニズムを生成し、潜在的な放射線障害をユーザに知らせることができる)無線送信機をさらに備えてもよい。
放射線検出器は放射線レベルを示すためのディスプレイを備えてもよい。
第三の態様では、本明細書において、第二の態様に関連して上述した複数の放射線検出器を備えるシステムが記載される。
複数の放射線検出器のうちの少なくともいくつかを配置することで(例えば適切なナノ粒子を選択することで)異なるタイプの放射線(例えば中性子とX線)を検出し、及び/又は特定の放射線の異なるエネルギーを識別することができる。
第二の態様による放射線検出器又は第三の態様によるシステムの放射線検出器は、硬質裏地又は軟質裏地(例えばプラスチックシート又はプラスター)に統合されてもよい。
第四の態様では、本明細書において、第一の態様に関連して上述した装置、又は第二の態様に関連して上述した放射線検出器、又は第三の態様に関連して上述したシステムを使用して入射放射線を自由な正電荷及び負電荷に変換することと、正電荷及び負電荷から生じる特徴(例えば電流)を記録することとを含む方法が記載される。
入射放射線は、(単一)放射線−ナノ粒子相互作用イベントにおいて正電荷及び負電荷に変換されてもよい。
電流は、装置に印加された電圧(電池から)に応じて(又は外部電圧が存在しない場合、装置の内蔵電位によって)生成されてもよい。
この方法はさらに記録された電流を放射レベルの推定値に変換することを含むことができる。(これは、受信された放射線のエネルギー(非線量)を推定することに用いられてもよいが、識別、例えばエネルギー分散型X線分光法で50keVのX線が放射されるか否かの識別に用いられる)
第五の態様では、コンピューティング装置によって実行される場合、コンピューティング装置に第四の態様に関して説明されたいずれかの方法を実行させるコンピュータ可読命令が提供される。
第六の態様では、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも一つのメモリとを備え、前記少なくとも一つのプロセッサによって前記コンピュータプログラムコードを実行する場合、前記装置が第一の態様に関連して上述した装置、又は第二の態様に関連して上述した放射線検出器、又は第三の態様に関連して上述したシステムを使用して入射放射線を自由な正電荷及び負電荷に変換し、正電荷及び負電荷から生じる特徴(例えば電流)を記録する装置が提供される。
第七の態様では、本明細書において、入射放射線を自由な正電荷及び負電荷に変換するように、第一の態様に関連して上述した装置、又は第二の態様に関連して上述した放射線検出器、又は第三の態様に関連して上述したシステムを使用するための装置と、正電荷及び負電荷から生じる特徴(例えば電流)を記録するための装置とを備える装置が記載される。
第八の態様では、本明細書において、半導体を一つ又は複数の有機溶媒に溶解し、正電荷の伝送に適する第一の材料及び負電荷の伝送に適する第二の材料を形成することと、前記溶解したポリマーに複数のナノ粒子を添加してマトリックスを形成し、ここで前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズが前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズが100nm未満であることとを含む方法が記載される。前記マトリックスは基板に印加されてもよい。使用する時に、前記ナノ粒子は、入射放射線を、それぞれ前記第一の材料及び第二の材料を通って伝送するように自由な正電荷及び負電荷に変換することができる。
複数の技術のうちの一つ、例えばナイフコーティング、スロットダイコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、スプレーコーティング、スピンコーティング、ドロップキャスティングと3D印刷を使用してマトリックスを基板に印加することができる。(マトリックスは3D印刷を含む任意の印刷技術により印加されてもよい)。印刷技術は必要ではなく、例えば、マトリックスを粒子又はブロックに圧縮することが可能であり、蒸発又はスパッタリングも可能である。
第九の態様では、半導体を一つ又は複数の有機溶媒に溶解し、正電荷の伝送に適する第一の材料及び負電荷の伝送に適する第二の材料を形成するための装置と、前記溶解したポリマーに複数のナノ粒子を添加してマトリックスを形成するための装置とを備え、前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズが前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズが100nm未満である装置が提供される。
現在、添付の図面を参照しながら非限定的な例で例示的な実施例を説明し、ここで、
例示的な間接放射線検出装置を示す図である。 例示的な実施例による材料を示す図である。 例示的な実施例による図2の材料を含む回路を示す図である。 図3の回路の例示的使用を示すフローチャートである。 いくつかの材料のバルクX線減衰が光子エネルギーに伴って変化することを示すグラフである。 例示的な実施形態における走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す図である。 例示的な実施形態における原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す図である。 例示的な実施例の実現される一つの態様を示すグラフである。 例示的な実施例の実現される一つの態様を示すグラフである。 例示的な実施例の実現される一つの態様を示すグラフである。 例示的な実施例の実現される一つの態様を示すグラフである。 例示的な実施例による放射線検出装置を示す図である。
図2に例示的な実施例による一般的に図面記号1で示される材料が示される。材料1は本体材料2と、本体材料中に分散する複数のナノ粒子4とを含む。
図3に、図2に関して上述した材料1を含む図面記号10で示される回路図が示される。回路10はさらに第一の電極12、第二の電極14、基板16、電流測定装置18及び電圧ソース20(例えば電池)を含むことができる。図3に示すように、材料1は第一の電極と第二の電極との間に挟まれている。
図3の矢印で示すように、回路10で放射線が受信される。放射線は材料1と相互作用を行って電流を生成し、該電流が電流測定装置18によって以下の詳細に説明される方式で検出されてもよい。
材料2はバルクヘテロ接合(BHJ)を形成する。BHJ(材料2)は、有機正孔伝送体/p型半導体/電子ドナー及び有機電子伝送体/n型半導体/電子アクセプターの相互侵入ネットワークである。これらの電子ドナー材料と電子アクセプター材料との間の相互作用により、装置の体積を通す電気接合部(又はナノスケールダイオード)が形成される。電気接合部がナノ粒子(NP)4に近接していることにより、最大数の電荷キャリアが電流として除去される(且つその故に電流測定装置18によって検出される)ことは許容される。言い換えれば、ナノ粒子は、本質的に内蔵された空乏領域に位置する。BHJは活性ポリマー層全体から電荷キャリアを除去することに役立つ。したがって、これらのシステムは非常に低い電圧(<10V)で動作し、さらには0Vで動作することができる。この低電圧動作が好ましく、特にポータブル放射線モニターの場合、それは一般的に低電圧ソース(例えば電圧ソース20)、例えば検出器10を動作させることができる電池を必要とする。最適には、入射放射線の最大パーセントをキャプチャするとともに、依然として電極への電荷の効果的な抽出を許容するように、活性層の厚さは高くなければならない(約1〜100μm)。
注意すべきものとして、全ての実施例において電圧源の使用は必要ではない。また、電荷発生の確定が他の方式で実行されてもよいため、全ての実施例において電流検出器の使用は必要ではない。
有機材料(即ち炭素及び水素などの低Z成分)の放射線減衰係数が低いため、BHJ活性有機材料2は単独で入射放射線をほとんど減衰させない。高Zナノ粒子4の存在は、入射放射線を減衰させることに役立ち、電荷キャリアの直接発生を許容して検出可能な電流が発生する。一般的には、本明細書に記載される実施例で使用されるナノ粒子は、少なくともASTM E2456−06規格(ASTM E2456−06(2012),Standard Terminology Relating to Nanotechnology,ASTM International,West Conshohocken,PA,2012,www.astm.org.)に与えられる定義を満たす。本明細書において、用語「ナノ粒子」は、一般的に100nm未満の少なくとも一つのサイズを有する粒子を意味することに用いられる。
検出器の性能は一般的にナノ粒子のサイズに依存する。ナノ粒子のサイズが量子状態にある場合、即ち量子力学的効果が全体性質の粒子範囲を支配する場合、ナノ粒子との放射相互作用により励起子(束縛電子−正孔対)を生成し、これは自由負荷に分離するために追加的なステップを必要とする。従って、電流の発生は、自由キャリアとして発生した電荷ほど効果的ではない。したがって、本明細書ではサイズが量子ドットの範囲内にあるナノ粒子が考慮されない。
また、ナノ粒子が大きすぎると、活物材料への充填効率が低く、したがって、ナノ粒子の局所BHJ内の接合ダイオードの数が減少し、そのため検出器の効率が低下する。より大きなナノ粒子も装置のダイオード動作に影響を及ぼし、それを抵抗体として表現させる。したがって、ナノ粒子4のサイズは、最も効果的な経路で電荷発生及び抽出が発生するように、最適でなければならない。
ナノ粒子のサイズが電離放射線の波長よりも大きいため、後者はミー散乱を受け、その結果経路長が増大する。粒径が上記限界値の上限に近づく場合、この散乱効果が増大する。しかしながら、電荷抽出が一般的にナノ粒子のサイズから10−15nmの深さの位置に発生するため、堆積したX線エネルギーの大部分は、より大きなナノ粒子のための熱に変換される。
サイズが上記サイズの下限(即ち量子ドット状態)に近いほど電荷抽出は有効であるが、散乱効果が著しく低下する。したがって、20−100nmの範囲の粒径が好ましい(例えばX線放射の場合)可能性がある。電離放射線散乱効果により、本明細書で定義されるようなナノ粒子の使用はX線の広帯域検知(即ち、1keV以上のX線の検出)を可能にする。また、現在の直接X線検出器の感度は非常に狭いエネルギー範囲に制限されている(例えば、非晶質セレンが最も広く使用されている直接X線検出器材料の一つであり、50keVを超えるエネルギーのX線を検出できない)。
直接放射線検出器10は、入射された高エネルギー放射線を一つのステップで検出可能な電気信号に直接変換する。言い換えれば、該検出器は、追加的な変換ステップ、例えば可視光の発生、例えばシンチレータ検出器、又は励起子の発生、例えばシンチレータ検出器と量子ナノ粒子検出器などに関しない。
図4は一般的に図面記号30で示されるアルゴリズムを示すフローチャートであり、図3の回路の例示的使用を示す。アルゴリズム30によって示されるように、提案された直接放射線検出器10は以下のように動作することができる。
アルゴリズム30はステップ32で開始し、ここで材料1が入射放射線を減衰させることに用いられる。具体的には、BHJ活性層に存在する本体材料2における高Zナノ粒子4は、入射された高エネルギー放射線を減衰させる。
アルゴリズム30のステップ34に示されるように、ナノ粒子の放射との相互作用により、電子及び正孔を含めない電荷キャリアが生成される。
ステップ36において、印加されたバイアス電圧によって(例えば、提供すれば、電圧ソース20によって印加される)、生成された、電子及び正孔を含めない電荷は有機BHJマトリックスを通って電極12及び14に向かって走査される。(電荷が検出器の内蔵電位によって除去されてもよいため、0Vのバイアス電圧で動作することができ、即ち電圧ソース20を省くことができる。)
ステップ36に関して上述した電荷を電極で収集して電流を記録する(アルゴリズム30のステップ38)。電流出力を入射放射線量に関連付けるように較正を行うことができる。注意すべきものとして、いくつかの実施例では、ステップ38は異なる方式―実施例の方式だけで、較正された電流検出を説明することができる。
最後に、ステップ40で、ステップ38において検出された電流に基づいて(そして較正ステップに基づく可能性がある)入射放射線の推定値を確定する。
放射線検出器は、検出器10(又は後述する任意の他の検出器)のような多くの潜在的用途を有する。一つの潜在的な用途はポータブル線量計である。
第一の例として、単一の検出器は以下のものにインターフェースすることができる。
・放射線検出器であって、リアルタイムデータをリモートコンピュータに伝送することができ、該リモートコンピュータがさらに(i)線量計のユーザによって経時的に露光された放射線量のレコードを維持し、(ii)警告メカニズムを生成することができ、該警告メカニズムが潜在的な放射線障害をユーザに知らせる。
・検出器と統合されたシステムであって、警告信号(例えばノイズ)を生成し、及び/又は周囲放射線のレベルを示すディスプレイから構成される。
・上記の2つの特徴を組み合わせたシステム。
このシステムに電力を供給する例は、環境内の照明条件から光を集める屋内太陽電池、電池(例えばボタン電池、軟質又は硬質電池)、又はスーパーキャパシタのようなエネルギー貯蔵装置を含む。これは、有線接続により電力を供給する場合にも拡張できると想定されてもよい。
線量計の設定を拡張して複数の検出器を統合することができ、各検出器は異なるタイプの放射線(例えば中性子及びX線)を検出し、又は特定の放射線の異なるエネルギー又は両者の混合を識別することができる。
システム全体は、硬質裏地又は軟質裏地、例えばプラスチックシート又はプラスターに統合されてもよい。
また、検出器10の材料を軟質にすることができるため、線量計は、例えばパイプの周りに巻き付けることにより目的位置に固定することができる。
最適化された検出器信号は電荷収集に依存する。検出器全体内の放射線の減衰を考慮する場合、アクティブ装置層全体から電荷を集めることが好ましい。シングルキャリア型有機半導体システムは、一つの電極で電荷を抽出することに役立つ電気接合部のみを生成する。したがって、対向電極が対向電荷を抽出するための障壁として機能するため、該インタフェースだけでキャリアを除去する。(注意すべきものとして、2つの接点が異なる仕事関数を有する場合のみに当てはまる。)上述したBHJシステムは、活性材料全体にわたって電気接合部を生じさせ、ここで2つの電極で電荷を抽出する。これにより、高エネルギー放射線によって生成された2種類の電荷キャリアを抽出する可能性が高まる。
上記のこれらのメカニズムの影響は、異なる光子エネルギーでの典型的な材料の減衰(<0.1MeV−光電効果、0.1−10MeV−コンプトン散乱及び>10MeV−ペア生成)で見られてもよい。ナノ粒子が電離放射線の波長よりわずかに大きいために生じる電離放射線のミー散乱はさらにこれらの効果を高める。
図5は一般的に図面記号50で示されるグラフであり、それが光子エネルギーの関数としてのいくつかの材料のバルクX線減衰を示す。光子エネルギーの関数としての炭素、ケイ素、BHJとBHJ−NP化合物の総減衰量が示される。NIST XCOMソフトウェアを使用して本体材料のこれらの値を計算し、そしてナノ粒子による散乱効果(http://physics.nist.gov/PhysRefData/Xcom/html/xcom1.html)を考慮しない。
図5に示すように、高Zナノ粒子を有機マトリックスに導入することにより、有機層の減衰を著しく増加させ、特にスペクトル効果とスペクトルのペア生成領域において、シリコンの減衰よりも高くすることができる。
テスト例
以下の結果及び議論は、有機ドナーに基づくBHJシステム及び有機アクセプターに基づくBHJシステムから製造された直接放射線検出器に基づいている。我々の例のシステムでは、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル):[6,6]−フェニルC71ブチラートメチルエステル(P3HT:PC70BM)バルクヘテロ接合活性材料と酸化ビスマス(Bi)はそれぞれ有機BHJ(本体材料2)と高Z NP(ナノ粒子4)として使用される。アルミニウムと酸化インジウムスズ(ITO)はそれぞれ陰極と陽極(検出器10の電極12及び14)として使用される。
立体規則性ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT、40mg、Rieke 4002 EE)と[6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル(PC70BM、40mg、純度99%;Solenne)を1mlのジクロロベンゼンに添加してP3HT:PC70BM(Bi−O)の溶液を調製する。Biナノ粒子(正方晶系結晶構造を有するβ相、直径38nm、表面積18m−1、Alfa Aesar)をP3HT:PC70BM溶液に分散させて40(Bi−40)mg ml−1のBi濃度を得る。該装置のNP重量パーセント(wt%)は33%である。
空気中で、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS;Al 4083;Heraeus)の電子ブロッキング層と正孔伝送層(HTL)をITO(In:Sn)ガラス基板(15mm×15mm)にスピンコーティング(5000rpm、40秒)して150℃で10分間アニールして40nmの厚さを得る。90μL体積のBi−0とBi−40溶液を塗布し、密閉ペトリ皿で60℃で20〜40分間アニールする。次に140℃で10分間アニールする。第2のアニーリングステップに対して、装置は蓋付きペトリ皿の下に置かれていない。装置を3×10−6mbar未満の圧力で真空に24時間維持して残留溶媒を除去する。次に電子伝送(ETL)層及び正孔ブロッキング層、1−2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、昇華グレード、Sigma Aldrich、純度99.99%、約5nmの厚さ)を堆積させて蒸着してAl陰極(約120nm)を堆積させる。パッケージスライドガラスとUV硬化接着剤(Ossila)を使用してUVランプで5分間照射して、パッケージする。HTLとETL及び電極材料は、BHJ活性材料から電荷キャリアを抽出する用途を最適化することに適用する任意のそのような材料と交換することができる。
図6は例示的な実施例における走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す図である。特に、図6の(A)及び(B)がそれぞれ第一の装置の表面のSEM画像60と第二の装置の表面のSEM画像62を示し、ここで第一の装置は、ナノ粒子の負荷が33重量%である有機BHJ(上記の通り)を含み、第二の装置は有機BHJ(即ちナノ粒子を含めない)表面のみを含む。
図6に示すSEM画像は、NPの存在下でフィルムの微細構造を観察することを許容する。図6は50×50μmの面積に記録されたサンプルの顕微鏡写真を示す。SEM画像によれば、ナノ粒子の存在が明らかであり、そしてナノ粒子が装置の底部に位置するだけでなく、これは、ナノ粒子の分布が有機BHJ層全体にわたって均一であることを示している。SEM画像は、NPを有するフィルム(画像60)に対して、フィルムの構造化がより顕著であり、NPを含めない表面(画像62)に対して、表面の変化がほとんど無視できることを示すように見える。
図7は例示的な実施例における原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す図である。特に、図7の(A)及び(B)がそれぞれ第一の装置の第一のAFM画像70と第二の装置の第二のAFM画像72を示し、ここで第一の装置は、NPの負荷が33重量%である有機ポリマー(上記の通り)を含み、第二の装置は有機ポリマー(NPを含めない)表面のみを含む。
混合厚膜の表面粗さは、暗リーク電流及び装置性能に影響を与える。したがって、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して堆積層の表面粗さを評価する。33重量%のNP負荷装置及びNPを含めない装置の場合、二乗平均平方根(r.m.s)粗さ値は、それぞれ153.4及び6.6nmである。得られた値から明らかなように、NPの存在により、フィルムの表面粗さはNPを含めない表面の表面粗さよりもほぼ20倍大きくなる。
図8は一般的に図面記号80で示されるグラフであり、それが例示的な実施例の実現される一つの態様を示す。特に、図8は、NPを含めない装置(曲線82)と33重量%のNP負荷を有する装置(曲線84)の時間依存性X線応答を示す。−10Vの逆バイアス電圧で、27mGys−1の線量率で、60keVのタングステンX線ソースで装置を1分間照射する。X線ソースを1分間交互にオンオフし、27mGys−1の線量率(1.62Gyの総線量に相当)で照射する。純粋な有機材料を含む装置(NPを含めない装置)は、ほぼゼロのX線応答を示す(曲線82を参照)。しかしながら、BHJマトリックスに33重量%のNPが存在する場合、電流応答は劇的に増加し、46nAcm−2の値を示す(曲線84を参照)。そのような低い動作電圧では、これは直接有機X線検出器によって記録された最高のX線応答である。
図9は一般的に図面記号90で示されるグラフであり、それが例示的な実施例の実現される一つの態様を示す。具体的には、図9はNP負荷((33重量%)を有する装置とNP負荷(0%)を有しない装置の感度を示す。27mGys−1の線量率で、−10Vの逆バイアス電圧でX線応答を得る。
したがって、図9はNPの存在に対する装置の感度を示している。NPを含めない参照装置は、ほぼゼロの感度(0.003μC mGy−1 cm−3)を示す。これは、大部分の放射線減衰が有機マトリックスに高Z NPが含まれることに起因することを示している。しかしながら、有機BHJマトリックスに33重量%のNPを添加すると、感度がほぼ1.7μC mGy−1 cm−3に増加する。
図10は一般的に図面記号100で示されるグラフであり、それが例示的な実施例の実現される一つの態様を示す。具体的には、図10は33重量%のNPを有する装置の時間依存性X線応答を示している。30.1mGys−1の線量率で、−100Vの逆バイアス電圧で、50keVのタングステンX線ソースで装置を15分間照射する。図10は装置を15分間連続し、総線量が271.53Gyとなる場合、ピークが約90μAcm−2であるX線応答を示している。
図11は一般的に図面記号110で示されるグラフであり、それが例示的な実施例の実現される一つの態様を示す。具体的には、図11は33重量%のNP装置の感度が電圧変化の関数として示される。図11に示すように、装置のX線応答は印加されたバイアス電圧に大きく依存する。図11は33重量%のNP装置のより広い動作電圧範囲内の装置応答を示している。5V未満の低電圧では、装置が0.131μC mGy−1 cm−3の感度を生じ、そして低電圧状態(2.5〜10 V)では、感度は線形増加し、線形回帰(R)値が0.99745であり、これは、該装置が携帯用電池に電力を供給することができることを示す。したがって、結果は、高Z NPを使用して入射放射線を効果的に減衰させ、そして厚いBHJ活性材料層が電子及び正孔を電極に向かって走査して電流応答を得ることに役立つことを示す。NPが既に内蔵された空乏領域に配置されているため、ほぼゼロ電圧に近い場合又はゼロ電圧の場合で電荷を抽出することができる。本明細書で与えられた例では低圧と高圧でのX線照射下での高感度性能を研究して説明している。
それらのナノメートルサイズのため、ナノ粒子は、互いに接続されて短絡を生じさせることなく半導体ポリマーに有利に添加されてもよい。高原子番号(Z)を有するNPは強力な放射線減衰剤であるが、低Zポリマー又は有機物はそうではない。X線検出器は、検出器感度が測定に限定されず、現在柔軟性のない固体シリコンフォトダイオード検出器に基づいている高光子束用途である。これと比較し、33重量%のBi NPを含有するP3HT:PC70BMダイオードは、50MeVを超える高エネルギーでより多くのX線(>1MeV)を減衰させ、最大約80%まで減衰(体積減衰効果のみが考慮される)することができる。より低いエネルギー(<1MeV)では、P3HT:PC70BM:Biダイオードは、シリコンダイオードよりも6倍多い入射放射線を減衰させ、同時にポリマー又は有機フィルムの柔軟性を維持する。検出器フィルム自体がヒト組織(組織等価性)に近いエネルギー依存性を有するため、それらは放射線療法用途に魅力的である。NPの濃度が増加するにつれて、負荷NPのポリマーフィルムのこの組織等価性は悪くなるが、NPがダイオードの量子効率を向上させることを含む。低濃度のBi NPを使用しても、ポリマーフィルムは、あるエネルギー範囲で、シリコンよりもX線に対してより敏感であるように見える可能性がある。放射線療法の用途では、組織等価性と向上される感度との間のトレードオフを確定する必要がある可能性がある。
検出器の機械的柔軟性により、それは折りたたむことができる。したがって、多層ポリマー/有機半導体/NPフィルムは入射放射線を減衰させ、さらにはより多く入射放射線を減衰させることに用いられてもよい。これらの軽量の可撓性有機半導体/ポリマー/NP材料から生成又は収集される電荷を改善し、それらが使い捨て接着性石膏に統合されることを潜在的に許容して放射線ビームの短期間のリアルタイム検出/イメージングを許容する。
有機半導体ダイオードは高い空間分解能を有し、方向依存性に適応することができる。有機半導体又はポリマーダイオードは、サブミクロンサイズ、大面積で可撓性基板に製造されてもよく、これらの技術の組み合わせはそれらが入射放射線ビーム内に三次元的に位置決めされることを許容する。線量が一次元の量であるため、小さい体積を有する線量計は、高い空間分解能を有する。入射ビームを複数回通過させる能力がより高い検出器感度を許容するように、単一のポリマー有機半導体検出器を「折り畳む」。最後に、頑丈な固体半導体有機ダイオードは、直接読み出すことができるというリアルタイム電気的応答と低い動作電圧の利点を有し、これにより、それらに電力を電池で供給し、そしてそれらの携帯性を向上させることができる。
注意すべきものとして、陰極として使用されてもよい他の材料は、n型グラフェン、n型カーボンナノチューブ、クロム、チタン、カルシウム、バリウム又は低い仕事関数を有する類似の材料を含み、及び金属/金属酸化物の組み合わせを含む二重層陰極システムを含み、ここで金属酸化物が酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム又は金属/有機化合物の組み合わせであってもよく、ここで有機系がポリエチレンイミンのバセチン又はその誘導体、ポリフッ化物例えばPFNであってもよい。
アノードとして使用することができる他の材料は、金、ニッケル、グラフェン、金属/金属酸化物の組み合わせなどの高仕事関数材料を含み、ここで金属酸化物がタングステン、モリブデン、ニッケル又は金属/有機物に基づいてもよく、ここで有機物がPEDOT:PSS、PTAA、F8T2、スピロ−MEOTAD、P3HT又は任意のp型ポリマーであってもよい。
記載された同じ構造は、様々な有機BHJ半導体と高Z NPとして実現されてもよい。BHJについては、ベンゾ[1,2−b 4,5−b’]ジチオフェンに基づく材料、ポリチオフェン族、ポリ(フェニレンビニレン)、カルバゾール族などが電子ドナー材料として使用されてもよく、そしてフラーレン誘導体、ITIC、n型金属酸化物、ビナゼン誘導体、芳香環電子アクセプターなどが電子アクセプター材料として使用されてもよい。タンタラム、タングステン、ビスマス、鉛、白金、金、カドミウムなどの元素を含む純金属又は複合高ZのNPはNPのいくつかの選択である。実績のある放射線減衰を考えると、鉛系材料は、NPに対して良い選択であるが、その環境毒物学のためにあまり普及していない。
例示的な材料のさらなる詳細は以下に提供される。
製造のために、大面積で製造された活性材料堆積は、スプレーコーティング、スロットダイコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、粉末圧縮などの異なるロール又はシートコーティング技術を使用して行われてもよい。注意すべきものとして、本発明は、さらにα粒子、β粒子、中性子及びγ線などの他の電離(例えば核)放射線の検出に拡張し、同時に同じ構成を維持することができる。これは適切なナノ粒子を使用することで実現されてもよい。中性子検出には、フッ化リチウム、炭化ホウ素、窒化ホウ素などのNPを含むLi−6又はB−10を使用することができる。γ線検出には、ビスマス、タンタラム、タングステン、鉛、金、白金などのZ=13より高い高Z NP、及びテルル化カドミウム(CdTe)、ペロブスカイト(鉛系など)などの合金とBi、ナノダイヤモンドなどの複合高Z NPなどを使用することができる。α粒子とβ粒子の検出には、グラフェン、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンの全ての同素体を含む任意のカーボン系材料を使用することができる。Si系NPとナノワイヤ、銀(Ag)系NPとナノワイヤ、亜鉛(Zn)NP及びいずれかのタイプの金属と合金(NP又はミクロンサイズの粒子)はα粒子検出及びβ粒子検出に用いられてもよい。
上述したように、本明細書に記載される放射線検出器は、正電荷を伝送するための第一の材料と負電荷を伝送するための第二の材料とを有するネットワークを含み、ここでナノ粒子がネットワーク内に分散している。以下でさらに説明される図12−図17は第一及び第二の材料ならびにナノ粒子の様々な配置を含む。理解すべきものとして、図12−図17に示す配置は例で提供されるが、他の配置も可能である。
図12に例示的な実施例による放射線検出装置が示され、一般的に図面記号120で示される。装置120は積み重ねられて配置された層を含む。一つの実施例では、第一の層122は電子伝送層であり、最後の層126は正孔伝送層であり、スタック124は積み重ねられた電子伝送層と正孔伝送層を表す。図12に概略的に示されるように、積み重ねられた層の間に複数のナノ粒子128が提供される。したがって、スタックは、上記放射線検出装置の第一の材料と第二の材料とを提供する。ナノ粒子は、荷電粒子の抽出(それらの粒子が入射されたX線又はいくつかの他の放射ソースから生成される場合)を最大限にするために、第一の材料と第二の材料との接合部に提供されてもよい。例えば、積み重ねられた層を順次製造し、積み重ねられた層の次の層を追加する前に、各層の上にナノ粒子を提供することができる。注意すべきものとして、第一の層122は正孔伝送層であってもよい。同様に、最後の層128は電子伝送層であってもよい。
図13に例示的な実施例による、一般的に図面記号130で示される放射線検出装置が示される。装置130は交差して配置された層を含む。一つの実施例では、第一のグループのフィンガー132は電子伝送材料であり、第二のグループのフィンガー134は正孔伝送材料である(明らかに、これらの材料が逆にすることができる)。図13に概略的に示されるように、電子伝送材料及び正孔伝送材料のフィンガー間に多数のナノ粒子(例えば、ナノ粒子135、156及び137)が提供される。したがって、スタックは、上記放射線検出装置の第一の材料と第二の材料を提供し、そしてナノ粒子は、荷電粒子の抽出(X線又はいくつかの他の放射ソースから生成される場合)を最大限にするために、第一の材料と第二の材料(即ち正孔伝送層と電子伝送層)の接合部に提供されてもよい。装置130は、3D印刷技術による製造に非常に適する。
図14に例示的な実施例による、一般的に図面記号140で示される放射線検出装置が示される。装置140は、電子伝送材料と正孔伝送材料との混合物から形成されたマトリックス142を含む。図14に概略的に示されるように、マトリックス内に多数のナノ粒子(例えは、ナノ粒子144、145及び146)が提供される。正孔伝送層と電子伝送層との接合部(ランダムに発生してもよい)にナノ粒子が提供される場合、入射されたX線(又は他の放射線)が自由電子と正孔対に変換され、それらの層を通って伝送される。
図15に例示的な実施例による、一般的に図面記号150で示される放射線検出装置が示される。放射線検出装置150は、第一の装置152、第二の装置154と第三の装置156を含む。装置152−156は図15に示す配置で垂直に積み重ねられる。装置152−156のそれぞれはナノ粒子が分散しているバルクヘテロ接合を含み、そして例えば上記のいずれかの放射線検出装置、例えば上記放射検出装置1、10、120、130と140であってもよい。注意すべきものとして、図15に示すように、装置152、154及び156は必ずしも物理的な接触を必要としない。
図16に例示的な実施例による、一般的に図面記号160で示され、上記装置150と類似する放射線検出装置が示される。放射線検出装置160は、図16に示すように水平に取り付けられた第一の装置162と第二の装置164を含む。装置162及び164のそれぞれはナノ粒子が分散しているバルクヘテロ接合を含み、そして例えば上記のいずれかの放射線検出装置、例えば上記放射検出装置1、10、120、130と140であってもよい。注意すべきものとして、図16に示すように、装置162及び164は必ずしも物理的な接触を必要としない。
放射検出装置150及び160は全て直列又は並列に接続された放射線検出装置アレイを提供する。アレイの様々な検出装置は異なってもよく、例えば異なるナノ粒子を含む。このようにして、アレイ内の異なる放射線検出装置を調整して異なる放射線タイプを検出することができる。放射線検出装置150では、第二の装置154は第一の装置152を通過する放射線のみを受信することができる(第三の装置156は第一の装置及び第二の装置を通過する放射線のみを受信する)。
図17に例示的な実施例による、一般的に図面記号170で示される放射線検出装置が示される。放射線検出装置170は、タイル状に配置された複数の放射線検出装置を含む。ブロックは「画素」を形成することができる。(例えば、ナノ粒子サイズ及び/又は材料を選択することで)少なくともいくつかのブロックを異なる放射タイプに調整することができる。いくつかの構成では、いくつか又は全てのブロックを同じ放射タイプに調整することができる。放射線検出装置170は、例えば検出器の平面図であってもよい。図17に示すように、装置170を形成する様々な検出器は必ずしも物理的接触を必要としない。
いくつかの実施例では、放射検出装置170は放射線イメージャーと呼ばれてもよい。放射線イメージャーは適切な読み出し電子機器を含むことができる。このような放射線イメージャーは、以下に記載されるように、多くの潜在的用途を有する。
・イメージャーは軟質裏地(例えば基板、プラスター)上に製造され、そして例えば着用可能な健康モニタリング用途に用いられてもよい。例えば、創傷領域又は骨損傷が検出された領域又は癌性組織が存在する領域に使用者によって装着されたパッチを想定することができる。各検出器画素の高感度のため、小さなX線ソースを使用して創傷治癒、骨折又は癌性組織のいずれかの変化を定期的に観察することができる。
・イメージャーはさらに環境内に存在してはならない金属物体を監視することに用いられてもよい。例えば、これらのイメージャーは食品包装業界に用いられて食品中の潜在的な金属汚染物質を識別することができる。また、マルチチャネル分析技術又は他の適切な技術を使用することにより、イメージャーはさらにどの要素が存在すか、それらがどこに配置されているかをレンダリングすることに用いられてもよい。
・一例として、該技術は、空港、港湾及び疑わしい爆弾現場でのセキュリティスクリーニング活動に拡張することができる。
・該技術は、製造期間に又は動作中の部品もしくは機械部品をシステム自体に統合させることで、指定された評価期間内の非破壊的評価に用いられる健康な機械部品をリアルタイムで監視することができる。イメージャーの潜在的な柔軟性により、X線フィルムの利点(画像の形状において非常に小さな制限を有する)を使用することが可能となるが、該X線フィルムがデジタル形態(リアルタイムイメージングが不可能なフィルムでなく、リアルタイムイメージングが可能なフィルム)である。
・検出器とイメージャーは学術研究に適用する
上記用途はX線を使用ことに限定されず、他の形態の電離放射線を使用することもできることに適用する。
検出器を製造する時に、第一の材料と第二の材料(例えば正孔伝送有機半導体(又は複数の正孔伝送半導体)及び電子伝送半導体(又は複数の電子伝送半導体)とナノ粒子の混合物からなる溶液は次のとりである:
・溶液印刷とコーティング技術を使用して溶液から直接堆積し、例えば軟質又は硬質基板にスロットダイコーティング、ブレードコーティング、グラビア印刷、フレキソ印刷、ドロップキャスティング、3D印刷、インクジェット印刷、スプレーコーティング、ディップコーティングするがこれらに限定されない。また、これらのインクはコーティングライン又はフィラメントに用いられてもよい。
・熱蒸着、化学蒸着、パルスレーザーアブレーション、スパッタリングコーティング技術により基板に直接堆積する。
・以下の処理により独立した粒子又はブロックを形成し、即ち有機半導体とナノ粒子に溶解できないが、使用される有機溶媒の少なくとも部分と混和する貧溶媒を導入し、システムからの使用される材料を得る。次に残りの溶媒を蒸発させて乾燥粉末を得て、必要ならば、それをプレスして焼結し、独立した固体粒子を形成することができる。
・半導体を含有するインクが適切な圧力に維持された低真空システムに高圧で噴射されてもよく、該適切な圧力で溶媒を蒸発して粉末を収集する。次に粉末を圧縮し独立した粒子を形成する。又は
・粒子を、X線撮像装置の下で説明されているように、適切な電気接触材料又はバッキングプレートからなる基板に圧縮することができる。
さらにX線検出器のフィラメントを例えば押出し又は静電紡糸により形成するように、インクの物理的性質を調整することができる。
以下に第一の材料及び第二の材料(即ち正孔及び電子伝送材料)とナノ粒子として用いられる例示的な材料のテーブルを(例で)提供する。
例示的な正孔伝送材料:
[表1]
例示的な電子伝送材料
[表2]

例示的な放射線減衰材料(即ち、ナノ粒子として):
[表3]
以下の記載は、本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態のいくつかの興味がある方面をまとめる。
単一の電離放射線/ナノ粒子相互作用イベントにおいて電離放射線を停止して自由電子と正孔を生成する能力を有する高原子番号ナノ粒子(例えば、Z>45)が一般的に使用される。
本明細書で定義されるようなナノ粒子は、一般的にASTM E2456−06定義に従い、ここで一つ又は2つのサイズが1−100nmの範囲にある。最小ナノ粒子サイズが励起子ボーア半径の2倍より大きく、該励起子ボーア半径より小さいと、ナノ粒子は、エネルギーレベル(即ち量子ドット)の定量化を示し、電離放射線と相互作用を行う時に間接的挙動を表示する(例えば電離放射線の相互作用により、電子及び正孔伝送有機半導体によって抽出された自由キャリアを生成することなく、光が放出される)。
検出器の性能は一般的にナノ粒子のサイズに依存する。ナノ粒子のサイズが電離放射線の波長よりも大きいため、後者は散乱(例えばミ−散乱)を受け、その結果経路長が増大する。粒径が上記限界値の上限に近づく場合、この散乱効果が増大する。しかしながら、電荷抽出が一般的にナノ粒子のサイズ10−15nmの深さの位置に発生するため、堆積したX線エネルギーの大部分は、熱に変換される。他方では、サイズが上記サイズの下限値に近いほど電荷抽出は有効であるが、散乱効果が著しく低下する。したがって、粒径が30〜50nmの範囲にある場合で好ましい(例えばX線照射の場合)、上述したように、他のサイズも可能である。電離放射線散乱効果により、本明細書で定義されるようなナノ粒子の使用はさらにX線の広帯域検知(例えば、1keV以上のX線の検出)を可能にする。また、現在の直接X線検出器の感度は非常に狭いエネルギー範囲に制限されている(例えば、非晶質セレンが最も広く使用されている直接X線検出器材料の一つであり、50keVを超えるエネルギーのX線を検出できない)。
本明細書に記載される放射線検出器は、少なくとも2つの有機半導体からなるインクを使用することができ、固体半導体に処理する場合、一方は正電荷(正孔)を優先的に伝送し、他方は負電荷(電子)を優先的に伝送して電気接点を分離する。有機光起電力デバイス及び光検出器(UVから電磁スペクトルまでの近赤外線部分を検出する)の分野では、上記のような有機半導体の混合物が使用される。該混合物は一般的にバルクヘテロ接合(BHJ)と呼ばれる。UVから電磁スペクトルまでの近赤外線部分のエネルギー範囲内の光子の相互作用により、束縛電子及び正孔が形成され、励起子と呼ばれる。有機光起電力デバイスと光検出器において、電子及び正孔伝送有機半導体(一般的にレセプター相とドナー相と呼ばれ、特に励起子に基づくシステムの場合のみ)によって掃除する前に励起子を自由電荷に分解(解離)するように、このようなBHJ構造は必要である。本明細書に記載される有機半導体の混合物は本明細書に記載される直接放射線検出器における励起子解離プロセスに関与しないが(励起子形成がないため)、内蔵された電場の形成を考慮し、前記組み合わせは依然としてボディへテロ接合と呼ばれてもよい。又は、同じバルクヘテロ接合は、p−n接合、相互侵入p−n接合、電子伝送相と正孔伝送相を浸透する相互侵入ネットワーク又はドナー(正孔伝送有機半導体を指す)−アクセプター(電子伝送有機半導体を指す)システムと呼ばれてもよい。
以上に強調された電荷伝送電荷移動を妨害しない限り、使用される有機半導体の数を増やすことができる。また、本明細書で確定された有機半導体は、ポリマー、小分子、0次元、1次元、2次元又は3次元構造であってもよい。
上記有機半導体を選択することもでき、このようにして有機半導体の組み合わせ又は有機半導体とナノ粒子の組み合わせにより、内蔵型電界が形成され、該電界で、入射X線とナノ粒子が相互作用を行う時に生成された自由電子と正孔を駆動して電気接点を分離し、それによって電気信号を生成する(外部バイアス電圧がない場合でも)。言い換えれば、外部電界がない場合でも、上記有機半導体の組み合わせを使用することで、完全空乏型ダイオードを実現することができる。
本明細書に開示される実施形態では、高原子番号(Z)ナノ粒子及び正孔を伝送するための少なくとも一つの材料(例えば有機半導体)と電子を伝送するための少なくとも一つの材料(例えば有機半導体)からなる検出器が説明され、該ナノ粒子が単一のステップで電離放射線と相互作用を行う時に自由電子と正孔を直接生成する。使用される電子及び正孔伝送材料(例えば有機半導体)の混合物は、(外部バイアス電圧がない場合でも)X線によって発生した自由キャリアを抽出することができる。
使用されるナノ粒子は、単一の材料タイプのものであってもよく、又は異なる高Z材料からなるナノ粒子の混合物であってもよい。単一のナノ粒子は、電子及び正孔の両方の抽出が妨げられ且つ単一のナノ粒子内の材料が量子ドットの性質を示さないように材料が選択される限り、2つの高Z材料から構成することもできる。一つの高Z材料を別の高Z材料に積層することは、ナノ粒子自体でも、電場が電離放射線と相互作用を行う時に直接発生した電荷を効果的に抽出することができるという方式で行われてもよい。
固体状態検出器の製造は、ナイフコーティング、スロットダイコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、スプレーコーティング、スピンコーティング、ドロップキャスティングなどの技術を使用してインクを直接コーティングすることによって行われてもよい。また、固体検出器は、有機半導体粉末を調製することで製造されてもよく、前記有機半導体粉末がインクに貧溶媒を添加することで得られ、これにより、有機半導体−ナノ粒子混合物が沈殿し、次に回転蒸発により溶媒を除去し、空気又は真空乾燥で乾燥し、粉末を得る。該粉末を任意の所望のサイズに圧縮し、固体ディスク/粒子/プレート/ブロック/ウェハを形成し、それが適切な電気接点と組み合わせ、異なる表面又は同じ表面の異なる領域又は両者の組合せで電子及び正孔を選択的に抽出することに用いられ、それによって全体が直接電離放射線検出器として作用することができる。
覆われた金属被覆層を使用して電子及び正孔を抽出することにより、システムは、該溶液を使用して調製された被覆層又は該粉末を使用して製造された固体の単一検出器素子として表現されてもよい。インクはCCD又はCMOSバックプレーン読み出しシステムに堆積され、次に、ナノ粒子混合物の表面に単一の金属被覆層が堆積されたX線感光性有機半導体、又はナノ粒子混合物にパターン化金属被覆層が堆積された有機半導体に存在し、これによりX線イメージャーを製造することができる。粉末の場合、インクをCCD又はCMOSバックプレーンに圧縮し、次にナノ粒子混合物の表面に単一の金属被覆層が堆積されたX線感光性有機半導体又はナノ粒子混合物にパターン化金属被覆層が印加された有機半導体に位置させることにより、X線イメージャーを製造することができる。上記の2つの場合でも、バックプレーン電子機器は個別に配置されてもよい(即ち電離放射線を有する位置線に存在しない)が、一つの検出器表面上のパターン化金属接点が読み出し電子機器の様々な位置に電気的に接触することができる。
本明細書に記載される少なくともいくつかの実施例の興味がある態様は、以下を含む。
・電荷を直接変換する適切なサイズの範囲で高Zナノ粒子を選択する。注意すべきものとして、全ての高Z材料は、X線を電荷に直接変換するための適切なシステムとして機能するわけではなく、例えばX線シンチレータの場合で、それらはX線が可視光に変換される高Z材料である。
・ナノ粒子サイズの選択により、(i)電離放射線のミー散乱(例えばミ−散乱)を実現することができ、(ii)間接的な検出効果が回避され(サイズが量子ドット範囲内にあるため、又は材料がシンチレータとして表現されるため)、(iii)生成した自由陽子と電子を効果的に抽出することができる。
・散乱効果が一般的に1keVを超える全てのX線エネルギーに適用可能であるため、検出器は広帯域応答を有する。
・少なくとも2つの有機半導体が使用され、そのうちの一つの有機半導体が優先的に正孔を伝送し、別の有機半導体が電子を伝送する。
・上記有機半導体システムを使用する場合、外部バイアス電圧がなくても、装置内に内蔵電界を発生させることができ、これにより検出器が動作することができる。
・必要ならば、本明細書で説明した異なる機能は、異なる順序で実行されてもよく、及び/又は互いに同時に実行されてもよい。また、必要ならば、上記機能のうちの一つもしくは複数は任意に選択されてもよく、又は組合わせられてもよい。同様に、図4のフローチャートが単なる一例であり、そしてそこに記載されている様々な動作が省略され、新たにソートされてもよく、及び/又は組み合わせられてもよいことは理解すべきである。
上記の例示的な実施例は純粋に例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではないことは理解すべきである。本明細書を読んだ後、他の変形と変更は当業者にとって明らかである。
また、本出願の開示内容は、本明細書で明示的又は黙示的に開示された任意の新規な特徴又は特徴の任意の新規な組み合わせ又はその任意の概要を含むと理解されるべきであり、そして本明細書又はそれから派生した任意の出願の審査期間に、新しい特許請求の範囲は、いずれかのこのような特徴及び/又はこれらの特徴の組み合わせを網羅するように定式化されてもよい。
本発明の様々な態様は独立した請求項に記載されているが、本発明の他の態様は、請求項に明確に記載された組み合わせだけでなく、説明された実施例及び/又は従属請求項からの特徴と独立した請求項の特徴との他の組み合わせを含む。
また、注意すべきものとして、本明細書において、以上に様々な例を説明したが、これらの説明は限定的であると見なされるべきではない。しかしながら、添付の特許請求の範囲によって限定された本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの変形と変更を行うことができる。

Claims (27)

  1. 正電荷を伝送するための第一の材料と負電荷を伝送するための第二の材料を含み、前記第一の材料と第二の材料が前記ネットワーク内に分散して複数の電気接合部を形成するネットワークと、
    ナノ粒子であって、前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズが前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズが100nmより小さく、ここで、使用する時に、前記ナノ粒子が入射放射線を、それぞれ前記第一の材料及び第二の材料を通って伝送するように自由な正電荷及び負電荷に変換する、前記ネットワーク内に分散する複数のナノ粒子とを備える、装置。
  2. 前記ナノ粒子は入射放射線を減衰させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記ナノ粒子は、放射線−ナノ粒子相互作用イベントにおいて前記放射線を正電荷及び負電荷に変換することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズは、20nm〜100nmであることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記ナノ粒子の原子番号は少なくとも45であることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記ナノ粒子は一つ又は複数の金属酸化物から形成されることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記第一の材料及び第二の材料は有機半導体であることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記ネットワークはバルクヘテロ接合であることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記放射線は、α粒子、β粒子、中性子、X線及びγ線のうちの一つ又は複数を含むことを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記ナノ粒子のサイズ及び/又は材料は、前記装置によって検出されることを意図する放射線の形態に応じて選択されることを特徴とする上記請求項のいずれか一項に記載の装置。
  11. 第一の電極と、
    第二の電極と、
    前記第一の電極と第二の電極の間に挟まれている請求項1−10のいずれか一項に記載の装置とを備える、放射線検出器。
  12. 電流測定装置をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の放射線検出器。
  13. 電圧ソースをさらに備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の放射線検出器。
  14. リアルタイムデータをリモートコンピュータに伝送することができる無線送信機をさらに備えることを特徴とする請求項11−13のいずれか一項に記載の放射線検出器。
  15. 放射線レベルを示すためのディスプレイをさらに備えることを特徴とする請求項11−14のいずれか一項に記載の放射線検出器。
  16. 請求項11−15のいずれか一項に記載の複数の放射線検出器を備える、システム。
  17. 前記複数の放射線検出器のうちの少なくともいくつかは異なるタイプの放射線を検出し、及び/又は特定の放射線の異なるエネルギーを識別するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  18. 前記放射線検出器又は各放射線検出器は、硬質裏地又は軟質裏地に統合される請求項11−15のいずれか一項に記載の放射線検出器又は請求項16もしくは17に記載のシステム。
  19. 入射放射線を自由な正電荷及び負電荷に変換するために、請求項1−10のいずれか一項に記載の装置、請求項11−15もしくは18のいずれか一項に記載の放射線検出器、又は請求項16−18のいずれか一項に記載のシステムを使用することと、
    前記正電荷及び負電荷から生じる特徴を記録することとを含む、方法。
  20. 放射線−ナノ粒子相互作用イベントにおいて前記入射放射線を正電荷及び負電荷に変換することをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記装置に電圧を印加することに応じて電流が発生することを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
  22. 記録された電流を放射線レベルの推定値に変換することをさらに含むことを特徴とする請求項19−21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 半導体を一つ又は複数の有機溶媒に溶解し、正電荷の伝送に適する第一の材料及び負電荷の伝送に適する第二の材料を形成することと、
    前記溶解したポリマーに複数のナノ粒子を添加してマトリックスを形成し、ここで前記ナノ粒子の少なくとも一つのサイズが前記ナノ粒子の励起子ボーア半径の2倍より大きく、そして少なくとも一つのサイズが100nm未満であることとを含む、方法。
  24. 前記マトリックスを基板に印加することをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記基板への前記マトリックスの印加は、ナイフコーティング、スロットダイコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、スプレーコーティング、スピンコーティング、ドロップキャスティングと3D印刷のうちの一つ又は複数を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 前記マトリックスを一つもしくは複数の粒子又はブロックに形成することをさらに含むことを特徴とする請求項23−25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 使用中、前記ナノ粒子は、入射放射線を、それぞれ前記第一の材料及び第二の材料を通って伝送するように自由な正電荷及び負電荷に変換することを特徴とする請求項23−26のうちのいずれか一項に記載の方法。
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