JP2019215550A - 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物を重合してなる光学フィルムであって、波長450nmの位相差値Re(450)および波長550nmの位相差値Re(550)が、Re(450)/Re(550)≦1.009を満足する、光学フィルム。P−F−(B−A)k−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B−F−P(1)[式(1)中、P及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法に関する。
フラットパネル表示装置(FPD)には、偏光板、位相差板などの光学フィルムを用いた部材が含まれている。光学フィルムには、たとえば、重合性化合物を溶剤に溶かして得られる溶液を、支持基材に塗布後、重合して得られる光学フィルムなどが挙げられる。そして、波長λnmの光が与える光学フィルムの位相差(Re(λ))は、複屈折率Δnとフィルムの厚みdとの積で決定されることが知られている(Re(λ)=Δn×d)。また波長分散特性は、通常、ある波長λにおける位相差値Re(λ)を550nmにおける位相差値Re(550)で除した値(Re(λ)/Re(550))で表され、(Re(λ)/Re(550))が1に近い波長域や、[Re(450)/Re(550)]<1かつ[Re(650)/Re(550)]>1の逆波長分散性を示す波長域では、一様の偏光変換が可能であることが知られている。
たとえば、該重合性化合物としては、LC242(BASF社製)が市販されている(非特許文献1)。
Figure 2019215550
Cordula Mock-Knoblauch, Olivier S. Enger, Ulrich D. Schalkowsky、"L-7 Novel Polymerisable Liquid Crys talline Acrylates for the Manufacturing of Ultrathin Optical Films"、SID Symposium Digest of Technical Papers、2006年、37巻、p.1673
本発明の課題は、広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを与える新しい化合物を提供することである。
本発明は、式(1)で表される化合物である。
−F−(B−A−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B−F−P (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
及びDは、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−R−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、又は−NR−CO−を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
、E、B及びBは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
本発明の化合物によれば、広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを与えることができる。
本発明の化合物(以下「化合物(1)」という場合がある)は、式(1)で表される。
−F−(B−A−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B−F−P (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
及びDは、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−R−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、又は−NR−CO−を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
、E、B及びBは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
化合物(1)は、式(2)及び式(3)で表される要件を充足することが好ましい。
(Nπ−4)/3<k+l+4 (2)
12≦Nπ≦22 (3)
[式(2)及び式(3)中、Nπ、k及びlは上記と同じ意味を表す。]
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環等が挙げられ、芳香族複素環としては、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環等が挙げられる。なかでも、ベンゼン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
Arは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基であって、該2価の基中に含まれる芳香環のπ電子の合計数Nπは、12以上であり、好ましくは12以上、22以下であり、より好ましくは、13以上、22以下である。
Arは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも二つの芳香環を有する2価の基であることが好ましい。
式(1)中、Arが式(Ar−1)〜式(Ar−13)で表されるいずれかの2価の基であることが好ましい。
Figure 2019215550
[式(Ar−1)〜式(Ar−13)中、Zは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
及びQは、それぞれ独立に、−CR−、−S−、−NR−、−CO−又は−O−を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
、Y及びYは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
及びWは、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、メチル基又はハロゲン原子を表す。
mは、0〜6の整数を表す。
nは、0〜2の整数を表す。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシル基スルフィニル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルスルフィニル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルスルフィニル基がより好ましく、メチルスルフィニル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルスルホニル基がより好ましく、メチルスルホニル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
炭素数1〜6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜2のアルキルチオ基がより好ましく、メチルチオ基が特に好ましい。
炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−sec−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基等が挙げられ、炭素数1〜4のN−アルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜2のN−アルキルアミノ基がより好ましく、N−メチルアミノ基が特に好ましい。
炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基等が挙げられ、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数2〜4のN,N−ジアルキルアミノ基がより好ましく、N,N−ジメチルアミノ基が特に好ましい。
炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基としては、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基等が挙げられ、炭素数1〜4のN−アルキルスルファモイル基が好ましく、炭素数1〜2のN−アルキルスルファモイル基がより好ましく、N−メチルスルファモイル基が特に好ましい。
炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基としては、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−メチル−N−エチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N,N−ジイソプロピルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジイソブチルスルファモイル基、N,N−ジペンチルスルファモイル基、N,N−ジヘキシルスルファモイル基等が挙げられ、炭素数2〜8のN,N−ジアルキルスルファモイル基が好ましく、炭素数2〜4のN,N−ジアルキルスルファモイル基がより好ましく、N,N−ジメチルスルファモイル基が特に好ましい。
は、ハロゲン原子、メチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチルチオ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチルスルファモイル基またはN,N−ジメチルスルファモイル基であることが好ましい。
およびRにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
は、−S−、−CO−、−NH−、−N(CH)−であることが好ましく、Qは、−S−、−CO−であることが好ましい。
、YおよびYにおける芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。芳香族複素環基としては、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一つ含み、炭素数4〜20の芳香族複素環基が挙げられ、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジニル基、チアゾリル基が好ましい。
かかる芳香族炭化水素基および芳香族複素環基は、少なくとも一つの置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基等が挙げられ、ハロゲン原子、炭素数1〜2のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜2のアルキルスルホニル基、炭素数1〜2のフルオロアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキルチオ基、炭素数1〜2のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜4のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜2のアルキルスルファモイル基が好ましい。
ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基および炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
、Y及びYが、それぞれ独立に、式(Y−1)〜式(Y−6)で表されるいずれかの基であることが好ましい。
Figure 2019215550
[式(Y−1)〜式(Y−6)中、Zは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基または炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基を表す。
は、0〜5の整数、aは、0〜4の整数、bは、0〜3の整数、bは、0〜2の整数、Rは、水素原子又はメチル基を表す。]
としては、ハロゲン原子、メチル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基、カルボキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、チオメチル基、N,N−ジメチルアミノ基又はN−メチルアミノ基が好ましい。
さらにY、Y及びYが、それぞれ独立に、式(Y−1)又は式(Y−3)で表される基であることが、化合物(1)の製造工程やコストの点で特に好ましい。
及びWが、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
mは0または1であることが好ましい。nは0であることが好ましい。
式(1)中、Arが、式(Ar−6a)、式(Ar−6b)、式(Ar−6c)、式(Ar−10a)又は(Ar−10b)で表される2価の基であることがより好ましい。
Figure 2019215550
[式(Ar−6a)〜式(Ar−6c)、式(Ar−10a)及び式(Ar−10b)中、Z,n,Q,Z,a及びbは、上記と同じ意味を表す。]
Arの例を式(ar−1)〜式(ar−189)に示す。
式(Ar−1)〜式(Ar−4)で表される基の具体例として、式(ar−1)〜式(ar−29)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−5)で表される基の具体例として、式(ar−30)〜式(ar−39)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−6)又は式(Ar−7)で表される基の具体例として、式(ar−40)〜式(ar−119)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
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式(Ar−8)又は式(Ar−9)で表される基の具体例として、式(ar−120)〜式(ar−129)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−10)で表される基の具体例として、式(ar−130)〜式(ar−149)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−11)で示される基の具体例としては、式(ar−150)〜式(ar−159)で示される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−12)で表される基の具体例として、式(ar−160)〜式(ar−179)で表される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
Figure 2019215550
式(Ar−13)で示される基の具体例としては、式(ar−180)〜式(ar−189)で示される基が挙げられる。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
およびDが、*−O−CO−、*−O−C(=S)−、*−O−CR−、*−NR−CR−または*−NR−CO−(*はArとの結合部位を表わす。
)であることが好ましい。DおよびDが、*−O−CO−、*−O−C(=S)−または*−NR−CO−(*はArとの結合部位を表わす。)であることがより好ましい。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基であることがより好ましい。
及びGとしては、式(g−1)〜式(g−10)で示されるヘテロ原子を含んでもよい脂環式炭化水素基が挙げられ、5員環又は6員環の脂環式炭化水素基であることが好ましい。
Figure 2019215550
上記式(g−1)〜(g−10)で示される基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基;トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜4のフルオロアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
及びGとしては、式(g−1)で表される6員環からなる脂環式炭化水素基であることが好ましく、1,4−シクロヘキシレン基であることがさらに好ましく、trans−1,4−シクロへキシレン基であることが特に好ましい。
及びAにおける2価の脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基としては、上記式(g−1)〜式(g−10)で表される5員環又は6員環などからなる脂環式炭化水素基や、式(a−1)〜式(a−8)で表される炭素数6〜20程度の2価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
Figure 2019215550
なお、A及びAとして、前記例示された基の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、i−プロピル基又はt−ブチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基;メトキシ基又はエトキシ基などの炭素数1〜4程度のアルコキシ基;トリフルオロメチル基;トリフルオロメチルオキシ基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子又は臭素原子などのハロゲン原子に置換されていてもよい。
及びAとしては、特に、いずれも同種類の基であると、化合物(1)の製造が容易であることから好ましい。またA及びAとしては、単環の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であると好ましく、化合物(1)の製造が容易なことから、特に1,4−フェニレン基が好ましい。
及びBは、同じ種類の2価の基であると、化合物(1)の製造が容易なことから好ましい。さらに化合物(1)の製造がより容易なことから、B及びBのうち、A及びAのみと結合しているB及びBが、それぞれ独立に、−CH−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−O−CH−、−CH−O−又は単結合であることが好ましく、特に高い液晶性を示すことから、−CO−O−又は−O−CO−が好ましい。B及びBのうち、E又はEと結合しているB及びBが、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−又は単結合であることがより好ましい。
k及びlは、液晶性の観点から、それぞれ独立に、0〜3の整数を表すことが好ましく、k及びlは0〜2であることがより好ましい。k及びlの合計は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。P及びPが両方とも重合性基であると、得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があることから好ましい。
重合性基とは、本発明の化合物(1)を重合させることのできる置換基であり、具体的には、ビニル基、p−スチルベン基、アクリロイル基、メタクロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクロイルオキシ基、カルボキシル基、メチルカルボニル基、水酸基、アミド基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基などが例示される。また重合性基には、上記例示の基とE及びEを結合するために、B及びBとして示される基が含まれていてもよい。たとえば光重合させるのに適した、ラジカル重合性、カチオン重合性基が好ましく、特に取り扱いが容易な上、製造も容易であることからアクリロイル基又はメタクロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。P及びPがいずれも重合性基であると、得られる光学フィルムの膜硬度が優れる傾向があることからより好ましい。
−D−G−E−(A−B−F−P、−D−G−E−(A−B−F−Pの具体的例としては、式(R−1)〜式(R−134)で表される基が挙げられる。*(アスタリスク)は、Arとの結合位置を示す。また式(R−1)〜式(R−134)におけるnは2〜12の整数を表す。
Figure 2019215550
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さらに化合物(1)としては、化合物(i)〜化合物(xxxiv)が挙げられる。表中のR1は、−D−G−E−(A−B−F−Pを、R2は、−D−G−E−(A−B−F−Pを表す。
Figure 2019215550
なお、化合物(xxx)および化合物(xxxi)においては、式(1−A)で示される基および式(1−B)で示される基のうちのいずれか一方は、(R−57)〜(R−120)のいずれかである。
上記表1中、化合物(xvii)は、Arで示される基が式(ar−78)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−79)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−78)で示される基である化合物と式(ar−79)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味する。
上記表2中、化合物(xxx)は、Arで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−121)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−120)で示される基である化合物と式(ar−121)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味し、化合物(xxxi)は、Arで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物、Arで示される基が式(ar−123)で示される基である化合物またはArで示される基が式(ar−122)で示される基である化合物と式(ar−123)で示される基である化合物との混合物のいずれかであることを意味する。
さらに表1の化合物(i)、化合物(ii)、化合物(iv)、化合物(v)、化合物(vi)、化合物(ix)、化合物(x)、化合物(xi)、化合物(xvi)、化合物(xviii)、化合物(xix)、化合物(xx)、化合物(xxi)、化合物(xxiii)、化合物(xxiv)、化合物(xxv)、化合物(xxvi)、化合物(xxvii)、、化合物(xxviii)、及び、化合物(xxix)の代表的な構造式を式(ii−1)、式(iv−1)、式(v−1)、式(v−2)、式(v−3)、式(v−4)、式(v−5)、式(vi−1)、式(ix−1)、式(x−1)、式(xi−1)、式(xvi−1)、式(xix−1)、式(xx−1)、式(xxi−1)、式(xxiii−1)、式(xxiv−1)、式(xxv−1)、式(xxvi−1)、式(xxvii−1)、式(xxviii−1)、式(xxix−1)、式(xxxii−1)、及び、式(xxxiv−1)に例示する。本発明の光学フィルムにおいて、異なる複数の種類の化合物(1)を用いてもよい。
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化合物(1)として、さらに、例えば以下のものが例示される。ただし、式中n1及びn2は、それぞれ独立に2〜12の整数を示す。
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化合物(A)の製造方法について、化合物(1)を例にして、以下説明する。
化合物(1)は、Methoden der Organischen Chemie、Organic Reactions、Organic Syntheses、Comprehensive Organic Synthesis、新実験化学講座等に記載されている公知の有機合成反応(例えば、縮合反応、エステル化反応、ウイリアムソン反応、ウルマン反応、ウイッティヒ反応、シッフ塩基生成反応、ベンジル化反応、薗頭反応、鈴木−宮浦反応、根岸反応、熊田反応、檜山反応、ブッフバルト−ハートウィッグ反応、フリーデルクラフト反応、ヘック反応、アルドール反応など)を、その構造に応じて、適宜組み合わせることにより、製造することができる。
例えば、DおよびDが*−O−CO−である化合物(1)の場合には、式(1−1)
Figure 2019215550
(式中、Arは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物と式(1−2)
Figure 2019215550
(式中、R、R、G、E、A、B、F、Pおよびkは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とを反応させることにより、式(1−3)
Figure 2019215550
(式中、Ar、R、R、G、E、A、B、F、Pおよびkは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物を得、得られた式(1−3)で示される化合物と式(1−4)
Figure 2019215550
(式中、R、R、G、E、A、B、F、Pおよびlは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
式(1−1)で示される化合物と式(1−2)で示される化合物との反応および式(1−3)で示される化合物と式(1−4)で示される化合物との反応は、エステル剤の存在下に実施することが好ましい。
エステル化剤(縮合剤)としては、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメト−パラ−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(一部水溶性カルボジイミド:WSCとして市販されている)、ビス(2、6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ビスイソプロピルカルボジイミド、などのカルボジイミド、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、ジフェニルホスフォリルアジド、1(4−ニトロベンゼンスルフォニル)−1H−1、2、4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボレート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−カルボベンゾキシスクシンイミド、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェート、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド、2−クロロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート、2−フルオロ−1−メチルピリジニウム パラートルエンスルホネート、トリクロロ酢酸ペンタクロロフェニルエステル、が挙げられる。反応性、コスト、使用できる溶媒の点から、縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩、ビス(2、6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ビスイソプロピルカルボジイミド、2,2’−カルボニルビス−1H−イミダゾールがより好ましい。
本発明の組成物とは、式(A)で表される基及び重合性基を含む化合物(以下「化合物(A)」という場合がある)と、液晶化合物(ただし、化合物(A)とは異なる)とを含有する組成物である。
−G−D−Ar−D−G− (A)
[式(A)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπaは、12以上である。
及びDは、それぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−O−CO−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、又は−NR−CO−を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。]
液晶化合物の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の3章 分子構造と液晶性の、3.2 ノンキラル棒状液晶分子、3.3 キラル棒状液晶分子に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物が挙げられる。
液晶化合物として、異なる複数の化合物を併用してもよい。
液晶化合物としては、例えば、式(4)で表される化合物(以下「化合物(4)」という場合がある)等が挙げられる。
11−E11−(B11−A11−B12−G (4)
[式(4)中、A11は、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素環基を表し、該芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、ニトロ基、ニトリル基又はメルカプト基に置換されていてもよい。
11及びB12は、それぞれ独立に、−CR1415−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH−CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=S)−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR14−、−NR14−C(=O)−、−OCH−、−OCF−、−NR14−、−CHO−、−CFO−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−又は単結合を表す。R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R14及びR15が連結して炭素数4〜7のアルキレン基を構成してもよい。
11は、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
11は、重合性基を表す。
Gは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のアルキルアミノ基、ニトリル基、ニトロ基であるか、炭素数1〜12のアルキレン基を介して結合する重合性基を表し、該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。
tは、1〜5の整数を表す。]
特に、P11及びGにおける重合性基としては、化合物(A)と重合することができる基であればよく、ビニル基、ビニルオキシ基、p−スチルベン基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクロイル基、メタクロイルオキシ基、カルボキシル基、アセチル基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、ホルミル基、−N=C=Oまたは−N=C=S等が挙げられる。なかでも、光重合に適するという点で、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易で、液晶化合物の製造も容易であるという点で、アクリロイルオキシ基、メタクロイルオキシ基またはビニルオキシ基が好ましい。
また、A11の芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び複素環基の炭素数は、それぞれ、例えば3〜18であり、5〜12であることが好ましく、5又は6であることが特に好ましい。
化合物(4)としては、例えば、式(4−1)及び式(4−2)で表される化合物が挙げられる。
P11-E11-(B11-A11)t1-B12-E12-P12 (4−1)
P11-E11-(B11-A11)t2-B12-F11 (4−2)
[式(4−1)及び式(4−2)中、P11、E11、B11、A11、B12は上記と同義である。
11は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のフルオロアルキル基、炭素数1〜13のアルキルアミノ基、ニトリル基、ニトロ基を表す。
12は、E11と同義である。
12は、P11と同義である。
及びtはtと同義である。]
さらに、これら式(4−1)及び(4−2)で表される化合物として、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)又は式(V)で表される化合物を含む。
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-A15-B16-E12-P12 (I)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-A14-B15-E12-P12 (II)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-E12-P12 (III)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-A13-B14-F11 (IV)
P11-E11-B11-A11-B12-A12-B13-F11 (V)
[式(I)〜式(V)中、A12〜A15は、A11と同義であり、B13〜B16は、B11と同義である]。
なお、式(4−1)、式(4−2)、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)で表される化合物においては、P11とE11との組み合わせを適宜選択することにより、さらにP12とE12との組み合わせを適宜選択することにより、両者がエーテル結合又はエステル結合を介して結合されていることが好ましい。
化合物(4)の具体例としては、たとえば以下の式(I−1)〜式(I−5)、式(II−1)〜式(II−6)、式(III−1)〜式(III−19)、式(IV−1)〜式(IV−14)、式(V−1)〜式(V−5)で表される化合物などが挙げられる。ただし、式中kは、1〜11の整数を表す。これらの液晶化合物であれば、合成が容易であり、市販されているなど、入手が容易であることから好ましい。
Figure 2019215550
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また液晶化合物の使用量は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、90重量部以下である。
本発明の組成物は、さらに重合開始剤を含有する組成物であることが好ましい。重合開始剤は、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、たとえばベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩等が挙げられ、より具体的には、イルガキュア(Irgacure)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP−152又はアデカオプトマーSP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)などを挙げることができる。
また重合開始剤の使用量は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、化合物(A)を重合させることができる。
本発明の光学フィルムとは、光を透過し得るフィルムであって、光学的な機能を有するフィルムをいう。光学的な機能とは、屈折、複屈折などを意味する。光学フィルムの一種である位相差フィルムは、直線偏光を円偏光や楕円偏光に変換したり、逆に円偏光又は楕円偏光を直線偏光に変換したりするために用いられる。
本発明の光学フィルムは、式(A)で表される基及び重合性基を含む化合物を重合してなる。式(A)で表される基が、式(B)で表される基であることが好ましく、式(C)で表される基であることがより好ましく、式(1)で表される基であることが特に好ましい。
−E−G−D−Ar−D−G−E− (B)
[式(B)中、Ar、D、D、GおよびGは上記と同じ意味を表し、EおよびEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
−(B−A−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B− (C)
[式(C)中、Ar、D、D、G、G、EおよびEは上記と同じ意味を表す。
およびBは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。RおよびRは上記と同一の意味を表す。
およびAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。kおよびlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
−F−(B−A−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B−F−P (1)
[式(1)中、Arは芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
及びDは、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−、−CR−O−CR−、−CR−O−CO−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−R−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−、−CR−NR−、−CO−NR−、又は−NR−CO−を表す。R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基に置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−又は−NH−に置換されていてもよい。
、E、B及びBは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−C(=S)−O−、−O−C(=S)−、−O−C(=S)−O−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−CH−、−CH−O−、−S−CH−、−CH−S−又は単結合を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
及びAは、それぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4アルコキシ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていてもよい。該炭素数1〜4のアルキル基及び該炭素数1〜4アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
k及びlは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
本発明の光学フィルムの波長分散特性は、光学フィルムにおける化合物(A)に由来する構造単位の含有量によって、任意に決定することができる。光学フィルムにおける構造単位の中で化合物(A)に由来する構造単位の含有量を増加させると、よりフラットな波長分散特性、さらには逆波長分散特性を示す。
具体的には、液晶化合物と化合物(A)とを含む組成物について、化合物(A)に由来する構造単位の含有量が異なる組成物を2〜5種類程度調製し、それぞれの組成物について後述するように、同じ膜厚の光学フィルムを製造して得られる光学フィルムの位相差値を求め、その結果から、化合物(A)に由来する構造単位の含有量と光学フィルムの位相差値との相関を求め、得られた相関関係から、上記膜厚における光学フィルムに所望の位相差値を与えるために必要な化合物(A)に由来する構造単位の含有量を決定すればよい。
本発明の光学フィルムの製造方法について、以下に説明する。
まず、化合物(A)に、必要に応じて、有機溶剤、ホストとなる上述した液晶化合物、上述した重合開始剤、重合禁止剤、光増感剤又はレベリング剤などの添加剤を加えて、混合溶液を調製する。特に成膜時に成膜が容易となること有機溶剤を含むことが好ましく、得られた光学フィルムを硬化する働きをもつことから重合開始剤を含むことが好ましい。
液晶化合物の含有量は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、例えば90重量部以下である。
また重合開始剤の使用量は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、化合物(A)を重合させることができる。
〔重合禁止剤〕
本発明の光学フィルムを調製する際に、重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤としては、たとえばハイドロキノン又はアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類、ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類、ピロガロール類、2,2、6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤、チオフェノール類、β−ナフチルアミン類或いはβ−ナフトール類等を挙げることができる。
重合禁止剤を用いることにより、液晶化合物や化合物(A)の重合を制御することができ、得られる光学フィルムの安定性を向上させることができる。また重合禁止剤の使用量は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、化合物(A)を重合させることができる。
〔光増感剤〕
また本発明の光学フィルムを調製する際に、光増感剤を使用してもよい。光増感剤としては、たとえばキサントン又はチオキサントン等のキサントン類、アントラセン又はアルキルエーテルなどの置換基を有するアントラセン類、フェノチアジン或いはルブレンを挙げることができる。
光増感剤を用いることにより、液晶化合物や化合物(A)の重合を高感度化することができる。また光増感剤の使用量としては、液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、たとえば0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、化合物(A)を重合させることができる。
〔レベリング剤〕
さらに本発明の光学フィルムを調製する際に、レベリング剤を使用してもよい。レベリング剤としては、たとえば放射線硬化塗料用添加剤(ビックケミージャパン製:BYK−352,BYK−353,BYK−361N)、塗料添加剤(東レ・ダウコーニング株式会社製:SH28PA、DC11PA、ST80PA)、塗料添加剤(信越化学工業株式会社製:KP321、KP323、X22−161A、KF6001)又はフッ素系添加剤(大日本インキ化学工業株式会社製:F−445、F−470、F−479)などを挙げることができる。
レベリング剤を用いることにより、光学フィルムを平滑化することができる。さらに光学フィルムの製造過程で、化合物(A)を含有する混合溶液の流動性を制御したり、液晶化合物や化合物(A)を重合して得られる光学フィルムの架橋密度を調整したりすることができる。またレベリング剤の使用量の具体的な数値は、たとえば液晶化合物と化合物(A)との合計100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であり、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。上記範囲内であれば、液晶化合物の配向性を乱すことなく、化合物(A)を重合させることができる。
〔有機溶剤〕
化合物(A)及び液晶化合物などを含有する混合溶液の調製に用いる有機溶剤としては、化合物(A)及び液晶化合物などを溶解し得る有機溶剤であり、重合反応に不活性な溶剤であればよく、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ又はブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン又はクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルム、フェノールなどが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
特に本発明の組成物は相溶性に優れ、アルコール、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、非塩素系脂肪族炭化水素溶剤及び非塩素系芳香族炭化水素溶剤などにも溶解し得ることから、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素を用いなくとも、溶解して塗工させることができる。
化合物(A)及び液晶化合物を含有する混合溶液の粘度は、塗布しやすいように、たとえば10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・s程度に調整されることが好ましい。
また上記混合溶液における固形分の濃度は、たとえば5〜50重量%である。固形分の濃度が5%以上であると、光学フィルムが薄くなりすぎず、液晶パネルの光学補償に必要な複屈折率が与えられる傾向がある。また50%以下であると、混合溶液の粘度が低いことから、光学フィルムの膜厚にムラが生じにくくなる傾向があることから好ましい。
続いて支持基材に、混合溶液を塗布し、乾燥、重合させて、支持基材上に目的の光学フィルムを得ることができる。
[未重合フィルム調製工程]
支持基材の上に、化合物(A)を含有する混合溶液を塗布し、乾燥すると、未重合フィルムが得られる。未重合フィルムがネマチック相などの液晶相を示す場合、得られる光学フィルムは、モノドメイン配向による複屈折性を有する。未重合フィルムは0〜120℃程度、好ましくは、25〜80℃の低温で配向することから、配向膜として上記に例示したような耐熱性に関して必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。また、配向後さらに30〜10℃程度に冷却しても結晶化することがないため、取扱いが容易である。
なお混合溶液の塗布量や濃度を適宜調整することにより、所望の位相差を与えるように膜厚を調製することができる。化合物(A)の量が一定である混合溶液の場合、得られる光学フィルムの位相差値(リタデーション値、Re(λ))は、式(7)のように決定されることから、所望のRe(λ)を得るためには、膜厚dを調整すればよい。
Re(λ)=d×Δn(λ) (7)
(式中、Re(λ)は、波長λnmにおける位相差値を表し、dは膜厚を表し、Δn(λ)は波長λnmにおける複屈折率を表す。)
支持基材への塗布方法としては、たとえば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、CAPコーティング法又はダイコーティング法などが挙げられる。またディップコーター、バーコーター又はスピンコーターなどのコーターを用いて塗布する方法などが挙げられる。
上記支持基材としては、たとえばガラス、プラスチックシート、プラスチックフィルム又は透光性フィルムを挙げることができる。なお上記透光性フィルムとしては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリメタクリル酸エステルフィルム、ポリアクリル酸エステルフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム又はポリフェニレンオキシドフィルムなどが挙げられる。
たとえば本発明の光学フィルムの貼合工程、運搬工程、保管工程など、光学フィルムの強度が必要な工程でも、支持基材を用いることにより、破れなどなく容易に取り扱うことができる。
また、支持基材上に配向膜を形成して、配向膜上に化合物(A)を含む混合溶液を塗工することが好ましい。配向膜は、化合物(A)などを含有する混合溶液の塗工時に、混合液に溶解しない溶剤耐性を持つこと、溶剤の除去や液晶の配向の加熱処理時に、耐熱性をもつこと、ラビング時に、摩擦などによる剥がれなどが起きないことが好ましく、ポリマー又はポリマーを含有する組成物からなることが好ましい。
上記ポリマーとしては、たとえば分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーを挙げることができる。これらのポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上混ぜたり、共重合体したりしてもよい。これらのポリマーは、脱水や脱アミンなどによる重縮合や、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の連鎖重合、配位重合や開環重合等で容易に得ることができる。
またこれらのポリマーは、溶剤に溶解して、塗布することができる。溶剤は、特に制限はないが、具体的には、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ又はブチルセロソルブなどのアルコール;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ガンマーブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン又はメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ペンタン、ヘキサン又はヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン又はクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、乳酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また配向膜を形成するために、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業株式会社製)又はオプトマー(登録商標、JSR株式会社製)などが挙げられる。
このような配向膜を用いれば、延伸による屈折率制御を行う必要がないため、複屈折の面内ばらつきが小さくなる。それゆえ、支持基材上にフラットパネル表示装置(FPD)の大型化にも対応可能な大きな光学フィルムを提供できるという効果を奏する。
上記支持基材上に配向膜を形成する方法としては、たとえば上記支持基材上に、市販の配向膜材料や配向膜の材料となる化合物を溶液にして塗布し、その後、アニールすることにより、上記支持基材上に配向膜を形成することができる。
このようにして得られる配向膜の厚さは、たとえば10nm〜10000nmであり、好ましくは10nm〜1000nmである。上記範囲とすれば、化合物(A)等を該配向膜上で所望の角度に配向させることができる。
またこれら配向膜は、必要に応じてラビングもしくは偏光UV照射を行うことができる。これらにより化合物(A)等を所望の方向に配向させることができる。
配向膜をラビングする方法としては、たとえばラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを、ステージに載せられ、搬送されている配向膜に接触させる方法を用いることができる。
上記の通り、未重合フィルム調製工程では、任意の支持基材の上に積層した配向膜上に未重合フィルム(液晶層)を積層する。それゆえ、液晶セルを作製し、該液晶セルに液晶化合物を注入する方法に比べて、生産コストを低減することができる。さらにロールフィルムでのフィルムの生産が可能である。
溶剤の乾燥は、重合を進行させるとともに行ってもよいが、重合前にほとんどの溶剤を乾燥させることが、成膜性の点から好ましい。
溶剤の乾燥方法としては、たとえば自然乾燥、通風乾燥、減圧乾燥などの方法が挙げられる。具体的な加熱温度としては、10〜120℃であることが好ましく、25〜80℃であることがさらに好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。加熱温度及び加熱時間が上記範囲内であれば、上記支持基材として、耐熱性が必ずしも十分ではない支持基材を用いることができる。
[未重合フィルム重合工程]
未重合フィルム重合工程では、上記未重合フィルム調製工程で得られた未重合フィルムを重合し、硬化させる。これにより化合物(A)の配向性が固定化されたフィルム、すなわち重合フィルムとなる。したがってフィルムの平面方向に屈折率変化が小さく、フィルムの法線方向に屈折率変化が大きい重合フィルムを製造することができる。
未重合フィルムを重合させる方法は、液晶化合物及び化合物(A)の種類に応じて、決定されるものである。化合物(A)に含まれるP及び/又はP、並びに液晶化合物に含まれる重合性基が光重合性であれば光重合、該重合性基が熱重合性であれば熱重合により、上記未重合フィルムを重合させることができる。本発明では、特に光重合により未重合フィルムを重合させることが好ましい。光重合によれば低温で未重合フィルムを重合させることができるので、支持基材の耐熱性の選択幅が広がる。また工業的にも製造が容易となる。また成膜性の観点からも光重合が好ましい。光重合は、未重合フィルムに可視光、紫外光又はレーザー光を照射することにより行う。取り扱い性の観点から、紫外光が特に好ましい光照射は、化合物(A)が液晶相をとる温度に加温しながら行ってもよい。この際、マスキングなどによって重合フィルムをパターニングすることもできる。
本発明の光学フィルムは、配向膜と光学フィルムとの密着性が良好であるから、光学フィルムの製造が容易である。
さらに本発明の光学フィルムは、ポリマーを延伸することによって位相差を与える延伸フィルムと比較して、薄膜である。
本発明の光学フィルムの製造方法において、上記工程に続いて、支持基材を剥離する工程を含んでいてもよい。このような構成とすることにより、得られる積層体は、配向膜と光学フィルムとからなるフィルムとなる。また上記支持基材を剥離する工程に加えて、配向膜を剥離する工程をさらに含んでいてもよい。このような構成とすることにより、光学フィルムを得ることができる。
かくして得られた光学フィルムは、透明性に優れ、様々なディスプレイ用フィルムとして使用される。形成される層の厚みは、上記のとおり、得られる光学フィルムの位相差値によって、異なるものである。本発明では、上記厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、光弾性を小さくする点で0.5〜3μmであることがさらに好ましい。
配向膜を用いて複屈折性を有する場合には、たとえば位相差値としては、50〜500nm程度であり、好ましくは100〜300nmである。
このような薄膜でより広い波長域において一様の偏光変換が可能なフィルムは、すべての液晶パネルや有機ELなどのFPDにおいて、光学補償フィルムとして用いることができる。
本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板又はλ/2板として使用するためには、化合物(A)に由来する構造単位の含有量を適宜選択する。λ/4板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を113〜163nm、好ましくは135〜140nm、特に好ましくは約137.5nm程度に膜厚を調整すればよく、λ/2板の場合には、得られる光学フィルムのRe(550)を250〜300nm、好ましくは273〜277nm、特に好ましくは約275nm程度となるように、膜厚を調整すればよい。
本発明の光学フィルムをVA(Vertical Alingment)モード用光学フィルムとして使用するためには、化合物(A)に由来する構造単位の含有量を適宜、選択する。Re(550)を好ましくは40〜100nm、より好ましくは60〜80nm程度となるように膜厚を調整すればよい。
化合物(A)を少量添加するだけで、光学フィルムの波長分散特性を1に近い値へとシフトさせることができ、所望の波長分散特性を簡便な方法で調製することができる。
本発明の光学フィルムは、アンチリフレクション(AR)フィルムなどの反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、視野角拡大フィルム又は透過型液晶ディスプレイの視野角補償用光学補償フィルムなどに利用することができる。また本発明の光学フィルムは1枚でも優れた光学特性を示すが、複数枚を積層させてもよい。
また他のフィルムと組み合わせてもよい。具体的には偏光フィルムに本発明の光学フィルムを貼合させた楕円偏光板、該楕円偏光板にさらに本発明の光学フィルムを広帯域λ/4板として貼合させた広帯域円偏光板などが挙げられる。
本発明の光学フィルムは、配向膜上に塗布、紫外線照射で重合させることによって形成させることができるため、図1に示すように従来よりも簡便にカラーフィルタ上に広帯域の例えばλ/4、λ/2の光学フィルムを形成させることができる。
図1は、本発明に係るカラーフィルタ1を示す概略図である。
カラーフィルタ1は、本発明の光学フィルム2が、配向膜3を介して該カラーフィルタ層4上に形成されてなるカラーフィルタである。
上記構成のカラーフィルタ1の製造方法の一例を記載する。まず、カラーフィルタ層4の上に配向性のポリマーを印刷し、ラビング処理を施して、配向膜3を形成する。
次に得られた配向膜3上に所望の波長分散特性をもつように、化合物(A)を含む混合溶液を調製し、所望の位相差値になるよう厚みを調製しながら塗布して、光学フィルム2を形成する。
一方、上記カラーフィルタ1を用いれば、光学フィルム2の数を減らした薄型の液晶表示装置を製造することが可能となる。その一例として、図2に示した、一対の基板に液晶層が挟持され形成されてなる液晶表示素子において少なくとも一方の基板の液晶層側に形成された、薄型液晶表示装置が挙げられる。
図2は、本発明に係る液晶表示装置5を示す概略図である。
図2に示す液晶表示装置5では、偏光板6上に例えばガラス基板などのバックライトと対向する基板7が接着剤を介して固定されており、基板7上に作成されたカラーフィルタ層4’上に配向膜3’を介して光学フィルム2’が形成されている。さらに光学フィルム2’上に対向電極8が形成され、対向電極8上に液晶相9が形成されている。バックライト側は、偏光板10にガラス基板などの基板11が接着剤を介して固定されており、さらに基板11には液晶層をアクティブ駆動させるための薄膜トランジスタ(TFT)及び絶縁層12が形成され、さらにTFT上にAg、Al又はITO(Indium Tin Oxide)による透明電極13及び/又は反射電極13’が形成されている。図2に示す液晶表示装置5の構成は、従来の液晶表示装置と比較して、光学フィルムの枚数を減らすことができ、より薄型の液晶表示装置の製造を可能とする。
以下にカラーフィルタ1’が一方の基板の液晶層側に形成された液晶表示装置5の製法の一例を記載する。バックライト側の基板上にはホウケイ酸ガラス上に、MoやMoW等からなるゲート電極、ゲート絶縁膜、及びアモルファスシリコンを堆積・パターニングそして、アモルファスシリコンをエキシマレーザでアニールすることによって結晶化してなる半導体薄膜を形成、その後、ゲート電極両脇の領域にP、Bなどをドープさせ、nチャンネル、pチャンネルのTFTを形成させることができる。さらにSiOからなる絶縁膜を形成させることにより、バックライト側の基板が得られる。さらにバックライト側基板11上にITOをスパッタさせることによりバックライト側基板上に全透過型表示装置用の透明電極13を積層させることができる。また、同じくITOの換わりにAg、Al等を用いることにより全反射型表示装置用の反射電極13’が得られる。さらに反射電極、透明電極を適宜組み合わせることにより、半透過型の液晶表示装置用のバックライト側の電極も得られる。
一方、対向する基板7に、カラーフィルタ層4’を形成させる。R,G、Bのカラーフィルタを併用することにより、フルカラーの液晶表示装置も得られる。次にカラーフィルタ層4’上に配向性ポリマーを塗布し、ラビングすることにより、配向膜3’を形成させる。この配向膜3’上に本発明に係る化合物(A)を含む組成物を塗布して、液晶相をとる温度範囲に加熱しながら、紫外線照射によって重合、光学フィルム2’を形成させる。
光学フィルム形成後、ITOをスパッタさせることにより対向電極8を形成させることができる。さらに該対向電極上に配向膜を生成させ、液晶相9を形成させ、最後に上記バックライト側の基板とあわせて組み立てることにより、液晶表示装置5を作成することができる。また、本発明の化合物(A)の[Re(450)/Re(550)]及び[Re(650)/Re(550)]の値は1に近い或いは1より小さいので、組成を変化させることにより所望の波長分散特性を得ることができ、膜厚から位相差値を制御できることから、光学フィルムの積層も省略することができる。
さらに本発明の光学フィルムは、反射型液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイの位相差板並びに該位相差板や上記光学フィルムを備えるFPDにも利用することができる。上記FPDは、特に限定されるものではなく、たとえば液晶表示装置(LCD)や有機ELを挙げることができる。
このように本発明に係るフィルムは、広範囲な用途が考えられる。たとえばこのうち本発明に係る光学フィルム及び偏光フィルムを積層してなる偏光板並びに該偏光板を備えるFPDについて、以下説明する
本発明に係る偏光板は、偏光機能を有するフィルム、すなわち偏光フィルムの片面もしくは両面に直接、又は接着剤もしくは粘着剤を用いて前記光学フィルムを張り合わせることにより得られるものである。なお以下の図3〜図5の説明では、接着剤及び粘着剤を総称して接着剤と呼ぶ場合がある。
図3(a)〜図3(e)は、本発明に係る偏光板1を示す概略図である。
図3(a)に示す偏光板30aは、積層体14と、偏光フィルム15とが直接貼り合わされており、積層体14は、支持基材16、配向膜17及び光学フィルム18からなる。
偏光板30aは、支持基材16、配向膜17、光学フィルム18、偏光フィルム15の順に積層されている。
図3(b)に示す偏光板30bは、積層体14と偏光フィルム15とが、接着剤層19を介して貼り合わされている。
図3(c)に示す偏光板30cは、積層体14と積層体14’とが直接貼り合わされ、さらに積層体14’と偏光フィルム15とが直接貼り合わされている。
図3(d)に示す偏光板30dは、積層体14と積層体14’とが接着剤層19を介して貼り合わされ、さらに積層体14’上に偏光フィルム15が直接貼り合わされている。
図3(e)に示す偏光板30eは、積層体14と積層体14’とを接着剤層19を介して貼り合わせ、さらに積層体14’と偏光フィルム15とを接着剤層19’を介して貼り合せた構成を示す。
本発明の偏光板とは、偏光フィルムと本発明の光学フィルムを含む積層体とを張り合わせたものである。積層体14及び積層体14’の代わりに、積層体14から支持基材16及び配向膜17を剥離した、光学フィルム18を用いてもよいし、積層体14から支持基材16を剥離した、配向膜17及び光学フィルム18からなるフィルムを用いてもよい。
本発明の偏光板は、積層体を複数積層してもよく、その複数の積層体は、全て同一であっても、異なっていてもよい。
偏光フィルム15は、偏光機能を有するフィルムであればよく、たとえばポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性色素を吸着させて延伸したフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素や二色性色素を吸着させたフィルムなどが挙げられる。
接着剤層19及び接着剤層19’に用いられる接着剤は、透明性が高く耐熱性に優れた接着剤であることが好ましい。そのような接着剤としては、たとえばアクリル系、エポキシ系又はウレタン系接着剤などが用いられる。
本発明のフラットパネル表示装置は、本発明の光学フィルムを備えるものであり、たとえば本発明の偏光フィルムと液晶パネルとが貼り合わされた貼合品を備える液晶表示装置や、本発明の偏光フィルムと、発光層とが貼り合わされた有機ELパネルを備える有機EL表示装置を挙げることができる。
本発明にかかるフラットパネル表示装置の実施形態として、液晶表示装置と、有機EL表示装置とについて、以下詳細に述べる。
〔液晶表示装置〕
図4は、本発明に係る液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。
液晶表示装置としては、たとえば図2に示すような液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を備える液晶表示装置などが挙げられる。貼合品21は、本発明の偏光板30と液晶パネル20とが、接着層22を介して貼り合わされてなるものである。図示しない電極を用いて、液晶パネル20に電圧を印加することにより、液晶分子が駆動し、光シャッター効果を奏する。
〔有機EL表示装置〕
図5は、本発明に係る有機EL表示装置の有機ELパネル23を示す概略図である。
有機EL表示装置としては、図5に示す有機ELパネル23を備える有機EL表示装置などが挙げられる。有機ELパネル23は、本発明の偏光フィルム30と、発光層24とを、接着層25を介して貼り合わせてなるものである。
上記有機ELパネルにおいて、偏光フィルム30は、広帯域円偏光板として機能する。
また上記発光層24は、導電性有機化合物からなる少なくとも1層の層である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
化合物を以下のスキームで合成した。原料のモノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)は特許文献(特開2004−262884)に記載されている方法により合成した。
(第一経路)
Figure 2019215550
(第二経路)
Figure 2019215550
(化合物(b)の合成例)
モノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)100.1g(515mmol)、炭酸カリウム97.1g(703mmol)、6−ブロモヘキサノール64g(468mmol)を取り、ジメチルアセトアミドに溶解・分散させた。窒素雰囲気下、90℃で、その後100℃で撹拌した。その後室温まで冷却し、純水、メチルイソブチルケトンを加え、回収した有機層を水酸化ナトリウム水溶液及び純水で洗浄後に脱水し、濾過後に減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて、生成した沈殿を濾過後、真空乾燥させて、化合物(b)を126g(428mmol)得た。収率は6−ブロモヘキサノール基準で91%であった。
(化合物(c)の合成例)
化合物(b)を126g(428mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン(以下BHTという)1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン116.7g(963mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00g及びクロロホルムを混合した。窒素雰囲気、氷冷下で得られた混合液に、アクイロイルクロリド58.1g(642mmol)を滴下し、さらに純水を加えて攪拌した後、分離した有機層を回収した。有機層を塩酸水、飽和炭酸ナトリウム水溶液及び純水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過後、有機層にBHT1gを加えて減圧濃縮して、化合物(c)を得た。
(化合物(d)の合成例)
化合物(c)及びテトラヒドロフラン(以下THFという)200mlを混合後、得られた混合液にTHF200mlを加えた。さらに塩酸水及び濃塩酸水を加えて、窒素雰囲気、60℃の条件下で攪拌した。反応溶液に飽和食塩水500mlを加えてさらに攪拌し、分離した有機層を回収した。回収した有機層を脱水し、濾過後減圧濃縮した。さらに有機層にヘキサンを加えて氷冷下で攪拌し、析出した粉末を濾過後真空乾燥して、化合物(d)を90g(339mmol)得た。収率は化合物(c)基準で79%であった。
(化合物(e)の合成例1)
トランスシクロヘキサンジカルボン酸24.68g(118mmol)及びトルエンを混合した、得られた混合液に二塩化オキサリル74.91g(590mmol)及びジメチルホルムアミド0.5mLを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。減圧後にクロロホルムを加えて溶液1を得た。
一方、化合物(d)12g(45.4mmol)をクロロホルムに溶解した。化合物(d)のクロロホルム溶液及びピリジン12.6g(159mmol)を混合して溶液2を得た。氷冷下で、溶液1に溶液2を滴下した。得られた溶液を窒素雰囲気下で攪拌して濾過後、減圧濃縮した。得られた溶液を水/メタノールの混合溶剤(体積比で1/1)に滴下し、生成した沈殿を粉砕後、純水で洗浄して、濾過後真空乾燥した。得られた粉末を再び粉砕後、n−ヘプタンを加え、攪拌し後、さらにトルエンを加えた。不溶成分を濾過により除去して、得られた濾液を減圧濃縮後、n−ヘプタンを加えた。生成した沈殿を真空乾燥することにより、化合物(e)を7.8g得た。収率は化合物(d)基準で40%であった。
(化合物(e)の合成例2)
化合物(e)は以下に示す経路でも合成できる。
Figure 2019215550
化合物(d)56.8g(215mmol)、ジメチルアミノピリジン2.65g(22mmol)、トランス1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル50g(217mmol)及びクロロホルム300mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド48.79g(237mol)及びクロロホルム50mLからなる溶液を滴下した。滴下終了後、得られた反応溶液を室温にて攪拌し、クロロホルム200mL及びヘプタン200mLを加えて沈殿を濾過した。濾液を回収して、2N−塩酸水溶液で洗浄した。分離した有機層を回収し、不溶成分を濾過により除去後、無水硫酸ナトリウムを加え、濾過後、溶媒を除去して得られた固体を、真空乾燥して、化合物(e’)100gを得た。
化合物(e’)100g、純水3.64g(202mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物3.84g(20.2mmol)及びTHF200mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、50℃に加温し、攪拌した。混合液を室温まで放冷後、THFを減圧除去し、残渣にヘプタン200mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、純水で洗浄後、真空乾燥した。得られた粉末をクロロホルムに溶解し、シリカゲルを通してから濾過した。濾液を回収しクロロホルム400mLに溶解して、得られた溶液を濃縮し、トルエンを加えた。溶液を減圧濃縮したのち、ヘプタンを加えて結晶化させ、得られた粉末を濾取、真空乾燥して、化合物(e)64.1gを得た。収率は化合物(d)基準、二工程で76%であった。
(化合物(ii−a)の製造例)
化合物(ii−a)を以下のスキームで合成した。原料である4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾールは、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1誌、205−210頁(2000年)に記載されている方法により合成した。
Figure 2019215550
4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール10.8g(39.8mmol)と塩化ピリジニウム54.0g(5倍質量)とを混合し、得られた混合液を220℃に昇温して攪拌した。混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を濾別し、水及びヘキサンで洗浄して、4,7−ジヒドロキシ−2−フェニルベンゾチアゾール(化合物(ii−a))を主成分とする固体8.7gを得た。収率は4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール基準で89%であった。
(化合物(vi−a)の製造例)
化合物(vi−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(vi−d)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン69.4g(453mmol)、トリエチルアミン91.7g(906mmol)及び脱水クロロホルム994.3gを混合し攪拌し、さらに得られた混合液に4−ブロモベンゾイルクロリド99.4g(453mmol)を加えた。その後60℃に昇温して攪拌後、室温まで冷却し、混合液を水中に投入した。分離した有機層を水及び塩酸で洗浄した。得られた有機層を、減圧濃縮し、得られた固体をヘキサンで洗浄して、化合物(vi−d)を主成分とする固体139.6gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で102%であった。
[化合物(vi−e)の合成例]
化合物(vi−d)を90.0g(268.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)65.0g(160.0mmol)及びトルエン3132gを混合し、得られた混合液を80℃に昇温して攪拌した。冷却後濃縮し、エタノールを加えて、生じた沈殿をエタノールで洗浄して化合物(vi−e)を主成分とする固体93.8gを得た。収率は化合物(vi−d)基準で99.5%であった。
[化合物(vi−f)の合成例]
化合物(vi−e)93.8g(266.3mmol)、水酸化ナトリウム315g(7875mmol)及び水5250gを混合し、得られた混合液を氷冷下で攪拌した。続いてフェリシアン化カリウム174.3g(529mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、化合物(vi−f)を主成分とする固体88.2gを得た。収率は化合物(vi−e)基準で95%であった。
[化合物(vi−a)の合成例]
化合物(vi−f)を11.2g(32.0mmol)及び塩化ピリジニウム56.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水、ヘキサン及びクロロホルムで洗浄して、化合物(vi−a)を主成分とする固体7.7gを得た。収率は化合物(vi−f)基準で74%であった。
(化合物(v−a)の合成例)
化合物(vi−a)と同様の手法でベンゾチアゾールを合成後、塩化ピリジニウム或いは三臭化ホウ素による脱メチル化反応によって化合物(v−a)を合成した。エタノール洗浄、トルエン洗浄により化合物(v−a)を主成分とする橙色固体を得た。反応スキームを以下に示す。
Figure 2019215550
(化合物(v−b)の合成例)
化合物(vi−d)の合成例における、原料の4−ブロモベンゾイルクロリドを4−ニトロベンゾイルクロリドに変える以外は同様の方法にて化合物(v−b)を主成分とする固体を得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で98%であった。
(化合物(v−c)の合成例)
化合物(vi−e)の合成例における、原料の化合物(vi−d)を化合物(v−b)に変える以外は同様の方法にて化合物(v−c)を主成分とする固体を得た。収率は化合物(v−b)基準で89%であった。
(化合物(v−d)の合成例)
化合物(vi−f)の合成例における、原料の化合物(vi−e)を化合物(v−c)に変える以外は同様の方法にて化合物(v−d)を主成分とする固体を得た。収率は化合物(v−c)基準で52%であった。
(化合物(v−a)の合成例)
化合物(v−d)を21.0g(66.0mmol)及び脱水トルエン441gを混合し、攪拌した。得られた混合液を氷冷し、三臭化ホウ素100g(398mmol)を加え、70℃まで昇温し、攪拌した。室温まで冷却した後、さらに氷冷し、水を1588g加え、得られた沈殿を濾別し、水及びクロロホルムで洗浄して、化合物(v−a)を主成分とする固体16.5gを得た。収率は化合物(v−d)基準で86%であった。
(化合物(ix−a)の製造例)
化合物(ix−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(ix−b)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン43.0g(281mmol)、トリエチルアミン59.7g(590mmol)及び脱水クロロホルム499.7gを混合し、攪拌した。得られた混合液にさらにイソニコチノイルクロリド塩酸塩50.0g(281mmol)を加え、60℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後、水中に投入し、分離した有機層を回収した。、残った水層にクロロホルムを加え、洗浄して有機層を回収した。2つの有機層を混合し水で洗浄した。得られた混合有機層を、減圧濃縮し、化合物(ix−b)を主成分とする固体71.5gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で99%であった。
[化合物(ix−c)の合成例]
化合物(ix−b)を70.0g(272.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチアー2,4−ジホスフェタンー2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)65.8g(162.0mmol)及びトルエン2436gを混合し、80℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後濃縮し、化合物(ix−c)を主成分とする固体を得た。化合物(ix−c)は精製せずに、そのまま全量を次工程へ用いた。
[化合物(ix−d)の合成例]
化合物(ix−c)を主成分とする固体、及び水酸化ナトリウム333g(8325mmol)、水5550gを混合し、氷冷下で攪拌した。続いて、得られた混合液にフェリシアン化カリウム184.3g(560mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え攪拌した。析出した固体を濾別した後、冷水とヘキサンで洗浄し、化合物(ix−d)を主成分とする固体25.9gを得た。前工程と合わせた2工程分の収率は化合物(ix−c)基準で35%であった。
[化合物(ix−a)の合成例]
化合物(ix−d)5.6g(21.0mmol)と塩化ピリジニウム28.0g(5倍質量)とを混合し、180℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水及びクロロホルムで洗浄して、化合物(ix−a)を主成分とする固体3.4gを得た。収率は化合物(ix−d)基準で68%であった。
(化合物(iv−a)の製造例)
化合物(iv−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
化合物(vi−a)10.0g(31mmol)、シアン化銅(I)5.56g(62mmol)、及びN−メチルピロリドン100gを混合し、200℃に昇温して、窒素雰囲気で攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を取り出し、水でよく洗浄して、化合物(iv−a)を主成分とする固体6.6gを得た。収率は化合物(vi−a)基準で79%であった。
<化合物(ii−1)の第一経路での合成例>
化合物(ii−a)2.55g(11mmol)、化合物(e)9.67g(23mmol)、ジメチルアミノピリジン0.28g(2mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド5.31g(28mmol)のクロロホルム溶液40mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノール200mLを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、n−ヘプタンで洗浄、濾過後、得られた固体を真空乾燥して化合物(ii−1)を6.1g得た。収率は化合物(ii−a)基準で56%であった。
化合物(ii−1)のH−NMR(DMSO):δ(ppm)1.44〜1.80(m、24H)、2.38〜2.83(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.11〜4.14(t、4H)、5.89〜5.94(dd、2H)、6.10〜6.20(m、2H)、6.29〜6.36(m、2H)、6.91〜7.03(m、8H)、7.36(s、2H)、7.60(m、3H)、8.06(m、2H)
得られた化合物(ii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(ii−1)は、昇温時において、96℃から115℃までスメクチック相を呈し、115℃から226℃までネマチック相を呈し、降温時において、226℃から50℃までネマチック相を呈した。
<化合物(v−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−a)2.88g(10mmol)、化合物(e)8.37g(20mmol)、ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びクロロホルム75mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド4.95g(24mmol)のクロロホルム溶液40mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノール200mLを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、さらにメタノールで洗浄、濾過後、得られた固体を真空乾燥して化合物(v−1)を10.3g得た。収率は化合物(v−a)基準で94%であった。
化合物(v−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.86(m、24H)、2.35〜2.83(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.27(d、2H)、8.19〜8.23(d、2H)、8.34〜8.38(d、2H)
得られた化合物(v−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−1)は、昇温時において、160℃から169℃までスメクチック相を呈し、169℃から224℃までネマチック相を呈し、降温時において、224℃から154℃までネマチック相を呈した。
<化合物(ix−1)の第一経路での合成例>
化合物(ix−a)2.24g(10mmol)、化合物(e)8.37g(20mmol)、ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド4.95g(24mmol)のクロロホルム溶液30mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノール200mLを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、n−ヘプタンで洗浄、濾過後、得られた固体を真空乾燥して化合物(ix−1)を4.4g得た。収率は化合物(ix−1)基準で43%であった。
化合物(ix−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.43〜1.84(m、24H)、2.29〜2.83(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.18(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.22(m、1H)、7.28(d、2H)、7.78〜7.81(br、2H)、8.14〜8.17(br、1H)
<化合物(iv−1)の第一経路での合成例>
前記、化合物(ii−1)の第一経路での合成例、化合物(ix−1)の第一経路での合成例で示した同様の方法で、化合物(iv−a)を出発物質として用いれば、化合物(iv−1)が得られる。
化合物(iv−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.43〜1.83(m、24H)、2.29〜2.82(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.18(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.27(s、2H)、7.78〜7.81(d、2H)、8.14〜8.17(d、2H)
得られた化合物(iv−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(iv−1)は、昇温時において、142℃から159℃までスメクチック相を呈し、159℃から190℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、136℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(ii−1)の第二経路での合成例>
(化合物(f)の合成例)
トランスシクロヘキサンジカルボン酸100g(581mmol)及びジメチルアセトアミド500mLを混合し、得られた混合液を60℃まで加温し溶解した。得られた混合液に炭酸カリウム48.2g(349mmol)を加えて80℃で攪拌した。さらに臭化ベンジル94.4g(552mmol)を加えて攪拌後、得られた反応溶液を放冷し、氷に注いだ。得られた沈殿を濾取し、水/メタノール混合溶液(体積比1/1)で洗浄して真空乾燥した。得られた粉末をトルエンに溶解し、減圧濃縮しながらシリカゲルに吸着させた。シリカゲルをシリカゲルカラムに載せ、クロロホルム/ヘプタン混合溶液(体積比1/4)500mLで溶出後、クロロホルム/ヘプタン混合溶液(体積比1/2)に溶剤を置換して化合物(f)を溶出させた。回収した溶液を真空乾燥することにより、化合物(f)を63g得た。収率はトランスシクロヘキサンジカルボン酸基準で42%であった。
(化合物(ii−b)の合成例)
化合物(ii−a)4.87g(20mmol)、化合物(f)11.54g(44mmol)及びジメチルアミノピリジン0.54g(4mmol)をクロロホルム50mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド10.89g(53mmol)のクロロホルム溶液60mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノールを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、真空乾燥することにより化合物(ii−b)を11.4g得た。収率は化合物(ii−a)基準で78%であった。
(化合物(ii−c)の合成例)
化合物(ii−b)11.4g(16mmol)、10%パラジウム−炭素(55%含水)1.14g、酢酸0.1mL及びテトラヒドロフラン200mLを混合した。得られた混合液を窒素ガスにて脱酸素後、得られた反応溶液を減圧してから、水素雰囲気下で攪拌した。反応液を濾過した。濾液を回収して減圧濃縮し、残渣にn−ヘプタンを加えて得られた固体を濾取、真空乾燥することにより、化合物(ii−c)を4.7g得た。収率は化合物(ii−b)基準で55%であった。
(化合物(ii−1)の合成例)
化合物(ii−c)4.41g(8mmol)、化合物(d)4.65g(18mmol)、ジメチルアミノピリジン0.22g(2mmol)及びクロロホルム30mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド4.36g(21mmol)のクロロホルム溶液20mLを氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて溶解し、減圧濃縮後、メタノールを加えて氷冷下で再沈殿させた。沈殿を濾取し、真空乾燥することにより化合物(ii−1)を4.80g得た。収率は化合物(ii−c)基準で58%であった。
<化合物(vi−1)の第二経路での合成例>
前記、化合物(ii−1)の第二経路での合成例で示した同様の方法で、化合物(vi−a)を出発物質として用いることにより、化合物(iv−1)が得られた。
さらに同様に第一経路により以下の化合物が得られた。構造を以下に示す。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
(化合物(x−a)の製造例)
化合物(x−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
化合物(v−b)の合成例における、原料の4−ニトロベンゾイルクロリドをチオフェンカルボニルクロリドに変える以外は同様の方法にて、化合物(x−b)化合物を得て、化合物(v−c)、(v−d)、(v−a)の合成例とそれぞれ同様の方法にて、化合物(x−c)、(x−d)、(x−a)をそれぞれ得た。
(化合物(v’−a)の製造例)
化合物(v’−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(v’−b)の合成例]
3−メチル−4−ニトロ安息香酸170.0g(940mmol)、オキサリルクロリド238.7g(1880mmol)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン2.2g(18.8mmol)、及び脱水クロロホルム1703gを混合した、室温で良く攪拌した。得られた混合液を減圧して、得られた固体に脱水クロロホルム608gを加えた。
クロロホルム溶液に、2,5−ジメトキシアニリン120.0g(783mmol)、トリエチルアミン158.5g(1567mmol)及び脱水クロロホルム840gの混合溶液を、加えた。その後、室温で攪拌した。反応溶液を973gの水中に投入し、分液して有機層を取った。さらに、この有機層を1規定塩酸973gで洗浄した。得られた有機層を、減圧下、溶媒を留去し、化合物(v’−b)を主成分とする固体107.8gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で44%であった。
[化合物(v’−a)の合成例]
化合物(v−c)の合成例における、原料の化合物(v−b)を化合物(v’−b)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v’−c)を得て、化合物(v−d)、(v−a)の合成例とそれぞれ同様の方法にて、化合物(v’−d)、(v’−a)をそれぞれ得た。
(化合物(x−a)の製造例)
化合物(x−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
化合物(v−b)の合成例における、原料の4−ニトロベンゾイルクロリドをチオフェンカルボニルクロリドに変える以外は同様の方法にて、化合物(x−b)化合物を得て、化合物(v−c)、(v−d)、(v−a)の合成例とそれぞれ同様の方法にて、化合物(x−c)、(x−d)、(x−a)をそれぞれ得た。
(化合物(xi−a)の製造例)
化合物(xi−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(xi−b)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン52.3g(341mmol)、トリエチルアミン69.0g(682mmol)、及び脱水クロロホルム200gを混合して攪拌し、得られた混合液に3−テノイル酸クロリド50.0g(341mmol)を氷冷下で、滴加した。その後室温に昇温して一時間攪拌後、混合液を水中に投入した。分離した有機層を水及び塩酸で洗浄した。得られた有機層から、減圧下溶剤を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄して、化合物(xi−b)を主成分とする固体82.1gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で91%であった。
[化合物(xi−c)の合成例]
化合物(xi−b)81g(308.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)64.7g(160.0mmol)、及びトルエン500gを混合し、80℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後濃縮して、ローソン試薬の分解物と化合物(xi−c)を主成分とする赤色粘長液体を得た。
[化合物(xi−d)の合成例]
前項で得られた化合物(xi−c)を主成分とする混合物、水酸化ナトリウム73.8g(1845mmol)、水750gを混合し、氷冷下で攪拌した。続いて、得られた混合液に、フェリシアン化カリウム257.8g(783mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、エタノールを加えて再結晶させることにより化合物(xi−d)49.1gを得た。収率は化合物(xi−b)基準で58%であった。
[化合物(xi−a)の合成例]
化合物(xi−f)40.0g(144.2mmol)と塩化ピリジニウム200.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して二時間攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水及びヘキサンで洗浄して、化合物(xi−a)を主成分とする固体36.4gを得た。収率は化合物(xi−d)基準で101%であった。
(化合物(xvi−a)の製造例)
化合物(xvi−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
化合物(v−b)の合成例における、原料の4−ニトロベンゾイルクロリドを3,5−ジメチルベンゾイルクロリドに変える以外は同様の方法にて、化合物(xvi−b)化合物を得て、化合物(v−c)、(v−d)、(v−a)の合成例とそれぞれ同様の方法にて、化合物(xvi−c)、(xvi−d)、(xvi−a)をそれぞれ得た。
(化合物(xvii−a)の製造例)
化合物(xvii−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(xvii−d)の合成例]
4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール11.0gと氷酢酸288gを混合し、得られた混合液に、濃硝酸4.0g及び氷酢酸14.4gを混ぜ合わせた溶液を滴下した。得られた混合液を室温で攪拌し、反応溶液を氷水1154g中に投入した。得られた固体を濾別し、化合物(xi−d)を主成分とする固体11.8gを得た。化合物(xvii−d)は、ニトロ基の置換位置の異なる2つの異性体の混合物であった。収率は4,7−ジメトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール基準で92%であった。
[化合物(xvii−a)の合成例]
化合物(v−a)の合成例における、原料の化合物(v−d)を化合物(xvii−d)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xvii−a)を得た。化合物(xvii−a)は、ニトロ基の置換位置の異なる2つの異性体の混合物であった。
(化合物((xviii−a)の製造例)
化合物((xviii−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
化合物(v−b)の合成例における、原料の4−ニトロベンゾイルクロリドをペンタフルオロベンゾイルクロリドに変える以外は同様の方法にて、化合物((xviii−b)を得て、化合物(v−c)、(v−d)、(v−a)の合成例と同様の方法にて、化合物((xviii−c)、((xviii−d)、((xviii−a)をそれぞれ得た。
(化合物(xix−a)の製造例)
化合物(xix−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(xix−b)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン58.7g(383mmol)、トリエチルアミン77.5g(766mmol)、脱水クロロホルム400gを混合し攪拌し、得られた混合液に、さらに2−フランカルボン酸クロリド50.0g(383mmol)を氷冷下で、加えた。その後、混合液を室温に昇温して一時間攪拌後、水中に投入した。分離した有機層を水及び塩酸で洗浄した。得られた有機層から、減圧下で溶剤を濃縮し、ヘキサンで結晶化させて、化合物(xix−b)86.3gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で91%であった。
[化合物(xix−c)の合成例]
化合物(xix−b)40g(162.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)34.0g(84.0mmol)、トルエン120gを混合し、80℃に昇温して8時間攪拌した。得られた混合液を冷却後濃縮して、ローソン試薬の分解物と化合物(xix−c)を主成分とする一部白色結晶含む赤色粘長液体を得た。
[化合物(xix−d)の合成例]
前項で得られた化合物(xix−c)を主成分とする混合物、水酸化ナトリウム38.8g(971mmol)、水700gを混合し、氷冷下で攪拌した。得られた混合液に、フェリシアン化カリウム145.3g(441mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、メタノールで洗浄、さらにエタノールから再結晶することにより化合物(xix−d)19.5gを得た。収率は化合物(xix−b)基準で46%であった。
[化合物(xix−a)の合成例]
化合物(xix−d)9.00g(34.4mmol)と塩化ピリジニウム45.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水、ヘキサン、トルエンで洗浄して、化合物(xix−a)を主成分とする固体7.68gを得た。収率は化合物(xix−d)基準で96%であった。
(化合物(xx−a)の合成例)
化合物(x−a)と同様の手法でベンゾチアゾールを合成後、塩化ピリジニウムによる脱メチル化反応によって化合物(xx−a)を合成した。ヘプタン洗浄、トルエン洗浄により化合物(xx−a)を主成分とする固体を得た。反応スキームを以下に示す。
Figure 2019215550
(化合物(xxi−a)の製造例)
化合物(xxi−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(xxi−b)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン59.3g(387mmol)、トリエチルアミン78.4g(774mmol)、脱水クロロホルム500gを混合し攪拌し、得られた混合液に3−チアゾールカルボン酸クロリド57.1g(387mmol)を氷冷下で、滴加した。その後混合液を室温に昇温して攪拌後、水中に投入した。分離した有機層を水及び塩酸で洗浄した。得られた有機層から、減圧下溶剤を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄して、ヘプタン−酢酸エチル3/1(v/v)で結晶化させた。さらにヘプタン−酢酸エチル4/1(v/v)で洗浄することにより化合物(xxi−b)を主成分とする固体77.2gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で75%であった。
[化合物(xxi−c)の合成例]
化合物(xxi−b)を77g(291.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)61.3g(151.0mmol)、トルエン500gを混合し、80℃に昇温して攪拌した。冷却後濃縮して、ローソン試薬の分解物と化合物(xxi−c)を主成分とする橙色粘長液体を得た。
[化合物(xxi−d)の合成例]
前項で得られた化合物(xxi−c)を主成分とする混合物、水酸化ナトリウム70.0g(1748mmol)、水750gを混合し、氷冷下で攪拌した。得られた混合液にフェリシアン化カリウム245.0g(744mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、熱エタノールで洗浄することにより化合物(xxi−d)45.9gを得た。収率は化合物(xxb−d)基準で57%であった。
[化合物(xxi−a)の合成例]
化合物(xxi−d)を45.0g(144.2mmol)と塩化ピリジニウム225.0g(5倍質量)を混合し、180℃に昇温して二時間攪拌した。冷却後、水を加え、得られた沈殿を水、ヘキサン、トルエンで洗浄して、化合物(xxi−a)を主成分とする固体39.9gを得た。収率は化合物(xxi−d)基準で100%であった。
(化合物(xxiii−a)の製造例)
化合物(xxiii−a)は以下のスキームで合成した。
Figure 2019215550
[化合物(xxiii−b)の合成例]
2,5−ジメトキシアニリン38.3g(250mmol)、トリエチルアミン50.5g(500mmol)、脱水クロロホルム200gを混合し攪拌し、さらに4−メチルスルホニル安息香酸クロリド54.6g(250mmol)を氷冷下で、加えた。その後、混合液を室温に昇温して攪拌後、水中に投入した。分離した有機層を水及び塩酸で洗浄した。得られた有機層から、減圧下溶剤を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄して、ヘプタン−酢酸エチル3/1(v/v)で結晶化させた。さらにヘプタン−酢酸エチル3/1(v/v)で洗浄することにより化合物(xxiii−b)を白色結晶として52.2gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で62%であった。
[化合物(xxiii−c)の合成例]
化合物(xxiii−b)を54.5g(155.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)64.7g(160.0mmol)、トルエン500gを混合し、80℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後濃縮して、ローソン試薬の分解物と化合物(xxiii−c)を主成分とする赤色粘長液体を得た。
[化合物(xxiii−d)の合成例]
前項で得られた化合物(xxiii−c)を主成分とする混合物、水酸化ナトリウム37.2g(930mmol)、水380gを混合し、氷冷下で攪拌した。得られた混合液にフェリシアン化カリウム163.5g(497mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、熱エタノールで洗浄、さらにトルエンから再結晶することにより化合物(xxiii−d)25.2gを得た。収率は化合物(xxiii−b)基準で47%であった。
[化合物(xxiii−a)の合成例]
化合物(xxiii−d)を10.0g(28.6mmol)と塩化ピリジニウム100.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して二時間攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水、ヘキサン、トルエンで洗浄して、化合物(xxiii−a)を主成分とするオフホワイト固体7.8gを得た。収率は化合物(xxiii−d)基準で85%であった。
(化合物(xxiv−a)の合成例)
化合物(vi−a)の合成例において、原料の4−ブロモベンゾイルクロリドに変えて、4−フルオロベンゾイルクロリドを用いた以外は同様の手法で、下記の反応スキームに従い、化合物(xxiv−a)を合成した。
Figure 2019215550
(化合物(xxv−a)の合成例)
化合物(vi−a)の合成例において、原料の4−ブロモベンゾイルクロリドに変えて、4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドを用いた以外は同様の手法で、下記の反応スキームに従い、化合物(xxv−a)を合成した。
Figure 2019215550
<化合物(v’−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(v’−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v’−1)を得た。収率は化合物(v’−a)基準で73%であった。
化合物(v‘−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.90(m、24H)、2.29〜2.83(m、15H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.01(m、8H)、7.23(m、2H)、7.98〜8.11(m、3H)
得られた化合物(v‘−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v‘−1)は、昇温時において、127℃から154℃までスメクチック相を呈し、154℃から217℃までネマチック相を呈し、降温時において、217℃から113℃までネマチック相を呈した。
<化合物(vi−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(vi−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(vi−1)を得た。収率は化合物(vi−a)基準で84%であった。
<化合物(x−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(x−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(x−1)を得た。収率は化合物(x−a)基準で84%であった。
化合物(x−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.43〜1.83(m、24H)、2.29〜2.82(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.12(dt、1H)、7.18(s、2H)、7.51(dd、1H)、7.63(dd、1H)
得られた化合物(x−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(x−1)は、昇温時において、101℃から106℃までスメクチック相を呈し、106℃から180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、81℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(xi−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xi−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xi−1)を得た。収率は化合物(xi−a)基準で55%であった。
化合物(xi−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)δ(ppm)1.43〜1.83(m、24H)、2.29〜2.82(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.81〜5.85(dd、2H)、6.08〜6.18(m、2H)、6.37〜6.45(m、2H)、6.86〜7.03(m、8H)、7.12(dt、1H)、7.19(s、2H)、7.44(dd、1H)、7.62(dd、1H)、7.98(dd、1H)
得られた化合物(xi−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xi−1)は、昇温時において、111℃から125℃までスメクチック相を呈し、125℃から242℃までネマチック相を呈し、降温時において、242℃から82℃までネマチック相を呈した。
<化合物(xvi−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xvi−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xvi−1)を得た。収率は化合物(xvi−a)基準で78%であった。
化合物(xvi−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.86(m、24H)、2.35〜2.83(m、18H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.19(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.01(m、8H)、7.13(s、1H)、7.20(s、2H)、7.66(s、2H)
得られた化合物(xvi−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xvi−1)は、昇温時において、91℃から100℃までスメクチック相を呈し、100℃から210℃までネマチック相を呈し、熱重合した。
<化合物(xvii−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xvii−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xvii−1)を得た。収率は化合物(xvii−a)基準で53%であった。
化合物(xvii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.86(m、24H)、2.35〜2.83(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.00(m、8H)、7.44(2s、1H)、7.50(m、3H)、8.02〜8.06(m、2H)
得られた化合物(xvii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xvii−1)は、昇温時において、129℃から148℃までスメクチック相を呈し、148℃から186℃までネマチック相を呈し、降温時において、186℃から105℃までネマチック相を呈した。
<化合物(xviii−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xviii−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xviii−1)を得た。収率は化合物(xviii−a)基準で82%であった。
化合物(xviii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.86(m、24H)、2.35〜2.87(m、18H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.00(m、8H)、7.32〜7.35(d、2H)
得られた化合物(xvii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xvii−1)は、昇温時において、124℃から166℃までスメクチック相を呈し、166℃から199℃までネマチック相を呈し、降温時において、199℃から79℃までネマチック相を呈した。
<化合物(xix−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xix−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xix−1)を得た。収率は化合物(xix−a)基準で78%であった。
化合物(xix−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.82(m、24H)、2.34〜2.83(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.59(br、m、1H)、6.86〜7.00(m、8H)、7.20(2s、3H)、7.59(s、1H)
得られた化合物(xix−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xix−1)は、昇温時において、91℃から130℃までスメクチック相を呈し、130℃から180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、62℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(xx−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xx−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xx−1)を得た。収率は化合物(xx−a)基準で40%であった。
化合物(xx−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.86(m、24H)、2.35〜2.80(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.19(s、2H)、7.40(d、2H)
得られた化合物(xx−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xx−1)は、昇温時において、110℃から114℃までスメクチック相を呈し、114℃から160℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、69℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(xxi−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xxi−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xxi−1)を得た。収率は化合物(xxi−a)基準で71%であった。
化合物(xxi−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.43〜1.86(m、24H)、2.35〜2.84(m、12H)、3.90〜3.97(t、4H)、4.15〜4.19(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.00(m、8H)、7.22(s、2H)、8.21(d、1H)、8.88(d、1H)
得られた化合物(xxi−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xxi−1)は、昇温時において、162℃から246℃までネマチック相を呈し、降温時において、246℃から120℃までネマチック相を呈した。
<化合物(xxiii−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xxiii−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xxiii−1)を得た。収率は化合物(xxiii−a)基準で46%であった。
化合物(xxiii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.86(m、24H)、2.35〜2.84(m、12H)、3.11(s、3H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.25(s、2H)、8.08(d、2H)、8.23(d、2H)
得られた化合物(xxiii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xxiii−1)は、昇温時において、137℃から146℃までスメクチック相を呈し、146℃から170℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、78℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(xxiv−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xxiv−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xxiv−1)を得た。収率は化合物(xxiv−a)基準で54%であった。
化合物(xxiv−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.90(m、24H)、2.34〜2.81(m、12H)、3.92〜4.00(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.14〜7.21(m、4H)、8.00〜8.07(m、2H)
化合物(xxiv−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。温度を上げていくと95℃付近でネマチック相に変わった。さらに温度を上げていくと212℃付近で等方相に変わった。ここから温度を下げていくと、212℃付近でネマチック相に変わり、86℃付近で結晶に変わった。すなわち、化合物(xxiv−1)は、昇温時において、95℃から212℃までネマチック相を呈し、降温時において、212℃から86℃までネマチック相を呈することが分かった。
<化合物(xxv−1)の第一経路での合成例>
<化合物(xxv−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物(xxv−a)に変える以外は同様の方法にて、化合物(xxv−1)を得た。収率は化合物(xxv−a)基準で77%であった。
化合物(xxv−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.90(m、24H)、2.35〜2.82(m、12H)、3.92〜3.98(t、4H)、4.15〜4.21(t、4H)、5.79〜5.84(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.21〜7.29(m、2H)、7.74〜7.78(d、2H)、8.13〜8.17(d、2H)
化合物(xxv−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。温度を上げていくと135℃付近でネマチック相に変わった。さらに温度を上げていくと193℃付近で等方相に変わった。ここから温度を下げていくと、193℃付近でネマチック相に変わり、114℃付近で結晶に変わった。すなわち、化合物(xxiv−1)は、昇温時において、135℃から193℃までネマチック相を呈し、降温時において、193℃から114℃までネマチック相を呈することが分かった。
さらに同様に第一経路によってベンゾチアゾール以外の重合性液晶も合成可能であった。
液晶分子の合成方法を以下に示す。
化合物xxvi−1は以下のスキームにしたがって製造した。
Figure 2019215550
(化合物(xxvi−b)の合成例)
2,3−ジシアノヒドロキノン10.0g(62mmol)、水酸化カリウム35.0g(624mmol)及び水70.0gを混合し、混合液を攪拌しながら100℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、硫酸40.0gを加えさらに攪拌した。得られた混合液に酢酸エチルを加えて攪拌し、有機層を取り出した。得られた有機層を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、真空乾燥させて、化合物(xxvi−b)を8.5g(42.6mmol)得た。収率は2,3−ジシアノヒドロキノン基準で68%であった。
(化合物(xxvi−a)の合成例)
化合物(xxvi−b)2.5g(12.6mmol)、アニリン2.5g(26.5mmol)及びテトラヒドロフラン50.0gを混合し、混合液を攪拌しながら100℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.1g(15.1mmol)をテトラヒドロフラン9.4gに溶解させ、室温で滴下した後、攪拌しながら60℃で加熱した。得られた混合液を濾過後、得られた有機層を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(xxvi−a)を0.4g(1.6mmol)得た。収率は化合物(xxvi−b)基準で12%であった。
(化合物(xxvi−1)の合成例)
化合物(xxvi−a)0.3g(1.2mmol)、4−ジメチルアミノピリジンを0.03(0.3mmol)、化合物(e)を1.2g(2.8mmol)、クロロホルム24gを混合した。続いて、得られた混合液に、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.9g(4.2mmol)をクロロホルム4.7gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。得られた混合液を濾過後、2N塩酸12gを入れて攪拌し、液体を分液し、有機層を取り出した。この有機層の溶媒を留去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(xxvi−1)が0.7g得られた。
収率は、xxvi−a基準で54%であった。
化合物(xxvi−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.66(m、14H)、2.72(m、4H)、2.57(m、2H)、3.94(t、4H)、4.17(t、4H)、5.80(d、2H)、6.12(m、2H)、6.43(d、2H)、6.91(m、8H)、7.42(m、7H)
化合物xxvii−1は以下のスキームにしたがって製造した。
Figure 2019215550
(化合物(xxvii−a)の合成例)
化合物(xxvi−b)2.5g(12.6mmol)、2−アミノチアゾール2.7g(26.5mmol)及びテトラヒドロフラン50.0gを混合し、得られた混合液を攪拌しながら100℃で加熱した。得られた混合液を室温まで冷却し、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.1g(15.1mmol)をテトラヒドロフラン9.4gに溶解させた液を、室温で滴下した後、攪拌した。得られた混合液を濾過後、得られた有機層を減圧濃縮し、溶媒を除去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(xxvii−a)を0.4g(1.5mmol)得た。収率は化合物(xxvi−b)基準で13%であった。
(化合物(xxvii−1)の合成例)
化合物(xxvii−a)0.3g(1.1mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.03(0.3mmol)、化合物(e)1.2g(2.8mmol)、及びクロロホルム23gを混合した。得られた混合液に、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.9g(4.2mmol)をクロロホルム4.6gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。得られた混合液を濾過後、2N塩酸12gを入れて攪拌後、液体を分液し、有機層を取り出した。この有機層の溶媒を留去した後、メタノールを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過後、真空乾燥して、化合物(xxvii−1)が0.3g得られた。収率は、xxvii−a基準で25%であった。
化合物(xxvii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm) 1.66(m、14H)、2.72(m、4H)、2.57(m、2H)、3.94(t、4H)、4.17(t、4H)、5.80(d、2H)、6.14(m、2H)、6.43(d、2H)、6.91(m、8H)、7.26(d、1H)、7.49(s、2H)、7.80(d、1H)
得られた化合物(xxvii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xxvii−1)は、昇温時において、143℃から152℃までスメクチック相を呈し、152℃から186℃までネマチック相を呈し、降温時において、99℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(i−1)の第一経路での合成例>
<化合物(xxv−1)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(v−a)を化合物1,4−ジヒドロキシアントラキノンに変える以外は同様の方法にて、化合物(i−1)を得た。収率は1,4−ジヒドロキシアントラキノン基準で34%であった。
化合物(i−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.43〜1.86(m、24H)、2.35〜2.84(m、12H)、3.90〜3.97(t、4H)、4.15〜4.19(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.86〜7.00(m、8H)、7.40〜7.48(m、2H)、7.74〜7.79(m、2H)8.17〜8.25(m、2H)
得られた化合物(i−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(i−1)は、昇温時において、125℃から128℃までスメクチック相を呈し、128℃から200℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、106℃までネマチック相を呈し結晶化した。
<化合物(xxviii−1)の第一経路での合成例>
化合物(e)12.5g(30mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.4(3mmol)、1,5−ジヒドロキシアントラキノン2.9g(12mmol)、及びクロロホルム100gを混合した。得られた混合液に、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド9.3g(45mmol)をクロロホルム25gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。その後、1N塩酸124gを入れて攪拌し、濾過して固形物を取り除いて得られた液体を分液し、有機層を取り出した。この有機層の溶媒を留去した後、メタノールを添加し、濾過して、固形物を取り出した。得られた固形物を乾燥すると、化合物(xxviii−1)が10.5g得られた。収率は、1,5−ジヒドロキシアントラキノン基準で84%であった。
化合物(xxviii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)H NMR(CDCl);δ 1.44〜1.89(m、24H)、2.31〜2.81(m、12H)、3.92〜3.97(m、4H)、4.15〜4.21(m、4H)、5.79〜5.85(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、636〜6.44(m、2H)、6.86〜7.02(m、8H)、7.36〜7.40(m、2H)、7.74〜7.81(m、2H)8.17〜8.22(m、2H)
<化合物(xxix−1)の第一経路での合成例>
化合物(e)12.5g(30mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.4(3mmol)、1,2−ジヒドロキシアントラキノン2.9g(12mmol)、及びクロロホルム100gを混合した。得られた混合液にN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド9.3g(45mmol)をクロロホルム25gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。その後、1N塩酸124gを入れて攪拌し、濾過して固形物を取り除いて得られた液体を分液し、有機層を取り出した。この有機層の溶媒を留去した後、メタノールを添し、濾過して、固形物を取り出した。得られた固形物を乾燥すると、化合物(xxix−1)が10.3g得られた。収率は、1,2−ジヒドロキシアントラキノン基準で82%であった。この化合物に熱をかけて、相転移温度を確認したところ、液晶相は観測されず、105℃にて溶解した。
化合物(xxix−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.83(m、24H)、2.29〜2.82(m、12H)、3.91〜3.97(m、4H)、4.14〜4.20(m、4H)、5.79〜5.84(m、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.36〜6.44(m、2H)、6.85〜7.02(m、8H)、7.59〜7.64(d、1H)、7.75〜7.83(m、2H)8.20〜8.34(m、3H)
<化合物(xxxii−1)の第一経路での合成例>
化合物(xxxii−1)は以下のスキームにしたがって製造した。
Figure 2019215550
[化合物(xxxii−b)の合成例]
トランス−桂皮酸23g(155mmol)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート75.5g(171mmol)、トリエチルアミン15.7g(155mmol)、ジメチルアミノピリジン1.9g(15.5mmol)、及び脱水ジメチルアセトアミド200gを混合して氷冷下、遮光して攪拌し、得られた混合液に、2,5−ジメトキシアニリン24.6g(155mmol)を加えて0℃で8時間、室温で終夜攪拌した。得られた溶液をメチルイソブチルケトンで抽出して、飽和炭酸ナトリウム水溶液と3回分液した。有機層を回収し、減圧濃縮後、メタノールで結晶化させた。結晶を濾過により回収し、真空乾燥させた。また、一方でメタノール溶液を室温で終夜静置し再結晶した。結晶を同様に回収し真空乾燥させた。
両者を併せて、再度冷メタノールで洗浄、乾燥することにより、化合物(xxxii−b)を主成分とする淡灰色粉末38.6gを得た。収率は2,5−ジメトキシアニリン基準で88%であった。
[化合物(xxxii−c)の合成例]
化合物(xxxii−b)を30g(106.0mmol)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン試薬)22.27g(55.0mmol)、及びトルエン500gを混合し、80℃に昇温して攪拌した。得られた混合液を冷却後濃縮して、ローソン試薬の分解物と化合物(xxxii−c)を主成分とする赤色粘性固体を得た。
[化合物(xxxii−d)の合成例]
前項で得られた化合物(xxxii−c)を主成分とする混合物、水酸化ナトリウム25.4g(636mmol)、水750gを混合し、氷冷下で攪拌した。続いて、得られた混合液に、フェリシアン化カリウム95.1g(289mmol)を含む水溶液を、氷冷下で加え、攪拌し、析出した固体を冷水及びヘキサンで洗浄し、熱メタノールで懸洗することにより化合物(xxxii−d)を黄色粉末として17.7gを得た。収率は化合物(xxxii−b)基準で56%であった。
[化合物(xxxii−a)の合成例]
化合物(xxxii−d)を10.6g(35.7mmol)と塩化ピリジニウム106.0g(10倍質量)を混合し、180℃に昇温して二時間攪拌した。得られた混合液を冷却後、水を加え、得られた沈殿を水及びヘキサンで洗浄して、化合物(xxxii−a)を主成分とする固体10.8gを得た。収率は化合物(xxxii−d)基準で110%であった。
(化合物(xxxii−1)の合成例)
化合物(xxxii−a)0.54g(2.01mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.02(0.2mmol)、化合物(e)1.76g(4.21mmol)、及びクロロホルム30gを混合した。得られた混合液に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.92g(4.81mmol)を加えて、攪拌した。得られた混合液をセライト濾過後、減圧濃縮した。粗精製物をクロロホルム100%を溶離液としたカラムクロマトグラフィーによって展開後、クロロホルム95%、アセトン5%溶離液にて展開した。橙色の吸着バンドを回収後、減圧濃縮し、エタノールで結晶化させた。結晶を濾過により回収後、さらにヘプタンで洗浄し真空乾燥させることにより、化合物(xxxii−1)が白色粉末として1.21g得られた。収率は、xxxii−a基準で56%であった。
化合物(xxxii−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.44〜1.83(m、24H)、2.34〜2.84(m、12H)、3.92〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.79〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.43(m、2H)、6.87〜7.01(m、8H)、7.19(s、2H)、7.34〜7.59(m、7H)
得られた化合物(xxxii−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(xxxii−1)は、昇温時において、125℃から180℃以上までネマチック相を呈し、降温時において、55℃までネマチック相を呈し、結晶化した。
さらに同様に化合物(e)のアルキル鎖長を換えれば第一経路と同様の手法で化合物(v−2)、(v−3)、(v−4)が合成できる。以下に夫々の化合物の合成例を示す。
Figure 2019215550
化合物(b’)、はアルキル鎖長のみ異なる化合物(b)と全く同様の手法で合成可能であった。同様に化合物(d’)、は化合物(d)と、化合物(e’)は化合物(e)とそれぞれ同様の手法で合成可能であった。
(化合物(b’’)の合成例)
モノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)59.5g(307mmol)、水酸化ナトリウム21.7g(543mmol)、11−ブロモウンデカノール70g(279mmol)及びジメチルアセトアミド280gを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、90℃で、その後110℃で撹拌した。その後室温まで冷却し、混合液を純水1680gに注ぎ、析出した沈殿を濾過により回収した。次に沈殿を6規定水酸化ナトリウム水溶液400mLで洗浄後、ヘプタンで洗浄し、真空乾燥させて、化合物(b’’)を83g得た。収率は11−ブロモウンデカノール基準で82%であった。
(化合物(d’’)の合成例)
化合物(b’’)を80g(219mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン61.2g(505mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00g及びクロロホルムを混合した。得られた混合液に、窒素雰囲気、氷冷下でアクイロイルクロリド29.8g(329mmol)を滴下し、室温まで戻したのち攪拌した。反応終了を確認後、2規定塩酸水溶液、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、回収した有機層を濃縮して中間体を得た。得られた中間体にメタノール700mlを加え、パラトルエンスルホン酸3.34g(18mmol)、水3gを加えた。溶液を60℃で三時間攪拌した。反応終了を確認後、溶液に純水1400gを加えて結晶化させ、これを回収した。得られた白色粉末を水―メタノール2/1(v/v)で懸洗し、さらにヘプタンで洗浄、真空乾燥して、化合物(d’’)を62g得た。収率は化合物(b’’)基準で84%であった。
(化合物(e’’)の合成例)
化合物(d’’)を40.3g(120mmol)、ジメチルアミノピリジン1.49g(12.2mmol)、トランス1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル(化合物(f))28g(122mmol)、及びクロロホルム150mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド27.3g(132mmol)の50mLクロロホルム溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて攪拌した。反応溶液にクロロホルム200mL及びヘプタン200mLを加えて沈殿を濾過した。濾液を回収して、2N−塩酸水溶液で洗浄した。有機層を回収し、不溶成分を濾過後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去して中間体を得た。
前項で得られた中間体、純水2.34g(130mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物3.95g(20.8mmol)、及びTHF200mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、70℃に加温後、3時間攪拌した。室温まで放冷後、沈殿を濾過にて除去し、室温で溶液を減圧濃縮させた。残渣にヘプタン200mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、純水で洗浄後、真空乾燥させた。得られた粉末をクロロホルムに再溶解させ、シリカゲルを通して濾過した。濾液を回収し、クロロホルム400mL及びヘプタンを加えて結晶化させた。得られた粉末を濾取、真空乾燥を経て、化合物(e’’)44.4gを得た。収率は化合物(d’’)基準、二工程で82%であった。
(化合物(b’’’)の合成例)
モノテトラヒドロピラニル保護ヒドロキノン(a)88.5g(455mmol)、水酸化ナトリウム35.5g(888mmol)、8−クロロオクタノール75g(455mmol)、及びジメチルアセトアミド300gを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、90℃で、その後100℃で2時間撹拌した。その後室温まで冷却し、混合液を純水600gに注ぎ、析出した沈殿を濾過により回収した。ついで沈殿を6規定水酸化ナトリウム水溶液400mLで洗浄後、ヘプタンで洗浄し、真空乾燥させて、化合物(b’’’)を132g得た。収率は8−クロロオクタノール基準で90%であった。
(化合物(d’’’)の合成例)
化合物(b’’’)を100g(310mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン86.4g(713mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00g、及びクロロホルムを混合した。得られた混合液に、窒素雰囲気、氷冷下でアクイロイルクロリド42.11g(465mmol)を滴下し、室温まで戻したのち2時間攪拌した。反応終了を確認後、2規定塩酸水溶液、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄、回収した有機層を濃縮して中間体を得た。得られた中間体にメタノール300mlを加え、パラトルエンスルホン酸3.34g(18mmol)、水3gを加えた。溶液を60℃で三時間攪拌させた。反応終了を確認後、純水1400gを加えて結晶化させ、これを回収した。得られた粉末を水―メタノール2/1(v/v)で懸洗し、さらにヘプタンで洗浄、真空乾燥して、化合物(d’’’)を72g得た。収率は化合物(b’’’)基準で79%であった。
(化合物(e’’’)の合成例)
化合物(d’’’)を25.1g(86mmol)、ジメチルアミノピリジン1.06g(8.7mmol)、トランス1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル(化合物(f))20g(86.9mmol)、及びクロロホルム70mLを混合した。得られた混合液を、窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド19.5g(95mmol)の50mLクロロホルム溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて攪拌した。反応溶液にクロロホルム200mL及びヘプタン200mLを加えて沈殿を濾過した。濾液を回収して、2N−塩酸水溶液で洗浄した。有機層を回収し、不溶成分を濾過後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去して中間体を得た。
前項で得られた中間体、純水1.46g(81mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物2.46g(12.9mmol)、及びTHF200mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、70℃に加温後、2時間攪拌した。室温まで放冷後、沈殿を濾過にて除去し、室温で減圧濃縮し、残渣に純水800mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、純水で洗浄後、真空乾燥した。得られた粉末をエタノール・水2/3(v/v)で洗浄後、さらにヘプタンで洗浄した。得られた粉末を濾取、真空乾燥して、化合物(e’’’)30.1gを得た。収率は化合物(d’’’)基準、二工程で84%であった。
<化合物(v−2)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(e)を化合物(e’)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v−2)を得た。収率は化合物(v−a)基準で72%であった。
化合物(v−2)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.83(m、16H)、2.35〜2.85(m、12H)、3.94〜3.97(t、4H)、4.16〜4.21(t、4H)、5.81〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.27(d、2H)、8.19〜8.23(d、2H)、8.34〜8.38(d、2H)
<化合物(v−3)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(e)を化合物(e’’)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v−3)を得た。収率は化合物(v−a)基準で82%であった。
化合物(v−3)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.90(m、44H)、2.34〜2.87(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.81〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(m、2H)、6.87〜7.02(m、8H)、7.27(d、2H)、8.18〜8.23(d、2H)、8.33〜8.37(d、2H)
得られた化合物(v−3)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−3)は、昇温時において、164℃から174℃までスメクチック相を呈し、174℃から195℃までネマチック相を呈し、降温時において、195℃から167℃までネマチック相を示し、167℃から151℃までスメクチック相を呈し結晶化した。
<化合物(v−4)の第一経路での合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(e)を化合物(e’’’)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v−4)を得た。収率は化合物(v−a)基準で69%であった。
化合物(v−4)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.45〜1.90(m、32H)、2.34〜2.87(m、12H)、3.94〜3.98(t、4H)、4.15〜4.20(t、4H)、5.81〜5.84(dd、2H)、6.07〜6.18(m、2H)、6.35〜6.44(m、2H)、6.88〜7.02(m、8H)、7.27(d、2H)、8.19〜8.22(d、2H)、8.33〜8.37(d、2H)
得られた化合物(v−4)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−4)は、昇温時において、163℃から167℃までスメクチック相を呈し、167℃から220℃までネマチック相を呈し、降温時において、220℃から156℃までネマチック相を示し、結晶化した。
さらに化合物(f)を第二経路に適用すれば、さらに多様な連結基をもつ化合物v−1誘導体の合成が可能となる。以下に化合物v−5の合成例を示す。
<化合物(v−5)の第二経路での合成例>
化合物(v−5)を下記スキームで合成した。
Figure 2019215550
(化合物(g)の合成例)
化合物(v−a)12.5g(43.3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン1.06g(8.7mmol)、化合物(f)20.0g(86.7mmol)、クロロホルム50gを混合した。得られた混合液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド19.7g(95.4mmol)をクロロホルム30gに溶解させた液を、室温で滴下し、攪拌した。得られた混合液を濾過後、2N塩酸12gを入れて攪拌後、液体を分液し、有機層を取り出した。この有機層の溶媒を留去した後、テトラヒドロフランを加えて攪拌した。生成した沈殿を濾過により除去し、減圧濃縮後、ヘプタンにて結晶化させた。これを濾過により回収し、真空乾燥して、化合物(g)が淡黄色粉末で得られた。
(化合物(h)の合成例)
前項で得られた中間体(g)をテトラヒドロフランに溶解させた液、純水1.18g(65mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物1.55g(8.2mmol)、及びテトラヒドロフラン115mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、70℃に加温後、2時間攪拌した。室温まで放冷後、生成した沈殿を濾過により回収した。得られた粉末をテトラヒドロフランにて懸洗後、さらにヘプタンで洗浄した。得られた粉末を濾取、真空乾燥して、化合物(h)18gを得た。収率は化合物(v−a)基準、二工程で70%であった。
(化合物(i)の合成例)
トリホスゲン25.36g(85mmol)及びテトラヒドロフラン125gを氷冷下で混合した。得られた混合液に、アクリル酸4−ヒドロキシブチル37g(257mmol)、N、N’ジメチルアニリン28.0g(231mmol)を滴下した。反応溶液を室温で2時間攪拌して、クロロホルメート中間体を得た。中間体溶液に化合物(a)49.9g(257mmol)、ピリジン49.9g(282mmol)を溶解したテトラヒドロフラン50mLを滴下した。室温で終夜攪拌し、白色沈殿を濾過により除去後、減圧濃縮した。残渣にエタノール120mLを加えた後、パラトルエンスルホン酸一水和物44gを加えて溶液のpHを4に調節した。室温で1時間攪拌し、エタノール溶液を1000gの氷に注いだ。上澄みをデカンテーションにより除去し、下層の液体をさらに水−エタノール1/3で懸洗し同じくデカンテーションにより上澄みを除去した。さらにヘプタンによる洗浄、デカンテーションを経て、化合物(i)を得た。収量は50.0gであり収率はアクリル酸4−ヒドロキシブチル基準で70%であった。
<化合物(v−5)の合成例>
化合物(g)6.1g(10mmol)、化合物(i)6.0g(21mmol)、ジメチルアミノピリジン0.26g(2.1mmol)及びクロロホルム20mLを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド5.30g(26mmol)のクロロホルム溶液10mLを氷冷下で滴下した。反応溶液を攪拌し、ジシクロヘキシルウレアを濾過したのち、二規定塩酸水溶液を加え、分離した有機層を乾燥後、セライト濾過後減圧濃縮した。残渣にメタノールを加えて結晶化させた。得られた沈殿を回収し、クロロホルムに再溶解させた。活性炭を500mg加えて終夜静置後酢酸、セライト濾過し、エタノールに再沈殿させた。沈殿を濾取し、ヘプタンで懸洗、真空乾燥させることにより化合物(v−5)を2.8g得た。収率は化合物(g)基準で25%であった。
化合物(v−5)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.72〜1.88(m、16H)、2.35〜2.84(m、12H)、4.21〜4.25(t、4H)、4.28〜4.33(t、4H)、5.82〜5.86(dd、2H)、6.08〜6.19(m、2H)、6.39〜6.46(m、2H)、7.13〜7.24(m、8H)、7.29(d、2H)、8.19〜8.22(d、2H)、8.35〜8.38(d、2H)
得られた化合物(v−5)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−5)は、昇温時において、142℃から163℃までスメクチック相を呈し、163℃から224℃までネマチック相を呈し、降温時において、108℃までネマチック相を呈し結晶化した。
ただし連結基が異なる化合物v−1誘導体も第一経路と同様の手法で合成できる。以下に化合物v−6の構造と合成例を示す。
<化合物(v−6)の第一経路での合成例>
化合物(v−6)を下記スキームで合成した。化合物(v−6)の構造は以下のとおりである。
Figure 2019215550
Figure 2019215550
(化合物(j)の合成例)
パラヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル30.73g(135mmol)、トランス1、4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル(化合物(f))31g(135mmol))、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド31.95g(155mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン1.64g(13.5mmol)、脱水クロロホルム200mlを混合した。得られた混合液を、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。反応溶液にヘプタン100mLを加え生成した沈殿を濾過し、濾液を回収した。濾液を1N−塩酸水溶液で洗浄した。回収した有機層を乾燥、濾過後、残渣に、メタノール50vol%水溶液を加えて得られた結晶を濾取した。結晶をヘプタン、純水で洗浄後、真空乾燥することにより、化合物(j)を58.0g得た。収率はパラヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル基準で98%であった。
(化合物(k)の合成例)
前項で得られた化合物(j)50.0g(114mmol)、及びテトラヒドロフラン150mlを混合した。得られた混合液に酢酸(触媒量、2g)、パラジウム炭素7.5gを加えて、窒素雰囲気下で攪拌した。反応溶液を減圧してから、水素雰囲気下で攪拌した。水素の消費が止まったら、窒素雰囲気下で、溶液をセライト濾過した。溶剤をエバポレータにて除去後、残渣を50vol%メタノール水溶液で洗浄し、真空乾燥して、化合物(k)を32.0g得た。収率は化合物(j)基準で80%であった。
(化合物(l)の合成例)
前項で得られた、化合物(j)16g(46mmol)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)6.91g(48mmol))、N、N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド10.88g(53mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン0.56g(4.6mmol)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール10mg、脱水クロロホルム80mlを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、室温で攪拌した。反応溶液にヘプタン40mLを加え生成した沈殿を濾過し、濾液を回収した。濾液を1N−塩酸水溶液で洗浄した。回収した有機層を乾燥、濾過後、化合物(l)を18.5g得た。収率は化合物(j)基準で85%であった。
<化合物(m)の製造例>
化合物(l)18.5g、純水0.87g、パラトルエンスルホン酸一水和物0.87g(4.6mmol)、THF80mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、60℃に加温後、攪拌した。室温まで放冷後、THFを除去し、残渣にヘプタン200mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、純水で洗浄後、真空乾燥して、化合物(m)7.5gを得た。収率は化合物(l)基準、二工程で40%であった。
(化合物(v−6)の合成例)
前項で得られた化合物(m)4.95g(11.8mmol)、化合物(v−a)1.70g(5.9mmol))、N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド2.95g(14.2mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン0.29g(2.4mmol)、脱水クロロホルム40mlを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、室温で攪拌した。反応溶液にヘプタン20mLを加え生成した沈殿を濾過し、濾液を回収した。濾液を1N−塩酸水溶液で洗浄した。有機層を乾燥、濾過後、エバポレータにて減圧濃縮し、酢酸エチルを加え、再び減圧濃縮後、氷浴で冷却したメタノール300mLを加え再沈殿させた。得られた粉末をヘプタンで洗浄後、真空乾燥することにより、化合物(v−6)を2.9g得た。収率は化合物(m)基準で45%であった。
化合物(v−6)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.75〜1.88(m、16H)、2.37〜2.84(m、12H)、4.22〜4.27(t、4H)、4.31〜4.37(t、4H)、5.82〜5.86(dd、2H)、6.08〜6.18(m、2H)、6.38〜6.45(m、2H)、7.17〜7.21(dd、4H)、7.29(d、2H)、8.07〜8.11(d、4H)、8.19〜8.22(d、2H)、8.34〜8.38(d、2H)
得られた化合物(v−6)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−6)は、昇温時において、124℃から135℃までスメクチック相を呈し、135℃から220℃までネマチック相を呈し、降温時において、220℃から103℃までネマチック相を示し、結晶化した。
さらに重合性置換基が異なる化合物(v−1)誘導体、側方置換基を有する化合物(v−1)誘導体も第一経路と同様の手法で合成できる。以下に化合物(v−7)と化合物(v−8)の化学構造と合成例を示す。
Figure 2019215550
<化合物(v−7)の第一経路での合成例>
化合物(v−7)を下記スキームで合成した。
Figure 2019215550
(化合物(n)の合成例)
化合物(b)を30g(102mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、トリエチルアミン15.5g(153mmol)、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00gを取り、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。窒素雰囲気、氷冷下でメタクイロイルクロリド16.0g(153mmol)を滴下し、室温まで戻したのち3時間攪拌した。反応終了を確認後、パラトルエンスルホン酸一水和物を加えてpHを2に調整した。反応溶液に純水1.47gを加えて室温で三時間攪拌させた。反応終了を確認後、ヘプタン100mLを加えて、2規定塩酸水溶液と分液して有機層を回収した。有機層を減圧濃縮後、氷1000gを加えて激しく攪拌し結晶化させ、これを回収した。得られた白色粉末を水―メタノール2/1(v/v)で懸洗し、さらにヘプタン、純水で洗浄、真空乾燥して、化合物(n)を12.4g得た。収率は化合物(b)基準で44%であった。
(化合物(o)の合成例)
化合物(n)を12.0g(43mmol)、ジメチルアミノピリジン0.53g(4.3mmol)、トランス1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル(化合物(f))10.0g(44mmol)を取り、クロロホルム50mLに溶解させた。窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド9.8g(48mmol)の20mLクロロホルム溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて攪拌した。
反応溶液にクロロホルム200mLとヘプタン200mLを加えて沈殿を濾過した。濾液を回収して、2N−塩酸水溶液で洗浄した。有機層を回収し、不溶成分を濾過後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去して中間体を得た。
前項で得られた中間体、純水0.73g(40mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物1.15g(6.1mmol)を取り、THF100mLに溶解させた。窒素雰囲気下、70℃に加温後、3時間攪拌した。室温まで放冷後、沈殿を濾過にて除去し、室温で減圧濃縮させた。残渣にヘプタン200mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、純水で洗浄後、真空乾燥させた。得られた粉末をクロロホルムに再溶解させ、シリカゲルを通して濾過した。濾液を回収しクロロホルム400mLに溶解させて、ヘプタンを加えて結晶化させた。得られた粉末を濾取、真空乾燥を経て、化合物(o)12.2gを得た。
収率は化合物(n)基準、二工程で68%であった。
<化合物(v−7)の合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(e)を化合物(n)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v−7)を6.7g得た。収率は化合物(v−a)基準で55%であった。
化合物(v−7)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.40〜1.85(m、24H)、1.95(d、6H)、2.36〜2.85(m、12H)、3.93〜3.97(t、4H)、4.14〜4.19(t、4H)、5.46〜5.55(t、2H)、6.10〜6.10(br、t、2H)、6.90〜7.00(m、8H)、7.27(d、2H)、8.20〜8.23(d、2H)、8.35〜8.38(d、2H)
<化合物(v−8)の第一経路での合成例>
化合物(v−8)を下記スキームで合成した。
Figure 2019215550
(化合物(p)の合成例)
2−ターシャリーブチルヒドロキノンを119g(713mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物0.23g(1.2mmol)及びテトラヒドロフラン480mLを混合し、得られた混合液に、氷冷下、ジヒドロピラン50g(594mmol)を滴下した。室温で攪拌した後、ヘプタン500mLを加えてから飽和水酸化ナトリウムを加えた。
分離した水層を廃棄後、有機層を回収し、静置した。析出した結晶を濾取し、純水で懸洗し濾過、真空乾燥して、化合物(p)を薄紫粉末として39g得た。収率はジヒドロピラン基準で26%であった。
(化合物(q)の合成例)
化合物(p)を39g(156mmol)、水酸化ナトリウム12.2g(304mmol)、6−クロロヘキサノール21.3g(156mmol)、及びジメチルアセトアミド86gを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、100℃で6時間撹拌した。その後室温まで冷却し、混合液を純水580gに注いだ。デカンテーションにより上澄み水溶液を除去後、沈んだ油状粗精製物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、純水と分液した。有機層を回収し、濃縮後真空乾燥させることにより淡赤色粘長液体として化合物(q)を42g得た。収率は化合物(p)基準で77%であった。
(化合物(r)の合成例)
化合物(q)を40g(114mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、N、N−ジメチルアニリン31.8g(262mmol)、及びクロロホルムを混合した。得られた混合液に、窒素雰囲気、氷冷下でアクイロイルクロリド15.5g(171mmol)を滴下し、室温まで戻したのち3時間攪拌した。反応終了を確認後、パラトルエンスルホン酸一水和物を加えてpHを2に調節した。反応溶液に純水1.64gを加えて室温で一時間攪拌した。反応終了を確認後、ヘプタン100mLを加えて、ジメチルアニリンが完全に除去されるまで2規定塩酸水溶液を加え、分離した有機層を回収した。有機層を活性炭処理してセライト濾過、減圧濃縮後、ヘプタンに注ぎデカンテーションにより上澄みヘプタン層を除去した。沈殿した淡赤色粘長液体を二日間真空乾燥し、化合物(r)を26.0g得た。収率は化合物(q)基準で71%であった。
(化合物(s)の合成例)
化合物(r)を15.0g(47mmol)、ジメチルアミノピリジン0.58g(4.7mmol)、トランス1,4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル(化合物(f))10.9g(47mmol)、及びクロロホルム40mLを混合した。得られた混合液を、窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド10.6g(52mmol)の10mLクロロホルム溶液を滴下した。滴下終了後、室温にて攪拌した。反応溶液にヘプタン100mLを加えて生成した沈殿を濾過した。濾液を回収して、2N−塩酸水溶液で洗浄した。分離した有機層を回収し、不溶成分を濾過後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、シリカゲル濾過後、溶媒を除去して中間体を得た。
前項で得られた中間体、純水0.79g(44mmol)、3、5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシトルエン1.40g(6.42mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物1.25g(6.6mmol)、及びTHF150mLを混合した。得られた混合液を、窒素雰囲気下、70℃に加温後、3時間攪拌した。室温まで放冷後、生成した沈殿を濾過にて除去し、室温で減圧濃縮した。残渣に氷300gを加え攪拌し、析出した沈殿を濾取し、ヘプタンで洗浄後回収し、真空乾燥した。得られた粉末をクロロホルムに再溶解させ、シリカゲルを通して濾過した。濾液を回収しクロロホルム400mLに再溶解させて、ヘプタンを加えて結晶化させた。得られた粉末をエタノール・水2/3(v/v)で洗浄後濾取し、真空乾燥を経て、化合物(o)17.9gを得た。収率は化合物(r)基準、二工程で86%であった。
<化合物(v−7)の合成例>
化合物(v−1)の合成例における、原料の化合物(e)を化合物(s)に変える以外は同様の方法にて、化合物(v−7)を0.7g得た。収率は化合物(v−a)基準で4.5%であった。
化合物(v−8)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)1.38(s、18H)、1.47〜1.85(m、24H)、2.36〜2.83(m、12H)、3.95〜4.00(t、4H)、4.16〜4.21(t、4H)、5.80〜5.84(dd、2H)、6.08〜6.18(m、2H)、6.37〜6.44(dd、2H)、6.84〜6.91(m、4H)、6.95(t、2H)、7.28(d、2H)、8.20〜8.23(d、2H)、8.35〜8.38(d、2H)
さらに、ベンゼン環に換えてシクロヘキサンを適用した重合性液晶化合物も下記のスキームで合成できる。
<化合物(iv−9)及び化合物(v−9)の第一経路での合成例>
化合物(iv−9)及び化合物(v−9)は以下の構造である。
Figure 2019215550
化合物を下記スキームで合成した。
Figure 2019215550
(化合物(t)の合成例)
化合物(t)はトランスー4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、アクリル酸モノ(4−ヒドロキシブチル:東京化成工業株式会社製)を原料として、DCC縮合反応などにより、化合物(m)と同様の手法で合成した。全収率は45%であった。以下にその反応スキームを示す。
Figure 2019215550
<化合物(u)の製造例>
トランス−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(125g(867mmol))、炭酸カリウム143.8g(1.04mol)、ベンジルブロミド140.87g(824mmol)及びジメチルアセトアミド700mlを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、80℃まで昇温して、攪拌した。反応溶液を室温まで放冷後、反応溶液を水1000g、メチルイソブチルケトン/ヘプタン(重量比3/2)からなる液500gに注いだ。得られた溶液を攪拌後、分離した有機層を回収し、純水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、得られた残渣にヘプタンを加えて濾過、真空乾燥して、化合物(u)150g得た。収率はトランス−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸基準で75%であった。
<化合物(v)の製造例>
化合物(u)30.5g(130mmol)、ジメチルアミノピリジン1.59g(13mmol)、トランス1、4−シクロヘキサンジカルボン酸モノエトキシメチルエステル30g(130mmol)及びクロロホルム200mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、ジシクロヘキシルカルボジイミド29.57g(143mol)を滴下した。滴下終了後、攪拌した。得られた反応溶液にクロロホルム200mL及びヘプタン200mLを加えて、生成した沈殿を濾過した。濾液を回収して、純水で3回洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、得られた残渣にメタノールを加えて攪拌し、得られた粉末を濾取後、さらにメタノールを加えて攪拌した。
得られた粉末を濾取、真空乾燥して、化合物(v)42g得た。収率は化合物(u)基準で90%であった。
<化合物(w)の製造例>
前工程で得られた化合物(v)23gをTHF150mlに溶解した。得られた混合液に窒素雰囲気下で、10%パラジウムー炭素(50%含水)1.2gを加えた。得られた混合液を減圧後、室温、常圧、水素雰囲気下で攪拌した。窒素雰囲気下で濾過した。得られた残渣にトルエンを加え、不溶成分を濾過にて除去後、溶媒を除去した。残渣を水/メタノール1:1(v/v)、次いで水で洗浄した。得られた結晶を濾別、真空乾燥させることにより化合物(w)17.8gを得た。収率は化合物(v)基準で97%であった。
<化合物(x)の製造例>
化合物(w)16g(44.9mmol)、ジメチルアミノピリジン0.55g(13mmol)、4−ヒドロキシブチルアクリレート6.47g(44.9mmol)及びクロロホルム100mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、氷冷して攪拌し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10.19g(49.4mmol)の50mLクロロホルム溶液を滴下した。滴下終了後、攪拌した。得られた反応溶液にトルエン200mLを加えてから濾液を回収して、減圧濃縮、トルエンを加えた。得られた溶液を1N−塩酸水溶液で洗浄した。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、残渣を真空乾燥して、化合物(x)を18.5g得た。
<化合物(t)の製造例>
化合物(x)18.5g、純水0.97g(53.9mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物0.85g(4.5mmol)及びTHF100mLを混合した。得られた混合液を窒素雰囲気下、50℃に加温後、攪拌した。室温まで放冷後、THFを除去し、残渣にヘプタン200mLを加えた。析出した沈殿を濾取し、これを純水で洗浄後、真空乾燥させ、化合物(t)15.4gを得た。収率は化合物(x)基準、二工程で81%であった。
(化合物(v−9)の合成例)
化合物(v−a)1.44g(5mmol)、化合物(k)4.24g(10mmol)、ジメチルアミノピリジン0.12g(1mmol)及びクロロホルムを混合した。得られた混合液にジシクロヘキシルカルボジイミド2.48g(12mmol)のクロロホルム溶液を氷冷下で滴下した。得られた反応溶液を攪拌し、濾過したのち、分離した有機層を回収した。有機層を乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて、減圧濃縮後、メタノールを加えて再沈殿させた。沈殿を濾取し、さらにエタノールを加えて洗浄、濾過後真空乾燥することにより化合物(v−9)を4.65g得た。収率は化合物(v−a)基準で85%であった。
得られた化合物(v−9)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。化合物(v−9)は、昇温時において、146℃から159℃までスメクチック相を呈し融点を示し、降温時において、159℃から121℃までネマチック相を示し、結晶化した。
(化合物(iv−9)の合成例)
化合物(iv−9)は化合物(iv−a)、化合物(t)を原料として化合物(v−9)と同様にして合成した。
<光学フィルムの製造例>
(実施例1)
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布したのち、加熱乾燥後、厚さ89nm膜を得た。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表2の組成の塗布液をスピンコート法により塗布した。100℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、100℃で加熱しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚1.04μmの光学フィルムを作製した。
表2中、溶剤以外の表中の重量%は、塗布液を100重量%とした固形分の重量%を意味する。
Figure 2019215550
A:LC242(BASF社より市販されている液晶化合物)
光重合性開始剤:イルガキュア907、イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
(実施例2)
表2の組成の塗布液(混合溶液)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚1.28μmの光学フィルムを作製した。
(実施例3)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、さらに210℃で1分間乾燥させた。得られた未重合フィルムを190℃まで冷却して、同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚2.43μmの光学フィルムを作製した。
(実施例4)
表2の組成の塗布液(混合溶液)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、膜厚1.52μmの光学フィルムを作製した。
(実施例5)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、さらに160℃まで昇温し乾燥させた。得られた未重合フィルムを同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚2.27μmの光学フィルムを作製した。
(実施例6)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、さらに140℃まで昇温し乾燥させた。得られた未重合フィルムを同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚1.59μmの光学フィルムを作製した。
(実施例7)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、さらに150℃まで昇温し乾燥させた。得られた未重合フィルムを同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚2.11μmの光学フィルムを作製した。
(実施例8)
表2の組成の塗布液(混合溶液)を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、膜厚1.56μmの光学フィルムを作製した。
(実施例9)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、さらに170℃まで昇温し乾燥させた。得られた未重合フィルムを同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚1.40μmの光学フィルムを作製した。
(実施例10)
表2の組成の塗布液(混合溶液)を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、膜厚1.50μmの光学フィルムを作製した。
(比較例1)
実施例1に記載したラビング処理を施したポリビニルアルコール基板上に、表2の組成の塗布液(混合溶液)をスピンコート法により塗布した。80℃ホットプレート上にて1分間乾燥した後、さらに150℃で1分間乾燥させた。得られた未重合フィルムを100℃まで冷却して、同温度で保温しながら1200mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚0.88μmの光学フィルムを作製した。
<光学特性の測定>
450nmから700nmの波長範囲において、作製した光学フィルムの位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定し、装置付属プログラムで波長450nmの位相差値Re(450)、波長550nmの位相差値Re(550)、波長650nmの位相差値Re(650)を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2019215550
<化合物(TM−1)の製造例>
化合物(TM−1)の合成ルートと構造は以下のとおりである。
Figure 2019215550
(化合物(TC−1)の合成例)
容器に、化合物(v−a)4.9g(17.0mmol)、トランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸1.7g(8.5mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.21g(1.7mmol)、及び脱水ピリジン392gを混合し、続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)46.2g(224.4mmol)を脱水ピリジン98gに溶解させた溶液を滴下し、得られた混合液を60℃に昇温して攪拌した。
析出した固体を濾別した後、溶液を濃縮し、溶液にクロロホルム196gを加えた。クロロホルム溶液を2規定塩酸196gで洗浄し、分離した有機層を取り出した。有機層を減圧下、シリカゲルカラムで精製し、化合物(TC−1)を主成分とする固体2.8gを得た。収率はトランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸基準で70%であった。
(化合物(TM−1)の合成例)
容器に、化合物(TC−1)2.6g(5.6mmol)、化合物(e)2.3g(5.6mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.07g(0.56mmol)、及びクロロホルム75gを混合し、続いてN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1.4g(6.7mmol)をクロロホルム19gに溶解させた溶液を滴下し、得られた混合液を室温で攪拌した。析出した固体を濾別した後、溶液にクロロホルムを加えた。
クロロホルム溶液を2規定塩酸94gで洗浄し、分離した有機層を取り出した。有機層に減圧下でメタノールを添加し、固形物を取得した。取得した固形物をメタノールで洗浄し、化合物(TM−1)1.2gを得た。収率は化合物(TC−1)基準で24%であった。
Figure 2019215550
化合物(TM−1)のH−NMR(CDCl):δ(ppm)0.9(3Hy)、1.0(2Hx)、1.2−2.0(2Hu+2Hv+2Hw+2Hq+2Hr+2Hp+2Hs+2Hh+2Hm+4Hl+Hk+2Hi)、2.2−2.5(2Hh+2Hm+2Hi)、2.6−2.8(Hg+Hn+Hj)、3.9(2Ht)、4.2(2Ho)、5.8(Hz)、6.1(Hz)、6.4(Hz)、6.9−7.0(2He+2Hf)、7.3(Ha+Hb),8.2−8.4(2Hc+2Hd)
得られた化合物(TM−1)の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行った。温度を上げていくと148℃付近で結晶相からスメクチック相に変わり、さらに153℃付近でネマチック相に変わった。さらに温度を上げていくと173℃付近で等方相に変わった。ここから温度を下げていくと、170℃付近でネマチック相に変わり、102℃付近で結晶相に変わった。すなわち、化合物(TM−1)は、昇温時において、148℃から153℃までスメクチック相を呈し、153℃から173℃までネマチック相を呈し、降温時において、170℃から102℃までネマチック相を呈することが分かった。
<光学フィルムの製造例>
(実施例11)
ガラス基板にポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布したのち、加熱乾燥後、厚さ89nm膜を得た。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施したのち、ラビング処理を施した面に、表4の組成の塗布液をスピンコート法により塗布した。170℃ホットプレート上で1分間乾燥した後、130℃で加熱しながら9600mJ/cmの紫外線を照射して、膜厚1.353μmの光学フィルムを作製した。
表4中溶剤以外の表中の重量%は、塗布液を100重量%とした固形分の重量%を意味する。
Figure 2019215550
A:LC242(BASF社より市販されている液晶化合物)
光重合性開始剤:イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
(比較例2)
表4の塗布液を用い、スピンコート法により塗布し、45℃ホットプレート上で1分間乾燥し、室温で紫外線を照射する以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作成した。得られた光学フィルムについて、位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて実施例1と同様に測定した。結果を表5に示す。
<光学特性の測定>
作成した光学フィルムについて、波長547nmにおける位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。また光学フィルムの重合性化合物に由来する膜厚をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス株式会社製)を用いて測定した。波長547nmにおける位相差値と膜厚からΔnを算出した。また同様にして波長447nm、及び628nmにおける位相差値を測定し、波長分散特性Re(447)/Re(547)、及びRe(628)/Re(547)を算出した。結果を表5に示す。
Figure 2019215550
実施例11により得られた光学フィルムは、化合物(TM−1)を含有することにより、比較例2と比べ、[Re(447)/Re(547)]及び[Re(628)/Re(547)]の値がより1に近く、波長分散性に優れた性能を有する。
<光学フィルムの製造例>
(実施例12〜28、比較例3)
ガラス基板に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2重量%水溶液を塗布し、乾燥後、厚さ89nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施し、ラビング処理を施した面に、表6の組成の塗布液をスピンコート法により塗布し、乾燥した。その後、紫外線を照射した。これにより、ガラス基板に、光学フィルムを作成することができた。
表6中、溶剤以外の表中の重量%は、塗布液を100重量%とした重量%を意味する。
Figure 2019215550
LC242:BASF社より市販されている液晶化合物
光重合性開始剤:イルガキュア907、イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
レベリング剤:BYK361N(ビックケミージャパン製)
<光学特性の測定>
作製した光学フィルムの正面位相差値を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて測定した。尚、基材に使用したガラス基板には、複屈折性が無いため、ガラス基板付きフィルムを測定機で計測することにより、ガラス基板上に作製した光学フィルムの正面位相差値を得ることができる。得られた光学測定正面位相差値は、波長447.3nm、546.9nm、及び627.8nmにおいて、それぞれ測定し、[Re(447.3)/Re(546.9)](αとする)および[Re(627.8)/Re(546.9)](βとする)を算出した。また、光学フィルムに由来する部分の膜厚(μm)をレーザー顕微鏡(LEXT、オリンパス社製)を用いて測定した。結果を表7に示す。Δnは、Re(546.9)の値を膜厚で割って算出した。
Figure 2019215550
実施例12〜28により得られた光学フィルムは、比較例3と比べ、[Re(447.
3)/Re(546.9)](表中α)の値がより1に近いもしくは1以下であった。また、[Re(627.8)/Re(546.9)](表中β)の値がより1に近いもしくは1以上であった。つまり、屈折率の波長依存性が小さいもしくはいわゆる逆波長分散性を示すため、液晶パネルに利用すれば、光学補償に優れた特性を有する。
本発明の化合物によれば、広い波長域において一様の偏光変換が可能な光学フィルムを与えることができる。
本発明に係るカラーフィルタ1を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置5を示す概略図である。 本発明に係る偏光板30を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置の液晶パネル20と偏光板30との貼合品21を示す概略図である。 本発明に係る有機EL表示装置の有機ELパネル23を示す概略図である。
1,1’ カラーフィルタ
2,2’ 光学フィルム
3,3’ 配向膜
4,4’ カラーフィルタ層
5 液晶表示装置
6,10 偏光板
7,11 基板
8 対向電極
9 液晶層
12 TFT、絶縁層
13 透明電極
13’ 反射電極
30,30a,30b,30c,30d,30e 偏光板
14,14’ 積層体
15 偏光フィルム
16,16’ 支持基材
17,17’ 配向膜
18,18’ 光学フィルム
19,19’,22,25 接着剤層
20 液晶パネル
21 貼合品
23 有機ELパネル
24 発光層

Claims (14)

  1. 式(1)で表される化合物を重合してなる光学フィルムであって、波長450nmの位相差値Re(450)および波長550nmの位相差値Re(550)が、
    Re(450)/Re(550) ≦ 1.009
    を満足する、光学フィルム。
    −F−(B−A)k−E−G−D−Ar−D−G−E−(A−B−F−P (1)
    [式(1)中、
    Arは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群からそれぞれ選ばれ、単結合で結合する少なくとも二つの芳香環を有する2価の基を表し、Ar基中の芳香環に含まれるπ電子の数Nπは、12以上である。
    及びDは、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arに結合する位置を表す)、−CR−、*−O−CR−(*は、Arに結合する位置を表す)、または、*−CR−O−(*は、Arに結合する位置を表す)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びGはそれぞれ独立に、2価の脂環式炭化水素基を表す。該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基に置換されていてもよい。
    およびEは、それぞれ独立に、−CR−、−CH−CH−、−O−、*−CO−O−(*はGまたはGとの結合部位を表す)、*−O−CO−(*はGまたはGとの結合部位を表す)、−O−CO−O−又は単結合を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    及びBは、−O−を表す。
    及びAは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素基を表す。該2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基に置換されていてもよい。
    k及びlは、それぞれ独立に、1〜3の整数を表す。
    及びFは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を表す。該アルキレン基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルキル基に置換されていてもよく、該アルキレン基に含まれるメチレン基は、−O−又は−CO−に置換されていてもよい。
    及びPは、それぞれ独立に、水素原子又は重合性基(ただし、P及びPのうち少なくとも1つは、重合性基を表す)を表す。]
  2. 及びDが、それぞれ独立に、*−O−CO−(*は、Arとの結合部位を表す)である請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 及びEが、それぞれ独立に、*−CO−O−(*はGまたはGとの結合部位を表す)である請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 及びPが、アクリロイル基またはメタクリロイル基である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 式(1)で表される化合物がネマチック相を呈する化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. kおよびlが共に1である請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
  7. Arがベンゾチアゾール環を有する2価の基である請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
  8. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が113〜163nmのλ/4板用である請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
  9. 波長550nmにおける位相差値(Re(550))が250〜300nmのλ/2板用である請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルム及び偏光フィルムを含む偏光板。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルムが、カラーフィルタ基板上に直接塗布された配向性ポリマー上に形成されてなるカラーフィルタ。
  12. 請求項10に記載の偏光板を含む液晶パネルを備えるフラットパネル表示装置。
  13. 請求項10に記載の偏光板を含む有機エレクトロルミネッセンスパネルを備える有機E
    L表示装置。
  14. 請求項11に記載のカラーフィルタを含む液晶表示装置。
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