JP2019149410A - 電子部品 - Google Patents

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麻衣子 永吉
Maiko Nagayoshi
麻衣子 永吉
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Abstract

【課題】外部電極にメッキ液の浸入がない電子部品を提供する。【解決手段】積層型の電子部品において、内部電極11が埋設されているセラミックスからなり、互いに対向する一対の端面5a、5bおよび該端面5a、5b同士の間を結ぶ4つの側面7を有する直方体状の素体1と、素体1の表面に設けられた外部電極3aと、を備えている。外部電極3aは、金属部とガラス部との複合体を含む下地電極13を有している。下地電極13は、各端面5a、5bから4つの側面7のうちの少なくとも1つの側面7にかけて設けられて内部電極11と電気的に接続されており、下地電極13のうち素体1の角部領域1Cを覆う部位を第1被覆部とし、角部領域1C以外の他の領域を覆う部位を第2被覆部としたときに、第1被覆部は第2被覆部に比べて金属部とガラス部との合計量に対する金属部の割合が高い。【選択図】図2

Description

本開示は、電子部品に関する。
電子部品の代表例としてコンデンサがある。その他に、外形が類似の構造を有するものとして、アクチュエータ、インダクタ、抵抗素子などを挙げることができる。これらの電子部品は、携帯電話などのモバイル機器の小型化の進展により、さらなる小型化、高性能化が求められている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011−132056号公報
本開示の電子部品は、内部電極が埋設されている、セラミックスからなり、互いに対向する一対の端面および該端面同士の間を結ぶ4つの側面を有する直方体状の素体と、該素体の表面の対向する位置に設けられた一対の外部電極と、を備えており、該外部電極は、金属部とガラス部との複合体を含む下地電極を有しており、該下地電極は、各前記端面から4つの前記側面のうちの少なくとも1つの前記側面にかけて設けられて前記内部電極と電気的に接続されており、前記下地電極のうち前記素体の角部領域を覆う部位を第1被覆部とし、前記角部領域以外の他の領域を覆う部位を第2被覆部としたときに、前記第1被覆部は前記第2被覆部に比べて前記金属部と前記ガラス部との合計量に対する前記金属部の割合が高い。
電子部品の代表例として挙げたコンデンサの外観の形状を示す斜視図である。 図1のii−ii線断面図である。 図2のA部を拡大した断面図である。
実施形態の電子部品は素体1と外部電極3a、3bとを有する。素体1は互いに対向する一対の端面5a、5bと、その端面5a、5b同士の間を結ぶ4つの側面7(7a、7b、7c、7d)とを有する。素体1は外形の形状が直方体状である。素体1はセラミックス9によって形成されている。素体1は内部電極11を有する。
図1〜3には、一例として積層型の電子部品を示している。電子部品はセラミックス9が層状となって内部電極11と交互に積層された構造を成している。素体1は薄板状のセラミックス9が一体的に焼結した状態を成している。薄板状のセラミックス9の層と内部電極11とが交互に積層された構造のことを、以下、電子部品本体10と表記する場合がある。また、セラミックス9の各層のことを絶縁層9aと表記する場合がある。外部電極3a、3bは素体1(電子部品本体10)の表面において対向する2つの端面5a、5bの位置に設けられている。外部電極3a、3bは素体1(電子部品本体10)側にそれぞれ下地電極13を有する。下地電極13の表面側にはめっき膜15が設けられている。下地電極13は金属部14aとガラス部14bとで構成されている。つまり、下地電極13は金属部14aとガラス部14bとの複合体14である。下地電極13は各端面5a、5bから4つの側面7(7a、7b、7c、7d、以下、符号7を代表して用いる場合があ
る。)のうちの少なくとも1つの側面7の一部を覆うように設けられている。下地電極13は内部電極11と電気的に接続されている。
ここで、実施形態の電子部品は、図2、3に示すように、素体1(電子部品本体10)の角部領域1Cとそれ以外の部位(以下、平面部1Eと言う場合がある。)とで下地電極13に含まれている金属部14a(またはガラス部14b)の割合が異なる。この電子部品では、電子部品本体10の角部領域1Cを覆う下地電極13と角部領域1C以外の領域である平面部1Eを覆う下地電極13と、を比較したときに、角部領域1Cを覆う下地電極13は平面部1Eを覆う下地電極13に比べて金属部14aの割合が多い。反対に、角部領域1Cを覆う下地電極13は平面部1Eを覆う下地電極13と比べてガラス部14bの割合が少ない。以下、下地電極13について、角部領域1Cを覆っている部分を第1被覆部13A、平面部1Eを覆っている部分を第2被覆部13Bとする。
この電子部品は、上述したように、電子部品本体10において、角部領域1Cを覆っている下地電極13(第1被覆部13A)は金属部14aの割合が多く、反対にガラス部14bの割合が少ない。このことから下地電極13の中で角部領域1Cを覆っている部分である第1被覆部13Aの強度を高めることができる。ここで言う強度とは、硬度とともに金属の展性および延性に依存する破壊靭性を含めることを意味する。例えば、電子部品の形状が図1に示すように直方体状であった場合に、電子部品を所定の高さから落下させる落下試験において、電子部品は外部電極3のコーナー部Cpが床に当たる確率が高い。このような場合に、実施形態の電子部品は、当該電子部品の角部領域1Cを覆う下地電極13(第1被覆部13A)に含まれる金属部14aの割合が多いため、コーナー部Cpに機械的な衝撃が加わっても下地電極13が破壊し難くなる。また、角部領域1Cを覆う下地電極13(第1被覆部13A)に含まれる金属部14aの割合が多いと、下地電極13の角部領域1Cにめっき膜が形成されやすくなる。これにより下地電極13の表面にめっき膜を厚くかつ緻密に形成することが可能になる。その結果、下地電極13とめっき膜15とを強固に接着させることができる。また、外部電極3から水分などが浸入しにくくなるため電子部品の耐湿性を高めることができる。
次に、角部領域1Cの範囲を規定する。角部領域1Cは以下に示す部分となる。図2に示した電子部品本体10を用いて説明する。例えば、電子部品本体10において、積層方向の最上層に位置する内部電極11の上面11aまたは積層方向の最下層に位置する内部電極11の下面11bにそれぞれ沿わせた直線をL1とする。次に、電子部品本体10において、誘電体層9aを介して交互に積層された複数の内部電極11のうち、下地電極13と接続していない方の端部(非接続端11c)同士を積層方向に結んだ直線をL2とする。角部領域1Cは直線L1よりも側面7a、7c側でありかつ直線L2よりも電子部品本体10の端面5a、5b側の領域となる。図2に示した電子部品では、角部領域1Cは符号1Cを記した4か所になる。なお、この電子部品において、下地電極13(第1被覆部13A)に含まれる金属部14aの割合を多くする部位としては、上記した角部領域1Cの他に、図1において符号Pを記した電子部品本体10の頂点部も同様な構造であるのがよい。電子部品本体10の場合、頂点部Pは、例えば、1つの端面5aと2つの側面7a、7bとが交わる角部となる。電子部品本体10は頂点部Pを8か所有する。
ここで、電子部品本体10に定めた角部領域1Cとその表面を覆う下地電極13の各部位との関係を説明する。図3は図2におけるA部の拡大図である。図3は電子部品本体10の角部の1か所を拡大した断面図である。図3において、1点鎖線で囲った領域が角部領域1Cである。破線で囲った符号1(9a)の領域が素体1の平面部1Eである。電子部品本体10の角部領域1Cおよび平面部1Eを覆っている符号13の部分は下地電極13である。また、下地電極13を覆っている符号15の部分はめっき膜である。
ここで、下地電極13のうち、素体1の角部領域1Cを覆っている部分を第1被覆部13Aとする。また、素体1の平面部1Eを覆っている部分を第2被覆部13Bとする。この場合、図3では、下地電極13の中で、第1被覆部13Aは第2被覆部13Bよりも厚みが薄い方が良い。つまり、第1被覆部13Aの厚みをtとし、第2被覆部13Bの厚みをtとすると、下地電極13は、厚みがt<tの関係であるのが良い。この場合、第1被覆部13Aの厚みtは第2被覆部13Bの厚みtよりも30μm以上薄い状態であるのが良い。また、下地電極13の厚みは8μ以上70μm以下が良い。第1被覆部13Aの厚みは8μ以上15μm以下が良い。第2被覆部13Bの厚みは20μ以上70μm以下が良い。
第1被覆部13Aの厚みtは、電子部品本体10の角部領域1Cの側面7aと端面5aとの間の角度を2等分する線分(符号La)に沿う方向の長さとする。第2被覆部13Bの厚みtは、第2被覆部13Bの厚みを複数の箇所にわたって測定したときの平均値とする。
この電子部品では、下地電極13の中で電子部品本体10の角部領域1Cにおける厚み(第1被覆部13Aの厚み)を薄くすることで、平面部1Eにおける下地電極13の厚み(第2被覆部13Bの厚み)を薄くすることが可能となる。こうして下地電極13全体の厚みを薄くすることが可能となり、電子部品の規格寸法の中で機能部である電子部品本体10のサイズを大きくすることができる。その結果、小型であっても特性の高い電子部品を得ることができる。
第1被覆部13Aに含まれる金属部13aの割合が第2被覆部13Bに含まれる金属部13aの割合よりも高いことは、以下のように体積分率で表すことができる。例えば、下地電極13に含まれる金属部13aの体積をVm、ガラス部13bの体積をVgとする。下地電極13に含まれる金属部13aの割合は、Vm/(Vm+Vg)(%)で表すことができる。Vm/(Vm+Vg)(%)で表される値が大きい方が金属部13aの体積割合が高いことになる。
この場合、第1被覆部13Aおよび第2被覆部13Bにそれぞれ含まれる金属部13aおよびガラス部13bの体積割合は、電子部品の断面から画像解析によって求めるため、面積割合で代用して表しても良い。具体的には、まず、電子部品を図2に示すように断面を露出させた試料を作製する。次いで、露出した断面に対して、例えば、後述する分析器を用いて元素のマッピングを行う。金属部13aの面積割合は、金属部13aの面積をAmとし、ガラス部13bの面積をAgとし、Am/(Am+Ag)(%)から求める。
ここで、電子部品本体10の角部領域1Cを覆う下地電極13(第1被覆部13A)と角部領域1C以外の領域(以下、平面部1Eとする。)を覆う下地電極13(第2被覆部13B)とを比較したときに、第1被覆部13Aにおける金属部14aの割合が第2被覆部13Bにおける金属部14aの割合が多いというのは、上記したAm/(Am+Ag)(%)の評価において、第1被覆部13Aにおける金属部14aの割合が第2被覆部13Bにおける金属部14aの割合に比べて、%差で5ポイント以上多い場合とする。
また、この電子部品では、下地電極13は金属粒子が焼結した焼結膜であるのが良い。つまり、下地電極13を構成する金属部14aは複数の金属粒子によって構成されているのが良い。そうして、第1被覆部13Aを形成している金属粒子は第2被覆部13Bを形成している金属粒子に比べて平均粒径が小さい方が良い。第1被覆部13Aを形成している金属粒子の平均粒径が第2被覆部13Bを形成している金属粒子に比べて小さいと、金属部14aの強度をさらに高めることができる。これにより下地電極13を含めた外部電極3にクラックが生じるのをさらに抑えることが可能になる。ここで、第1被覆部13A
を形成している金属粒子の平均粒径が第2被覆部13Bを形成している金属粒子の平均粒径に比べて小さいとは、第1被覆部13Aを形成している金属粒子の平均粒径が第2被覆部13Bを形成している金属粒子の平均粒径に比べて0.5μm以上小さい場合とする。
実施形態の電子部品では、外部電極3が下地電極13の表面にめっき膜15を有しているのが良い。この場合、めっき膜15のうち、第1被覆部13Aを覆う方のめっき膜15の部分を第1めっき部15Aとし、第2被覆部13Bを覆うめっき膜15の部分を第2めっき部15Bとする。この電子部品の場合、第1めっき部15Aの厚みtは第2めっき部15Bの厚みtよりも厚い方が良い。第1めっき部15Aの厚みtを第2めっき部15Bの厚みtよりも厚い状態にすると、外部電極3の中で、下地電極13の第1被覆部13Aとその第1被覆部13Aの表面上に位置する領域における金属の割合をさらに高くできる。これにより外部電極3の強度をさらに高めることが可能になる。
ここで、第1めっき部15Aの厚みtが第2めっき部15Bの厚みtよりも厚い状態とは、第1めっき部15Aの厚みtが第2めっき部15Bの厚みtに比べて0.5μm以上厚い場合とする。なお、第1めっき部15Aの厚みtは、第1被覆部13Aの厚みtを測定した方向と同じ方向の長さとする。第2めっき部15Bの厚みtは、第2めっき部15Bの厚みを複数の箇所にわたって測定したときの平均値とする。
また、この電子部品では、めっき膜15は金属結晶によって形成されているのが良い。めっき膜15がこのような組織構造を成している場合に、第1被覆部13Aを覆う部分の第1めっき部15Aは第2被覆部13Bを覆う部分の第2めっき部15Bに比べて金属結晶の平均粒径が大きい方が良い。外部電極3において、コーナー部Cpに位置する第1被覆部を覆うめっき膜15(第1めっき部15A)の方の金属結晶の粒径を大きくすると、めっき膜15の粒界が減少する。これにより金属結晶の粒界から水分などの湿気が浸入しにくくなり、電子部品の耐湿性をさらに向上させることができる。
ここで、第1被覆部13Aを覆う部分の第1めっき部15Aは第2被覆部13Bを覆う部分の第2めっき部15Bに比べて金属結晶の平均粒径が大きいとは、第1めっき部15Aの金属結晶の平均粒径が第2めっき部15Bの金属結晶の平均粒径よりも1μm以上大きい場合とする。
なお、図2および図3では、めっき膜15は1層しか描いていないが、このめっき膜15は複数のめっき膜を有するものであっても良い。めっき膜15が複数のめっき膜によって形成されている場合には、下地電極13側のめっき膜15を第1めっき膜15、第1めっき膜15Aの表面に形成されためっき膜15を第2めっき膜とする。この場合、厚みを測定する対象となるのは、下地電極13に接している方のめっき膜15(第1めっき膜15A)になる。また、めっき膜15の種類としては、例えば、下地電極13の主成分が銅である場合に好適なめっき膜15(第1めっき膜15A)としてはニッケル(Ni)が良い。第2めっき膜としては錫またはハンダのめっき膜が良い。
セラミックス9(絶縁層9a)を形成するための材料としては、例えば、強誘電性を示すチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料が好適なものとなるが、これに限らず、酸化チタン、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸カルシウムなど常誘電性を示す誘電体材料でも同様の効果を得ることができる。この場合、誘電体材料としては、上記した主成分に対して、例えば、マグネシウム、希土類元素およびマンガンの各酸化物を含ませたものを適用しても良い。また、電子部品がアクチュエータ、インダクタおよび抵抗素子などの群から選ばれる1種である場合には、それぞれ圧電性、磁性および絶縁性の各種セラミックスを適用すればよい。電子部品がアクチュエータ、インダクタおよび抵抗素子などの群から選ばれる1種のように、コンデンサに比べて素体1中に内部電極11が少ない電子
部品においては、素体1における角部領域1Cは、素体1の端面5a、5b、側面7からそれぞれ一定の距離までの領域とすることができる。一定の距離というのは、図2に示したように、素体1の長辺方向の長さをLwとし、また、素体の厚み(高さ)方向の長さをLhとしたときに、Lwの1/50以上1/20以下、Lhの1/25以上1/10以下である。
内部電極11および外部電極3に好適な材料としては、銀、パラジウムなどの貴金属材料の他、ニッケル、銅などの卑金属材料を挙げることができる。
次に、本実施形態の電子部品の製造方法について説明する。実施形態の電子部品は、下地電極13を電子部品本体10に形成する際の焼き付け条件を制御する以外は、コンデンサの慣用的な製造方法によって作製できる。具体的には、下地電極13に導体ペーストを用いて焼き付けを行う際に昇温速度の高い条件を用いる。下地電極13を形成するときの昇温速度を速くすると、導体ペースト中に含まれるガラスが、金属粒子が焼結し始める温度よりも低い温度から素体1へ拡散しやすくなる。この場合、下地電極13となる導体ペーストの塗布膜は、電子部品本体10の角部領域1Cを覆う部分の厚みを、平面部1Eを覆う部分の厚みよりも薄くしておくのが良い。電子部品本体10の角部領域1Cと平面部1Eとの間で塗布膜の厚みを変化させる方法としては、例えば、有機バインダおよび溶媒の組み合わせにより導体ペーストの粘度特性を制御する方法がある。なお、めっき膜の厚みは、実施形態の電子部品本体10の場合、角部領域1Cの方が平面部1Eよりも下地電極13の金属部14aの割合が高いこと、ならびに電気めっきの場合に、めっきを行う試料の角部に電界が集中しやすく、めっき速度が高くなることを利用できる。以下、実施例にて詳細に説明する。
以下、電子部品の一例としてコンデンサを具体的に作製して特性評価を行った。まず、チタン酸バリウム系のセラミックスを誘電体層とし、ニッケルの内部電極を有する積層型の電子部品本体を準備した。電子部品本体は、バレル研磨を施し、角部がわずかに丸みを帯び、また、端面に内部電極が露出した状態にした。
得られた電子部品本体のサイズは、2.0mm×1.2mm×1.2mm、誘電体層の平均厚みは1.7μmであった。内部電極層の平均厚みは0.8μmであった。作製したコンデンサの静電容量の設計値は10μFに設定した。
次に、電子部品本体の両端部に下地電極を形成するために導体ペーストの塗布膜を形成した。塗布膜の焼き付けは、表1に示す条件にて行った。導体ペーストは、銅粉末にガラスフリットと有機バインダとを加えて調製した。ガラスフリットにはホウ珪酸ガラスを用いた。ガラスフリットは銅粉末100質量部に対して5質量部添加した。有機バインダは銅粉末100質量部に対して6質量部含まれるようにした。このとき溶媒として、α−テルピネオールと2−ブトキシエタノールとを質量比で50:50となるように混合した混合溶媒を用いた。その後、電解バレル機を用いて、下地電極の表面にめっき膜を形成した。めっき膜は、下地電極の表面から順にニッケルめっき膜及び錫めっき膜を形成した。下地電極およびめっき膜(この場合、ニッケルめっき膜)の厚みは表1に示した。錫めっき膜の平均厚みは作製したいずれの試料とも10μmになるように調整した。
Figure 2019149410
次に、作製したコンデンサについて以下の評価を行った。まず、コンデンサを鏡面研磨して、図2に示すような断面を露出させ、電子部品本体の角部領域を覆っている第1被覆部および平面部を覆っている第2平面部における金属部およびガラス部の割合をそれぞれ求めた。この分析では、元素分析器を備えた顕微鏡を用いて、銅および珪素について元素のマッピングを行い、金属部およびガラス部の割合をそれぞれ面積割合として求めた。また、同じ写真から図3に示した位置における下地電極の厚み(t、t)およびめっき膜の厚み(t、t)を求めた。また、下地電極を形成している銅粒子の平均粒径およびめっき膜を形成しているニッケル粒子の平均粒径を求めた。これらの分析には、走査イオン顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscope)を用いた。銅粒子の平均粒径およびニ
ッケル粒子の平均粒径は走査イオン顕微鏡により撮影した写真を用いてクロスセクション法により求めた。
また、同じ写真から外部電極中へのメッキ液の浸入量を下地電極の変色した長さから求めた。この分析にはレーザー顕微鏡を用いた。これらの分析における試料数は10個とした。
また、下地電極とめっき膜との間の接着性を評価した。この評価では、断面研磨したコンデンサをレーザー顕微鏡による観察によって、下地電極とめっき膜との間に隙間ができていたものを不良としてカウントした。この評価の試料数は100個とした。
また、作製したコンデンサをFR−4基板(銅配線上にニッケルめっき膜および金メッキ膜を形成したもの)上に設置し、共晶ハンダを接合材としてリフロー処理を行って、ハンダ濡れ性を評価した。コンデンサの外部電極に形成した錫めっき膜からハンダが浮き上がった状態を呈していたものを不良とした。この評価についても試料数は100個とした。
また、下地電極の強度を温度サイクル試験によって評価した。温度サイクル試験は、−55℃と+150℃の各温度に1分間放置し、−55℃と+150℃との間を1分間で往復する条件を1000回繰り返した後の状態を観察する方法により行った。この評価の試料数も100個とした。
Figure 2019149410
Figure 2019149410
Figure 2019149410
試料No.1、2は、電子部品本体の角部領域を覆う下地電極(第1被覆部)における金属部の割合を多くした試料である。これらの試料No.1、2は下地電極の厚みが11μmであっても、第1被覆部における部分の金属部の割合が多いことから、下地電極の変色長さが1.3μm以下であり、メッキ液の浸入量がほとんど無いものであった。また、下地電極とめっき膜との間における接着性の不良は1/100個以下であり、ハンダの濡れ不良の見られないものであった。さらには、温度サイクル試験での不良も無く、下地電極の強度も高いものとなっていた。
試料No.3は、電子部品本体の角部領域を覆う下地電極(第1被覆部)における金属部の割合が試料1よりも少ない試料である。試料2では、下地電極の変色長さが10μmであり、下地電極内にメッキ液の浸入が顕著に見られた。また、下地電極とめっき膜との間における接着不良が5/100個であった。また、ハンダの濡れ不良が10/100個であった。さらには、温度サイクル試験での不良が17/100個であり、下地電極の強度としては、試料2よりも低い結果であった。
なお、表2〜4には示していないが、試料3の代わりに、下地電極を形成するときに、粘度を試料1、2に用いた導体ペーストの2倍に調製した導体ペーストを用いて、角部領域の厚みを30μmまで厚くした試料を試料4として作製し、同様に評価した。試料4は、メッキ液の浸入量、下地電極とめっき膜との接着性、ハンダ濡れ性および外部電極の強度はいずれも試料1と同程度であった。
1・・・・・・・・・・・・・・素体
1C・・・・・・・・・・・・・角部
1E・・・・・・・・・・・・・平面部
3a、3b・・・・・・・・・・外部電極
5a、5b・・・・・・・・・・端面
7a、7b、7c、7d・・・・側面
9・・・・・・・・・・・・・・セラミックス
10・・・・・・・・・・・・・電子部品本体
11・・・・・・・・・・・・・内部電極
13・・・・・・・・・・・・・下地電極
13A・・・・・・・・・・・・第1被覆部
13B・・・・・・・・・・・・第2被覆部
14・・・・・・・・・・・・・複合体
14a・・・・・・・・・・・・金属部
14b・・・・・・・・・・・・ガラス部
15・・・・・・・・・・・・・めっき膜
15A・・・・・・・・・・・・第1めっき部
15B・・・・・・・・・・・・第2めっき部
17・・・・・・・・・・・・・角部

Claims (4)

  1. 内部電極が埋設されている、セラミックスからなり、互いに対向する一対の端面および該端面同士の間を結ぶ4つの側面を有する直方体状の素体と、
    該素体の表面に設けられた外部電極と、を備えており、
    該外部電極は、金属部とガラス部との複合体を含む下地電極を有しており、
    該下地電極は、各前記端面から4つの前記側面のうちの少なくとも1つの前記側面にかけて設けられて前記内部電極と電気的に接続されており、
    前記下地電極のうち前記素体の角部領域を覆う部位を第1被覆部とし、前記角部領域以外の他の領域を覆う部位を第2被覆部としたときに、前記第1被覆部は前記第2被覆部に比べて前記金属部と前記ガラス部との合計量に対する前記金属部の割合が高い、電子部品。
  2. 前記金属部が複数の金属粒子によって構成されており、前記第1被覆部における前記金属粒子は前記第2被覆部における前記金属粒子に比べて平均粒径が小さい、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記外部電極が前記下地電極の表面にめっき膜を有しており、前記第1被覆部を覆う前記めっき膜は前記第2被覆部を覆う前記めっき膜に比べて厚みが厚い、請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記めっき膜が複数の金属結晶を有しており、前記第1被覆部を覆う前記めっき膜は前記第2被覆部を覆う前記めっき膜に比べて前記金属結晶の平均粒径が大きい、請求項3に記載の電子部品。
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