JP2019063955A - ロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラム - Google Patents

ロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ロボットの動作の教示に要する手間及び時間を削減することができるロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラムを提供すること。【解決手段】ロボットシステム1は、ロボット10及びロボット10の動作を制御する制御装置20を備え、ロボット10は、載置面31に載置された対象物40を撮像する撮像装置13と、距離を測定するレーザセンサ14と、撮像装置13、レーザセンサ14、及び対象物40を保持可能なハンド12が取り付けられたアーム16と、を備え、制御装置20は、レーザセンサ14から得られる距離情報に基づいて、ハンド12が対象物40及び載置面31のいずれとも接触せず、且つ、ハンド12の動作によって対象物40を保持可能なアーム16の目標位置を算出し、目標位置にアーム16を移動させる命令と、目標位置においてハンド12に対象物40を保持させる命令とを含むプログラムを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラムに関する。
従来から、ロボットのマニピュレータの先端に撮像装置が取り付けられ、この撮像装置から得られる情報に基づいてマニピュレータの動作が制御される、いわゆるオンハンド方式のロボットシステムが開発されている。例えば下記特許文献1には、撮像装置によって撮像された画像に基づいて、把持対象となるワークの位置や姿勢を検出することにより、ハンドをワークに近付ける動作(いわゆる、アプローチ動作)を自動的に制御するロボットが開示されている。当該ロボットでは、アプローチ動作が完了したときのワークに対するハンドの相対的な位置を示すデータを事前に登録することにより、撮像装置から順次得られるデータと、当該登録されたデータとを比較して、ハンドの軌跡を算出することができる。
特開平9−76185号公報
しかしながら、上述のロボットにおいては、ロボットにアプローチ動作を教示するために、事前に登録すべきデータを取得しなければならず、一度は作業者がティーチペンダントと呼ばれる教示操作盤を操作して、アプローチ動作が完了した位置までハンドを移動させる工程が必要となる。この工程では、ロボットがワークを含む外部環境と接触しないよう、作業者がロボットやワークを目視しながら手動操作する必要がある。従って、ロボットを低速度で動作させることとなり、作業者の手間や時間を要していた。
また、作業者は、アプローチ動作を完了させた後に、撮像装置によってワークを撮像し、得られた画像を登録する必要があり、これによっても手間や時間を要していた。
そこで、本発明は、ロボットの動作の教示に要する手間及び時間を削減することができるロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るロボットシステムは、ロボット及びロボットの動作を制御する制御装置を備え、ロボットは、載置面に載置された対象物を撮像する撮像装置と、距離を測定するレーザセンサと、撮像装置、レーザセンサ、及び対象物を保持可能なハンドが取り付けられたアームと、を備え、制御装置は、レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、ハンドが対象物及び載置面のいずれとも接触せず、且つ、ハンドの動作によって対象物を保持可能なアームの目標位置を算出し、目標位置にアームを移動させる命令と、目標位置においてハンドに対象物を保持させる命令とを含むプログラムを生成する。
この態様によれば、レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、ハンドが対象物及び載置面のいずれとも接触しないアームの目標位置を自動的に算出し、ハンドに対象物を保持させるプログラムを生成することができる。従って、作業者がロボットを目視しつつ手動でハンドを移動させる必要がなく、ロボットの動作の教示に要する手間及び時間を削減することができる。
上記態様において、ハンドは、対象物を保持する複数のフィンガと、複数のフィンガを支持する支持部とを備え、複数のフィンガは、それぞれ、対象物を保持する際に、載置面と交差する第1方向に沿う領域であって、対象物と当接し得る保持領域を有し、制御装置は、レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、対象物における第1方向の高さを算出し、対象物の高さが、フィンガの保持領域における第1方向の長さよりも長い場合、対象物におけるハンドと対向する第1対向領域と、ハンドにおける対象物と対向する第2対向領域との間に間隔が設けられるように目標位置を算出し、対象物の高さが、フィンガの保持領域における第1方向の長さよりも短い場合、載置面とフィンガの先端部との間に間隔が設けられるように目標位置を算出してもよい。
この態様によれば、アームが目標位置に到達した際に、ハンドと対象物及び載置面とのいずれの間にも間隔が設けられる。従って、ハンドと対象物及び載置面との接触が回避され、ハンドの故障や対象物の破損を防ぐことができる。
上記態様において、制御装置は、撮像装置によって撮像された画像に基づいて対象物の形状を算出し、ハンドによる保持が可能か否かを判定してもよい。
この態様によれば、ハンドによる対象物の保持が不可能であると判定された場合に、ハンドによる保持動作を停止させることができる。従って、ハンドの故障や対象物の破損を防ぐことができる。
上記態様において、制御装置は、レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、対象物におけるハンドと対向する第1対向領域の載置面に対する傾きを算出し、撮像装置の光軸が第1対向領域と略直交するようにアームの角度を調整してもよい。
この態様によれば、対象物の第1対向領域の傾きに応じて、アームの角度が調整される。これにより、撮像装置の視野面が第1対向領域と略平行となるため、第1対向領域の寸法を適切に算出することができ、ハンドによる保持が可能か否かの判定を適切に行うことができる。
上記態様において、撮像装置とレーザセンサは、別体であってもよい。
この態様によれば、レーザセンサによって距離が測定されるため、例えば測距機能を兼ねた撮像装置によって距離が測定される構成に比べて、測距の精度が高くなる。従って、アームの目標位置の算出を高い精度で行うことができる。
本発明によれば、ロボットの動作の教示に要する手間及び時間を削減することができるロボットシステム、動作制御方法及び動作制御プログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るロボットシステムの構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるアームの目標位置を算出する手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるアームの目標位置を算出する手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるアームの目標位置を算出する手順を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける角度調整機能について説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける角度調整機能について説明するための説明図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムの構成例を示す図である。図1に示されるロボットシステム1は、ロボットが、作業台の上に載置されたワーク(対象物)に対して所定の作業を行うように制御されたシステムである。具体的に、ロボットシステム1は、例えば各種の作業を行うロボット10と、ロボット10の動作を制御する制御装置20とを備える。図1に示されるように、ロボット10の動作が及び得る作業領域には、作業台30と、当該作業台30上の載置面31に載置されたワーク40が配置されている。なお、作業台30及びワーク40は、ロボットシステム1に含まれてもよいし、含まれなくてもよい。ロボット10が行う各種の作業は、例えばワーク40を保持し、所定の場所まで運搬し、解放することを含むが、以下では保持する動作について説明する。
ロボット10は、例えばロボット10の本体部を構成するマニピュレータ11と、当該マニピュレータ11に取り付けられたハンド12、視覚センサ13及びレーザセンサ14とを備える。ロボット10は、空間座標(図1においてはXYZ座標)によって表される作業空間内において動作する。
マニピュレータ11は、フロア等に設置されるベース15と、複数の関節を有するアーム16とを備える。複数の関節にはサーボモーター等が取り付けられており、このサーボモーターを駆動制御することにより、アーム16の多関節動作が実現される。当該関節の数によってアーム16の可動範囲が変化するが、本実施形態では、例えば6軸の多関節構造であるものとする。
ハンド12は、アーム16の先端17(すなわち、マニピュレータ11の先端)に取り付けられる。ハンド12は、各種の作業を行うためのエンドエフェクタの一具体例である。本実施形態におけるハンド12は、開閉動作によってワーク40を外側から内側に向かって把持する複数のフィンガ18を有する多指ハンドである。フィンガ18の数は特に限定されないが、例えば4本であってもよい。図1では、X軸方向に開閉動作する2本のフィンガ18が図示されており、Y軸方向に開閉動作する2本のフィンガは図示が省略されている。なお、ハンド12の機構は多指ハンドに限られず、グリッパやマグネットハンド等、ワークを保持できるものであれば他の機構であってもよい。ここで、本明細書において「保持」とは、フィンガによってワークを外側から内側に向かって把持することに限られず、例えばワークが開口部を有する場合に、当該開口部の内側から外側に向かって力を加えて保持することや、磁力や空気圧によってワークを吸着して保持することも含むものとする。
視覚センサ13(撮像装置)は、アーム16の先端17に取りけられ、アーム16の移動と同期して移動しながら撮像を行う。視覚センサ13は、撮像装置の一具体例であり、例えば、撮像素子及びレンズを含むカメラである。図1において、視覚センサ13のレンズの光軸はZ軸に沿うように配置され、視覚センサ13の視野範囲はXY平面に広がっている。視覚センサ13によって撮像された画像は、例えばケーブル等(不図示)を介して制御装置20に出力され、当該制御装置20において処理される。ロボット10は、視覚センサ13から得られる情報に基づいて動作が制御される、いわゆるオンハンド方式のロボットである。ロボットシステム1がワーク40の保持動作に用いられる場合、作業台30の載置面31上に載置されたワーク40が視覚センサ13によって撮像され、得られた画像からワーク40が検出される。これにより、載置面31におけるワーク40の位置、姿勢、ワーク40のXY平面の平面視における形状(以下、単に「平面形状」とも呼ぶ。)及び寸法が算出される。従って、ロボットシステム1では、視覚センサ13を備えることによって、ワーク40を高精度に保持することができる。
レーザセンサ14は、視覚センサ13とともにアーム16の先端17に取り付けれ、アーム16及び視覚センサ13の移動と同期して移動する。レーザセンサ14は、距離センサの一具体例であり、例えば三角測定式又は時間計測式のレーザセンサや、受光量判別式のレーザセンサを含む。具体的には、レーザセンサ14は照射部及び受光部(不図示)を有し、対象物に対して照射部からレーザを照射し、対象物において反射されたレーザを受光部において受光することによって、当該対象物までの距離を測定する。本実施形態において、レーザセンサ14は、例えばワーク40や載置面31までの距離の測定に用いられる。レーザセンサ14によって得られた距離の値は、例えばケーブル等(不図示)を介して制御装置20に出力されて処理される。なお、レーザセンサ14が照射するレーザの具体的な構成は特に限定されず、例えば図1に示されるようにポイント状のレーザであってもよく、あるいはライン状のレーザであってもよい。
なお、視覚センサ13及びレーザセンサ14が取り付けられる位置はアーム16の先端17に限られない。例えば、視覚センサ13及びレーザセンサ14は、アーム16の他の位置や、ハンド12に取り付けられてもよい。また、視覚センサ13及びレーザセンサ14は、ロボット10の一部としてロボット本体に組み込まれていてもよく、又はロボット10に外付けされていてもよい。また、本実施形態においては視覚センサ13とレーザセンサ14とが別体である構成が示されているが、当該構成の代わりに、撮像機能と測距機能が一体となった装置(例えば、測距機能を兼ねた撮像装置等)が用いられてもよい。
制御装置20は、例えばコンピュータにより構成され、マニピュレータ11、ハンド12、視覚センサ13及びレーザセンサ14の動作を制御する。具体的に、制御装置20は、例えば制御部21及び記憶部22を備える。制御部21は、マニピュレータ制御部210、視覚センサ制御部211、レーザセンサ制御部212、保持判定部213及び目標位置算出部214を含む。
マニピュレータ制御部210は、ロボット10の各関節のサーボモーターの駆動を制御し、マニピュレータ11を作業空間において動作させる。また、マニピュレータ制御部210は、ハンド12が備えるフィンガ18の開閉動作も制御する。
視覚センサ制御部211は、視覚センサ13の撮像を制御して、画像を取得する。また、視覚センサ制御部211は、取得された画像に画像処理を施し、ワーク40の位置、姿勢、平面形状及び寸法を算出する。
レーザセンサ制御部212は、レーザセンサ14にレーザの照射及び受光をさせて、レーザセンサ14から対象物(例えば、ワーク40や載置面31等)までの距離を取得する。
保持判定部213は、視覚センサ制御部211によって取得されたワーク40の平面形状及び寸法に基づき、ハンド12がワーク40を保持可能か否かの判定を行う。
目標位置算出部214は、保持判定部213においてワーク40が保持可能と判定された場合に、ワーク40の高さに基づいてアーム16の目標位置を算出する。そして、目標位置算出部214は、アーム16を現在位置から目標位置に移動させる命令と、この目標位置からハンド12を動作させてハンド12にワーク40を保持させる命令とを含むプログラムを自動的に生成する。なお、アーム16の「目標位置」とは、ハンド12がワーク40を保持する直前のアーム16の位置であり、より具体的には、ハンド12がワーク40及び載置面31のいずれとも接触せず、且つハンド12の動作によってワーク40を保持可能な位置である。
記憶部22には、例えばアーム16の先端17に対する視覚センサ13及びレーザセンサ14の相対的な位置及び姿勢が記憶される。これにより、レーザセンサ14を用いて対象物までの距離が測定された場合、当該距離に基づいて視覚センサ13から対象物までの距離を算出することができる。また、記憶部22には、視覚センサ13のワークディスタンスや、フィンガ18の可動範囲等が記憶される。
これらの制御部21に含まれる各機能は、例えば、記憶部22に格納された所定のプログラムを制御装置20に含まれるプロセッサが実行することにより実現される。なお、制御装置20の機能は、これに限定されることなく、必要に応じて任意の機能が適宜追加されていてもよい。また、図1においては、制御部21に含まれる各機能が1つの制御装置20において実現される構成が示されているが、当該各機能は複数の装置に分散されて実現されてもよい。
次に、ロボットシステム1におけるワーク40の保持動作の制御方法について、図2及び図3A〜図3Eを参照しつつ説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を示すフローチャートであり、図3A〜図3Eは、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける保持動作の手順を説明するための説明図である。
なお、図2に示されるフローチャートは、マニピュレータ11の所定の位置(例えば、先端17)に対するハンド12、視覚センサ13及びレーザセンサ14の相対的な位置関係が予め記憶部22に記憶された状態で開始する。また、視覚センサ13から得られる情報がマニピュレータ11の動作に反映されるように、視覚センサ13によって撮像される画像上のピクセル座標と、ロボットが作業する空間座標(すなわち、図1に示されるXYZ座標)とを対応付けるキャリブレーションが完了済みであるものとする。
また、以下では、図3Aに示されるように、作業台30の載置面31の上に載置されたワーク40を保持する場合について説明する。ワーク40の形状は特に限定されないが、本実施形態においては、ワーク40は複数の面を有する直方体形状を成す。ワーク40は、ハンド12がワーク40を保持する際にハンド12と対向する領域41(第1対向領域)を有し、この領域41の周囲に輪郭(エッジ)を有する。なお、以下では領域41を「上面41」と呼ぶ。
ロボット10がワーク40を保持する工程は、以下の2つの工程を含む。すなわち、アーム16を現在位置から目標位置まで移動させる第1工程と、この目標位置からハンド12のフィンガ18を閉じ、ワーク40を保持する第2工程である。第1工程ではロボット10とワーク40の接触を伴わないため、比較的高速にロボット10を動作させることができる。他方、第2工程では当該接触を伴うため、比較的低速にロボット10を動作させる必要がある。このように、ロボット10の保持動作を複数の工程に分けることにより、全工程を低速で動作させる場合に比べて、作業時間を短縮することができる。以下、第1及び第2工程についてさらに詳細に述べる。
まず、ステップS1において、視覚センサ制御部211は、視覚センサ13を用いて、視覚センサ13の視野内に存在するワーク40を含む画像を撮像し、撮像された画像からワーク40を検出する。マニピュレータ制御部210は、検出されたワーク40のZ軸上の領域にレーザセンサ14が位置するようにアーム16をXY平面方向に移動させる(図3A参照)。なお、ワーク40のZ軸上の領域とは、レーザセンサ14によってワーク40までの距離を測定可能な領域である。視覚センサ13の視野範囲は、レーザセンサ14の測定範囲(すなわち、レーザが照射される一点)より広い。従って、視覚センサ13を用いてワーク40の位置を検出することにより、レーザセンサ14のみを用いてワーク40の位置を走査する場合に比べて、ワーク40の検出に要する時間を短縮することができる。
なお、ステップS1では、必ずしも視覚センサ13の焦点がワーク40に合っている必要はなく、取得された画像からワーク40のおおよその位置が判別できればよい。この判別は、例えばテンプレートマッチング等によって行ってもよい。また、画像におけるワーク40の位置に応じてアーム16を移動させるプログラムは、予め記憶部22に記憶されていてもよい。また、ステップS1の開始時に、ワーク40のZ軸上の領域にレーザセンサ14が予め位置している場合は、アーム16を移動させなくてもよい。
次に、ステップS2において、レーザセンサ制御部212は、レーザセンサ14を用いて、載置面31を基準としたワーク40のZ軸方向の高さhを算出する(図3B参照)。具体的には、マニピュレータ制御部210及びレーザセンサ制御部212は、XY平面に沿ってアーム16を移動させつつ、レーザセンサ14からワーク40に向かってレーザを照射させて、ワーク40の上面41を含むワーク40の周辺領域を走査させる。そして、レーザセンサ14から載置面31までの距離aと、レーザセンサ14からワーク40の上面41までの距離bを測定する。これらの距離の差(=a−b)がワーク40のZ軸方向の高さhとなり、記憶部22に記憶される。なお、本実施形態においては、ワーク40が直方体形状であり、上面41が載置面31と平行となっているため、上面41のどの位置の高さを高さhとしてもよい。一方、ワークの上面が載置面と平行でない場合は、例えば上面の載置面から最も離れた位置における高さを高さhとすることができる。
なお、ステップS2において、視覚センサ13からワーク40の上面41までの距離が、予め記憶部22に記憶された視覚センサ13のワークディスタンスと一致していない場合は、当該ワークディスタンスと一致するようにアーム16をZ軸方向に移動させる。
次に、ステップS3において、視覚センサ制御部211は、視覚センサ13を用いて、ワーク40を含む画像を撮像する(図3C参照)。
次に、ステップS4において、保持判定部213は、ステップS3で撮像された画像に基づいてワーク40の平面形状及び寸法を算出し、ハンド12による保持が可能か否かを判定する。この判定は、図3D(a)〜(e)に示されるように、画像から算出されるワーク40の平面形状及び寸法と、予め記憶部22に記憶されたフィンガ18の可動範囲との比較によって行われる。具体的には、例えばフィンガ18の本数を4本(18a〜18d)とすると、図3D(a)〜(c)に示されるワーク40A〜40Cのように、ワークの平面形状及び寸法が4本のフィンガ18a〜18dの可動範囲内であれば、ハンド12によって保持可能であると判定される(S4:Yes)。一方、図3D(d)、(e)に示されるワーク40D,40Eのように、ワークの平面形状及び寸法が過度に小さいか、又は過度に大きく、フィンガ18a〜18dの可動範囲外であれば、ハンド12によって保持不可能であると判定される(S4:No)。なお、ハンド12が備えるフィンガ18a〜18dの本数は例示であり、4本に限定されない。
次に、ワーク40がハンド12によって保持可能であると判定された場合(S4:Yes)、ステップS5に進み、目標位置算出部214は、ハンド12にワーク40を保持させるプログラムを生成する。なお、プログラムの具体的な生成方法については後述する。
次に、ステップS6において、マニピュレータ制御部210は、ステップS5において生成されたプログラムを実行し、ロボット10を動作させる(図3E参照)。詳しくは、アーム16が現在位置から目標位置まで移動するアプローチ動作と、その位置でハンド12がワーク40を保持する保持動作が実行される。
他方、ワーク40がハンド12によって保持不可能であると判定された場合(S4:No)、ステップS7に進み、制御装置20においてエラーが出力され、当該ハンド12による保持動作が停止する。そして、ステップS8において、フィンガの可動範囲に応じてワークを交換するか、ワークの形状及び寸法に応じてハンドを交換し、ステップS1に戻る。
次に、図4、図5A及び図5Bを参照して、ワーク40を保持するプログラムの生成における、目標位置を算出する手順について詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるアームの目標位置を算出する手順を示すフローチャートであり、図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるアームの目標位置を算出する手順を説明するための説明図である。なお、図4に示されるフローチャートは、図2に示されるフローチャートにおけるステップS5に含まれる手順である。
まず、図4に示されるフローチャートについて説明する前に、図5Aを参照してハンド12の構造について説明する。図5Aに示されるように、ハンド12は、開閉動作によってワーク40Fを保持する複数のフィンガ18と、アームに固定され、複数のフィンガ18を上方から支える支持部19とを有する。本実施形態において、複数のフィンガ18は、支持部19に対して水平方向(図5AにおいてはX軸方向)に沿って摺動する構造を有する。これにより、ワーク40Fが複数のフィンガ18によって両側から挟み込まれ、ワーク40Fが保持される。なお、複数のフィンガ18の開閉動作は摺動する構造に限られず、例えば各フィンガが関節を有し、関節を基点として回転する構造であってもよい。
複数のフィンガ18は、それぞれ、XZ平面の平面視において屈曲した形状を成し、載置面31を基準とした鉛直方向(載置面31と交差する第1方向の一具体例)に沿う鉛直部分と、載置面31を基準とした水平方向に沿う水平部分とを有する。当該鉛直部分は、その内側(ワーク40F側)において、ハンド12がワーク40Fを保持する際にワーク40Fに当接し得る保持領域181を有する。なお、保持領域181は、ハンド12がワーク40Fを保持する際に、ワーク40Fに実際に当接する領域と、ワーク40Fに当接しない領域の双方を含む。また、各フィンガ18及び支持部19は、それぞれ、ハンド12がワーク40Fを保持する際にワーク40Fの上面41と対向する対向領域182(第2対向領域),191(第2対向領域)を有する。当該対向領域182,191は、ハンド12がワーク40Fを保持する際であっても、ワーク40Fに当接しない領域である。
次に図4に示されるフローチャートについて説明する。なお、図4に示されるフローの開始前に、各フィンガ18における保持領域181の鉛直方向の長さfが予め記憶部22に記憶されているものとする。まず、ステップS10において、記憶部22に記憶されたワーク40の鉛直方向の高さhと、フィンガ18の保持領域181の鉛直方向の長さfを比較する。そして、図5Aに示されるように、ワーク40Fの高さh1がフィンガ18の保持領域181の長さfよりも長い場合(S10:Yes)、ステップS20に進み、ワーク40Fの上面41とハンド12におけるワーク40Fと対向する領域(すなわち、フィンガ18の対向領域182及び支持部19の対向領域191)との間に、少なくとも間隔d1が設けられるようにアームの目標位置を算出する。他方、図5Bに示されるように、ワーク40Gの高さh2がフィンガ18の保持領域181の長さfよりも短い場合(S10:No)、ステップS30に進み、載置面31とフィンガ18の先端部183との間に間隔d2が設けられるようにアームの目標位置を算出する。この間隔d1,d2は、ハンド12と、ワーク40及び載置面31との接触を回避し、ハンドの故障やワークの破損を防ぐための安全距離である。当該安全距離の長さ(例えば、数mm程度)は、予め作業者が設定し、記憶部22に記憶させてもよい。
なお、ワーク40の高さhとフィンガ18の保持領域181の長さfが等しい場合(S10:No)、上述のステップS20,S30のいずれによっても、ハンド12と、ワーク40の上面41及び載置面31との間に安全距離が設けられるため、ステップS20,S30のいずれに従ってもよい。
以上の手順により、ロボットシステム1は以下の効果を奏する。すなわち、ロボット10は、ワーク40までの距離を測定するレーザセンサ14を備える。これにより、ワーク40の高さによらず、当該レーザセンサ14から得られる距離情報に基づいて、ハンド12がワーク40にも載置面31にも接触しない目標位置にアーム16を自動的に移動させることができる。従って、特許文献1に開示されるロボットのように、作業者がロボットを目視しつつ手動でアームを移動させる必要がなく、ロボットの動作の教示に要する手間及び時間を削減することができる。また、ハンド12がワーク40及び載置面31に接触しないため、これらへの干渉を回避し、ハンド12の故障やワーク40の破損を防ぐことができる。
また、ロボットシステム1では、保持判定部213が、視覚センサ13によって撮像された画像と、記憶部22に記憶されたフィンガ18の可動範囲に基づいて、ワーク40の保持が可能か否かを判定する。これにより、保持が不可能であると判定された場合に、ハンド12による保持動作を停止させることができる。従って、これによってもハンド12の故障やワーク40の破損を防ぐことができる。
本実施形態においては、視覚センサ13とレーザセンサ14とが別体として設けられているが、当該構成の代わりに、例えば測距機能を兼ねた撮像装置によって距離が測定される構成であってもよい。なお、撮像装置に備えられた測距機能は、一般的に、外乱の影響を受けやすく、レーザセンサに比べて測距の精度が劣ってしまう。特に、ロボットシステムが例えば溶接現場等において用いられる場合、当該現場には不規則に発光する光源が存在し、明るさが大きく変動するため、測距の精度が不十分となり得る。この点、本実施形態では、レーザセンサ14が視覚センサ13とは別体として設けられているため、上述のような測距機能を兼ねた撮像装置が用いられる構成に比べて、高い精度で距離を測定することができる。従って、アームの目標位置の算出を高い精度で行うことができる。
次に、図6A及び図6Bを参照し、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける角度調整機能について説明する。図6A及び図6Bは、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおける角度調整機能について説明するための説明図である。なお、上述の実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、以降では上述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
図6Aは、ワーク40の一具体例であるワーク40Hを含むXZ平面の平面視を示している。ワーク40Hの上面42は、載置面31に対して傾斜角θを成す傾斜面である。レーザセンサ14を用いてこのような上面42を走査すると、レーザセンサ14から上面42までの距離がXY平面の位置に応じて変動するため、上面42の傾きは、当該変動に基づいて自動的に検出することができる。
このように、ワーク40Hの上面42が傾斜している場合に上述の保持動作の制御方法を適用すると、ワーク40Hの高さが一定ではないため、図4に示されるステップS20,S30において目標位置算出部214が目標位置の算出を誤り、ハンド12と上面42が接触するおそれがある。また、図6Aに示されるように、視覚センサ13のレンズの光軸cがZ軸に沿うように撮像されると、画像に基づいて算出される上面42の寸法と、上面42の実際の寸法が異なるため、図2に示されるステップS4において保持判定部213が判定を誤るおそれがある。
この点、本実施形態では、図6Bに示されるように、上面42の傾斜角θに応じてアーム16が移動した後に、保持の判定や目標位置の算出が行われる。具体的には、レーザセンサ制御部212が、レーザセンサ14を用いてレーザセンサ14から上面42までの距離を測定し、当該距離に基づいて載置面31に対する上面42の傾斜角θを算出する。そして、マニピュレータ制御部210が、ワーク40Hの上面42と視覚センサ13のレンズの光軸cが略直交するように、アーム16の関節の角度を調整する。これにより、レーザセンサ14から上面42までの距離が一定となるため、ステップS20,S30において、ハンド12と上面42が接触しない適切な目標位置を算出することができる。また、視覚センサ13の視野面が上面42と平行となるため、上面42の寸法を適切に算出することができ、ハンド12による保持が可能か否かの判定を適切に行うことができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1…ロボットシステム、10…ロボット、11…マニピュレータ、12…ハンド、13…視覚センサ、14…レーザセンサ、15…ベース、16…アーム、17…先端、18…フィンガ、181…保持領域、182…対向領域、183…先端部、19…支持部、191…対向領域、20…制御装置、21…制御部、22…記憶部、210…マニピュレータ制御部、211…視覚センサ制御部、212…レーザセンサ制御部、213…保持判定部、214…目標位置算出部、30…作業台、31…載置面、40…ワーク、41,42…上面

Claims (5)

  1. ロボット及び前記ロボットの動作を制御する制御装置を備えるロボットシステムであって、
    前記ロボットは、
    載置面に載置された対象物を撮像する撮像装置と、
    距離を測定するレーザセンサと、
    前記撮像装置、前記レーザセンサ、及び前記対象物を保持可能なハンドが取り付けられたアームと、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、前記ハンドが前記対象物及び前記載置面のいずれとも接触せず、且つ、前記ハンドの動作によって前記対象物を保持可能な前記アームの目標位置を算出し、
    前記目標位置に前記アームを移動させる命令と、前記目標位置において前記ハンドに前記対象物を保持させる命令とを含むプログラムを生成する、
    ロボットシステム。
  2. 前記ハンドは、前記対象物を保持する複数のフィンガと、前記複数のフィンガを支持する支持部とを備え、
    前記複数のフィンガは、それぞれ、前記対象物を保持する際に、前記載置面と交差する第1方向に沿う領域であって、前記対象物と当接し得る保持領域を有し、
    前記制御装置は、
    前記レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、前記対象物における前記第1方向の高さを算出し、
    前記対象物の前記高さが、前記フィンガの前記保持領域における前記第1方向の長さよりも長い場合、前記対象物における前記ハンドと対向する第1対向領域と、前記ハンドにおける前記対象物と対向する第2対向領域との間に間隔が設けられるように前記目標位置を算出し、
    前記対象物の前記高さが、前記フィンガの前記保持領域における前記第1方向の長さよりも短い場合、前記載置面と前記フィンガの先端部との間に間隔が設けられるように前記目標位置を算出する、
    請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記制御装置は、前記撮像装置によって撮像された画像に基づいて前記対象物の形状を算出し、前記ハンドによる保持が可能か否かを判定する、
    請求項1又は2に記載のロボットシステム。
  4. 前記制御装置は、前記レーザセンサから得られる距離情報に基づいて、前記対象物における前記ハンドと対向する第1対向領域の前記載置面に対する傾きを算出し、前記撮像装置の光軸が前記第1対向領域と略直交するように前記アームの角度を調整する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  5. 前記撮像装置と前記レーザセンサは、別体である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のロボットシステム。
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