JP2019056884A - 重畳画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することを可能にした重畳画像表示装置を提供する。【解決手段】車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳する画像を視認させる場合において、乗員の両目の位置と視線方向を取得し、視線方向に沿って乗員の両目間の中点を通過する中心線が画像の表示領域と交差する交点に基づいて、表示領域に基準線を設定し、表示領域に表示する画像の内、基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示するように構成する。【選択図】図9
Description
本発明は、車両の乗員に対して周辺環境に重畳させて視認させる画像を表示する重畳画像表示装置に関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUDという)やウインドウシールドディスプレイ(以下、WSDという)のように運転者の周辺環境に重畳する画像を表示することによって、情報の提供を行う装置がある。
ここで、上記のようなHUDやWSDでは、運転者の視線方向を前方から逸らすことなく、運転者の視界にある運転者に認識させたい物体(例えば、歩行者や他車両)に対して効果的な視線の誘導案内を行うことが可能となる。更に、周辺環境に重畳する画像を乗員に視認させる場合には、両目で画像を視認させる場合に加えて、片方の目のみに画像を視認させることも行われていた。
例えば特開2015−194709号公報には、ユーザに視認させる虚像を生成する場合において、ユーザの立体視距離が50m未満である場合には、両目で画像を視認させることによって虚像を生成し、ユーザの立体視距離が50m以上である場合には、片方の目のみで画像を視認させることによって虚像を生成することについて開示されている。それによって、ユーザの負担を減らすとともに視認性の良い虚像を生成することを可能としている。
ここで、上記特許文献1には一定の条件を満たすと両目ではなく片方の目のみで画像を視認させて虚像を生成することについて開示されている。しかしながら、片方の目のみで画像を視認させる期間が継続すると、視認させる目が疲労することとなり、かえってユーザに負担を与えることとなっていた。更に、ユーザの負担が増加すれば虚像の視認性の低下につながる虞がある。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、特に画像を表示する位置に応じて画像を視認させる乗員の目を適宜選択することによって、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することを可能にした重畳画像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る重畳画像表示装置は、車両に搭載され、画像を前記車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置であって、前記乗員の両目の位置を取得する目位置取得手段と、前記乗員の視線方向を取得する視線方向取得手段と、前記視線方向に沿って前記乗員の両目間の中点を通過する中心線が前記画像を表示する表示領域と交差する交点に基づいて、前記表示領域に基準線を設定する基準線設定手段と、を有し、前記表示領域に表示する画像の内、前記基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、前記基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示する。
尚、「左目に対応する側」とは乗員から見て左目側に画像を表示する為の基準線に対する画像の表示方向であり、「右目に対応する側」とは乗員から見て右目側に画像を表示する為の基準線に対する画像の表示方向である。
尚、「左目に対応する側」とは乗員から見て左目側に画像を表示する為の基準線に対する画像の表示方向であり、「右目に対応する側」とは乗員から見て右目側に画像を表示する為の基準線に対する画像の表示方向である。
前記構成を有する本発明に係る重畳画像表示装置によれば、車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳する画像を視認させる場合において、画像を表示する表示領域に設定された基準線を基準として、画像を表示する位置に応じて画像を視認させる乗員の目を適宜選択することが可能となる。特に左目において視認し易い画像は左目で、右目において視認し易い画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
以下、本発明に係る重畳画像表示装置を具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る重畳画像表示装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る重畳画像表示装置1の概略構成図である。
図1に示すように重畳画像表示装置1は、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と、同じく車両2に搭載されるとともにナビゲーション装置3と接続されたヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)4とを基本的に有する。
ここで、ナビゲーション装置3は、目的地までの推奨経路を探索したり、車両2の現在位置を検出したり、サーバから取得したりメモリに格納された地図データに基づいて車両2の現在位置周辺の地図画像を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内や障害物に対する警告案内をHUD4とともに行う機能を有する。尚、上記機能の全てをナビゲーション装置3が備えている必要はなく、少なくとも設定された案内経路に沿った移動案内や障害物に対する警告案内を行う機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。尚、ナビゲーション装置3の構造の詳細については後述する。
一方、HUD4は、車両2のダッシュボード5内部に設置されており、内部には画像が表示される画像表示領域である液晶ディスプレイ6を有する。そして、液晶ディスプレイ6に表示された画像を、後述のようにHUD4が備える凹面鏡7等を介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ8に反射させて車両2の乗員9に視認させるように構成されている。尚、液晶ディスプレイ6に表示される画像としては、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えば乗員9に対して警告対象となる対象物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置3で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD4では、フロントウィンドウ8を反射して乗員9が液晶ディスプレイ6に表示された画像を視認した場合に、乗員9にはフロントウィンドウ8の位置ではなく、フロントウィンドウ8の先の遠方の位置に液晶ディスプレイ6に表示された画像が虚像10として視認されるように構成される。また、虚像10は乗員9の視線前方の周辺環境に重畳して視認されることとなり、例えば乗員9の視野領域内に位置する任意の対象物(警告対象となる物等)に重畳させて視認させることも可能である。尚、乗員9が視認できる虚像10は液晶ディスプレイ6に表示された画像であるが、凹面鏡7やその他のミラーを介することによって上下方向や左右方向が反転する場合があり、それらの反転を考慮して液晶ディスプレイ6の画像の表示を行う必要がある。また、凹面鏡7を介することによってサイズも変更する。
また、本実施形態では、後述のように液晶ディスプレイ6は視差バリア又はレンチキュラーレンズを備えてた液晶ディスプレイであり、任意の片方の目のみに視認可能な画像を表示することが可能である。即ち、本実施形態に係るHUD4は、片方の目のみで視認される虚像10を生成することが可能となっている。
ここで、虚像10を生成する位置、より具体的には乗員9から虚像10までの距離(以下、結像距離という)Lについては、HUD4が備える凹面鏡7の曲率、液晶ディスプレイ6と凹面鏡7との相対位置等によって適宜設定することが可能である。例えば、凹面鏡7の曲率が固定であれば、液晶ディスプレイ6において画像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)によって結像距離Lが決定される。例えば結像距離Lが25mとなるように光路長が設定されている。尚、HUD4の構造の詳細については後述する。
また、本実施形態では乗員9の視野に重畳する画像を表示する手段としてHUD4を用いているが、他の手段を用いても良い。例えば、フロントウィンドウ8に対して画像を表示するウインドウシールドディスプレイ(WSD)を用いても良い。例えば、フロントウィンドウ8をスクリーンとしてプロジェクタから映像を表示しても良いし、フロントウィンドウ8を透過液晶ディスプレイとしても良い。WSDによってフロントウィンドウ8に対して表示された画像は、HUD4と同様に乗員9の視野に重畳する画像となる。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ11が設置される。フロントカメラ11は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラを有する撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ11により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントウィンドウ8越しに乗員9に視認される前方環境(即ち虚像10が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ11の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
また、車両のインストルメントパネルの上面には車内カメラ12が設置される。車内カメラ12は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラを有する撮像装置であり、光軸方向を運転席に向けて設置される。そして、運転席に座った乗員9の顔を撮像する。そして、車内カメラ12により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、乗員9の目の位置や視線方向を検出する。
次に、上記重畳画像表示装置1に含まれるナビゲーション装置3の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両2の現在位置を検出する現在位置検出部13と、各種のデータが記録されたデータ記録部14と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU15と、ユーザからの操作を受け付ける操作部16と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ17と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ18と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ19と、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール20と、を有する。また、ナビゲーション装置3はCAN等の車載ネットワークを介して、前述したHUD4、フロントカメラ11及び車内カメラ12等が接続されている。
以下に、ナビゲーション装置3が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部13は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU15に出力する。そして、ナビゲーションECU15は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
現在位置検出部13は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU15に出力する。そして、ナビゲーションECU15は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
また、データ記録部14は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部14はハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクを有していても良い。また、地図情報DB31は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置3が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ32、ノード点に関するノードデータ33、施設等の地点に関する地点データ34、各交差点に関する交差点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
ここで、リンクデータ32としては、例えば、該リンクを識別するリンクID、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクが構成する道路の道路種別等が記憶される。また、ノードデータ33としては、該ノードを識別するノードID、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、地点データ34としては、目的地への設定対象となる施設に関する各種情報が記憶される。例えば、施設を特定するID、施設名称、位置座標、ジャンル、住所等が記憶される。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)15は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の虚像生成処理プログラム(図5)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU15は、処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、目位置取得手段は、乗員9の両目の位置を取得する。視線方向取得手段は、乗員9の視線方向を取得する。基準線設定手段は、視線方向に沿って乗員9の両目間の中点を通過する中心線が液晶ディスプレイ6の表示領域と交差する交点に基づいて、液晶ディスプレイ6の表示領域に基準線を設定する。
操作部16は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)を有する。そして、ナビゲーションECU15は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部16は液晶ディスプレイ17の前面に設けたタッチパネルを有していても良い。また、マイクと音声認識装置を有していても良い。
また、液晶ディスプレイ17には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、本実施形態では情報の表示手段としてHUD4を備えているので、上記地図画像等の表示をHUD4で行う構成とすれば液晶ディスプレイ17は省略しても良い。
また、スピーカ18は、ナビゲーションECU15からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ19は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ19に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール20は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
次に、上記重畳画像表示装置1が有するHUD4の概略構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るHUD4の内部構成を示した図である。
図3に示すようにHUD4は、液晶ディスプレイ6と、凹面鏡7と、カバーガラス51と、制御回路部52と、CANインターフェース53とを基本的に有する。
ここで、液晶ディスプレイ6は光源としてバックライトを用い、前面に設けられた画像表示領域に対して画像を表示する機能を有する画像表示装置である。バックライトとしては、例えばCCFL(冷陰極管)や白色LEDが用いられる。また、液晶ディスプレイ6は視差バリア又はレンチキュラーレンズを備えており、乗員9の両方の目に視認可能な画像に加えて、任意の片方の目のみに視認可能な画像を表示することが可能である。
例えば、視差バリアを用いた液晶ディスプレイ6では、図4に示すように液晶ディスプレイ6の画像表示領域55の前面に、格子状に隙間を形成したパララックスバリア(視差バリア)56を配置する。そして、画像表示領域55の内、乗員9の左目からパララックスバリア56の隙間を通して視認可能な領域のみに画像を表示すれば、その画像は左目のみに視認可能な画像となる。一方、画像表示領域55の内、乗員9の右目からパララックスバリア56の隙間を通して視認可能な領域のみに画像を表示すれば、その画像は右目のみに視認可能な画像となる。尚、画像を表示する手段としては、液晶ディスプレイ以外に、有機ELディスプレイ、プロジェクタとスクリーンの組み合わせ等を用いても良い。但し、任意の片方の目のみに視認可能な画像を表示することが可能な手段であることが望ましい。プロジェクタとスクリーンの組み合わせを用いた場合には、スクリーンが画像の表示される画像表示領域に相当する。
一方、凹面鏡7は、液晶ディスプレイ6に表示された画像を拡大して反射させて乗員9に視認させることによって、乗員9の前方に画像の虚像を生成する投影鏡である。尚、凹面鏡7としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは表示画像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。尚、液晶ディスプレイ6に対して表示された画像は、凹面鏡7によって反射されるので、生成される虚像10は液晶ディスプレイ6に表示された画像と上下が反転した像となる。
また、カバーガラス51は、HUD4の上面に配置された透過性の板状部材である。そして、液晶ディスプレイ6に表示された画像は凹面鏡7によって反射され、カバーガラス51を介して乗員9に視認させる。尚、カバーガラス51としてはフレネルレンズを用いても良い。また、カバーガラス51としてフレネルレンズを用いる場合には、凹面鏡7の代わりに平面の鏡を用いることも可能である。
また、制御回路部52は、HUD4の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、制御回路部52は、演算装置及び制御装置としてのCPU、並びにCPUが各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM、制御用のプログラムのほか、虚像を生成する為の制御プログラム等が記録されたROM等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部52は、液晶ディスプレイ6と接続され、液晶ディスプレイ6の駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース53は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD4は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置3、AV装置等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD4は、ナビゲーション装置3やAV装置等から取得した情報を投影可能に構成する。
続いて、前記構成を有する重畳画像表示装置1の内、特にナビゲーション装置3において実行する虚像生成処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る虚像生成処理プログラムのフローチャートである。ここで、虚像生成処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、車両2の乗員9に対して周辺環境に重畳して視認させる重畳画像を、HUD4を用いて生成するプログラムである。尚、以下の図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置3が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
先ず、虚像生成処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、フロントカメラ11により撮像した撮像画像に基づいて、車両の乗員の視線方向前方の周辺環境を取得する。例えばフロントカメラ11の撮像画像から周辺環境の3Dデータを作成し、フラッシュメモリ44等に記憶する。
次に、S2においてCPU41は、前記S1で取得した周辺環境に基づいて、車両の進行方向前方に車両の乗員に対して警告対象となる対象物(以下、警告対象物という)があるか否か判定する。ここで、警告対象物は車両に乗車する乗員が注視すべき物とし、例えば他車両、歩行者、2輪車とする。尚、標識や信号機等の乗員が注視すべき他の物についても警告対象物に含めても良い。
また、車両の進行方向前方にある警告対象物の有無は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対してテンプレートマッチング等の画像処理を行うことによって検出しても良いし、前記S1で作成した周辺環境の3Dデータから検出しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて検出しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。
そして、車両の進行方向前方に警告対象物があると判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S2:NO)には、当該虚像生成処理プログラムを終了する。
S3においてCPU41は、車両の進行方向前方にあると判定された警告対象物の具体的な位置を取得する。尚、警告対象物の位置は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して画像処理を行うことによって取得しても良いし、前記S1で作成した周辺環境の3Dデータから検出しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて取得しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。また、警告対象物の位置は絶対位置を取得しても良いし、乗員(自車両)に対する相対位置を取得しても良い。尚、警告対象物が複数ある場合には、複数の警告対象物の位置をそれぞれ取得する。
尚、CPU41は、車両の進行方向前方にある警告対象物の位置について、当該虚像生成処理プログラムが終了するまで以後継続的に検出する。
次に、S4においてCPU41は、車内カメラ12の撮像画像に基づいて、乗員9の視線開始点(目の位置)及び視線方向を検出する。尚、目の位置については右目と左目の各目の位置を取得する。車内カメラ12は前記したように車両のインストルメントパネルや天井に設置され、撮像方向を運転席に向けて設置されており、撮像画像には乗員9の顔が含まれることとなる。尚、目の位置や視線方向の検出方法としては、例えば角膜反射法により計測された瞳孔の中心位置やプルキニエ像を用いて検出する方法がある。それらの方法は既に公知の技術であるので、詳細は省略する。
その後、S5においてCPU41は、HUD4の液晶ディスプレイ6に対して表示する画像(以下、警告画像という)を生成する。特に本実施形態では警告画像は、警告対象物を警告する為の画像とし、例えば、図6に示すような警告マーク61や、警告対象物を囲む枠62とする。更に、本実施形態では警告画像は、右目のみに視認させる為の画像と、左目のみに視認させる為の画像の2パターン生成する。
次に、S6においてCPU41は、視線方向に沿って乗員の両目間の中点を通過する中心線が、警告画像を表示する表示領域と交差する交点に基づいて、表示領域に基準線を設定する。本実施形態では警告画像を表示する表示領域は、HUD4内にある液晶ディスプレイ6の画像表示領域となる。
以下に基準線の設定方法についてより詳細に説明する。
先ず、CPU41は、図7に示すように前記S4で検出した乗員9の両目の位置の中点Xを通過する中心線63を視線方向Yに沿って伸ばし、液晶ディスプレイ6の画像表示領域55と交差する交点Zを特定する。尚、視線方向Yはフロントウィンドウ8や凹面鏡7において反射され、方向が変化するので、中心線63も視線方向Yに従って同様に変化させる。
次に、CPU41は、図8に示すように交点Zを通過するとともに液晶ディスプレイ6の画像表示領域55の上下方向(或いは鉛直方向)に平行な線を、基準線65として設定する。尚、基準線65は必ずしも画像表示領域55の上下方向に平行な線とする必要は無く、上下方向に対して傾斜する線としていても良い。更に、湾曲した線や屈曲した線とすることも可能である。
先ず、CPU41は、図7に示すように前記S4で検出した乗員9の両目の位置の中点Xを通過する中心線63を視線方向Yに沿って伸ばし、液晶ディスプレイ6の画像表示領域55と交差する交点Zを特定する。尚、視線方向Yはフロントウィンドウ8や凹面鏡7において反射され、方向が変化するので、中心線63も視線方向Yに従って同様に変化させる。
次に、CPU41は、図8に示すように交点Zを通過するとともに液晶ディスプレイ6の画像表示領域55の上下方向(或いは鉛直方向)に平行な線を、基準線65として設定する。尚、基準線65は必ずしも画像表示領域55の上下方向に平行な線とする必要は無く、上下方向に対して傾斜する線としていても良い。更に、湾曲した線や屈曲した線とすることも可能である。
尚、図8に示す例は乗員9が正面を向いていた場合に設定される基準線65であり、例えば図9に示すように乗員9が左を向けば、顔の角度に応じて交点Z並びに基準線65の位置も左方向へと移動することとなる。一方で、乗員9が右を向けば、同じく顔の角度に応じて交点Z並びに基準線65の位置も右方向へと移動することとなる。
更に、CPU41は乗員9の利き目を取得し、交点Zよりも利き目に対応する側と反対側に離れた地点を通過するとともに画像表示領域55の上下方向に平行な線を基準線としても良い。例えば、図10に示すように乗員9の利き目が右目であれば、基準線65の位置を交点Zから利き目に対応する側と反対側(即ち、左側)へと移動(例えば画像表示領域55の横幅の10%移動)した地点を通過させる線としても良い。一方で、乗員9の利き目が左目であれば、基準線65の位置を利き目に対応する側と反対側(即ち、右側)へと移動した地点を通過させる線としても良い。その結果、利き目でない目よりも利き目に対して、優先的に画像を視認させることが可能となる。尚、乗員9の利き目は車内カメラ12を用いて検出しても良いし、予め乗員9に入力させても良い。
続いて、S7においてCPU41は、液晶ディスプレイ6の画像表示領域55に対して表示対象となる警告画像を、前記S6で設定した基準線65よりも右側(即ち右目に対応する側)に表示するか左側(即ち、左目に対応する側)に表示するかを判定する。尚、警告画像を表示する位置は警告対象物に重畳して警告画像の虚像10が視認される位置とし、前記S3で取得した警告対象物の位置に基づいて決定される。基本的には、乗員に対して右側(右目側)に位置する警告対象物に重畳させる虚像10を生成する為には基準線65よりも右側に警告画像を表示し、乗員に対して左側(左目側)に位置する警告対象物に重畳させる虚像10を生成する為には基準線65よりも左側に警告画像を表示する。但し、HUD4内に配置されたミラーなどによって像が左右反転される場合に関しては、左右逆となる(即ち、基準線よりも左側が右目に対応する側で、基準線よりも右側が左目に対応する側となる場合もある)。
そして、液晶ディスプレイ6の画像表示領域55に対して表示対象となる警告画像を、前記S6で設定した基準線65よりも右側に表示すると判定された場合(S7:YES)には、S8へと移行する。一方、液晶ディスプレイ6の画像表示領域55に対して表示対象となる警告画像を、前記S6で設定した基準線65よりも左側に表示すると判定された場合(S7:NO)には、S9へと移行する。
S8においてCPU41は、前記S5で生成された警告画像の内、右目のみに視認させる為の画像を液晶ディスプレイ6の画像表示領域55に対して表示する。尚、図4に示すように本実施形態の液晶ディスプレイ6は、例えば格子状に隙間を形成したパララックスバリア56を配置しており、右目のみに視認可能な領域に対して警告画像を表示することによって、警告画像を右目のみに視認させることが可能である。その結果、図11に示すように車両の進行方向前方にある警告対象物71に重畳する虚像10が、車両の乗員から結像距離L(例えば25m)離れた位置に視認されることとなる。それによって、乗員の視線を虚像10によって警告対象物71へと誘導し、警告対象物71をユーザに確実に視認させることが可能となる。また、乗員9に対して右方向(右目側)に見える虚像10については右目で視認させることとなるので、できる限り虚像10の視認に係る負担を軽減することが可能である。
尚、本実施形態では結像距離Lは固定値とするが、例えば液晶ディスプレイ6を移動させることによって結像距離Lを任意に変更可能にすることも可能である。更に、結像距離Lを変更可能として場合には、CPU41は現在表示されている虚像10の結像距離Lを取得し、特に結像距離Kが閾値未満(例えば10m未満)の場合には、警告画像は両目に視認させる画像として液晶ディスプレイ6に表示しても良い。
一方で、S9においてCPU41は、前記S5で生成された警告画像の内、左目のみに視認させる為の画像を液晶ディスプレイ6の画像表示領域55に対して表示する。左目のみに視認可能な領域に対して警告画像を表示することによって、警告画像を左目のみに視認させることが可能である。詳細は前記S8と同様であるので省略する。
尚、警告対象物が複数あって、夫々の警告対象物に警告画像を重畳して表示させる場合、即ち複数の警告画像を同時に表示する場合については、表示対象となる警告画像毎に上記S7〜S9の処理を実行する。従って、右目のみに視認させる警告画像と、左目のみに視認させる警告画像が同時に表示される場合もある。また、複数の警告画像を同時に表示する場合であって、基準線65に対して一方側のみに所定数以上(例えば5以上)の画像を表示する場合には、基準線65からの距離が近い順に所定数より少ない所定個数(例えば全体の表示数の1/3)の画像は、他方側に対応する目のみに視認させる画像として表示するのが望ましい。例えば、基準線65の右側のみに6個の画像を表示する場合には、基準線65からの距離が近い順に2個の画像については、左目のみに視認させる画像とし、それ以外の画像については右目のみに視認させる画像として表示するのが望ましい。
また、警告画像の表示位置は、警告対象物に虚像10を重畳させる位置であるので、警告対象物の位置(但し、絶対位置ではなく乗員からの相対位置)が移動すれば、それに応じて警告画像の表示位置も移動させることとなる。そこで、S10においてCPU41は、警告画像の表示位置を移動させた結果、警告画像の表示位置が前記S6で設定された基準線65を跨いだか否かを判定する。
そして、警告画像の表示位置が前記S6で設定された基準線65を跨いだと判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。それに対して、警告画像の表示位置が前記S6で設定された基準線65を跨いていないと判定された場合(S11:NO)には、現在の警告画像の表示を維持する。その後、警告対象物が消失した時点で当該虚像生成処理プログラムを終了する。
S11においてCPU41は、警告画像の表示位置を移動させた結果、警告画像の表示位置が前記S6で設定された基準線65を所定間隔(例えば1sec)以下で複数回跨いだか否かを判定する。
そして、警告画像の表示位置が前記S6で設定された基準線65を所定間隔以下で複数回跨いでいないと判定された場合(S11:NO)には、S12へと移行する。
S12においてCPU41は、基準線65を跨ぐ前後で警告画像を対応する方向の目に視認させる画像へと切り替える。即ち、警告画像の表示位置が基準線65の右側から左側へと移動した場合には、基準線65を跨ぐタイミングで右目のみに視認させる警告画像から、左目のみに視認させる警告画像へと切り替える。
それに対して、警告対象物の表示位置が前記S6で設定された基準線65を所定間隔以下で複数回跨いだと判定された場合(S11:YES)には、現在の警告画像の表示を維持する。即ち、仮に警告画像の表示位置が基準線65の右側から左側へと移動した場合であっても、右目のみに視認させる警告画像のまま表示する。その後、警告対象物が消失した時点で当該虚像生成処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る重畳画像表示装置1では、車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳する画像を視認させる場合において、乗員の両目の位置と視線方向を取得し(S4)、視線方向に沿って乗員の両目間の中点を通過する中心線が画像の表示領域と交差する交点に基づいて、表示領域に基準線を設定し(S6)、表示領域に表示する画像の内、基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示する(S8、S9)ので、画像を表示する表示領域に設定された基準線を基準として、画像を表示する位置に応じて画像を視認させる乗員の目を適宜選択することが可能となる。特に左目において視認し易い画像は左目で、右目において視認し易い画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD4によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD4により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
例えば、本実施形態ではHUD4によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD4により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では、車両2に対して重畳画像表示装置1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に重畳画像を生成し、ライドの乗員に対して重畳画像を視認させることが可能となる。
また、本実施形態では、周辺環境に重畳する画像を表示する手段としてHUD4を用いているが、フロントウィンドウ8に対して画像を表示するウインドウシールドディスプレイ(WSD)を用いても良い。尚、WSDを用いる場合には画像の表示領域は車両のフロントウィンドウ8となり、基準線65はフロントウィンドウ8に対して設定されることとなる。また、フロントウィンドウ8の前面に対して図4に示すようなパララックスバリア56を配置する必要がある。
また、本実施形態では、周辺環境に重畳させて乗員9に視認させることにより案内を行う重畳画像として、警告対象物の警告を行う警告画像を表示しているが、表示する画像は他の画像としても良い。例えば、矢印、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等でも良い。
また、本実施形態では、乗員に警告対象となる警告対象物に対して画像を重畳させることとしているが、画像を重畳する対象となる対象物は警告対象物以外であっても良い。例えば、路面、施設等でも良い。
また、本実施形態では、虚像生成処理プログラム(図4)の処理をナビゲーション装置3のナビゲーションECU15が実行する構成としているが、実行主体は適宜変更することが可能である。例えば、HUD4の制御部、車両制御用のECU、その他の車載器が実行する構成としても良い。尚、HUD4の制御部が実行する場合には、本発明に係る重畳画像表示装置1はHUD4のみで構成することも可能である。
また、本発明に係る重畳画像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両(2)に搭載され、画像を前記車両の乗員(9)の視線前方の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置(1)であって、前記乗員の両目の位置を取得する目位置取得手段(41)と、前記乗員の視線方向を取得する視線方向取得手段(41)と、前記視線方向に沿って前記乗員の両目間の中点を通過する中心線が前記画像を表示する表示領域(55)と交差する交点に基づいて、前記表示領域に基準線(65)を設定する基準線設定手段と、を有し、前記表示領域に表示する画像の内、前記基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、前記基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳する画像を視認させる場合において、画像を表示する表示領域に設定された基準線を基準として、画像を表示する位置に応じて画像を視認させる乗員の目を適宜選択することが可能となる。特に左目において視認し易い画像は左目で、右目において視認し易い画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
車両(2)に搭載され、画像を前記車両の乗員(9)の視線前方の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置(1)であって、前記乗員の両目の位置を取得する目位置取得手段(41)と、前記乗員の視線方向を取得する視線方向取得手段(41)と、前記視線方向に沿って前記乗員の両目間の中点を通過する中心線が前記画像を表示する表示領域(55)と交差する交点に基づいて、前記表示領域に基準線(65)を設定する基準線設定手段と、を有し、前記表示領域に表示する画像の内、前記基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、前記基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳する画像を視認させる場合において、画像を表示する表示領域に設定された基準線を基準として、画像を表示する位置に応じて画像を視認させる乗員の目を適宜選択することが可能となる。特に左目において視認し易い画像は左目で、右目において視認し易い画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記基準線設定手段(41)は、前記交点を通過するとともに前記表示領域(55)の上下方向に平行な線を基準線(65)とする。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に乗員の視線方向を中心として画像を表示する領域を左右に分割し、左側のエリアに表示される画像は左目で、右側に表示される画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
前記基準線設定手段(41)は、前記交点を通過するとともに前記表示領域(55)の上下方向に平行な線を基準線(65)とする。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に乗員の視線方向を中心として画像を表示する領域を左右に分割し、左側のエリアに表示される画像は左目で、右側に表示される画像は右目で視認させるので、乗員に負担を与えることなく視認性が良い重畳画像を表示することが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記乗員の利き目を取得する利き目取得手段(41)を有し、前記基準線(65)は、前記交点よりも利き目に対応する側と反対側に離れた地点を通過するとともに前記表示領域(55)の上下方向に平行な線を基準線とする。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に乗員の利き目に対して優先的に画像を視認させるので、画像の視認に係る乗員の負担を軽減することが可能となる。
前記乗員の利き目を取得する利き目取得手段(41)を有し、前記基準線(65)は、前記交点よりも利き目に対応する側と反対側に離れた地点を通過するとともに前記表示領域(55)の上下方向に平行な線を基準線とする。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に乗員の利き目に対して優先的に画像を視認させるので、画像の視認に係る乗員の負担を軽減することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記表示領域(55)に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線(65)を跨ぐ場合には、跨ぐ前後で該画像を対応する方向の目に視認させる画像へと切り替える一方で、前記表示領域に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線を所定間隔以下で複数回跨ぐ場合には、跨ぐ前後で画像の切り替えを行わない。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に画像の表示位置が移動する場合において、画像を視認する目が頻繁に切り替わることを防止することが可能となる。
前記表示領域(55)に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線(65)を跨ぐ場合には、跨ぐ前後で該画像を対応する方向の目に視認させる画像へと切り替える一方で、前記表示領域に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線を所定間隔以下で複数回跨ぐ場合には、跨ぐ前後で画像の切り替えを行わない。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に画像の表示位置が移動する場合において、画像を視認する目が頻繁に切り替わることを防止することが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記表示領域(55)において前記基準線(65)に対して一方側のみに所定数以上の画像を表示する場合には、前記基準線からの距離が近い順に前記所定数より少ない所定個数の画像は、他方側に対応する目のみに視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に多数の画像を表示する場合において、一方の目のみに負担が偏らないように表示することが可能となる。
前記表示領域(55)において前記基準線(65)に対して一方側のみに所定数以上の画像を表示する場合には、前記基準線からの距離が近い順に前記所定数より少ない所定個数の画像は、他方側に対応する目のみに視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に多数の画像を表示する場合において、一方の目のみに負担が偏らないように表示することが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記車両の乗員(9)には、前記表示領域(55)に表示された画像の虚像(10)が周辺環境に重畳して視認され、前記乗員から前記虚像までの結像距離を変更する結像距離変更手段(41)と、現在表示されている虚像の前記結像距離を取得する結像距離取得手段(41)と、を有し、前記結像距離が閾値未満の場合には、前記表示領域に表示する画像は両目に視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に画像の虚像を車両の乗員に視認させる場合において、両目で視認させた方がユーザの負担が少なく鮮明な虚像を視認させることができる状況では、表示領域に表示された画像を両目で視認させることによって、より適切な虚像の生成が可能となる。
前記車両の乗員(9)には、前記表示領域(55)に表示された画像の虚像(10)が周辺環境に重畳して視認され、前記乗員から前記虚像までの結像距離を変更する結像距離変更手段(41)と、現在表示されている虚像の前記結像距離を取得する結像距離取得手段(41)と、を有し、前記結像距離が閾値未満の場合には、前記表示領域に表示する画像は両目に視認させる画像として表示する。
上記構成を有する重畳画像表示装置によれば、特に画像の虚像を車両の乗員に視認させる場合において、両目で視認させた方がユーザの負担が少なく鮮明な虚像を視認させることができる状況では、表示領域に表示された画像を両目で視認させることによって、より適切な虚像の生成が可能となる。
1 重畳画像表示装置
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 HUD
6 液晶ディスプレイ
8 フロントウィンドウ
10 虚像
15 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
55 画像表示領域
61、62 警告画像
71 警告対象物
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 HUD
6 液晶ディスプレイ
8 フロントウィンドウ
10 虚像
15 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
55 画像表示領域
61、62 警告画像
71 警告対象物
Claims (6)
- 車両に搭載され、画像を前記車両の乗員の視線前方の周辺環境に重畳して視認させる重畳画像表示装置であって、
前記乗員の両目の位置を取得する目位置取得手段と、
前記乗員の視線方向を取得する視線方向取得手段と、
前記視線方向に沿って前記乗員の両目間の中点を通過する中心線が前記画像を表示する表示領域と交差する交点に基づいて、前記表示領域に基準線を設定する基準線設定手段と、を有し、
前記表示領域に表示する画像の内、前記基準線よりも左目に対応する側に表示される画像は左目のみに視認させる画像とし、前記基準線よりも右目に対応する側に表示される画像は右目のみに視認させる画像として表示する重畳画像表示装置。 - 前記基準線設定手段は、前記交点を通過するとともに前記表示領域の上下方向に平行な線を基準線とする請求項1に記載の重畳画像表示装置。
- 前記乗員の利き目を取得する利き目取得手段を有し、
前記基準線は、前記交点よりも利き目に対応する側と反対側に離れた地点を通過するとともに前記表示領域の上下方向に平行な線を基準線とする請求項1に記載の重畳画像表示装置。 - 前記表示領域に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線を跨ぐ場合には、跨ぐ前後で該画像を対応する方向の目に視認させる画像へと切り替える一方で、
前記表示領域に表示する前記画像の表示位置が、前記基準線を所定間隔以下で複数回跨ぐ場合には、跨ぐ前後で画像の切り替えを行わない請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の重畳画像表示装置。 - 前記表示領域において前記基準線に対して一方側のみに所定数以上の画像を表示する場合には、前記基準線からの距離が近い順に前記所定数より少ない所定個数の画像は、他方側に対応する目のみに視認させる画像として表示する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
- 前記車両の乗員には、前記表示領域に表示された画像の虚像が周辺環境に重畳して視認され、
前記乗員から前記虚像までの結像距離を変更する結像距離変更手段と、
現在表示されている虚像の前記結像距離を取得する結像距離取得手段と、を有し、
前記結像距離が閾値未満の場合には、前記表示領域に表示する画像は両目に視認させる画像として表示する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の重畳画像表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2017-09-22 JP JP2017182509A patent/JP2019056884A/ja active Pending
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