JP2019042944A - 記録方法、記録装置及び印刷物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
裏刷り印刷においては、ラミネート処理を施すため、貼り合わせた基材同士が充分な強度で接着していることが必要であり、この強度が充分でない場合、容易にラミネート部が剥がれて浮きが発生してしまい、市場クレームに繋がってしまう。
また、一旦ラミネートしてしまえば、インクはフィルムで保護されるため、インク塗膜に堅牢性は求められないが、印刷した後に巻き取りを行う際や、巻き取った後、ラミネーターにセットするまでの取り扱いを行う際、また、ラミネーター内部でラミネート用の接着剤をローラー塗工する際など一定の耐擦過性が求められる。
また、これとは別に、特許文献2、3では滲み、高光沢、耐擦性、遮蔽性などを考慮し、白インクを印刷した後にカラーインクを印刷することが開示されている。
本発明の記録方法におけるインクは、水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含み、必要に応じてその他の成分を含む。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明の記録方法は、少なくとも第1のインク(カラーインク)と第2のインク(白インク)を付与するものであり、各インクは色材として顔料を含有する。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
なお、白インクの白色度の基準としては、ISO−2469(JIS−8148)があり、一般的にはその値が70以上の場合、白色の色材として用いられる。
ただし、インク中の顔料の含有量は、後述する顔料樹脂比になるように調整する必要がある。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
なお、カラーインクと白インクに含まれる樹脂は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ただし、インク中の樹脂の含有量は、後述する顔料樹脂比になるように調整する必要がある。
本発明の記録方法では、前記第1のインクにおける顔料の含有量をP1、樹脂の含有量をR1としたとき、P1/R1≦1であり、前記第2のインクにおける顔料の含有量をP2、樹脂の含有量をR2としたとき、4≦P2/R2であることを要する。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
本発明におけるインクは、例えば前記構成成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して作製する。攪拌混合は、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
本発明の記録方法は、記録媒体上に像を形成する記録方法であって、水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第1のインクを付与する工程と、水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第2のインクを付与する工程と、を有し、顔料と樹脂の含有量が上述の所定の割合を満たす。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
本発明の記録方法は、第2のインク(白インク)を付与した後に第2のインクを加熱する工程(加熱工程)を有することが好ましい。加熱工程を行うことにより、インク層の強度が向上し、耐擦過性が向上する。なお、白インクを付与した後に加熱工程を行うだけでなく、印字前、印字中に加熱することも可能である。
本発明に用いる記録媒体としては、特に制限なく用いることができ、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材に対して特に好適に用いることができる。本発明における非浸透性基材とは、水透過性、吸収性及び/又は吸着性が低い表面を有する基材を指しており、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材を指す。
前記ポリプロピレンフィルムの例としては、東洋紡社製P−2002、P−2161、P−4166、SUNTOX製PA−20、PA−30、PA−20W、フタムラ化学社製FOA、FOS、FORなどが挙げられる。
前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの例としては、東洋紡社製E−5100、E−5102、東レ社製P60、P375、帝人デュポンフィルム社製G2、G2P2、K、SLなどが挙げられる。
前記ナイロンフィルムの例としては、東洋紡社製ハーデンフィルムN−1100、N−1102、N−1200、ユニチカ社製ON、NX、MS、NKなどが挙げられる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明の印刷物の製造方法は、記録媒体上に像が形成された印刷物の製造方法であって、水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第1のインクを付与する工程と、水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第2のインクを付与する工程と、を有し、前記第1のインクにおける顔料の含有量をP1、樹脂の含有量をR1としたとき、P1/R1≦1であり、前記第2のインクにおける顔料の含有量をP2、樹脂の含有量をR2としたとき、4≦P2/R2であり、前記第2のインクに含まれる顔料が、体積平均粒径250nm以下の酸化チタンであることを特徴とする。本発明によれば、高い堅牢性と高いラミネート強度を有する印刷物を得ることができる。
<ブラック顔料分散液の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂社製)・・・2質量部
・イオン交換水・・・83質量部
ブラック顔料分散液の調製において、カーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3(SENSIENT社製SMART Cyan 3154BA)に変更した以外は同様にして、シアン顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
ブラック顔料分散液の調製において、カーボンブラック顔料をピグメントレッド122(Sun Chemical社製Pigment Red 122)に変更した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
ブラック顔料分散液の調製において、カーボンブラック顔料をピグメントイエロー155(SENSIENT社製SMART Yellow 3074BA)に変更した以外は同様にして、イエロー顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
酸化チタン(商品名:JR−405、テイカ社製)40部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5部、水55部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、シンマルエンタープライゼス社製)にて、0.3mmΦのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、ホワイト顔料分散液1を得た。
ホワイト顔料分散液1の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、210nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化チタン(商品名:R−7E、堺化学工業社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液2を得た。
ホワイト顔料分散液2の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、233nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化チタン(商品名:R−25、堺化学工業社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液3を得た。
ホワイト顔料分散液3の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、190nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化チタン(商品名:JR−806、テイカ社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液4を得た。
ホワイト顔料分散液4の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、250nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化チタン(商品名:JR−603、テイカ社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液5を得た。
ホワイト顔料分散液5の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、284nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化チタン(商品名:JR−600E、テイカ社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液6を得た。
ホワイト顔料分散液6の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、265nmであった。
前記ホワイト顔料分散液1の調製において、使用する顔料を酸化亜鉛(ハクスイテック社製)に変更した以外は同様にして、ホワイト顔料分散液7を得た。
ホワイト顔料分散液7の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、245nmであった。
ホワイト顔料分散液8として、JSR社製SX−866(高架橋系スチレン−アクリル系中空粒子)を使用した。
ホワイト顔料分散液8の体積平均粒径D50をナノトラック Nanotrac Wave−EX1500(マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定したところ、245nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた容量2Lの反応器に、メチルエチルケトン(MEK)を100質量部、下記ポリエステルポリオール(1)を345質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)を9.92質量部仕込み、60℃にて均一に混合した。
その後、トリエチレングリコールジイソシアネート(TEGDI)を45.1質量部、ジオクチルチンジラウレート(DOTDL)を0.08質量部仕込み、72℃で3時間反応させて、ポリウレタン溶液を得た。
このポリウレタン溶液に、イソフタル酸(IPA)を80質量部、メチルエチルケトンを220質量部、トリエチルアミン(TEA)を3.74質量部、水を596質量部仕込んで転相させた後、ロータリーエバポレーターにてMEKとIPAを除去して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分30質量%、pH8に調整した。
ポリエステルポリオール(1)はイソフタル酸、アジピン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールから得られたものであり、イソフタル酸とアジピン酸のモル比がイソフタル酸/アジピン酸=6/4、エチレングリコールとネオペンチルグリコールのモル比がエチレングリコール/ネオペンチルグリコール=1/9となるようにした。なお、ポリエステルポリオール(1)の数平均分子量は2,000、平均官能基数は2であった。
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、あらかじめイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌化に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行い、アクリル樹脂エマルジョンを得た。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分30質量%、pH8に調整した。
温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7,548g、フマル酸2,452g及び4−tert−ブチルカテコール50gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、5時間かけて210℃まで昇温し、210℃で2時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、ポリエステルを得た。窒素導入管、還流冷却管、撹拌器(製品名:「スリーワンモーターBL300」、新東科学社製)及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、前記ポリエステル200gを入れ、30℃でメチルエチルケトン200gと混合し溶解させた。
次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液36gを添加して30分撹拌後、30℃で撹拌下、20mL/minの速度で脱イオン水を滴下し、60℃に昇温した。次いで、60℃にて、80kPa〜30kPaに段階的に減圧しながらメチルエチルケトンを留去し、更に一部の水を除去した。25℃まで冷却後、150メッシュの金網で濾過し、イオン交換水にて固形分濃度を30質量%に調整し、ポリエステル樹脂エマルジョンを得た。
メタロセン触媒を重合触媒として製造したプロピレン系ランダム共重合体(プロピレン:エチレン=96:4)をバレル温度35℃の二軸押出機に供給して熱減成を行い、減成プロピレン系ランダム共重合体を得た。
次いで、減成プロピレン系ランダム共重合体100重量部、メタクリル酸メチル4重量部、アクリル酸エチルヘキシル4重量部、ジクミルパーオキサイド3重量部をあらかじめ十分に混合した後、二軸押出機に供給し、滞留時間5分、回転数300rpm、バレル温度120℃(第1、第2バレル)、180℃(第3、第4バレル)、100℃(第5バレル)、130℃(第6〜8バレル)の条件下で反応を行い、アクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体を得た。攪拌機、冷却管、温度計及び滴下ロートを取り付けた2Lの4つ口フラスコ中に、得られたアクリル酸エステル−ポリオレフィン系共重合体200g、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルアミン)35g、ステアリルグリシジルエーテル8g、トルエン36gを添加し、120℃で30分混練した。その後、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール8gを5分かけて添加し、添加後5分保持した後、90℃に熱した高純水970gを40分かけて添加した。減圧処理により、トルエンを留去した後、攪拌しながら室温まで徐々に冷却し、固形分濃度が40質量%となるように水分量を調整し、ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを得た。
<カラーインク調製例1〜8、白インク調製例1〜14>
カラーインク、白インクは表1〜表3に記載の配合で調合後、混合攪拌し、5μmのフィルター(ザルトリウス社製ミニザルト)で濾過することにより作製した。
<評価用ベタ画像の形成方法>
上記のようにして得られたカラーインク、白インクをそれぞれインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、リコー社製)に充填し、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製パイレンP−2161、厚さ30μm)に対し、カラーインクによりベタ画像を形成した。次に、一晩放置後、白インクによりベタ画像を形成した。その後、70℃に設定したホットプレート(NINOS ND−1、アズワン社製)に前記ベタ画像が形成されたフィルムを押し当てながら、風速20m/s、温度100℃の温風をベタ画像から1mmの距離から吹き付けて乾燥させた。
上記のようにして得られたベタ画像に対して付着量が1g/m2となるようにドライラミネート用接着剤(主剤:TM−320、硬化剤:CAT−13B、東洋モートン社製)を塗工し、酢酸エチルを風乾させた後、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製パイレンP−1128、厚さ30μm)を貼り合わせた。その後、40℃のオーブンにて48時間保管した後、15mm幅の短冊に切り、引っ張り試験機により剥離速度300mm/minでの剥離強度を測定し、以下の基準により判定した。Cまでを許容レベルとした。
A:剥離強度が2N/15mm以上
B:剥離強度が1.5N/15mm以上2N/15mm未満
C:剥離強度が1.0N/15mm以上1.5N/15mm未満
D:剥離強度が0.5N/15mm以上1.0N/15mm未満
E:剥離強度が0.5N/15mm未満
上記のようにして得られたベタ画像に対して、綿布(カナキン3号)で200gの荷重をかけて印字部を50往復擦り、印字部の画像剥がれを目視により観察することにより耐擦過性を評価し、以下の基準により判定した。Cまでを許容レベルとした。
A:50往復擦過しても記録媒体の露出が見られない
B:50往復擦過後、若干の記録媒体の露出が見られる
C:30往復擦過後、記録媒体の露出が始まる
D:10往復擦過後、記録媒体の露出が始まる
E:10往復擦過で、記録媒体がほとんど露出してしまう
表4、表5に記載した組み合わせで上記評価を実施した。
実施例1と同じインクを使用し、評価用ベタ画像の形成において、白インク印字後に加熱せずにそのまま室温で自然乾燥させた以外は同様にして評価を実施した。
実施例1と同じインクを使用し、評価用ベタ画像の形成において、白インク印字後のホットプレートによる加熱を行わず、温風加熱のみで加熱した以外は同様にして評価を実施した。
実施例1と同じインクを使用し、評価用ベタ画像の形成において、白インク印字後のホットプレートによる加熱を行わず、中波長赤外線ヒーター(ヘレウス社製BSG500/300)を使用して加熱した以外は同様にして評価を実施した。
実施例1と同じインクを使用し、評価用ベタ画像の形成において、白インク印字後の温風加熱による加熱を行わず、ホットプレートのみを使用して加熱した以外は同様にして評価を実施した。
実施例1と同じインクを使用し、評価用ベタ画像の形成において、白インク印字後にホットプレートと中波長赤外線ヒーター(ヘレウス社製BSG500/300)を使用して加熱した以外は同様にして評価を実施した。
表6に記載した組み合わせで上記評価を実施した。印字後の加熱は実施例1と同様にした。
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (9)
- 記録媒体上に像を形成する記録方法であって、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第1のインクを付与する工程と、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第2のインクを付与する工程と、を有し、
前記第1のインクにおける顔料の含有量をP1、樹脂の含有量をR1としたとき、P1/R1≦1であり、
前記第2のインクにおける顔料の含有量をP2、樹脂の含有量をR2としたとき、4≦P2/R2であり、
前記第2のインクに含まれる顔料が、体積平均粒径250nm以下の酸化チタンであることを特徴とする記録方法。 - 前記第2のインクにおいて、5.5≦P2/R2であることを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
- 前記第1のインク及び前記第2のインクに含まれる樹脂が、アクリル樹脂及びウレタン樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録方法。
- 前記第2のインクを付与した後に前記第2のインクを加熱する工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録方法。
- 前記加熱する工程は、接触式加熱方式による加熱を行うことを特徴とする請求項4に記載の記録方法。
- 前記加熱する工程は、接触式加熱方式による加熱と温風加熱方式による加熱を行うことを特徴とする請求項4に記載の記録方法。
- 前記記録媒体は、非浸透性基材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の記録方法。
- 記録媒体上に像を形成する記録装置であって、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第1のインクを付与する手段と、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第2のインクを付与する手段と、を有し、
前記第1のインクにおける顔料の含有量をP1、樹脂の含有量をR1としたとき、P1/R1≦1であり、
前記第2のインクにおける顔料の含有量をP2、樹脂の含有量をR2としたとき、4≦P2/R2であり、
前記第2のインクに含まれる顔料が、体積平均粒径250nm以下の酸化チタンであることを特徴とする記録装置。 - 記録媒体上に像が形成された印刷物の製造方法であって、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第1のインクを付与する工程と、
水、顔料、樹脂及び水溶性有機溶剤を含む第2のインクを付与する工程と、を有し、
前記第1のインクにおける顔料の含有量をP1、樹脂の含有量をR1としたとき、P1/R1≦1であり、
前記第2のインクにおける顔料の含有量をP2、樹脂の含有量をR2としたとき、4≦P2/R2であり、
前記第2のインクに含まれる顔料が、体積平均粒径250nm以下の酸化チタンであることを特徴とする印刷物の製造方法。
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