JP2019034219A - カートリッジ洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性塩素剤や洗浄剤の一部の分解を防止することができるとともに、噴射水の温度が低くても、洗浄中に適量の活性塩素剤を自動食器洗浄機内に供給することができ、簡易かつ安全に製造することができ、かつ、安価に製造が可能なカートリッジ洗浄剤を提供すること。【解決手段】内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、前記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、前記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる洗浄剤組成物と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる活性塩素剤とからなり、前記容器本体には、前記洗浄剤組成物が収容されており、前記中蓋体には、前記活性塩素剤が収容されており、前記容器本体と前記中蓋体との間には、前記活性塩素剤又は前記洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とするカートリッジ洗浄剤。【選択図】図1

Description

本発明は、カートリッジ洗浄剤に関する。
近年、人手不足、衛生管理等の観点から、ホテル又はレストラン等においては、自動食器洗浄機が用いられている。従来から、このような自動食器洗浄機において使用される洗浄剤では、アルカリ剤やキレート剤等の洗浄成分の他に、活性塩素剤が含まれている。活性塩素剤は、食器などに蓄積されて強固な汚れになるタンパク質、デンプン、茶渋、コーヒーなどの色素汚れを除去する効果、また、微生物を殺すなどの除菌効果があるとして、このような効果が期待され、洗浄剤に含まれている。
このような洗浄剤を製造する際、高温及び高濃度のアルカリ剤、キレート剤及び界面活性剤と活性塩素剤とが接触するように両者を配合した場合、活性塩素剤の一部や洗浄剤の一部が分解することにより、洗浄剤としての性能が低下するという問題がある。
活性塩素剤の分解を防止するため、例えば、特許文献1では、図9に示すように、洗浄成分41を注入した型44の中央に、活性塩素剤を含む円形プラグ42が洗浄成分41の深さ方向にわたって配設された洗浄剤40が開示されている。活性塩素剤を含む円形プラグ42は、洗浄成分又は活性塩素剤と反応しない天然ワックス、合成ワックス、リン酸エステル等によって被包されているため、活性塩素剤の分解を抑制することができる。
また、特許文献2では、図10に示すように、型54に注入した洗浄成分51に、カプセル化された活性塩素剤52が均一に分散された洗浄剤50が開示されている。カプセル化された活性塩素剤52は、活性塩素剤と反応しにくい不活性コーティング物質で活性塩素剤が被覆されているため、活性塩素剤の分解を抑制することができる。
特公昭59−004480号公報 特表平04−504271号公報
上述のように製造時にアルカリ剤、キレート剤等と活性塩素剤とが接触するような配置方法をとった場合、活性塩素剤の一部やアルカリ剤、キレート剤を含む洗浄剤の一部が分解するという問題がある。
一方、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、活性塩素剤を被包しているため、活性塩素剤の一部やアルカリ剤、キレート剤を含む洗浄剤の一部が分解するという問題は発生しにくいとされている。
そして、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、洗浄時に洗浄成分及びプラグの露出表面若しくはカプセルに水が吹き付けられると、洗浄成分と活性塩素剤とが溶解するので、洗浄中に活性塩素剤を自動食器洗浄機内に供給することができる。しかし、特許文献2においては、活性塩素剤の被包物に、融点60℃付近の化学物質を用いるため、噴射水の温度が通常より低い場合には、活性塩素剤の被包物が溶けにくいという問題点を有する。
また、特許文献1及び2に記載の洗浄剤では、活性塩素剤を被包し、洗浄成分の中に埋設するか、洗浄成分中に挿入された状態で製造する必要があるため、製造工程が複雑になってしまうという問題がある。さらに、活性塩素剤の被包が不充分な場合には、製造途中の高温状態で洗浄剤成分と接触すると塩素ガスを生じる危険がある。また、危険な状態にはならなくても、この過程で活性塩素剤の大部分が失活するおそれがある。さらにまた、製造工程が複雑であることに起因して、製造コストも高くなってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、活性塩素剤や洗浄剤の一部の分解を防止することができるとともに、噴射水の温度が低くても、洗浄中に適量の活性塩素剤を自動食器洗浄機内に供給することができ、簡易かつ安全に製造することができ、かつ、安価に製造が可能なカートリッジ洗浄剤を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジ洗浄剤は、内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、上記供給口部を下向きに設置し、上記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、上記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、上記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる洗浄剤組成物と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる活性塩素剤とからなり、上記容器本体には、上記洗浄剤組成物が収容されており、上記中蓋体には、上記活性塩素剤が収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記活性塩素剤又は上記洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とする。
なお、本発明における固形体とは、洗浄剤においては、直径5cm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいい、活性塩素剤においては直径5mm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいう。また、粒状体とは、上記した固形体の条件に該当せず、直径0.1mm以上の球状又はそれと同等の体積のものを80質量%以上含むものをいい、粉状体とは、直径0.1mm以上の球状又はそれと同等の体積のものが80質量%未満であるものをいう。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、活性塩素剤は、容器本体の内部には配設されておらず、中蓋体に収容されており、洗浄剤組成物は、容器本体の内部に収容されており、容器本体と中蓋体との間には、活性塩素剤又は洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられているので、カートリッジ洗浄剤の製造時には洗浄剤組成物と活性塩素剤とが全く接触しない状態で製造することができ、活性塩素剤や洗浄剤組成物の一部の分解を防止することができる。
さらに、活性塩素剤と洗浄剤組成物とは仕切りにより分離された状態で、上記容器内の上記所定領域の外側に配置されているので、簡易に製造することができ、安価かつ安全に製造が可能である。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、本体容器の内部に収容する洗浄剤組成物や中蓋体に収容する活性塩素剤の量を調節することにより、噴射水の温度が低くても、容易に活性塩素剤の供給量を適量の範囲に制御することができる。従って、洗浄中に活性塩素剤を充分に自動食器洗浄機内に供給することができるとともに、過剰に活性塩素剤が供給されるのを防止することができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記中蓋体は、噴射水を通過させるための貫通孔が形成されるとともに、上記活性塩素剤を載置するための載置部を備え、上記戴置部には、洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成されるとともに、上記活性塩素剤を上記中蓋体の内部に保持するための上記載置部を覆うカバー部を備えており、
上記外蓋体は、使用時まで容器内外の空間を遮断し、使用時に取り外すように構成され、フィルム状部材又は硬質部材からなることが望ましい。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、内容物を空間的に遮断する部材が必要であるとともに、噴射水を通過させ、洗浄剤組成物及び活性塩素剤と接触した洗浄液を容器外に排出するための部材も必要となる。そのため、本発明のカートリッジ洗浄剤では、噴射水を通過させるための貫通孔及び洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成された中蓋体と使用時まで容器内外の空間を遮断する外蓋体とが設けられている。
上記中蓋体は、容器本体に固定されていても良いし、脱着可能でも良い。また、上記貫通孔は、大きい1つの貫通孔であってもよく、小さい複数の貫通孔が形成されていてもよい。必要であれば内容物がこぼれないよう、取り付けの際に水溶性のフィルムを貼りつけてもよい。
上記構成のカートリッジ洗浄剤では、洗浄剤と活性塩素剤とを分離して収容するために、活性塩素剤を収容する中蓋体が設けられているが、この戴置部には、活性塩素剤を保持するカバー部を備えており、これにより、活性塩素剤を洗浄剤組成物と好適な条件で分離することができ、本発明の効果を得ることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記洗浄剤組成物は、所定形状に成形された固形体からなり、上記活性塩素剤は、所定形状に成形された固形体又は粒状体からなることが望ましい。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記活性塩素剤や洗浄剤組成物の形状は、単一でもよいし、請求項に記載された組み合わせの範囲内で、粒状体と固形体等、又は、大きさや結合剤が異なる複数の固形体といった複数の形状の剤を併用してもよい。
上記態様は、本発明のカートリッジ洗浄剤の一態様であり、上記洗浄剤組成物は固形体からなり、上記活性塩素剤は固形体又は粒状体からなり、両者は表面積が小さく、接触しにくい形状であるので、上記構成のカートリッジ洗浄剤は、活性塩素剤や洗浄剤組成物の一部の分解を防止することができるとともに、洗浄中に適量の活性塩素剤を自動食器洗浄機内に供給することができ、簡易に製造することができ、かつ、安全に製造が可能なカートリッジ洗浄剤を提供することができる。
上記構成のカートリッジ洗浄剤では、上記活性塩素剤は、所定形状に成形された固形体であることが望ましい。
水を噴射して使用するカートリッジ洗浄剤においては、逐次使用する部分以上の部分にまで、噴射水により洗浄剤組成物が濡らされ、その水分を仲立ちとしてキレート剤等の洗浄剤組成物と活性塩素剤が反応し、それらの一部が分解する場合があるが、上記構成のカートリッジ洗浄剤では、洗浄剤組成物と活性塩素剤との接触機会が少ないので、上記問題は発生しにくく、特に上記のような洗浄剤組成物の形状が固形であり、活性塩素剤の形状も固形の場合には、最も洗浄剤組成物と塩素剤の保管時及び使用時の接触確率が少なくなるため、反応等に起因して分解する危険性が小さく、自動食器洗浄機用の洗浄剤として最も適している。
上記のように、上記構成のカートリッジ洗浄剤では、活性塩素剤が特に、所定形状に成形された固形体であると、活性塩素剤と洗浄剤組成物の分離を完全に行うことができるので、上述した本発明の効果がより高くなる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記洗浄剤組成物と上記活性塩素剤との合計量に対する上記活性塩素剤の割合は、0.1〜8.0質量%であることが望ましい。
上記活性塩素剤の割合が0.1〜8.0質量%であると、効率的な活性塩素剤の量で、自動食器洗浄機内を充分に除菌できる。
上記活性塩素剤の割合が0.1質量%未満であると、活性塩素剤の量が少なすぎて、自動食器洗浄機内を充分に除菌できない場合がある。上記活性塩素剤の割合が8.0質量%を超えると、活性塩素剤の量が多すぎて、コストが高くなる場合や、噴射水の温度が高い場合に活性塩素剤の供給量が多すぎて使用環境中に刺激臭を生じることがある。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、上記洗浄剤組成物は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー及びキレート剤からなる群から選択された少なくとも一種と、界面活性剤とを含有することが望ましい。
上記洗浄成分がアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー及びキレート剤からなる群から選択された少なくとも一種と、界面活性剤とを含有するものであると、充分な洗浄力が得られる。
本発明のカートリッジ洗浄剤において、上記中蓋体には、上記活性塩素剤の移動を規制するための区画部材が設けられていることが望ましい。
区画部材により活性塩素剤の移動を規制することにより、各活性塩素剤を均一に溶解させることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、活性塩素剤や洗浄剤組成物の一部の分解を防止することができるとともに、洗浄中に適量の活性塩素剤を自動食器洗浄機内に供給することができる。また、本発明のカートリッジ洗浄剤では、カートリッジ洗浄剤を簡易に製造することができ、かつ、安全かつ安価に製造が可能である。
図1は、本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する容器の一実施例を模式的に示す説明図である。 図2は、本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の一実施例を模式的に示す概念図である。 図3は、本発明のカートリッジ洗浄剤の一実施例を模式的に示す概念図である。 図4は、本発明のカートリッジ洗浄剤の別の実施例を模式的に示す概念図である。 図5は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。 図6は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。 図7(a)は、本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の別の実施例を模式的に示す概念図であり、図7(b)は、図7(a)に示す中蓋体に固形体の活性塩素剤を収容した状態を模式的に示す概念図であり、図7(c)は、図7(a)に示す中蓋体の裏面に外蓋体としてのフィルム部材を接着した状態を模式的に示す概念図である。 図8は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。 図9は、特許文献1に開示された洗浄剤を模式的に示す斜視図である。 図10は、特許文献2に開示された洗浄剤を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤は、内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、上記供給口部を下向きに設置し、上記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、上記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、上記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる洗浄剤組成物と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる活性塩素剤とからなり、上記容器本体には、上記洗浄剤組成物が収容されており、上記中蓋体には、上記活性塩素剤が収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記活性塩素剤又は洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とする。
本発明のカートリッジ洗浄剤は、従来の技術でも記載したように、ホテル又はレストラン等で用いられている自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤である。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、洗浄剤組成物は容器本体に収容されており、活性塩素剤は中蓋体に収容されており、上記容器本体と上記中蓋体との間には、上記活性塩素剤又は洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられているが、その実施形態として次のものが考えられる。
以下、本発明のカートリッジ洗浄剤の実施形態について説明する。
本発明のカートリッジ洗浄剤では、活性塩素剤は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉体からなり、洗浄剤組成物は、所定形状に成形された固形体又は粒状体からなり、上記中蓋体に上記活性塩素剤が収容されるとともに、上記容器本体に上記洗浄剤組成物が収容されている。
図1は、本発明の実施形態に係るカートリッジ洗浄剤を構成する容器の一実施例を模式的に示す説明図である。図2は、図1に示すカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の一実施例を模式的に示す概念図である。
図1に示したように、本実施形態に係るカートリッジ洗浄剤10を構成する容器は、容器本体11と中蓋体12と外蓋体13とからなる。
容器本体11は、円筒容器の下部が次第に縮径していく、所謂、ロート形状となっており、最下部の径の小さい筒部材11aには、中蓋体12をねじ込むためのねじ110aが形成されている。図示はしていないが、本発明では、筒部材11aは、ねじ込みでなく爪構造によるはめ込み式で中蓋体を固定するようになっていてもよい。
中蓋体12は、有底円筒形状であり、底部12bには、噴射水を通過させるための円筒部材12dと、洗浄剤組成物20及び活性塩素剤21(図3参照)が溶解した洗浄液を通過させるための開口部12aが2個設けられており、中蓋体12の円筒部分12cの内壁には、容器本体11の筒部材11aにねじ込むためのねじ120aが設けられている。
開口部12a及び底部12bを含む、活性塩素剤を載置するための部分が中蓋体12における載置部である。
なお、図2には開口部12aは2個示しているが、開口部12aの数は1個ないし2個以上であってもよい。
中蓋体12は、筒部材11aに嵌め込むことにより固定されればよいので、容器本体11の筒部材11aや中蓋体12にねじ120aが設けられていなくてもよい。その場合には、中蓋体12に爪部を形成し、筒部材11aの方に爪の受け構造が形成されていれば中蓋体12を嵌め込んだ後、固定することができる。
また、この中蓋体12は、さらに内筒12eが設けられており、内筒12eの内部に活性塩素剤21を収容できるように構成されており、活性塩素剤21を内筒12eの内部に収容した状態で保持するために円環形状のカバー部14が設けられている。
中蓋体12を構成するカバー部14は、円筒部材12dと重なる部分を除いて、水が通過することができるように網状または板状で開口部を有する部材14aにより構成されており、縁部には、網状または板状で開口部を有する部材14aを支持、固定するための支持部材14bが配設されている。そして、図示はしていないが、中蓋体12の内部に活性塩素剤21が収容された状態で、支持部材14bが内筒12eの上面周囲に接着剤を介して貼り付けられるか、爪状の構造などで固定され、中蓋体12の内部(内筒12eの内部)に活性塩素剤21が保持され、上部に存在する洗浄剤組成物20と分離状態とすることができる。
なお、中蓋体は活性塩素剤が保持され、噴射水が通過する構造となっていれば、上記構造に限定されない。従って、カバー部14に円筒部材12dや内筒12eが結合していてもよく、円筒部材12dや内筒12eが他の部材から独立した部材であってもよく、内筒12eが無い構造でもよい。
また、活性塩素剤が粒状体、固形体である場合には、カバー部14は、それに対応した活性塩素剤が漏れない程度の粗さの網状体であればよく、活性塩素剤が漏れなければ、円筒部材12dや内筒12eに、スリットが形成されていてもよく、メッシュ状であってもよく、適度の間隔でフレームが形成されたものであってもよい。また、内筒12eの代わりに棒状のものが設けられていてもよい。
また、容器本体と中蓋体と外蓋体は、2つ以上の部材が一体成形されたものであってもよい。具体的には、例えば、中蓋とカバー部、中蓋と外蓋部をヒンジで結合した構造であってもよい。
外蓋体13は、使用時まで容器内外の空間を遮断する役割を果たすものであり、使用時には、取り外すように構成されている。
図1では、外蓋体13にも、ねじ130aが設けられ、中蓋体12にねじ込むように構成されているが、中蓋体と同様に、ねじ130aは設けず、中蓋体12に爪受け構造を形成し、外蓋体13に浅い爪を形成し嵌め込むようにしてもよい。
容器本体11と中蓋体12と外蓋体13とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のプラスチックからなるが、特に、外蓋体13は、嵌め込む形式のものが好ましく、そのためには、硬質部材が好ましい。
なお、外蓋体13は、フィルム状部材により構成され、使用時にはがすことが可能な接着剤により中蓋体12に接着されていてもよい。
図3は、本発明のカートリッジ洗浄剤の一実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、洗浄剤組成物20は、容器本体11の形状で固化した固形体であり、一方、活性塩素剤21は、粉状体からなり、粉状体からなる活性塩素剤21は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14により中蓋体12の外に飛散しない構成となっている。なお、活性塩素剤21は、粉状体であるので、底部12bに設けられた開口部12aから飛散しないよう、開口部12aにも目の細かい網状部材が設けられている。
図3に示すカートリッジ洗浄剤10では、洗浄剤組成物20と活性塩素剤21とは、カバー部14で分離されており、直接接触することはないため、活性塩素剤21と洗浄剤組成物20とが反応することはなく、水に溶解した活性塩素剤21と洗浄剤組成物20とを良好に洗浄液中に供給することができる。なお、図3では、わかりにくいが、洗浄剤組成物20は、当然、円筒部材12dの内部には、収容されていない。図4〜図6のカートリッジ洗浄剤でも同様である。
図4は、本発明のカートリッジ洗浄剤の別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、洗浄剤組成物22は、粒状体であり、一方、活性塩素剤23は、所定形状に成形された固形体からなり、固形体からなる活性塩素剤23は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。
図4に示すカートリッジ洗浄剤15でも、洗浄剤組成物22と活性塩素剤23とは、カバー部14で分離されており、直接接触することはない。
図5は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、洗浄剤組成物22及び活性塩素剤24は、ともに粒状体であるが、粒状体からなる活性塩素剤24は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。図5に示すカートリッジ洗浄剤16でも、洗浄剤組成物22と活性塩素剤24とはカバー部14により分離されており、直接接触することはない。
図6は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
この実施例では、洗浄剤組成物22は、粒状体であり、一方、活性塩素剤21は、粉状体であり、粉状体からなる活性塩素剤21は、中蓋体12の内部に載置されており、カバー部14によりその内部に保持されている。図6に示すカートリッジ洗浄剤17でも、洗浄剤組成物22と活性塩素剤21とはカバー部14により分離されており、直接接触することはない。
このように、活性塩素剤と洗浄剤組成物とは、中蓋体を構成するカバー部により分離されており、活性塩素剤と洗浄剤組成物とが直接接触することはなく、活性塩素剤や洗浄剤組成物の一部の分解を防止することができる。
図7(a)は、本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体の別の実施例を模式的に示す概念図であり、図7(b)は、図7(a)に示す中蓋体に固形体の活性塩素剤を収容した状態を模式的に示す概念図であり、図7(c)は、図7(a)に示す中蓋体の裏面に外蓋体としてのフィルム部材を接着した状態を模式的に示す概念図である。
図7(a)に示す中蓋体32は、有底円筒形状であり、底部32bには、噴射水を通過させるための円筒部材32dと、洗浄剤組成物20(図8参照)及び活性塩素剤23(図7(b)参照)が溶解した洗浄液を通過させるための開口部32aが設けられており、中蓋体32の円筒部分32cの内壁には、容器本体11の筒部材11aにねじ込むためのねじ320aが設けられている。
開口部32a及び底部32bを含む、活性塩素剤を載置するための部分が中蓋体32における載置部である。
底部32bは網目形状となっており、多数の開口部32aが形成されている。底部32bが網目形状であり多数の開口部32aが形成されていると、洗浄液が中蓋体の底部を通過しやすく、均一に排出されるという利点がある。
また、この中蓋体32には、さらに内筒32eが設けられており、内筒32eの内部に活性塩素剤23を収容できるように構成されている(図7(b)参照)。
この中蓋体32に収容する活性塩素剤としては、底部32bの網目形状の開口部32aから落下することのない大きさの固形体の活性塩素剤23であることが望ましい。
また、中蓋体32の内筒32e内には、固形体の活性塩素剤23の移動を規制するための区画部材32fが複数箇所に設けられていて、内筒32e内の空間が区画されている。区画部材32fの間隔は、区画部材32fの間に固形体の活性塩素剤が入るように定めることが望ましい。このように固形体の活性塩素剤23の移動を規制することにより、各活性塩素剤を均一に溶解させることができる。
また、区画部材32fによる区画は、内筒32e内の空間を完全に区画するのではなく、緩く区画することが望ましい。「緩く」というのは、区画部材32fにより固形体の活性塩素剤23の移動が規制される程度に内筒32e内の空間が区画されている一方、区画部材32fと内筒32eの内壁の間、及び/又は、区画部材32fと円筒部材32dの外壁の間に空間を設けて、水や洗浄液等の液体が内筒32eの間で自由に移動できる状態のことを意味する。このような状態であると、水、洗浄液等の液体が特定の部位に噴射されたとしても、液体が内筒32eの中で偏ることがないので、特定の活性塩素剤23のみが溶解することが防止される。
また、図7(b)に示すように、活性塩素剤23を内筒32eの内部に収容した状態で保持するために円環形状のカバー部34が設けられている。
カバー部34の役割は図2に示すカバー部14と同様であるが、図7(b)にはカバー部の形態として開口部34aの形状が異なるカバー部を示している。また、カバー部34には図2に示すカバー部14の支持部材に相当する部位は存在していない。
また、図示していないが、円筒部材32dの上面に段付きを設け、段付きとカバー部34の開口部34cがかみ合うようにしてカバー部34の位置ずれを防止するようにしてもよい。
また、中蓋体32に設けていた区画部材32fに代えてカバー部34の中蓋体側になる面に区画部材を設けて、カバー部34を被せた際に内筒32e内の空間を区画できるようにしてもよい。
図7(c)には図7(a)に示す中蓋体32の裏面に外蓋体としてのフィルム部材33を接着した状態を示している。
フィルム部材33は、カートリッジ洗浄剤の使用時に剥がすことが可能な接着剤により中蓋体32に接着されていてもよい。フィルム部材33は、接着剤が塗布されていない突出部33aを手で掴んで剥がすことができる。また、フィルム部材を水溶性フィルムとしておき、水が触れることによってフィルム部材が溶解してなくなるようにしておいてもよい。
図8は、本発明のカートリッジ洗浄剤のさらに別の実施例を模式的に示す概念図である。
図8には、図3に示すカートリッジ洗浄剤において中蓋体及びカバー部として図7(b)に示す中蓋体32及びカバー部34を使用し、固形体の活性塩素剤23を中蓋体32の内部に載置している。また、中蓋体32の裏面には外蓋体としてのフィルム部材33を接着している。
この実施形態でも活性塩素剤と洗浄剤組成物とは、中蓋体を構成するカバー部により分離されており、活性塩素剤と洗浄剤組成物とが直接接触することはなく、活性塩素剤や洗浄剤組成物の一部の分解を防止することができる。また、外蓋体としてのフィルム部材により、使用時まで容器内外の空間が遮断されている。
洗浄剤組成物は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー及びキレート剤からなる群から選択された少なくとも一種と、界面活性剤とを含有していることが望ましい。
本発明のカートリッジ洗浄剤を構成する洗浄剤組成物に含まれるアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられ、ケイ酸アルカリ金属塩としては、例えば、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムの5水塩又は9水塩等が挙げられ、キレート剤としては、例えば、アミノカルボン酸塩(メチルグリシン二酢酸塩、グルタミン酸二酢酸塩、二トリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸)等が挙げられる。塩としてのキレート剤は、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。水溶性ポリマーとしては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸またはマレイン酸の単独あるいはコポリマー、さらにはそれらとオレフィンとのポリマー、さらに側鎖にスルホン基を有するものといったものが挙げられる。それらが塩である場合は、ナトリウム塩、カリウム塩、エタノールアミン塩が特に好適に用いられる。
これらアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー、キレート剤は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
キレート剤としてのリン酸塩は、配合しないか少量にとどめ、上記非リン酸塩系のキレート剤を主とすることで環境負荷の低減を図ることが望ましい。
上記界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましく用いられるが、両性界面活性剤やカチオン界面活性剤を用いてもよい。非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、エチレンジアミンのポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加体等が挙げられる。
活性塩素剤の有効成分としては、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。活性塩素剤は有効成分単独でも、結合補助剤を加え、造粒、固形化したものであってもよい。
洗浄剤組成物と活性塩素剤との合計量に対する活性塩素剤の割合は、は、0.1〜8.0質量%であることが望ましく、0.5〜5.0質量%であることがより望ましい。
本実施形態に係るカートリッジ洗浄剤は、上記成分のほか、カートリッジ洗浄剤の殺菌力、安定性に支障のない範囲で他の任意成分を配合することができる。任意成分としては、例えば、無機塩類等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、無水硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸カリウム等が挙げられる。
洗浄剤組成物を製造する際には、まず、水及び水以外の洗浄剤組成物の原料を撹拌混合し、スラリー液を調製した後、上記スラリー液をカートリッジ洗浄剤を構成する容器本体に投入し、冷却して固化させる。
具体的には、まず、水に水以外の洗浄剤組成物の原料を加えた後、30〜90℃に維持し、攪拌することにより、水及び洗浄剤組成物を含むスラリー液を調製する。
水以外の洗浄剤組成物の原料の投入量は、上記スラリー液の全量に対して50〜95質量%が望ましい。これにより、洗浄力が充分に高い洗浄剤組成物が得られる。
水以外の洗浄剤組成物の原料の投入量が50質量%未満であると、洗浄剤組成物の原料の投入量が少なすぎて、得られた洗浄剤組成物の洗浄力が充分でない場合がある。
水以外の洗浄剤組成物の原料の投入量が95質量%を超えると、洗浄剤組成物の原料の投入量が多すぎて、水と充分に混ざらない場合がある。
次に、上記スラリー液を容器本体に投入し、その後、上記スラリー液を常温で1〜24時間放置して固化させ、容器本体の形状に固化された固形体からなる洗浄剤組成物を製造する。上記スラリーを別の所定形状の容器に投入して固化させれば、その容器の形状の固形体となる。
粒状体からなる洗浄剤組成物を作製する際には、洗浄剤組成物の原料となるアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー、キレート剤等の粒状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウタ―ミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
また、粉状体からなる洗浄剤組成物を作製する際には、洗浄剤組成物の原料となるアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー、キレート剤等の粉状原料を混合すればよい。混合にはリボンミキサー、ナウタ―ミキサー、ドラムミキサーが好適に用いられる。
上記のようにして作製した所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる洗浄剤組成物を容器本体に収容し、その後、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる活性塩素剤を中蓋体の内部に収容し、カバー部を設けた後、容器本体と中蓋体と外蓋体とを組み合わせることにより本発明のカートリッジ洗浄剤を製造することができる。
本発明に係るカートリッジ洗浄剤を用いて、食器等を洗浄する際には、供給口部を下向きにして自動食器洗浄機の洗浄剤固定部に固定する。洗浄剤固定部には、噴射器が中蓋体の直ぐ下に配置されており、噴射器より噴射された水が中蓋体の円筒部材内の貫通孔を通過して、容器本体に収容された洗浄剤組成物に到達し、洗浄剤組成物を少しずつ、溶かしていくように構成されている。
洗浄剤組成物と接触し、洗浄剤組成物を溶解させた水溶液は、活性塩素剤と接触し、活性塩素剤も溶かしていく。これにより、活性塩素剤と洗浄剤組成物とを含む洗浄剤溶液は、中蓋体底部の開口部から下に落ちて自動食器洗浄機の洗浄タンク内へ流れ、この洗浄剤溶液により食器等を洗浄することができる。
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水酸化ナトリウム4質量%、メタケイ酸ナトリウム5質量%、炭酸ナトリウム10質量%、オルソケイ酸ナトリウム25質量%、ニトリロ三酢酸三ナトリウム16質量%、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム15質量%、ポリアクリル酸ナトリウム5質量%、界面活性剤(ポリオキシアルチレンアルキルエーテル)5質量%、水15質量%を混合した後、80℃に加熱して維持し、攪拌することにより、水と水以外の洗浄剤組成物の原料を含むスラリー液を調製した。
次に、上記工程で調製したスラリー液を、図1に示す形状の容器本体に充填し、上記スラリー液の温度が30℃に下がるまで常温で放置してスラリー液を固化させ、容器本体の形状に固化された固形体からなる洗浄剤組成物を調製した。
別途、粉状体である活性塩素剤(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、有効塩素濃度60%、平均粒径:80μm)を、洗浄剤組成物の質量100質量部に対して5質量部となる量計量して図2に示す中蓋体の内部に収容し、カバー部を接着した後、容器本体と中蓋体を組み合わせて図3に示すカートリッジ洗浄剤10を製造した。
なお、各実施例及び各比較例において、活性塩素剤の配合量は、洗浄剤組成物の質量100質量部に対して5質量部となる量とした。
(実施例2)
洗浄剤組成物として、組成は水酸化ナトリウム4質量%、メタケイ酸ナトリウム20質量%、炭酸ナトリウム10質量%、オルソケイ酸ナトリウム25質量%、ニトリロ三酢酸三ナトリウム16質量%、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム15質量%、ポリアクリル酸ナトリウム5質量%、界面活性剤(ポリオキシアルチレンアルキルエーテル)5質量%であり、粒状体である洗浄剤組成物(平均粒径:900μm)を準備して、容器本体に充填した。
活性塩素剤として、組成は実施例1と同様であり、円柱状固形体(直径10mm×高さ10mm)に成形された塩素剤タブレットを準備して、図2に示す中蓋体の内部に収容した。
上記のように洗浄剤組成物及び活性塩素剤の形状を変更したほかは実施例1と同様にして、図4に示すカートリッジ洗浄剤15を製造した。
(実施例3)
洗浄剤組成物として、組成は実施例2と同様であり、粒状体である洗浄剤組成物(平均粒径:900μm)を準備して、容器本体に充填した。
活性塩素剤として、組成は実施例1と同様であり、粒状体である活性塩素剤(平均粒径:800μm)を準備して、図2に示す中蓋体の内部に収容した。
上記のように洗浄剤組成物及び活性塩素剤の形状を変更したほかは実施例1と同様にして、図5に示すカートリッジ洗浄剤16を製造した。
(実施例4)
洗浄剤組成物として、組成は実施例2と同様であり、粒状体である洗浄剤組成物(平均粒径:900μm)を準備して、容器本体に充填した。
活性塩素剤として、組成は実施例1と同様であり、粉状体である活性塩素剤(平均粒径:80μm)を準備して、図2に示す中蓋体の内部に収容した。
上記のように洗浄剤組成物及び活性塩素剤の形状を変更したほかは実施例1と同様にして、図6に示すカートリッジ洗浄剤17を製造した。
(実施例5)
洗浄剤組成物として、実施例1と同様にして、容器本体の形状に固化された固形体からなる洗浄剤組成物を調製した。
活性塩素剤として、実施例2と同様にして、円柱状固形体に成形された塩素剤タブレットを準備した。
上記塩素剤タブレットを、図7(a)に示す中蓋体32の内部に、図7(b)に示すような状態で収容し、カバー部を接着した後、容器本体と中蓋体を組み合わせて図8に示すカートリッジ洗浄剤18を製造した。
(比較例1)
特許文献1に記載されているように、組成は実施例1と同様である活性塩素剤をワックスによりプラグ化した。そして、組成は実施例1と同様である洗浄剤組成物を注入した容器本体の中央に、活性塩素剤を含む円形プラグが洗浄剤組成物の深さ方向にわたって配設されたカートリッジ洗浄剤を製造した。
(比較例2)
特許文献2に記載されているように、組成は実施例1と同様である活性塩素剤を不活性コーティング物質で被覆してカプセル化した。そして、組成は実施例1と同様である洗浄剤組成物の中に、上記カプセル化された活性塩素剤が分散されたカートリッジ洗浄剤を製造した。
(活性塩素剤の安定性)
各実施例及び比較例にて使用する、洗浄剤容器中に配置したり埋め込んだりする前の、まだ洗浄剤の形態になっていない活性塩素剤1gについて、有効塩素濃度を後述の方法により測定し、有効塩素濃度の基準とした。
各実施例及び各比較例で製造したカートリッジ洗浄剤の中の活性塩素剤部分を取り出し、有効塩素濃度を後述の方法により測定し、製品中の活性塩素剤の有効塩素濃度とした。なお、比較例2においては、活性塩素剤部分だけを取り出すことは困難であるので、周囲の洗浄剤部分を含めて測定試料とし、測定値を活性塩素剤の配合割合で除し、活性塩素剤としての有効塩素濃度に換算した。
各実施例と同じ方法で製造した、もう1個のものについて、外蓋をして45℃の恒温槽内で1週間保管した後に、カートリッジ洗浄剤に組み込まれている活性塩素剤部分を取り出し、有効塩素濃度を後述の方法により測定し、保管後の活性塩素剤の有効塩素濃度とした。
有効塩素濃度の測定は下記方法により行った。
上記試料1gに、ヨウ化カリウム2%水溶液50mL及び氷酢酸水溶液10mLを添加して充分に混合することにより混合液を調製した。次に、0.1Mのチオ硫酸ナトリウム水溶液で混合液を滴定し、褐色が消えて無色になった点を終点とした。その時のチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量に基づき、次式(1)によって有効塩素濃度を算出した。
有効塩素濃度[%]=チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量[mL]×0.3546/洗浄剤溶液の量[g] ・・・(1)
製品中の活性塩素剤の有効塩素濃度と、保管後の活性塩素剤の有効塩素濃度を、有効塩素濃度の基準と比較して評価した。
実施例1〜5に係るカートリッジ洗浄剤を用いた場合、製品中の活性塩素剤の有効塩素濃度は基準の70%以上であり、さらに保管後の活性塩素剤の有効塩素濃度も70%以上であった。一方、比較例1〜2に係るカートリッジ洗浄剤を用いた場合、製品中の活性塩素剤の有効塩素濃度は既に基準の40%未満であった。そのため、保管後の有効塩素濃度については試験を未実施とした。このことから、実施例1〜5に係るカートリッジ洗浄剤を用いると、活性塩素剤の分解を防止できることが分かる。
10、15、16、17、18 カートリッジ洗浄剤
11 容器本体
11a 筒部材
12、32 中蓋体
12a、32a 開口部
12b、32b 底部
12c、32c 円筒部分
12d、32d 円筒部材
12e、32e 内筒
13 外蓋体
14、34 カバー部
14a、34a 網状または板状で開口部を有する部材
14b 支持部材
20、22 洗浄剤組成物
21、23、24 活性塩素剤
32f 区画部材
33 フィルム部材
33a フィルム部材の突出部
34c カバー部の開口部
110a、120a、130a、320a ねじ

Claims (7)

  1. 内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動食器洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、
    前記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、
    前記内容物は、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる洗浄剤組成物と、所定形状に成形された固形体、粒状体又は粉状体からなる活性塩素剤とからなり、
    前記容器本体には、前記洗浄剤組成物が収容されており、
    前記中蓋体には、前記活性塩素剤が収容されており、前記容器本体と前記中蓋体との間には、前記活性塩素剤又は前記洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられていることを特徴とするカートリッジ洗浄剤。
  2. 前記中蓋体は、噴射水を通過させるための貫通孔が形成されるとともに、前記活性塩素剤を載置するための載置部を備え、前記戴置部には、洗浄液を容器外へ排水する開口部が形成されるとともに、前記活性塩素剤を前記中蓋体の内部に保持するための前記載置部を覆うカバー部を備えており、
    前記外蓋体は、使用時まで容器内外の空間を遮断し、使用時に取り外すように構成され、フィルム状部材又は硬質部材からなる請求項1に記載のカートリッジ洗浄剤。
  3. 前記洗浄剤組成物は、所定形状に成形された固形体からなり、
    前記活性塩素剤は、所定形状に成形された固形体又は粒状体からなる請求項1又は2に記載のカートリッジ洗浄剤。
  4. 前記活性塩素剤は、固形体である請求項3に記載のカートリッジ洗浄剤。
  5. 前記洗浄剤組成物と前記活性塩素剤との合計量に対する前記活性塩素剤の割合は、0.1〜8.0質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
  6. 前記洗浄剤組成物を構成する洗浄成分は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸アルカリ金属塩、水溶性ポリマー及びキレート剤からなる群から選択された少なくとも一種と、界面活性剤とを含有する請求項1〜5のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
  7. 前記中蓋体には、前記活性塩素剤の移動を規制するための区画部材が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
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