JP2019014684A - 真菌感染における宿主応答抑制剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(項目1)
真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置するための、VNUT阻害活性を有する化合物を含む薬学的組成物。
(項目2)
真菌感染を処置するための薬学的組成物であって、VNUT阻害活性を有する化合物および抗真菌剤を含む薬学的組成物。
(項目3)
真菌感染を処置するための組合わせ医薬であって、VNUT阻害活性を有する化合物および抗真菌剤を含む組合わせ医薬。
(項目4)
前記抗真菌剤が、ミコナゾール、クロトリアゾール、エコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、トルナフタート、および、リラナフタートからなる群から選択される、項目2に記載の薬学的組成物または項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目5)
前記VNUT阻害活性を有する化合物は、VNUTによるATPの取り込みを阻害する効果を有する化合物、VNUTによって小胞内に蓄積されたATPの細胞外への放出を阻害する効果を有する化合物、VNUTとCl−との結合を阻害するアロステリック薬物、VNUTと結合しVNUTとATPとの結合を阻害するATPアナログ、およびVNUTの発現を特異的に抑制する化合物からなる群から選択される化合物である、項目1または2に記載の薬学的組成物あるいは項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目6)
前記VNUT阻害活性を有する化合物は、
(I)
以下の式1
ここで、R1は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、R2は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、CH2OH、および、R4からなる群から選択され、ここで、R4は
R3は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群より独立して選択される、化合物であるか;あるいは、
(II)
以下の式2
ここで、nは0または1であり、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、OH、および、CH3、ならびに、一緒になって、Oからなる群から選択され、
ここで、R3は、H、OH、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、ただし、R3がHである場合、R1およびR2は一緒になってOであり、
R1、R2、およびR3の少なくとも1つは酸素原子を含む化合物であるか;
(III)
U−73122(Sigma Product No.U6756)であるか;
あるいは上記(I)〜(III)の化合物の誘導体であり、ここで、該化合物の誘導体は、該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、項目1または2に記載の薬学的組成物あるいは項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目7)
前記VNUT阻害活性を有する化合物がアセトアセテート、3−ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、クロドロン酸、メドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、ジフルオロメチレン2リン酸、メチレンビスフォスフォ2リン酸、U−73122、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、項目1または2に記載の薬学的組成物あるいは項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目8)
前記VNUT阻害活性を有する化合物がVNUT遺伝子発現阻害剤である、項目1または2に記載の薬学的組成物あるいは項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目9)
内服剤、注射剤、軟膏、および、スプレーからなる群から選択される、項目1または2に記載の薬学的組成物あるいは項目3に記載の組合わせ医薬。
(項目10)
項目7に記載の薬学的組成物または組合わせ医薬であって、被験体の体重1kgあたり0.001〜10mgの用量のクロドロン酸、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体を含む、薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
(項目11)
さらに、副腎皮質ステロイドを含む、項目1〜10のいずれか一項に記載の薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
(項目12)
前記副腎皮質ステロイドが、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、および、フルオシノニドからなる群から選択される、項目11に記載の薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
(項目13)
真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置するための医薬の製造、あるいは、真菌感染を処置するための医薬の製造における、VNUT阻害活性を有する化合物の使用。
(項目14)
前記VNUT阻害活性を有する化合物は、VNUTによるATPの取り込みを阻害する効果を有する化合物、およびVNUTによって小胞内に蓄積されたATPの細胞外への放出を阻害する効果を有する化合物、VNUTとCl−との結合を阻害するアロステリック薬物、VNUTと結合しVNUTとATPとの結合を阻害するATPアナログ、およびVNUTの発現を特異的に抑制する化合物からなる群から選択される化合物である、項目13に記載の使用。
(項目15)
前記VNUT阻害活性を有する化合物は、
(I)
以下の式1
ここで、R1は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、R2は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、CH2OH、および、R4からなる群から選択され、ここで、R4は
R3は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群より独立して選択される、化合物であるか;あるいは、
(II)
以下の式2
ここで、nは0または1であり、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、OH、および、CH3、ならびに、一緒になって、Oからなる群から選択され、
ここで、R3は、H、OH、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、ただし、R3がHである場合、R1およびR2は一緒になってOであり、
R1、R2、およびR3の少なくとも1つは酸素原子を含む化合物であるか;
(III)
U−73122(Sigma Product No.U6756)であるか;
あるいは上記(I)〜(III)の誘導体であり、ここで、該化合物の誘導体は、該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、項目13に記載の使用。
(項目16)
前記VNUT阻害活性を有する化合物がアセトアセテート、3−ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、クロドロン酸、メドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、ジフルオロメチレン2リン酸、メチレンビスフォスフォ2リン酸、U−73122、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、項目13に記載の使用。
(項目17)
前記VNUT阻害活性を有する化合物がVNUT遺伝子発現阻害剤である、項目13に記載の使用。
(項目18)
前記医薬が抗真菌剤をさらに含む、項目13〜17のいずれか一項に記載の使用。
(項目19)
前記抗真菌剤が、ミコナゾール、クロトリアゾール、エコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、トルナフタート、および、リラナフタートからなる群から選択される、項目18に記載の使用。
(項目20)
前記医薬が副腎皮質ステロイドをさらに含む、項目13〜19のいずれか一項に記載の使用。
(項目21)
前記副腎皮質ステロイドが、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、および、フルオシノニドからなる群から選択される、項目20に記載の使用。
(項目22)
VNUT阻害活性を有する化合物を投与する工程を包含する、真菌感染を処置する方法。
(項目23)
披検物質が、VNUT阻害活性を有するか否かを評価する工程を含む、真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置する化学物質のスクリーニング方法。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
所定の遺伝子からsiRNAを調製する方法は周知であり、例えば、当該分野で公知のsiRNA提供業者(例えば、株式会社 ニッポンイージーティー、富山、日本)により、アニーリングしている2本鎖の合成siRNAを入手することができる。その合成siRNAをRNAseフリーの溶液に溶解し、最終濃度が20μMになるように調整し、その後細胞へ導入する。siRNAを調製する場合には、例えば、(1)GまたはCが連続して4つ以上存在しない、(2)AまたはTが連続して4つ以上存在しない、(3)GあるいはCが9塩基以上存在しない、などの条件を加えてもよい。本発明のsiRNAは、19塩基長、20塩基長、21塩基長、22塩基長、23塩基長、24塩基長、25塩基長、26塩基長、27塩基長、28塩基長、29塩基長、または30塩基長である。本発明のsiRNAは、好ましくは、19塩基長である。本発明のsiRNAはまた、好ましくは20塩基長である。本発明のsiRNAはまた、好ましくは21塩基長である。本発明のsiRNAはまた、好ましくは22塩基長である。本発明のsiRNAはまた、好ましくは23塩基長である。本発明のsiRNAはまた、好ましくは24塩基長である。VNUT阻害活性を有する化合物としては、VNUTの機能を阻害する限り特に限定されることではないが、例えば、アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸等のケトン体、グリオキシル酸、クロドロン酸、及びVNUTの発現を特異的に抑制する核酸又はこれらの核酸を発現し得るベクター等が挙げられる。
本発明の治療効果は、小胞型核酸トランスポーター(VNUT)の機能および/または活性および/または発現を阻害ないし抑制することによって発揮される。
(I)例えば、VNUT阻害活性を有する化合物としては、以下の式1
ここで、R1は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、R2は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、CH2OH、および、R4からなる群から選択され、ここで、R4は
R3は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群より独立して選択される、化合物(ビスホスホネートまたはその誘導体もしくは類似体)、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル(例えば、脂肪酸エステル)、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体が挙げられる。そのような化合物またはその誘導体としては、例えば、クロドロン酸、エチドロン酸、メドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、エチドロン酸、ジフルオロメチレン2リン酸、および、メチレンビスフォスフォ2リン酸が挙げられるがこれらに限定されない。理論に拘束されることは好まないが、上記R4がアデノシンと類似の構造を持つことがVNUT阻害効果にとって重要である。
ここで、nは0または1であり、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、OH、および、CH3、ならびに、一緒になって、Oからなる群から選択され、
ここで、R3は、H、OH、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、ただし、R3がHである場合、R1およびR2は一緒になってOであり、
R1、R2、およびR3の少なくとも1つは酸素原子を含む化合物であるか;
(III)
U−73122(Sigma Product No.U6756)であるか;
あるいは上記(I)〜(III)の化合物の誘導体であり、ここで、該化合物の誘導体は、該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である。
本発明者らは、痛覚神経に真菌受容体であるDectin−1が発現していることを見出し(Maruyamaら、Cell Reports 印刷中)、この受容体がC.albicans感染の際の疼痛センサーとして働いていることを見出した(Maruyamaら、論文投稿中)。また、C.albicans細胞壁の主要な構成成分であるβ−glucanは、クロロキン誘発性の掻痒を著名に増幅するという現象を見出した。C.albicansの皮膚感染は疼痛閾値の減弱(アロディニア)をもたらすが、本発明者らは、ATP分泌小胞の形成に不可欠であるATPトランスポーターVNUTのノックアウトマウスにおいてC.albicans誘発性アロディニアが消失することを見出した(Maruyamaら、論文投稿中)。以上より、Dectin−1やVNUTは真菌感染随伴症状の発現に深くかかわっていると考えられる。
本発明はまた、有効量の治療剤の被験体へのクロドロン酸などのようにVNUTを直接阻害する化合物および/またはU−73122のようにVNUTを直接阻害することなくATPのエキソサイトーシスを阻害する化合物の投与によってVNUTを阻害し、真菌感染に起因する疼痛および/または痒みを治療するための方法および薬学的組成物を提供する。治療剤とは、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合せた、本発明の組成物を意味する。
本発明において使用されるVNUT阻害活性を有する化合物としては、クロドロン酸以外に例えば、VNUT遺伝子発現阻害剤が挙げられるがこれらに限定されない。VNUT遺伝子発現阻害剤は、本発明の薬学的組成物の有効成分として用いることができる。VNUT遺伝子発現阻害剤としては、例えば、siRNAが挙げられるがこれに限定されない。
本発明のVNUT阻害剤は、以下からなる群から選択される活性成分と併用することが可能である:
・抗真菌剤(カンジダ、白癬などに使用)
・ステロイド剤(掻痒症状がひどい場合にやむをえず)
・乾癬の治療薬(自己免疫疾患であり痒みや痛みを伴うことがある)
・褥瘡などの潰瘍に使用する薬剤
・痛みどめの外用剤
・痒みどめの外用剤
・アトピー性皮膚炎の治療薬
・にきび治療薬
・皮膚細菌感染症一般。
これらを以下の表にまとめた。
(1)昆虫細胞における輸送体の発現および精製
小胞神経伝達物質輸送体を昆虫細胞において発現し、精製した(Jugeら、(2010)Metabolic control of vesicular glutamate transport and release、Neuron 68:99−112)。目的の遺伝子を含む組換えバキュロウイルスは、Bac−to−Bacバキュロウイルス発現システム(Invitrogen;Carlsbad,CA)を使用してメーカーの手順に従って作製された。細胞(1〜2×108)を20mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM酢酸ナトリウム、10%グリセロール、0.5mMジチオスレイトール、10μg/mLペプスタチンA、および10μg/mLロイペプチンを含む緩衝液に懸濁し、TOMY UD200超音波発生機を使用した超音波処理により破砕した。細胞溶解物を、破片を除去するために700×gで10分間遠心分離し、得られた上清を160,000×gで1時間4℃で遠心分離した。ペレット(膜画分)を20mM Tris−HCl(pH8.0)、10%グリセロール、10μg/mLペプスタチンA、および10μg/mLロイペプチンを含む緩衝液に約1.5mgタンパク質/mLで懸濁し、2%オクチルグルコシド(同仁化学研究所、熊本)で可溶化した。260,000×gでの30分間の遠心分離後、上清が採取され、1mLのNi−NTA Superflow樹脂(Qiagen)を用いて精製した。4℃で4時間のインキュベーション後、樹脂を20mLの20mM MOPS−Tris(pH7.0)、4mMイミダゾール、20%グリセロール、および1%オクチルグルコシドで洗浄した。タンパク質が60mMイミダゾールを含む3mLの同様の緩衝液で樹脂から溶出され、少なくとも数ヶ月間活性を失うことなく−80℃での保存が可能であった。
発明者らは、オキソノールV(Sigma Aldrich)の蛍光消光を測定することによってΔψ(内側プラス)をアッセイした。プロテオリポソームに組み込まれた1μgのタンパク質、20mM MOPS−Tris(pH7.0)、140mM酢酸カリウム、5mMの酢酸マグネシウム、10mM KCl、および1μMオキソノールVからなる反応混合物(450μL)を27℃で50秒間インキュベートした。反応は、列挙されている阻害剤の存在下/不在下における2μMバリノマイシンの追加により開始され、2μMカルボニルシアニド−m−クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)の追加により停止した。
VNUTタンパク質の光親和性標識を実質的に前記されたように実施した(Shimada−Shimizuら、(2013) Evidence that Na+/H+ exchanger 1 is an ATP−binding protein、FEBS J.280:1430−1442)。20mM MOPS−Tris(pH7.4)、50mM酢酸カリウム、2mM酢酸マグネシウム、10mM KCl、および0.1%DTMを含む50μLの緩衝液において、20μMの濃度のビオチン−11−ATP(PerkinElmer)を4μgのVNUTタンパク質と暗所において氷上で混合した。氷上で3分のインキュベーション後、10分間携帯UVランプを用いて254nmで溶液を照射した。照射後、10%SDS、50%グリセロール、0.3%EDTA、6%トリスおよびブロモフェノールブルーを含む試料緩衝液を追加することにより架橋反応を中止させた。その後、試料をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)、続いて抗ストレプトアビジン抗体(Sigma Aldrich)による免疫ブロットに供した。
動物実験は、岡山大学動物実験委員会、大阪大学実験動物委員会、および味の素株式会社により制定されたガイドラインに従って行われた。すべての実験は承認された施設ガイドラインに従って実施された。C57BL/6マウスおよびウィスターラットを日本エスエルシー株式会社(浜松)より購入した。VNUT−/−マウスを前記されたように生成した(Sakamotoら、(2014)Impairment of vesicular ATP release affects glucose metabolism and increase insulin sensitivity、Sci.Rep.4:6689)。これらの動物を12時間の明暗周期下において23±1℃の温度で個別で、またはケージにつき4匹以下のグループで飼育し、飼料および水への自由なアクセスを与えた。慢性炎症性疼痛モデルでは、C57BL/6マウス(雄、試験時22〜30g)に対し、27ゲージ針を有する100μLハミルトンマイクロシリンジを使用して左後足の足底表面に20μLの1mg/mL CFA(Sigma Aldrich)または1%カラゲニン溶液(Sigma Aldrich)を注射した(Xuら、(2010)Resolvins RvE1 and RvD1 attenuate inflammatory pain via central and peripheral actions、Nat.Med、16:592−597)。慢性神経障害性疼痛モデルでは、C57BL/6マウス(雄、試験時22〜30g)に対し、上腿部の約半分の坐骨神経を片側結紮に供した(Seltzerら、(1990)A novel behavioral model of neuropathic pain disorder produced in rats by partial sciatic nerve injury、Pain 43:450−456)。すべての実験において、動物を各実験グループに無作為に分割した。
ラット胎児海馬神経細胞を単離し、前記されたように培養した(Bankerら、(1977)Rat hippocampal neurons in dispersed cell culture、Brain Res.126:397−442)。単離後、海馬を37℃で15分間0.25%トリプシンと0.01%デオキシリボヌクレアーゼIを含むハンクス液においてインキュベートした。細胞をダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で二度洗浄し、37℃で5%CO2/95%空気下において0.5mMグルタミン、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、0.25μg/mLファンギゾン、およびB27サプリメント(GIBCO)を追加したNeurobasal培地(GIBCO、Waltham、MA)において2.0×105個/3.5cm培養皿で培養した。海馬星状細胞を、神経細胞に対して使用されたものと同様な手順を使用して単離し、37℃で5%CO2/95%空気下において10%ウシ胎児血清を含むDMEMにおいて培養した。
初代培養細胞(2.0×105個/3.5cm培養皿)を、128mM NaCl、2mM KCl、1mM MgCl2、および10mM HEPES−Tris(pH7.4)から構成される取込溶液で二度洗浄した。37℃で20分間の取込溶液におけるインキュベーション後、細胞を、128mM NaClまたは256mMショ糖、2mM KCl、1mM MgCl2、および10mM HEPES−Tris(pH7.4)から構成される取込溶液で再度二度洗浄した。アレンドロン酸を、10μM[l−14C]アレンドロン酸(0.5MBq/μmol;Moravek;Brea,CA)を含む取込溶液において37℃で10分間取り込ませた。インキュベーション後、細胞を取込溶液において三度洗浄し、1%SDSで溶解した。液体シンチレーション計数法を介して溶解物における放射能を測定した(PerkinElmer)。
足底試験を前記されたように実施した(Xuら、(2010)Resolvins RvE1 and RvD1 attenuate inflammatory pain via central and peripheral actions、Nat.Med、16:592−597)。C57BL/6マウス(雄、試験時22〜30g)を、足底試験前に60分間にわたり高架アクリル観察室(14.0×17.0×11.0cm)に順応させた。熱痛覚過敏をハーグリーブス放射熱装置(Ugo Basile,Varese,Italy)を用いて評価した。熱源である携帯型赤外線フォトビームを左後足の足底表面の下に配置した。未処理コントロールマウスにおける組織損傷を防止するために、停止点を20秒に設定した。クロドロン酸を100μL/10g体重の容量で足底試験の60分前に尾静脈から静脈注射した。
%MPE=[(PL−BL2)/(BL1−BL2)]×100
と算定し、ここでBL1は炎症以前の標準潜伏期間を表し、BL2は炎症後であるが投薬前の標準潜伏期間を表し、PLは投薬後の潜伏期間を表す。
クロドロン酸は、ビスホスホネートの一種である。ビスホスホネートは骨粗鬆症の治療薬の有効成分として第一世代から第三世代まで開発されている。世代が進むにつれ、骨粗鬆症の治療効果は高いものの、副作用も強くなる。第一世代のクロドロン酸は骨粗鬆症の治療効果も弱く、副作用も弱い特徴がある。市販されている種々のビスホスホネートを図1に示す。
発明者らは、VNUT媒介ATP取り込みに対するクロドロン酸の阻害効果の根本的なメカニズムを検討した。オキソノール―V蛍光消光に基づいた実験で、高濃度のクロドロン酸への暴露がΔψに影響を与えなかったことが示された(図3A)。ATPの取り込みのCl−依存性の分析から、2mMCl−までの暴露後のATP輸送に変化がないことが明らかになった:ATPの取り込みは3〜7mMのCl−での処理後に顕著に増加し、8mM Cl−以上で安定化した(図3B)。特に、Cl−依存性VNUT活性化は、ATP輸送に対し高い正の協働性を示し、ヒル係数はCl−に対し約3であった(図3C)。クロドロン酸は、Cl−濃度をより高い活性化水準に移行させるため、これは競争的相互作用を示唆する(図3B、C)。ATP結合の光親和性標識はATP輸送媒介基質特異性に対するものとほぼ同一であり、クロドロン酸とエチドロン酸のいずれによっても阻害されなかった(図3D)。また、Cl−依存的にSLC17輸送体を阻害することが知られている(Jugeら、(2010)Metabolic control of vesicular glutamate transport and release、Neuron 68:99−112、および、Hiasaら、(2014)Essential role of vesicular nucleotide transporter in vesicular storage and release of nucleotides in platelets.Physiol. Rep.2:e12034)アセト酢酸またはグリオキシル酸などのケト酸は、ATP結合を阻害しなかった(図3D)。これらのクロドロン酸の効果は完全に可逆的であった(図3E)。
ATPは主にVNUT媒介性開口放出を介して神経細胞または星状細胞から放出される(Sakamotoら、(2014)Impairment of vesicular ATP release affects glucose metabolism and increase insulin sensitivity、Sci.Rep.4:6689、および、Jungら、(2013)Possible ATP release through lysosomal exocytosis from primary sensory neurons、Biochem.Biophys.Res.Commun.430:488−493)。100nMの低濃度でのクロドロン酸は、骨吸収阻害について記載されたものと比較して、高KCl濃度を介した脱分極依存性刺激時の神経細胞ATP放出を完全に阻害した(図4A)(Sahniら、(1993)Bisphosphonates act on rat bone resorption through the mediation of osteoblasts、J.Clin.Invest.91:2004−2011)。並行して実施された実験においては、1μMのクロドロン酸は、グルタミン酸放出を阻害しないため、これはクロドロン酸が選択的に小胞ATP放出を選択的に阻害することを示唆する(図4B)。また、ATP放出に対するクロドロン酸の効果は、完全に可逆的であった(図4A)。さらに、星状細胞からの分極依存性ATPおよびグルタミン酸放出は1μMのクロドロン酸でも阻害されなかった(図4C、D)。神経細胞および星状細胞へのビスホスホネートのアクセス性を調査するために、発明者らは、市販の放射標識されたビスホスホネートの取り込みを測定した。Na+依存性ビスホスホネート輸送活性は、神経細胞において検出されるが星状細胞においては検出されず、クロドロン酸および無機リン酸(Pi)により完全に阻害されるため、Pi輸送に神経細胞へのビスホスホネートの取り込みが関与することを示唆する(図4E)。
B6Jマウスを12〜36時間、試験を行う部屋で飼育し環境に慣れさせた。B6JマウスにPBSまたはクロドロネートを静注(10mg/kg bw)し60分後、後肢にPBSまたはカンジダ由来の可溶性βグルカン(15μg/25μl PBS)を、Ishibashiら((2002)Relationship between the physical properties of Candida albicans cell well beta−glucan and activation of leukocytes in vitro. International Immunopharmacology 2(8):1109−1122)の方法に従ってカンジダより抽出)を皮下注射した。その後、経時的に電子Von Frey痛覚測定装置(electronic Von Freyanesthesiometer,IITC Inc.,Woodland Hills, CA, USA)を用いてマウス後肢のメカニカルセンシティビティーを測定した。その結果、図5に示されるように、クロドロン酸がC.albicans由来可溶ベータ−グルカン(CSBG)誘発機械的アロディニアを阻害したことが示された。
B6Jマウスを12〜36時間、試験を行う部屋で飼育し環境に慣れさせた。B6Jマウスの頬にPBSまたはクロドロネート(300μg/25μl PBS)を皮下注し60分後、同じ頬にクロロキン(CQ)(200μg/25μl PBS,C6628,Sigma−Aldrich,USA)またはクロロキン(200μg/25μl PBS,C6628,Sigma−Aldrich, USA)にカンジダ由来可溶性βグルカン(150 μg per 25 μl PBS)を追加した混合物を投与し、後肢による頬のひっかき行動の回数を計測した。その結果、図6に示されるように、CSBGによるヒスタミン非依存性掻痒感の増進はクロドロン酸処理により消失したことが示された。
B6Jマウスを12〜36時間、試験を行う部屋で飼育し環境に慣れさせた。B6Jマウスの頬にPBSまたはラミナリン(laminarin 5μg/25μl PBS,sigma cas−no 9008 22−4)を皮下注し60分後、同じ頬にクロロキン(CQ)(200μg/25μl PBS,C6628,Sigma−Aldrich,USA)またはクロロキン(200μg/25μl PBS,C6628,Sigma−Aldrich,USA)にカンジダ由来可溶性βグルカン(150μg/25μl PBS)を添加した混合物を投与し、後肢による頬のひっかき行動の回数を計測した。その結果、図7に示されるように、CSBGによるヒスタミン非依存性掻痒感の増進はラミナリン(デクチン1アンタゴニスト)処理により消失したことが示された。
VNUTによって小胞内に蓄積したATPの細胞外への放出を阻害する効果を有する化合物が、真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みの処置、ならびに/あるいは、真菌感染の処置において優れた効果を発揮することが以下のとおり示された。
VNUTへの阻害活性を指標として、真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置するための治療剤の探索を以下のとおりに行う。例えば、候補物質(被検物質)がVNUTへの阻害活性を有するか否か、また、候補物質(被検物質)が下記疾患の予防剤又は治療剤であるか否かを決定する方法を以下のとおりに行うことができる。
(1)被検物質の存在下において、VNUT活性を測定する工程;
(2)当該被検物質の非存在下において、VNUT活性を測定する工程;
(3)当該被検物質の存在下における当該VNUT活性を、当該被検物質の非存在下における当該VNUT活性と比較する工程;及び
(4)比較の結果、当該被検物質の非存在下におけるVNUTの活性と比較して、当該被検物質の存在下におけるVNUT活性が低い被検物質を、真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みの治療剤の候補物質として選択する工程。
(5)真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みの疾患または状態モデル非ヒト哺乳動物に工程(4)で選択した候補物質を投与すること;
(6)該非ヒト哺乳動物における真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを評価すること;
(7)候補物質を投与した非ヒト哺乳動物における疾患の症状を、候補物質を投与していない対照非ヒト哺乳動物における真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みと比較すること。
配列番号2は、ヒトSLC17A9のアミノ酸配列である。
配列番号3は、マウスSLC17A9の核酸配列である
配列番号4は、マウスSLC17A9のアミノ酸配列である。
配列番号5は、ラットSLC17A9の核酸配列である
配列番号6は、ラットSLC17A9のアミノ酸配列である。
配列番号7は、ウシSLC17A9の核酸配列である
配列番号8は、ウシSLC17A9のアミノ酸配列である。
配列番号9は、イヌSLC17A9の核酸配列である
配列番号10は、イヌSLC17A9のアミノ酸配列である。
Claims (23)
- 真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置するための、VNUT阻害活性を有する化合物を含む薬学的組成物。
- 真菌感染を処置するための薬学的組成物であって、VNUT阻害活性を有する化合物および抗真菌剤を含む薬学的組成物。
- 真菌感染を処置するための組合わせ医薬であって、VNUT阻害活性を有する化合物および抗真菌剤を含む組合わせ医薬。
- 前記抗真菌剤が、ミコナゾール、クロトリアゾール、エコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、トルナフタート、および、リラナフタートからなる群から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物または請求項3に記載の組合わせ医薬。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物は、VNUTによるATPの取り込みを阻害する効果を有する化合物、VNUTによって小胞内に蓄積されたATPの細胞外への放出を阻害する効果を有する化合物、VNUTとCl−との結合を阻害するアロステリック薬物、VNUTと結合しVNUTとATPとの結合を阻害するATPアナログ、およびVNUTの発現を特異的に抑制する化合物からなる群から選択される化合物である、請求項1または2に記載の薬学的組成物あるいは請求項3に記載の組合わせ医薬。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物は、
(I)
以下の式1
で示される化合物であり、
ここで、R1は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、R2は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、CH2OH、および、R4からなる群から選択され、ここで、R4は
であり、ここで、
は単結合が3つ、または、単結合が2つと二重結合が1つであり、かつ、NがN+であり;Lは結合またはC1−4アルキレンまたはC1−4置換アルキレンまたはC1−4アルケニレンであり;R41は、H、C1−4アルキレン、C1−4置換アルキレン、C1−4アルケニレンおよびC1−4置換アルケニレンからなる群から選択され、−CH=が存在する場合その半数以下が−N=で置換されていてもよく、R42またはR43と5員環を形成してもよく;R42およびR43は、C1−7アルキレン、C1−7置換アルキレン、C1−7アルケニレンおよびC1−7置換アルケニレンからなる群から独立して選択され、−CH=が存在する場合その半数以下が−N=で置換されていてもよく、R42とR43とは6員環を形成してもよく;
R3は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群より独立して選択される、化合物であるか;あるいは、
(II)
以下の式2
で示される化合物であり、
ここで、nは0または1であり、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、OH、および、CH3、ならびに、一緒になって、Oからなる群から選択され、
ここで、R3は、H、OH、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、ただし、R3がHである場合、R1およびR2は一緒になってOであり、
R1、R2、およびR3の少なくとも1つは酸素原子を含む化合物であるか;
(III)
U−73122(Sigma Product No.U6756)であるか;
あるいは上記(I)〜(III)の化合物の誘導体であり、ここで、該化合物の誘導体は、該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、請求項1または2に記載の薬学的組成物あるいは請求項3に記載の組合わせ医薬。 - 前記VNUT阻害活性を有する化合物がアセトアセテート、3−ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、クロドロン酸、メドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、ジフルオロメチレン2リン酸、メチレンビスフォスフォ2リン酸、U−73122、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、請求項1または2に記載の薬学的組成物あるいは請求項3に記載の組合わせ医薬。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物がVNUT遺伝子発現阻害剤である、請求項1または2に記載の薬学的組成物あるいは請求項3に記載の組合わせ医薬。
- 内服剤、注射剤、軟膏、および、スプレーからなる群から選択される、請求項1または2に記載の薬学的組成物あるいは請求項3に記載の組合わせ医薬。
- 請求項7に記載の薬学的組成物または組合わせ医薬であって、被験体の体重1kgあたり0.001〜10mgの用量のクロドロン酸、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体を含む、薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
- さらに、副腎皮質ステロイドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
- 前記副腎皮質ステロイドが、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、および、フルオシノニドからなる群から選択される、請求項11に記載の薬学的組成物あるいは組合わせ医薬。
- 真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置するための医薬の製造、あるいは、真菌感染を処置するための医薬の製造における、VNUT阻害活性を有する化合物の使用。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物は、VNUTによるATPの取り込みを阻害する効果を有する化合物、およびVNUTによって小胞内に蓄積されたATPの細胞外への放出を阻害する効果を有する化合物、VNUTとCl−との結合を阻害するアロステリック薬物、VNUTと結合しVNUTとATPとの結合を阻害するATPアナログ、およびVNUTの発現を特異的に抑制する化合物からなる群から選択される化合物である、請求項13に記載の使用。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物は、
(I)
以下の式1
で示される化合物であり、
ここで、R1は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、R2は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、CH2OH、および、R4からなる群から選択され、ここで、R4は
であり、ここで、
は単結合が3つ、または、単結合が2つと二重結合が1つであり、かつ、NがN+であり;Lは結合またはC1−4アルキレンまたはC1−4置換アルキレンまたはC1−4アルケニレンであり;R41は、H、C1−4アルキレン、C1−4置換アルキレン、C1−4アルケニレンおよびC1−4置換アルケニレンからなる群から選択され、−CH=が存在する場合その半数以下が−N=で置換されていてもよく、R42またはR43と5員環を形成してもよく;R42およびR43は、C1−7アルキレン、C1−7置換アルキレン、C1−7アルケニレンおよびC1−7置換アルケニレンからなる群から独立して選択され、−CH=が存在する場合その半数以下が−N=で置換されていてもよく、R42とR43とは6員環を形成してもよく;
R3は、H、OH、F、Cl、Br、CH3、および、CH2OHからなる群より独立して選択される、化合物であるか;あるいは、
(II)
以下の式2
で示される化合物であり、
ここで、nは0または1であり、
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、OH、および、CH3、ならびに、一緒になって、Oからなる群から選択され、
ここで、R3は、H、OH、CH3、および、CH2OHからなる群から選択され、ただし、R3がHである場合、R1およびR2は一緒になってOであり、
R1、R2、およびR3の少なくとも1つは酸素原子を含む化合物であるか;
(III)
U−73122(Sigma Product No.U6756)であるか;
あるいは上記(I)〜(III)の誘導体であり、ここで、該化合物の誘導体は、該化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、請求項13に記載の使用。 - 前記VNUT阻害活性を有する化合物がアセトアセテート、3−ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、クロドロン酸、メドロン酸、ミノドロン酸、イバンドロン酸、ジフルオロメチレン2リン酸、メチレンビスフォスフォ2リン酸、U−73122、あるいは、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、エステル、代謝産物、保護化誘導体、糖鎖修飾体、アシル化誘導体、またはアセチル化誘導体である、請求項13に記載の使用。
- 前記VNUT阻害活性を有する化合物がVNUT遺伝子発現阻害剤である、請求項13に記載の使用。
- 前記医薬が抗真菌剤をさらに含む、請求項13〜17のいずれか一項に記載の使用。
- 前記抗真菌剤が、ミコナゾール、クロトリアゾール、エコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、ビホナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン塩酸塩、トルナフタート、および、リラナフタートからなる群から選択される、請求項18に記載の使用。
- 前記医薬が副腎皮質ステロイドをさらに含む、請求項13〜19のいずれか一項に記載の使用。
- 前記副腎皮質ステロイドが、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルプレドナート、および、フルオシノニドからなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
- VNUT阻害活性を有する化合物を投与する工程を包含する、真菌感染を処置する方法。
- 披検物質が、VNUT阻害活性を有するか否かを評価する工程を含む、真菌感染によって生じる疼痛および/または痒みを処置する化学物質のスクリーニング方法。
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