JP2018047425A - 酸素吸放出材料 - Google Patents

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【課題】 Ce含有量が30mol%以上でCe利用率が90%以上となる立方晶系(蛍石型結晶構造)であるセリア・ジルコニア系複合酸化物からなる酸素吸放出材料を提供すること。【解決手段】 セリア・ジルコニア系複合酸化物CexZr1−x−yMyO2−y/2であって、Ce含有量xが0.30を超え、置換元素Mの含有量yが0を超え0.2以下で、置換元素MにはCe4+イオン半径より大きなイオン半径を有する少なくとも3種類のCeを除く希土類元素およびアルカリ土類金属元素を含み、立方晶系であって結晶の格子定数aが534pm以上であることを特徴とする酸素吸放出材料。【選択図】 図2

Description

本発明は、セリア・ジルコニア系複合酸化物からなる酸素吸放出材料に関し、特に排ガス浄化触媒における助触媒として使用される酸素吸放出量の大きな酸素吸放出材料に関するものである。
ガソリンエンジンの排ガス浄化に使用される三元触媒において、貴金属の働きを高めるためには、燃料と空気の比(空燃比)を一定(理論空燃比)に保つのが好ましいが加速、減速、低速走行、高速走行等の運転状況に応じて空燃比は大きく変化する。このため、酸素センサーを用いたフィードバック制御によりエンジンの作動条件によって変動する空燃比A(空気)/F(燃料)を一定に保つようにしているが、フィードバック時間に応じたA/Fの時間的な変動が発生するため、エンジン制御のみで排気ガス雰囲気を理論空燃比あるいはその近傍に保持することは難しいため、触媒側で排ガス雰囲気を微調整する必要が有る。
すなわち、触媒側で雰囲気を排ガス中の酸素濃度が高いときには酸素を吸蔵し、排ガス中の酸素濃度が低いときには酸素を放出して微調整する必要が有り、セリア(酸化セリウムCeO)は、排ガス中の酸素濃度が高いときに酸素を吸蔵でき、排ガス中の酸素濃度が低いときに酸素を放出できる酸素吸放出能(Oxygen Storage Capacity、以下単に「OSC」ということがある)を有するため、自動車排ガス浄化用触媒の酸素分圧調整用の助触媒として広く用いられている。これはCe3+/Ce4+のレドックス反応を利用したものである。前記セリアは、一般にその特性を高めるためジルコニア(酸化ジルコニウムZrO)と固溶させたセリア・ジルコニア系複合酸化物として使用されている。セリア・ジルコニア系複合酸化物に求められるOSC能として酸素吸放出量(以下単に「OSC量」ということがある)がある。排ガス雰囲気を理論空燃比に長く保持するために、OSC量が高い、すなわちCe利用率[複合酸化物のOSC理論値(Ceが100%OSCに使用された場合のOSC)に対する、OSC実測値の割合(実測値/理論値)]が高いセリア・ジルコニア複合酸化物が求められている。
セリア・ジルコニア系酸化物のOSC量に関する先行技術としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3が有り、OSC量の増加に向けて組成や構造より開発がなされていた。
すなわち、特許文献1では、Ce含有量が5〜15mass%のセリア・ジルコニア系酸化物に特定量の希土類元素を含有させることでCe利用率が90%以上にできるとしている。しかしながら、Ce含有量が5〜15mass%のセリア・ジルコニア系酸化物のOSC理論量は73〜220μmol−O/gであり、一般的なセリア・ジルコニア複合酸化物と比較してOSC量が高い材料ではない。
特許文献2では、コアが平均粒子径D50は、9nm〜25nmであるジルコニア、コアの表面にセリア・ジルコニアが存在しているOSC材であり、そのOSC材のCe利用率は800℃において91%〜97%を示す材料であるとしている。しかしながら、Ce含有量が10〜20mol%のセリア・ジルコニア系酸化物のOSC理論量は73〜220μmol%−O2/gであり、一般的なセリア・ジルコニア複合酸化物と比較してOSC量が高い材料ではない。
特許文献3では、パイロクロア構造のセリア・ジルコニア系酸化物は多くの酸素を吸放出でき、Ce利用率は100%程度を示す。しかし、パイロクロア構造にするためにはセリア・ジルコニアの調製工程に還元雰囲気かつ高温での焼成工程が追加されるために、製造コストの面でデメリットが生じる。また、高温での焼成を行うために比表面積が数m/gと小さく、ガスとの接触面積が少ない点もデメリットとして挙げられる。
特表2011−520745号公報 特開2014−030801号公報 国際公開第2015/145788号パンフレット
上述のようにセリア・ジルコニア系酸化物は、これまで自動車排ガス浄化触媒等において貴金属の働きを高めるため、高いOSC値や大きな比表面積が要求され、それらに対応した開発が行われてきた。
しかし、蛍石型結晶構造かつCe含有量が30mol%以上のセリア・ジルコニア系酸化物においてCe利用率が高いOSC材はなかったのが実情である。
本発明は、上記実情に鑑みてなしたものであり、Ce含有量が30mol%以上でCe利用率が90%以上となる立方晶系(蛍石型結晶構造)であるセリア・ジルコニア系複合酸化物からなる酸素吸放出材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、セリア・ジルコニア系複合酸化物は格子定数534pm以上にすることで、OSC量が高い、すなわちCe利用率が90%以上である酸素吸放出材料とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)セリア・ジルコニア系複合酸化物CeZr1−x−y2−y/2であって、Ce含有量xが0.30を超え、置換元素Mの含有量yが0を超え0.2以下で、MにはCe4+イオン半径より大きなイオン半径を有する少なくとも3種類のCeを除く希土類元素およびアルカリ土類金属元素を含み、立方晶系であって結晶の格子定数aが534pm以上であることを特徴とする酸素吸放出材料。
(2)前記置換元素Mの含有量yが0.1を超え0.2以下であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の酸素吸放出材料。
(3)前記置換元素Mの含有量yが0.15を超え0.2以下であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の酸素吸放出材料。
(4)前記置換元素MとしてY、Nd、Laのうち少なくとも1元素が置換されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の酸素吸放出材料。
本発明のCe含有量が30mol%以上であるセリア・ジルコニア系複合酸化物からなるCe利用率が90%以上の酸素吸放出材料を自動車排ガス浄化触媒に使用すれば、走行状態に応じて刻々と変化する排ガス雰囲気の変動を緩和し、排ガス雰囲気を理論空燃比に長く保持することが出来、これまで以上に貴金属の有害成分浄化性能が高くなる。
比較例と実施例のX線回折パターンを示す図である。 格子定数とCe利用率の関係を示す図である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のセリア・ジルコニア系複合酸化物CeZr1−x−y2−y/2とは、Ce含有量xが0.30以上であって、置換元素Mは少なくとも3種類のCeを除く希土類元素(Y、La、Pr、Nd、Sm、Yb等)およびアルカリ土類金属元素(Ca、Sr等)を含み、置換元素Mにより一部置換されていて、立方晶系であって結晶の格子定数aが534pm以上であるセリア・ジルコニア系複合酸化物である。
Ce含有量xの範囲は0.30以上が好ましい。一般的にCe含有量xが0.30未満のセリア・ジルコニア複合酸化物のCe利用率は100%程度を示すため、Ce含有量xの範囲は0.30以上とした。より好ましくは0.33以上である。Ce含有量の上限は0.90以下であるのが望ましい。Ce含有量が0.90を超えると、Ce量が多く、Ceの価数変動が起こりにくくなるためである。特に効果がみられる置換元素として、Y、La、Ndが挙げられる。置換元素の選定としてはCe4+よりもイオン半径が大きい元素である。(例えば、Ce4+:97pm、Y3+:101.9pm、La3+:116pm、Pr3+:112.6pm、Nd3+:110.9pm、Sm3+:107.9pm、Yb3+:98.5pm、Ca2+:112pm、Sr2+:126pm)。Ce4+のイオン半径よりも大きい元素を3種類以上置換することによって、セリア・ジルコニア複合酸化物内に各置換元素が一様に分布するため、セリア・ジルコニアの格子が広がる。置換元素の種類数の上限は特に限定するものではないが、効果が飽和するので5種以下とすることが好ましい。置換元素が2種類以下になると置換元素同士で分布してしまうため、置換元素が2種類以下では格子を広げる効果は見られない。したがって、本発明では置換元素を少なくとも3種以上とした。
本発明に関わるCe利用率90%以上の酸素吸放出材料としてのセリア・ジルコニア系複合酸化物CeZr1−x−y2−y/2は、X線回折装置で測定された(111)面の格子定数が534pm以上であることが望ましい。セリア・ジルコニア系複合酸化物の格子定数の上限は特に限定するものではないが、望ましくは541pm以下である。
Ce利用率を向上させるためには立方晶系の結晶の格子定数(以下単に格子定数ということがある)を534pm以上にすることが必要で、立方晶系の結晶の格子定数を534pm以上にするためには、置換量は特に限定しないが、セリア・ジルコニア系酸化物の置換元素量yは0.1を超え0.2以下が好ましく、置換効果をより大きく得るためには0.1以上0.2以下、より好ましくは0.15以上0.2以下である。
格子定数を534pm以上とするとCe利用率が向上する理由は完全には解明されていないが、以下のように推定している。すなわち、セリア・ジルコニア複合酸化物ではCeが4価から3価に変化することにより、酸素が放出される。Ceのイオン半径はCe3+とCe4+で異なり、Ce3+の方が大きく、酸素を放出する際はCeのイオン半径は大きくなる。Ceのイオン半径が大きくなるためには格子内にスペースが必要だが、従来のセリア・ジルコニア複合酸化物ではCe4+がCe3+となるための十分なスペースがない。
その理由としてはZr4+のイオン半径はCe4+よりも小さく、主にCeとZrで構成されるセリア・ジルコニア複合酸化物の格子の大きさ(格子定数)はCe4+にとって小さいためである。Ce3+と比較して小さいCe4+にとっても小さい格子のなかでさらに大きなCe3+への変化は難しくその結果、従来のセリア・ジルコニア複合酸化物においてすべてのセリアが価数変動できないため、OSC理論量で発揮できるセリア・ジルコニアが存在しないと推定される。ここで、セリア・ジルコニア系複合酸化物の格子定数を534pm以上とすると、パイロクロア構造のセリア・ジルコニア系複合酸化物の(222)面から計算される格子定数の大きさとほぼ等しくなる。セリア・ジルコニア系複合酸化物の格子定数をパイロクロア構造のセリア・ジルコニア系複合酸化物と同等以上の格子にすることで、粒子内のCeの価数変動が容易となり配合されたほぼ全てのCeが価数変化できるようになり、Ce利用率が高まる。
格子定数を高めるためにCe、Zr以外の元素Mを置換するが、置換元素Mを増やした量だけ酸素吸放出を行うCeイオン量が減ることや第三成分が多いと格子歪みが生じ、蛍石構造を保つことが難しくなる問題があり、格子定数は541pm程度より大きくする必要はない。格子定数が534pm未満の場合、セリウムの価数変動が起こりにくく、Ce利用率が大きくならない。したがって、本発明では立方晶系であって結晶の格子定数aが534pm以上と規定した。
本発明のセリア・ジルコニア系複合酸化物でOSC量が高い自動車排ガス浄化触媒に使用すれば、変化する排ガス雰囲気を理論空燃比に長く保持することが出来る。
以下に実施例(発明例)、比較例を用いて本発明の作用効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、OSC量(μmol%−O/g)、Ce利用率(%)および格子定数a(pm)の算出方法について説明する。
OSC量は以下のように測定される。アルミナパンに試料(セリア・ジルコニア系複合酸化物)を20mg程度充填し、熱重量分析計にセットする。試料を5%H2/Ar流通下、800℃で1時間還元処理を行う。還元処理前後における重量変化を試料のOSC量として算出した。
また、Ce利用率(%)は、下記のように算出する。セリア・ジルコニア系複合酸化物内のセリアの価数変動は下記式(1)のように起こる。
4CeO ⇔ 2Ce+O ・・・(1)
式(1)よりCeが4molに対して、酸素は1mol放出される。CZが1gで放出されるOSC量は下記式(2)のように表される。
OSC量=CCe÷(MCe+2×M)÷4÷100・・・(2)
ここで、CCe:試料内のCe含有量(mass%)、MCe:Ce原子量(140.116g/mol)、M:O原子量(16.000g/mol)
実測したOSC量を式(2)より算出したOSC量で割り、パーセント表記にした値をCe利用率とした。まとめると、下記式(3)のようになる。
Ce利用率(%)=A(μmol-O2/g)/{Cce÷(140.116+32)÷4÷100×106}・・・(3)
ここで、A:試料のOSC量(μmol−O/%)、CCe:試料内のCe含有量(mass%)
また、格子定数は以下のように測定される。リガク製RINT2000を使用、X線源としてCuKαを用い、管電流40mA、管電圧30kV、2θ=10.00°〜70.09°、ステップ幅:0.03°、計測速度:0.111°/secondの条件でX線回折パターンを測定した。得られたX線回折パターンにおいて2θ=28〜30°付近に現れるセリア・ジルコニア系酸化物のミラー指数(111)面のピークを用いて、結晶の格子定数a(pm)を算出した。格子定数aを算出するために、下記の数式(4)のブラッグの式より結晶面の間隔dを算出した。
d=nλ/2sinθ ・・・(4)
ここで、d:結晶面の間隔、θ:結晶面とX線が成す角度、λ:X線の波長(154.18pm=1.5418Å)、n:整数
得られるセリア・ジルコニア系複合酸化物は立方晶系であるため、下記式(5)より格子定数aを算出した。
a=(h2+j2+l21/2×d=31/2×d ・・・ (5)
ここで、d:結晶面の間隔、θ:結晶面とX線が成す角度、ミラー指数(hkl):(111)
式(4)を式(5)に代入すると、格子定数a(pm)は下記式(6)のようになる。
a(pm)=154.18×31/2/2sinθ ・・・ (6)
ここで、θ:結晶面とX線が成す角度
(実施例1)
塩化セリウム溶液、オキシ塩化ジルコニウム溶液、塩化プラセオジム溶液と純水を混合し、モル比でCeO:ZrO:La:Y:Nd=57.9:26.0:10.2:4.0:1.9、0.4mol/lとなるような溶液1l(リットル)を得た。得られた混合溶液にペルオキソ二硫酸アンモニウムを15g添加し、撹拌しながら95℃まで加熱し、セリウム・ジルコニウム複合硫酸塩を得た。得られた硫酸塩スラリーを60℃まで冷却後、アンモニア水を加えて中和し水酸化物を含むスラリーを得た。得られた水酸化物スラリーに対して濾過−洗浄操作を4回繰り返してセリウム・ジルコニウム複合水酸化物ケーキを得た。得られた複合水酸化物ケーキを120℃で乾燥して複合水酸化物粉末を得、これを坩堝につめ電気炉で700℃にて3時間焼成し、セリア・ジルコニア系複合酸化物粉末を得た。
得られた粉末を前述のX線回折方法で格子定数を測定したところ、541pmであった。
さらに得られた粉末に対してPdを0.5mass%の割合で含浸担持し、OSC量の測定を行ったところ、OSC量が909μmol−O/g、Ce利用率が98%との結果が得られた。
(実施例2)
表1に示すように、配合組成をCeO:ZrO:La:Y:Nd=49.6:34.7:8.7:5.3:1.7とした以外は、実施例1と同様にしてセリア・ジルコニア系複合酸化物粉末を得た。
得られた粉末を前述のX線回折方法で格子定数を測定したところ、538pmであった。
さらに得られた粉末に対してPdを0.5mass%の割合で含浸担持し、OSC量の測定を行ったところ、OSC量が801μmol−O/g、Ce利用率が98%との結果が得られた。
(実施例3〜10)
表1に示すように、配合組成を変化させて実施例1と同様に実施し、得られたOSC量及びCe利用率を表1に併記した。
(比較例1)
表1に示すように、配合組成をCeO:ZrO=50.0:50.0とした以外は、実施例1と同様にしてセリア・ジルコニア系複合酸化物粉末を得た。得られた粉末を前述の方法で格子定数を測定したところ、526pmであった。
さらに得られた粉末に対してPdを0.5mass%の割合で含浸担持し、OSC量の測定を行ったところ、OSC量が573μmol−O/g、Ce利用率が68%との結果が得られた。
(比較例2)
表1に示すように、配合組成をCeO:ZrO:La=50.0:37.5:12.5とした以外は、実施例1と同様にしてセリア・ジルコニア系複合酸化物粉末を得た。
得られた粉末を前述の方法で格子定数を測定したところ、533pmであった。
さらに得られた粉末に対してPdを0.5mass%の割合で含浸担持し、OSC量の測定を行ったところ、OSC量が607μmol−O/g、Ce利用率が74%との結果が得られた。
(比較例3、4)
表1に示すように、配合組成を変化させて実施例1と同様に実施し、得られた格子定数、OSC量及びCe利用率を表1に併記した。
Figure 2018047425
図1に比較例と実施例のX線回折パターンを示す。図1より実施例1におけるX線回折パターンにおいて(111)面のピークは28.7°付近に見られた。比較例1におけるX線回折パターンにおいて(111)面のピークは29.4°付近に見られた。式(2)を用いて格子定数を算出すると、実施例1の格子定数は539pm、比較例の格子定数は526pmであった。比較例2〜4に関しても比較例1と同様な傾向を示し、格子定数は526〜531pmであった。実施例2〜10に関しても実施例1と同様な傾向を示し、格子定数は535〜541pmであった。実施例の格子定数は比較例より高い値を示している。
表1より実施例1〜10で得られたセリア・ジルコニア系複合酸化物は、4価未満の価数を有する金属イオンが含まれ、格子定数が534pm以上である酸素吸放出材料となっていて、OSC量、Ce利用率に優れた特性を満たしていた。
一方で、比較例1〜4で得られたセリア・ジルコニア系複合酸化物の格子定数が533pm以下であり、OSC量、Ce利用率が低い値を示しており、OSC能は実施例よりも劣っていた。図2に格子定数とCe利用率の関係を示した。
以上の通り、本発明によれば、格子定数が535pm以上、OSC量が628μmol−O/g以上と高く、Ce利用率90%以上のセリア・ジルコニア系複合酸化物が得られていることが確認できた。
本発明のOSC材料を自動車排ガス浄化触媒の助触媒として使用すれば、排ガス雰囲気変動を緩和し、これまで以上に貴金属の有害成分浄化性能の向上が図れる。

Claims (4)

  1. セリア・ジルコニア系複合酸化物CeZr1−x−y2−y/2であって、Ce含有量xが0.30を超え、置換元素Mの含有量yが0を超え0.2以下で、MにはCe4+イオン半径より大きなイオン半径を有する少なくとも3種類のCeを除く希土類元素およびアルカリ土類金属元素を含み、立方晶系であって結晶の格子定数aが534pm以上であることを特徴とする酸素吸放出材料。
  2. 前記置換元素Mの含有量yが0.1を超え0.2以下であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸放出材料。
  3. 前記置換元素Mの含有量yが0.15を超え0.2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の酸素吸放出材料。
  4. 前記置換元素MとしてY、Nd、Laのうち少なくとも1元素が置換されている請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸放出材料。
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