JP2017159077A - 重粒子線治療装置及びシンクロトロン加速器 - Google Patents

重粒子線治療装置及びシンクロトロン加速器 Download PDF

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Abstract

【課題】照射に適した円形のビームを出射することのできるシンクロトロン加速器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、シンクロトロン加速器10は、入射したビームを周回させて周回軌道を形成する周回軌道形成用偏向電磁石11と、ビームを出射する際にビームの安定領域から外れた共鳴領域のビームを徐々に取り出す出射用偏向器13と、ビームの出射軌道を調整する出射軌道調整用偏向電磁石14と、出射用偏向器13から取り出されたビームを外部に取り出す出射用偏向電磁石15と、出射用偏向器13の位置及び角度を調整する位置及び角度調整機構41と、位置及び角度調整機構41を制御する制御装置43と、を備える。
【選択図】図9

Description

本発明の実施形態は、重粒子線治療装置及びこれに用いられるシンクロトロン加速器に関する。
一般に、重粒子線治療装置は、荷電粒子を加速して得られる高エネルギービームを人体に照射して治療を行う装置である。この重粒子線治療装置は、人体への照射部位と深さに応じて照射ビームの体内飛程を調整することが要求される。
このような重粒子線治療装置では、主にシンクロトロン加速器が使用されている。このシンクロトロン加速器は、出射するビームエネルギーを変えることで、体内飛程を調整する可変エネルギー照射が考えられている。
また、シンクロトロン加速器では、安定領域から共鳴領域に外れた荷電粒子ビームの粒子を徐々に出射軌道へ導き、切り出して出射する遅い取り出し方法が利用されることが多い。これは、加速及び蓄積された荷電粒子ビームを必要なタイミングで必要な強度だけ取り出すためである。
この遅い取り出し方法では、出射エネルギーによって周回ビームの特性を表わすエミッタンスが変わるため、出射ビームの角度がエネルギーによって変わらないような出射方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。ここで、ビームのエミッタンスとは、ビームが位相空間(ビームの軌道の位置と角度を座標とした空間)上で占める面積を表している。
具体的に、特許文献1に記載された技術は、共鳴の安定限界内における荷電粒子ビームのベータトロン振動振幅を増加させる。これにより、共鳴の安定限界内の荷電粒子ビームが共鳴の安定限界外に移動される。この現象をベータトロン振動の共鳴という。また、ベータトロン振動とは、荷電粒子ビームが左右又は上下に振動しながら周回し、この振動をいう。
特許第2596292号公報
上記重粒子線治療装置は、シンクロトロン加速器からのビームの出射角度を出射エネルギーによらず、一定にすることは可能である。また、出射されたビームを照射位置まで輸送する場合には、通常電場あるいは磁場によってビーム軌道と形状を調整するが、電場の場合はビームのエネルギーに、磁場の場合はビームの運動量に比例してその強度を変えることで、各エネルギーにおけるビーム光学系は同じくなる。つまり、出射されるビーム特性が同じであれば、同一の光学系によって照射位置におけるビーム特性もエネルギーに依らず同じくすることができる。
しかしながら、遅い取出し方法で出射されるビームの縦横のサイズは、ビームの切り出し方向においてはその切り出し幅によって決まるのに対し、もう一方向ではビームのエネルギーに応じて決まるため、ビーム輸送系を同一光学系で構成しても、出射エネルギーによってビームの縦横比が変化してしまい、人体への照射に適した形状のビームを出射することができないという問題があった。
本発明の実施形態の目的は、可変エネルギーでの出射においても照射位置で照射に適した円形のビームを容易に得ることができる重粒子線治療装置及びシンクロトロン加速器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本実施形態に係る重粒子線治療装置は、入射したビームを周回させて周回軌道を形成する周回軌道形成用偏向電磁石と、前記ビームを出射する際に前記ビームの安定領域から外れた共鳴領域の前記ビームを徐々に取り出す出射用偏向器と、前記ビームの出射軌道を調整する出射軌道調整用偏向電磁石と、前記出射用偏向器から取り出された前記ビームを外部に取り出す出射用偏向電磁石と、前記出射用偏向器の位置及び角度を調整する位置及び角度調整機構と、前記位置及び角度調整機構を制御する制御装置と、を有するシンクロトロン加速器と、前記シンクロトロン加速器の外側に配置され、前記出射用偏向器により取り出された出射ビームを照射対象に照射する照射装置と、を備えることを特徴とする。
また、本実施形態に係るシンクロトロン加速器は、入射したビームを周回させて周回軌道を形成する周回軌道形成用偏向電磁石と、前記ビームを出射する際に前記ビームの安定領域から外れた共鳴領域の前記ビームを徐々に取り出す出射用偏向器と、前記ビームの出射軌道を調整する出射軌道調整用偏向電磁石と、前記出射用偏向器から取り出された前記ビームを外部に取り出す出射用偏向電磁石と、前記出射用偏向器の位置及び角度を調整する位置及び角度調整機構と、前記位置及び角度調整機構を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本実施形態によれば、可変エネルギーでの出射においても照射位置で照射に適した円形のビームを容易に得ることができる。
重粒子線治療装置の第1実施形態を示す概略平面図である。 2台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。 出射バンプ軌道が一定でビームの取り出し状態を示す説明図である。 ビーム出射角を合わせるようにバンプ軌道を調整したビームの取り出し状態を示す説明図である。 3台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。 出射用偏向器における水平方向へのビーム切り出し例を示す説明図である。 出射バンプ軌道からの距離に対するステップ幅の相違を示すグラフである。 4台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。 重粒子線治療装置の第2実施形態を示す概略平面図である。
以下に、重粒子線治療装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は重粒子線治療装置の第1実施形態を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態の重粒子線治療装置は、水平面内に設置されたシンクロトロン加速器10と、図示しないビーム入射系と、ビーム輸送系30とを有する。
シンクロトロン加速器10は、周回軌道形成用偏向電磁石(以下、単に形成用偏向電磁石ともいう。)11と、周回ビーム収束用四極電磁石12と、出射用偏向器13と、4台の出射軌道調整用偏向電磁石(以下、単に調整用偏向電磁石ともいう。)14と、出射用偏向電磁石15と、高周波加速装置16と、制御装置17とを備える。ここで、調整用偏向電磁石14とは、バンプ電磁石のことである。
形成用偏向電磁石11は、シンクロトロン加速器10内に入射した荷電粒子ビームを偏向して周回軌道を形成する。周回ビーム収束用四極電磁石12は、荷電粒子ビームが安定して周回するように収束させる。出射用偏向器13は、荷電粒子ビームの出射に遅い取り出し方法を用いて水平方向に取り出すときの入口となる。すなわち、出射用偏向器13は、荷電粒子ビームを出射する際に荷電粒子ビームの安定領域から外れた共鳴領域の荷電粒子ビームを徐々に取り出すための入口となる。
4台の調整用偏向電磁石14は、荷電粒子ビームの周回方向に対して出射用偏向器13の前後に配置されている。4台の調整用偏向電磁石14は、シンクロトロン加速器10内から荷電粒子ビームを出射する際に、荷電粒子ビームの周回軌道を出射用偏向器13側に近付けて出射中の荷電粒子ビームがシンクロトロン加速器10内の他の構成機器と衝突するのを防止する。この出射用偏向器13側に近付けたビーム軌道を以下、バンプ軌道という。
出射用偏向電磁石15は、出射用偏向器13から取り出された荷電粒子ビームをシンクロトロン加速器10の外部に出射するために偏向する。高周波加速装置16は、荷電粒子ビームを加速又は減速するための高周波電場を発生させる装置である。
制御装置17は、コンピュータ、記憶装置、各種電源回路等の回路で構成される。制御装置17は、4台の調整用偏向電磁石14の励磁量をそれぞれ制御し、ビーム切り出し方向における荷電粒子ビームの出射角度(傾き)をエネルギーによらずに一定とし、かつ出射ビームの位相空間(荷電粒子ビームの軌道の位置と角度を座標とした空間)上での粒子分布面積をエネルギーに応じた必要な大きさとして出射用偏向電磁石15に出射する。
ビーム輸送系30は、シンクロトロン加速器10の外側に配置されている。ビーム輸送系30は、ビーム輸送系四極電磁石31と、ビーム輸送系偏向電磁石32と、照射装置33とを備えている。
次に、本実施形態の作用を図2〜図8に基づいて説明する。
図2は2台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。図3は出射バンプ軌道が一定でビームの取り出し状態を示す説明図である。図4はビーム出射角を合わせるようにバンプ軌道を調整したビームの取り出し状態を示す説明図である。
図5は3台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。図6は出射用偏向器における水平方向へのビーム切り出し例を示す説明図である。図7は出射バンプ軌道からの距離に対するステップ幅の相違を示すグラフである。図8は4台の出射軌道調整用偏向電磁石により出射バンプ軌道を形成した例を示す説明図である。
まず、本実施形態の動作を概略的に説明する。図示しないビーム入射系からシンクロトロン加速器10に荷電粒子ビームが入射すると、この荷電粒子ビームは、高周波加速装置16によって所定のエネルギーまで加速される。その後、照射に要求されるエネルギーまで減速され、出射用偏向電磁石15によってシンクロトロン加速器10の外側へ出射される。
この場合、加速後の所定エネルギーを最初の出射エネルギーとしても構わない。他のエネルギーでの出射が必要な場合は、さらに必要エネルギーまで減速して出射を行う。
そして、シンクロトロン加速器10から取り出された荷電粒子ビームは、ビーム輸送系30のビーム輸送系四極電磁石31及びビーム輸送系偏向電磁石32を経て照射装置33に輸送される。この照射装置33により照射対象である、例えば患者の患部に照射されてがん治療に用いられる。
次に、本実施形態の作用を詳細に説明する。
荷電粒子ビームの出射に遅い取り出し方法を用いる場合は、通常、出射用偏向器13の位置で調整用偏向電磁石14により出射用偏向器13側にビーム軌道を近付ける。これにより、シンクロトロン加速器10の構成機器との衝突による不要なビームロスを抑えている。
以下、シンクロトロン加速器10に最低2台の調整用偏向電磁石14を設置した場合、3台の調整用偏向電磁石14を設置した場合、本実施形態による4台の調整用偏向電磁石14を設置した場合について順に説明する。
図2に示すように、最低2台の調整用偏向電磁石14によりビーム周回軌道20に対して出射バンプ軌道21aを形成することができる。この場合、出射バンプ軌道21aと出射用偏向器13との間の距離22と、出射バンプ軌道21aと出射用偏向器13との間の角度23は、設計上ほぼ固定される。
2つ以上のエネルギーにおいて出射を行う場合、ビームエネルギーが低いほど周回ビームのエミッタンス(位相空間における面積)は大きくなる。そのため、出射バンプ軌道を一定のままで荷電粒子ビームを出射すると、その出射角がビームエミッタンス、すなわちビームエネルギーによって変わることになる。
これは、例えば三次共鳴を利用して水平方向に出射する場合、出射用偏向器13の位置でのビーム取り出しの状態を図3に示す位相空間上に見ると分かる。図3は出射バンプ軌道が一定でビームの取り出し状態を示している。上記位相空間とは、横軸が水平方向における荷電粒子ビームの進行方向(S軸方向)に垂直な方向(X軸方向)であり、縦軸がX軸方向の変位Xを荷電粒子ビームの進行方向Sの変位Sで微分した微分値(dX/dS)を示すX´軸である。
上記水平方向における荷電粒子ビームの進行方向(S軸方向)とは、図1に示すようにシンクロトロン加速器10内を周回する荷電粒子ビームの接線方向であり、X軸方向は、上記のようにS軸方向に垂直な方向であるとともに、水平面(シンクロトロン加速器10が拡がる方向)における方向である。
図3において、周回ビーム収束用四極電磁石12によりチューン(荷電粒子ビームがリングを1周する際のベータトロン振動数)が三次共鳴近くに設定されていると、荷電粒子ビームの安定領域と共鳴領域の境界を示す三角形状のセパラトリックスが形成される。ビームが徐々に取り出されるには、エネルギーに応じたビームのエミッタンスとセパラトリックスがほぼ同じ大きさである必要があるため、エネルギーの高い場合には小さく、エネルギーが低い場合には大きくなるように、例えば4つの異なるエネルギーに対してセパラトリックス23A〜23Dが形成されることになる。共鳴領域に入った荷電粒子ビームは、ベータトロン振動の振幅を増大し、シンクロトロン加速器10から取り出される。
したがって、図3において、各出射バンプ軌道と出射用偏向器13に導かれる荷電粒子ビームとの間の角度23a〜23dは、セパラトリックス23Aからセパラトリックス23Dに示すようにエネルギーごとに異なり、つまり出射角度が変わることになる。
そこで、調整用偏向電磁石14を3台用いて出射バンプ軌道21aを調整することにより、図4に示すように出射角度を合わせて荷電粒子ビームを出射することが可能である。図5は出射軌道調整用偏向電磁石14を3台用いて出射バンプ軌道21bを調整した例を示している。
このようにして荷電粒子ビームを取り出した場合、垂直方向についてはビームエネルギーに対応したエミッタンスになり、例えば炭素六価イオンの場合、ビームエネルギー140MeV/uでの垂直エミッタンスは、ビームエネルギー430MeV/uでの垂直エミッタンスのおよそ2倍となる。ここで、ビームのエミッタンスは、上述した通りビームが位相空間(荷電粒子ビームの軌道の位置と角度を座標とした空間)上で占める面積である。
一方、水平方向のエミッタンスについては、図6に示すように個々の荷電粒子は出射用偏向器13に向かってステップ幅(三次共鳴での取り出しでは3ターン後における荷電粒子移動幅)24aを徐々に大きくしながら近付き、最終的に取り出される。これは、図7に示すように出射バンプ軌道から出射用偏向器13までの距離が長くなればなるほどステップ幅が大きくなることが分かる。そのため、水平エミッタンスは、最大ステップ幅24bによって決まる。図6においては、最大ステップ幅が得られる荷電粒子の軌跡のみが示されているが、実際にはセパラトリックスからこぼれ出た荷電粒子は初期条件により異なる軌跡を辿るため、出射用偏向器13で切り出される荷電粒子ビームは符号25に示すように最大ステップ幅24bを超えない範囲で分布する。図6において、出射用偏向器13の電極ギャップは、出射用偏向器隔壁13aと出射用偏向器外壁13bとで形成される。
したがって、最大ステップ幅24bの大きさは、図7に示すように出射バンプ軌道からの距離と相関関係を有するため、ビームエネルギーによるエミッタンス変化量は、水平方向と垂直方向とで異なることになる。すなわち、複数のエネルギーにおいてビーム輸送系30の光学系を同一にした場合、輸送後のビームサイズの縦横比がビームエネルギーによって変化する。そのため、高精度の照射に望ましい円形ビームに形成するには、各ビーム輸送系30の光学系をエネルギーごとに調整することが必要になり、手間がかかっていた。
そこで、本実施形態では、出射ビームの出射角度を一定に保ちながら水平エミッタンスをビームエネルギーに応じて必要な値に調整することを考える。
図8に示すように、本実施形態では、調整用偏向電磁石14を4台用い、これらの調整用偏向電磁石14の励磁量を制御装置17により制御している。これにより、出射用偏向器13の位置における出射バンプ軌道21cの位置と角度をそれぞれ任意に調整することが可能となる。そのため、ビーム出射角とステップ幅の両方を同時に必要な値に設定することができる。
具体的には、ステップ幅は、上記のように出射バンプ軌道から出射用偏向器13までの距離が長くなればなるほど大きくなるので、出射バンプ軌道の設定位置に基づいてステップ幅を変えることができる。
そのため、本実施形態では、4台の調整用偏向電磁石14の励磁量を制御装置17により制御することで、磁場強度を制御し、出射バンプ軌道の設定位置を調整することにより、最大ステップ幅の大きさを変えることができる。この最大ステップ幅が水平方向の荷電粒子ビームの切り出しサイズとなる。
したがって、本実施形態では、ビームエネルギーによって変化する垂直エミッタンスに対応して水平方向の荷電粒子ビームの切り出しサイズを変えて水平エミッタンスを変えることにより、異なるエネルギーにおいても水平エミッタンスと垂直エミッタンスとの比率を常に一定にすることができる。
すなわち、本実施形態では、シンクロトロン加速器10からの出射ビームの水平方向の位相空間上での粒子分布面積と垂直方向の位相空間上での粒子分布面積の比率が一定となるようにビームを取り出すことができる。
また、本実施形態では、シンクロトロン加速器10からの出射ビームの水平方向の位相空間上での粒子分布面積と垂直方向の位相空間上での粒子分布面積の大きさが一定となるようにビームを取り出すことができる。
したがって、本実施形態によれば、異なるエネルギーにおいても水平エミッタンスと垂直エミッタンスとの比率が常に一定となるようにすれば、ビーム輸送系30の光学系が同一のままでも、ビーム輸送後のビームサイズの縦横比を一定にすることができる。さらに、縦横比が1:1になるようにビーム輸送系30の光学系を設定すれば、出射エネルギーによらずに円形のビームが得られることとなる。
(第2実施形態)
図9は重粒子線治療装置の第2実施形態を示す概略平面図である。
本実施形態では、前記第1実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、4台の調整用偏向電磁石14の励磁量を制御装置17により制御するのに代えて、出射用偏向器13の位置及び角度を機械的に調整可能としている。そのため、本実施形態は、調整用偏向電磁石14を2台設置すればよい。
具体的に図9に示すように、出射用偏向器13には、位置及び角度調整機構41が取り付けられている。この位置及び角度調整機構41は、出射用偏向器13の位置において出射バンプ軌道の位置及び角度を機械的に調整する。位置及び角度調整機構41は、電動、空気圧又は油圧等の駆動機構42により駆動される。この駆動機構42は、制御装置43により駆動が制御される。制御装置43は、コンピュータ、記憶装置、各種電源回路等の回路で構成される。
したがって、駆動機構42の電源をオンにし、制御装置43により駆動機構42の駆動を制御することで、位置及び角度調整機構41を制御することができる。その結果、出射用偏向器13の位置及び角度を調整することが可能となる。
このように本実施形態によれば、出射用偏向器13の位置及び角度を調整することによって、前記第1実施形態と同様に出射用偏向器13の位置でのバンプ軌道の位置及び角度を調整することができる。
特に、一日の中での温度変化、あるいは年周期での建屋の変動等により周回ビーム軌道が一律に変位する場合には、全てのエネルギーでの補正を一度に行える出射用偏向器13の位置及び角度の調整が有効な手段となる。その他の構成及び作用は、前記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
(その他の実施形態)
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、上記第1実施形態では、調整用偏向電磁石14を4台用いた例について説明したが、4台に限定することなく5台以上でもよい。要するに、調整用偏向電磁石14は、少なくとも4台設ければよい。
10…シンクロトロン加速器、11…形成用偏向電磁石(周回軌道形成用偏向電磁石)、12…周回ビーム収束用四極電磁石、13…出射用偏向器、13a…出射用偏向器隔壁、13b…出射用偏向器外壁、14…調整用偏向電磁石(出射軌道調整用偏向電磁石)、15…出射用偏向電磁石、16…高周波加速装置、17…制御装置、20…ビーム周回軌道、21a〜21c…出射バンプ軌道、22…出射バンプ軌道と出射用偏向器との間の距離、23、23a〜23d…出射バンプ軌道と出射用偏向器との間の角度、23A〜23D…セパラトリックス、24a…ステップ幅、24b…最大ステップ幅、25…荷電粒子ビーム、30…ビーム輸送系、31…ビーム輸送系四極電磁石、32…ビーム輸送系偏向電磁石、33…照射装置、41…位置及び角度調整機構、42…駆動機構、43…制御装置

Claims (5)

  1. 入射したビームを周回させて周回軌道を形成する周回軌道形成用偏向電磁石と、
    前記ビームを出射する際に前記ビームの安定領域から外れた共鳴領域の前記ビームを徐々に取り出す出射用偏向器と、
    前記ビームの出射軌道を調整する出射軌道調整用偏向電磁石と、
    前記出射用偏向器から取り出された前記ビームを外部に取り出す出射用偏向電磁石と、
    前記出射用偏向器の位置及び角度を調整する位置及び角度調整機構と、
    前記位置及び角度調整機構を制御する制御装置と、を有するシンクロトロン加速器と、
    前記シンクロトロン加速器の外側に配置され、前記出射用偏向器により取り出された出射ビームを照射対象に照射する照射装置と、
    を備えることを特徴とする重粒子線治療装置。
  2. 前記シンクロトロン加速器からの前記出射ビームの水平方向の位相空間上での粒子分布面積と垂直方向の位相空間上での粒子分布面積の比率が一定となるように前記ビームを取り出すことを特徴とする請求項1に記載の重粒子線治療装置。
  3. 前記シンクロトロン加速器からの前記出射ビームの水平方向の位相空間上での粒子分布面積と垂直方向の位相空間上での粒子分布面積の大きさが一定となるように前記ビームを取り出すことを特徴とする請求項1に記載の重粒子線治療装置。
  4. 前記照射装置から前記照射対象に照射する前記出射ビームが円形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の重粒子線治療装置。
  5. 入射したビームを周回させて周回軌道を形成する周回軌道形成用偏向電磁石と、
    前記ビームを出射する際に前記ビームの安定領域から外れた共鳴領域の前記ビームを徐々に取り出す出射用偏向器と、
    前記ビームの出射軌道を調整する出射軌道調整用偏向電磁石と、
    前記出射用偏向器から取り出された前記ビームを外部に取り出す出射用偏向電磁石と、
    前記出射用偏向器の位置及び角度を調整する位置及び角度調整機構と、
    前記位置及び角度調整機構を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするシンクロトロン加速器。
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