JP2017148829A - 超短パルスレーザー加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速加工のためにビーム分岐をして或る加工領域を同時加工する際に必ずしも各加工点と集光レンズからの距離が一定にならない状態であっても、高精度、高効率、任意のパターン形成ができるようにした超短パルスレーザー加工装置を提供すること。【解決手段】シードレーザーと再生増幅器からなる超短パルスレーザー光源装置と、超短パルス光を開閉する高速シャッターと、超短パルス光を複数のビームに分岐するビーム分岐手段と、ビーム走査手段と、集光レンズと、被加工物を保持し三次元の並進動作および回転動作をする走査手段と、被加工物の加工面の特性を加工前または加工中に観測するビジョン手段とを備えたこと。【選択図】図1
Description
本発明は、超短パルスレーザーにより機械部品の摺動部表面にテクスチャリングを施す超短パルスレーザー加工装置に関し、特に、被加工物表面に摩擦低減効果のある各種ディンプルパターンを形成できる超短パルスレーザー加工装置に関する。
人類は産業を進化させ、地球に埋蔵されている燃料を燃やして動力に変換し成長を遂げてきた。しかし、これに伴い、地球温暖化ガス排出量が増加し、地球環境に大きな悪影響を及ぼしている。世界の重要産業のひとつである自動車産業では内燃機関が直接的に悪影響物質の創出に関わるため、その機能、部品に改良技術が適用されてきた。排出される物質の総量を減らせるという意味で、省エネルギー観点以外にも熱エネルギーから運動エネルギーへの変換効率を高めることは重要な課題の一つである。内燃機関における負荷動作時の全エネルギー損失の6割は機械的摩擦損失が占めている。その主なものがピストン系、クランク系、動弁系に存在する。これら動力部のみならず、動力伝達部も含めた摺動部の摩擦低減は、地球温暖化ガス排出低減と省エネルギーにつながることから世界中で盛んに研究開発がなされている。
上記内燃機関の往復運動、回転運動の摺動部の表面摩擦抵抗を極限まで減らす加工方法には、機械的な外力やレーザーにより表面に微細な凹凸形状を施す加工技術がある。このテクスチャリング加工は摺動する2つの面間の潤滑剤の保持や、面圧分布の変調、接触面積の変化など摺動面機能を向上させる効果をもたらす。レーザー加工機では、フェムト秒レーザーを用いて被加工物表面に微細な周期構造やディンプル形状を形成するものが提供されている。例えば、特許文献1から4参照。
摺動における摩擦損失はその摺動速度に依存する特性を持ち、テクスチャリングのうちディンプルを例にあげると動作速度ごとに最適な加工領域、形状、サイズ、深さ、面積占有率(これらは加工パラメータと呼ばれる)が異なる。そのため、様々な加工パラメータの組み合わせが必要とされる。例えば、非特許文献1参照。
表面テクスチャリング技術は摺動面の機能向上とともに被加工物の劣化レートの低減とともに寿命の伸長が期待される。さらに内燃機関以外にも機械装置全般に無数の摺動部分が存在していることから、表面テクスチャリングによって摩擦損失を低減する技術は重要である。
I. Etsion, "Improving tribological performance of mechanical components by laser surface texturing", Tribology Lett. 17, 733 (2004).
上記の従来技術において、フェムト秒レーザーによるテクスチャリング加工装置では照射領域の被加工物表面と集光ビームの加工点の相対距離が常に一定になるようにビーム走査を行うことを特徴とする。
本発明は、上記の従来技術が持つ問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、特に高速加工のためにビーム分岐をして或る加工領域を同時加工する際に必ずしも各加工点と集光レンズからの距離が一定にならない状態であっても、高精度、高効率、任意のパターン形成ができるようにした超短パルスレーザー加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の超短パルスレーザー加工装置は、シードレーザーと再生増幅器からなる超短パルスレーザー光源装置と、超短パルス光を開閉する高速シャッターと、超短パルス光を複数のビームに分岐するビーム分岐手段と、ビーム走査手段と、集光レンズと、被加工物を保持し三次元の並進動作および回転動作をする走査手段と、被加工物の加工面の特性を加工前または加工中に観測するビジョン手段とを備えたこと、を特徴とする。
本発明の超短パルスレーザー加工装置により、被加工物に対して高速・高精度・高効率に、かつ、任意のテクスチャリングパターン形成ができる。これにより、上記被加工物にテクスチャリング加工を施した摺動面は摩擦抵抗を極限まで減らすことが可能になり、内燃機関の燃費改善を最大限に図れる。内燃機関に限らず、各種機械装置の摺動部品、例えば走査用ステージやメカニカルシールに対して適用して、その摺動抵抗が低減できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる超短パルスレーザー加工装置の最良の形態を詳細に説明する。なお、以下において示す図面では、説明の便宜上、図面の各部材の縮尺を異ならせて記載してある場合がある。
図1は、本実施の形態にかかる超短パルスレーザー加工装置の構成を示す図である。超短パルスレーザー加工装置は、超短パルスレーザー光源装置1、単一光束であるシングルビーム2.1を開閉する高速シャッター3、レーザー光を任意パターンに分岐するビーム分岐手段4、レーザー光を高速かつ高精度で走査するビーム走査手段5、超短パルスレーザー光を集光する集光レンズ6、被加工物9を把持するチャック8、被加工物9を二次元方向に移動し、位置決めするX軸ステージ7.1、及び、Y軸ステージ7.2、被加工物9を円筒軸中心に回転する回転子7.3、超短パルスレーザー光集光点の光軸方向における被加工物9との距離を最適に調整するためのZ軸ステージ7.4、及び、分岐した超短パルスビーム2.2の加工位置と被加工物9の表面の相対距離を観察するビジョン装置10を備えて構成される。ビジョン装置10は、超短パルスレーザーの波長と異なる観察用波長光11によって被加工物9の表面を観察する。観察用波長光11は、超短パルスビーム2.2と同軸であるか非同軸であるかにこだわらない。
被加工物9が内燃機関のピストン部に搭載されるピストンリングの場合について以降詳述するが、加工物は円筒形状の外周部にこだわらず、たとえば、シリンダーライナーの内壁を加工対象としても良い。また、被加工物9が円筒形状に限られることもなく、自由曲面のバルク形状であっても良い。
X軸ステージ7.1、Y軸ステージ7.2、回転子7.3、及び、Z軸ステージ7.4は、CNC技術によって制御される。ビジョン装置10の観察結果を利用して高精度にピストンリングの外周面を位置決めし、回転動作の速度制御を行う。
加工対象であるピストンリングは例えば金属製であり、外周部には耐摩耗性や耐スカッフ性を高めるためのコーティングがなされている場合がある。コーティングには例えばCr−N系皮膜、Cr−B−N系皮膜、Ti−N系皮膜、W−Ni系硬質炭素皮膜、Si系硬質炭素皮膜があげられる。ピストンリングには、一般にトップリング、セカンドリング、オイルリングの3種があるが、本発明では主にトップリングを対象に発明の効果を実証したが、本発明にかかる装置の適用はそれに限らない。ピストンリングの摺動面である外周面はバレル型(樽状曲面)や傾斜型などがある。
超短パルスレーザー光源装置1は、シードレーザー1.1、及び、再生増幅器1.2を備えて構成される。シードレーザー1.1は、チャープパルスを発生するシミラリトンレーザー、又は、ゲインスイッチレーザーダイオード(LD)と、その前置増幅器からなる光源装置である。
再生増幅器1.2に注入するこれらシードレーザー1.1の種パルス光は、数10ピコ秒から数100ピコ秒に線形チャープしており、再生増幅器1.2の出力後に圧縮することで1ピコ秒ないし10ピコ秒で、平均パワー10W級以上の高出力が得られる。超短パルスレーザー光のパルス幅が1〜10ps(ピコ秒)であって、被加工物9の材質が誘電体、半導体、金属いずれであってもレーザー照射部境界において非熱的加工を行う。
シードレーザー1.1に、ファイバーレーザーでモードロックシミラリトンパルスを発生する構成の装置を使用することができる。出力パルス幅は20psであるが線形チャープしており、ファイバーブラッググレーティングで圧縮し、1psにした状態で再生増幅器1.2に注入する。Yb:YAG結晶の利得幅でスペクトル幅が狭窄し、再生増幅後のパルス幅は3ピコ秒となって出力される。シードレーザー1.1はモードロックを安定化させるためにカーボンナノチューブ可飽和吸収変調器を搭載しており安定したシードパルスを供給する。
一方、シードレーザー1.1に、ゲインスイッチレーザーダイオードを使うことができ、その場合、再生増幅器1.2の出力においてパルス幅は6ピコ秒である。
再生増幅器1.2の利得媒質にはYb:YAG結晶が使われており、パルス幅1〜10ピコ秒のパルス光を発生する。中心波長は1030nm、その平均パワーは20Wから100W程度、パルス発生の繰り返し周波数は10kHzから1000kHz程度、パルスエネルギーは100μJから1mJ程度である。レーザーパルスの光偏光の向きは直線偏光である。
図2はピストンリングの外周摺動部に3ピコ秒の超短パルスレーザーを照射して形成したディンプル加工の事例を示した。加工条件は50kHzで発生する超短パルスビームを20ミリ秒の間のみ、すなわち1000パルスを一つのディンプルに照射した。図2(a)は光学顕微鏡写真、同(b)はレーザー顕微鏡による等高線図(色分け)、同(c)は断面形状図である。ディンプルサイズは、直径23μm、深さ10μm、ディンプル間ピッチは40μm、面積充填率49%である。本ピストンリングでは窒化クロム(CrN)の表面コーティングが厚み約20μmの層として付与されている。図2(c)において加工周辺部に従来のレーザー加工時に発生するデブリ堆積や溶融由来のバリ(突起形状)は極めて小さく、非熱的加工が実証されている。ディンプル周辺に加工によって突起が生じた場合、その高さは1μm以下が望ましいが、本加工においては、突起高さは0.1μm以下であった。
超短パルスレーザーのパルスビームは、高速シャッター3によりパルス毎に被加工物9に照射、非照射を設定できる。高速シャッター3は電気光変調器か音響光変調器を使用する。電気光変調器について詳述すると、非線形光学結晶ベータバリウムボレート結晶(BBO)を搭載したポケルスセルと偏光子からなる。ポケルスセルにパルス電圧を印加すると偏光の向きが変化し、偏光子によって被加工物9に照射するビーム軌道に導かれる。偏光子は例えばTFP(Thin Film Polarizer)を用いることができる。
ビーム分岐手段4は、DOE(Diffractive Optical Elements、回折光学素子)、または、空間位相変調器(たとえばLiquid crystal on silicon:LCOS)とその前後にビーム整形光学素子を配置したものである。図3は、ビーム分岐手段4の構成を示す図である。具体的には、ビーム分岐手段4にDOEを用いて、レーザー光を4分岐するビーム分岐手段4の装置構成事例を示している。
単一光束であるシングルビーム(単一ビームの超短パルスビーム)2.1は、補正光学系4.1で収差などを矯正し、軸対象のビームとしてビームエキスパンダ4.2でビーム径を10mmに調整する。DOE4.3を透過したビームは回折しながら4分岐するので、それらを像リレー光学系4.4によって後段のビーム走査手段5に伝送する。図3(a)には4分岐した超短パルスビーム2.2を集光照射して形成したディンプル加工の光学顕微鏡像を示す。ディンプル径は40μm、ディンプル間ピッチは100μmである。
ビーム分岐手段4に空間位相変調器(Spatial Light Modulator:SLM)のうち液晶型であるLCOSを搭載することができる。シリコン基板と対向する透明基板の間に液晶を挟みこむ構造であって、シリコン基板側には液晶駆動回路と画素電極を設け、透明基板と液晶層を通過したレーザー光は、画素電極にて反射される。反射されたレーザー光は空間位相変調されることで、集光レンズを通過することによりレーザー照射点において任意のパターンに整形される。目標とするレーザー照射パターンを逆フーリエ変換することで空間位相変調のパターンが決定される。この逆フーリエ変換の最適化には例えば、GS(Gerchber−Saxton)アルゴリズムを使うことができる。LCOSでは分岐するビームの拡がり角を各ビームに設定することができ、同一のfθレンズでこれら分岐されたビームを集光すると集光点の位置を任意に変えることができる。
ビーム分岐手段4は分岐した1個以上のビーム集光点を加工表面との相対位置データに応じて、ビーム波面の位相を制御する。そして分岐したビームそれぞれが適切に加工面を照射し、同時に複数の多点加工を行う。集光されたビームの加工点と表面との相対位置に関する情報を得るためにビジョン手段(ビジョン装置10)を搭載する。被加工物の製造時に取得される物理データを活用する場合、被加工物一つ一つの位置情報を得る必要が無い場合がある。
ビーム分岐手段4がDOEの場合には、一つのDOEで一つのビーム配列を形成する。また、ビーム分岐手段4が空間位相変調器の場合にはビーム配列と位相制御をプログラムすることができるので、異なる表面形状に様々なディンプル配列を形成することができる。加工表面の限定された領域のみを、ビーム分岐手段4とチャック8(固定具)との連携した被加工物の移動によって加工する。
ビーム走査手段5には2次元でのレーザー光走査を行える2軸のガルバノスキャナーを用いる。ガルバノスキャナーは高精度で動作させるためにエンコーダーを搭載したデジタル制御であることが好ましい。集光レンズ6にはテレセントリックfθレンズを使用することで、分岐された複数の超短パルスビーム2.2はほぼ平行なビーム軸を有し、設計された間隔で被加工物9の表面を照射する。
ガルバノスキャナーのミラー材質としてBe、SiC、SiO2があげられるが、ミラーの面精度が高いSiO2であれば高出力ビームの使用でミラーが変形することがないので、fθレンズの集光照射可能な視野限界まで形状安定性の高い、ほぼ均一なディンプル形状を形成できる。
図4は、ピストンリングの形状と分岐した超短パルスビームの照射方法を説明する図である。図4では、ピストンリング30の摺動面と分岐した超短パルスビームを集光した照射点の位置関係を示している。ピストンリング30の摺動面はバレル型で中央が凸の曲面であり、そこにSLMで超短パルスビーム2.1を分岐した複数の超短パルスビーム2.2がfθレンズによって集光して照射されている。ピストンリング30のサイズはおよそ最外直径が90mmであり、リングの厚みは1.2mmである。バレル型摺動面31の高低差はおよそ200μmあり、分岐ビームはこれらの高低差を補償するようにSLMによって各ビームの拡がり角が矯正される。SLMがLCOSである場合にはおよそ50Hzでそのパターンを変更することができるので、摺動面全体をディンプルで埋め尽くす場合に回転周回ごとに加工の軌道を変えつつ、LCOSによって分岐ビームの加工パラメータを変化させることができる。その加工の様子を図4(c)に示した。図4中の分岐ビーム32(軌道1)から分岐ビーム33(軌道N)までの軌道数は摩擦低減機能に合わせて設計可能である。Nは1以上を表しており、N=1の場合は、1周回だけピストンリング30を回転させディンプル加工を行うことを示す。
超短パルスレーザー装置1から出力されたシングルビーム2.1が、高速シャッター3、ビーム分岐手段4、ビーム走査手段5、fθレンズを透過してピストンリング30に照射されるまでのスループット効率はおよそ50%であった。加工のため照射されるパルスエネルギーの総量が200μJのとき、SLMによって7×7の配置で、分岐ビーム一本あたりの照射エネルギーを約4μJにして、ディンプル加工を行うことができた。
図5は、本実施の形態にかかる超短パルスレーザー加工装置でディンプル加工を施したピストンリング摺動外周面の観察写真である。具体的には、ディンプル加工を施したピストンリング30の摺動外周面の光学顕微鏡写真を示す。図5(a)の周辺部と図5(b)のバレル中央部で異なる加工パラメータでディンプル配列を形成しており、面積占有率はそれぞれ20%、4%、ディンプル直径はそれぞれ20μm、10μmである。周回ごとにSLMのプログラムを変えた結果である。本ディンプル加工ではピストンリング30の一個あたりの加工時間は30秒以下であり、本発明の課題である、高精度、高効率、任意のパターン形成を実証した。
ピストンリング30は、オイル消費に悪影響を与える摺動面の上部にはディンプル加工を施さず、負荷容量が要求されるバレル中央部のディンプルの面積割合を低くし、負荷容量、及び、オイル消費には影響が少なく、かつ摩擦低減効果が得られると思われる摺動面下部(周辺部)には高い面積割合でディンプル加工を施している。
表1にディンプル加工する前のピストンリングと加工後のピストンリングの摩擦力測定結果を示した。摩擦力の測定対象として、燃費に直接影響を与える摩擦平均有効圧(Friction Mean Effective Pressure:FMEP)とした。FMEPとはピストンの摩擦仕事の総和を行程容積(排気量)で除した値であり、ピストンの摩擦損失の大小を表す。利点は排気量によらず摩擦損失の比較ができることで、筒内圧による仕事を行程容積で除した値である平均有効圧と比較ができることから、このような値を指標として使うのが妥当と判断した。3つの回転スピード1500、2000、2500rpmにおいて、低速側で今回のテクスチャリング加工の効果が得られた。境界潤滑領域から混合潤滑領域において好適な摩擦低減状態を実証した。
レーザー光軸方向におけるレーザー照射点とピストンリング外周面の相対距離調整は、集光レンズおよびガルバノスキャナーの位置を変化させることで可能である。DOEやSLMと相互補完する加工動作ができる。その相対距離の調整には図1中のZステージ7.4を用いる。さらに、ガルバノスキャナーに入射させるレーザー光の発散角を2枚以上のレンズにより構成されるコリメーターを設置することにより変化させることでも、レーザー光軸方向におけるレーザー照射点の高さ調整は可能である。いずれの方法を採るか被加工物に対する単位加工時間である分岐ビームによる加工時間を考慮して決定される。
ビームスポットは円形に限らず、自由な形状を与えることができ、ビームスキャン手段に高速なガルバノスキャナーを使用しDOE、SLMと補完動作を行えば、長円や十字型などのディンプル加工が可能である。
以上、本発明の実施例を説明した。特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想から逸脱することなく、これらに変更を施すことができることは明らかである。
本発明は摺動部における摩擦低減を目的とした、摺動部の表面テクスチャリング加工に適用できる。
1 超短パルスレーザー装置
1.1 シードレーザー
1.2 再生増幅器
2.1 シングルビーム
2.2 超短パルスビーム
3 高速シャッター
4 ビーム分岐手段
4.1 補正光学系
4.2 ビームエキスパンダ
4.3 DOE(回折光学素子)
4.4 像リレー光学系
5 ビーム走査手段
6 集光レンズ
7.1 X軸ステージ
7.2 Y軸ステージ
7.3 回転子
7.4 Z軸ステージ
8 チャック
9 被加工物
10 ビジョン装置
11 観察用波長光
30 ピストンリング
31 バレル型摺動面
32 分岐ビーム(軌道1)
33 分岐ビーム(軌道N)
1.1 シードレーザー
1.2 再生増幅器
2.1 シングルビーム
2.2 超短パルスビーム
3 高速シャッター
4 ビーム分岐手段
4.1 補正光学系
4.2 ビームエキスパンダ
4.3 DOE(回折光学素子)
4.4 像リレー光学系
5 ビーム走査手段
6 集光レンズ
7.1 X軸ステージ
7.2 Y軸ステージ
7.3 回転子
7.4 Z軸ステージ
8 チャック
9 被加工物
10 ビジョン装置
11 観察用波長光
30 ピストンリング
31 バレル型摺動面
32 分岐ビーム(軌道1)
33 分岐ビーム(軌道N)
Claims (8)
- シードレーザーと再生増幅器からなる超短パルスレーザー光源装置と、
超短パルス光を開閉する高速シャッターと、
前記超短パルス光を複数のビームに分岐するビーム分岐手段と、
ビーム走査手段と、
集光レンズと、
被加工物を保持し三次元の並進動作および回転動作をする走査手段と、
前記被加工物の加工面の特性を加工前または加工中に観測するビジョン手段と
を備えたこと、を特徴とする被加工物の自由表面を高速でパターン加工可能な超短パルスレーザー加工装置。 - 前記超短パルス光のパルス幅は1〜10psであって、前記被加工物へのレーザー照射部境界において熱影響が小さくなるパルス幅領域にあること、を特徴とする請求項1に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記被加工物は内燃機関における摺動摩擦表面を有する部品であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記自由表面が集光ビームに対して傾斜していること、を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記ビーム分岐手段は、回折光学素子または空間位相変調器と、それらいずれかに好適なビーム整形光学系からなること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記シードレーザーは、シミラリトンレーザーまたはゲインスイッチレーザーダイオードと、それらの前置増幅器を含むシード光発生手段であること、を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記摺動摩擦表面を有する部品がピストンリングであって、その摺動外周面の面領域の一部または全部に、同一とは限らない配列かつ円形とは限らないディンプル加工を行うこと、を特徴とする請求項3に記載の超短パルスレーザー加工装置。
- 前記ピストンリングは、オイル消費に悪影響を与える摺動面の上部にはディンプル加工を施さず、負荷容量が要求されるバレル中央部および、負荷容量、及び、オイル消費には影響が少なく、かつ摩擦低減効果が得られると思われる摺動面下部にディンプル加工を施してあること、を特徴とする請求項7に記載の超短パルスレーザー加工装置。
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